JP2013244659A - 車両用内装材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材を成形する際に表皮材に作用する圧力を低減させることができる車両用内装材の製造方法を提供する。
【解決手段】下型30の下型成形面30Aに表皮材14を載置する表皮材載置工程と、表皮材載置工程に続いて行われ、下型30の上方に配された射出装置50によって、溶融状態の合成樹脂を表皮材14の裏面14B上に射出することで、裏面14B上に合成樹脂塊16を形成する射出工程と、射出工程に続いて行われ、射出装置50を下型30の上方から退避させた後、下型30の上方に上型40を移動させ、溶融状態の合成樹脂塊16が固まる前に下型30と上型40とを型閉じすることで、合成樹脂塊16をプレス成形して基材を成形する基材成形工程と、を備え、合成樹脂塊16の平面視における面積A1は、基材11の平面視における面積A2に対して、5%〜50%の範囲内とされることに特徴を有する。
【選択図】図2
【解決手段】下型30の下型成形面30Aに表皮材14を載置する表皮材載置工程と、表皮材載置工程に続いて行われ、下型30の上方に配された射出装置50によって、溶融状態の合成樹脂を表皮材14の裏面14B上に射出することで、裏面14B上に合成樹脂塊16を形成する射出工程と、射出工程に続いて行われ、射出装置50を下型30の上方から退避させた後、下型30の上方に上型40を移動させ、溶融状態の合成樹脂塊16が固まる前に下型30と上型40とを型閉じすることで、合成樹脂塊16をプレス成形して基材を成形する基材成形工程と、を備え、合成樹脂塊16の平面視における面積A1は、基材11の平面視における面積A2に対して、5%〜50%の範囲内とされることに特徴を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用内装材の製造方法に関する。
従来、基材と表皮材とを備えた車両用内装材の製造方法として、下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のものでは、成形型によって表皮材を保持した状態で、表皮材と成形型の成形面の間に熱可塑性樹脂を射出充填することで基材を成形する。
上記の製造方法においては、表皮材と成形型の成形面の間の空間(キャビティ)に熱可塑性樹脂を充填させるために、高い射出圧で熱可塑性樹脂を射出する必要がある。これにより、キャビティ内の圧力が高くなり、表皮材に高い圧力が掛かることで、表皮材の意匠面にダメージが生じることが懸念される。例えば、表皮材が起毛性のものであれば、圧力によって表皮材表面の毛が倒れてしまう事態(毛倒れ)が懸念される。なお、このような毛倒れが起こってしまうと、意匠性が低下してしまうため、後工程で毛を起こす必要が生じる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基材を成形する際に表皮材に作用する圧力を低減させることができる車両用内装材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用内装材の製造方法は、基材と表皮材とを備える車両用内装材の製造方法であって、下型の上面に対して前記表皮材の意匠面を向ける形で、前記下型の前記上面に前記表皮材を載置する表皮材載置工程と、前記表皮材載置工程に続いて行われ、前記下型の上方に配された射出装置によって、溶融状態の合成樹脂を前記表皮材の前記意匠面とは反対側の裏面上に射出することで、前記裏面上に合成樹脂塊を形成する射出工程と、前記射出工程に続いて行われ、前記射出装置を前記下型の上方から退避させた後、前記下型の上方に上型を移動させ、前記溶融状態の前記合成樹脂塊が固まる前に前記下型と前記上型とを型閉じすることで、前記合成樹脂塊をプレス成形して前記基材を成形する基材成形工程と、を備え、前記合成樹脂塊の平面視における面積は、前記基材の平面視における面積に対して、5%〜50%の範囲内とされることに特徴を有する。
本発明によれば、合成樹脂塊を射出した後、上型及び下型によるプレス成形を行うことで、基材を成形することができる。これにより、従来の射出成形のように、閉じたキャビティ内に溶融樹脂を充填させる必要がないから、高い射出圧で溶融樹脂を射出する必要がない。このため、射出成形と比べて、成形時に表皮材に作用する圧力(キャビティ内の圧力)を小さくすることができる。
