JP2013245982A - 原子炉格納容器の冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却空気の流速の低下を抑制することができ、除熱効果の低減を抑制することができる、原子炉格納容器の冷却構造を提供する。
【解決手段】原子炉格納容器1と原子炉建屋2との間に配置され原子炉格納容器1を空冷する冷却流路3を形成するバッフルプレート4を備え、冷却流路3は、原子炉格納容器1とバッフルプレート4との間に形成される第一冷却流路31と、原子炉建屋2とバッフルプレート4との間に形成される第二冷却流路32と、バッフルプレート4の下方で第一冷却流路31と第二冷却流路32とを連通する連通部33と、を有し、第一冷却流路31及び第二冷却流路32内に鉛直方向に延びるように配置された第一整流板5と、連通部33内に冷却空気を第二冷却流路32から第一冷却流路31に案内するように配置された第二整流板6と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】原子炉格納容器1と原子炉建屋2との間に配置され原子炉格納容器1を空冷する冷却流路3を形成するバッフルプレート4を備え、冷却流路3は、原子炉格納容器1とバッフルプレート4との間に形成される第一冷却流路31と、原子炉建屋2とバッフルプレート4との間に形成される第二冷却流路32と、バッフルプレート4の下方で第一冷却流路31と第二冷却流路32とを連通する連通部33と、を有し、第一冷却流路31及び第二冷却流路32内に鉛直方向に延びるように配置された第一整流板5と、連通部33内に冷却空気を第二冷却流路32から第一冷却流路31に案内するように配置された第二整流板6と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、原子炉格納容器の冷却構造に関し、特に、原子炉格納容器と原子炉建屋との間に配置されたバッフルプレートを有する原子炉格納容器の冷却構造に関する。
現在、最も普及している原子炉は、減速材及び冷却材に通常の水を使用した軽水炉であり、軽水炉には、加圧水型(Pressurized Water Rector)と沸騰水型(Boiling Water Rector)の二種類がある。例えば、加圧水型原子炉(PWR)は、核分裂反応によって生じた熱エネルギーにより、一次冷却材である加圧水を300℃以上に熱して蒸気発生器に供給し、該蒸気発生器から発生した二次冷却材である軽水(高温高圧蒸気)によりタービン発電機を回転させて発電する方式である(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、PWR(加圧水型原子炉)の構成が開示されており、原子炉建屋の吸気口(外気取入口)から流入した空気が、バッフル板(バッフルプレート)と原子炉格納容器の壁面の間の空間を自然対流で上昇し、原子炉建屋の最上部にある排気口(外気放出口)より大気中に放出される旨が記載されている。
また、特許文献3には、原子炉圧力容器を内包する原子炉格納容器の上部から径方向へ放射状に伸び、前記原子炉格納容器の側壁面を鉛直方向に伸びて側壁面下部に達する複数の放熱フィンと、前記原子炉格納容器の上部に設けられた散水管に回転可能に支持された複数の羽根と、前記羽根又は前記散水管に回転可能に支持され前記散水管から供給される冷却水を前記原子炉格納容器の上部に散水する複数の分岐管と、を備えることを特徴とする原子炉格納容器の冷却構造が記載されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された原子炉格納容器の冷却構造では、原子炉格納容器の外側全周が冷却流路を形成しており、冷却流路の断面は円環体(ドーナツ型)を有していることから、冷却空気の流れが乱れやすく、流速が低下し、除熱効果が低減してしまうという問題があった。また、原子炉格納容器と原子炉建屋の間にバッフル板を配置して、冷却空気の流れる方向が180度反転するように冷却流路を形成していることから、冷却空気の流れが下降から上昇に転じる下端部に冷却空気が滞留してしまい、流速が低下し、除熱効果が低減してしまうという問題もあった。
