JP2013255895A - ガス帯電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電方法として一般的に高圧電気を印加する方法が用いられているが窒素酸化物やオゾンなどを生成する問題がある。一方、多数の磁石を充填した容器にガスを通して帯電する方法が提案されているが磁石が固定式のため帯電効率が悪かった。また、燃焼、塗装、エアシャワー(除塵・殺菌)の分野で帯電ガスの有効活用が考案されていなかった。
【解決手段】ネオジ磁石を回転円板と固定円板に取り付け、お互いに相対運動させることにより磁力線の交差回数を増加させたり、ガスを強力に撹拌したりしてガスの帯電効率を向上させる。また、帯電ガスを燃焼用エア、塗装用エア、エアシャワー(除塵・除菌)に応用し、燃焼効率の向上、塗装品質向上、エアシャワーの除塵・殺菌効果を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】ネオジ磁石を回転円板と固定円板に取り付け、お互いに相対運動させることにより磁力線の交差回数を増加させたり、ガスを強力に撹拌したりしてガスの帯電効率を向上させる。また、帯電ガスを燃焼用エア、塗装用エア、エアシャワー(除塵・除菌)に応用し、燃焼効率の向上、塗装品質向上、エアシャワーの除塵・殺菌効果を向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、強磁場の中にガスを強制的に送り出して静電気を帯びさせる技術に関する。
下敷きで髪の毛をこすった時に髪の毛は下敷きに引き付けられる。髪の毛は+で下敷きは−のため静電気で引き合うからである。下敷きが髪の毛から遠のくと静電気力は減衰し髪の毛は離れる。この距離の差による静電気力の差を電位差という。静電気は種々の要因により発生するが、一般に2つ以上の物質の接触と分離により発生するといわれている。接触・分離する物質は同一物同士でもよいし異物同士でもよく、液体、固体、気体のいずれの状態でも静電気は発生する。従って、物質が存在していれば必ず静電気が発生していると考えることができる。物質の最少単位は原子であり、この原子の中心にプラスの電気をもった原子核が有り、その周りを原子核と同じ量のマイナス電気を持った電子が回っている。原子核のプラスの電気と電子のマイナスの電気は互いに打ち消しあってゼロとなるので電気的には中性となり電気の性質はなにも示さない。ところがなんらかの方法で電子を原子核から引き離すと電子は本来持っているマイナスの性質を示し原子核はプラスの電気の性質を示すようになる。つまり物質はプラスかマイナスの電気を帯びる。これが静電気である。
静電気学の分野ではクーロンの法則が成りたつ。クーロンの法則は、(1)電荷の間に働く力は電荷を結ぶ直線状にあって同種の電荷の場合は反発し異種の電荷の場合は引き合う、(2)電荷の間に働く力の大きさは電荷の積に比例し電荷の距離の二乗に反比例するということである。電荷が大きい場合は静電気も大きな値となるが、例え電荷が小さくても電荷と電荷の距離が非常に接近するとクーロン力は無視できないくらい大きな力となり、例えばコンピュータ破損の原因となったりする。このような特性を応用して静電気は静電塗装やコピーなどに利用されている。
特開2011−237653号広報において、高電圧を用いて帯電させる方法が提案されているが、このような帯電装置では窒素酸化物などの放電生成物が形成される。具体的には、帯電装置から放出される電子の放電に伴うエネルギによって大気中に存在するN2分子がN2原子に解離しそれがO2分子と結合することで窒素酸化物が生成される。さらにこの窒素酸化物が雰囲気中のH2Oと反応して硝酸を生成する問題がある。
特開63−123571号広報「ガスシールドアーク溶接法」において、シールドガス
として帯電ガスを用いたガスシールドアーク溶接法によってスパッタを減少させる方法が示されている。しかしながら、配設されている磁石は約1000ガウス/個のフェライト磁石が60〜100個程度であり、トータルの磁力はせいぜい6〜10万ガウスレベルであり帯電効果は小さかった。
として帯電ガスを用いたガスシールドアーク溶接法によってスパッタを減少させる方法が示されている。しかしながら、配設されている磁石は約1000ガウス/個のフェライト磁石が60〜100個程度であり、トータルの磁力はせいぜい6〜10万ガウスレベルであり帯電効果は小さかった。
特開2010−48544号広報において、窒素酸化物の形成を抑制しながら燃焼させるバーナーが提案されている。圧縮エア中の酸素は帯電効果の大きな気体である。O2→O+Oとなることで活性化し強い酸化力を持つ。燃焼などに応用することはCO2の低減につながる。地球温暖化の抑制効果が大きい。