また、本発明において、溶融状態の合成樹脂塊が射出された以降は、他部材との接触箇所から熱が伝導する(逃げる)。これにより、合成樹脂塊が冷えて固まってしまい、プレス成形が困難となる事態が懸念される。本発明では、表皮材の裏面上に合成樹脂塊を射出する構成としてあるから、下型に合成樹脂塊を直接接触させる構成と比べて、合成樹脂塊が冷めにくい。
また、合成樹脂塊の平面視における面積(表皮材と接触する部分の面積に比例)を、基材の平面視における面積に対して、5%〜50%の範囲内とすることで、合成樹脂塊と表皮材との接触面積をより少なくできるから、より一層合成樹脂塊を冷めにくくすることができる。
上記構成において、前記射出工程において、前記表皮材の前記反対側の面上への前記合成樹脂塊の形成が完了してから、9秒以内に前記基材成形工程において前記基材の成形を完了するものとすることができる。
このように、溶融状態の合成樹脂塊を射出してから、極力早く基材を成形することで、溶融状態の合成樹脂塊が冷えて固まる前に確実にプレス成形を行うことができる。
本発明によれば、基材を成形する際に表皮材に作用する圧力を低減させることができる車両用内装材の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図4によって説明する。本実施形態では、車両用内装材10を製造するための製造装置20及び、製造装置20を用いた車両用内装材10の製造方法を例示する。車両用内装材10は、図4に示すように、合成樹脂(例えばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂)から構成される板状の基材11と、基材11の表面を覆う表皮材14と、を備えている。
このような車両用内装材10としては、例えば、車両用ドアトリムに設けられるオーナメントを例示することができる。また、表皮材14は、例えば、その表面が起毛された起毛性部材であって、例えば、ポリエステルやポリエチレン等の合成繊維の不織布とされる。なお、表皮材14の材質は、これに限定されず適宜変更可能である。表皮材14として、例えば、織布、編布、発泡樹脂材(スラブウレタン)などを用いてもよく、起毛性を有していなくてもよい。
製造装置20は、図1及び図2に示すように、基台21、下型30、上型40、射出装置50(図2で図示)を備えている。上型40は、例えば、コア型とされ、上型40における下型30との対向面は凸状をなしている。上型40は、図示しない駆動装置によって、水平方向に沿ってスライド移動可能とされる。これにより、上型40は、下型30の上方に配される通常位置(図3及び図4で示す位置)と、下型30の上方から退避された退避位置(図1及び図2に示す位置、水平方向において下型30に対して上型40がずれている位置)との間で変位可能とされる。
下型30は、例えば、キャビ型とされ、下型30における上型40との対向面は凹状をなしている。下型30は、下型取付板31の上面に取り付けられている。下型30及び下型取付板31は、トグルリンク機構60及びシリンダ装置70によって上昇及び下降が可能な構成となっている。
トグルリンク機構60は、下側リンク61と、上側リンク62とを備えている。基台21の上面には、下側リンク受け部22が設けられ、下側リンク61の下端部は、下側リンク受け部22に対してヒンジピン22Aを介して回動可能に取り付けられている。
下型取付板31の下面には、下側リンク受け部22と対向する形で上側リンク受け部23が設けられている。上側リンク62の上端部は、上側リンク受け部23に対してヒンジピン23Aを介して回動可能に取り付けられている。また、ヒンジピン22Aとヒンジピン23Aとは、水平面上において同じ位置に配されている。下側リンク61の上端部と上側リンク62の下端部とは、ヒンジピン63を介して連結されている。
シリンダ装置70は、有底筒状をなすシリンダ部71と、ピストンロッド75とを主体に構成されている。基台21の上面において、下側リンク受け部22と隣接する箇所には、支持ベース72が取り付けられている。シリンダ部71は、支持ベース72に対して回動可能に取り付けられている。
シリンダ装置70は、例えば、電動シリンダとされ、シリンダ部71に内蔵された電動モータを駆動させることで、ピストンロッド75を伸長及び収縮させることが可能な構成となっている。なお、シリンダ装置70は、電動シリンダに限定されず、油圧シリンダなどを用いてもよい。
