JP2013256722A - アクチュエータおよび変位拡大機構 - Google Patents

アクチュエータおよび変位拡大機構 Download PDF

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和久 渡辺
Seiketsu Jo
世傑 徐
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Abstract

【課題】幅をより狭くし、より速い速度で動作させる。
【解決手段】基部61および基部62は、圧電素子41−1の変位する端部に配置される。第1支点用梁66および第2支点用梁68は、圧電素子41−1の側面に沿って伸びる。第1支点用結合部67は、支点として弾性変形する。変位梁71は、第2支点用梁68の側面のうち、圧電素子41−1側の側面に対向する側面に沿って伸びる。第2支点用結合部69は、支点として弾性変形する。第2力点用結合部70は、力点として弾性変形する。変位梁71から拡大された変位が出力される。
【選択図】図3

Description

本発明はアクチュエータおよび変位拡大機構に関し、特に、編み機の選針装置のアクチュエータおよび編み機の選針装置のアクチュエータの変位拡大機構に関する。
近年、編み機に、記憶装置に記憶された柄編成手順を編成針の上下動に伝達するための選針装置が用いられている。繊維産業における低コストおよび高速化の要求に対応する必要から、摺動型あるいは揺動型のフィンガを有する編み機用選針装置が開発されてきた。また、編み機用選針装置の駆動装置として、応答速度が速く消費電力が小さい圧電素子を用いた圧電駆動装置が使われるようになってきた。
一方で、D33モードで変形する圧電素子を用いたアクチュエータを実現するために変位拡大機構も用いられている。
従来、圧電素子などの駆動部材から出力される一軸方向の変位を、変位伝達方向に沿って配置される複数のレバーと、これらのレバーを支持する固定部と、レバーの支点を形成する弾性変形可能な支点用結合部と、レバーの力点を形成する弾性変形可能な力点用結合部とを備えた変位拡大機構もある(例えば、特許文献1参照)。
また、変位拡大機構に、圧電素子の伸縮変位を拡大する変位拡大動作を行う変位拡大動作部と、変位拡大動作部の前記圧電素子の伸縮変位より大きい変位が生じる部分に設けられ、圧電素子が伸縮動作した際に変位拡大動作部の変位拡大動作にともなって圧電素子に対して圧縮力を付与する圧縮コイルばねとを設けたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−96931号公報 特開2008−99399号公報
しかしながら、変位方向に対して変位拡大機構の幅が広く、変位拡大機構を編み機の選針装置に用いることはできなかった。
また、D33モードで変形する圧電素子は、より速い速度で伸縮させることができるが、その変位量が小さく、編み機の選針装置に用いることはできなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、幅をより狭くし、より速い速度で動作させることができるようにするものである。
本発明の第1の側面のアクチュエータは、編み機の選針装置のアクチュエータであって、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材と、駆動部材から出力される変位を拡大する変位拡大機構とを備え、変位拡大機構は、駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部とを有し、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する。
駆動部材は、圧電素子とすることができる。
駆動部材は、D33モードで変形する圧電素子とすることができる。
駆動部材は、磁歪素子とすることができる。
駆動部材には、ソレノイドを用いて変位を出力させることができる。
駆動部材には、形状記憶合金の変形によって変位を出力させることができる。
本発明の第2の側面の変位拡大機構は、編み機の選針装置のアクチュエータの変位拡大機構であって、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部とを備え、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する。
以上のように、本発明の第1の側面によれば、幅をより狭くし、より速い速度で動作させることができる。
また、本発明の第2の側面によれば、幅をより狭くし、より速い速度で動作させることができる。
本発明の一実施の形態の選針装置11の外観の例を示す図である。 選針装置11の内部の構成を示す斜視図である。 フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す斜視図である。 フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す正投影図法による図である。 フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す斜視図である。 フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す上面図である。 本発明の一実施の形態の選針装置101の外観の例を示す図である。 選針装置101の内部の構成を示す斜視図である。 選針装置101の内部の構成を示す上面図である。 選針装置101の内部の構成を示す右側面図である。 フィンガ121−4およびラッチ部142−4の構成の詳細を示す上面拡大図である。 フィンガ121−4およびラッチ部142−4の構成の詳細を示す上面拡大図である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面のアクチュエータは、編み機の選針装置のアクチュエータ(例えば、図3の駆動部31−1)であって、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材(例えば、図3の圧電素子41−1)と、駆動部材から出力される変位を拡大する変位拡大機構(例えば、図3の変位拡大部42−1)とを備え、変位拡大機構は、駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部(例えば、図3の基部62)と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部(例えば、図3の基部61)と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁(例えば、図3の第1支点用梁66)と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁(例えば、図3の第2支点用梁68)と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部(例えば、図3の第1支点用結合部67)と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁(例えば、図3の変位梁71)と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部(例えば、図3の第2支点用結合部69)と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部(例えば、図3の第2力点用結合部70)とを有し、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する。
本発明の第2の側面の変位拡大機構は、編み機の選針装置のアクチュエータの変位拡大機構(例えば、図3の変位拡大部42−1)であって、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部(例えば、図3の基部62)と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部(例えば、図3の基部61)と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁(例えば、図3の第1支点用梁66)と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁(例えば、図3の第2支点用梁68)と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部(例えば、図3の第1支点用結合部67)と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁(例えば、図3の変位梁71)と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部(例えば、図3の第2支点用結合部69)と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部(例えば、図3の第2力点用結合部70)とを備え、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する。
図1は、本発明の一実施の形態の選針装置11の外観の例を示す図である。図1(A)は、選針装置11の外観の例を示す斜視図である。図1(B)、図1(C)、図1(D)、および図1(E)は、それぞれ、選針装置11の外観の例を示す上面図、正面図、右側面図、底面図である。なお、選針装置11の外観の例を示す左側面図は、図1(D)に示される右側面図と対称の形状となるので、省略する。
また、以下、選針装置11に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図1(C)中の左側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図1(C)中の右側を単に右側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図1(C)中の手前側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1(C)中の奥側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図1(C)中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図1(C)中の下側を単に下側と称する。
選針装置11は、緯編機または経編機、例えば、横編み機または靴下編み機などである編み機に装着される。以下、丸編機に装着される選針装置11を例に説明する。選針装置11は、柄に応じた動作を編成針にさせるため、編成針の動作を選択する。選針装置11の上面、正面、右側面、および左側面にはカバーが設けられている。選針装置11の底面には、編み機に装着される場合、編み機において位置決めするための溝が形成されている。
選針装置11には、フィンガ21−1乃至21−4が設けられている。フィンガ21−1乃至21−4は、その変位した位置によって、編成針の動作を選択する。