特開2011−56331号広報では、圧縮エア(空気)で霧化させた塗料に高電圧を使用して帯電させ被塗物に塗着させる静電塗装スプレーガンが開示されている。このような静電塗装方法は圧縮エアを帯電させるものではなく霧化した塗料を帯電させるものである。従来、圧縮エアに帯電させて静電塗装する方法は発明されていなかった。
特開2004−19957号広報「オゾンエアシャワー装置および除塵、除菌装置」において、清潔区域に付随して設置され、該清潔区域へ入る被処理体に対してオゾンを含有した高速気流を噴出し、該被処理体の除塵および除菌を行うシャワー装置が提案されている。近年、このようなクリーンルームに対して、単に無菌状態とするだけでなく、無菌状態という更なる特性を備えたものが望まれるケースが増してきている。その一例が、薬品工業や食品工業など、微生物を抑制して品質管理を行う必要のある分野であり、斯かる分野において利用されるクリーンルームでは除塵の抑制だけでなく微生物や細菌の制御をおこなう必要がある。しかしながら、従来クリーンルームに付随して設置されるエアシャワー装置によれば、被服や物に付着した塵埃をある程度除去することは可能であるが、被服や物に付着した微生物や細菌についてはオゾンだけではこれを効率的に除去あるいは殺菌することができないという問題がある。
静電気のABC、講談社ブルーバックス、堤井信力
電磁気学のABC,講談社ブルーバックス、福島肇
トコトンやさしい静電気の本、日刊工業新聞社
静電気管理入門、工業調査会
分子の世界、化学同人
現代のプラズマ工学、(株)講談社ブルーバックス、堤井信力
先端溶接工学、共立出版(株)
触媒の働き、(株)化学同人
電波読本、(株)クリエイト・クルーズ
溶接実務入門、産報出版
アーク溶接の物理、(株)アグネ
特開2010−48544号広報「帯電装置」のように帯電させる方法として高電圧をかける方法が一般的に用いられている。この方法では空気中のN2を酸化することにより窒素酸化物や硝酸を生成する問題がある。これに対して、特開63−123571号広報「ガスシールドアーク溶接法」において磁石を用いた帯電方法が提案されている。しかしながら、帯電効果は認められるが使用している磁石がフェライト磁石でありしかも取付け個数も少なく帯電効率が悪かった。限られた空間に磁力の大きなネオジ磁石を配置し、相対的な動きを与えることにより帯電効果を高める方法を具現化する。また、特開2010−48544号広報のようなバーナーの構造改造では燃焼効率の向上には限界があった。帯電ガスの応用として燃焼空気を帯電させることにより燃焼効率を向上させ、Nox、Soxを低減する。特開2011−56331号広報のような帯電塗装では、風の影響やスプレーガンの向きにより屋外の構造物に効率よく塗装できなかった。塗料を霧化するための圧縮エアに帯電することより、塗料を霧化すると同時に帯電せしめて塗装効率を向上させる。特開2004−19957号広報では、帯電している人体のイオンを消去できないため除塵効率が悪かったが、エアシャワー用のエアに帯電させることにより人体に帯電したイオンとは逆の帯電をさせることにより、人体のイオンを除去して除塵効率を向上する。さらにエアに殺菌性の成分を混合し帯電させることより殺菌効果を向上させることにある。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、給気口と排気口を有する円筒ケーシングの両側板に軸受を設け、該軸受で回転軸を支持し、該回転軸の片側には駆動装置が連結され、前記回転軸には所定間隔で複数の回転円板が取り付けられ、前記円筒ケーシングには所定間隔で複数の固定円板が取り付けられ、前記回転円板と前記固定円板は交互に対向するように配設されており、前記回転円板と前記固定円板には複数のネオジ磁石が取り付けられている帯電装置である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記円筒ケーシング内面及び前記側板内面及び回転軸及び回転円板及び固定円板の表面に絶縁体が被覆されている帯電装置である。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、 請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気で燃料を燃焼させる燃焼方法である。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気で塗料を塗布する塗装方法である。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、液体状の殺菌剤を充填した容器にガスを吹き込み、前記殺菌剤を気化せしめて、前記ガスと前記殺菌剤の混合した混合ガスを、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に吹き込み帯電せしめた後、エアシャワーとして吹き付ける除塵・殺菌方法である。
