JP2013257283A - 測長装置及び測長方法 - Google Patents

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Takao Endo
貴雄 遠藤
Tomohiro Akiyama
智浩 秋山
Jiro Suzuki
二郎 鈴木
Toshiyuki Ando
俊行 安藤
Takashi Takanezawa
隆 高根澤
Yutaka Ezaki
豊 江崎
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Abstract

【課題】測長対象が存在する空間に雲や塵などが浮遊している環境下でも、正確に測長対象の長さを測定することができるようにする。
【解決手段】電光変換素子4が、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている光ファイバ2の一端から光信号を光ファイバ2内に入射させる一方、光電変換素子5が、その光ファイバ2の他端から出射された光信号を電気信号に変換し、発振器3により発振された電気信号と光電変換素子5により変換された電気信号との位相差dφから測長対象1の長さLCを算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、ビルや鉄塔などの測長対象の長さ(例えば、鉛直方向の長さ)を測定する測長装置及び測長方法に関するものである。
以下の特許文献1には、例えば、ビルなどの構造物の変位を測長する測長装置が開示されている。
この測長装置では、光信号である周波数変調信号を測長対象の構造物に向けて出射し、その構造物に反射されて戻ってきた周波数変調信号を受信するようにしている。
そして、構造物が変位したときに、出射した周波数変調信号と反射波である周波数変調信号の位相差を求め、その位相差と変調周波数に対応する波長に基づいて、構造物の変位を算出するようにしている
特開2002−168626号公報(段落番号[0045])
従来の測長装置は以上のように構成されているので、構造物の変位を算出する際、光信号である周波数変調信号を空間に放射して、空間内の構造物に反射されて戻ってきた周波数変調信号を受信するようにしている。このため、空間内の環境が常に一定であれば、安定的に構造物の変位を算出することができるが、空間に雲や塵などが浮遊している環境下では、光信号である周波数変調信号が乱反射してしまうため、正確に構造物の変位を算出することができなくなる課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、測長対象が存在する空間に雲や塵などが浮遊している環境下でも、正確に測長対象の長さを測定することができる測長装置及び測長方法を得ることを目的とする。
この発明に係る測長装置は、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象の両端の間を往復配置されている光ファイバと、電気信号を発振する発振器と、発振器により発振された電気信号を光信号に変換し、光ファイバの一端から光信号を光ファイバ内に入射させる電光変換手段と、光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する光電変換手段と、発振器により発振された電気信号と光電変換手段により変換された電気信号との位相差を検出する位相差検出手段とを設け、長さ算出手段が、位相差検出手段により検出された位相差から測長対象の長さを算出するようにしたものである。
この発明によれば、電光変換手段が、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象の両端の間を往復配置されている光ファイバの一端から光信号を光ファイバ内に入射させる一方、光電変換手段が、その光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換し、発振器により発振された電気信号と光電変換手段により変換された電気信号との位相差から測長対象の長さを算出するように構成したので、測長対象が存在する空間に雲や塵などが浮遊している環境下でも、正確に測長対象の長さを測定することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による測長装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による測長装置の処理内容(測長方法)を示すフローチャートである。 (a)温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2の長さ、(b)温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2の長さを示す説明図である。 温度Tと測長対象1及び光ファイバ2の長さとの関係を示すグラフ図である。 この発明の実施の形態2による測長装置を示す構成図である。 (a)温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さ、(b)温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示す説明図である。 温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係を示すグラフ図である。 光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tとの関係を示すグラフ図である。 この発明の実施の形態3による測長装置を示す構成図である。 (a)温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さ、(b)温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示す説明図である。 温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係を示すグラフ図である。 (a)温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さ、(b)温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示す説明図である。 温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係を示すグラフ図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による測長装置を示す構成図である。