また、特許文献3に記載された原子炉格納容器の冷却構造では、冷却空気を原子炉建屋の下部から吸気していることから、冷却流路が180度反転する部分が形成されず、冷却空気の滞留を抑制することができるものの、冷却流路が短いため冷却効率が低下してしまうという問題があった。また、散水管に回転可能な羽根を接続した場合には、故障要因を増加させてしまうとともに、羽根が故障して回転できなくなった場合には、冷却空気の流れを阻害してしまうという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、冷却空気の流速の低下を抑制することができ、除熱効果の低減を抑制することができる、原子炉格納容器の冷却構造を提供することを目的とする。
本発明によれば、原子炉格納容器と原子炉建屋との間に配置され前記原子炉格納容器を空冷する冷却流路を形成するバッフルプレートを備え、前記冷却流路は、前記原子炉格納容器と前記バッフルプレートとの間に形成される第一冷却流路と、前記原子炉建屋と前記バッフルプレートとの間に形成される第二冷却流路と、前記バッフルプレートの下方で前記第一冷却流路と前記第二冷却流路とを連通する連通部と、を有する原子炉格納容器の冷却構造において、前記第一冷却流路、前記第二冷却流路、又は前記第一冷却流路及び前記第二冷却流路内に鉛直方向に延びるように配置された第一整流板と、前記連通部内に冷却空気を前記第二冷却流路から前記第一冷却流路に案内するように配置された第二整流板と、を有することを特徴とする原子炉格納容器の冷却構造が提供される。
前記第二整流板は、下に凸な断面形状を環状に構成した円環体形状を有し、前記原子炉格納容器と一定の隙間を空けて配置されていてもよい。
前記第二整流板は、ドレン孔を有していてもよい。また、前記第二整流板は、径方向内側に配置される内側整流板と径方向外側に配置される外側整流板とに分離されており、前記内側整流板と前記外側整流板との間には一定の隙間が形成されていてもよい。
前記第二整流板は、上下方向に複数配置されており、前記断面形状が下から上に向かって小さくなるように形成されていてもよい。
前記第一整流板は、配置された前記冷却流路の径方向幅に対して50〜100%の径方向幅を有していてもよい。また、前記第一整流板は、前記バッフルプレートに接続されていてもよい。
上述した本発明に係る原子炉格納容器の冷却構造によれば、第一整流板を配置したことにより冷却空気の流れの乱れを抑制することができ、第二整流板を配置したことにより冷却空気の渦流や滞留を抑制することができる。したがって、冷却空気の流速の低下を抑制することができ、除熱効果の低減を抑制することができる。
また、第二整流板と原子炉格納容器との間に一定の隙間を空けることによって、原子炉格納容器の頂部から散水される冷却水を原子炉格納容器の表面に沿って流下させることができ、第二整流板への冷却水の流入を抑制することができ、整流板として機能喪失の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図6を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る原子炉格納容器の冷却構造を備えた原子炉を示す全体構成図である。図2は、図1に示した原子炉の部分構成図であり、(a)は図1におけるA−A断面図、(b)は図1におけるB−B矢視断面図、を示している。
本発明の第一実施形態に係る原子炉格納容器1の冷却構造は、図1及び図2に示したように、原子炉格納容器1と原子炉建屋2との間に配置され原子炉格納容器1を空冷する冷却流路3を形成するバッフルプレート4を備え、冷却流路3は、原子炉格納容器1とバッフルプレート4との間に形成される第一冷却流路31と、原子炉建屋2とバッフルプレート4との間に形成される第二冷却流路32と、バッフルプレート4の下方で第一冷却流路31と第二冷却流路32とを連通する連通部33と、を有し、第一冷却流路31及び第二冷却流路32内に鉛直方向に延びるように配置された第一整流板5と、連通部33内に冷却空気を第二冷却流路32から第一冷却流路31に案内するように配置された第二整流板6と、を有する。
原子炉10は、例えば、加圧水型原子炉(PWR)であって、原子炉格納容器1内には、炉心を形成する原子炉圧力容器11、一次冷却系側(炉心)で発生した熱を二次冷却系側に伝達させる熱交換器を構成する蒸気発生器12、炉心に直接注水可能な静的非常用炉心冷却系(安全注入系)を構成する炉心補給水タンク13、蓄圧注入系タンク14、燃料取替用水タンク15等の機器が配置される。
原子炉格納容器1は、一般に、円筒形状の胴部1aと、胴部1aの上部に配置されるドーム状屋根部1bと、により構成される。また、原子炉建屋2は、原子炉格納容器1を遮蔽壁によって囲う構造体である。原子炉建屋2は、側部に複数の吸気口21を有し、頂部に排気口22を有する。また、排気口22の外周には、貯水槽23が形成されており、貯水槽23内の水は散水管24より、原子炉格納容器1のドーム状屋根部1b上に滴下される。散水管24から滴下された水は、気化熱により原子炉格納容器1から熱を奪い、蒸発して排気口22から外気に排気される。