第1の解決手段による効果は、(1)回転円板と固定円板に配設されたネオジ磁石が対向し、回転円板が高速回転するので、回転円板と固定円板の磁力線が連続的に交差することによりガスを効率よく帯電できる、(2)複数の比重の異なるガスを吹き込んだ場合は回転円板で撹拌するので効率よく混合できることである。
第2の解決手段による効果は、円筒ケーシング内を絶縁しているので、帯電したガスイオンが導体に接触することにより電子を奪われなくなり帯電効率が向上する。
第3の解決手段による効果は、燃焼空気に帯電させているので燃料の燃焼効率が向上することである。
第4の解決手段による効果は、(1)塗料を帯電するために高電圧をかける必要がなくなり安全な作業ができる、(2)塗料を霧化するための圧縮空気が帯電しているので、霧状になった塗料も帯電にも帯電させることができる、(3)塗料と空気が帯電しているので効率的に被塗装物に付着することができる。
第5の解決手段による効果は、(1)エアシャワーが帯電しているので人体に帯電しているイオンを中和できる、(2)人体のイオンを中和できるので塵埃を容易に吹き飛ばすことができる、(3)霧状の殺菌剤が帯電しているので塵埃を捕捉しやすくなり除菌効果が向上する。
本発明の実施形態を図1、図2、図3、図4、図5、図6に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、給気口30と排気口31を有する円筒ケーシング11の両側板12に軸受13を設け、該軸受13で回転軸14を支持し、該回転軸14の片側には駆動装置40が連結され、前記回転軸14には所定間隔で複数の回転円板14が取り付けられ、前記円筒ケーシング11には所定間隔で複数の固定円板16が取り付けられ、前記回転円板15と前記固定円板16は交互に対向するように配設されており、前記回転円板15と前記固定円板16には複数のネオジ磁石20が取り付けられている帯電装置10である。
図1に帯電装置10の断面図を示す。ガスは給気口30から帯電装置10に注入される。帯電装置で帯電できるガスは、空気の他、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素、ヘリウムなどや蒸気、ミスト、あるいはこれらが混合した物である。例えば、ガスは回転円板15と固定円板16の間をジグザグに通って排気口31から排出される。さらに回転円板15が回転することによりガスは強力に撹拌され混合されるので帯電効率が向上する。また複数のガスが混合した混合ガスの場合は撹拌により混合率が高まる効果もある。回転円板15は回転軸14にキー14aとスペーサ17によって固定されている。固定円板16は円筒ケーシング11に固定されている。回転円板15と固定円板16にはそれぞれネオジ磁石20が取り付けられている。ネオジ磁石20の総数は800〜1200個である。ネオジ磁石は磁力が強く、個数が多いほど帯電効率が高まるので構造を工夫することにより1200個以上配設することもできる。ネオジ磁石20の磁界の強さは約3.5kガウス/個である。回転円板15の回転数は10〜1800回転である。回転円板15の回転数は多ければ多いほどよいので、機械的な強度や構造を工夫することにより1800rpmにすることも可能である。回転軸14は駆動装置40により回転される。駆動装置40は速度可変モータやモータと減速機とプーリなどの変速機構の組み合わせで変速することができるが、回転円板15を10〜1800rpmの範囲内で所定の回転数で回転できる方法であればよい。
図2は回転円板15のA−A断面図である。ネオジ磁石20は回転円板15に埋め込んで蓋15aをして皿ネジ15bで固定している。ネオジ磁石20は回転円板15の中心部の取り付け密度を大きくして遠心力の影響をできるだけ小さくするのがよい。
図3は固定円板16のB−B断面図である。ネオジ磁石20は固定円板16に埋め込んで蓋16aをして皿ネジ16bで固定している。回転円板15や固定円板16はAL2017−T4高力アルミニウム板やステンレス、チタン、鋼板などが使用できる。回転円板15は高速回転するので軽量化してGD2を軽減するのがよい。