フィンガ21−1乃至21−4は、それぞれ、選針装置11の正面のカバーの設けられた穴から突出するか、または選針装置11の正面のカバーの内側に入るように変位する。すなわち、フィンガ21−1乃至21−4は、それぞれ、前側または後側に移動する。フィンガ21−1乃至21−4は、前側に移動したとき、移動してくる編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げ、後側に移動したとき、編成針またはジャックをそのまま通過させる。ここで、ジャックは、編成針の下側などに配置され、編成針に選択の動作を伝達する部材である。
フィンガ21−1乃至21−4は、同様の形状に形成されている。フィンガ21−1が最も下側に配置され、フィンガ21−2、フィンガ21−3、およびフィンガ21−4は、順に、フィンガ21−1の上側に配置される。フィンガ21−1乃至21−4は、Z軸方向に重なるように、すなわち、X軸方向の位置とY軸方向の位置とが同じになるように配置される。
フィンガ21−1乃至21−4のそれぞれ隣接するものの上下方向(Z軸方向)の間隔(以下、ピッチと称する。)は一定とされる。ピッチを小さくすると、フィンガ21−1乃至21−4の配置に必要な上下方向(Z軸方向)の長さを短くすることができる。その長さが同じ場合、ピッチを小さくすると、より多くのフィンガを配置することができ、編み機の生産能力が向上する。従って、ピッチをより小さくすることが好ましい。
なお、フィンガ21−1乃至21−4のそれぞれのZ軸方向の大きさは、ピッチより小さくされる。すなわち、フィンガ21−1乃至21−4のそれぞれの厚さは、ピッチより薄くされる。
また、選針装置11を編み機に隣接して装着することを考慮して、選針装置11の幅、すなわち、X軸方向の大きさは、より小さくすることが好ましい。
図2は、選針装置11の内部の構成を示す斜視図である。選針装置11の内部には、駆動部31−1乃至31−4が、選針装置11の底面に配置されているベース32上に、Z軸方向に重なるように、すなわち、X軸方向の位置とY軸方向の位置とが同じになるように配置される。駆動部31−1乃至31−4は、それぞれ、フィンガ21−1乃至21−4のそれぞれを駆動する。ベース32は、選針装置11の土台であり、駆動部31−1乃至31−4およびフィンガ21−1乃至21−4を固定する基礎である。
より詳細には、選針装置11の内部には、フィンガ21−1乃至21−4、圧電素子41−1乃至41−4、変位拡大部42−1乃至42−4、ピン43、ピン44、ラッチ部45−1乃至45−4、ピン46、ピン47、およびピン48が設けられている。
駆動部31−1は、圧電素子41−1、ピン43、ピン44、変位拡大部42−1、ラッチ部45−1、およびピン46により構成されている。また、駆動部31−2は、圧電素子41−2、ピン43、ピン44、変位拡大部42−2、ラッチ部45−2、およびピン46により構成されている。さらに、駆動部31−3は、圧電素子41−3、ピン43、ピン44、変位拡大部42−3、ラッチ部45−3、およびピン46により構成されている。さらにまた、駆動部31−4は、圧電素子41−4、ピン43、ピン44、変位拡大部42−4、ラッチ部45−4、およびピン46により構成されている。
圧電素子41−1乃至41−4は、同様の形状とされている。変位拡大部42−1乃至42−4は、同様の形状とされている。ラッチ部45−1乃至45−4は、同様の形状とされている。
駆動部31−1を構成する圧電素子41−1、変位拡大部42−1、およびラッチ部45−1と、フィンガ21−1とは、X軸とY軸とで定まる水平面と平行の平面(以下、水平面1と称する。)上に配置される。駆動部31−1を構成する圧電素子41−1、変位拡大部42−1、およびラッチ部45−1のZ軸方向の大きさは、ピッチより小さくされる。すなわち、圧電素子41−1、変位拡大部42−1、およびラッチ部45−1の厚さは、ピッチより薄くされる。
また、駆動部31−2を構成する圧電素子41−2、変位拡大部42−2、およびラッチ部45−2と、フィンガ21−2とは、水平面1と平行であって、ピッチの分だけ水平面1より上側の平面(以下、水平面2と称する。)上に配置される。さらに、駆動部31−3を構成する圧電素子41−3、変位拡大部42−3、およびラッチ部45−3と、フィンガ21−3とは、水平面2と平行であって、ピッチの分だけ水平面2より上側の平面(以下、水平面3と称する。)上に配置される。さらにまた、駆動部31−4を構成する圧電素子41−4、変位拡大部42−4、およびラッチ部45−4と、フィンガ21−4とは、水平面3と平行であって、ピッチの分だけ水平面3より上側の平面(以下、水平面4と称する。)上に配置される。駆動部31−2を構成する圧電素子41−2、変位拡大部42−2、およびラッチ部45−2の厚さは、ピッチより薄くされる。駆動部31−3を構成する圧電素子41−3、変位拡大部42−3、およびラッチ部45−3の厚さは、ピッチより薄くされる。駆動部31−4を構成する圧電素子41−4、変位拡大部42−4、およびラッチ部45−4の厚さは、ピッチより薄くされる。
フィンガ21−1乃至21−4、圧電素子41−1乃至41−4、変位拡大部42−1乃至42−4、およびラッチ部45−1乃至45−4の厚さが、ピッチより薄くされているので、フィンガ21−1乃至21−4および駆動部31−1乃至31−4を積み重ねるように配置することで、フィンガ21−1乃至21−4および駆動部31−1乃至31−4を所定のピッチで配置することが容易になる。
なお、水平面1乃至水平面4は、選針装置11が丸編機である編み機に装着された場合、選針されるとき編成針が移動する方向に直交する平面である。
圧電素子41−1乃至41−4は、駆動素子または駆動部材の一例である。圧電素子41−1乃至41−4は、積層型の圧電素子であり、電圧の印加によりY軸方向に伸縮する。すなわち、圧電素子41−1乃至41−4は、印加された電界に対して同じ方向に変化するD33モードで変形する。言い換えれば、圧電素子41−1乃至41−4は、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する。
圧電素子41−1乃至41−4は、それぞれ、水平面1乃至水平面4のそれぞれの上に配置されるように、変位拡大部42−1乃至42−4のそれぞれの内側に装着される。従って、電圧の印加による変形前および変形後において、圧電素子41−1乃至41−4のそれぞれの両端は、水平面1乃至水平面4のそれぞれの上に位置することになる。
変位拡大部42−1乃至42−4は、いわゆる変位拡大機構である。変位拡大部42−1乃至42−4は、それぞれ、略平板状に形成されている。変位拡大部42−1乃至42−4の幅(X軸方向の大きさ)は、より狭く形成されている。変位拡大部42−1乃至42−4は、それぞれ、圧電素子41−1乃至41−4のそれぞれで発生した変位を拡大させ、水平面1乃至水平面4のそれぞれの上で変位させる駆動力を発生させる。すなわち、変位拡大部42−1乃至42−4は、それぞれ、圧電素子41−1乃至41−4のそれぞれから出力される変位を拡大する。
変位拡大部42−1乃至42−4は、ピン43およびピン44によってベース32に固定される。変位拡大部42−1乃至42−4で発生された駆動力は、それぞれ、ラッチ部45−1乃至45−4のそれぞれに伝達される。
ラッチ部45−1乃至45−4は、それぞれ、棒状に形成されている。ラッチ部45−1乃至45−4は、ピン46によって回動自在にベース32に固定されている。ラッチ部45−1乃至45−4のそれぞれの一端が、変位拡大部42−1乃至42−4のそれぞれによって変位させられると、ラッチ部45−1乃至45−4のそれぞれは、ピン46を軸に回動する。ピン46を軸に回動させられたラッチ部45−1乃至45−4のそれぞれの他端は、フィンガ21−1乃至21−4を押圧することでフィンガ21−1乃至21−4に駆動力を伝達する。
フィンガ21−1乃至21−4は、それぞれ、ピン47を軸に、ベース32に回動自在に固定される。ピン48は、フィンガ21−1乃至21−4のそれぞれと当接することで、フィンガ21−1乃至21−4が前側に移動したときの位置を規制する。
このように、フィンガ21−1乃至21−4および駆動部31−1乃至31−4は、同様の構成とされ、上下方向に重ねられている。
次に、フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を図3乃至図6を参照して説明する。なお、図3乃至図6において、ピン43、ピン44、ピン46、ピン47、およびピン48として、フィンガ21−1および駆動部31−1の動作に必要な部分のみを示し、以下、図3乃至図6を参照した説明における、ピン43、ピン44、ピン46、ピン47、およびピン48に関する説明は、フィンガ21−1および駆動部31−1の動作に関係するものについてのみ行うものとする。
図3は、フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す斜視図である。図4は、フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す正投影図法による図である。図4(A)、図4(B)、図4(C)、および図4(D)は、それぞれ、上面図、正面図、右側面図、背面図である。図3および図4は、フィンガ21−1が前側に移動したときの、フィンガ21−1および駆動部31−1を示す。
図5は、フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す斜視図である。図6は、フィンガ21−1および駆動部31−1の構成の詳細を示す上面図である。図5および図6は、フィンガ21−1が後側に移動したときの、フィンガ21−1および駆動部31−1を示す。
変位拡大部42−1、ラッチ部45−1、およびフィンガ21−1は、それぞれ、金属材料により一体に形成されている。なお、変位拡大部42−1、ラッチ部45−1、およびフィンガ21−1は、それぞれ、エンジニアリングプラスチックなどの樹脂または繊維強化プラスチックなどの複合材料で形成することもできる。変位拡大部42−1、ラッチ部45−1、およびフィンガ21−1は、それぞれ、プレス加工、切削加工、鋳造、射出成形、金属粉末射出成形、またはこれらを組み合わせて成形することができる。
変位拡大部42−1は、基部61、基部62、駆動素子固定端63、駆動素子固定端64、第1力点用結合部65、第1支点用梁66、第1支点用結合部67、第2支点用梁68、第2支点用結合部69、第2力点用結合部70、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73からなる。ラッチ部45−1は、被作用端81、軸止部82、梁83、および変位端84からなる。また、フィンガ21−1には、当接部91、カム状部92、角度規制部93、凸部94、および凹部95が形成されている。
まず、変位拡大部42−1の構成について説明する。