バッフルプレート4は、図1及び図2(a)に示したように、原子炉格納容器1の側面部の全周を覆うように配置される。バッフルプレート4は、上端部が原子炉建屋2に接続されて吊り下げられるとともに、周面部が支持部材を介して原子炉格納容器1又は原子炉建屋2に接続されることによって、原子炉格納容器1と原子炉建屋2との間に固定される。また、バッフルプレート4の下端部は、原子炉格納容器1及び原子炉建屋2に接続されておらず、バッフルプレート4の内側の空間(第一冷却流路31)及び外側の空間(第二冷却流路32)と連通する空間(連通部33)を形成している。
かかるバッフルプレート4を配置することによって、吸気口21から吸気された空気を原子炉建屋2とバッフルプレート4との間の空間に沿って下降させる第二冷却流路32と、第二冷却流路32に沿って下降した空気を原子炉格納容器1とバッフルプレート4との間の空間に沿って上昇させる第一冷却流路31と、第二冷却流路32に沿って下降した空気を第一冷却流路31に方向転換させる連通部33と、を有する冷却流路3を形成することができる。
上述した原子炉10では、高温の原子炉格納容器1との間で熱交換して高温となった冷却空気(冷却風)は、バッフルプレート4の内側の第一冷却流路31に沿って上昇気流となり、排気口22から外部に順次排気されるとともに、吸気口21から吸気されバッフルプレート4の外側の第二冷却流路32を下降した冷却空気(冷却風)は、第一冷却流路31に自然に流れ込むこととなる。したがって、バッフルプレート4を備えた原子炉10では、自然対流によって、冷却空気(冷却風)を吸気口21から吸気して排気口22から排気することにより、原子炉格納容器1を冷却することができる。
そして、図1及び図2(A)に示したように、バッフルプレート4には第一整流板5が接続されている。第一整流板5は、例えば、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51と、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52と、により構成される。第一整流板5は、図1に示したように、原子炉格納容器1の側面に沿って鉛直方向(すなわち、冷却流路3の進行方向)に並列して配置される。原子炉格納容器1の高さは数十mに及ぶことから、一般に、バッフルプレート4は、高さ方向(鉛直方向)に複数に分割したものを溶接やボルト等によって連結し、原子炉格納容器1の周面を覆う面を形成している。
ここで、図3は、第一整流板を有するバッフルプレートを示す図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第一変形例、(c)は第二変形例、(d)は第三変形例、を示している。なお、図示したバッフルプレート4は、所定の大きさに分割された一枚のバッフルプレート4を示している。バッフルプレート4は、一般に、鋼板により略平板形状に構成されており、その両面に第一整流板5が接続される。
図3(a)に示した第一実施形態では、バッフルプレート4の表面の一端及び裏面の他端に断面L字形状の鋼材を接続して第一整流板5を構成したものである。鋼材の接続は、溶接であってもよいし、ボルト締結であってもよい。第一整流板5は、断面L字形状の鋼材に限定されるものではなく、断面I字形状であってもよいし、断面T字形状であってもよいし、アルミ材であってもよいし、銅材であってもよい。また、図3(a)では、バッフルプレート4の表裏で異なる端部に第一整流板5を配置しているが、同じ側の端部に配置するようにしてもよい。
図3(b)に示した第一変形例は、バッフルプレート4の表裏の中央部に断面T字形状の鋼材を接続して第一整流板5を構成したものである。また、図3(c)に示した第二変形例は、バッフルプレート4の表裏に断面L字形状の複数の鋼材を接続して第一整流板5を構成したものである。第一整流板5を構成する鋼材の形状、板厚、個数、配置等の条件は、バッフルプレート4の形状や大きさ、冷却流路3の径方向幅の大きさ、第一整流板5に求められる伝熱効率(放熱効果)等の条件によって適宜設計される。また、第一整流板5を構成する素材は、冷却流路3の温度、第一整流板5に求められる伝熱効率(放熱効果)等の条件によって適宜選定される。
