JP2013246558A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム及び情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタル画像を構成する各画素に対する雑音除去効果と輪郭強調効果とを両立させて、より高画質のデジタル画像を得ることが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】デジタル画像内のフィルタ対象領域における中心画素の輝度と、中心画素の周囲にある複数の周辺画素の輝度と、を用いて、フィルタ対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理を行う場合に、フィルタ対象領域内において、中心画素が周辺画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定すると共に、その判定結果に基づいてフィルタ対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理を切り換えるモード切換部5を備える。
【選択図】図3
【解決手段】デジタル画像内のフィルタ対象領域における中心画素の輝度と、中心画素の周囲にある複数の周辺画素の輝度と、を用いて、フィルタ対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理を行う場合に、フィルタ対象領域内において、中心画素が周辺画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定すると共に、その判定結果に基づいてフィルタ対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理を切り換えるモード切換部5を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム及び情報記録媒体の技術分野に属する。より詳細には、複数の画素により構成されるデジタル画像を処理する画像処理装置及び画像処理方法、当該画像処理用のプログラム及び当該画像処理用プログラムを記録した情報記録媒体の技術分野に属する。
近年、例えばデジタルカメラ等に内蔵される撮像素子(例えば、CCD(Charge-Coupled Device)等の撮像素子)は、高密度化等による高性能化が著しい。そしてこれに伴い、撮像素子から出力される撮像信号又は当該撮像信号を処理して得られる画像信号に含まれる雑音(ノイズ。以下、同様。)の低減又は除去のための技術の開発も、盛んに行われている。
ここで、上述した撮像信号に含まれる雑音には、例えば、その撮像素子の構造上の原因により原画像(動画像又は静止画像を含む。以下、同様。)を含む撮像信号に含まれることとなる雑音がある。また撮像信号を処理して得られる画像信号に含まれる雑音には、例えば、デジタル画像生成のためのブロック符号化処理が撮像信号に施されることに起因する、いわゆるブロック雑音がある。
これに対し、上記ブロック雑音等の雑音を除去するための雑音除去処理をデジタル画像に施すと、当該雑音除去処理特有のいわゆる平滑化作用により、輪郭として強調されるべきそのデジタル画像の部分まで、ぼやけた印象を与えるように処理されてしまう場合がある。よって最近では、デジタル画像に対する雑音除去処理と輪郭強調処理とを、できるだけ高い次元で両立させることが求められている。このような両立をするための手法として、例えば下記特許文献1に記載されている手法がある。
この手法では、雑音除去処理の対象となるデジタル画像において、先ず相互に隣接する複数の画素により構成される方形のフィルタ対象領域(例えば、縦三画素×横三画素の合計九画素からなるフィルタ対象領域)を想定する。そしてこのフィルタ対象領域内で、その中心にある中心画素の信号とその周辺にある周辺画素の信号との差分を周辺画素ごとに算出し、更にその算出された各差分に対して所定の非線形処理を施す。このときの画素の信号とは、例えばその画素の輝度信号である。これらの処理により、画素の信号のレベルの変化が大きい高域成分(輪郭)は強調され、一方、当該変化が小さい低域成分(雑音)は除去される構成とすることができる。
より具体的に特許文献1記載の手法は、以下の(1)から(3)までの三段階の処理を含んで構成されている。
(1)例えば九つの隣接する画素からなる上記フィルタ対象領域の中心にある画素を「中心画素」とし、中心画素の周囲にあるその他の八つの画素を「周辺画素」として設定する。
(2)中心画素の例えば輝度信号と周辺画素の例えば輝度信号との差分を周辺画素ごとに算出し、中心画素が各周辺画素のそれぞれに対して雑音であるか輪郭であるかを判別する。即ち、周辺画素に対して上記差分が大きい中心画素を輪郭と判別し、一方周辺画素に対して上記差分が小さい中心画素を雑音と判別する。
(3)各周辺画素に対する上記差分を入力とし、当該入力に対して例えば特許文献1の第8図により示される非線形処理を実行し、その結果に対して所定のフィルタ係数を乗算する処理を周辺画素ごとに実行し、その結果の総和と中心画素の例えば輝度信号とを加算する。このとき、中心画素が雑音となると判別された周辺画素の信号の符号は上記非線形処理により反転されるが、中心画素が輪郭となると判別された周辺画素の信号の符号は反転されない。
(1)例えば九つの隣接する画素からなる上記フィルタ対象領域の中心にある画素を「中心画素」とし、中心画素の周囲にあるその他の八つの画素を「周辺画素」として設定する。
(2)中心画素の例えば輝度信号と周辺画素の例えば輝度信号との差分を周辺画素ごとに算出し、中心画素が各周辺画素のそれぞれに対して雑音であるか輪郭であるかを判別する。即ち、周辺画素に対して上記差分が大きい中心画素を輪郭と判別し、一方周辺画素に対して上記差分が小さい中心画素を雑音と判別する。
(3)各周辺画素に対する上記差分を入力とし、当該入力に対して例えば特許文献1の第8図により示される非線形処理を実行し、その結果に対して所定のフィルタ係数を乗算する処理を周辺画素ごとに実行し、その結果の総和と中心画素の例えば輝度信号とを加算する。このとき、中心画素が雑音となると判別された周辺画素の信号の符号は上記非線形処理により反転されるが、中心画素が輪郭となると判別された周辺画素の信号の符号は反転されない。
以上の(1)から(3)の処理をデジタル画像内の全てのフィルタ対象領域を対象として実行することで、特許文献1記載の手法では、雑音除去処理と輪郭強調処理の双方を一つの非線形処理により実現することとされている。
しかしながら特許文献1記載の手法では、一つのフィルタ対象領域について上記(1)乃至(3)の処理が実行される結果、非線形処理の結果の総和がゼロに限りなく近づく場合がある。即ち、特許文献1記載の手法では、上述したように中心画素が雑音となると判別された周辺画素の信号の符号は反転されるが、中心画素が輪郭となると判別された周辺画素の信号の符号は反転されないため、それらの総和がゼロに近づくことがあり得る。そして非線形処理の結果の総和がゼロに近付けば、結果として、一つのフィルタ対象領域についての非線形処理の出力信号と入力信号とが(当然ながら)ほぼ同じ、即ち、実質的に特許文献1記載の手法が実行されていないのと同等となってしまう。
この場合、例えば、フィルタ対象領域内において中心画素が雑音となると判別された周辺画素の割合が非常に多く、輪郭となると判別された周辺画素の割合が少ないような場合、使用者としては、そのフィルタ対象領域については雑音除去処理を実行させたいと考えるにも拘わらず、特許文献1記載の手法が結果的に実行されないのと同等となり、所望される高画質化が実行されない場合があるという問題点があった。このような問題点は、例えば、デジタル画像において輪郭に相当する画素の付近でざらざらした雑音が発生している場合等において、多く考えられ得る。
また一般に、雑音除去効果を高めるためには、フィルタ対象領域に含まれる画素の数を多く設定する必要がある。しかしながらフィルタ対象領域内の画素数を多くした場合には、結果として上記非線形処理の結果の総和がゼロに近付く可能性がより高くなるため、上記の問題点が顕在化すると考えられる。
そこで本発明は、上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、デジタル画像を構成する各画素に対する雑音除去効果と輪郭強調効果とを両立させて、より高画質のデジタル画像を得ることが可能な画像処理装置及び画像処理方法、当該画像処理用のプログラム及び当該画像処理用プログラムを記録した情報記録媒体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画素により形成されるデジタル画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う演算部等の雑音除去手段と、前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う演算部等の輪郭強調手段と、前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定するモード切換部等の判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行うモード切換部等の切換手段と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、複数の画素により形成されるデジタル画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う演算部等の雑音除去手段と、前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う演算部等の輪郭強調手段と、を備える画像処理装置において実行される画像処理方法であって、前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定する判定工程と、前記判定工程における判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行う切換工程と、を含む。
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、複数の画素により形成されるデジタル画像を処理する画像処理装置に含まれるコンピュータを、前記画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う雑音除去手段、前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う輪郭強調手段、前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定する判定手段、及び、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行う切換手段、として機能させる。
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像処理用プログラムが請求項12に記載のコンピュータにより読み取り可能に記録されている。
請求項1、請求項11、請求項12又は請求項13のいずれか一項に記載の発明の作用によれば、対象領域内において一の画素が他の画素に対して雑音であるか輪郭であるかを判定し、その判定結果に基づいて当該対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切換処理を行うので、デジタル画像を構成する各画素に対する雑音除去効果と輪郭強調効果とを両立させることで、より高画質のデジタル画像を得ることができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記デジタル画像を構成する複数の前記画素それぞれを前記一の画素とする前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理が、当該デジタル画像を構成する全ての前記画素について行われるように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段、及び前記切換手段を制御するモード切換部等の制御手段を更に備える。