基部61は、変位拡大部42−1の部位の内、ラッチ部45−1との間に変位端位置調整部72および変位端73を挟んだ、フィンガ21−1側の部位であって、略四角形状に形成される。基部61は、駆動部材である圧電素子41−1の変位する端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける。基部61は、X軸方向に所定の間隔で設けられ、貫通されたピン43およびピン44によってベース32に固定される。基部61は、圧電素子41−1が伸縮しても、ベース32に対して変位しない。すなわち、基部61は、選針装置11に固定される。
基部62は、変位拡大部42−1の部位の内、基部61に対向する側の端部に略四角形状に形成されている。基部62は、駆動部材である圧電素子41−1の変位する端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける。言い換えれば、基部62は、変位拡大部42−1の部位の内、フィンガ21−1側とは反対側の部位として形成されている。このように、基部61および基部62は、圧電素子41−1の伸縮の方向に対向して、圧電素子41−1を挟む位置に設けられる。
基部61の側面のうち、基部62に対向する側面には、右側に第2支点用梁68の一端が連接され、左側に第1支点用結合部67を介して第1支点用梁66の一端が連接され、第2支点用梁68と第1支点用結合部67との間に、第1力点用結合部65を介して駆動素子固定端63が設けられている。なお、第1支点用結合部67は、第1支点用梁66と基部62との間に設けるようにしてもよい。
基部62の側面のうち、基部61に対向する側面には、右側に第2力点用結合部70の一端が連接され、左側に第1支点用梁66の他端が連接され、第2力点用結合部70と第1支点用梁66との間に、駆動素子固定端64が形成されている。
このように、駆動素子固定端63と駆動素子固定端64とは、それぞれ、基部61側と基部62側とのそれぞれに、対向するように形成されている。駆動素子固定端63は、圧電素子41−1の一方の端部に固定される。駆動素子固定端64は、圧電素子41−1の他方の端部に固定される。圧電素子41−1は、電圧の印加によりY軸方向に伸縮するので、圧電素子41−1が伸縮すると、駆動素子固定端63と駆動素子固定端64との間隔が変化することになる。なお、図3および図4は、圧電素子41−1がY軸方向に伸びて、フィンガ21−1が前側に移動している状態を示している。
第1支点用梁66は、圧電素子41−1の左側をY軸方向に沿って、すなわち、圧電素子41−1の伸縮方向に平行の方向に基部61と基部62とを連接する棒状に形成されている。すなわち、第1支点用梁66は、第1の梁の一例であり、第1の受け部である基部62に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って、駆動部材が変位を出力する方向である1軸方向に伸びる。
第2支点用梁68は、圧電素子41−1の右側をY軸方向に沿って、すなわち、圧電素子41−1の伸縮方向に平行の方向に基部61から基部62に向かって伸びる棒状に形成されている。すなわち、第2支点用梁68は、第2の梁の一例であり、第2の受け部である基部61に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って、駆動部材が変位を出力する方向である1軸方向に伸びる。
第2支点用梁68の他端には、第2支点用結合部69の一端が連接されている。第2支点用結合部69の他端は、変位梁71の一端に連接されている。第2力点用結合部70の他端は、変位梁71の右側の側面のうち、第2支点用結合部69が連接されている端部から変位梁71の長さをほぼ4分の1にした長さだけ離れた位置に連接されている。
変位梁71は、変位拡大部42−1の右側を概ねY軸方向に沿って、ラッチ部45−1に向かって伸びる棒状に形成されている。変位梁71の他端には、変位端位置調整部72の一端が連接されている。変位梁71は、第3の梁の一例であり、第2の梁である第2支点用梁68の側面のうち、駆動部材(圧電素子41−1)側の側面に対向する側面に沿って、駆動部材が変位を出力する方向である1軸方向に伸びる。
変位端位置調整部72は、X軸方向に沿って、ピン46が設けられている位置であって、X軸方向の位置まで伸びる棒状に形成されている。変位端位置調整部72の他端は、変位端73に連接されている。変位端73は、Y軸方向に伸びる棒状に形成されている。変位端73の端部のうち、ラッチ部45−1側の端部の上から見た形状は、中心角が180度以上の扇形とされている。変位端73の端部のうち、ラッチ部45−1側の端部は、被作用端81に結合されている。
第1力点用結合部65、第1支点用結合部67、第2支点用結合部69、および第2力点用結合部70は、それぞれ、幅の狭い(X軸方向の厚さが薄い)薄板状とされ、圧電素子41−1の伸縮によって、水平面1上の所定の向きの力が変位拡大部42−1に加えられた場合、水平面1上の所定の向きに弾性変形する(たわむ)ように形成されている。
第1支点用結合部67は、第1の結合部の一例であり、第1の梁である第1支点用梁66の他端と第2の受け部である基部61とを結合し、駆動部材である圧電素子41−1の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する。第2支点用結合部69は、第2の結合部の一例であり、第3の梁である変位梁71の一端と第2の梁である第2支点用梁68の他端とを結合し、駆動部材である圧電素子41−1の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する。第2力点用結合部70は、第3の結合部の一例であり、第3の梁である変位梁71の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部である基部62とを結合し、駆動部材である圧電素子41−1の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する。
第1支点用梁66、第2支点用梁68、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73は、第1力点用結合部65、第1支点用結合部67、第2支点用結合部69、および第2力点用結合部70の幅に比較して広い幅に形成され、圧電素子41−1の伸縮によって変位拡大部42−1に力が加えられても、変形しにくいように所定の剛性となるよう形成されている。なお、第1支点用梁66、第2支点用梁68、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73のそれぞれの幅は、変形しにくいように所定の剛性が得られる限度で狭くされる。これにより、変位拡大部42−1の幅をより狭くすることができる。
また、基部62の側面のうち、基部61に対向する側面の右側に、第2支点用結合部69の一端を連接し、第2支点用梁68の他端に、第2力点用結合部70の一端を連接するようにしてもよい。この場合、第2力点用結合部70の他端は、変位梁71の左側の側面のうち、第2支点用結合部69が連接されている端部から変位梁71の長さをほぼ4分の1にした長さだけ離れた位置に連接される。
次に、ラッチ部45−1の構成について説明する。
被作用端81は、略棒状のラッチ部45−1の端部のうち、変位拡大部42−1側の端部に形成される。被作用端81は、変位端73の端部のうち、ラッチ部45−1側の扇形の端部が入り込むように、半長円状の凹部をなすように形成されている。被作用端81の凹部には、変位端73の端部のうち、ラッチ部45−1側の端部が嵌められる。
軸止部82は、被作用端81からラッチ部45−1の長さをほぼ5分の1にした長さだけ離れた位置に設けられる。軸止部82は、貫通されたピン46によって回動自在にベース32に固定される。梁83は、ピン46からフィンガ21−1に向かって概ねY軸方向に伸びる棒状に形成されている。梁83は、変形しにくいように所定の剛性となる幅に形成されている。変位端84は、略棒状のラッチ部45−1の端部のうち、フィンガ21−1側の端部に形成される。変位端84の先端の形状は、変位端84の上から見て、半円とされている。変位端84は、左側に変位したとき、フィンガ21−1のカム状部92に接するように形成される。
次に、フィンガ21−1の構成について説明する。
当接部91は、編成針またはジャックに作用する作用部の一例であり、平滑な平面に形成されている。例えば、当接部91は、移動してくる編成針またはジャックを押圧する場合、縦の平面(Z軸方向に平行な平面)に形成されている。例えば、当接部91は、移動してくる編成針またはジャックを持ち上げる場合、斜め上向きの平面(Z軸方向に交差する上向きの平面)に形成されている。当接部91は、フィンガ21−1がピン47を軸に時計回りに回動し後側に移動したとき、ベース32の前側の面とほぼ面一となる。また、当接部91は、フィンガ21−1がピン47を軸に反時計回りに回動し前側に移動したとき、ベース32の前側の面に対して、ピン47を中心として所定の角度で突出する。カム状部92は、駆動力が加えられる被作用部の一例であり、当接部91に対向してラッチ部45−1の変位端84側に形成されている。カム状部92は、フィンガ21−1の回動角度に対応した曲面で形成され、運動の方向を変える機械要素であるカムとして形成されている。カム状部92は、いわゆる板カム(周縁カム)とされている。なお、カム状部92は、溝カムなどの平面カムや立体カムとすることもできる。
角度規制部93は、フィンガ21−1の左側に、ピン48の側面に対応する形状の突起状に形成されている。凸部94は、凹部95を挟んでカム状部92と対向する位置に形成されている凸状の部位である。凸部94は、ピン47から左後方に突出するように形成され、変位端84が左側に移動したとき、変位端84と接触せず、変位端84が右側に移動したとき、変位端84の右側面に当接する長さに形成されている。
凹部95は、カム状部92と凸部94との間に形成されている、変位端84の先端の形状に対応し、変位端84の先端が入ることのできる略U字状の凹部として形成されている。
次に、フィンガ21−1を前側に移動させる場合のフィンガ21−1および駆動部31−1の動作を説明する。
この場合、まず、圧電素子41−1に、圧電素子41−1を伸ばす向きの電圧が印加される。圧電素子41−1は、この電圧の印加によりY軸方向に伸びる。圧電素子41−1は、変位拡大部42−1の駆動素子固定端63と駆動素子固定端64とに挟まれているので、駆動素子固定端63と駆動素子固定端64との間隔が伸び、駆動素子固定端63と駆動素子固定端64とが配置されているX軸方向の位置において、基部61と基部62との間隔が広げられることになる。一方で、基部61および基部62の左側は、第1支点用梁66および第1支点用結合部67によって連接されているので、その間隔は変わらない。
圧電素子41−1が伸びると、基部61と基部62との相対的な位置は、右側が開くように変位することになる。基部61が、ベース32に対して変位しないように固定されているので、基部62が上から見て反時計方向に回動するように変位する。