図3(d)に示した第三変形例は、バッフルプレート4を樹脂材やセラミックス基複合材(CMC)により構成したものである。第一整流板5は、冷却流路3を流れる冷却空気を整流するだけでなく、第一冷却流路31の異常過熱を抑制するために、一定の伝熱効率(放熱効果)が求められる。したがって、第一整流板5は、上述したように、鋼材、アルミ材、銅材等の金属材により構成される。一方、軽量化等の観点からバッフルプレート4を樹脂材やセラミックス基複合材(CMC)により構成した場合には、溶接やボルト締結できない場合がある。そこで、図示したように、断面十字形状の鋼材の一部をバッフルプレート4の内部に埋め込むことによって、第一整流板5をバッフルプレート4に配置するようにしてもよい。
図3(a)〜(d)に示したバッフルプレート4を複数枚連結することにより、図1及び図2(a)に示したように、原子炉格納容器1の周面を覆うことができ、第一冷却流路31及び第二冷却流路32を有する冷却流路3を形成することができるとともに、冷却流路3(第一冷却流路31及び第二冷却流路32)内に鉛直方向かつ放射状に延びた第一整流板5を配置することができる。
ここで、図4は、第一整流板の配置を示す構成図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第一変形例、(c)は第二変形例、(d)は第三変形例、(e)は第四変形例、(f)は第五変形例、(g)は第六変形例、(h)は第七変形例、を示している。
図4(a)に示した第一実施形態における第一整流板5は、上述したように、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51と、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52と、を有する第一整流板5をバッフルプレート4に接続したものである。いま、第一冷却流路31の径方向幅をD、内側整流板51の径方向幅をWとすれば、内側整流板51の径方向幅Wは、例えば、第一冷却流路31の径方向幅Dに対して50〜100%の大きさに設定される。第二冷却流路32内に配置される外側整流板52の場合も同様の条件により径方向幅が設定される。したがって、第一整流板5は、配置された冷却流路3(第一冷却流路31又は第二冷却流路32)の径方向幅Dに対して50〜100%の径方向幅Wを有することとなる。
また、図4(b)に示した第一変形例は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51を原子炉格納容器1の表面に接続し、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52をバッフルプレート4に接続したものである。図4(c)に示した第二変形例は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51をバッフルプレート4に接続し、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52を原子炉建屋2の内面に接続したものである。図4(d)に示した第三変形例は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51を原子炉格納容器1の表面に接続し、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52を原子炉建屋2の内面に接続したものである。
このように、第一整流板5はバッフルプレート4に接続される配置方法に限定されるものではなく、図4(b)〜(d)に示したような種々の配置方法を採用することができる。これらの配置方法によって第一整流板5を冷却流路3内に配置した場合であっても、第一実施形態における第一整流板5と実質的に同様の作用効果を有する。特に、原子炉格納容器1の表面に第一整流板5(内側整流板51)を接続した場合には、原子炉格納容器1の放熱フィンとしても効果的に作用する。
また、第一整流板5は、図4(e)〜(h)に示したように、第一冷却流路31又は第二冷却流路32のいずれかに配置されるものであってもよい。すなわち、第一整流板5は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51又は第二冷却流路32内に配置される外側整流板52のいずれかにより構成されていてもよい。
