JP2013255200A - 導波管2チャンネルロータリージョイント - Google Patents

導波管2チャンネルロータリージョイント Download PDF

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Abstract

【課題】 ベント導波管が不要になり、出力ポートの回転精度を容易に設定でき、小型化が可能な導波管2チャンネルロータリージョイントを提供する。
【解決手段】 導波管2チャンネルロータリージョイントにおいて、筒状に延びる中空の中央に区画領域22Aを備えて一方に第1伝播経路22aと他方に第2伝播経路22bとが1つの管内に配設される第1導波管22と、この第1導波管22に対して直角方向に接続されて当該直角方向を軸に回転自在に支持されて軸心に第1および第2伝播経路22a、22bへ連通してモード変換させる第1および第2伝送線路23a、23bを同軸に備えた同軸管23と、を備え、区画領域22Aには、複数の段差で斜めに区画する短絡板22cと、この短絡板22cに接続して第1伝播経路22aに連通する第1伝送線路23aと、第2伝播経路22bに連通する第2伝送線路23bと、を配設する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、衛星通信用アンテナや気象用レーダにおいて導波管を接続する場合に用いられる好適な導波管2チャンネルロータリージョイントに関する。
従来、導波管2チャンネルロータリージョイント(以下、ロータリージョイントと称す)は、衛星通信用アンテナや気象用レーダに用いられ、機器内で導波管を良好に接続するために用いられている。ここで、まずロータリージョイントを用いた気象レーダ3について、図5および図6を参照して説明する。気象レーダ3は、図5に示すように、回転台3aに反射器3bが支持され、この反射器3bの前面に当該反射器3bの方向に指向性をもつ一次輻射器3cが配置されている。
この気象レーダ3は、例えば、マルチパラメータレーダでは水平(水平偏波:CH1)と垂直(垂直偏波:CH2)との二種類の偏波の電波を使って高分解能・高精度で雨量を推定している(例えば、特許文献1参照。)。気象庁などで使われている気象レーダ3は雨に当たって帰ってくる電波の振幅情報(反射因子)だけを測定し、これにより雨の強さを推定する。マルチパラメータレーダによる降雨強度の推定の原理は、雨が強くなると、雨滴の形状が球形から扁平な形になるという事実に基づいている。
このような気象レーダ3では、図5に示した一次輻射器3cから反射器3bに垂直偏波と水平偏波とを同時に放射し、この反射器3bに放射された電磁波が反射して良好な指向特性で外部に放射される。そして、雨に当たって帰ってくる電波を受信する場合は経路が逆になって受信する。
反射器3bは、回転台3a内の図示しない内部機構に支持され、角度を自由に変えて偏波を放出および受信する角度を調整可能になっている。この際、反射器3bは、回転台3aの内部機構により、図6に示した上下方向A(エレベーション軸回転方向:水平軸回転方向)に回動して仰角方向の向きが設定されるとともに、回転台3aの上部が水平方向B(アジマス軸回転方向:垂直軸回転方向)に回転して方位角方向の向きが設定される。
回転台3aは、上部に反射器3bの角度を調整する内部機構と、その下部に二種類の偏波を供給する固定機器(図示せず)と、を各々収容している。そして、回転台3aは、上部中央にロータリージョイント2が設置され、このロータリージョイント2を介して回動する反射器3bの一次輻射器3cと、固定された固定機器と、を良好に接続している。このロータリージョイント2は、矩形導波管の伝送基本モードであるTEモードから回転可能な伝送基本モードに変換する構造であり、複数チャネルの場合は同軸TEMモードがよく採用されている(例えば、特許文献2参照。)。
この従来の導波管2チャンネルロータリージョイント2について、図7〜9を参照して説明する。図7に示すように、ロータリージョイント2は、主として、回転台3aに固定される固定導波管部30と、この固定導波管部30の上部に回転自在に支持される回転導波管部40と、により構成されている。