図1では、測長対象1がビルや鉄塔などの構造物であり、測長対象1の鉛直方向の長さを測定する例を示している。
図1において、光ファイバ2は所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている。
図1の例では、測長対象1の上端部及び下端部において、光ファイバ2が固定されており、温度の上昇に伴って測長対象1が伸びれば、光ファイバ2も一緒に伸びるが、光ファイバ2と測長対象1の材質が異なるため、通常、測長対象1よりも光ファイバ2の方が伸びる長さが多くなり、張力がかけられていない状態で固定されていると、光ファイバ2が撓んでしまう現象が発生する。
この実施の形態1では、測長対象1よりも光ファイバ2の方が多く伸びても、光ファイバ2が撓まないようにするために、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2が測長対象1に固定されている。張力の大きさについては後述する。
発振器3は電気信号として、例えば正弦波や余弦波などの周波数変調信号(周波数変調信号は、目標とする測定精度に依存するが、例えば10GHz帯の信号が該当する)を発振する機器である。
電光変換素子4は光ファイバ2の一端と接続されており、発振器3により発振された電気信号を光信号(例えば、1.5μm帯の光)に変換し、光ファイバ2の一端から当該光信号を光ファイバ2内に入射させる部材(例えば、LASER DIODE、LIGHT EMITTING DIODEなど)である。なお、電光変換素子4は電光変換手段を構成している。
光電変換素子5は光ファイバ2の他端と接続されており、光ファイバ2の他端から出射された光信号を電気信号に変換する部材(例えば、PHOTO DIODE等)である。なお、光電変換素子5は光電変換手段を構成している。
図1では、構成要素の関係を分かり易くするために、電光変換素子4及び光電変換素子5と測長対象1の間を離して図示しているが、実際には、電光変換素子4及び光電変換素子5は、測長対象1の直下に配置されており、電光変換素子4及び光電変換素子5と測長対象1間の光ファイバの長さは、測長対象1の両端の間に往復配置されている光ファイバ2の長さと比べて極めて短い。
位相比較器6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子5により変換された電気信号の位相を比較して、双方の電気信号の位相差を検出する処理を実施する。なお、位相比較器6は位相差検出手段を構成している。
演算装置7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、位相比較器6により検出された位相差から測長対象1の長さを算出する処理を実施する。なお、演算装置7は長さ算出手段を構成している。
図1の例では、測長装置の構成要素である光ファイバ2、発振器3、電光変換素子4、光電変換素子5、位相比較器6及び演算装置7のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測長装置の一部がコンピュータで構成されていてもよい。
測長装置の一部(例えば、位相比較器6、演算装置7)がコンピュータで構成されている場合、例えば、位相比較器6及び演算装置7の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による測長装置の処理内容(測長方法)を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
図3(a)は温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2の長さを示し、(b)は温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2の長さを示す説明図である。ただし、T0<T1である。
また、図4は温度Tと測長対象1及び光ファイバ2の長さとの関係を示すグラフ図である。
まず、測長対象1の長さをLC、光ファイバ2の長さをLAとする。
図3(a)では、上側の●の直下から下側の●の中心までの長さをLCとし、上側の●の直下と下側の●の中心間の往復の長さをLAとしている。
このとき、温度T0であるときの測長対象1の長さLCがL0であるとすると、温度T0であるときの光ファイバ2の長さLAは、下記のように表される。
C=L0 (1)
A=2×L0 (2)
測長対象1の材質と光ファイバ2の材質は異なるため、測長対象1の熱膨張係数α(熱膨張係数αは、物体の大きさが温度によって体積が変化する度合いを示す係数であり、物体の長さが温度によって変化する度合いを示す線膨張率と比例する)と、光ファイバ2の熱膨張係数αは異なる。
熱膨張係数αは、下記の式(3)に示すように、長さLの温度変化dL/dTで表される。

Figure 2013257283
測長対象1の熱膨張係数をαC、光ファイバ2の熱膨張係数をαAとすると、温度TがT0からT1に変化したときの測長対象1の長さLCの変化ΔLCと、光ファイバ2の長さLAの変化ΔLAは、下記の式(4)(5)のように表される。ただし、αC<αAである。
ΔLC=αC0(T1−T0) (4)
ΔLA=2αA0(T1−T0) (5)
ΔLC<ΔLA/2 (6)
したがって、温度変化に伴う測長対象1の長さLCの変化ΔLCと光ファイバ2の長さLAの変化ΔLAは異なり、測長対象1よりも光ファイバ2の方が多く伸びるが(図4において、(1)は測長対象1の長さLCの変化ΔLCを示し、(2)は光ファイバ2の長さLAの変化ΔLAを示している)、この実施の形態1では、上述したように、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2が測長対象1に固定されている。
このため、温度Tが上昇して光ファイバ2の長さLAが伸びた後でも、張力がかけられている状態が維持されていれば(測長対象1よりも光ファイバ2の方が多く伸びることで、温度Tが上昇する前よりも張力は緩むことになるが、元の張力が大きければ、張力がかけられている状態は維持される)、測長対象1よりも光ファイバ2の方が多く伸びたとしても、光ファイバ2の撓みが発生しないので、下記の式(7)の関係が成立する。
ΔLA=2ΔLC (7)
式(7)の関係より、変化後の温度Tが温度T1であるときの測長対象1の長さLCと、温度T1であるときの光ファイバ2の長さLAは、下記の式(8)(9)のように表される。
C=L0+ΔLC (8)