図4(e)に示した第四変形例は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51をバッフルプレート4に接続したものである。図4(f)に示した第五変形例は、第一冷却流路31内に配置される内側整流板51を原子炉格納容器1の表面に接続したものである。図4(g)に示した第六変形例は、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52をバッフルプレート4に接続したものである。図4(h)に示した第七変形例は、第二冷却流路32内に配置される外側整流板52を原子炉建屋2の内面に接続したものである。
また、上述したように本実施形態に係る冷却構造では、冷却流路3を構成する連通部33内に第二整流板6が配置されている。ここで、図5は、第二整流板を示す構成図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第一変形例、(c)は第二変形例、(d)は第三変形例、を示している。図6は、第二整流板を示す構成図であり、(a)は第四変形例、(b)は第五変形例、(c)は第六変形例、(d)は第七変形例、を示している。
図1(b)及び図5(a)に示した第一実施形態における第二整流板6は、例えば、下に凸な断面形状を環状に構成した円環体形状を有し、原子炉格納容器1と一定の隙間c1を空けて配置される。また、第二整流板6は、下部第二整流板61、中部第二整流板62及び上部第二整流板63を有し、上下方向に一定の間隔を空けて配置されている。各第二整流板6は、湾曲した断面形状を有する本体部61a,62a,63aと、本体部61a,62a,63aを支持する支持部61b,62b,63bと、を有する。
本体部61a,62a,63aは、図5(a)に示したように、例えば、下に凸な半円形状の断面形状を有しており、図1(b)に示したように、原子炉格納容器1の外周を囲うように環状に形成されている。また、本体部61a,62a,63a(第二整流板6)は、図5(a)に示したように、断面形状が下から上に向かって小さくなるように形成されている。したがって、第二冷却流路32を下降した冷却空気は、連通部33に進入すると、本体部61a,62a,63aの湾曲面に沿って移動し、第一冷却流路31に円滑に案内されることとなる。
また、原子炉格納容器1に最も接近して配置される第二整流板6(下部第二整流板61)は、図5(a)に示したように、原子炉格納容器1との間に隙間c1を有する。散水管24から原子炉格納容器1に滴下された水は、原子炉格納容器1を冷却しながら(一部は気化する)、原子炉格納容器1の表面を伝って鉛直下方に流下する。この冷却水が第二整流板6の本体部61a,62a,63aに溜まってしまった場合には、第二整流板6は冷却空気の案内面としての機能を喪失してしまうこととなる。そこで、第二整流板6は、原子炉格納容器1との間に、冷却水を流下可能な大きさの隙間c1を有するように配置される。また、この隙間c1は、原子炉格納容器1の径方向の熱変形(熱膨張及び熱収縮)を考慮して大きさを決定するようにしてもよい。
支持部61b,62b,63bは、例えば、図1(b)及び図5(a)に示したように、原子炉建屋2の内面に接続される(例えば、溶接やボルト締結)。支持部61b,62b,63bは、柱状形状を有しており、図1(b)に示したように、放射状に配置されて本体部61a,62a,63aを支持する。本体部61a,62a,63aは、図1(b)に示したように、周方向に複数に分割されており、複数の本体部61a,62a,63aを原子炉建屋2に支持部61b,62b,63bを介して固定することによって、環状の第二整流板6を形成することができる。
このとき、下部第二整流板61の本体部61aを支持部61bで支持することにより、下部第二整流板61と原子炉建屋2との間には支持部61bの長さ分の隙間c2が形成される。この隙間c2は、第二冷却流路32を下降した冷却空気が第二整流板6により案内されないまま下方に通過してしまう空間を形成する。そこで、下部第二整流板61の支持部61bの長さは、できるだけ短くすることが好ましく、場合によっては、支持部61bを省略して本体部61aを直に原子炉建屋2の内面に固定するようにしてもよい。
図5(b)に示した第一変形例は、支持部61b,62b,63bを原子炉格納容器1の表面に接続したものである。この場合、下部第二整流板61は、支持部61bによって原子炉格納容器1との間に一定の隙間c1を形成することができる。そこで、下部第二整流板61は、本体部61aの自由端部側を原子炉建屋2の内面に接触させるように配置してもよい。