回転導波管部40は、固定導波管部30の上部に回転部材44を介して回転自在に支持される回転本体44と、この回転本体41の側部に突出して垂直偏波を出力するポートである第1導波管45と、この第1導波管45の他方の側部に突出して水平偏波を出力するポートである第2導波管46と、回転本体41の中心に円筒状に長く延びて水平偏波(CH1)と垂直偏波(CH2)とを同じ同軸線路で伝送する同軸管43と、を各々備えている。
固定導波管部30は、同軸管43を中心に収容する固定本体31と、この固定本体31の同軸管43に垂直偏波を入力するポートである第3導波管32と、同軸管43に水平偏波を入力するポートである第4導波管33と、を各々備えている。
すなわち、このロータリージョイント2は、垂直偏波(CH2)を第3導波管32、同軸管43、第1導波管45の順で伝送する伝送路と、水平偏波(CH1)を第4導波管33、同軸管43、第2導波管46の順で伝送する伝送路と、を各々備えた導波管2チャンネルロータリージョイントである。ここで、第1〜4導波管45、46、32、33は、図8に示すように矩形導波管の伝送基本モードであるTEモードの導波管であり、同軸管43は、図9に示すように回転可能な同軸TEMモードによる同軸管である。TEモードは、図8に示した矩形導波管内で管軸方向と直角な方向に不均一な電界をもつものであり、回転などの電界の変化に伴って、管軸方向には磁界の変化が起きてしまう。これに対し、同軸TEMモードでは、図9に示した円形導波管内で電界が軸対称であり回転などの電界の変化に対応することができる。
このようなロータリージョイント2は、図6に示した回転台3aの中心軸に合わせて配置し、この中心の垂直軸(アジマス軸)に回転可能な同軸TEMモードの同軸管43を設置するため、反射器3bとともに水平方向Bに回転して方位角方向の向きを設定できる。この際、図7に示した回転本体41と固定本体31とは、ベアリングなどの回転部材44を介してお互い回転可能に軸支しているため、固定本体31に対して回転本体41を容易に回転させることができる。
一方、このロータリージョイント2は、図6に示した反射器3bを上下方向Aに回動して仰角方向の向きを設定する場合、図7の第1導波管45と第2導波管46との水平軸(エレベーション軸)が一致していることが必要であり、軸がずれることにより機械的ストレスで回転部材44の破損、導波管、ロータリージョイントにクラックなどが発生する場合がある。そのため、このロータリージョイント2は、図7に示した第1導波管45と第2導波管46とのいずれかに屈曲したベント導波管を使って位置合わせしている。このように、ロータリージョイント2は、導波管出力ポートに位置ずれが発生しないよう、お互いの導波管出力ポートをベント導波管を使って同一面(同一軸上)に調整している。なお、図7では、第1導波管45にベント導波管を用いて調整している。
このように、従来の導波管2チャンネルロータリージョイント2は、図6の気象レーダ3のアジマス(垂直)軸Bとエレベーション(水平)軸Aとに合わせて設置し、図7の第1導波管45と第2導波管46とから垂直偏波および水平偏波が各々出力され、図6の一対の接続用導波管3dを介して一次輻射器3cに供給していた。
特開2006−308510号公報 特開2003−298301号公報
しかしながら、従来の導波管2チャンネルロータリージョイント2では、図7に示したベンド導波管である第1導波管45を用いることで、以下のような不具合があった。
・第2導波管46との水平(エレベーション)軸を一致させるため、回転精度が出しづらく構造が複雑になる。これにより、製造コスト、設置コスト、製品コストなどの全体のコストが高コストになる。
・第1導波管45が屈曲する高さ分だけ、細く、長い部品(同軸管43)が必要になるため、加工が難しい部品が多くなる。結果、高コストになってしまう。
・第1導波管45が屈曲する高さ分だけ、装置全体が長手方向に大きくなりやすく、小型化しにくい。これにより、気象レーダ3の回転台3aの配置スペースが必要になり、気象レーダ3自体も大きくなってしまう。