シリンダ部71は、ピストンロッド75がヒンジピン63(下側リンク61と上側リンク62との連結箇所)に向かう形で支持ベース72に対して取り付けられている。ピストンロッド75の先端部は、ヒンジピン63に取り付けられている。
ピストンロッド75が伸長された状態では、ピストンロッド75の先端部及びヒンジピン63が、ヒンジピン22Aとヒンジピン23Aとを結ぶ直線を基準として、シリンダ部71とは反対側に配される。この状態では、下側リンク61と上側リンク62とがV字状に折れた状態となっており、下型30は、上型40に対して、上下方向において離間された状態(図1及び図2に示す状態)となっている。
図1及び図2に示す状態から、ピストンロッド75を収縮させると、下側リンク61がヒンジピン22Aを中心として時計回りに回動するとともに、上側リンク62がヒンジピン23Aを中心として反時計回りに回動する。これにより、V字状に折れていた上側リンク62及び下側リンク61が伸びていき、下型30が上昇する。
そして、下側リンク61と上側リンク62との連結箇所が、ヒンジピン22Aとヒンジピン23Aとを結ぶ直線上に配されると、下側リンク61及び上側リンク62が直立状態(図4の状態、両リンク61,62が伸び切った状態)となる。
また、下側リンク受け部22と隣接する箇所には、リンクストッパ28が設けられている。直立状態の下側リンク61は、リンクストッパ28の側面に当接する構成となっており、下側リンク61は、リンクストッパ28に当接した以降、時計回りに回動することが規制される。
このように、本実施形態では、シリンダ装置70及びトグルリンク機構60を駆動させることで、下型30の上昇及び下降を行うことができる。これにより、通常位置に配されている上型40に対して、下型30を上昇させることで型閉じを行うことができ、下型30を下降させることで型開きを行うことができる。なお、下型取付板31は、図示しないガイド機構(例えばタイバーなど)によって、水平な姿勢を保って上昇及び下降が可能な構成となっている。
下型30における上型40との対向面の一部は、表皮材14の意匠面14Aに対応した形状をなす下型成形面30Aとされる。これに対して、上型40における下型30との対向面(下面)の一部は、基材11の裏面(表皮材14が配される面と反対側の面)に対応した形状をなす上型成形面40Aとされる。
これにより、上型40及び下型30が型閉じされた状態(図4の状態)では、図4に示すように、下型30(下型成形面30A)と上型40(上型成形面40A)の間に車両用内装材10の形状に対応した空間が形成される構成となっている。より具体的には、下型30に表皮材14を載置した状態で型閉じを行うと、表皮材14の裏面14Bと上型成形面40Aとの間にキャビティS1(基材11を成形するための閉じた成形空間)が形成される構成となっている。
射出装置50は、図2に示すように、本体部52と、本体部52から下方に延びる形で設けられたノズル53を備えている。ノズル53には、樹脂供給管(図示せず)が接続されており、樹脂供給管を介して樹脂供給装置(図示せず)からノズル53に溶融樹脂を供給することで、ノズル53の先端から溶融樹脂を射出可能な構成となっている。なお、ノズル53の径(吐出口の径)は、例えば、10mm〜35mmの範囲内で設定されるが、これに限定されない。
本体部52は、アーム51の一端部に取り付けられている。これにより、ノズル53は、下型30の上方において、任意の位置に移動させることができ、任意の位置で固定可能な構成となっている。
次に、本実施形態の製造装置20を用いた車両用内装材10の製造方法について説明する。本実施形態における車両用内装材10の製造方法は、表皮材載置工程と、表皮材載置工程に続いて行われる射出工程と、射出工程に続いて行われる基材成形工程と、を備えている。
(表皮材載置工程)
表皮材載置工程では、上型40を退避位置に配した状態で、図1に示すように、下型30の下型成形面30A(下型の上面)に表皮材14を載置する。この時、下型成形面30Aに対して表皮材14の意匠面14Aを向ける形で表皮材14を載置する。これにより、表皮材14の裏面14B(意匠面14Aとは反対側の面)が上方を向く形で表皮材14が載置される。