図5(c)に示した第二変形例は、支持部61b,62b,63bをバッフルプレート4に接続したものである。支持部61b,62b,63bは、例えば、本体部61a,62a,63aの略中央部に立設又は係合するように配置される。ここでは、下部第二整流板61の両側に一定の隙間を有するように配置しているが、本体部61aを原子炉建屋2の内面に接触させるように配置してもよい。なお、支持部61bは、本体部61aと本体部62aとを接続し、支持部62bは、本体部62aと本体部63aとを接続するように構成してもよい。
図5(d)に示した第三変形例は、支持部61b,62b,63bを原子炉建屋2のフランジ部25に接続したものである。フランジ部25は、原子炉格納容器1のフランジ部16とベローズ26を介して接続されており、冷却流路3の連通部33を密閉する機能を有している。フランジ部16には、冷却水を外部に排出するための配管(図示せず)が接続される。支持部61b,62b,63bは、例えば、本体部61a,62a,63aの底面に接続されたり、係合可能に貫通したりすることによって、本体部61a,62a,63aを支持する。なお、支持部62bは、本体部61aと本体部62aとを接続し、支持部63bは、本体部62aと本体部63aとを接続するように構成してもよい。
図6(a)に示した第四変形例は、第一実施形態に示した第二整流板6を構成する下部第二整流板61、中部第二整流板62及び上部第二整流板63の各本体部61a,62a,63aに、ドレン孔61c,62c,63cを形成したものである。かかるドレン孔61c,62c,63cを形成することによって、本体部61a,62a,63a内に流入した冷却水や結露等によって生成された水分をドレン孔61c,62c,63cから外部に排出することができ、第二整流板6の案内面の形状を保持することができる。
図6(b)に示した第五変形例は、第二整流板6を径方向内側に配置される内側整流板6aと径方向外側に配置される外側整流板6bとに分離し、内側整流板6aと外側整流板6bとの間に一定の隙間を形成したものである。図示したように、本体部61a,62a,63aは、中央部で分離されており、略四分円形状の断面形状を有している。内側整流板6aを構成する本体部61a,62a,63aは、支持部61b,62b,63bによって原子炉格納容器1の表面に接続され、外側整流板6bを構成する本体部61a,62a,63aは、支持部61b,62b,63bによって原子炉建屋2の内面に接続される。そして、内側整流板6aと外側整流板6bとの間に隙間を形成することによって、本体部61a,62a,63a内に流入した冷却水や結露等によって生成された水分を容易に外部に排出することができ、第二整流板6の案内面の形状を保持することができる。
図6(c)に示した第六変形例は、内側整流板6aを構成する本体部61a,62a,63a及び外側整流板6bを構成する本体部61a,62a,63aを、それぞれ支持部61b,62b,63bによってバッフルプレート4に接続したものである。かかる構成によっても、内側整流板6aと外側整流板6bとの間に隙間を形成することができ、本体部61a,62a,63a内に流入した冷却水や結露等によって生成された水分を容易に外部に排出することができ、第二整流板6の案内面の形状を保持することができる。
図6(d)に示した第七変形例は、内側整流板6aを構成する本体部61a,62a,63aを支持部61b,62b,63bによって原子炉格納容器1のフランジ部16に接続し、外側整流板6bを構成する本体部61a,62a,63aを支持部61b,62b,63bによって原子炉建屋2のフランジ部25に接続したものである。かかる構成によっても、内側整流板6aと外側整流板6bとの間に隙間を形成することができ、本体部61a,62a,63a内に流入した冷却水や結露等によって生成された水分を容易に外部に排出することができ、第二整流板6の案内面の形状を保持することができる。
なお、図6(a)に示した第四変形例は図5(a)に示した第一実施形態に対応し、図6(b)に示した第五変形例は図5(b)に示した第一変形例に対応し、図6(c)に示した第六変形例は図5(c)に示した第二変形例に対応し、図6(d)に示した第七変形例は図5(d)に示した第三変形例に対応しており、これらの第四変形例〜第七変形例において、上述した第一実施形態及び第一変形例〜第三変形例で説明した構造を適宜採用することができる。
