(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステムの構成を示したブロック図である。図示する例では、チェックアウトシステム1は、ストアコントローラ10と、複数のPOSレジスタ20と、複数の携帯端末装置30(登録装置)と、ゲート開閉装置40と、ゲート41と、複数の精算カード80とを備える。なお、ストアコントローラ10とPOSレジスタ20とを合わせて精算装置とする。
ストアコントローラ10と、POSレジスタ20と、ゲート開閉装置40とはLAN(Local Area Network)50経由で通信可能に接続される。LAN50には無線LANルータ51が接続されており、携帯端末装置30は、無線LANルータ51と無線LAN通信を行いLAN50に接続することで、ストアコントローラ10やPOSレジスタ20と通信を行うことができる。
ストアコントローラ10は、商品マスタなどの各種ファイルやデータの管理を行うコンピュータである。商品マスタは、各商品の商品識別情報や、商品名称や、販売価格などの商品情報を格納したファイルである。また、ストアコントローラ10は、必要に応じて商品マスタの内容の編集や変更を行う。また、ストアコントローラ10は、最新の商品マスタを各POSレジスタ20に適宜送信する。また、ストアコントローラ10は、ゲート開閉装置40の制御を行う。
POSレジスタ20は、顧客が購入する商品を買上情報として登録する。また、POSレジスタ20は、買上情報に基づいて精算を行う。POSレジスタ20は、各種の操作キーや表示部などを備えている。また、POSレジスタ20は、店員の操作により商品に添付されたバーコードを読み取るスキャナ部を備えている。また、POSレジスタ20は、店員の操作により、後述する精算カード80が備えているRFIDタグからRFIDコードを読み取るRFリーダを備えている。なお、精算カード80が備えているRFIDタグは、RFIDタグごとに固有となる識別子であるRFIDコード(第1の識別子)を含む。
携帯端末装置30は、店員の操作により、商品に添付されたバーコードと、後述する精算カード80に印字されているバーコードを読み取るスキャナ部を備えている。なお、商品に添付されたバーコードは商品を一意に識別する識別子としての商品コードを含む。また、精算カード80に印字されているバーコードは、精算カード80ごとに固有となる識別子であるカードコード(第2の識別子)を含む。
ゲート開閉装置40は、LAN50経由でのストアコントローラ10の制御に応じてゲート41の開放および閉鎖を行う。ゲート41は、ゲート開閉装置40により開閉駆動される開閉機構を備えて構成される。
次に、チェックアウトシステム1の運用例について説明する。図2は、本実施形態におけるチェックアウトシステム1を配置した店舗フロアの一例を示した概略図である。図示する例では、POSレジスタ20は、チェッカー部220とキャッシャー部230から成る。なお、図2においては図示していないが、チェックアウトシステム1は、図1に示したとおり、ストアコントローラ10とゲート開閉装置40を備える。図において、ゲート41近傍の仕切り42に設置されているRFリーダ406は、ゲート開閉装置40の一部である。
携帯端末装置30は、店員S2に保持されている。POSレジスタ20は、店舗フロアに設置されている。ストアコントローラ10(図2では不図示)は、店舗のバックヤードに設置されている。また、ゲート開閉装置40(図2では不図示)は、ゲート41および仕切り42の近傍において例えば顧客の目に付かないように設けられている。仕切り42は、POSレジスタ20が配置される側とサッカー台60が配置される側とを仕切るように設置されている。これにより、顧客は、POSレジスタ20が配置される側の場所からサッカー台60が配置される側の場所に移動するには、ゲート41を通過しなければならない。サッカー台60は、顧客が購入した商品を買い物かごから袋に入れ替える作業を行うのに利用される。
チェッカー部220が備えるスキャナ部213は、台221に固定して設置されている。また、チェッカー部220が備えるRFリーダ214は、台221に固定して設置されている。また、図示は省略しているが、スキャナ部213に関連した操作部を備える。スキャナ部213は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取る部位であり、台221には、顧客C1が買い上げた商品を入れた買い物カゴ70−1などが置かれる。RFリーダ214は、顧客C1が持っている精算カード80が備えるRFIDタグからRFIDコードを取得する。
キャッシャー部230は、自動入出金装置(図示は省略)や、精算に関連した操作部(図示は省略)や、客用表示部206などを備える。客用表示部206は顧客Cに表示内容が見えるように設置されており、例えば顧客C1が買い上げた商品の合計金額などが表示される。図2においては、POSレジスタ20に対応して、先頭の顧客C1に続けて顧客C2、C3、C4・・・・の順で待ち行列を形成している様子が示されている。