請求項2に記載の発明の作用によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、デジタル画像を構成する複数の画素それぞれに対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切り換えが、デジタル画像を構成する全ての画素について行われるので、デジタル画像全体についてより高画質化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置において、前記判定結果は、一の前記対象領域において前記一の画素が輪郭となると判定された前記他の画素の数を示し、前記切換手段は、前記判定結果により示される当該数に基づき、当該一の前記対象領域についての前記切換処理を行うように構成される。
請求項3に記載の発明の作用によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、一の対象領域において一の画素が輪郭となると判定された他の画素の数に基づき、当該一の対象領域についての切換処理を行うので、簡易な構成によりデジタル画像をより高画質化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記切換手段は、前記数が予め設定された切換閾値以上であるとき前記一の前記対象領域については前記輪郭強調手段に切り換え、当該数が当該切換閾値未満であるとき当該一の前記対象領域については前記雑音除去手段に切り換えるように構成される。
請求項4に記載の発明の作用によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、一の画素が輪郭となると判定された他の画素の数が切換閾値以上であるとき輪郭強調手段に切り換え、当該数が当該切換閾値未満であるとき雑音除去手段に切り換えるので、一つの切換閾値との大小比較に基づいて輪郭強調処理と雑音除去処理とを切り換えるので、より簡易な構成によりデジタル画像をより高画質化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記デジタル画像の部分に含まれる部分雑音が含まれている当該デジタル画像の当該部分を検出する暗部判定部等の部分検出手段を更に備え、前記切換手段は、前記検出された部分に含まれる前記対象領域についての前記切換処理に用いられる前記切換閾値を、前記検出された部分に含まれる前記対象領域以外の他の前記対象領域についての前記切換処理に用いられる前記切換閾値に対して相対的に高い値として、各前記切換処理を行うように構成される。
請求項5に記載の発明の作用によれば、請求項4に記載の発明の作用に加えて、部分雑音が含まれている部分に含まれる対象領域についての切換処理に用いられる切換閾値を、他の対象領域についての切換処理に用いられる切換閾値に対して相対的に高い値として各切換処理を行うので、部分雑音が含まれるデジタル画像の部分が考慮されることで、デジタル画像をより高画質化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記判定手段は、前記一の画素の前記信号と、前記他の画素の前記信号と、に基づいて、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを、前記他の画素ごとにそれぞれ判定して前記判定結果を前記切換手段に出力するように構成される。
請求項6に記載の発明の作用によれば、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、一の画素の信号と他の画素の信号とに基づいて、一の画素が他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを、他の画素ごとにそれぞれ判定するので、対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切り換えを、デジタル画像を構成する画素の状態に応じて的確に切り換えることができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記判定手段は、前記一の画素の前記信号と、前記他の画素の前記信号と、の差が予め設定された判定閾値以上であるとき前記一の画素が前記他の画素に対して輪郭となると判定し、前記差が前記判定閾値未満であるとき当該一の画素が当該他の画素に対して雑音となると判定し、それぞれの前記判定結果を前記切換手段に出力するように構成される。
請求項7に記載の発明の作用によれば、請求項6に記載の発明の作用に加えて、一の画素の信号と他の画素の信号との差が判定閾値以上であるとき一の画素が他の画素に対して輪郭となると判定し、当該差が判定閾値未満であるとき一の画素が他の画素に対して雑音となると判定するので、一つの判定閾値との大小比較に基づいて雑音/輪郭の判定を行うので、簡易な構成で雑音と輪郭とを判定することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記デジタル画像の部分に含まれる部分雑音が含まれている当該デジタル画像の当該部分を検出する暗部判定部等の部分検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記検出された部分に含まれる前記対象領域についての判定に用いられる前記判定閾値を、前記検出された部分に含まれる前記対象領域以外の他の前記対象領域についての判定に用いられる前記判定閾値に対して相対的に低い値として、各判定を行うように構成される。
請求項8に記載の発明の作用によれば、請求項7に記載の発明の作用に加えて、部分雑音が含まれている部分に含まれる対象領域についての判定に用いられる判定閾値を、他の対象領域についての判定に用いられる判定閾値に対して相対的に低い値として各判定を行うので、部分雑音が含まれるデジタル画像の部分が考慮されることで、雑音/輪郭の判定をより高精度に行うことができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記輪郭強調処理はアンシャープマスキング処理であるように構成される。
請求項9に記載の発明の作用によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、輪郭強調処理がアンシャープマスキング処理であるので、デジタル画像をより高画質化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項10請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記雑音除去処理は平滑化処理である。
請求項10に記載の発明の作用によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、雑音除去処理が平滑化処理であるので、デジタル画像をより高画質化することができる。
本発明によれば、対象領域内において一の画素が他の画素に対して雑音であるか輪郭であるかを判定し、その判定結果に基づいて当該対象領域に対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切換処理を行う。
従って、デジタル画像を構成する各画素に対する雑音除去効果と輪郭強調効果とをバランスよく両立させることで、より高画質のデジタル画像を得ることができる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお以下に説明する実施形態は、複数の画素からなるデジタル画像に対して、そのデジタル画像に含まれる雑音や歪みを除去する雑音除去処理を含む画像処理を行う画像処理装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。また以下の説明では、先に述べた背景技術において説明済みの概念等については、同様の名称等を用いる。
(I)本発明の原理
初めに、具体的な実施形態を説明する前に、本発明に係る基本的な原理について、図1及び図2を用いて説明する。なお図1及び図2は本発明の原理を説明するための図である。
初めに、具体的な実施形態を説明する前に、本発明に係る基本的な原理について、図1及び図2を用いて説明する。なお図1及び図2は本発明の原理を説明するための図である。
以下に実施形態として詳細を説明するように、本発明では、デジタル画像内に設定されるフィルタ対象領域における中心画素が周辺画素に対して輪郭となるか雑音となるかを周辺画素ごとに判定する。そしてその判定結果に基づいて、そのフィルタ対象領域に対して雑音除去処理を実行するか或いは輪郭強調処理を実行するかを切り換える。これにより、デジタル画像に対する雑音除去効果と輪郭強調効果とを高次元でバランスよく両立させる。
より具体的に本発明に係る画像処理では、その一例として、周辺画素の輝度と中心画素の輝度との差分を周辺画素ごとに検出し、その差分が後述する雑音/輪郭閾値以上であるとき中心画素がその周辺画素に対して輪郭であると判定し、一方その差分が上記雑音/輪郭閾値未満であるとき中心画素がその周辺画素に対して雑音であると判定する。そして、一つのフィルタ対象領域において、中心画素が輪郭となる周辺画素の数(以下、当該数を輪郭画素数と称する。)が後述する切換閾値以上であるとき、そのフィルタ対象領域に対しては輪郭強調処理を実行する。これに対して、輪郭画素数が上記切換閾値未満であるとき、そのフィルタ対象領域に対しては雑音除去処理を実行する。
ここで本発明では、上記雑音除去処理の一例として、いわゆるε−分離非線形デジタルフィルタを用いた雑音除去処理を採用する。また上記輪郭強調処理の一例として、いわゆるアンシャープマスキング(UnSharp Masking。以下単にUSMと称する)処理を採用する。そこで次に、上記ε−分離非線形デジタルフィルタを用いた雑音除去処理、上記USM処理及びそれらの切換処理について、それぞれ概要を説明する。
(A)ε−分離非線形デジタルフィルタを用いた雑音除去処理について
始めに、本発明に係る雑音除去処理について、図1を用いて説明する。なお図1(a)は本発明に係るフィルタ対象領域を例示する図であり、図1(b)は本発明に係る雑音除去処理の構成を例示する図である。
始めに、本発明に係る雑音除去処理について、図1を用いて説明する。なお図1(a)は本発明に係るフィルタ対象領域を例示する図であり、図1(b)は本発明に係る雑音除去処理の構成を例示する図である。
本発明に係る雑音除去処理の一例であるε−分離非線形デジタルフィルタを用いた雑音除去処理(以下、単に雑音除去処理と称する)は、デジタル画像としての原画像の高振幅成分(即ち、その原画像に含まれている画像構成物(被写体)の輪郭等)を損なうことなく、原画像内に低振幅成分として含まれる雑音や歪みを除去する一手法であり、例えば以下の文献に詳細に開示されている。
「原島他,“ε−分離非線形ディジタルフィルタとその応用”電子通信学会論文誌A,第65巻,NO.4,pp.297−304,Apr.1982」
そして雑音除去処理では、一般には以下の(1)から(6)までの六段階の処理により、原画像における高振幅成分を損なうことなく、低振幅成分である雑音等を除去する。この雑音除去処理は、言い換えれば、上記高振幅成分を損なうことなく低振幅成分を平滑化する処理である。
(1)画像信号として入力されたデジタル画像のうち、M×N個(M及びNは自然数)の画素からなる方形の領域を上記フィルタ対象領域として設定し、そのフィルタ対象領域に含まれている画素の輝度を、画素ごとに取得する。
(2)フィルタ対象領域の中心画素の輝度を示す輝度情報を、一時的に記憶する。