上述した本実施形態に係る原子炉格納容器1の冷却構造によれば、第一整流板5を配置したことにより冷却空気の流れの乱れを抑制することができ、第二整流板6を配置したことにより冷却空気の渦流や滞留を抑制することができる。したがって、冷却空気の流速の低下を抑制することができ、除熱効果の低減を抑制することができる。また、第二整流板6と原子炉格納容器1との間に一定の隙間c1を空けることによって、原子炉格納容器1の頂部から散水される冷却水を原子炉格納容器1の表面に沿って流下させることができ、第二整流板6への冷却水の流入を抑制することができ、整流板として機能喪失の低減を図ることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、図3に示したバッフルプレート4を混在させて使用するようにしてもよいし、図4に示した第一整流板5の配置方法を混在させて使用するようにしてもよい、図5及び図6に示した第二整流板6の構成を混在させて使用するようにしてもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 原子炉格納容器
2 原子炉建屋
3 冷却流路
4 バッフルプレート
5 第一整流板
6 第二整流板
6a 内側整流板
6b 外側整流板
31 第一冷却流路
32 第二冷却流路
33 連通部
61 下部第二整流板
61c,62c,63c ドレン孔
62 中部第二整流板
63 上部第二整流板
2 原子炉建屋
3 冷却流路
4 バッフルプレート
5 第一整流板
6 第二整流板
6a 内側整流板
6b 外側整流板
31 第一冷却流路
32 第二冷却流路
33 連通部
61 下部第二整流板
61c,62c,63c ドレン孔
62 中部第二整流板
63 上部第二整流板
Claims (7)
- 原子炉格納容器と原子炉建屋との間に配置され前記原子炉格納容器を空冷する冷却流路を形成するバッフルプレートを備え、前記冷却流路は、前記原子炉格納容器と前記バッフルプレートとの間に形成される第一冷却流路と、前記原子炉建屋と前記バッフルプレートとの間に形成される第二冷却流路と、前記バッフルプレートの下方で前記第一冷却流路と前記第二冷却流路とを連通する連通部と、を有する原子炉格納容器の冷却構造において、
前記第一冷却流路、前記第二冷却流路、又は前記第一冷却流路及び前記第二冷却流路内に鉛直方向に延びるように配置された第一整流板と、
前記連通部内に冷却空気を前記第二冷却流路から前記第一冷却流路に案内するように配置された第二整流板と、
を有することを特徴とする原子炉格納容器の冷却構造。 - 前記第二整流板は、下に凸な断面形状を環状に構成した円環体形状を有し、前記原子炉格納容器と一定の隙間を空けて配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
- 前記第二整流板は、ドレン孔を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
- 前記第二整流板は、径方向内側に配置される内側整流板と径方向外側に配置される外側整流板とに分離されており、前記内側整流板と前記外側整流板との間には一定の隙間が形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
- 前記第二整流板は、上下方向に複数配置されており、前記断面形状が下から上に向かって小さくなるように形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
- 前記第一整流板は、配置された前記冷却流路の径方向幅に対して50〜100%の径方向幅を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
- 前記第一整流板は、前記バッフルプレートに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器の冷却構造。
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JP2012118379A JP2013245982A (ja) | 2012-05-24 | 2012-05-24 | 原子炉格納容器の冷却構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101777524B1 (ko) | 2016-09-28 | 2017-09-11 | 한국수력원자력 주식회사 | 공랭식 열교환기를 가지는 피동보조급수계통 |
-
2012
- 2012-05-24 JP JP2012118379A patent/JP2013245982A/ja active Pending
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