POSレジスタ20を操作する店員S1(キャッシャー担当者)は、行列の先頭の顧客C1から買い物カゴ70−1を受け取る。買い物カゴ70−1には顧客C1が買い上げようとする商品が入っている。店員S1は、買い物カゴ70−1から商品を取り出して、スキャナ部213により商品に付されているバーコードを読み取らせる。この商品のバーコードは対応の商品を識別するための商品コードを含んでいる。POSレジスタ20は、商品マスタと商品コードとを照合して買上情報を生成し、この生成情報を利用して、店員S1の操作に応じた精算処理を実行する。通常は、このようにPOSレジスタ20において、買上商品の登録と、この登録に応じた精算が行われる。
しかし、例えばPOSレジスタ20に比較的長い顧客の待ち行列ができてしまって、顧客の精算までの待ち時間が相当に長くなりそうな場合、本実施の形態では、次のように列崩しを行うことができる。つまり、このような場合には、POSレジスタ20を操作する店員S1とは別の店員S2が携帯端末装置30を持参し、例えば図示するように精算待ちで並んでいる顧客C3のところに赴く。そして、この顧客C3が持っている買い物カゴ70−3から買上商品を取り出して、その商品に添付されたバーコードを携帯端末装置30に読み取らせる(以下、仮登録という)。店員S2は、バーコードの読み取りを行った商品は、例えば、別の買い物カゴ70−5に移していくようにする。このバーコードの読み取りに応じて、携帯端末装置30は、バーコードに含まれている商品コードを記憶する。
また、店員S2は、精算カード80を複数枚収納なカード収納部60Bを、例えば腰に吊り下げるなどして持参している。そして、例えば買い物カゴ70−3に入っているすべての商品のバーコードの読み取りを完了すると、店員S2は、カード収納部60Bから精算カード80を1枚取り出して、精算カード80に印刷されているバーコードを携帯端末装置30に読み取らせる。
図3には、精算カード80の一例が示されている。このように精算カード80には、バーコード81が印刷されている。また、精算カード80は、RFIDタグ82を備えている。バーコード81は、精算カード80ごとに一意に割り当てられたカードコード(第2の識別子)を示している。RFIDタグ82は、RFIDタグ82ごとに一意に割り当てられたRFIDコードを有している。なお、同一の精算カード80のバーコード81が示すカードコードと、RFIDタグ82が有するRFIDコードとは一対一で対応付けられている。
このように携帯端末装置30には、一人の顧客C3が買い上げた商品をそれぞれ識別する商品コードのセットと、1つのカードコードを保持する。そして、携帯端末装置30は、例えばカードコードを読み取ったことに応じて商品の登録が完了したものと認識し、ストアコントローラ10に対して商品コードのセットとカードコードとを対応付けた情報(買上情報)を送信する。なお、このようにカードコードの読み取りを商品登録の完了として扱うようにして買上情報を送信するようにすれば、カードコードの読み取りを忘れたまま買上情報を送信してしまうような不具合を避けることができる。また、買上情報の送信操作を省いて操作性を高くすることもできる。
上記の買上情報の送信まで終えたことを確認した店員S2は、今回バーコードを読み取らせた精算カード80を、図3に示すように、今回登録を行った商品が移された買い物カゴ70−5の上に載せる(付帯させる)。
顧客C3は、自分がPOSレジスタ20における列の先頭となって精算の順番がきたとき、店員S1に買い物カゴ70−5を渡す。このとき、POSレジスタ20が備えるRFリーダ214は、買い物カゴ70−5の上に乗っている精算カード80が備えるRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。POSレジスタ20は、RFリーダ214が読み取ったRFIDに対応付けられているカードコードを取得する。なお、POSレジスタ20は、RAM204にRFIDテーブルを記憶しており、このテーブルを参照することでRFリーダ214が読み取ったRFIDに対応付けられているカードコードを取得することができる。RFIDテーブルの詳細については後述する。
POSレジスタ20は、取得したカードコードに該当する買上情報を要求する信号とともに前記カードコードをストアコントローラ10に送信させる。そして、POSレジスタ20は、店員S1の操作に応じて、受信した買上情報に基づいた精算処理を行う。店員S1は、精算処理の完了後、精算カード80を顧客C3に渡す。
このようにすれば、事前に携帯端末装置30により商品の仮登録をしてもらった顧客C3は、POSレジスタ20の先頭に到達したときに、商品を登録してもらうことなく、すぐに代金支払いだけを行って精算を済ませることができる。つまり、精算の順番になったときに、精算のために要する時間が短くて済むものであり、これにより待ち行列を解消する(列崩しを行う)ことができる。
続いて、顧客C3は、店員S1から渡された精算カード80を持ってゲート41まで移動する。ゲート開閉装置40(図2では不図示)が備えるRFリーダ406は、ゲート41の近傍に設置されている。このRFリーダ406は、精算カード80に付されているRFIDタグ82から、RFIDタグ82を一意に特定する識別子であるRFIDコードを読み取る。ゲート開閉装置40は、ストアコントローラ10に、RFIDコードと対応付けられているカードコードが含まれている買上情報に格納される支払完了日時(第1の日時の一例である)から現在日時までの経過時間について、所定のゲート通過許可時間(例えば10分程度)以内であるか否かを判定させる。