(3)当該記憶されている輝度情報により示される輝度と、フィルタ対象領域内の各周辺画素の輝度と、の差分の絶対値を、周辺画素ごとに検出する。なお一般的には、処理を簡略化すべく、上記(2)において記憶された中心画素の輝度と、フィルタ対象領域内の全ての画素(中心画素を含む)の輝度と、の差分の絶対値を画一的に求める。この場合、上記(2)において記憶した中心画素の輝度と、フィルタ対象領域内の全ての画素の一部としての中心画素の輝度と、差分(の絶対値)は、当然ながらゼロである。
(4)各周辺画素との上記差分の絶対値を用いて、雑音除去処理の対象となる画素を判定する。当該判定処理を、以下「雑音判定処理」と称する。即ち、周辺画素各々のうち、検出された差分の絶対値が予め設定されている雑音除去閾値以上である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が上記高振幅成分に属する(即ち、当該周辺画素が上記輪郭等を構成する)として雑音除去処理の対象画素から除外する。一方、中心画素の輝度との差分の絶対値が上記雑音除去閾値未満である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が上記低振幅成分に属する(即ち、当該周辺画素に雑音等が含まれる)として雑音除去処理の対象画素とする。
(5)雑音除去処理の対象画像についての上記差分と予め設定されているフィルタ係数とを乗算する処理を、対象画像それぞれについて行い、対象画像それぞれについての乗算結果を全て加算する。
(6)上記の加算結果を、上記(2)において記憶した輝度情報により示される中心画素の輝度に加算し、その加算結果を、当該中心画素における雑音除去後の輝度とする。
そして雑音除去処理では、一般には以下の(1)から(6)までの六段階の処理により、原画像における高振幅成分を損なうことなく、低振幅成分である雑音等を除去する。この雑音除去処理は、言い換えれば、上記高振幅成分を損なうことなく低振幅成分を平滑化する処理である。
(1)画像信号として入力されたデジタル画像のうち、M×N個(M及びNは自然数)の画素からなる方形の領域を上記フィルタ対象領域として設定し、そのフィルタ対象領域に含まれている画素の輝度を、画素ごとに取得する。
(2)フィルタ対象領域の中心画素の輝度を示す輝度情報を、一時的に記憶する。
(3)当該記憶されている輝度情報により示される輝度と、フィルタ対象領域内の各周辺画素の輝度と、の差分の絶対値を、周辺画素ごとに検出する。なお一般的には、処理を簡略化すべく、上記(2)において記憶された中心画素の輝度と、フィルタ対象領域内の全ての画素(中心画素を含む)の輝度と、の差分の絶対値を画一的に求める。この場合、上記(2)において記憶した中心画素の輝度と、フィルタ対象領域内の全ての画素の一部としての中心画素の輝度と、差分(の絶対値)は、当然ながらゼロである。
(4)各周辺画素との上記差分の絶対値を用いて、雑音除去処理の対象となる画素を判定する。当該判定処理を、以下「雑音判定処理」と称する。即ち、周辺画素各々のうち、検出された差分の絶対値が予め設定されている雑音除去閾値以上である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が上記高振幅成分に属する(即ち、当該周辺画素が上記輪郭等を構成する)として雑音除去処理の対象画素から除外する。一方、中心画素の輝度との差分の絶対値が上記雑音除去閾値未満である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が上記低振幅成分に属する(即ち、当該周辺画素に雑音等が含まれる)として雑音除去処理の対象画素とする。
(5)雑音除去処理の対象画像についての上記差分と予め設定されているフィルタ係数とを乗算する処理を、対象画像それぞれについて行い、対象画像それぞれについての乗算結果を全て加算する。
(6)上記の加算結果を、上記(2)において記憶した輝度情報により示される中心画素の輝度に加算し、その加算結果を、当該中心画素における雑音除去後の輝度とする。
以上説明した(1)から(6)までの六段階の処理を、デジタル画像を構成する画素を順次上記中心画素として繰り返し実行することにより、当該一つのデジタル画像についての雑音除去処理が実行される。なお上記(4)の雑音判定処理では、雑音除去閾値の設定方法によっては、検出された差分の絶対値が雑音除去閾値より大きい周辺画素を雑音除去処理の対象画素から除外し、当該差分の絶対値が雑音除去閾値以下である周辺画素を雑音除去処理の対象画素としてもよい。
次に、上記の雑音除去処理について、より具体的に図1を用いて説明する。
本発明においては、例えば図1(a)に例示するように、五画素×五画素の画素Pxを含むフィルタ対象領域Fが、画像信号たるデジタル画像に含まれる各画素を中心画素として、中心画素ごとに当該デジタル画像において設定される。なお図1(a)では、合計二十五個の画素を、それぞれ画素Px m,n(m及びnは5以下の自然数)として示している。図1(a)に例示されるフィルタ対象領域Fでは、画素Px33が上記中心画素となる。そしてフィルタ対象領域F内の各画素Pxからは、それぞれの画素Pxの輝度が取得される。この輝度について図1では、例えば画素Px11の輝度は「P11」と表記されている。
そして図1(b)に示すように、本発明に係る雑音除去処理においては、差分演算処理2と、雑音判定処理3Nと、乗算処理4と、演算処理8と、が実行される。このとき演算処理8には、合算処理8Aと、加算処理8Nと、が含まれている。
この構成において差分演算処理2では、図1(b)に示すように、フィルタ対象領域Fを含むデジタル画像に相当する画像信号Sinが処理の対象とされる。この場合には、画像信号Sinの中から、フィルタ対象領域Fを構成する各画素Px(中心画素Px33を含む)の輝度が一時的に記憶される。これらの処理は上記(1)及び上記(2)にそれぞれ記載された処理に相当する。
次に差分演算処理2において、中心画素Px33を含むフィルタ対象領域F内の各画素Pxの輝度を示す上記輝度情報に対して、上記(3)に相当する処理を実行する。即ち差分演算処理2において、図1(b)に模式的に示すように、中心画素Px33の輝度と、各画素Pxの輝度Pと、の差分Δを画素Pxごとに算出し、その算出結果を画素Pxごとに雑音判定処理3Nに出力する。例えば画素Px11について差分演算処理2においては、その輝度P11と中心画素Px33の輝度P33との差分Δ11を算出して雑音判定処理3Nに出力する。また例えば画素Px44について差分演算処理2においては、その輝度P44と中心画素Px33の輝度P33との差分Δ44を算出して雑音判定処理3Nに出力する。差分演算処理2においては、以上の処理が、図1(b)に示すようにフィルタ対象領域F内の全ての画素Pxについて実行される。
次に雑音判定処理3Nにおいて、上記(4)の処理に相当する雑音除去処理に係る後述の雑音除去閾値と、差分演算処理2から出力されてくる画素Pxごとの差分Δの絶対値と、を比較し、例えば雑音除去閾値以上の値の絶対値の差分Δに対応する画素Pxを、本発明に係る雑音除去処理の対象画素から除外する。一方、例えば当該雑音除去閾値未満の値の絶対値の差分Δに対応する画素Pxを、本発明に係る雑音除去処理の対象画素とする。そして雑音判定処理3Nにおいては、当該対象画素とされた画素Pxについては対象画素であることを示すフラグ等を付加し、各画素Pxに対応する差分Δを、画素Pxごとに乗算処理4に出力する。
一方、当該乗算処理4には、予め設定されたフィルタ係数が、画素Pxごとに予め入力されている。図1(b)においては、例えば画素Px11に対応するフィルタ係数は「C11」と表記されている。
そして乗算処理4においては、図1(b)に示すように、上記フィルタ係数Cと、上記雑音判定処理3Nから出力されてくる差分Δと、を用いて、上記(5)の処理に含まれる乗算処理を実行し、その乗算結果を合算処理8Aに出力する。即ち乗算処理4においては、雑音判定処理3Nから出力されてくる差分Δのうち、対象画素であることを示すフラグ等が付加されている画素Px以外の全ての周辺画素Pxに対応する差分Δ又は当該全ての周辺画素Pxに対応するフィルタ係数Cのいずれか一方の値をゼロとし、各画素Pxに対応する差分Δとフィルタ係数Cとを画素Pxごとに乗算し、画素Pxごとの乗算結果を合算処理8Aに出力する。この場合、雑音除去処理の対象画素である画素Px以外の全ての周辺画素Pxについては、当該周辺画素Pxに対応する差分Δ又はフィルタ係数Cのいずれか一方の値がゼロとされているので、結果として雑音除去処理の対象画素である画素Pxについてのみ、上記乗算結果が有意となる。
次に合算処理8Aにおいては、乗算処理4から出力されてきた画素Pxごとの乗算結果を全て加算し、その加算結果を加算処理8Nに出力する。この合算処理が上記(5)の処理に含まれる加算処理となる。
これにより加算処理8Nにおいては、全ての画素Pxについての合算結果に対して中心画素Px33の輝度を加算し、その中心画素Px33についての(換言すれば、中心画素Px33を中心とするフィルタ対象領域Fについての)本発明に係る雑音除去処理後の出力信号Soutとする。
なお、上述してきた雑音除去処理は一のフィルタ対象領域Fについての処理である。当該一のフィルタ対象領域Fの全てについて雑音除去処理が終了した後は、中心画素Px33に隣接する画素Px(具体的には、図1(a)に例示する画素Px22、画素Px23、画素Px24、画素Px32、画素Px34、画素Px42、画素Px43、画素Px44のいずれか)を中心画素とした新たなフィルタ対象領域Fを設定し、そのフィルタ対象領域Fについて雑音除去処理が実行されるべきと判定された場合に、当該フィルタ対象領域Fに対する上記差分演算処理2、雑音判定処理3N、乗算処理4及び演算処理8が改めて実行されることになる。
そして、一のデジタル画像内に設定され得るフィルタ対象領域Fのうち、雑音除去処理が実行されるべきと判定されたフィルタ対象領域Fの全てについて、中心画素を換えつつ、上記差分演算処理2、雑音判定処理3N、乗算処理4及び演算処理8が繰り返し実行されることにより、当該一のデジタル画像についての雑音除去処理が終了する。
(B)USM処理について
次に、本発明に係るUSM処理について、図2(a)を用いて説明する。なお図2(a)は本発明に係るUSM処理の構成を例示する図である。
次に、本発明に係るUSM処理について、図2(a)を用いて説明する。なお図2(a)は本発明に係るUSM処理の構成を例示する図である。
本発明に係る輪郭強調処理の一例であるUSM処理(以下単にUSM処理と称する)は、デジタル画像内の輪郭がぼやけている場合にその輪郭を強調するフィルタ処理として一般的な処理であり、例えば以下のURLで示される文献にその概要が開示されている。
URL;「http://imagingsolution.blog107.fc2.com/blog-entry-114.html」
そしてUSM処理としては、フィルタ対象領域の中心画素の輝度と周辺画素の輝度との差分を用いた処理を上記文献(URL)に開示されている処理に適用(応用)する。これにより、上記雑音除去処理の一部をその一部に流用しつつ、デジタル画像におけるUSM処理を行うことができる。より具体的にUSM処理では、以下の(1)から(6)までの六段階の処理を実行する。なお以下の(1)から(6)において上記雑音除去処理と同様の処理については、その旨を記載して詳細な説明を省略する。
(1)雑音除去処理における(1)の処理と同様に、画像信号として入力されたデジタル画像において設定されたフィルタ対象領域に含まれている画素の輝度を、画素ごとに取得する。
(2)フィルタ対象領域の中心画素の輝度を示す輝度情報を、一時的に記憶する。
(3)雑音除去処理における(3)の処理と同様に、一時記憶されている輝度情報により示される輝度と、フィルタ対象領域内の各周辺画素の輝度と、の差分の絶対値を、周辺画素ごとに検出する。
