JP2013255884A

JP2013255884A - 磁性体選別装置

Info

Publication number: JP2013255884A
Application number: JP2012132992A
Authority: JP
Inventors: Masato Jinbo; 正人神保; Shigeru Morishita; 茂森下; Yuhei Hanada; 有平花田; Shigetoshi Moriuchi; 重年森内
Original assignee: Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp; Nippon Steel and Sumikin Pipe Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp; Nippon Steel Pipe Co Ltd
Priority date: 2012-06-12
Filing date: 2012-06-12
Publication date: 2013-12-26

Abstract

【課題】円筒ドラムの回転時に発生するひずみを効果的に抑制する。
【解決手段】軸方向中心位置を中心として回転する円筒ドラム２の内部空間に、この円筒ドラム２の周方向の固定した位置に複数の磁石３を配置した磁性体選別装置１である。前記円筒ドラム２を電気絶縁性材料で形成する。当該円筒ドラム２の軸方向に、電気絶縁性材料で形成されたスクレーパ５を設置すると共に、前記円筒ドラム２の円周方向に、電気絶縁性材料で形成したリブ４を１個以上設置した。
【効果】長時間における連続運転が可能になって、磁性体と非磁性体が含まれる混合物から磁性体と非磁性体を効率よく回収することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、円筒ドラムの内部空間に周方向の位置を固定した複数の磁石を配置した磁性体選別装置において、円筒ドラムを、軸方向中心位置を中心として回転した時の遠心力によるひずみ発生を防いで磁性体を効率よく選別できるようにした磁性体選別装置に関するものである。

磁性体である鉄等の金属を選別する装置として、従来から回転磁極体を利用した選別装置が使用されている。

例えば、軸を中心として回転する円筒ドラムの内部空間に、円筒ドラムの周方向の固定した位置に複数の磁石を配置した回転型磁性体選別装置の、前記円筒ドラムをステンレス鋼で形成したものがある（例えば特許文献１の段落０００８）。

最近では、磁性体の回収効率を上げる方法として、より強い磁場で円筒ドラムを回転させた際に、発生する渦電流による加熱を防ぐために、円筒ドラムを電気絶縁性材料にしたものも知られている。

しかしながら、電気絶縁性材料で形成した円筒ドラムは、金属に比べて強度が小さいため、回転時の遠心力によるひずみが円筒ドラムに生じて、円筒ドラムに亀裂等が発生するなどの問題があった。

また、特許文献２では、低速回転駆動される絶縁体からなる円筒ドラムの周囲に多数の耐摩耗性セラミック板又はゴム板を貼着することで、円筒ドラムの摩耗を少なくする磁性体選別装置が提案されている。

しかしながら、特許文献２で提案された磁性体選別装置は、板を円筒状に形成した円筒ドラムの両端を回転可能に支持する構成である。このような構成では、磁力の強い範囲で磁着物が磁着されると、その磁力吸引力によって円筒ドラムが変形する一方、磁力のない範囲に回れば遠心力で膨らむなど、単純遠心力と磁力による変形とが複雑に影響して変形を繰り返し、亀裂等が発生する。従って、長時間の運転をすることができず、また、補修作業などのコストがかかる等の問題は改善されない。

さらに、特許文献３には、円筒ドラムをセラミックス製にすることで、金属類に発生する渦電流により金属が誘導加熱されて高温になっても、磁極回転子を取り囲む円筒ドラムが破損し難いようにした磁性体選別装置が提案されている。

しかしながら、特許文献３で提案された磁性体選別装置も、円筒ドラムを回転させた場合、円筒ドラムのひずみによるセラミックスの破損で長時間の運転をすることができず、補修作業などのコストがかかる等の問題は改善されない。