ガスは3.5kガウス/個のネオジ磁石を、回転円板15と固定円板16に800〜1200個配設した帯電装置10の中に入る。回転円板15と固定円板16が相対的に運動し磁力線を交差することより、フレミングの左手の法則で静電気が溜まっていく。帯電装置10の最終固定円板18のネオジ磁石20のN−Sの向きにて正極、逆極が決まる。固定円板16の極と出口固定円板18の極をN―Nとすることで逆極性となる。出口固定円板18の表と裏を反転させることで正極性と逆極性に対応可能である。
本発明は種々のガスに強制的に静電気を帯電させて従来にない利用法として生まれた技術である。強磁場帯の中に一定の圧力でガスを送りガスの流れ作るとフレミングの法則にて電流が生まれ電圧が発生する。+、−の静電気の強さは磁場の強さに比例するが距離の2乗に反比例するため電子と陽子の間に働く力は1/4となる。これをカバーするため回転磁場とし、磁石の交差回数を増大させることによりガスの帯電力を高め、同時にガスを強制的に撹拌混合するようにした。ネオジ磁石20回転方式による静電気帯電装置10はこの原理にて生まれた。ネオジ磁石20が回転することで見かけのネオジ磁石20表面積Sを大きくとることができる。電気力線は3.5kG(ガウス)/個のネオジ磁石20の磁力線を横切ることで生成する。回転ネオジ磁石20が略同数の固定ネオジ磁石20に対向して回転する構造を発明した。
金属のような導体の誘電分極を静電誘導というが、帯電した物体を導体に近づけると帯電体に近い部分には帯電した物体とは逆極性の電荷が集まり、遠い部分には同極性の電荷が集まる現象をいう。導体の内部には電界がなく、原子核から束縛を受けない自由電子と呼ばれる電子が豊富にあり、自由電子の移動によって電子の流れが生じることで電流が流れる。外部からの電界で電子は導体の表面に移動し電界が残っている間は電子の移動は止まらない。導体内の電子が帯電体のほうに引き寄せられるか又は反発される現象はクーロンの法則で説明される。回転円板15と固定円板16に埋め込まれた3.5kG/個のネオジ磁石20は+から−に自由電子を常に磁力線に沿って出している。この磁力線をガス分子が直角に横切り回転という捻じ曲げられた磁力線に沿って分子間にエネルギが与えられて分子密度が圧縮されるため熱エネルギに変化し分子は原子に解離する。この時分子解離エネルギを保持した静電気が生まれる。
2つの異なった物質が互いに接触すると片方はプラスに他方はマイナスに帯電し、分離するとそれぞれが持つ静電気が生じる。これが接触帯電である。この現象は接触する表面間で電荷が移動することによって起こると考えられるが、導体であっても不導体であっても起こる。接触帯電を正確に表現すると次のようになる。2つの仕事関数の違う物質を接触させると仕事関数の小さい物質から仕事関数の大きい物質に電子が移動する。その結果、仕事関数の小さいほうはプラスに、大きいほうはマイナスに帯電する。通常金属の仕事関数は4〜5Vで内部にある電子とプラス電荷との引力によって決まる。仕事関数は、物質表面において表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギのことである。この時、表面上の空間は真空として表す。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記円筒ケーシング11内面及び前記側板12内面及び回転軸14及び回転円板15及び固定円板16の表面に絶縁体が被覆されている帯電装置10である。
帯電装置10でガスに帯電した後、ガスが導体に接触して静電気が逃げないようにすることにより帯電効果を高めることができる。そのため帯電装置10の内面を絶縁体で被覆する。絶縁体には樹脂や絶縁性のある塗料がある。絶縁性塗料にはJISC2350(1983)で規定されているエナメル導線用ワニスWS40や変性エポキシ樹脂を主成分とするEP−21などがある。帯電装置10から塗装スプレーガンやバーナーなどの応用機器までの配管31をゴムホースや樹脂ホースにすることで絶縁性を確保してもよい。
ガス帯電装置10の金属の組み合わせは回転円板15と固定円板16はアルミニウム板(板厚8mm)にネオジ磁石を埋設し、その表面を鉄板(板厚約1mm)蓋15a、16aで押さえている。そのためアルミニウム板側は+で鉄側は−となり常に−の静電気を生み出している。かつ鉄の表面は絶縁ワニス塗装されているため不導体である。不導体分極が起こるため静電気として多量のマイナスイオンが発生する。