(4)各周辺画素との上記差分の絶対値を用いて、USM処理の対象となる画素を判定する。当該判定処理を、以下「輪郭判定処理」と称する。即ち、周辺画素各々のうち、検出された差分の絶対値が予め設定されている輪郭強調閾値以上である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が原画像の高振幅成分に属するとしてUSM処理の対象画像とする。一方、中心画素の輝度との差分の絶対値が上記輪郭強調閾値未満である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が原画像の低振幅成分に属するとして、USM処理への影響を排除すると共に当該雑音等が強調されることを防止すべく、USM処理の対象画素から除外する。
(5)USM処理の対象画素についての上記差分と予め設定されているフィルタ係数とを乗算する処理を、対象画素のそれぞれについて行い、対象画素それぞれについての乗算結果を全て加算する。
(6)上記の加算結果を、上記(2)において記憶した輝度情報により示される中心画素の輝度から減算し、その減算結果を、当該中心画素における輪郭強調後の輝度とする。なおこのように(6)の処理において中心画素の輝度から(5)の処理の加算結果を「減算」する点が雑音除去処理における(6)の処理との大きな違いである。
そしてUSM処理としては、フィルタ対象領域の中心画素の輝度と周辺画素の輝度との差分を用いた処理を上記文献(URL)に開示されている処理に適用(応用)する。これにより、上記雑音除去処理の一部をその一部に流用しつつ、デジタル画像におけるUSM処理を行うことができる。より具体的にUSM処理では、以下の(1)から(6)までの六段階の処理を実行する。なお以下の(1)から(6)において上記雑音除去処理と同様の処理については、その旨を記載して詳細な説明を省略する。
(1)雑音除去処理における(1)の処理と同様に、画像信号として入力されたデジタル画像において設定されたフィルタ対象領域に含まれている画素の輝度を、画素ごとに取得する。
(2)フィルタ対象領域の中心画素の輝度を示す輝度情報を、一時的に記憶する。
(3)雑音除去処理における(3)の処理と同様に、一時記憶されている輝度情報により示される輝度と、フィルタ対象領域内の各周辺画素の輝度と、の差分の絶対値を、周辺画素ごとに検出する。
(4)各周辺画素との上記差分の絶対値を用いて、USM処理の対象となる画素を判定する。当該判定処理を、以下「輪郭判定処理」と称する。即ち、周辺画素各々のうち、検出された差分の絶対値が予め設定されている輪郭強調閾値以上である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が原画像の高振幅成分に属するとしてUSM処理の対象画像とする。一方、中心画素の輝度との差分の絶対値が上記輪郭強調閾値未満である周辺画素を、当該周辺画素の輝度が原画像の低振幅成分に属するとして、USM処理への影響を排除すると共に当該雑音等が強調されることを防止すべく、USM処理の対象画素から除外する。
(5)USM処理の対象画素についての上記差分と予め設定されているフィルタ係数とを乗算する処理を、対象画素のそれぞれについて行い、対象画素それぞれについての乗算結果を全て加算する。
(6)上記の加算結果を、上記(2)において記憶した輝度情報により示される中心画素の輝度から減算し、その減算結果を、当該中心画素における輪郭強調後の輝度とする。なおこのように(6)の処理において中心画素の輝度から(5)の処理の加算結果を「減算」する点が雑音除去処理における(6)の処理との大きな違いである。
以上説明した(1)から(6)までの六段階の処理を、デジタル画像を構成する画素を順次上記中心画素として繰り返し実行することにより、当該一つのデジタル画像についてのUSM処理が実行される。なお上記(4)の輪郭判定処理では、輪郭強調閾値の設定方法によっては、検出された差分の絶対値が輪郭強調閾値より大きい周辺画素をUSM処理の対象画素とし、当該差分の絶対値が輪郭強調閾値以下である周辺画素をUSM処理の対象画素から除外してもよい。
次に、上記USM処理について、より具体的に図2(a)を用いて説明する。なお図2(a)は本発明の原理を説明するための図である。また図2(b)に示すUSM処理において、図1(b)に示した雑音除去処理と同様の処理等については同様の符号を付して細部の説明は省略する。
USM処理においては、例えば図2(a)に例示するように、雑音除去処理と同様のフィルタ対象領域Fが、デジタル画像に含まれる各画素を中心画素として、中心画素ごとに当該デジタル画像において設定される。
次にUSM処理においては、図2(a)に示すように、上記雑音除去処理と同様の差分演算処理2と、輪郭判定処理3Rと、上記雑音除去処理と同様の乗算処理4と、演算処理8と、が実行される。このとき演算処理8には、合算処理8Aと、減算処理8Rと、が含まれている。
この構成において差分演算処理2では、図2(a)に示すように、上記雑音除去処理と同様にして上記(1)乃至(3)に記載された処理が実行され、中心画素Px33の輝度と、各画素Pxの輝度Pと、の差分Δが画素Pxごとに検出され、それらの検出結果が画素Pxごとに輪郭判定処理3Rに出力される。この処理は、フィルタ対象領域F内の全ての画素Pxについて実行される。
次に輪郭判定処理3Rにおいては、上記(4)の処理に相当するUSM処理に係る後述の輪郭強調閾値と、差分演算処理2から出力されてくる画素Pxごとの差分Δの絶対値と、が比較され、例えば輪郭強調閾値以上の値の絶対値の差分Δに対応する画素PxをUSM処理の対象画素とする。一方、例えば当該輪郭強調閾値未満の値の絶対値の差分Δに対応する画素PxをUSM処理の対象画素から除外する。そして輪郭判定処理3Rにおいては、当該対象画素とされた画素Pxについては対象画素であることを示すフラグ等を付加し、各画素Pxに対応する差分Δを、画素Pxごとに乗算処理4に出力する。
一方、当該乗算処理4には、上記雑音除去処理と同様に、予め設定されたフィルタ係数が、画素Pxごとに予め入力されている。
そして乗算処理4においては、図2(a)に示すように、上記フィルタ係数Cと、上記輪郭判定処理3Rから出力されてくる差分Δと、を用いて、雑音除去処理と同様の上記(5)の処理に含まれる乗算処理を実行し、その乗算結果を合算処理8Aに出力する。
次に合算処理8Aにおいては、雑音除去処理と同様に画素Pxごとの乗算結果を全て加算し、その加算結果を減算処理8Rに出力する。この合算処理が上記(5)の処理に含まれる加算処理となる。
これにより減算処理8Rにおいては、全ての画素Pxについての合算結果を中心画素Px33の輝度から減算し、その中心画素Px33(即ち当該中心画素Px33を中心とするフィルタ対象領域F)についてのUSM処理後の出力信号Soutとする。
そして、一のフィルタ対象領域Fの全てについて上述して来たUSM処理が終了した後は、中心画素Px33に隣接する画素Px(具体的には、雑音除去処理と同様に、図1(a)に例示する画素Px22、画素Px23、画素Px24、画素Px32、画素Px34、画素Px42、画素Px43、画素Px44のいずれか)を中心画素とした新たなフィルタ対象領域Fを設定し、そのフィルタ対象領域FについてUSM処理が実行されるべきと判定された場合に、当該フィルタ対象領域Fに対する上記差分演算処理2、輪郭判定処理3R、乗算処理4及び演算処理8が改めて実行されることになる。
そして、一のデジタル画像内に設定され得るフィルタ対象領域Fのうち、輪郭強調処理が実行されるべきと判定されたフィルタ対象領域Fの全てについて、中心画素を換えつつ、上記差分演算処理2、輪郭判定処理3R、乗算処理4及び演算処理8が繰り返し実行されることにより、当該一のデジタル画像についての輪郭強調処理が終了する。
(C)輪郭強調処理と雑音除去処理との切換処理について
最後に、上述してきた雑音除去処理とUSM処理とを切り換える本発明に係る切換処理について、図2(b)を用いて説明する。なお図2(b)は、当該切換処理において、一つのフィルタ対象領域Fの中心画素がその周辺画素に対して輪郭であるか雑音であるかを判定するために用いられる雑音/輪郭閾値と、各画素の輝度の差分との関係を例示する図である。
最後に、上述してきた雑音除去処理とUSM処理とを切り換える本発明に係る切換処理について、図2(b)を用いて説明する。なお図2(b)は、当該切換処理において、一つのフィルタ対象領域Fの中心画素がその周辺画素に対して輪郭であるか雑音であるかを判定するために用いられる雑音/輪郭閾値と、各画素の輝度の差分との関係を例示する図である。
上述したように本発明に係る切換処理においては、一つのフィルタ対象領域Fにおける輪郭画素数が本発明に係る切換閾値以上であるとき、そのフィルタ対象領域Fに対してはUSM処理を実行する。これに対して当該輪郭画素数が切換閾値未満であるとき、そのフィルタ対象領域Fに対しては雑音除去処理を実行する。また、上記切換処理の前提となる輪郭画素数の算出の際には、先ず一つのフィルタ対象領域Fについて輪郭画素数を計数するためのカウンタ(以下、当該カウンタを「輪郭画素数カウンタ」を称する)を設定する。そして、一つの周辺画素の輝度と中心画素の輝度との差分Δの絶対値が本発明に係る雑音/輪郭閾値以上であるとき、中心画素が当該一つの周辺画素に対しては輪郭であると判定して輪郭画素数カウンタを「1」だけ加算する。これに対してその差分Δの絶対値が雑音/輪郭閾値未満であるときには中心画素が当該一つの周辺画素に対して雑音であると判定し、この場合の輪郭画素数カウンタの値は変更されないこととする。
ここで、上記雑音/輪郭閾値は、上記差分Δの絶対値が当該雑音/輪郭閾値以上であるとき、中心画素がその差分Δに対応する一つの周辺画素に対して輪郭であると判定される閾値であり、より具体的には、図2(b)に例示するように、例えば中心画素の輝度から周辺画素の輝度を引いた差分Δの最大値(正の値)と最小値(負の値)との間に、当該差分Δが負である場合に適用される雑音/輪郭閾値(−)と、当該差分Δが正である場合に適用される雑音/輪郭閾値(+)と、が、予め設定されている。この場合の雑音/輪郭閾値(−)の絶対値と雑音/輪郭閾値(+)の絶対値とは等しい。そして、差分Δが雑音/輪郭閾値(+)以上であるか、又は差分Δが雑音/輪郭閾値(−)以下であるとき、中心画素がその差分Δに対応する一つの周辺画素に対して輪郭であると判定され、上記輪郭画素数カウンタが「1」だけ加算されるのである。
(D)本発明に係る各閾値について
以上それぞれ説明したように、本発明に係る閾値としては、雑音除去閾値、輪郭強調閾値、雑音/輪郭閾値、及び切換閾値の四つがある。ここで、それぞれの閾値について改めて纏めて説明する。
以上それぞれ説明したように、本発明に係る閾値としては、雑音除去閾値、輪郭強調閾値、雑音/輪郭閾値、及び切換閾値の四つがある。ここで、それぞれの閾値について改めて纏めて説明する。
先ず雑音/輪郭閾値は、一のフィルタ対象領域Fにおける中心画素の輝度と周辺画素の輝度との差分Δとの関係により、その中心画素がその差分Δに対応する周辺画素に対して輪郭であるか雑音であるか、を判定するために用いられる閾値である。より具体的には、当該差分Δの絶対値が雑音/輪郭閾値以上であればその中心画素がその差分Δに対応する周辺画素に対して輪郭であると判定され、当該差分Δの絶対値が雑音/輪郭閾値未満であればその中心画素がその差分Δに対応する周辺画素に対して雑音であると判定される。そして中心画素が周辺画素に対して輪郭であると判定されたとき、上記輪郭画素数カウンタが「1」だけ加算される。
次に切換閾値は、一つのフィルタ対象領域Fに対して雑音除去処理を実行するか、輪郭強調処理を実行するか、を判定するために用いられる閾値である。より具体的には、輪郭画素数カウンタの値が切換閾値以上であるとき、そのフィルタ対象領域Fに対してはUSM処理が実行され、当該輪郭画素数カウンタの値が切換閾値未満であるとき、そのフィルタ対象領域Fに対しては雑音除去処理が実行される。
次に雑音除去閾値は、雑音除去処理が実行される一つのフィルタ対象領域Fにおける中心画素の輝度と各周辺画素の輝度との差分Δとの関係により、その周辺画素を実際の雑音除去処理の対象画素とするか否かを判定するために用いられる閾値である。より具体的には、雑音除去処理が実行される一つのフィルタ対象領域Fにおける周辺画素各々のうち、中心画素との差分Δの絶対値が雑音除去閾値以上である周辺画素は雑音除去処理の対象画素から除外され、当該絶対値が雑音除去閾値未満である周辺画素が雑音除去処理の対象画素とされる。