このとき、第1力点用結合部65および第1支点用結合部67は、弾性変形するように幅の狭い薄板状に形成されているので、基部61と基部62との右側が、開くように変位すると、基部62に対する、圧電素子41−1および第1支点用梁66の位置は保持され、第1力点用結合部65および第1支点用結合部67はしなり(弾性変形し)、基部61に対する圧電素子41−1および第1支点用梁66の角度位置が変化する。言い換えれば、第1支点用結合部67が支点となり、第1力点用結合部65が力点となるように、基部61、基部62、第1支点用梁66、および第2支点用梁68が、梃子として動作する。
より詳細には、基部61、基部62、駆動素子固定端63、駆動素子固定端64、第1力点用結合部65、第1支点用梁66、第1支点用結合部67、および第2支点用梁68で形成され、第1支点用結合部67を支点とし、第1力点用結合部65を力点とする梃子が、圧電素子41−1が伸びた変位を、基部62と第2支点用梁68との間隔の変位に変える。支点が変位拡大部42−1の左側にあり、力点が変位拡大部42−1のX軸方向のほぼ中央にあり、いわゆる作用点が変位拡大部42−1の右側にあるので、圧電素子41−1の変位に比較して、基部62と第2支点用梁68との間隔の変位は拡大することになる。
基部61のX座標方向の長さをX1とし、第1支点用結合部67から第1力点用結合部65までの長さをX2とし、駆圧電素子41−1が伸びることで駆動素子固定端63と駆動素子固定端64と間隔がΔYだけ増加したとすると、基部61および基部62の右側は、Y軸方向に、近似的に、X1/X2×ΔYだけ開くことになる。具体的には、基部61および基部62の右側は、おおよそ、2×ΔYだけ開く。
また、第1力点用結合部65および第1支点用結合部67がしなるようにしたので、基部62に対して圧電素子41−1の位置が保持され、また、圧電素子41−1に対する駆動素子固定端63の位置が保持されるので、圧電素子41−1が捻られて変形してしまうことを防止できる。これにより、圧電素子41−1が歪んで寿命が短くなることを防止できる。
基部61および基部62の右側がY軸方向に開いた場合、変位梁71の一端(後側の端部)の位置は、第2支点用梁68および第2支点用結合部69によって、ほぼ保持される。一方、基部61および基部62の右側がY軸方向に開くと、基部62の右側に連接されている第2力点用結合部70によって、変位梁71が、第2力点用結合部70の他端が連接されている位置で、右側に引き寄せられる。このとき、第2支点用結合部69および第2力点用結合部70はしなり(弾性変形し)、基部62に対する変位梁71の角度位置が変化する。すなわち、第2支点用結合部69が支点となり、第2力点用結合部70が力点となるように、変位梁71が梃子として動作する。
より詳細には、第2支点用結合部69、第2力点用結合部70、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73で形成され、第2支点用結合部69を支点とし、第2力点用結合部70を力点とする梃子が、基部62と第2支点用梁68との間隔のY軸方向の変位を、変位端73のX軸方向の変位に変える。支点が変位梁71の端部(基部62側の一端)にあり、力点が変位梁71の途中にあり、いわゆる作用点が変位端73にあるので、基部62と第2支点用梁68との間隔の変位に比較して、変位端73の変位は拡大することになる。
第2力点用結合部70の他端が、変位梁71の途中の右側であって、変位梁71の長さをほぼ4分の1にした長さだけ、第2支点用結合部69が連接されている変位梁71の端部から離れた位置に連接されているので、梃子の原理により、変位梁71の他端は、基部61および基部62の右側の開いた長さの4倍だけ、X軸方向に変位することになる。さらに、変位端73の長さが、変位梁71の長さのほぼ4分の1に相当するので、変位梁71の一端(後側の端部)から変位端73の先端までの長さは、変位梁71の一端から第2力点用結合部70の他端が連接されている位置までの長さの5倍となる。
従って、変位端73の他端は、おおよそ、5×2×ΔY=10×ΔY、すなわち、駆圧電素子41−1が伸びた長さの10倍だけ右側(X軸方向)に変位する。
変位端73が右側に変位するので、被作用端81が、変位端73が変位した長さと同じ長さだけ右側に変位する。軸止部82から被作用端81までの長さが、軸止部82から変位端84までの長さに対してほぼ5分の1とされているので、被作用端81が右側(X軸方向)に変位した長さの5倍の長さだけ、変位端84が左側(X軸方向)に変位する。
最終的に、変位端84は、おおよそ、5×5×2×ΔY=50×ΔY、すなわち、駆圧電素子41−1が伸びた長さの50倍だけ左側(X軸方向)に変位する。
変位端84が左側に移動すると、カム状部92の突出した部分が押圧されるので、フィンガ21−1は、前側に移動する。より詳細には、変位端84によってカム状部92が押圧されると、フィンガ21−1は、ピン47を軸として反時計方向に回動することにより、フィンガ21−1が前側に移動し、このとき、当接部91は、編成針またはジャックと当接する位置に移動する。
角度規制部93は、突起状に形成されているので、フィンガ21−1が前側に移動したとき、ピン48と当接して、フィンガ21−1がベース32に対して所定の角度位置となるようにフィンガ21−1の角度位置を規制する。
このように、フィンガ21−1が前側に移動し、フィンガ21−1の当接部91は、編成針またはジャックと当接する位置に移動する。フィンガ21−1が前側に移動すると、当接部91は、移動してくる編成針またはジャックと当接して、編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げる。
変位端84が左側に移動して、カム状部92の突出した部分が押圧されて、フィンガ21−1が、前側に移動している状態において、フィンガ21−1の当接部91およびカム状部92並びにラッチ部45−1の変位端84、梁83、および軸止部82はY軸方向にほぼ直線的に並ぶ。移動してくる編成針またはジャックが当接部91に当接することで、フィンガ21−1に加えられる力は、後向き、すなわちY軸方向にほぼ直線的に加わる。従って、フィンガ21−1に力が加えられても、フィンガ21−1とラッチ部45−1との位置関係が保持されて、ラッチ部45−1が、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力を受ける。すなわち、ラッチ部45−1は、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力を受け、フィンガ21−1の位置を保持する。最終的に、フィンガ21−1に加えられる力は、軸止部82およびピン46で受けられ、変位拡大部42−1には伝達されない。
このように、ラッチ部45−1は、フィンガ21−1の当接部91が作用して編成針を変位させる場合、当接部91が編成針またはジャックに作用する位置に位置するようにフィンガ21−1を保持し、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力を受ける。
次に、フィンガ21−1を後側に移動させる場合のフィンガ21−1および駆動部31−1の動作を説明する。フィンガ21−1を後側に移動させる場合のフィンガ21−1および駆動部31−1の動作は、動作の向きが逆になるが、基本的に、フィンガ21−1を前側に移動させる場合のフィンガ21−1および駆動部31−1の動作と同様である。
この場合、変位拡大部42−1に加えられている力が除かれたときに、変位端84が左側に位置し、圧電素子41−1が伸張している状態から、圧電素子41−1に、圧電素子41−1を縮ませる向きの電圧が印加されるか、または、圧電素子41−1を伸ばす向きの電圧の印加が止められたものとする。
これにより、圧電素子41−1は、Y軸方向に縮む。駆動素子固定端63と駆動素子固定端64との間隔が狭まり、駆動素子固定端63と駆動素子固定端64とが配置されているX軸方向の位置において、基部61と基部62との間隔が狭められる。一方で、基部61および基部62の左側は、第1支点用梁66および第1支点用結合部67によって連接されているので、その間隔は変わらない。
圧電素子41−1が縮むと、基部61と基部62との相対的な位置は、右側が閉じるように変位することになる。基部61が、ベース32に対して変位しないように固定されているので、基部62が上から見て時計方向に回動するように変位する。この場合も、第1支点用結合部67が支点となり、第1力点用結合部65が力点となるように、基部61、基部62、第1支点用梁66、および第2支点用梁68が、梃子として動作する。
また、基部61および基部62の右側がY軸方向に閉じると、基部62の右側に連接されている第2力点用結合部70によって、変位梁71が、第2力点用結合部70の他端が連接されている位置で、左側に押される。このとき、第2支点用結合部69および第2力点用結合部70はしなり(弾性変形し)、基部62に対する変位梁71の角度位置が変化する。すなわち、第2支点用結合部69が支点となり、第2力点用結合部70が力点となるように、変位梁71が梃子として動作する。
フィンガ21−1を後側に移動させる場合においても、フィンガ21−1を前側に移動させる場合と同様に、変位端73の他端は、駆圧電素子41−1が縮んだ長さの10倍だけ左側(X軸方向)に変位する。
変位端73が左側に変位するので、被作用端81が、変位端73が変位した長さと同じ長さだけ左側に変位する。この場合も、被作用端81が左側(X軸方向)に変位した長さの5倍の長さだけ、変位端84が右側(X軸方向)に変位する。
最終的に、変位端84は、おおよそ、駆圧電素子41−1が縮んだ長さの50倍だけ右側(X軸方向)に変位する。
変位端84が右側に移動すると、変位端84の右側面が凸部94を押圧するので、フィンガ21−1は後側に移動する。より詳細には、変位端84の右側面によって凸部94が押圧されると、フィンガ21−1は、ピン47を軸として時計方向に回動することにより、フィンガ21−1が後側に移動し、このとき、当接部91は、編成針またはジャックと当接しない位置に移動する。
凹部95は、変位端84の先端の形状に対応し、変位端84の先端が入ることのできる略U字状の凹部として形成されているので、変位端84が右側に移動し、フィンガ21−1が後側に移動したとき、凹部95の内側に変位端84の先端が入りこむ。従って、フィンガ21−1は、変位端84に干渉することなく、後側に移動することができる。
このように、フィンガ21−1が後側に移動し、フィンガ21−1の当接部91は、編成針またはジャックと当接しない位置に移動する。フィンガ21−1が後側に移動すると、当接部91は、移動してくる編成針またはジャックと当接せず、編成針またはジャックはそのまま通過する。
なお、凸部94を設けないようにしてもよい。この場合、変位端84が右側に移動しても、フィンガ21−1は後側に移動せず、前側の位置に留まる。この状態で、フィンガ21−1の当接部91が、移動してくる編成針またはジャックと当接すると、編成針またはジャックによって加えられた力でフィンガ21−1は後側に移動する。