ゲート通過許可時間以内であると判定された場合、ゲート開閉装置40はゲート41を開放する。顧客Cは開放されたゲート41を通過してサッカー台60に移動できる。これに対して、RFIDコードと対応付けられているカードコードが含まれている買上情報に格納される支払完了日時から現在日時までの経過時間が予め設定された所定のゲート通過許可時間(例えば10分程度)を超過していると判定された場合、ゲート開閉装置40は、ストアコントローラ10の制御に応じてゲート41を開放せずに閉鎖したままの状態とする。
上記のゲート通過許可時間は、通常に顧客が会計を終了させてからゲートまで移動する時間に基づき、例えばこれに数分程度の余裕を与えるように設定される。例えば拾った精算カード80を利用して精算を行うことなく退店するという不正を行おうとする場合、支払完了日時からゲート41を通過しようとするまでの時間は、ゲート通過許可時間を超過している可能性が非常に高い。これにより、本実施の形態のゲート付チェックアウトシステム1は不正を強固に防止することができる。
また、ゲートをでた後に、精算カード80をゲート41の近傍に設置されたカード収納部60Aに入れておくようにする。このように、カード収納部60Aには、使用済みの精算カード80が貯まっていく。店員S2は、このカード収納部60Aに貯まっている精算カード80を必要なだけ取り出して、自分が所持するカード収納部60Bに入れ直して使用すればよい。
次に、携帯端末装置30の構成について説明する。図4は、本実施形態による携帯端末装置30の構成を示すブロック図である。携帯端末装置30は、CPU301と、ROM302と、スキャナ部303と、RAM304と、表示部305と、LED発光部305aと、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、電源制御部309と、充電式電池310とを備える。
CPU301と、ROM302と、スキャナ部303と、RAM304と、表示部305と、LED発光部305aと、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、電源制御部309とは、バスを介して接続されており相互に通信可能となっている。
CPU301は、中央処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、携帯端末装置30の動作を制御する。ROM302は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。
スキャナ部303は、商品に付されているバーコードおよび精算カード80に印字されているバーコードを光学的に読み取る。RAM304は、スキャナ部303で読み取られたバーコードなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。表示部305は、登録した商品の一覧やその他各種のメッセージ(例えば、携帯端末装置30の使い方が分からない店員のための使用方法案内表示)等を表示する。LED発光部305aは、その点灯によって店員に商品の仮登録完了などを報知するものである。
通信部307は、無線を用いて無線LANルータ51と通信を行う。ブザー308は、エラー等のブザー音を発生させるものである。電源制御部309は、クレードル(図示せぬ)から供給される電力による充電式電池310への充電を制御する。充電式電池310は、携帯端末装置30の各部を動作させるための電力を供給する。操作部306は、携帯端末装置30を操作する各種のキーからなる。
図5は、本実施形態による携帯端末装置30の外観図である。図5(a)は、携帯端末装置30の正面図である。図5(b)は、携帯端末装置30の背面斜視図である。携帯端末装置30は、スキャナ部303と、表示ディスプレイ305と、操作部306とを備える。
操作部306は、バーコードの読み取りを開始するためのスキャンキー3061、バーコードを読み取った商品を1つずつ取り消したり数量を修正したりするための訂正キー3062、読み取った全商品を取り消すための取消キー3063、買い上げる商品の数量を指定するための+(プラス)キー3064、−(マイナス)キー3065、読み取った全商品のリスト表示において商品を選択するカーソルを上下させるための上下矢印キー3066、入力操作を決定するための決定キー3067を有している。また、スキャナ部303は、携帯端末装置30の裏側の面に設けられており、バーコードをスキャナ部303に近付けることにより、読み取り動作が行われる。
次に、POSレジスタ20の構成について説明する。図6は、本実施形態におけるPOSレジスタ20の構成を示したブロック図である。図示する例では、POSレジスタ20は、CPU201と、ハードディスク202と、ROM203と、RAM204と、液晶タッチパネル部205と、客用表示部206と、レシート印字部207と、ドロワ部208と、通信部209と、操作部210と、カードリーダ部211と、ブザー212と、スキャナ部213と、RFリーダ214とを備える。