最後に輪郭強調閾値は、輪郭強調処理が実行される一つのフィルタ対象領域Fにおける中心画素の輝度と各周辺画素の輝度との差分Δとの関係により、その周辺画素を実際の輪郭強調処理の対象画素とするか否かを判定するために用いられる閾値である。より具体的には、輪郭強調処理が実行される一つのフィルタ対象領域Fにおける周辺画素各々のうち、中心画素との差分Δの絶対値が輪郭強調閾値以上である周辺画素は輪郭強調処理の対象画素とされ、当該絶対値が輪郭強調未満である周辺画素が輪郭強調処理の対象画素から除外される。
なおこれら四つの閾値のうち、雑音除去閾値、輪郭強調閾値及び雑音/輪郭閾値それぞれの絶対値は、相互に異なっていてもよいし、全て等しくてもよい。
(II)第1実施形態
次に、上述した原理に基づく本発明に係る第1実施形態について、図3乃至図8を用いて説明する。なお図3は第1実施形態に係る画像処理装置を示す図であり、図4は第1実施形態に係る雑音除去処理及び輪郭強調処理それぞれにおける差分信号と画素信号との関係を例示する図等である。このとき図3においては、図1及び図2を用いて説明した本発明の原理に係る処理と同様の処理を行う部材について、図1及び図2と同様の部材番号を用いている。また図5は第1実施形態に係る画像処理の結果を例示する図であり、図6乃至図8は第1実施形態に係る雑音除去処理及び輪郭強調処理における差分信号と画素信号との関係の他の例をそれぞれ示す図である。更に以下の各実施形態におけるフィルタ対象領域Fは、図1に例示した場合と同様の五画素×五画素の二十五個の画素Pxからなるフィルタ対象領域Fであるとする。
次に、上述した原理に基づく本発明に係る第1実施形態について、図3乃至図8を用いて説明する。なお図3は第1実施形態に係る画像処理装置を示す図であり、図4は第1実施形態に係る雑音除去処理及び輪郭強調処理それぞれにおける差分信号と画素信号との関係を例示する図等である。このとき図3においては、図1及び図2を用いて説明した本発明の原理に係る処理と同様の処理を行う部材について、図1及び図2と同様の部材番号を用いている。また図5は第1実施形態に係る画像処理の結果を例示する図であり、図6乃至図8は第1実施形態に係る雑音除去処理及び輪郭強調処理における差分信号と画素信号との関係の他の例をそれぞれ示す図である。更に以下の各実施形態におけるフィルタ対象領域Fは、図1に例示した場合と同様の五画素×五画素の二十五個の画素Pxからなるフィルタ対象領域Fであるとする。
図3(a)に示すように、第1実施形態に係る画像処理装置S1は、メモリ部1と、差分演算部2と、閾値判定部3と、乗算部4と、本発明に係る「判定手段」の一例、「切換手段」の一例及び「制御手段」の一例にそれぞれ相当し且つ図示しない上記輪郭画素数カウンタを記憶するモード切換部5と、閾値選択部6と、操作部7と、本発明に係る「雑音除去手段」の一例及び「輪郭強調手段」の一例としての演算部8と、により構成されている。
この構成においてメモリ部1には、図1(b)、図2(a)及び図3(a)に示すように、フィルタ対象領域Fを含むデジタル画像に相当する画像信号Sinが入力される。そしてメモリ部1は、画像信号Sinの中からデジタル画像におけるフィルタ対象領域Fを構成する各画素Px(中心画素Px33を含む)の輝度を取得して、一時的に記憶する。これらの処理は、上記(I)(A)欄及び上記(I)(B)欄の(1)及び(2)にそれぞれ記載された処理に相当する(図3(b)ステップS1)。そしてメモリ部1は、記憶している各画素Pxの輝度を示す輝度情報を、メモリ信号Smとして差分演算部2に出力する。またメモリ部1は、記憶している中心画素Px33の輝度を示す輝度情報Scentを演算部8に出力する。
次に差分演算部2は、中心画素Px33を含むフィルタ対象領域F内の各画素Pxの輝度を示す上記輝度情報をメモリ部1から取得し、上記(I)(A)欄及び上記(I)(B)欄の(3)に記載された処理に相当する処理を実行する。即ち差分演算部2は、図1(b)及び図2(a)を用いて説明したように、中心画素Px33の輝度と、各画素Pxの輝度Pと、の差分Δを画素Pxごとに検出し、その検出結果を画素Pxごとに差分信号Sdifとして閾値判定部3及びモード切換部5にそれぞれ出力する。例えば画素Px11について差分演算部2は、その輝度P11と、中心画素Px33の輝度P33と、の差分Δ11を算出し、差分信号Sdifとして閾値判定部3及びモード切換部5にそれぞれ出力する。また例えば画素Px44について差分演算部2は、その輝度P44と、中心画素Px33の輝度P33と、差分Δ44を算出し、差分信号Sdifとして閾値判定部3及びモード切換部5にそれぞれ出力する。以上の処理を差分演算部2は、図1(b)及び図2(a)に示したようにフィルタ対象領域F内の全ての画素Pxについて実行する。
一方使用者は、例えばメモリ部1に入力される前の画像信号Sinに相当するデジタル画像を前もって図示しないディスプレイ上に表示させる等の処理により、そのデジタル画像の内容を把握し、当該把握した内容に基づいて、本発明に係る各閾値及びフィルタ係数Cを選択又は設定する操作を、操作部7において実行する。この操作の結果としての上記雑音/輪郭閾値及び上記切換閾値をそれぞれ示す閾値データを含む閾値信号Sotは、操作部7からモード切換部5に出力される。また当該操作の結果としての上記雑音除去閾値及び上記輪郭強調閾値をそれぞれ示す閾値データを含む閾値信号Socは、操作部7から閾値選択部6に出力される。更に当該操作の結果としてのフィルタ係数Cを含むフィルタ係数信号Sftは、操作部7から乗算部4に出力される。
これらにより先ずモード切換部5は、差分演算部2から差分信号Sdifとして入力されている画素Pxごとの差分Δと、上記閾値信号Sotとして入力されている雑音/輪郭閾値(より具体的には、上記雑音/輪郭閾値(−)及び雑音/輪郭閾値(+)。図2(b)参照)と、を画素Pxごとに比較する。そして、一つの差分Δの絶対値が雑音/輪郭閾値以上であるとき、画像信号Sinに対応するフィルタ対象領域Fの中心画素が当該差分Δに対応する周辺画素に対して輪郭であると判定して輪郭画素数カウンタを「1」だけ加算する。これに対してその差分Δの絶対値が雑音/輪郭閾値未満であるときには、輪郭画素数カウンタの値は変更されない(図3(b)ステップS2)。
次にモード切換部5は、フィルタ対象領域Fを構成する全ての画素Pxについて上記輪郭画素数カウンタの更新処理が完了したら、その結果と、切換閾値と、を比較する(図3(b)ステップS3)。そして、更新処理完了後の輪郭画素数カウンタの値が切換閾値以上であるとき(図3(b)ステップS3;YES)、モード切換部5はそのフィルタ対象領域FについてはUSM処理を実行すべきと判定し、その旨を示す切換信号Sch1乃至切換信号Sch3をそれぞれ閾値選択部6、閾値判定部3及び演算部8へ出力する。これに対して、更新処理完了後の輪郭画素数カウンタの値が切換閾値未満であるとき(図3(b)ステップS3;NO)、モード切換部5はそのフィルタ対象領域Fについては雑音除去処理を実行すべきと判定し、その旨を示す切換信号Sch1乃至切換信号Sch3をそれぞれ閾値選択部6、閾値判定部3及び演算部8へ出力する。
これにより閾値選択部6は、フィルタ対象領域FについてUSM処理を実行すべき旨の切換信号Sch1が入力された場合、閾値信号Socとして入力されている二つの閾値のうち上記輪郭強調閾値を示す閾値信号Sthを生成して閾値判定部3に出力する。そして閾値判定部3は、フィルタ対象領域FについてUSM処理を実行すべき旨の切換信号Sch2と、上記輪郭強調閾値を示す閾値信号Sthと、が共に入力されると、差分演算部2から差分信号Sdifとして入力されている画素Pxごとの差分Δを用いて、上記(I)(B)欄の(4)に記載された輪郭判定処理を実行する(図2(a)符号3R及び図3(b)ステップS4参照)。即ち閾値判定部3は、差分信号Sdifとして出力されてくる画素Pxごとの差分Δの絶対値と、閾値信号Sthとして入力されてくる輪郭強調閾値と、を比較し、輪郭強調閾値以上の絶対値の差分Δに対応する周辺画素を第1実施形態に係るUSM処理の対象画素とし、一方輪郭強調閾値未満の絶対値の差分Δに対応する周辺画素を第1実施形態に係るUSM処理の対象画素から除外する(図3(b)ステップS4参照)。そして閾値判定部3は、当該対象画素とされた周辺画素については対象画素であることを示すフラグ等を付加し、各画素Pxに対応する差分Δを、画素Pxごとに画素信号Spxとして乗算部4に出力する。
次に乗算部4は、フィルタ係数信号Sftとして操作部7から出力されてくるフィルタ係数Cと、上記画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δと、を用いて、上記(I)(B)欄の(5)に記載された乗算処理を実行する(図2(a)符号4及び図3(b)ステップS4参照)。即ち乗算部4は、画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δのうち、USM処理の対象画素であることを示すフラグ等が付加されている周辺画素以外の全ての周辺画素に対応する差分Δ又は当該全ての周辺画素に対応するフィルタ係数Cのいずれか一方の値をゼロとする。次に乗算部4は、図2(a)に示すように、各画素Pxに対応する差分Δとフィルタ係数Cとを画素Pxごとに乗算し、その乗算結果を含む乗算信号Smxを生成して演算部8に出力する。
これにより演算部8は、上記乗算信号Smxに含まれている乗算結果を全て加算する(図2(a)符号8A及び図3(b)ステップS4参照)。そして演算部8は、フィルタ対象領域FについてUSM処理を実行すべき旨の上記切換信号Sch3が入力された場合、全ての画素Pxについての加算結果を、輝度情報Scentとしてメモリ部1から入力されている中心画素Px33の輝度から減算し、その中心画素Px33についての(換言すれば、中心画素Px33を中心とするフィルタ対象領域Fについての)第1実施形態に係るUSM処理後の出力信号Soutとする(図2(a)符号8R及び図3(b)ステップS4参照)。
これら第1実施形態に係るUSM処理(図3(b)ステップS4参照)に対し、上記ステップS3の判定において、モード切換部5によりそのフィルタ対象領域Fについては雑音除去処理を実行すべきと判定されたことにより(図3(b)ステップS3;NO)フィルタ対象領域Fについて雑音除去処理を実行すべき旨の切換信号Sch1が入力された場合、閾値選択部6は、閾値信号Socとして入力されている二つの閾値のうち上記雑音除去閾値を示す閾値信号Sthを生成して閾値判定部3に出力する。そして閾値判定部3は、フィルタ対象領域Fについて雑音除去処理を実行すべき旨の切換信号Sch2と、上記雑音除去閾値を示す閾値信号Sthと、が共に入力されると、差分演算部2から差分信号Sdifとして入力されている画素Pxごとの差分Δを用いて、上記(I)(A)欄の(4)に記載された雑音判定処理を実行する(図1(b)符号3N及び図3(b)ステップS5参照)。即ち閾値判定部3は、差分信号Sdifとして出力されてくる画素Pxごとの差分Δの絶対値と、閾値信号Sthとして入力されてくる雑音除去閾値と、を比較し、雑音除去閾値以上の絶対値の差分Δに対応する周辺画素を第1実施形態に係る雑音除去処理の対象画素から除外し、一方雑音除去閾値未満の絶対値の差分Δに対応する周辺画素を第1実施形態に係る雑音除去処理の対象画素とする(図3(b)ステップS5参照)。そして閾値判定部3は、当該対象画素とされた周辺画素については対象画素であることを示すフラグ等を付加し、各画素Pxに対応する差分Δを、画素Pxごとに画素信号Spxとして乗算部4に出力する。