表皮材載置工程では、上型40を退避位置に配した状態で、図1に示すように、下型30の下型成形面30A(下型の上面)に表皮材14を載置する。この時、下型成形面30Aに対して表皮材14の意匠面14Aを向ける形で表皮材14を載置する。これにより、表皮材14の裏面14B(意匠面14Aとは反対側の面)が上方を向く形で表皮材14が載置される。
(射出工程)
次に、図2に示すように、ノズル53(射出装置50)を表皮材14の上方に移動させる。表皮材14の上面(裏面14B)とノズル53の先端との対向間隔L1が、例えば、30mm〜90mmとなる位置にノズル53を配する。なお、対向間隔L1はこの値に限定されない。
次に、図2に示すように、ノズル53(射出装置50)を表皮材14の上方に移動させる。表皮材14の上面(裏面14B)とノズル53の先端との対向間隔L1が、例えば、30mm〜90mmとなる位置にノズル53を配する。なお、対向間隔L1はこの値に限定されない。
そして、ノズル53の先端から、表皮材14の裏面14Bに向けて、溶融樹脂(溶融状態の合成樹脂)を射出する。なお、このとき、射出される合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレンを例示することができ、その温度は、例えば、ポリプロピレンの融点(約160℃)より高い温度で設定される。なお、溶融樹脂の温度は、高い方が流動性が高く、好ましい。しかしながら、溶融樹脂の温度が高すぎると、熱による表皮材14へのダメージが懸念される。このため、溶融樹脂の温度としては、例えば、180℃〜200℃の範囲内で設定することが好ましい。
表皮材14の裏面14B(上面)に溶融樹脂を射出することで、図2に示すように、裏面14B上には、溶融状態の合成樹脂塊16が形成される。
(基材成形工程)
表皮材14の裏面14B上に合成樹脂塊16が形成された後、射出装置50を水平方向に動かし、下型30の上方から退避させる。その後、下型30の上方に上型40を変位させる。そして、シリンダ装置70を駆動させることで下型30を上昇させ、溶融状態の合成樹脂塊16が固まる前に上型40と下型30との型閉じを行う。
表皮材14の裏面14B上に合成樹脂塊16が形成された後、射出装置50を水平方向に動かし、下型30の上方から退避させる。その後、下型30の上方に上型40を変位させる。そして、シリンダ装置70を駆動させることで下型30を上昇させ、溶融状態の合成樹脂塊16が固まる前に上型40と下型30との型閉じを行う。
これにより、合成樹脂塊16は、図3及び図4に示すように、上型40と下型30によってプレスされる。具体的には、合成樹脂塊16は、上型成形面40Aと表皮材14の裏面14Bとの間でプレスされる。これにより、合成樹脂塊16は、表皮材14の裏面14B上に拡がっていく。そして、上型40と下型30との型閉じが完了した状態では、図4に示すように、合成樹脂塊16(基材11)がキャビティS1内に充填される。なお、このときの上型40及び下型30によるプレス圧力(型締め力)は、適宜設定可能であるが、例えば、0.5MPa〜3MPaの範囲内で設定される。
そして、キャビティS1内に充填された合成樹脂塊16が、冷えて固まることで基材11が成形される。以上の工程によって、基材11が表皮材14と一体的に形成され、車両用内装材10の製造が完了する。
なお、射出工程において、表皮材14の裏面14Bへの合成樹脂塊16の形成が完了してから、基材成形工程において、上型40及び下型30の型閉じが完了するまでの時間は、例えば、9秒以内とされる。言い換えると、射出工程において合成樹脂塊16が形成されてから、9秒以内に基材成形工程において基材11の成形が完了するようにする。これは、合成樹脂塊16が冷えて固まる前にプレス成形を完了させる必要があるためである。
また、上型40と下型30によってプレスされる前の合成樹脂塊16(図2に示す状態の合成樹脂塊16)の平面視における面積A1(合成樹脂塊16と表皮材14との接触面積に比例)は、基材11(成形品)の平面視における面積A2(図4参照)に対して、5%〜50%の範囲内とされる。なお、ここで言う平面視とは、合成樹脂塊16(又は基材11)を上方から視た状態のことを言う。
つまり、合成樹脂塊16は、裏面14B上において略団子状の塊となるように形成し、表皮材14との接触面積を少なくすることが好ましい。これにより、合成樹脂塊16と表皮材14との接触面積を小さくでき、合成樹脂塊16が冷えて固まるまでの時間を遅くすることができる。