A=2×L0+ΔLA
=2×L0+2ΔLC
=2(L0+ΔLC) (9)
以上より、温度変化に伴う光ファイバ2の長さLAの変化ΔLAが求まれば、測長対象1の長さLCの変化ΔLCが求まり、測長対象1の長さLCを算出することが可能になる。
例えば、測長対象1が鉄塔であり、その鉄塔の材質がSS400(鉄)である場合には、熱膨張係数αBが12[10-6/K]であるため、温度変化(T1−T0)=65度の例では、線膨張率は0.78[mm/1m]になる。
したがって、例えば、温度上昇前の測長対象1の長さLCが20mであるとき、温度Tが65度上昇したとすると、測長対象1の長さLCが15.6[mm](=0.78×20[mm])だけ伸びる。
一方、光ファイバ2の熱膨張係数αAが48.5[10-6/K]である場合(これは被膜が樹脂性の光ファイバの実測値の一例とする)、同様の条件で線膨張率が3.1525[mm/1m]になるため、温度上昇前の光ファイバ2の長さLAが20mであるとき、温度Tが65度上昇したとすると、光ファイバ2の長さLAが63.05[mm](=3.1525×20[mm])だけ伸びる。
このため、上昇前の温度Tが温度T0であるときに、半分の長さLA/2が、測長対象1の長さLCより47.45[mm](=63.05−15.6[mm])以上短い光ファイバ2を採用し、その光ファイバ2に張力をかけて、その光ファイバ2を測長対象1の両端間に往復配置すれば、温度Tが温度T1に上昇しても、光ファイバ2の撓みが発生しなくなり、上記の式(7)の関係が成立する。
なお、光ファイバ2は、1mあたり、10mmまで伸びることが可能であるため、温度上昇前の光ファイバ2の長さLAが20mであれば、200mmまで伸びることが可能である。このため、半分の長さLA/2が、測長対象1の長さLCより47.45[mm]以上短い光ファイバ2を採用することは可能である。
以下、測長装置の処理内容を具体的に説明する。
まず、発振器3は、電気信号として、例えば、正弦波や余弦波などの周波数変調信号を発振する(図2のステップST1)。
電光変換素子4は、発振器3が電気信号を発振すると、その電気信号を光信号に変換し(ステップST2)、光ファイバ2の一端から当該光信号を光ファイバ2内に入射させる(ステップST3)。
光ファイバ2の一端から入射された光信号は、図中、下から上方向に移動したのち、上から下方向に移動して、光ファイバ2の他端から出射される(ステップST4)。
光電変換素子5は、光ファイバ2の他端から出射された光信号を電気信号に変換し、その電気信号を位相比較器6に出射する(ステップST5)。
位相比較器6は、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子5から出射された電気信号の位相を比較して、双方の電気信号との位相差dφ(光ファイバ2の一端から入射された光信号と、光ファイバ2の他端から出射された光信号との位相差dφ)を検出する(ステップST6)。
位相差dφを検出する処理自体は公知の技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
演算装置7は、位相比較器6が位相差dφを検出すると、その位相差dφから測長対象1の長さLCを算出する(ステップST7)。
以下、演算装置7による測長対象1の長さLCの算出処理を具体的に説明する。
まず、温度Tにおける位相差dφ(T)と、光ファイバ2の長さLA(T)との関係は、下記の式(10)のように表される。
dφ(T)=k0nLA(T) (10)
ただし、k0は光信号の波数、nは光ファイバ2の屈折率である。
温度Tが変化すると、実際には光ファイバ2の屈折率nも変化するが、この実施の形態1では、屈折率nの変化が少ない場合を想定して、光ファイバ2の屈折率nは一定であるとしている。
温度変化に伴って光ファイバ2の屈折率nが変化する場合については、実施の形態2で説明する。
式(10)を変形すると、下記の式(11)のように表される。

Figure 2013257283

Figure 2013257283
演算装置7は、位相比較器6が位相差dφを検出すると、その位相差dφを式(11)に代入することで、温度変化dTを算出する。
式(11)において、屈折率nが一定値であるとすると、光信号の波数k0、温度T0であるときの測長対象1の長さL0及び光ファイバ2の熱膨張係数αAは既知であるため、位相差dφが分かれば、温度変化dTを算出することができる。
ここで、光ファイバ2の長さLAと温度Tの間には一定の関係があり、例えば、温度Tが20度であるときの光ファイバ2の長さLAや、温度Tが25度であるときの光ファイバ2の長さLAなどを事前に計測することができる。
そこで、この実施の形態1では、演算装置7は、光ファイバ2の長さLAと温度Tの間の関係を示すテーブル、あるいは、光ファイバ2の長さLAと温度Tの関係を示す関係式を備えているものとする。
演算装置7は、上記のようにして、温度変化dTを算出すると、事前に備えているテーブル、あるいは、関係式を用いて、その温度変化dTに対応する光ファイバ2の長さLAを特定する。
演算装置7は、光ファイバ2の長さLAを特定すると、その長さLAを上記の式(9)に代入することで、測長対象1の長さLCの変化ΔLCを算出し、その変化ΔLCを式(8)に代入することで、測長対象1の長さLCを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、電光変換素子4が、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている光ファイバ2の一端から光信号を光ファイバ2内に入射させる一方、光電変換素子5が、その光ファイバ2の他端から出射された光信号を電気信号に変換し、発振器3により発振された電気信号と光電変換素子5により変換された電気信号との位相差dφから測長対象1の長さLCを算出するように構成したので、測長対象1が存在する空間に雲や塵などが浮遊している環境下でも、正確に測長対象1の長さLCを測定することができる効果を奏する。
この実施の形態1では、測長対象1の鉛直方向の長さを測定する例を示しているが、測定方向は鉛直方向に限るものではなく、他の方向(例えば、水平方向、斜め方向)の長さを測定するものであってもよい。