特開２０００−０３３２８６号公報特開２０００−２５４５４７号公報実用新案登録第３０５４０７０号公報

本発明が解決しようとする問題点は、従来の磁性体選別装置は、何れのものも円筒ドラムの回転時に発生するひずみに起因する亀裂を防ぐことができないという点である。

発明者らは、円筒ドラムが回転しながら磁性体を回収するドラム状の磁性体選別装置において、円筒ドラムの回転時のひずみによる亀裂や割れを防ぐために鋭意検討を重ねた結果、円筒ドラムの円周方向にリブを取り付けることで、ひずみによる亀裂や割れを大幅に改善できることを知見した。

本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、
軸方向中心位置を中心として回転する円筒ドラムの内部空間に、この円筒ドラムの周方向の固定した位置に複数の磁石を配置した磁性体選別装置において、
前記円筒ドラムを電気絶縁性材料で形成し、かつ、当該円筒ドラムの軸方向に、電気絶縁性材料で形成されたスクレーパを設置すると共に、前記円筒ドラムの円周方向に、電気絶縁性材料で形成したリブを１個以上設置したことを最も主要な特徴としている。

上記構成の本発明の磁性体選別装置では、電気絶縁性材料で形成した円筒ドラムの円周方向に、電気絶縁性材料で形成したリブを１個以上設置するので、円筒ドラムの強度が向上して回転時に発生するひずみを効果的に抑制することができる。

本発明によれば、円筒ドラムを電気絶縁性材料で形成した場合であっても長時間における連続運転が可能になって、磁性体と非磁性体が含まれる混合物から磁性体と非磁性体を効率よく回収することができる。

本発明の磁性体選別装置を構成する円筒ドラムと磁石の斜視図である。本発明の磁性体選別装置を構成する円筒ドラムと磁石の正面図である。本発明の磁性体選別装置を構成する円筒ドラムの外表面に貼着する非磁性の耐摩耗部材の拡大説明図である。本発明の磁性体選別装置の使用イメージを示した概略図である。

本発明は、円筒ドラムの回転時に発生するひずみを効果的に抑制するという目的を、電気絶縁性材料で形成した円筒ドラムの円周方向に、電気絶縁性材料で形成したリブを１個以上設置することで実現した。

以下、本発明を実施するための実施例を、添付図面を用いて説明する。
図１は本発明の磁性体選別装置を構成する円筒ドラムと磁石の斜視図、図２は同じく円筒ドラムと磁石の正面図、図３は円筒ドラムの外表面に貼着する非磁性の耐摩耗部材の拡大説明図である。なお、本発明における磁性体とは、磁石に磁着するものであればよく、例えば鉄が含まれる物等が挙げられるがこれらに限定されない。

図１〜図３において、１は本発明の磁性体選別装置であり、その軸方向中心位置を中心として回転する円筒ドラム２と、この円筒ドラム２の内部空間における周方向の例えば半周部分に、固定軸（図示省略）を介して固定配置した複数の磁石３を備えている。

前記複数の磁石３の並べ方は特に限定されないが、図１，２に示したように、Ｎ極とＳ極が交互に隣り合うように並べた方が、磁性体の回収効率が高くなる。なお、使用する磁石３は、永久磁石、電磁石等のどのような磁石でも良く、また、これら磁石３は単独で使用しても、異なる種類の磁石３を組み合わせても良い。

本発明では、前記円筒ドラム２を電気絶縁性材料で形成している。電気絶縁性材料で形成することで、前記磁石３の周りを円筒ドラム２が回転するときに誘導電流の発生がないため、円筒ドラム２が加熱されることはない。

円筒ドラム２を形成する材料は電気絶縁性材料であればとくに限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機系樹脂、ＦＲＰ等の無機系繊維を含有する強化プラスチック、天然ゴム等の天然樹脂、ガラス、強化ガラス等の無機物、木、陶器、紙等の１種もしくは２種以上を含んで成型されたものであればよい。回転による強度という観点からはＦＲＰがより好ましい。

また、本発明では、電気絶縁性材料で形成した円筒ドラム２が回転した時にひずみが生じることを防ぐために、例えば、外周の円周方向全域に、電気絶縁性材料で形成したリブ４を１個以上、一体的に設けている。