合成樹脂塊16を層状でなく略団子状にするためには、ある程度流動性の低いものが好ましい。合成樹脂塊16としては、例えば、メルトフローレート(MFR)が、10g/10min〜40g/10minの範囲内のものを使用することが好ましい。なお、ここで言うメルトフローレートは、例えば、JIS K7210に従って、温度190℃及び2.16kg荷重の条件にて測定したものとされる。
なお、本実施形態において、基材11の寸法は、例えば、横方向(車両前後方向)が600mm、縦方向(車両に設置した場合の高さ方向)が250mm、板厚が2mm〜3mmのものとされる。なお、基材11の寸法はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、表皮材14の裏面14B上に形成される合成樹脂塊16の形状は、基材11の形状に応じて適宜変更可能であるが、例えば、平面視略円形状をなす団子状とすることが好ましい。これにより、プレス成形された合成樹脂塊16が裏面14B上において全方位に均等に拡がりやすくなり、キャビティS1内に合成樹脂塊16を充填させやすくなる。また、ノズル53の位置(溶融樹脂を射出する位置)は、表皮材14の中心(図心)に設定することが好ましい。これにより、合成樹脂塊16が上型40及び下型30によって、プレスされた際に、表皮材14の裏面14Bの全範囲に合成樹脂塊16が均等に拡がりやすく、好適である。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、合成樹脂塊16を射出した後、上型40及び下型30によるプレス成形を行うことで、基材11を成形することができる。これにより、従来の射出成形のように、閉じたキャビティ内に溶融樹脂を充填させる必要がないから、高い射出圧で溶融樹脂を射出する必要がない。このため、射出成形と比べて、成形時に表皮材14に作用する圧力(キャビティ内の圧力)を小さくすることができ、表皮材14の意匠面14Aにダメージが生じる事態を抑制できる。例えば、表皮材14が起毛性のものであれば、圧力によって表皮材表面の毛が倒れてしまう事態(毛倒れ)を抑制できる。
また、例えば、従来の射出成形では、高い射出圧力に対応するために、上型及び下型のプレス圧力(型締め力)として高い圧力(例えば、10MPa程度)が必要とされていた。これに対して、本実施形態の製造方法では、上型40及び下型30のプレス圧力は、合成樹脂塊16をプレス可能とするだけの圧力であればよいから、上型40及び下型30のプレス圧力を比較的低い値(0.5MPa〜3MPaの範囲内)で設定することができ、型締めに係る機構(トグルリンク機構60やシリンダ装置70)を小型化することができる。
また、本実施形態において、溶融状態の合成樹脂塊16が、射出された以降は、他部材との接触箇所から熱が伝導する(逃げる)。これにより、合成樹脂塊16が冷えて固まってしまい、プレス成形が困難となる事態が懸念される。本実施形態では、表皮材14の裏面14B上に合成樹脂塊16を射出する構成としてあるから、金属製である下型30に合成樹脂塊16を直接接触させる構成と比べて、合成樹脂塊16が冷めにくい。
また、合成樹脂塊16の平面視における面積A1(表皮材14と重なる部分の面積、表皮材14と接触する部分の面積に比例)を、基材11の平面視における面積A2に対して、5%〜50%の範囲内とすることで、合成樹脂塊16と表皮材14との接触面積をより少なくできるから、より一層合成樹脂塊16を冷めにくくすることができる。
言い換えると、合成樹脂塊16の平面視における面積A1が、基材11の平面視における面積A2に対して50%以上だと、合成樹脂塊16と表皮材14との接触面積が大きくなり、合成樹脂塊16の温度が低下しやすい。このため、合成樹脂塊16のプレス成形が完了する前に合成樹脂塊が固化してしまう可能性が懸念される。
また、射出工程において表皮材14の裏面14B上への合成樹脂塊16の形成が完了してから、9秒以内に基材成形工程において基材11の成形を完了するものとされる。
このように、溶融状態の合成樹脂塊16が形成されてから、極力早く、合成樹脂塊16をプレスして基材11を成形することで、溶融状態の合成樹脂塊16が冷えて固まる前に確実にプレス成形を行うことができる。