例えば、測長対象1の水平方向の長さを測定する場合には、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2が測長対象1の水平方向の両端の間に往復配置されていればよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、温度変化に伴う光ファイバ2の屈折率nの変化が少ない場合を想定し、光ファイバ2の屈折率nが一定であるものとして、測長対象の長さLCを算出するものを示したが、実際には、温度変化に伴って光ファイバ2の屈折率nが変化する。このため、温度変化に伴う光ファイバ2の屈折率nの変化を考慮して、測長対象の長さLCを算出する方が、長さLCの算出精度が向上する。
この実施の形態2では、温度変化に伴う光ファイバ2の屈折率nの変化を考慮して、測長対象の長さLCを算出する例を説明する。
図5はこの発明の実施の形態2による測長装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
光ファイバ2a(図中、実線で示している)は所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている。
光ファイバ2b(図中、一点鎖線で示している)は所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている。
この実施の形態2でも、上記実施の形態1と同様に、測長対象1よりも光ファイバ2a,2bの方が多く伸びても、光ファイバ2a,2bが撓まないようにするために、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2a,2bが測長対象1に固定されている。
この実施の形態2では、測長対象1の両端の間に2本の光ファイバ2a,2bが往復配置されているものを示しているが、3本以上の光ファイバ2が往復配置されているようにしてもよい。
電光変換素子11は光ファイバ2a,2bの一端と接続されており、発振器3により発振された電気信号を光信号に変換し、光ファイバ2a,2bの一端から当該光信号を光ファイバ2a,2b内に入射させる部材である。なお、電光変換素子11は電光変換手段を構成している。
光電変換素子12は光ファイバ2a,2bの他端と接続されており、光ファイバ2a,2bの他端から出射された光信号を電気信号に変換する部材である。なお、光電変換素子12は光電変換手段を構成している。
図5では、構成要素の関係を分かり易くするために、電光変換素子11及び光電変換素子12と測長対象1の間を離して図示しているが、実際には、電光変換素子11及び光電変換素子12は、測長対象1の直下に配置されており、電光変換素子11及び光電変換素子12と測長対象1間の光ファイバの長さは、測長対象1の両端の間に往復配置されている光ファイバ2a,2bの長さと比べて極めて短い。
位相比較器13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子12により変換された2つの電気信号の位相を比較して、各々の電気信号の位相差を検出する処理を実施する。なお、位相比較器13は位相差検出手段を構成している。
演算装置14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、位相比較器13により検出された各々の位相差から測長対象1の長さを算出する処理を実施する。なお、演算装置14は長さ算出手段を構成している。
図5の例では、測長装置の構成要素である光ファイバ2、発振器3、電光変換素子11、光電変換素子12、位相比較器13及び演算装置14のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測長装置の一部がコンピュータで構成されていてもよい。
測長装置の一部(例えば、位相比較器13、演算装置14)がコンピュータで構成されている場合、例えば、位相比較器13及び演算装置14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
図6(a)は温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示し、(b)は温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示す説明図である。ただし、T0<T1である。
また、図7は温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係を示すグラフ図である。
まず、測長対象1の長さをLC、光ファイバ2aの長さをLA、光ファイバ2bの長さをLBとする。
図6(a)では、上側の●の直下から下側の●の中心までの長さをLCとし、上側の●の直下と下側の●の中心間の往復の長さをLA,LBとしている。
このとき、温度T0であるときの測長対象1の長さLCがL0であるとすると、温度T0であるときの光ファイバ2a,2bの長さLA,LBは、下記のように表される。
C=L0 (21)
A=2×L0 (22)
B=2×L0 (23)
測長対象1の材質と光ファイバ2a,2bの材質は異なるため、測長対象1の熱膨張係数αと、光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αは異なる。
熱膨張係数αは、上記の式(3)に示すように、長さLの温度変化dL/dTで表される。
測長対象1の熱膨張係数をαC、光ファイバ2aの熱膨張係数をαA、光ファイバ2bの熱膨張係数をαBとすると、温度TがT0からT1に変化したときの測長対象1の長さLCの変化ΔLCと、光ファイバ2aの長さLAの変化ΔLAと、光ファイバ2bの長さLBの変化ΔLBは、下記の式(24)〜(26)のように表される。ただし、αC<αA<αBである。
ΔLC=αC0(T1−T0) (24)
ΔLA=2αA0(T1−T0) (25)
ΔLB=2αB0(T1−T0) (26)
ΔLC<ΔLA/2<ΔLB/2 (27)
したがって、温度変化に伴う測長対象1の長さLCの変化ΔLCと光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBは異なり、測長対象1よりも光ファイバ2a,2bの方が多く伸びるが(図7において、(1)は測長対象1の長さLCの変化ΔLCを示し、(2)は光ファイバ2aの長さLAの変化ΔLAを示し、(3)は光ファイバ2bの長さLBの変化ΔLBを示している)、この実施の形態2では、上述したように、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2a,2bが測長対象1に固定されている。