リブ４の数は多い程ひずみが生じ難く、さらに円筒ドラム２の強度が向上して、磁性体選別機１の長時間における連続運転が可能になる。なお、リブ４は円筒ドラム２と一体的に形成した方が強度向上の観点からは好ましいが、円筒ドラム２にリブ４を接着させることで取り付けてもよい。また、リブ４は円筒ドラム２の内周に設けても良い。

５は、前記円筒ドラム２の外周面における例えば１８０°の位置に２個、その軸方向全域に設置した突起（以下、スクレーパという。）であり、このスクレーパ５も電気絶縁性材料で形成されている。なお、スクレーパ５の数は、図１，２に示したように２個に限らず、１個以上であればよい。

上記構成の本発明の磁性体選別装置１では、例えば図４に示すように、磁石３によって磁場が発生する円筒ドラム２の外表面範囲に、コンベア６で搬送されてきた粒鉄等の磁性金属を含有する混合物７が投入された場合、以下のように選別される。

混合物７に含まれる磁性体７ａは、円筒ドラム２の内部空間に固定された磁石３によって円筒ドラム２の外表面に磁着するので、円筒ドラム２が回転しても磁着した位置に留まろうとする。しかしながら、磁性体７ａは円筒ドラム２の外周面に設けたスクレーパ５に当たって円筒ドラム２の外表面と共に移動し、円筒ドラム２の内部空間に固定された磁石３の磁着部から引き離されて磁石３の設置範囲を超えた位置に落下する。

一方、非磁性物７ｂは円筒ドラム２の外表面に磁着しないので、円筒ドラム２の外表面上を滑って磁石３の設置範囲の下方に落下する。

すなわち、本発明では、スクレーパ５を設けることで、円筒ドラム２の外表面に磁着した磁性体７ａを磁石３の設置範囲を超えた位置に確実に落下できるようになるので、円筒ドラム２の外表面上を磁石３の設置範囲側に戻ろうとする際の円筒ドラム２の外表面の摩耗も抑制できる。

ところで、前記円筒ドラム２の外表面の摩耗防止のために、円筒ドラム２の外表面に、非磁性の耐摩耗部材８を貼着しても良い。非磁性の耐摩耗部材８は、例えばセラミックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等で出来た高強度プラスチック、テフロン（登録商標）、ナフロン等で出来たシート、セメント、モルタル、コンクリート、鉄鋼スラグ等が好ましい。

これらの非磁性の耐摩耗部材８は、セラミックスやテフロン（登録商標）シート等の板状、シート状の場合は、接着剤等で円筒ドラム２の外表面に貼着させてもよく、セメント、モルタル、コンクリート、鉄鋼スラグ等の場合は円筒ドラム２の外表面へ流し込み成型してもよい。

本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。

例えば上記の実施例では、リブ４を円筒ドラム２の周方向全域に形成したものを示したが、周方向全域に形成しなくても良い。また、スクレーパ５を円筒ドラム２の軸方向全域に形成したものを示したが、混合物７の供給範囲にのみ形成したものでも良い。

また、上記の実施例では、円筒ドラム２の外表面に、非磁性の耐摩耗部材８を貼着したものを示したが、耐摩耗部材８を備えないものでも良い。

１磁性体選別装置
２円筒ドラム
３磁石
４リブ
５スクレーパ
８耐摩耗部材

Claims

軸方向中心位置を中心として回転する円筒ドラムの内部空間に、この円筒ドラムの周方向の固定した位置に複数の磁石を配置した磁性体選別装置において、
前記円筒ドラムを電気絶縁性材料で形成し、かつ、当該円筒ドラムの軸方向に、電気絶縁性材料で形成されたスクレーパを設置すると共に、前記円筒ドラムの円周方向に、電気絶縁性材料で形成したリブを１個以上設置したことを特徴とする磁性体選別装置。
前記円筒ドラムの表面に、非磁性体の耐摩耗部材を貼着したこと特徴とする請求項１に記載の磁性体選別装置。