そこでこの発明は、ベント導波管が不要になり、出力ポートの回転精度を容易に設定でき、小型化が可能な導波管2チャンネルロータリージョイントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、水平方向に延びる第1導波管と、前記第1導波管の中空内で斜めに区画して一方に第1伝播経路と他方に第2伝播経路とを配設させる短絡板と、前記第1導波管の直下から前記短絡板に向かって直角に延びて接続されて第1伝送線路と第2伝送線路とを同軸線路に備えた同軸管と、を備え、前記第1伝送線路が前記短絡板に接続されて前記第1伝播経路側に連通され、前記第2伝送線路が前記第2伝播経路側に連通されて、この連通した各同軸線路から導波管へのモード変換を円滑にするように前記短絡板が配設される、ことを特徴とする導波管2チャンネルロータリージョイントである。
この発明によれば、第1伝播経路と第2伝播経路とを同一導波管内に区画して配設させた第1導波管により、この第1導波管の第1および第2伝播経路を気象レーダの反射器が回転する水平(エレベーション)軸に一致させることで、回転精度を容易に設定して設置でき、垂直偏波および水平偏波の不連続が発生せずに伝播される。また、第1導波管の区画領域に複数の段差を備えた短絡板が配設されることで、第1導波管の断面の高さが扁平され(低くなり)、同軸管とのモード変換時に、反射を抑えて滑らかに伝播される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導波管2チャンネルロータリージョイントにおいて、前記同軸管は、前記第1伝送線路の端部から分岐する第2導波管と、前記第2伝送線路の端部から分岐する第3導波管と、を備え、当該各端部で分岐導波管側に向かって開口径が狭まる複数の段差を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、第2導波管と第3導波管とにも、同軸である同軸管から分岐する端部に段差が配設されることで、反射を抑えて滑らかに伝播される。
請求項1に記載の発明によれば、第1導波管を気象レーダの反射器が回転する水平(エレベーション)軸に一致させるだけでの簡単な構造により、第1伝播経路と第2伝播経路との回転精度を容易に出して設定することができる。その結果、この簡単な構造により、製造コスト、設置コスト、製品コストなどの全体のコストを低減することができる。特に、ベント導波管の必要がなくなるため、部品点数を削減し、結果、全体的にコストダウンすることが可能になる。また、ベント導波管を使用しないため、第1導波管だけを設置する低い高さに設定でき、これにより同軸である同軸管も短くなって、中心導体などの構造物も短くできる。その結果、部品の製作が簡単になり、より低コスト化することが可能になる。また、ベント導波管を使用しないため、装置全体を長手方向に小型化でき、かつ軽量化することができる。その結果、気象レーダの回転台の配置スペースを省スペース化でき、気象レーダ自体を小型化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2導波管と第3導波管とが同軸である同軸管から分岐する端部に段差が配設されるため、分岐導波管側に向かって開口径が狭まり、反射を抑えて滑らかに伝播させることができる。
この発明の実施の導波管2チャンネルロータリージョイント示す置の外観斜視図である。 図1のロータリージョイントの内部構造を示す断面図である。 図2の固定導波管部と回転導波管部とを詳しく示す断面図である。 図3の第1導波管の内部構造を詳しく示す斜視図である。 従来の気象レーダを示す側面図である。 従来の気象レーダを示す背面図である。 図6の気象レーダに用いるロータリージョイントの内部構造を示す断面図である。 図7のロータリージョイントの矩形導波管のTEモードを説明する図である。 図7のロータリージョイントの同軸TEMモードを説明する図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1および図2は、この発明の導波管2チャンネルロータリージョイント1を示す図であり、図1は外観斜視図を、図2は内部構造の断面図を各々示している。また、図3は、図2の固定導波管部10と回転導波管部20とを詳しく示す断面図である。また、図4は、図3の第1導波管22の内部構造を詳しく示す斜視図である。この導波管2チャンネルロータリージョイント1(以下、ロータリージョイントと称す。)は、図1に示すように、主として、気象レーダの回転台(図5参照)に設置される固定導波管部10と、この固定導波管部10の上部に回転自在に支持される回転導波管部20と、から構成されている。