次に乗算部4は、フィルタ係数信号Sftとして操作部7から出力されてくるフィルタ係数Cと、上記画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δと、を用いて、上記(I)(A)欄の(5)に記載された乗算処理を実行する(図1(b)符号4及び図3(b)ステップS5参照)。即ち乗算部4は、画素信号Spxとして閾値判定部3から出力されてくる差分Δのうち、雑音除去処理の対象画素であることを示すフラグ等が付加されている周辺画素以外の全ての周辺画素に対応する差分Δ又は当該全ての周辺画素に対応するフィルタ係数Cのいずれか一方の値をゼロとする。次に乗算部4は、図1(b)に示すように、各画素Pxに対応する差分Δとフィルタ係数Cとを画素Pxごとに乗算し、その乗算結果を含む乗算信号Smxを生成して演算部8に出力する。
これにより演算部8は、上記乗算信号Smxに含まれている乗算結果を全て加算する(図1(b)符号8A及び図3(b)ステップS5参照)。そして演算部8は、フィルタ対象領域Fについて雑音除去処理を実行すべき旨の上記切換信号Sch3が入力された場合、全ての画素Pxについての加算結果に対して、輝度情報Scentとしてメモリ部1から入力されている中心画素Px33の輝度を加算し、その中心画素Px33についての(換言すれば、中心画素Px33を中心とするフィルタ対象領域Fについての)第1実施形態に係る雑音除去処理後の出力信号Soutとする(図1(b)符号8N及び図3(b)ステップS5参照)。
その後演算部8は、図3(b)に示すステップS1からステップS4又はステップS1からステップ3及びステップS5の処理が、デジタル画像内の全ての画素Pxを中心画素として(換言すればデジタル画像内の全てのフィルタ対象領域Fについて)行われたか否かを確認する(図3(b)ステップS6)。ステップS6の確認において全ての画素Pxについて図3(b)に示すステップS1からステップS4の処理又はステップS1からステップ3及びステップS5が完了している場合(図3(b)ステップS6;YES)、演算部8は、画像信号Sinとして入力されたデジタル画像内の全ての画素に対しての処理が終了したとして、全てのフィルタ対象領域Fについての上記出力信号Soutを当該フィルタ対象領域Fが含まれるデジタル画像に対応する出力信号Soutとして出力し、第1実施形態に係る画像処理を終了する。
一方ステップS6の確認において図3(b)に示すステップS1からステップS4の処理又はステップS1からステップ3及びステップS5の処理が完了していない画素Pxがある場合(図3(b)ステップS6;NO)、演算部8は、当該完了していない新たな画素Pxを中心画素とするフィルタ対象領域Fについて図3(b)に示すステップS1からステップS4の処理又はステップS1からステップ3及びステップS5の処理を実行すべく、当該ステップS1に戻る(ステップS7)。
次に、第1実施形態に係る雑音除去処理及びUSM処理それぞれにおける、差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係について、図4を用いて例示しつつ説明する。
上述したように、第1実施形態に係る雑音除去処理又はUSM処理では、中心画素と周辺画素との差分Δの絶対値と、雑音除去閾値又は輪郭強調閾値との関係で、それぞれの処理の対象画素となった周辺画素に対して雑音除去処理又はUSM処理が実行される。そして、フィルタ対象領域Fに対して雑音除去処理を実行するかUSM処理を実行するかについては、輪郭画素数カウンタの値とその時の切換閾値との関係により判定される。このとき、デジタル画像の対象画素に対応する差分信号Sdif(図3(a)参照)と、それに対応する画素信号Spxと、との関係(即ち上記非線形処理の態様)については、例えば画像信号Sinとしてのデジタル画像の内容等に基づいて、種々の設定が可能である。
例えば、雑音除去閾値及び輪郭強調閾値を同一(即ち、上記差分Δが正である場合に適用される雑音除去閾値(+)と輪郭強調閾値(+)とがそれぞれ同一で、且つ上記差分Δが負である場合に適用される雑音除去閾値(−)と輪郭強調閾値(−)とがそれぞれ同一)とし、更にこれらと雑音/輪郭閾値とを同一として、例えば図4(a)に示すように、雑音除去処理及び輪郭強調処理それぞれにおける差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を、それぞれ一次関数的な関係とすることができる。なお図4(a)においては、雑音除去処理における差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を破線で示し、輪郭強調処理における差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を実線で示している。第1実施形態に係る画像処理においては、図4(a)に例示するように、雑音除去処理が実行される差分信号Sdifの輝度の範囲と輪郭強調処理が実行される画像信号Sdifの輝度の範囲とは、それぞれ(境界部を除いて)排他的な関係となっている。
また例えば、雑音除去閾値<輪郭強調閾値の関係(即ち、雑音除去閾値(+)<輪郭強調閾値(+)且つ雑音除去閾値(−)>輪郭強調閾値(−)の関係)とした場合には、図4(b)に示すように、雑音除去閾値と輪郭強調閾値との間の輝度に相当する差分信号Sdifをいわゆる未処理領域として、未処理領域に相当する画素信号Spxがゼロとなるように構成することもできる。この場合に雑音/輪郭閾値を、図4(b)に例示するように雑音除去閾値と輪郭強調閾値との間の値とするのが好適である。
以上説明したように、第1実施形態の画像処理装置S1の動作によれば、フィルタ対象領域F内において中心画素が周辺画素に対して雑音であるか輪郭であるかを判定し、その判定結果に基づいてフィルタ対象領域Fに対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切換処理を行うので、デジタル画像を構成する各画素Pxに対する雑音除去効果と輪郭強調効果とを両立させることで、より高画質のデジタル画像を得ることができる。この効果についてより具体的に図5に例示しつつ説明する。ここで、図5(a)は雑音除去処理及び輪郭強調処理のいずれも実行しない原画像であり、図5(b)は図5(a)に例示する原画像全体に対して雑音除去処理のみを画一的に実行した後の画像例であり、図5(c)は図5(a)に例示する原画像全体に対して第1実施形態に係る画像処理(即ち、雑音除去処理と輪郭強調処理とを切り換えて実行する処理)を実行した後の画像例である。図5から明らかなように、図5(c)に例示する第1実施形態に係る画像処理装置S1による場合が、輪郭が明確となると共に例えば周辺部分等のざらついた雑音も除去されており、最も高画質であると言える。
また、デジタル画像を構成する各画素Pxをそれぞれ中心画素とした雑音除去処理又は輪郭強調処理の切り換えが、デジタル画像を構成する全ての画素Pxについて行われるので、デジタル画像全体についてより高画質化することができる。
更に、一のフィルタ対象領域Fにおける輪郭画素数に基づき、当該フィルタ対象領域Fについての切換処理を行うので、簡易な構成によりデジタル画像をより高画質化することができる。
更にまた、輪郭画素数が切換閾値以上であるとき輪郭強調処理に切り換え、輪郭画素数が切換閾値未満であるとき雑音除去処理に切り換えるので、一つの切換閾値との大小比較に基づいて輪郭強調処理と雑音除去処理とを切り換えるので、より簡易な構成によりデジタル画像をより高画質化することができる。
また、中心画素の輝度と周辺画素の輝度とに基づいて、中心画素が周辺画素に対して雑音となるか輪郭となるかを、周辺画素ごとにそれぞれ判定するので、フィルタ対象領域Fに対する雑音除去処理又は輪郭強調処理の切り換えを、デジタル画像を構成する画素Pxの状態に応じて的確に切り換えることができる。
更に、中心画素の輝度と周辺画素の輝度との差分Δが雑音/輪郭閾値以上であるとき中心画素が周辺画素に対して輪郭となると判定し、当該差分Δが雑音/輪郭閾値未満であるとき中心画素が周辺画素に対して雑音となると判定するので、一つの雑音/輪郭閾値との大小比較に基づいて雑音/輪郭の判定を行うので、簡易な構成で雑音と輪郭とを判定することができる。
更にまた、輪郭強調処理としてUSM処理を用い、更に雑音除去処理としてε−分離非線形デジタルフィルタを用いた雑音除去処理(即ち平滑化処理)を用いる場合には、それぞれ、デジタル画像をより高画質化することができる。
また、第1実施形態に係る画像処理装置S1は雑音除去処理と輪郭強調処理との切り換えにより、一段のフィルタ処理としての高画質化が実現可能であるので、単純且つ低規模(即ち低価格)な回路構成により雑音除去処理と輪郭強調処理とがバランスよく両立できるため、ソフトウェア的に実現される画像処理装置だけでなく、ハードウェア的に構成される画像処理装置にも好適である。
(A)第1実施形態に係る変形例
なお第1実施形態において、デジタル画像における対象画素に対応する差分信号Sdifと、それに対応する画素信号Spxと、との関係としては、他に複数の例が考えられる。
なお第1実施形態において、デジタル画像における対象画素に対応する差分信号Sdifと、それに対応する画素信号Spxと、との関係としては、他に複数の例が考えられる。
(a)第1変形例
例えば図6に例示するように、雑音除去処理に係る雑音除去閾値、又はUSM処理に係る輪郭強調閾値、をそれぞれ複数設けるように構成することもできる。
例えば図6に例示するように、雑音除去処理に係る雑音除去閾値、又はUSM処理に係る輪郭強調閾値、をそれぞれ複数設けるように構成することもできる。
即ち図6(a)に例示するように、第1実施形態に係る雑音除去処理において、雑音除去閾値を第1雑音除去閾値(より具体的には、第1雑音除去閾値(−)及び第1雑音除去閾値(+))及び第2雑音除去閾値(より具体的には、第2雑音除去閾値(−)及び第2雑音除去閾値(+))とし、第2雑音除去閾値の絶対値<第1雑音除去閾値の絶対値とする。そして図6(a)に例示するように、差分信号Sdifに対応する差分Δの絶対値が第1雑音除去閾値以下である周辺画素を雑音除去処理の対象画素とすると共に、その絶対値が第2雑音除去閾値以上の範囲と第2雑音除去閾値未満の範囲とで、差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係が途切れることなく且つ異なるように構成することもできる。また図6(a)に例示する場合においては、破線で示す関係が原点を中心とした点対称となるようにすることが好ましい。更に図6(a)に例示するように、第1雑音除去閾値と第1実施形態に係る雑音/輪郭閾値とを同一とするように構成することもできる。
また図6(b)に例示するように、第1実施形態に係るUSM処理において、輪郭強調閾値を第1輪郭強調閾値(より具体的には、第1輪郭強調閾値(−)及び第1輪郭強調閾値(+))及び第2輪郭強調閾値(より具体的には、第2輪郭強調閾値(−)及び第2輪郭強調閾値(+))とし、第1輪郭強調閾値の絶対値<第2輪郭強調閾値の絶対値とする。そして図6(b)に例示するように、差分信号Sdifに対応する差分Δの絶対値が第1輪郭強調閾値以上である周辺画素をUSM処理の対象画素とすると共に、その絶対値が第2輪郭強調閾値以上の範囲と第2輪郭強調閾値未満の範囲とで、差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係が途切れることなく且つ異なるように構成することもできる。また図6(b)に例示する場合においては、実線で示す関係が原点を中心とした点対称となるようにすることが好ましい。更に図6(b)に例示するように、第1輪郭強調閾値と第1実施形態に係る雑音/輪郭閾値とを同一とするように構成することもできる。
(b)第2変形例
また例えば図7に例示するように、雑音除去処理又はUSM処理の対象画素に対応する差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を高次関数的な関係とすることもできる。
また例えば図7に例示するように、雑音除去処理又はUSM処理の対象画素に対応する差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を高次関数的な関係とすることもできる。