また、上型40及び下型30の型閉じ速度(型締め速度、本実施形態では下型30の上昇速度)は速い方が好ましい。これにより、合成樹脂塊16を射出してから、極力早く両型40,30の型閉じを完了させ、基材11を成形することができる。また、型閉じ速度が速い程、両型40,30によって、合成樹脂塊16を勢いよく押圧することができ、キャビティS1内に充填させやすくなる。本実施形態では、例えば、上型成形面40Aが合成樹脂塊16に当接してから、型締めが完了するまでの型締め速度は、例えば、70〜200mm/Sの間で設定される。
また、従来の射出成形では、閉じたキャビティ内に溶融状態の合成樹脂を充填させるために、流動性の高い合成樹脂が必要であった。このため、例えば、メルトフローレート(MFR)が、60g/10min〜70g/10min程度の合成樹脂を用いる必要があった。これに対して、本実施形態では、上型40及び下型30で合成樹脂塊16をプレスすることで基材11を成形する方法であるから、合成樹脂(溶融樹脂)の流動性が低くても成形することができる。
なお、本実施形態では、合成樹脂塊16として、メルトフローレートが、10g/10min〜40g/10minの範囲内のものを使用することができる。このようなメルトフローレートが比較的低い合成樹脂は、比較的高い合成樹脂に比べて一般的に流通されているものであるから、材料に係るコストを低減することができる。
また、本実施形態では、射出装置50を成形型(上型40及び下型30)とは完全に独立した構成とすることができる。これにより、例えば、射出装置を成形型に内蔵した構成と比べて、より簡易な構成とすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、上型40と下型30との型閉じ及び型開きをトグルリンク機構60及びシリンダ装置70を用いて行ったが、これに限定されない。例えば、トグルリンク機構60を用いずに、シリンダ装置によって下型30を直接的に駆動させる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、上型40及びノズル53を水平方向に動かすことで、下型30の上方に上型40が配置された状態(図3及び図4の状態)と、下型30の上方にノズル53が配置された状態(図2の状態)とを切り替える構成としたが、これに限定されない。例えば、上型40及びノズル53を固定し、下型30を水平方向に動かす構成としてもよい。
(3)上記実施形態において、基材11(合成樹脂塊16)の材質は適宜変更可能である。基材11としては、熱可塑性樹脂を含むものであればよい。
(4)上記実施形態では、車両用内装材として、オーナメントに用いるものを例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、基材と表皮材とを備えたものであればよい。例えば、基材としてトリムボードなどを例示することができる。
10…車両用内装材、11…基材、14…表皮材、14A…表皮材の意匠面、14B…表皮材の裏面(表皮材の意匠面とは反対側の面)、16…合成樹脂塊、30…下型、30A…下型成形面(下型の上面)、50…射出装置、A1…合成樹脂塊の平面視における面積、A2…基材の平面視における面積
Claims (2)
- 基材と表皮材とを備える車両用内装材の製造方法であって、
下型の上面に対して前記表皮材の意匠面を向ける形で、前記下型の前記上面に前記表皮材を載置する表皮材載置工程と、
前記表皮材載置工程に続いて行われ、前記下型の上方に配された射出装置によって、溶融状態の合成樹脂を前記表皮材の前記意匠面とは反対側の面上に射出することで、前記反対側の面上に合成樹脂塊を形成する射出工程と、
前記射出工程に続いて行われ、前記射出装置を前記下型の上方から退避させた後、前記下型の上方に上型を移動させ、前記溶融状態の前記合成樹脂塊が固まる前に前記下型と前記上型とを型閉じすることで、前記合成樹脂塊をプレス成形して前記基材を成形する基材成形工程と、を備え、
前記合成樹脂塊の平面視における面積は、前記基材の平面視における面積に対して、5%〜50%の範囲内とされる車両用内装材の製造方法。 - 前記射出工程において、前記表皮材の前記反対側の面上への前記合成樹脂塊の形成が完了してから、9秒以内に前記基材成形工程において前記基材の成形を完了する請求項1に記載の車両用内装材の製造方法。
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