固定導波管部10は、気象レーダの回転台に設置されて後述する回転導波管部20を回転自在に支持する固定本体11と、この固定本体11の側部に回転台から伝送される垂直偏波(CH2)を入力するポートである第2導波管12と、水平偏波(CH1)を入力するポートである第3導波管13と、を各々備えている。
固定本体11は、図2に示すように、中心部が中空で回転導波管部20から細長く延びる同軸の同軸管23を収容して囲む中空孔11aを開口している。また、固定本体11の上端には、ベアリングなどの回転部材14が装着されており、この回転部材14を介して回転導波管部20を回転自在に支持している。
第2導波管12および第3導波管13は、従来技術と同様に、矩形導波管の伝送基本モードであるTEモードの導波管であり、固定本体11の中心に延びる回転可能な同軸TEMモードの後述する同軸管23に各々連通されている。この同軸管23は、固定本体11の中心に垂直偏波を伝送する第1伝送線路23aと、水平偏波を伝送する第2伝送線路23bと、を各々備えている。そして、このような同軸管23には、第1伝送線路23aの端部から分岐するように第2導波管12と、第2伝送線路23bの端部から分岐するように第3導波管13と、が各々連通されている。
また、第2導波管12と第3導波管13とには、同軸管23に連通した各端部に段差23cが各々形成されている。この段差23cは、図3に示すように、同軸管23から連通する各端部で分岐する導波管側に向かって開口径が段階的に狭まるように複数の形成されている。そして、段差23cは、導波管の開口径が狭まる(高さが潰れる)ように扁平させることで、モード変換時の滑らかな伝播を可能にしている。また、第2導波管12と第3導波管13とには、図1に示した固定本体11の両側面から下方に延びて下端にフランジ状の鍔部12a、13aを備えており、ロータリージョイント1を気象レーダの回転台に安定して固定できるようになっている。
一方、回転導波管部20は、図1に示した固定導波管部10の上部に回転自在に支持される回転本体21と、この回転本体21の上端に固定されて水平偏波と垂直偏波とを各々出力するポートである第1導波管22と、回転本体21の中心部で第1導波管22に向かって2つの偏波を伝送する同軸管23と、を各々備えている。
回転本体21は、図3に示したように、前述した固定導波管部10の回転部材14を介して回転自在に支持されており、この回転部材14を覆うように嵌入する円筒状の筒部21aと、この筒部21a下端から外側に円形のフランジ状に延びるフランジ部21bと、筒部21a上端に第1導波管22を固定するための固定部21cと、が一体に形成されている。
第1導波管22は、従来技術と同様に、矩形断面を有して筒状に延びる中空の伝送基本モードであるTEモードの導波管である。そして、第1導波管22は、従来技術と異なり、中空の中央を区画するように区画領域22Aを備え、この区画領域22Aの一方に垂直偏波の出力ポートである第1伝播経路22aと、他方に水平偏波の出力ポートである第2伝播経路22bと、が1つの管内に配設されている。すなわち、本実施の形態は、1つの導波管(第1導波管22)内に2つの出力ポート(第1伝播経路22aと第2伝播経路22b)が区画領域22Aにより配設されることで、水平軸(アジマス軸)を容易に一致させて導波管出力ポートに位置ずれが発生しないよう構成するものである。
区画領域22Aには、図4に示すように、第1導波管22内を区画する後述するような短絡板22cと、この短絡板22cに向かって延びて第1導波管22の軸心方向に対して直角に直交してT字状に接続される同軸管23と、を各々配設している。
同軸管23は、中心に細長く棒状に延びた中心導体23eを備え、この中心導体23eの周囲を覆って円筒状に延びる内管231と、この内管231の外側をさらに覆う円筒状の外管232と、を備えている。この同軸管23には、中心導体23eと内管231との間に形成される第1伝送線路23aと、内管231と外管232との間に形成される第2伝送線路23bと、が各々配設されている。すなわち、同軸管23は、同軸線路内に第1伝送線路23aと第2伝送線路23bとの2つの伝送線路が形成された2チャンネルの同軸管である。そして、同軸管23は、第1導波管22に直交して当接し、内管231が第2伝播経路22bを介して短絡板22cに向かって延びて接続されている。これにより同軸管23は、内管231内を介して第1伝送線路23aが第1伝播経路22a側に連通される。また、同軸管23の外管232は、第1導波管22に直交して当接した位置で第1導波管22に接続され、第2伝送線路23bを第2伝播経路22b側に連通させている。このように同軸管23は、内管231を介して第1伝播経路22aに第1伝送線路23aが連通され、外管232を介して第2伝播経路22bに第2伝送線路23bが連通されている。