また、カム状部92には、凹部95との境に微小に後側に突出した突起を設けることができる。このようにすることで、変位端84の先端の頭頂部分がその突起より左側に移動した場合、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力によって、変位端84がより左側に移動させられる。これにより、ラッチ部45−1は、より確実に、当接部91が編成針またはジャックに作用する位置に位置するようにフィンガ21−1を保持し、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力を受けられるようになる。
一方、変位端84の先端の頭頂部分がその突起より右側に移動した場合、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力によって、変位端84がより右側に移動させられる。これにより、より確実に、変位端84の先端が凹部95の内側に入りこみ、フィンガ21−1が後側に移動し、フィンガ21−1の当接部91が、編成針またはジャックと当接しない位置に移動することになる。
このように、何らかの原因で変位端84の変位が小さくなったとしても、変位端84の先端が、カム状部92に設けられた突起より左側または右側に移動すれば、編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げるか、編成針またはジャックをそのまま通過させることができる。
以上のように、駆動部31−1を構成するラッチ部45−1の変位端84の位置は、圧電素子41−1が伸びたときおよび縮んだとき、水平面1上を変位する。ラッチ部45−1は、ピン46に軸止されている軸止部82を中心に時計方向または反時計方向に回動するので、変位端84は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。すなわち、駆動部31−1は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位させる駆動力を発生させる。ここで、ラッチ部45−1は、Y軸方向に伸びるように配置されるので、変位端84が位置する円弧の弦は、X軸方向の直線となる。
また、フィンガ21−1の当接部91の位置は、圧電素子41−1が伸びたときおよび縮んだとき、水平面1上を変位する。フィンガ21−1は、ピン47を中心に時計方向または反時計方向に回動するので、当接部91は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。すなわち、フィンガ21−1の当接部91は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。ここで、フィンガ21−1は、Y軸方向である前側または後側に移動するので、フィンガ21−1の当接部91が位置する円弧の弦は、概ねY軸に沿った直線となる。
すなわち、フィンガ21−1の当接部91は、変位端84が位置する円弧の弦(X軸方向の直線)の方向に交差する方向である、概ねY軸に沿った直線となる弦を有する円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。
このように、駆動部31−1は、水平面1上の第1の円弧上の2つの第1の位置に変位させる駆動力を発生させる。フィンガ21−1には、駆動力が加えられる被作用部であるカム状部92と、カム状部92に対向して形成されている作用部である当接部91であって、編成針またはジャックに作用する当接部91とが設けられている。カム状部92は、カム状に形成されている。第1の位置のいずれかへの変位に応じた駆動力がカム状部92に加えられた場合、当接部91は、水平面1上の第2の円弧であって、第1の円弧の弦の方向に交差する方向の弦を有する第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位する。
当接部91が、水平面1上の第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位するように、フィンガ21−1が水平面1上を変位するので、フィンガを上下動させる場合に比較して、ピッチをより狭くできる。また、駆動部31−1およびフィンガ21−1が円弧上を変位するように動作するので、変位端84または当接部91の変位の長さとそのときの重心の移動距離とに注目すると、直線的に変位させる場合に比較して重心の移動距離をより短くすることができる。従って、より速い速度で動作させることができる。よって、編み機側の編成針またはジャックの移動速度(回転速度)を維持でき、より速くすることもできる。
駆動部31−1は、水平面1上の第1の円弧上の2つの第1の位置に変位させる駆動力を発生させ、当接部91が、水平面1上の第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位するように、フィンガ21−1が水平面1上を変位するので、駆動部31−1およびフィンガ21−1をZ軸方向により薄く構成することが容易になる。
また、フィンガを上下動させる場合には、1つのフィンガが上に動き、その上に設けられているフィンガが下に動いたときの相互の位置関係を管理しなければならない。これに比較すると、フィンガ21−1が水平面1上を変位するので、選針装置11の組み立て精度の管理の幅をより広くすることができる。
水平面1は、選針されるとき編成針が移動する方向に直交する平面とすることができる。この場合、編成針またはジャック側の当接部91によって作用される範囲が水平面1と直交するので、選針装置11の編み機への設置がより容易になる。また、編み機側で管理すべき精度の幅をより広くすることができる。
また、圧電素子41−1が伸びたときおよび縮んだとき、変位拡大部42−1の変位端73の位置は、水平面1上を変位する。第2支点用結合部69に支えられている変位梁71の端部を中心に、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73が時計方向または反時計方向に回動するので、変位拡大部42−1の変位端73の位置は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。すなわち、変位拡大部42−1は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位させる駆動力を発生させる。変位拡大部42−1は、変位梁71、変位端位置調整部72、および変位端73がY軸方向に伸びるように配置されるので、変位端73が位置する円弧の弦は、X軸方向の直線となる。
なお、変位端73が、直接、カム状部92の突出した部分を押圧するようにしてもよい。この場合、カム状部92の突出した部分を押圧している変位端73と変位端位置調整部72との接続部の後側にピンを設けて、そのピンがフィンガ21−1に加わる力を受けるようにしてもよい。
また、駆動部31−1には、フィンガ21−1の当接部91が作用して編成針を変位させる場合、当接部91が編成針またはジャックに作用する前側の位置に位置するようにフィンガ21−1を保持し、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力を受けるラッチ部45−1を設けることができる。駆動部31−1側でフィンガ21−1の位置を保持する力、すなわち、編成針を変位させるためにフィンガ21−1に加わる力に対抗する力を発生させられなくとも、確実に編成針を変位させることができ、また、不要な力の伝達を防止することができ、よって耐久性を向上させることができる。
さらに、駆動部31−1には、圧電素子41−1などの駆動素子で発生した変位を拡大させて、平面上の第1の円弧上の第1の位置に変位させる駆動力を発生させる変位拡大部42−1を設けることができる。これまで編み機の選針装置に用いることの出来なかったD33モードで変形する圧電素子41−1を採用することができる。D33モードで変形する圧電素子41−1はより速い速度で変形させることができるので、選針装置11をより速い速度で動作させることができるようになる。
また、以上のように、編み機の選針装置のアクチュエータである駆動部31−1に、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材である圧電素子41−1と、駆動部材から出力される変位を拡大する変位拡大機構であると変位拡大部42−1とを設けることができる。変位拡大部42−1は、駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部である基部62と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置31−1に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部である基部61と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁である第1支点用梁66と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁である第2支点用梁68と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部である第1支点用結合部67と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁である変位梁71と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部である第2支点用結合部69と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部である第2力点用結合部70とを有し、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する。第1の梁、第2の梁、および第3の梁が1軸方向に伸びるので、1軸方向に交差する方向の長さである幅をより狭くすることができる。また、駆動部材として、これまで編み機の選針装置に用いることの出来なかったD33モードで変形する圧電素子41−1を採用することができる。D33モードで変形する圧電素子41−1はより速い速度で変形させることができるので、選針装置11をより速い速度で動作させることができるようになる。
また、変位拡大部42−2乃至42−4のそれぞれは、変位拡大部42−1と同様に構成され、動作する。ラッチ部45−2乃至45−4のそれぞれは、ラッチ部45−1と同様に構成され、動作する。また、フィンガ21−2乃至21−4のそれぞれは、フィンガ21−1と同様に構成され、動作する。すなわち、駆動部31−2乃至31−4のそれぞれは、駆動部31−1と同様に構成され、動作する。
なお、駆動部材(駆動素子)として、圧電素子41−1乃至41−4を設けると説明したが、これに限らず、駆動部材(駆動素子)として、外部から磁界を加えると変形する磁歪素子、ソレノイド内に可動鉄芯または磁石片を設けて電流により可動鉄芯または磁石片を移動させるソレノイドアクチュエータ、または形状記憶合金を採用することもできる。例えば、磁歪素子にコイルを巻いてコイルに流れる電流により磁歪素子を変形させることができる。例えば、温度により変形する形状記憶合金に電流を流し、発生するジュール熱で温度を変化させて形状記憶合金を変形させることができる。