不導体に電界を付加すると誘電分極が起こる。 誘電分極とは帯電した物体を不導体(絶縁体)に近づけることで、帯電した物体に近いほうに帯電した物体とは逆の電荷が現れる現象である。電界を加えることで各分子の原子はプラスの電荷を帯びた部分とマイナスの電荷を帯びた部分(微視的な電気双極子)に変移する。物質の内部では各原子(又は分子)のプラスとマイナスは隣の分子によって打ち消されるため電荷は現れないが物質の表面では変移の最後の電荷が現れるため片方がプラスで反対側がマイナスとなる。誘電分極を生じる不導体を誘電体といい誘電分極の起こりやすさを誘電率といい、誘電率の大きい誘電体を強誘電体という。回転帯電装置10はまさに静電誘電体あるため金属に強磁界のネオジ磁石20を設置した導体のため帯電した静電気がリークしやすいため回転円板15や固定円板16表面に電気絶縁ワニスをスプレ塗装して不導体とすることで表面に静電気が次第に増加しても金属体よりリークしない構造となっている。誘導体の電属で構成されているも絶縁体である。
帯電装置10の回転円板15と固定円板16の表面には全面不導体となるよう絶縁ワニスが塗装されているため表面は微細な凹凸状になっている。この表面をある程度圧力を持ったガスが通過することで摩擦帯電をする。ガスは、回転円板15と固定円板16のアルミ側と鉄側を交互に流れるためイオン電位差による起電力は自然界ではイオン腐食という+、−の電位差腐食がある。静電気発生金属の組み合わせにおいては電位差腐食を考慮する必要がある。大気中の湿度60%以上では電位腐食が激しくなる。アルミニウムに対する鉄は電位差2のため腐食する。そのため鉄側に亜鉛メッキすることで電位腐食を防止している。摩擦帯電の主要な要素は接触帯電である。ワニス塗装による微細な絶縁ワニス塗装されているため金属体であるも不導体となっている。そのため一旦発生したイオンの漏電はなく多段の回転円板15と固定円板16の交互の組み合わせにより帯電効果は大きい。
第3の解決手段は特許請求項4に示すように、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置10に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気をバーナー50に吹き込んで燃料を燃焼させる燃焼方法である。
図4のように帯電装置10を出た圧縮空気はバーナー50に導かれ、燃料を効率よく燃焼させる。帯電した圧縮空気により燃料は燃焼しやすくなり、NoxやSoxが減少する。
冷蔵庫、エアコン、発泡剤、消火剤で使用されたフロンは回収後焼却処分される。一般に使用済み家電のフロンはセメントのキルンで燃焼させている。圧縮空気と水蒸気を混合し帯電装置10に通すと酸素や水素は分子から原子に分解される。例えば、O2→O+O、O2+H2→2OHとなる。水酸基OHはラジカルであり強力な酸化作用を持つためフロンを分解するのに有効である。水蒸気がOHに分解することがフロン分解を促進する。重油燃焼火力発電所は排気ガス中に大量のNOX、SOXを生む。このような排気を処理せずに煙突から大気中に排出することはできない。その対策として、350〜450℃の過熱蒸気を空気と一緒にバーナー50からボイラーの中央に向けて吹き込んで、OH、HO2、Oなどのラジカルな分子ガスで強制的に酸化させて硫酸や硝酸に変化させている。ここにアンモニアガスを吹き込むことで硫安や硝安肥料を生成する場合もあるが非効率な製造過程である。この燃焼用空気を帯電装置10で帯電せしめて、バーナー50から吹き込むことで完全な酸化反応ガスを得ることができるため最終工程の電気集塵機フィルター除去回収量の減量と集塵板などの寿命延長を図ることができる。集塵板は耐硫酸鋼としてエステン−3(アンチモン添加鋼)を使用しているため高価である。従来、空気中の酸素をイオン化したりプラズマ化したりするために高電圧をかけていた。O2→O+O、O2+O→O3の工程を経てオゾンを生成し殺菌や消臭に応用していた。
第4の解決手段は特許請求項5に示すように、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置10に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気をスプレーガン60に吹き込んで塗料を塗布する塗装方法である。