即ち第1実施形態に係る雑音除去処理において、差分信号Sdifに対応する差分Δの絶対値が雑音除去閾値未満である周辺画素を雑音除去処理の対象画素とすると共に、その対象画素に対応する差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を図7(a)に例示するような高次関数的な関係とすることもできる。
更に第1実施形態に係るUSM処理において、差分信号Sdifに対応する差分Δの絶対値が輪郭強調閾値以上である周辺画素をUSM処理の対象画素とすると共に、その対象画素に対応する差分信号Sdifと画素信号Spxとの関係を図7(b)に例示するような高次関数的な関係とすることもできる。
なおこれらの場合に、雑音/輪郭閾値を雑音除去閾値又は輪郭強調閾値と同一とすることもできる。
(c)第3変形例
更に例えば図8に例示するように、雑音除去処理又はUSM処理に係る雑音除去閾値又は輪郭強調閾値を雑音/輪郭閾値とは異なる値とし、雑音除去閾値又は輪郭強調閾値と雑音/輪郭閾値との間の差分信号Sdifについては未処理とすることもできる。
更に例えば図8に例示するように、雑音除去処理又はUSM処理に係る雑音除去閾値又は輪郭強調閾値を雑音/輪郭閾値とは異なる値とし、雑音除去閾値又は輪郭強調閾値と雑音/輪郭閾値との間の差分信号Sdifについては未処理とすることもできる。
即ち第1実施形態に係る雑音除去処理において、雑音除去処理に係る雑音除去閾値と雑音/輪郭閾値との関係を、図8(a)に例示するように雑音除去閾値<雑音/輪郭閾値とすると共に、雑音除去閾値と雑音/輪郭閾値との間の差分信号Sdifに対応する画素信号Spxをゼロとすることもできる。
更に第1実施形態に係るUSM処理において、USM処理に係る輪郭強調閾値と雑音/輪郭閾値との関係を、図8(b)に例示するように輪郭強調閾値>雑音/輪郭閾値とすると共に、輪郭強調閾値と雑音/輪郭閾値との間の差分信号Sdifに対応する画素信号Spxをゼロとすることもできる。
(B)第1実施形態に係る他の変形例
また、図3(a)に例示した第1実施形態に係る画像処理装置S1の構成についても、他に複数の例が考えられる。
また、図3(a)に例示した第1実施形態に係る画像処理装置S1の構成についても、他に複数の例が考えられる。
例えば、モード切換部5内の図示しない不揮発性のメモリ領域に第1実施形態に係る上記切換閾値を複数記憶させておき、操作部7を介してこれらを切り換えて用いるように構成することもできる。この場合使用者は、画像処理の対象たるデジタル画像の内容を前もって把握した上で上記切換閾値を切り換えるように操作することにより、よりその使用者の好みに合った、高画質の画像処理を実行することができる。
また図4を用いた説明でも述べたように、第1実施形態に係る各閾値のうち、雑音/輪郭閾値、雑音除去閾値及び輪郭強調閾値の三つを共通化し、操作部7を介して使用者が当該共通化された閾値を設定するように構成することもできる。
(III)第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、図9及び図10を用いて説明する。なお図9は第2実施形態に係る画像処理装置の概要構成を示すブロック図であり、図10は第2実施形態に係る暗部判定処理を説明する図である。また第2実施形態に係る画像処理装置を説明するに当たり、第1実施形態に係る画像処理装置S1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して細部の説明は省略する。
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、図9及び図10を用いて説明する。なお図9は第2実施形態に係る画像処理装置の概要構成を示すブロック図であり、図10は第2実施形態に係る暗部判定処理を説明する図である。また第2実施形態に係る画像処理装置を説明するに当たり、第1実施形態に係る画像処理装置S1における部材及び処理と同一の部材及び処理については、同一の部材番号及びステップ番号を使用して細部の説明は省略する。
第1実施形態に係る画像処理装置S1では、デジタル画像内の各フィルタ対象領域Fについて、フィルタ対象領域F内の輪郭画素数と切換閾値との関係に基づき、そのフィルタ対象領域Fに対する雑音除去処理と輪郭強調処理とを切り換える構成とした。これに対して第2実施形態では、デジタル画像内に含まれる雑音の種類及びその種類に対応した特性を考慮して、第1実施形態において説明した各閾値を設定する。
即ち、先に背景技術で述べたように、画像信号Sinに含まれる雑音等には、主として撮像素子の構造上の原因からデジタル画像に含まれることとなる雑音と、デジタル化のためのブロック符号化処理が施されることに起因するブロック雑音がある。この場合前者は、いわゆる暗電流雑音と称されるものが代表的である。なお以下の説明では、暗電流雑音を含む画素Pxを中心画素とするフィルタ対象領域Fを、デジタル画像における「暗部」と称する。以下に説明する第2実施形態では、第1実施形態において説明した各閾値をこれらの雑音それぞれの特性を考慮して設定することにより、高画質化をより効果的に行う。
図9に示すように、第2実施形態に係る画像処理装置S2は、第1実施形態に係る画像処理装置S1に対して、フィルタ対象領域F内の各画素Pxのうち上記暗電流雑音を含む画素Pxを検出する部分検出手段の一例としての暗部判定部10と、上記暗電流雑音を含む画素Pxを暗部判定部10において検出する際の閾値となる暗部閾値を、操作部7における使用者の操作に基づいて設定する暗部閾値設定部11と、を備えている。このとき上記閾値信号Sot、閾値信号Soc及びフィルタ係数信号Sftは、上記暗部判定部10からモード切換部5、閾値選択部6及び乗算部4にそれぞれ出力される。
この構成において使用者は、第1実施形態に係る画像処理装置S1と同様の各閾値の設定操作に加えて、例えば上記ディスプレイに表示されているデジタル画像の内容に基づいて、上記暗部閾値を設定する操作を操作部7において実行する。この操作に対応する操作信号Sodは、操作部7から暗部閾値設定部11に出力される。これにより暗部閾値設定部11は、当該操作信号Sodに基づいて上記暗部閾値を設定して暗部判定部10に出力する。そして暗部判定部10は、メモリ部1からメモリ信号Smとして出力されてくる輝度情報に基づき、デジタル画像において(換言すれば、フィルタ対象領域Fにおいて)暗部閾値設定部11により設定された暗部閾値よりも暗い輝度を有することで暗電流雑音が含まれていると思われる画素Pxを中心画素とする暗部を検出する。
ここで暗部判定部10における暗部判定処理について、図10を用いて説明する。例えば図10(a)に例示するようなデジタル画像Gが画像信号Sinとして入力されたとき、これに対応するメモリ信号Smが入力される暗部判定部10は、デジタル画像Gにおける上記暗部を検出する。図10(b)では、デジタル画像Gにおける左下部、下辺部及び右下部に複数の暗部Dが検出されている。
そして暗部判定部10は、検出された暗部のデジタル画像内の位置等に応じて、第1実施形態において説明した各閾値及びフィルタ係数Cを設定し、それらを含む上記閾値信号Sot、閾値信号Soc及びフィルタ係数信号Sftを上記モード切換部5、閾値選択部6及び乗算部4にそれぞれ出力する。
このとき、より具体的に暗部判定部10について、例えば、暗部と検出されたデジタル画像の部分に含まれるフィルタ対象領域Fについての切換閾値を、デジタル画像内の暗部以外のフィルタ対象領域F(以下、暗部以外のフィルタ対象領域Fをデジタル画像における「明部」と称する)についての切換閾値に対して相対的に高い値として上記閾値信号Sotを生成/出力するように構成することができる。また、暗部についての雑音/輪郭閾値を、明部についての雑音/輪郭閾値に対して相対的に低い値として上記閾値信号Sotを生成/出力するように構成することができる。
そして第2実施形態に係る画像処理装置S2では、上記暗部判定部10から出力された閾値信号Sot、閾値信号Soc及びフィルタ係数信号Sftにそれぞれ含まれている各閾値及びフィルタ係数Cを用いて、第1実施形態と同様の画像処理が実行される。
以上説明したように、第2実施形態に係る画像処理装置S2の動作によれば、第1実施形態に係る画像処理装置S1の動作による効果に加えて、暗部について切換閾値を、明部についての切換閾値に対して相対的に高い値として雑音除去処理と輪郭強調処理の切り換えを行う場合には、暗電流雑音が含まれる暗部が考慮されることで、デジタル画像をより高画質化することができる。
また、暗部についての雑音/輪郭閾値を、明部についての雑音/輪郭閾値に対して相対的に低い値として雑音/輪郭の判定を行う場合には、暗部が考慮されることで、雑音/輪郭の判定をより高精度に行うことができる。
なお、暗部判定部10による暗部を考慮した閾値の設定としては、上述した切換閾値及び雑音/輪郭閾値の他に、雑音除去処理に用いられる雑音除去閾値及び輪郭強調処理に用いられる輪郭強調閾値も、暗部に応じて設定するように構成することもできる。
この場合例えば、雑音除去閾値については、一般に暗部では暗電流雑音(差分Δが小さくなる)が除去対象となるため雑音除去閾値を相対的に低く設定し、一方明部では上記ブロックノイズ(差分Δが大きくなる)が除去対象となるため雑音除去閾値を相対的に高く設定することが考えられる。
また輪郭強調閾値については、例えば、暗部では暗電流雑音等の雑音が発生し易いため当該雑音を強調しないように輪郭強調閾値を相対的に高く設定し、一方明部では雑音が発生し難いため輪郭強調の効果を促進させるべく輪郭強調閾値を相対的に低く設定することが考えられる。
(IV)変形形態
上述して来た二つの実施形態の他に、変形形態として本発明は、種々の応用が可能である。
上述して来た二つの実施形態の他に、変形形態として本発明は、種々の応用が可能である。
例えば、第2実施形態に係る暗部とは異なり、デジタル画像内の一部の領域を所定の手法により任意に検出し、その検出された領域のみを雑音除去処理又は輪郭強調処理の対象とするように構成することもできる。この場合は、デジタル画像内において上記一部の領域を判定するための例えば領域判定部を、別途付加する構成とすればよい。
またこの他に本発明は、フィルタ係数Cの操作による簡易的な雑音除去強度又は輪郭強調強度の切り換え手法(例えば、本願出願人による先の出願である特願2011−217984号に含まれる手法等)と併用するように構成することもできる。更に画像処理装置としてのハードウェアの仕様等を考慮した形状を有するフィルタ対象領域Fを用いる手法(例えば、本願出願人による先の出願である特願2011−217985号に含まれる手法等)を併用するように構成することもできる。なお、これら二つの特許出願で使用している「ノイズ閾値」が本発明に係る雑音除去閾値に相当する。また、本発明に係るUSMについても、フィルタ対象領域Fの中心画素に対応するフィルタ係数Cの重みが小さいほど強い輪郭強調処理が実行可能であり、その重みが大きいほど弱い輪郭強調が実行可能である。
また、上述した各実施形態及び変形形態に係る画像処理装置Sは、デジタル画像Gを記録媒体に記録する情報記録装置において、当該デジタル画像Gに対する符号化処理の終了後且つ当該記録媒体への記録処理前の段階に挿入して備えさせるように構成することが可能である。なお当該記録媒体としては、例えば光ディスクやハードディスク等が挙げられる。更に当該画像処理装置Sは、デジタル画像Gを記録済みの記録媒体から当該デジタル画像Gを再生する情報再生装置において、当該デジタル画像Gに対する復号化処理の前又は後の段階に備えさせるように構成することも可能である。
更にまた、各実施形態に係るメモリ部1、差分演算部2、閾値判定部3、乗算部4、モード切換部5、閾値選択部6及び演算部8等の機能に対応するプログラムを、例えば光ディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを読み出して汎用のマイクロコンピュータ等により実行させることにより、当該マイクロコンピュータ等を、各実施形態に係るメモリ部1、差分演算部2、閾値判定部3、乗算部4、モード切換部5、閾値選択部6及び演算部8等として機能させることも可能である。