次に、駆動素子としてバイモルフ方式の圧電素子を採用した、本発明の一実施の形態の選針装置について説明する。
図7は、本発明の一実施の形態の選針装置101の外観の例を示す図である。図7(A)は、選針装置101の外観の例を示す斜視図である。図7(B)、図7(C)、図7(D)、図7(E)、および図7(F)は、それぞれ、選針装置101の外観の例を示す上面図、正面図、右側面図、底面図、背面図である。なお、選針装置101の外観の例を示す左側面図は、図7(D)に示される右側面図と対称の形状となるので、省略する。
また、以下、選針装置101に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図7(C)中の左側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図7(C)中の右側を単に右側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図7(C)中の手前側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図7(C)中の奥側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図7(C)中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図7(C)中の下側を単に下側と称する。
選針装置101は、緯編機または経編機、例えば、横編み機または靴下編み機などである編み機に装着される。以下、丸編機に装着される選針装置101を例に説明する。選針装置101は、柄に応じた動作を編成針にさせるため、編成針の動作を選択する。選針装置101の上面、正面、右側面、および左側面にはカバーが設けられている。選針装置101の底面には、編み機に装着される場合、編み機において位置決めするための溝が形成されている。選針装置101の背面には、電気的に接続するための端子が設けられている。
選針装置101には、フィンガ121−1乃至121−4が設けられている。フィンガ121−1乃至121−4は、その変位した位置によって、編成針の動作を選択する。
フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、金属材料により一体に形成されている。なお、フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、エンジニアリングプラスチックなどの樹脂または繊維強化プラスチックなどの複合材料で形成することもできる。フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、プレス加工、切削加工、鋳造、射出成形、金属粉末射出成形、またはこれらを組み合わせて成形することができる。
フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、選針装置101の正面のカバーの設けられた穴から突出するか、または選針装置101の正面のカバーの内側に入るように変位する。すなわち、フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、前側または後側に移動する。フィンガ121−1乃至121−4は、前側に移動したとき、移動してくる編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げ、後側に移動したとき、編成針またはジャックをそのまま通過させる。
フィンガ121−1乃至121−4は、フィンガ21−1と同様に形成されている。フィンガ121−1が最も下側に配置され、フィンガ121−2、フィンガ121−3、およびフィンガ121−4は、順に、フィンガ21−1の上側に配置される。フィンガ121−1乃至121−4は、Z軸方向に重なるように配置される。フィンガ121−1乃至121−4のピッチは一定とされる。
図8は、選針装置101の内部の構成を示す斜視図である。図9は、選針装置101の内部の構成を示す上面図である。図10は、選針装置101の内部の構成を示す右側面図である。選針装置101の内部には、駆動部131−1乃至131−4が、選針装置101の底面に配置されているベース132上に配置される。駆動部131−1乃至131−4は、それぞれ、フィンガ121−1乃至121−4のそれぞれを駆動する。ベース132は、選針装置101の土台であり、駆動部131−1乃至131−4およびフィンガ121−1乃至121−4を固定する基礎である。
より詳細には、選針装置101の内部には、フィンガ121−1乃至121−4、圧電素子141−1乃至141−4、ラッチ部142−1乃至142−4、ピン143、ピン144、ピン145、ピン146、およびピン147が設けられている。
駆動部131−1は、圧電素子141−1、ラッチ部142−1、およびピン143により構成されている。また、駆動部131−2は、圧電素子141−2、ラッチ部142−2、およびピン143により構成されている。さらに、駆動部131−3は、圧電素子141−3、ラッチ部142−3、およびピン143により構成されている。さらにまた、駆動部131−4は、圧電素子141−4、ラッチ部142−4、およびピン143により構成されている。
圧電素子141−1乃至141−4は、それぞれ、いわゆるバイモルフ方式の圧電素子である。圧電素子141−1乃至141−4は、それぞれ、金属製のプレートとその両面に重ねられた圧電素子とからなり、略矩形の薄板状に形成されている。圧電素子141−1乃至141−4は、同様の形状とされている。圧電素子141−1乃至141−4は、それぞれ、外部から電圧が印加されると帯電し、屈曲する。すなわち、略矩形の長手方向の端部が厚さ方向に変位するように、圧電素子141−1乃至141−4は、屈曲する。
圧電素子141−1乃至141−4は、それぞれ、略矩形の長手方向の端部がX軸方向に変位するように、配置されている。すなわち、圧電素子141−1乃至141−4は、圧電素子141−1乃至141−4の薄板状の面がY軸とZ軸とで定まる垂直面と平行となるように、配置されている。また、圧電素子141−1乃至141−4は、左から順に、それぞれ屈曲したとき干渉しない所定の間隔で配置される。
圧電素子141−1には、支持部151−1、支持部152−1、および伝達部153−1が設けられている。圧電素子141−2には、支持部151−2、支持部152−2、および伝達部153−2が設けられている。圧電素子141−3には、支持部151−3、支持部152−3、および伝達部153−3が設けられている。圧電素子141−4には、支持部151−4、支持部152−4、および伝達部153−4が設けられている。
支持部151−1乃至151−4は、それぞれ、略矩形の薄板状に形成されている圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれの長手方向の後側の端部を挟持するように形成される。支持部151−1乃至151−4は、それぞれ、選針装置101に組み込まれたとき、選針装置101によってZ軸方向に回動自在に支持される。
支持部152−1乃至152−4は、それぞれ、略矩形の薄板状に形成されている圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれの長手方向の概ね中間の位置を短手方向に圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれと交差し、圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれの長手方向の両辺から突出するように形成される。支持部152−1乃至152−4は、圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれを挟持する。支持部152−1乃至152−4は、それぞれ、選針装置101に組み込まれたとき、選針装置101によってZ軸方向に回動自在に支持される。
伝達部153−1乃至153−4は、それぞれ、略矩形の薄板状に形成されている圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれの長手方向の前側の端部を挟持するように形成される。伝達部153−1乃至153−4は、それぞれ、選針装置101に組み込まれたとき、ラッチ部142−3乃至142−4のそれぞれの被作用端(後述する)に挿入される。これにより、圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれが屈曲すると、ラッチ部142−3乃至142−4のそれぞれが回動する。
ラッチ部142−1乃至142−4は、それぞれ、金属材料により一体に形成されている。なお、ラッチ部142−1乃至142−4は、それぞれ、エンジニアリングプラスチックなどの樹脂または繊維強化プラスチックなどの複合材料で形成することもできる。ラッチ部142−1乃至142−4は、それぞれ、プレス加工、切削加工、鋳造、射出成形、金属粉末射出成形、またはこれらを組み合わせて成形することができる。
ラッチ部142−1乃至142−4は、それぞれ、それぞれの角度で屈曲した棒状に形成されている。ラッチ部142−1乃至142−4は、ピン143によって回動自在にベース132に固定されている。ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれの一端が、圧電素子141−1乃至141−4のそれぞれによって変位させられると、ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれは、ピン143を軸に回動する。ピン143を軸に回動させられたラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれの他端は、フィンガ121−1乃至121−4を押圧することでフィンガ121−1乃至121−4に駆動力を伝達する。
フィンガ121−1乃至121−4は、それぞれ、ピン144を軸に、ベース132に回動自在に固定される。ピン145は、フィンガ121−1乃至121−4のそれぞれと当接することで、フィンガ121−1乃至121−4が前側に移動したときの位置を規制する。
ピン146は、ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれと当接することで、ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれが右側に移動したときの位置を規制する。ピン147は、ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれと当接することで、ラッチ部142−1乃至142−4のそれぞれが左側に移動したときの位置を規制する。
次に、フィンガ121−1乃至121−4およびラッチ部142−1乃至142−4の構成の詳細を図11および図12を参照して説明する。
図11は、フィンガ121−1乃至121−4が前側に移動したときの、フィンガ121−4およびラッチ部142−4の構成の詳細を示す上面拡大図である。図12は、フィンガ121−1乃至121−4が後側に移動したときの、フィンガ121−4およびラッチ部142−4の構成の詳細を示す上面拡大図である。