スプレーガン60には帯電した圧縮空気が吹き込まれると同時に塗料タンク61から塗料が供給され、圧縮空気により霧化されて噴射される。従来、圧力のかかったガス体に静電気を作用させて使用する事例は静電塗装が主であるが、静電塗装はエアに帯電させるのではなく噴霧状の塗料に帯電させている。高圧エアに直接帯電させて塗装する方法は従来試みられていなかった。静電塗装と一般の吹き付け塗装の大きな違いはスプレーガン60(−)と被塗装材(+)との間に30000〜150000ボルトの高電圧をかけて塗装するものである。スプレーガン60より出た塗料の粒子は被塗装材のプラス極に引き付けられ、表側だけでなく裏側にも廻り込んで塗装できる特長がある。塗料に帯電する場合は、塗料の粒が大きく、粒子数が少ないので帯電率が低く強力な静電気作用は期待できなかった。本発明のようにエアに帯電させることは、O2やN2の気体分子に帯電させることであり、帯電させやすくかつ帯電量が莫大になることである。そのため、エアと塗料粒子の両方に帯電できることにより塗装効率が飛躍的に向上した。
第5の解決手段は特許請求項6に示すように、液体状の殺菌剤73を充填した容器72にガスを吹き込み、前記殺菌剤73を気化せしめて、前記ガスと前記殺菌剤73の混合した混合ガスを、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置10に吹き込み帯電せしめた後、エアシャワーとして吹き付ける除塵・殺菌方法である
容器72に、例えばイソチオシアン酸アリル(CH2:CHCH2NCS)とエタノールを混合した液体を充填し、容器72内に設けたヘッダー管74から圧縮エアを吹き込んで気化せしめて、エアとイソチオシアン酸アリルの混合ガスを生成する。この混合ガスを帯電装置10に吹き込んで帯電せしめてシャワー室70に吹き込む。シャワー室70には適宜ヘッダー管71を設けまんべんなく除塵、殺菌ができるようにする。イソチオシアン酸アリルはワサビやカラシなどの精油成分であり、強力な殺菌、抗菌、抗黴作用を有する。食材から抽出した殺菌剤であり人体には許容量以内であれば無害である。エアと殺菌剤に帯電させているので人体のイオンを除去し除塵効果が高いと同時に殺菌効果もある。
10:帯電装置
11:円筒ケーシング
12:側板
13:軸受
14:回転軸
14a:キー
15:回転円板
15a:蓋
15b:皿ネジ
16:固定円板
16a:蓋
16b:皿ネジ
17スペーサ
18:出口固定円板
20:ネオジ磁石
30:給気口
31:排気口
40:駆動装置
50:バーナー
60:スプレーガン
70:シャワー室
71:ヘッダー管
72:容器
73:殺菌剤
74:ヘッダー管
11:円筒ケーシング
12:側板
13:軸受
14:回転軸
14a:キー
15:回転円板
15a:蓋
15b:皿ネジ
16:固定円板
16a:蓋
16b:皿ネジ
17スペーサ
18:出口固定円板
20:ネオジ磁石
30:給気口
31:排気口
40:駆動装置
50:バーナー
60:スプレーガン
70:シャワー室
71:ヘッダー管
72:容器
73:殺菌剤
74:ヘッダー管
Claims (5)
- 給気口と排気口を有する円筒ケーシングの両側板に軸受を設け、該軸受で回転軸を支持し、該回転軸の片側には駆動装置が連結され、前記回転軸には所定間隔で複数の回転円板が取り付けられ、前記円筒ケーシングには所定間隔で複数の固定円板が取り付けられ、前記回転円板と前記固定円板は交互に対向するように配設されており、前記回転円板と前記固定円板には複数のネオジ磁石が取り付けられていることを特徴とする帯電装置。
- 前記円筒ケーシング内面及び前記側板内面及び回転軸及び回転円板及び固定円板の表面に絶縁体が被覆されていることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
- 請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気をバーナーに吹き込んで燃料を燃焼させることを特徴とする燃焼方法。
- 請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に圧縮空気を吹き込み帯電せしめた後、該圧縮空気をスプレーガンに吹き込んで塗料を塗布することを特徴とする塗装方法。
- 液体状の殺菌剤を充填した容器にガスを吹き込み、前記殺菌剤を気化せしめて、前記ガスと前記殺菌剤の混合した混合ガスを、請求項1又は請求項2記載の前記帯電装置に吹き込み帯電せしめた後、エアシャワーとして吹き付けることを特徴とする除塵・殺菌方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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CN110678739B (zh) * | 2017-07-14 | 2023-11-21 | 株式会社堀场先进技术 | 生物体样品分析装置 |
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