短絡板22cは、第1導波管22内のほぼ中央に配設され、複数の段差22dを備えて第1導波管22の長手方向に斜めに延びて、第1伝播経路22a側と第2伝播経路22b側とに各々区画するよう配設されている。そして、短絡板22cには、中央の段差22dに、前述した内管231が接続され、第1伝播経路22a側に第1伝送線路23aを連通させている。すなわち、短絡板22cは、第1伝送線路23aを中心として、第1伝播経路22a側に2段の段差22dと、第2伝播経路22b側に2段の段差22dと、を各々備えている。この段差22dは、図3の第3導波管13の段差23cと同様に、導波管(第1導波管22)の開口径が狭まる(高さが潰れる)ように扁平させることで、モード変換時の滑らかな伝播を可能にしている。
さらに言及すると、図4の同軸管23の第1伝送線路23aから伝送された偏波(垂直偏波)は、短絡板22cの位置で同軸のTEMモードから第1伝播経路22aの矩形導波管TEモードにモード変換される。この際、段差22dでは、インピーダンスの整合性がとられ、第1伝播経路22aに伝播される垂直偏波の反射を少なくして良好に伝播させる役割をしている。すなわち、第1導波管22内の斜め方向に延びる短絡板22cが、反射を少なくするテーパ導波管のテーパのような役割をする。このように、本実施の形態では、導波管(第1導波管22)内の短絡板22cの段差22dにより反射を低減させるものであって、この段差22dの段数、各段差の幅、各段差の高さなどの寸法を、導波管内のインピーダンス整合に応じて適宜設定されている。なお、第2伝送線路23bから伝送される偏波(水平偏波)も、第1伝送線路23aと同様に、第2伝播経路22b側にモード変換されて伝播される際、短絡板22cの段差22dでインピーダンスの整合性がとられ、反射を少なくして良好に伝播できるようになっている。
次に、このような構成のロータリージョイント1の作用について説明する。
まず、ロータリージョイント1は、図6に示した従来技術のように、気象レーダの回転台に設置させて位置調整する。この際、ロータリージョイント1を回転台に設置する場合、第1伝播経路22aと第2伝播経路22bとが第1導波管22内で同一軸上にあるため、この第1導波管22の軸心方向を水平軸(エレベーション軸)に一致させるだけで、導波管出力ポートに位置ずれが発生しないよう容易に設置される。
その後、気象レーダの反射器の向きを、上下方向(エレベーション軸回転方向:水平軸回転方向)と、水平方向(アジマス軸回転方向:垂直軸回転方向)と、に各々回動させることで、所望の角度(放射または受信する角度)に設定する。この際、ロータリージョイント1は、上下方向の回転に対して前述した第1導波管22の軸心方向を水平軸(エレベーション軸)に一致させているため、導波管(第1導波管22)に負荷を与えることなく回転させることが可能になる。さらに、ロータリージョイント1は、固定導波管部10に支持されて回転導波管部20が回転して第1導波管22も同時に回転するため、水平方向の回転に対しても上下方向と同様に回転させることが可能になる。
そして、気象レーダの反射器の向きが設定されると、回転台内の固定機器からロータリージョイント1に二種類の水平偏波と垂直偏波とが各々供給されている。この場合、垂直偏波は図2に示した第2導波管12の入力ポートに供給され、水平偏波は図2に示した第3導波管13の入力ポートに供給される。
この垂直偏波は、第2導波管12に入力されて伝播し、段差23cによって良好にモード変換されて同軸管23の第1伝送線路23aに滑らかに伝播される。また、水平偏波も同様に、第3導波管13に入力されて伝播し、段差23cによって良好にモード変換されて同軸管23の第2伝送線路23bに滑らかに伝播される。
そして、垂直偏波と水平偏波とは、同軸管23により第1導波管22に伝送される。この垂直偏波と水平偏波とは、図4に示したように、垂直偏波が同軸管23の第1伝送線路23aから第1伝播経路22aにモード変換されて伝播し、水平偏波が同軸管23の第2伝送線路23bから第2伝播経路22bにモード変換されて伝播する。