以上夫々説明したように、本発明は画像処理装置の分野に利用することが可能であり、特にデジタル画像に含まれる雑音の除去とその輪郭の強調とを両立させる画像処理を行う画像処理装置の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
1 メモリ部
2 差分演算処理(差分演算部)
3 閾値判定部
3N 雑音判定処理
3R 輪郭判定処理
4 乗算処理(乗算部)
5 モード切換部
6 閾値選択部
7 操作部
8 演算処理(演算部)
8A 合算処理
8N 加算処理
8R 減算処理
10 暗部判定部
11 暗部閾値設定部
S1、S2 画像処理装置
F フィルタ対象領域
G デジタル画像
D 暗部
Px11、Px12、Px13、Px14、Px15、Px21、Px22、Px23、Px24、Px25、Px31、Px32、Px33、Px34、Px35、Px41、Px42、Px43、Px44、Px45、Px51、Px52、Px53、Px54、Px55 画素
Sin 画像信号
Sout 出力信号
Sm メモリ信号
Scent 輝度情報
Sdif 差分信号
Sot、Soc、Sth 閾値信号
Sft フィルタ係数信号
Sch1、Sch2、Sch3 切換信号
Spx 画素信号
Smx 乗算信号
Sod 操作信号
2 差分演算処理(差分演算部)
3 閾値判定部
3N 雑音判定処理
3R 輪郭判定処理
4 乗算処理(乗算部)
5 モード切換部
6 閾値選択部
7 操作部
8 演算処理(演算部)
8A 合算処理
8N 加算処理
8R 減算処理
10 暗部判定部
11 暗部閾値設定部
S1、S2 画像処理装置
F フィルタ対象領域
G デジタル画像
D 暗部
Px11、Px12、Px13、Px14、Px15、Px21、Px22、Px23、Px24、Px25、Px31、Px32、Px33、Px34、Px35、Px41、Px42、Px43、Px44、Px45、Px51、Px52、Px53、Px54、Px55 画素
Sin 画像信号
Sout 出力信号
Sm メモリ信号
Scent 輝度情報
Sdif 差分信号
Sot、Soc、Sth 閾値信号
Sft フィルタ係数信号
Sch1、Sch2、Sch3 切換信号
Spx 画素信号
Smx 乗算信号
Sod 操作信号
Claims (13)
- 複数の画素により形成されるデジタル画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う雑音除去手段と、
前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う輪郭強調手段と、
前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行う切換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記デジタル画像を構成する複数の前記画素それぞれを前記一の画素とする前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理が、当該デジタル画像を構成する全ての前記画素について行われるように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段、及び前記切換手段を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置において、
前記判定結果は、一の前記対象領域において前記一の画素が輪郭となると判定された前記他の画素の数を示し、
前記切換手段は、前記判定結果により示される当該数に基づき、当該一の前記対象領域についての前記切換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置において、
前記切換手段は、前記数が予め設定された切換閾値以上であるとき前記一の前記対象領域については前記輪郭強調手段に切り換え、当該数が当該切換閾値未満であるとき当該一の前記対象領域については前記雑音除去手段に切り換えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4に記載の画像処理装置において、
前記デジタル画像の部分に含まれる部分雑音が含まれている当該デジタル画像の当該部分を検出する部分検出手段を更に備え、
前記切換手段は、前記検出された部分に含まれる前記対象領域についての前記切換処理に用いられる前記切換閾値を、前記検出された部分に含まれる前記対象領域以外の他の前記対象領域についての前記切換処理に用いられる前記切換閾値に対して相対的に高い値として、各前記切換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記判定手段は、前記一の画素の前記信号と、前記他の画素の前記信号と、に基づいて、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを、前記他の画素ごとにそれぞれ判定して前記判定結果を前記切換手段に出力することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6に記載の画像処理装置において、
前記判定手段は、前記一の画素の前記信号と、前記他の画素の前記信号と、の差が予め設定された判定閾値以上であるとき前記一の画素が前記他の画素に対して輪郭となると判定し、前記差が前記判定閾値未満であるとき当該一の画素が当該他の画素に対して雑音となると判定し、それぞれの前記判定結果を前記切換手段に出力することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項7に記載の画像処理装置において、
前記デジタル画像の部分に含まれる部分雑音が含まれている当該デジタル画像の当該部分を検出する部分検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記検出された部分に含まれる前記対象領域についての判定に用いられる前記判定閾値を、前記検出された部分に含まれる前記対象領域以外の他の前記対象領域についての判定に用いられる前記判定閾値に対して相対的に低い値として、各判定を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記輪郭強調処理はアンシャープマスキング処理であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記雑音除去処理は平滑化処理であることを特徴とする画像処理装置。 - 複数の画素により形成されるデジタル画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う雑音除去手段と、前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う輪郭強調手段と、を備える画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定する判定工程と、
前記判定工程における判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行う切換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 複数の画素により形成されるデジタル画像を処理する画像処理装置に含まれるコンピュータを、
前記画像における一の画素の信号と、当該デジタル画像において当該一の画素の周囲にある複数の他の画素の信号と、を用いて、当該一の画素と当該複数の他の画素から構成される対象領域に対する雑音除去処理を行う雑音除去手段、
前記一の画素の前記信号と、前記複数の他の画素の前記信号と、を用いて、前記対象領域に対する輪郭強調処理を行う輪郭強調手段、
前記対象領域内において、前記一の画素が前記他の画素に対して雑音となるか輪郭となるかを判定する判定手段、及び、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記対象領域に対して前記雑音除去処理又は前記輪郭強調処理を行うように、前記雑音除去手段又は前記輪郭強調手段を切り換える切換処理を行う切換手段、
として機能させることを特徴とする画像処理用プログラム。 - 請求項12に記載の画像処理用プログラムが請求項12に記載のコンピュータにより読み取り可能に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012118541A JP2013246558A (ja) | 2012-05-24 | 2012-05-24 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム及び情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012118541A JP2013246558A (ja) | 2012-05-24 | 2012-05-24 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム及び情報記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013246558A true JP2013246558A (ja) | 2013-12-09 |
Family
ID=49846290
Family Applications (1)
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JP2012118541A Pending JP2013246558A (ja) | 2012-05-24 | 2012-05-24 | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム及び情報記録媒体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013246558A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016185902A1 (ja) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | ソニー株式会社 | 撮像装置、撮像方法、並びにプログラム |
KR102164998B1 (ko) * | 2019-04-25 | 2020-10-13 | 주식회사 포바이포 | 디지털 영상 선예도 강화 방법 |
KR20200124971A (ko) * | 2019-04-25 | 2020-11-04 | 주식회사 포바이포 | 디지털 영상 노이즈 제거 방법 |
-
2012
- 2012-05-24 JP JP2012118541A patent/JP2013246558A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016185902A1 (ja) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | ソニー株式会社 | 撮像装置、撮像方法、並びにプログラム |
KR102164998B1 (ko) * | 2019-04-25 | 2020-10-13 | 주식회사 포바이포 | 디지털 영상 선예도 강화 방법 |
KR20200124971A (ko) * | 2019-04-25 | 2020-11-04 | 주식회사 포바이포 | 디지털 영상 노이즈 제거 방법 |
KR102194447B1 (ko) * | 2019-04-25 | 2020-12-23 | 주식회사 포바이포 | 디지털 영상 노이즈 제거 방법 |
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