このため、温度Tが上昇して光ファイバ2a,2bの長さLA,LBが伸びた後でも、張力がかけられている状態が維持されていれば(測長対象1よりも光ファイバ2a,2bの方が多く伸びることで、温度Tが上昇する前よりも張力は緩むことになるが、元の張力が大きければ、張力がかけられている状態は維持される)、測長対象1よりも光ファイバ2a,2bの方が多く伸びたとしても、光ファイバ2a,2bの撓みが発生しないので、下記の式(28)の関係が成立する。
ΔLA=ΔLB=2ΔLC (28)
式(28)の関係より、変化後の温度Tが温度T1であるときの測長対象1の長さLC、温度T1であるときの光ファイバ2aの長さLA、温度T1であるときの光ファイバ2bの長さLBは、下記の式(29)〜(31)のように表される。
C=L0+ΔLC (29)
A=2×L0+ΔLA=2×L0+2ΔLC=2(L0+ΔLC) (30)
B=2×L0+ΔLB=2×L0+2ΔLC=2(L0+ΔLC) (31)
以上より、温度変化に伴う光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBが求まれば、測長対象1の長さLCの変化ΔLCが求まり、測長対象1の長さLCを算出することが可能になる。
以下、測長装置の処理内容を具体的に説明する。
まず、発振器3は、電気信号として、例えば、正弦波や余弦波などの周波数変調信号を発振する。
電光変換素子11は、発振器3が電気信号を発振すると、その電気信号を光信号に変換し、光ファイバ2aの一端から当該光信号を光ファイバ2a内に入射させるとともに、光ファイバ2bの一端から当該光信号を光ファイバ2b内に入射させる。
光ファイバ2a,2bの一端から入射された光信号は、図中、下から上方向に移動したのち、上から下方向に移動して、光ファイバ2a,2bの他端から出力される。
光電変換素子12は、光ファイバ2の他端から出射された光信号を電気信号に変換し、その電気信号を位相比較器13に出射する。
位相比較器13は、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子12から出射された電気信号(光ファイバ2aの他端より出射された光信号から変換された電気信号)の位相を比較して、双方の電気信号との位相差dφA(光ファイバ2aの一端から入射された光信号と、光ファイバ2aの他端から出射された光信号との位相差dφA)を検出する。
また、位相比較器13は、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子12から出射された電気信号(光ファイバ2bの他端より出射された光信号から変換された電気信号)の位相を比較して、双方の電気信号との位相差dφB(光ファイバ2bの一端から入射された光信号と、光ファイバ2bの他端から出射された光信号との位相差dφB)を検出する。
演算装置14は、位相比較器13が位相差dφA,dφBを検出すると、その位相差dφA,dφBから測長対象1の長さLCを算出する。
以下、演算装置14による測長対象1の長さLCの算出処理を具体的に説明する。
まず、温度Tにおける位相差dφA(T),dφB(T)と、光ファイバ2a,2bの長さLA(T),LB(T)との関係は、下記の式(32)(33)のように表される。
dφA(T)=k0AA(T) (32)
dφB(T)=k0BB(T) (33)
ただし、k0は光信号の波数、nAは光ファイバ2aの屈折率、nBは光ファイバ2bの屈折率である。
式(32)を変形すると、下記の式(34)のように表される。

Figure 2013257283


Figure 2013257283
また、式(33)を変形すると、下記の式(36)のように表される。

Figure 2013257283

Figure 2013257283
演算装置14は、位相比較器13が位相差dφA,dφBを検出すると、その位相差dφAを式(34)に代入し、その位相差dφBを式(36)に代入する。
式(34)(36)において、光信号の波数k0、温度T0であるときの測長対象1の長さL0及び光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBは既知であるため、式(34)における未知数は、温度変化dTと光ファイバ2aの屈折率nAである。また、式(36)における未知数は、温度変化dTと光ファイバ2bの屈折率nBである。
ただし、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tとの関係は、図8に示すように、線形性があり、事前知り得るものである。そのため、演算装置14は、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係を示すテーブル、あるいは、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係を示す関係式を備えているものとする。
光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係が分かれば、位相差dφA,dφBが代入された式(34)(36)を連立方程式として解くことにより、温度変化dTを算出することができる。
演算装置14は、温度変化dTを算出すると、図1の演算装置7と同様に、事前に備えているテーブル、あるいは、関係式を用いて、その温度変化dTに対応する光ファイバ2a,2bの長さLA,LBを特定する。
演算装置14は、光ファイバ2a,2bの長さLA,LBを特定すると、その長さLA又は長さLBを上記の式(30)又は式(31)に代入することで、測長対象1の長さLCの変化ΔLCを算出し、その変化ΔLCを式(29)に代入することで、測長対象1の長さLCを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、電光変換素子11が、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象1の両端の間を往復配置されている光ファイバ2a,2bの一端から光信号を光ファイバ2内に入射させる一方、光電変換素子5が、その光ファイバ2a,2bの他端から出射された光信号を電気信号に変換し、発振器3により発振された電気信号と光電変換素子5により変換された2つの電気信号との位相差dφA,dφBから測長対象1の長さLCを算出するように構成したので、測長対象1が存在する空間に雲や塵などが浮遊している環境下でも、正確に測長対象1の長さLCを測定することができる効果を奏する。
また、2つの位相差dφA,dφBから測長対象1の長さLCを算出しているため、温度変化に伴って光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBが変化しても、精度よく測長対象1の長さLCを測定することができる効果を奏する。