次に、ラッチ部142−4の構成について説明する。
被作用端181は、ラッチ部142−4の端部のうち、圧電素子141−4側の端部に形成される。被作用端181は、伝達部153−4が入り込むように、半長円状の凹部をなすように形成されている。被作用端181の凹部には、伝達部153−4が嵌められる。
軸止部182は、ラッチ部142−4のY軸方向の長さをほぼ5分の1にした長さだけ、被作用端181からY軸方向に離れた位置に設けられる。軸止部182は、貫通されたピン143によって回動自在にベース132に固定される。梁183は、ピン143からフィンガ121−4に向かって概ねY軸方向に伸びる棒状に形成されている。梁183は、変形しにくいように所定の剛性となる幅に形成されている。変位端184は、所定の角度で屈曲した略棒状のラッチ部142−4の端部のうち、フィンガ121−4側の端部に形成される。変位端184の先端の形状は、変位端184の上から見て、半円とされている。変位端184は、左側に変位したとき、フィンガ121−4のカム状部192に接するように形成される。
次に、フィンガ121−4の構成について説明する。
当接部191は、編成針またはジャックに作用する作用部の一例であり、平滑な平面に形成されている。例えば、当接部191は、移動してくる編成針またはジャックを押圧する場合、縦の平面(Z軸方向に平行な平面)に形成されている。例えば、当接部191は、移動してくる編成針またはジャックを持ち上げる場合、斜め上向きの平面(Z軸方向に交差する上向きの平面)に形成されている。当接部191は、フィンガ121−4がピン144を軸に時計回りに回動し後側に移動したとき、ベース132の前側の面とほぼ面一となる。また、当接部191は、フィンガ121−4がピン144を軸に反時計回りに回動し前側に移動したとき、ベース132の前側の面に対して、ピン144を中心として所定の角度で突出する。カム状部192は、駆動力が加えられる被作用部の一例であり、当接部191に対向してラッチ部142−4の変位端184側に形成されている。カム状部192は、フィンガ121−4の回動角度に対応した曲面で形成され、運動の方向を変える機械要素であるカムとして形成されている。カム状部192は、いわゆる板カム(周縁カム)とされている。なお、カム状部192は、溝カムなどの平面カムや立体カムとすることもできる。
角度規制部193は、フィンガ121−4の左側に、ピン145の側面に対応する形状の突起状に形成されている。凸部194は、凹部195を挟んでカム状部192と対向する位置に形成されている凸状の部位である。凸部194は、ピン144から左後方に突出するように形成され、変位端184が左側に移動したとき、変位端184と接触せず、変位端184が右側に移動したとき、変位端184の右側面に当接する長さに形成されている。
凹部195は、カム状部192と凸部194との間に形成されている、変位端184の先端の形状に対応し、変位端184の先端が入ることのできる略U字状の凹部として形成されている。
次に、フィンガ121−4を前側に移動させる場合のフィンガ121−4および駆動部131−4の動作を説明する。
この場合、まず、圧電素子141−4に、伝達部153−4が右側に変位する電圧が印加され、圧電素子141−4が右側に屈曲する。
伝達部153−4が右側に変位するので、ラッチ部142−4の被作用端181が、伝達部153−4が変位した長さと同じ長さだけ右側に変位する。軸止部182から被作用端181までの長さが、軸止部182から変位端184までの長さに対してほぼ5分の1とされているので、被作用端181が右側(X軸方向)に変位した長さの5倍の長さだけ、変位端184が左側(X軸方向)に変位する。また、このとき、ラッチ部142−4の梁183の左側面は、ピン147に当接し、ラッチ部142−4の梁183が左側に移動したときの位置が規制される。
変位端184が左側に移動すると、カム状部192の突出した部分が押圧されるので、フィンガ121−4は、前側に移動する。より詳細には、変位端184によってカム状部192が押圧されると、フィンガ121−4は、ピン144を軸として反時計方向に回動することにより、フィンガ121−4が前側に移動し、このとき、当接部191は、編成針またはジャックと当接する位置に移動する。
角度規制部193は、突起状に形成されているので、フィンガ21−4が前側に移動したとき、ピン145と当接して、フィンガ121−4がベース132に対して所定の角度位置となるようにフィンガ121−4の角度位置を規制する。
このように、フィンガ121−4が前側に移動し、フィンガ121−4の当接部191は、編成針またはジャックと当接する位置に移動する。フィンガ121−4が前側に移動すると、当接部191は、移動してくる編成針またはジャックと当接して、編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げる。
変位端184が左側に移動して、カム状部192の突出した部分が押圧されて、フィンガ21−4が、前側に移動している状態において、フィンガ121−4の当接部191およびカム状部192並びにラッチ部142−4の変位端184、梁183、および軸止部182はY軸方向にほぼ直線的に並ぶ。移動してくる編成針またはジャックが当接部191に当接することで、フィンガ21−4に加えられる力は、後向き、すなわちY軸方向にほぼ直線的に加わる。従って、フィンガ121−4に力が加えられても、フィンガ121−4とラッチ部142−4との位置関係が保持されて、ラッチ部142−4が、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力を受ける。すなわち、ラッチ部142−4は、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力を受け、フィンガ121−4の位置を保持する。最終的に、フィンガ121−4に加えられる力は、軸止部182およびピン143で受けられ、圧電素子141−4には伝達されない。
このように、ラッチ部142−4は、フィンガ121−4の当接部191が作用して編成針を変位させる場合、当接部191が編成針またはジャックに作用する位置に位置するようにフィンガ121−4を保持し、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力を受ける。
次に、フィンガ21−4を後側に移動させる場合のフィンガ121−4および駆動部131−4の動作を説明する。フィンガ121−4を後側に移動させる場合のフィンガ121−4および駆動部131−4の動作は、動作の向きが逆になるが、基本的に、フィンガ121−4を前側に移動させる場合のフィンガ121−4および駆動部131−4の動作と同様である。
この場合、まず、圧電素子141−4に、伝達部153−4が左側に変位する電圧が印加され、圧電素子141−4が左側に屈曲する。
伝達部153−4が左側に変位するので、ラッチ部142−4の被作用端181が、伝達部153−4が変位した長さと同じ長さだけ左側に変位する。これに対応して、変位端184が右側(X軸方向)に変位する。また、このとき、ラッチ部142−4の梁183の右側面は、ピン146に当接し、ラッチ部142−4の梁183が右側に移動したときの位置が規制される。
変位端184が右側に移動すると、変位端184の右側面が凸部194を押圧するので、フィンガ121−4は後側に移動する。より詳細には、変位端184の右側面によって凸部194が押圧されると、フィンガ121−4は、ピン144を軸として時計方向に回動することにより、フィンガ121−4が後側に移動し、このとき、当接部191は、編成針またはジャックと当接しない位置に移動する。
凹部195は、変位端184の先端の形状に対応し、変位端184の先端が入ることのできる略U字状の凹部として形成されているので、変位端184が右側に移動し、フィンガ121−4が後側に移動したとき、凹部195の内側に変位端184の先端が入りこむ。従って、フィンガ121−4は、変位端184に干渉することなく、後側に移動することができる。
このように、フィンガ121−4が後側に移動し、フィンガ121−4の当接部191は、編成針またはジャックと当接しない位置に移動する。フィンガ121−4が後側に移動すると、当接部191は、移動してくる編成針またはジャックと当接せず、編成針またはジャックはそのまま通過する。
なお、凸部194を設けないようにしてもよい。この場合、変位端184が右側に移動しても、フィンガ121−4は後側に移動せず、前側の位置に留まる。その状態で、フィンガ121−4の当接部191が、移動してくる編成針またはジャックと当接すると、編成針またはジャックによって加えられた力でフィンガ121−4は後側に移動する。
また、カム状部192には、凹部195との境に微小に後側に突出した突起を設けることができる。このようにすることで、変位端184の先端の頭頂部分がその突起より左側に移動した場合、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力によって、変位端184がより左側に移動させられる。これにより、ラッチ部142−4は、より確実に、当接部91が編成針またはジャックに作用する位置に位置するようにフィンガ121−4を保持し、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力を受けられるようになる。
一方、変位端184の先端の頭頂部分がその突起より右側に移動した場合、編成針を変位させるためにフィンガ121−4に加わる力によって、変位端184がより右側に移動させられる。これにより、より確実に、変位端184の先端が凹部195の内側に入りこみ、フィンガ121−4が後側に移動し、フィンガ121−4の当接部91が、編成針またはジャックと当接しない位置に移動することになる。
このように、何らかの原因で変位端184の変位が小さくなったとしても、変位端184の先端が、カム状部192に設けられた突起より左側または右側に移動すれば、編成針またはジャックを押圧するかまたは持ち上げるか、編成針またはジャックをそのまま通過させることができる。
以上のように、駆動部131−4を構成するラッチ部142−4の変位端184の位置は、圧電素子141−4が右または左に屈曲したとき、水平面1上を変位する。ラッチ部142−4は、ピン143に軸止されている軸止部182を中心に時計方向または反時計方向に回動するので、変位端184は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。すなわち、駆動部131−4は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位させる駆動力を発生させる。ここで、ラッチ部142−4は、Y軸方向に伸びるように配置されるので、変位端184が位置する円弧の弦は、X軸方向の直線となる。