この際、垂直偏波と水平偏波とは、同軸管23から第1伝播経路22aおよび第2伝播経路22bに伝搬される際、短絡板22cの段差22dによって整合性がとられ(反射をなくし)、伝播ロスを低減して滑らかに伝播される。
これにより垂直偏波と水平偏波とは、第1伝播経路22aおよび第2伝播経路22bから、図6に示した従来技術と同様に、気象レーダに配設された一対の接続用導波管によって一次輻射器に供給される。その後の動作は、従来技術と同様であり、重複する説明は省略する。なお、雨に当たって帰ってくる電波を受信する場合は、従来技術のように経路が逆になって受信される。
以上のように、このような構成の導波管2チャンネルロータリージョイントによれば、第1導波管22を気象レーダの反射器が回転する水平(エレベーション)軸に一致させるだけでの簡単な構造により、第1伝播経路22aと第2伝播経路22bとの回転精度を容易に設定することができる。その結果、この簡単な構造により、製造コスト、設置コスト、製品コストなどの全体のコストを低減することができる。特に、ベント導波管が必要ないため、部品点数を削減し、結果、全体的にコストダウンすることが可能になる。また、ベント導波管を使用しないため、第1導波管22だけを設置する低い高さに設定でき、これにより同軸管23も短くなって、中心導体23eなどの構造物も短くできる。その結果、部品の製作が簡単になり、より低コスト化することが可能になる。また、ベント導波管を使用しないため、装置全体を長手方向に小型化でき、かつ軽量化することができる。その結果、気象レーダの回転台の配置スペースを省スペース化でき、気象レーダ自体を小型化することができる。
また、この導波管2チャンネルロータリージョイントによれば、第2導波管12と第3導波管13とが同軸の同軸管23から分岐させる端部に段差23cが配設されるため、分岐導波管側に向かって開口径が狭まり、反射を抑えて滑らかに伝播させることができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、具体的な構成は、本実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、矩形断面の導波管と同軸導波管とのモード変換を説明したが、これに限定されるものではなく、矩形断面の導波管を円形断面の導波管にすることも可能である。
1 ロータリージョイント(導波管2チャンネルロータリージョイント)
10 固定導波管部
11 固定本体
11a 中空孔
12 第2導波管
12a 鍔部
13 第3導波管
13a 鍔部
20 回転導波管部
21 回転本体
21a 筒部
21b フランジ部
21c 固定部
22 第1導波管
22A 区画領域
22a 第1伝播経路
22b 第2伝播経路
22c 短絡板
22d 段差
23 同軸管
23a 第1伝送線路
23b 第2伝送線路
23c 段差
23e 中心導体

Claims (2)

  1. 円形あるいは矩形断面を有して筒状に延びる中空の中央に区画領域を備え、一方に第1伝播経路と他方に第2伝播経路とが1つの管内に配設される第1導波管と、
    前記第1導波管に対して直角方向に延びて接続されて当該直角方向を軸に回転自在に支持され、前記直角の軸心に前記第1および第2伝播経路へ各々連通してモード変換させる第1および第2伝送線路を同軸線路に備えた同軸管と、を備え、
    前記第1導波管の区画領域には、複数の段差が斜めに延びて区画する短絡板と、この短絡板に接続されて前記第1伝播経路側に連通させる前記同軸管の第1伝送線路と、前記第1伝送線路の周囲を囲んで延びて前記第2伝播経路側に連通させる前記同軸管の第2伝送線路と、が配設されている、
    ことを特徴とする導波管2チャンネルロータリージョイントである。
  2. 前記同軸管は、前記第1伝送線路の端部から分岐する第2導波管と、前記第2伝送線路の端部から分岐する第3導波管と、を備え、当該各端部で分岐導波管側に向かって開口径が狭まる複数の段差を備える、ことを特徴とする導波管2チャンネルロータリージョイント。
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