この実施の形態2では、測長対象1の鉛直方向の長さを測定する例を示しているが、測定方向は鉛直方向に限るものではなく、他の方向(例えば、水平方向、斜め方向)の長さを測定するものであってもよい。
例えば、測長対象1の水平方向の長さを測定する場合には、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2a,2bが測長対象1の水平方向の両端の間に往復配置されていればよい。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による測長装置を示す構成図であり、図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
光電変換素子21は入力側が光ファイバ20(例えば、測長対象1の両端の間を往復配置されている光ファイバ2a,2bと略同一の長さの光ファイバ)を介して電光変換素子11の出力側と接続されており、電光変換素子11から出射された光信号を電気信号に変換する部材である。なお、光電変換素子21は第2の光電変換手段を構成している。
この実施の形態3では、光電変換素子12は第1の光電変換手段を構成している。
上記実施の形態2では、発振器3により発振された電気信号が位相比較器13に入力され、その電気信号と光電変換素子12により変換された電気信号との位相差を検出するものを示したが、図9に示すように、電光変換素子11の出力側と光電変換素子21の入力側を光ファイバ20で接続して、光電変換素子21により変換された電気信号と光電変換素子12により変換された電気信号との位相差を検出するようにしてもよく、上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
なお、この実施の形態3では、電光変換素子11の出力側と光電変換素子21の入力側を光ファイバ20で接続しているので、位相比較器13により入力される電気信号間の位相差dφが、電気信号の1周期以上ずれてしまって、測長対象1の長さLCを算出することができなくなる状況の発生を防止することができる。
光ファイバ20(例えば、測長対象1の両端の間を往復配置されている光ファイバ2a,2bと略同一の長さの光ファイバ)に温度変化を極力与えないように、例えば、ファイバを巻き取ることで空間的に小さくして、それを温度環境の安定なところ(例えば、恒温槽)に配置することで、長さの温度変化の影響を極力小さくできる。この光ファイバ20を基準に位相差を検出することで、測長対象1の長さを精度良く測定することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態2では、所定以上の張力がかけられている状態で、光ファイバ2a,2bが、測長対象1の両端の間に往復配置されているものを示したが、測長対象1の両端の間に往復配置されている光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBが異なるものであれば(例えば、光ファイバ2aの熱膨張係数αAが測長対象1の熱膨張係数αCより小さく、光ファイバ2bの熱膨張係数αBが測長対象1の熱膨張係数αCより大きい)、張力をかけない状態で、光ファイバ2a,2bを測長対象1の両端の間に往復配置することができる。
なお、光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBが異なるものであっても、張力をかけた状態で、光ファイバ2a,2bを測長対象1の両端の間に往復配置することができる(実施の形態2を参照)。
図10(a)は温度T0であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示し、(b)は温度T1であるときの測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さを示す説明図である。ただし、T0<T1である。
また、図11は温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係を示すグラフ図である。
この実施の形態4では、光ファイバ2a,2bには張力がかけられておらず、測長対象1の上端から光ファイバ2a,2bが吊り下げられるように往復配置されている。
測長対象1の上端から光ファイバ2a,2bが吊り下げられているため、重力によって、光ファイバ2a,2bが撓むことはないので、温度T0(変化前の温度)であるときの測長対象1の長さLCがL0であるとすると、上記実施の形態2と同様に、温度T0であるときの光ファイバ2a,2bの長さLA,LBは、下記のように表される。
C=L0 (41)
A=2×L0 (42)
B=2×L0 (43)
測長対象1の熱膨張係数をαC、光ファイバ2aの熱膨張係数をαA、光ファイバ2bの熱膨張係数をαBとすると、温度TがT0からT1に変化したときの測長対象1の長さLCの変化ΔLC、光ファイバ2aの長さLAの変化ΔLA、光ファイバ2bの長さLBの変化ΔLBは、下記の式(44)〜(46)のように表される。ただし、αA<αC<αBである。
ΔLC=αC0(T1−T0) (44)
ΔLA=2αA0(T1−T0) (45)
ΔLB=2αB0(T1−T0) (46)
ΔLA/2<ΔLC<ΔLA/2 (47)
したがって、温度変化に伴う測長対象1の長さLCの変化ΔLCと光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBは異なり、温度T1に変化したときの測長対象1の長さLCと、光ファイバ2aの長さLAと、光ファイバ2bの長さLBは、下記の式(48)〜(50)のように表される。
C=L0+ΔLC (48)
A=2×L0+ΔLA (49)
B=2×L0+ΔLB (50)
このとき、測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さLC,LA,LBの変化ΔLC,ΔLA,ΔLBは、式(44)〜(46)及び図11から明らかなように、測長対象1の熱膨張係数αCと光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBに依存している。
また、測長対象1の熱膨張係数αCと光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBは既知である。