また、フィンガ121−4の当接部191の位置は、圧電素子141−4が右または左に屈曲したとき、水平面1上を変位する。フィンガ121−4は、ピン144を中心に時計方向または反時計方向に回動するので、当接部191は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。すなわち、フィンガ121−4の当接部191は、水平面1上の円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。ここで、フィンガ121−4は、Y軸方向である前側または後側に移動するので、フィンガ121−4の当接部191が位置する円弧の弦は、概ねY軸に沿った直線となる。
すなわち、フィンガ121−4の当接部191は、X軸方向の直線となる、変位端184が位置する円弧の弦の方向に交差する方向である、概ねY軸に沿った直線となる弦を有する円弧上の少なくとも2つの位置に変位する。
このように、駆動部131−4は、水平面1上の第1の円弧上の2つの第1の位置に変位させる駆動力を発生させる。フィンガ121−4には、駆動力が加えられる被作用部であるカム状部192と、カム状部192に対向して形成されている作用部である当接部191であって、編成針またはジャックに作用する当接部191とが設けられている。カム状部192は、カム状に形成されている。第1の位置のいずれかへの変位に応じた駆動力がカム状部192に加えられた場合、当接部191は、水平面1上の第2の円弧であって、第1の円弧の弦の方向に交差する方向の弦を有する第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位する。
当接部191が、水平面1上の第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位するように、フィンガ121−4が水平面1上を変位するので、フィンガを上下動させる場合に比較して、ピッチをより狭くできる。また、駆動部131−4およびフィンガ121−4が円弧上を変位するように動作するので、変位端184または当接部191の変位の長さとそのときの重心の移動距離とに注目すると、直線的に変位させる場合に比較して重心の移動距離をより短くすることができる。従って、より速い速度で動作させることができる。
なお、フィンガ121−1乃至121−3およびラッチ部142−1乃至142−3は、フィンガ121−4およびラッチ部142−4と同様に構成され、また同様に動作する。
このように、所定の平面上の第1の円弧上の2つの第1の位置に変位させる駆動力を発生させる駆動手段と、駆動力が加えられる被作用部と、被作用部に対向して形成されている作用部であって、編成針またはジャックに作用する作用部とが設けられているフィンガとを設け、被作用部はカム状に形成され、第1の位置のいずれかへの変位に応じた駆動力が被作用部に加えられた場合、作用部は、平面上の第2の円弧であって、第1の円弧の弦の方向に交差する方向の弦を有する第2の円弧上の2つの第2の位置のいずれかに変位するようにした場合には、より速い速度で動作させ、フィンガとフィンガとの上下方向の間隔をより狭くできる。
また、編み機の選針装置のアクチュエータに、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材と、駆動部材から出力される変位を拡大する変位拡大機構とを設け、変位拡大機構が、駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部とを有し、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力するようにした場合には、1軸方向に交差する方向の長さである幅をより狭くし、より速い速度で動作させることができる。
編み機の選針装置のアクチュエータの変位拡大機構に、入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、選針装置に固定されて、駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、第1の受け部に一端が連接され、駆動部材の一方の側面に沿って1軸方向に伸びる第1の梁と、第2の受け部に一端が連接され、駆動部材の他方の側面に沿って1軸方向に伸びる第2の梁と、第1の梁の他端と第2の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、第2の梁の側面のうち、駆動部材側の側面に対向する側面に沿って1軸方向に伸びる第3の梁と、第3の梁の一端と第2の梁の他端とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と第1の受け部とを結合し、駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部とを設け、第3の梁の他端側から拡大された変位を出力するようにした場合には、1軸方向に交差する方向の長さである幅をより狭くし、より速い速度で動作させることができる。
なお、選針装置11または選針装置101において、Z軸方向に重なるフィンガの数は、4個であると説明したが、4個に限らず、8個、12個、16個など所望の数とすることができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 選針装置, 21−1乃至21−4 フィンガ, 41−1乃至41−4 圧電素子, 42−1乃至42−4 変位拡大部, 43および44 ピン, 45−1乃至45−4 ラッチ部, 46乃至48 ピン, 61 基部, 62 基部, 63 駆動素子固定端, 64 駆動素子固定端, 65 第1力点用結合部, 66 第1支点用梁, 67 第1支点用結合部, 68 第2支点用梁, 69 第2支点用結合部, 70 第2力点用結合部, 71 変位梁, 72 変位端位置調整部, 73 変位端, 81 被作用端, 82 軸止部, 83 梁, 84 変位端, 91 当接部, 92 カム状部, 93 角度規制部, 94 凸部, 95 凹部, 101 選針装置, 121−1乃至121−4 フィンガ, 131−1乃至131−4 駆動部, 141−1乃至141−4 圧電素子, 142−1乃至142−4 ラッチ部, 143乃至147 ピン, 151−1乃至151−4 支持部, 152−1乃至152−4 支持部, 153−1乃至153−4 伝達部, 181 被作用端, 182 軸止部, 183 梁, 184 変位端, 191 当接部, 192 カム状部, 193 角度規制部, 194 凸部, 195 凹部

Claims (7)

  1. 編み機の選針装置のアクチュエータにおいて、
    入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材と、
    前記駆動部材から出力される変位を拡大する変位拡大機構と
    を備え、
    前記変位拡大機構は、
    前記駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、前記駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、
    前記駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、前記選針装置に固定されて、前記駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、
    前記第1の受け部に一端が連接され、前記駆動部材の一方の側面に沿って前記1軸方向に伸びる第1の梁と、
    前記第2の受け部に一端が連接され、前記駆動部材の他方の側面に沿って前記1軸方向に伸びる第2の梁と、
    前記第1の梁の他端と前記第2の受け部とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、
    前記第2の梁の側面のうち、前記駆動部材側の側面に対向する側面に沿って前記1軸方向に伸びる第3の梁と、
    前記第3の梁の一端と前記第2の梁の他端とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、
    前記第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と前記第1の受け部とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部と
    を有し、
    前記第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する
    アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
    前記駆動部材は、圧電素子である
    アクチュエータ。
  3. 請求項2に記載のアクチュエータにおいて、
    前記駆動部材は、D33モードで変形する前記圧電素子である
    アクチュエータ。
  4. 請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
    前記駆動部材は、磁歪素子である
    アクチュエータ。
  5. 請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
    前記駆動部材は、ソレノイドを用いて変位を出力する
    アクチュエータ。
  6. 請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
    前記駆動部材は、形状記憶合金の変形によって変位を出力する
    アクチュエータ。
  7. 編み機の選針装置のアクチュエータの変位拡大機構において、
    入力されるエネルギー量に応じた1軸方向の変位を出力する駆動部材の変位する一方の端部側に配置され、前記駆動部材の変位による力を受ける第1の受け部と、
    前記駆動部材の変位する他方の端部側に配置され、前記選針装置に固定されて、前記駆動部材の変位による力を受ける第2の受け部と、
    前記第1の受け部に一端が連接され、前記駆動部材の一方の側面に沿って前記1軸方向に伸びる第1の梁と、
    前記第2の受け部に一端が連接され、前記駆動部材の他方の側面に沿って前記1軸方向に伸びる第2の梁と、
    前記第1の梁の他端と前記第2の受け部とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第1の結合部と、
    前記第2の梁の側面のうち、前記駆動部材側の側面に対向する側面に沿って前記1軸方向に伸びる第3の梁と、
    前記第3の梁の一端と前記第2の梁の他端とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、支点として弾性変形する第2の結合部と、
    前記第3の梁の側面の、一端から所定の長さの位置と前記第1の受け部とを結合し、前記駆動部材の変位による力が伝達されたとき、力点として弾性変形する第3の結合部と
    を備え、
    前記第3の梁の他端側から拡大された変位を出力する
    変位拡大機構。

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