このため、上記実施の形態2,3と同様の方法で、温度変化に伴う光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBが求まれば、測長対象1の熱膨張係数αCと光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBの比率から測長対象1の長さLCの変化ΔLCが求まり、測長対象1の長さLCを算出することが可能になる。
以下、測長装置の処理内容を具体的に説明する。
まず、発振器3は、電気信号として、例えば、正弦波や余弦波などの周波数変調信号を発振する。
電光変換素子11は、発振器3が電気信号を発振すると、その電気信号を光信号に変換し、光ファイバ2aの一端から当該光信号を光ファイバ2a内に入射させるとともに、光ファイバ2bの一端から当該光信号を光ファイバ2b内に入射させる。
光ファイバ2a,2bの一端から入射された光信号は、図中、下から上方向に移動したのち、上から下方向に移動して、光ファイバ2a,2bの他端から出力される。
位相比較器13は、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子12により変換された電気信号(光ファイバ2aの他端より出射された光信号から変換された電気信号)の位相を比較して、双方の電気信号との位相差dφA(光ファイバ2aの一端から入射された光信号と、光ファイバ2aの他端から出射された光信号との位相差dφA)を検出する。
また、位相比較器13は、発振器3により発振された電気信号の位相と光電変換素子12により変換された電気信号(光ファイバ2bの他端より出射された光信号から変換された電気信号)の位相を比較して、双方の電気信号との位相差dφB(光ファイバ2bの一端から入射された光信号と、光ファイバ2bの他端から出射された光信号との位相差dφB)を検出する。
演算装置14は、位相比較器13が位相差dφA,dφBを検出すると、その位相差dφA,dφBから測長対象1の長さLCを算出する。
以下、演算装置14による測長対象1の長さLCの算出処理を具体的に説明する。
まず、温度Tにおける位相差dφA(T),dφB(T)と、光ファイバ2a,2bの長さLA(T),LB(T)との関係は、上記の式(32)(33)のように表され、式(32)を変形すると、上記の式(34)のように表される。また、式(33)を変形すると、上記の式(36)のように表される。
演算装置14は、位相比較器13が位相差dφA,dφBを検出すると、その位相差dφAを式(34)に代入し、その位相差dφBを式(36)に代入する。
式(34)(36)において、光信号の波数k0、温度T0であるときの測長対象1の長さL0及び光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBは既知であるため、式(34)における未知数は、温度変化dTと光ファイバ2aの屈折率nAである。また、式(36)における未知数は、温度変化dTと光ファイバ2bの屈折率nBである。
ただし、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tとの関係は、図8に示すように、線形性があり、事前知り得るものである。そのため、演算装置14は、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係を示すテーブル、あるいは、光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係を示す関係式を備えているものとする。
光ファイバ2a,2bの屈折率nA,nBと温度Tの関係が分かれば、位相差dφA,dφBが代入された式(34)(36)を連立方程式として解くことにより、温度変化dTを算出することができる。
演算装置14は、温度変化dTを算出すると、図1の演算装置7と同様に、事前に備えているテーブル、あるいは、関係式を用いて、その温度変化dTに対応する光ファイバ2a,2bの長さLA,LBを特定する。
演算装置14は、温度変化dTに対応する光ファイバ2a,2bの長さLA,LBを特定すると、光ファイバ2a,2bの長さLA,LBを式(49)(50)に代入して、温度変化に伴う光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBを算出する。
演算装置14は、光ファイバ2a,2bの長さLA,LBの変化ΔLA,ΔLBを算出すると、下記の式(51)に示すように、測長対象1の熱膨張係数αCと光ファイバ2aの熱膨張係数αAとの比率を変化ΔLAに乗算することで、測長対象1の長さLCを算出する。
または、下記の式(51)に示すように、測長対象1の熱膨張係数αCと光ファイバ2bの熱膨張係数αBとの比率を変化ΔLBに乗算することで、測長対象1の長さLCを算出する。
Figure 2013257283

Figure 2013257283
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、測長対象1の両端の間に往復配置されている光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBが異なるものであれば(例えば、光ファイバ2aの熱膨張係数αAが測長対象1の熱膨張係数αCより小さく、光ファイバ2bの熱膨張係数αBが測長対象1の熱膨張係数αCより大きい)、張力をかけない状態で、光ファイバ2a,2bを測長対象1の両端の間に往復配置するようにしても、上記実施の形態2,3と同様の効果を奏することができる。
この実施の形態4では、測長対象1の熱膨張係数αC、光ファイバ2a,2bの熱膨張係数αA,αBが、αA<αC<αBである例を示したが、これは一例に過ぎず、例えば、αC<αA<αBであってもよい。
この場合、測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さは図12のように変化し、温度Tと測長対象1及び光ファイバ2a,2bの長さとの関係は図13のようになる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 測長対象、2,2a,2b 光ファイバ、3 発振器、4,11 電光変換素子(電光変換素子)、5 光電変換素子(光電変換手段)、6,13 位相比較器(位相差検出手段)、7,14 演算装置(長さ算出手段)、12 光電変換素子(光電変換手段、第1の光電変換手段)20 光ファイバ、21 光電変換素子(第2の光電変換手段)。

Claims (9)

  1. 所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象の両端の間を往復配置されている光ファイバと、
    電気信号を発振する発振器と、
    上記発振器により発振された電気信号を光信号に変換し、上記光ファイバの一端から上記光信号を上記光ファイバ内に入射させる電光変換手段と、
    上記光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する光電変換手段と、
    上記発振器により発振された電気信号と上記光電変換手段により変換された電気信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    上記位相差検出手段により検出された位相差から測長対象の長さを算出する長さ算出手段と
    を備えた測長装置。
  2. 測長対象の両端の間を複数の光ファイバが往復配置されており、
    電光変換手段は、上記複数の光ファイバの一端から光信号を複数の光ファイバ内に入射させ、
    光電変換手段は、上記複数の光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換し、
    位相差検出手段は、発振器により発振された電気信号と上記光電変換手段により変換された複数の電気信号との位相差を検出し、
    長さ算出手段は、上記位相差検出手段により検出された複数の位相差から測長対象の長さを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の測長装置。
  3. 所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象の両端の間を往復配置されている光ファイバと、
    電気信号を発振する発振器と、
    上記発振器により発振された電気信号を光信号に変換し、上記光ファイバの一端から上記光信号を上記光ファイバ内に入射させる電光変換手段と、
    上記光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する第1の光電変換手段と、
    上記電光変換手段の出射側と光ファイバを介して接続されており、上記電光変換手段から出射された光信号を電気信号に変換する第2の光電変換手段と、
    上記第1の光電変換手段により変換された電気信号と上記第2の光電変換手段により変換された電気信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    上記位相差検出手段により検出された位相差から測長対象の長さを算出する長さ算出手段と
    を備えた測長装置。
  4. 測長対象の両端の間を複数の光ファイバが往復配置されており、
    電光変換手段は、上記複数の光ファイバの一端から光信号を複数の光ファイバ内に入射させ、
    第1の光電変換手段は、上記複数の光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換し、
    位相差検出手段は、上記第1の光電変換手段により変換された複数の電気信号と第2の光電変換手段により変換された電気信号との位相差を検出し、
    長さ算出手段は、上記位相差検出手段により検出された複数の位相差から測長対象の長さを算出する
    ことを特徴とする請求項3記載の測長装置。
  5. 複数の光ファイバの熱膨張係数が異なっていることを特徴とする請求項2または請求項4記載の測長装置。
  6. 測長対象の両端の間を往復配置されている熱膨張係数が異なる複数の光ファイバと、
    電気信号を発振する発振器と、
    上記発振器により発振された電気信号を光信号に変換し、上記複数の光ファイバの一端から上記光信号を上記複数の光ファイバ内に入射させる電光変換手段と、
    上記複数の光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する光電変換手段と、
    上記発振器により発振された電気信号と上記光電変換手段により変換された複数の電気信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    上記位相差検出手段により検出された複数の位相差から測長対象の長さを算出する長さ算出手段と
    を備えた測長装置。
  7. 測長対象より熱膨張係数が小さい光ファイバと、上記測長対象より熱膨張係数が大きい光ファイバとが少なくとも1つずつ以上配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の測長装置。
  8. 発振器が、電気信号を発振する電気信号発振処理ステップと、
    電光変換手段が、上記電気信号発振処理ステップで発振された電気信号を光信号に変換し、所定以上の張力がかけられている状態で、測長対象の両端の間を往復配置されている光ファイバの一端から上記光信号を上記光ファイバ内に入射させる電光変換処理ステップと、
    光電変換手段が、上記光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する光電変換処理ステップと、
    位相差検出手段が、上記電気信号発振処理ステップで発振された電気信号と上記光電変換処理ステップで変換された電気信号との位相差を検出する位相差検出処理ステップと、
    長さ算出手段が、上記位相差検出処理ステップで検出された位相差から測長対象の長さを算出する長さ算出処理ステップと
    を備えた測長方法。
  9. 発振器が、電気信号を発振する電気信号発振処理ステップと、
    電光変換手段が、上記電気信号発振処理ステップで発振された電気信号を光信号に変換し、測長対象の両端の間を往復配置されている熱膨張係数が異なる複数の光ファイバの一端から上記光信号を上記複数の光ファイバ内に入射させる電光変換処理ステップと、
    光電変換手段が、上記光ファイバの他端から出射された光信号を電気信号に変換する光電変換処理ステップと、
    位相差検出手段が、上記電気信号発振処理ステップで発振された電気信号と上記光電変換処理ステップで変換された電気信号との位相差を検出する位相差検出処理ステップと、
    長さ算出手段が、上記位相差検出処理ステップで検出された位相差から測長対象の長さを算出する長さ算出処理ステップと
    を備えた測長方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI621827B (zh) * 2016-10-07 2018-04-21 萬里科技股份有限公司 用於平面拍攝的長度量測方法

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