CPU201と、ハードディスク202と、ROM203と、RAM204と、液晶タッチパネル部205と、客用表示部206と、レシート印字部207と、ドロワ部208と、通信部209と、操作部210と、カードリーダ部211と、ブザー212と、スキャナ部213と、RFリーダ214とは、バスを介して接続されており相互に通信可能となっている。
CPU201は、中央処理装置であり、ROM203に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POSレジスタ20の動作を制御する。ROM203は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM204は、ストアコントローラ10より取得した商品マスタなどを記憶する、随時読み出し書き込みメモリである。
表示部である液晶タッチパネル部205(店員用表示部)と客用表示部206とは、商品マスタの情報を表示する。また、液晶タッチパネル部205(店員用表示部)は、タッチパネル式であるため、表示だけではなく入力も受け付ける。操作部210は、POSレジスタ20を動作させる各種のキー、小計キー、現計キー、会員呼出キー、値引キー、割引キー、置数キー、訂正キー、追加キー等の操作ボタンを備える。
通信部209は、LAN60を経由しストアコントローラ10と通信する。ブザー212は、操作の確認が必要な時などにブザー音を発生させるものである。ハードディスク202は会計処理が終了後、RAM204が記憶する情報を記憶する。レシート印字部207はレシートを印字する。ドロワ部208は現金や金券などを保管する。カードリーダ部211は顧客がクレジットカードでの支払いを希望する場合、会計処理のためクレジットカードの情報を読み取る。スキャナ部213は、商品に添付されたバーコードまたは精算カード80のバーコードを光学的に読み取る。読み取られたこれらのバーコードはCPU201によって解析され、商品コードまたはカードコードにデータ化される。RFリーダ214は、RFIDタグ82から無線通信を用いてRFIDコードを取得する。
次に、ストアコントローラ10の構成について説明する。図7は、本実施形態におけるストアコントローラ10の構成を示したブロック図である。図示する例では、ストアコントローラ10は、CPU101と、ハードディスク102と、ROM103と、RAM104と、表示部105と、通信部106と、操作部107とを備える。CPU101と、ハードディスク102と、ROM103と、RAM104と、表示部105と、通信部106と、操作部107とは、バスを介して接続されており相互に通信可能となっている。
CPU101は、中央処理装置であり、ROM103に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ストアコントローラ10の動作を制御する。ROM103は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM104は、CPU101の作業領域として使用されるメモリである。ハードディスク102には、商品マスタのデータ、携帯端末装置30から送信された買上情報からなる買上情報テーブル、さらに精算が終了した買上情報に基づいて形成された精算履歴としてのログのデータが記憶される。通信部106は、LAN50経由でPOSレジスタ20および携帯端末装置30と通信する部位である。
次に、ゲート開閉装置40の構成について説明する。図8は、本実施形態におけるゲート開閉装置40の構成を示したブロック図である。図示する例では、ゲート開閉装置40は、CPU401と、RAM402と、ROM403と、通信部404と、ゲート駆動部405と、RFリーダ406と、人検知センサ407とを備える。CPU401と、RAM402と、ROM403と、通信部404と、ゲート駆動部405と、RFリーダ406と、人検知センサ407とは、バスを介して接続されており相互に通信可能となっている。
ROM402は、ゲート41の開閉に関する処理をCPU401に実行させるためのゲート制御プログラムを記憶する。RAM403には、ROM402から読み出されたゲート制御プログラムが展開される。また、RAM403は、ゲート制御プログラムの実行に応じて生成された演算結果を一時記憶する。
通信部404は、LAN50を経由して通信を行う部位である。ゲート駆動部405は、CPU401の制御に応じて、ゲート41の開閉駆動を行う部位である。RFリーダ406は、図2に示したように、ゲート41の近傍において設置されるもので、無線通信を用いて精算カード80が備えるRFIDタグ82からRFIDコードを読み取る。人検知センサ407は人を検知するもので、図示は省略するが図2のゲート41を通過する人を検知可能な位置に設けられる。
CPU401は、ROM402に記憶されたゲート制御プログラムを読み出してRAM403に展開し、展開したゲート制御プログラムを実行することにより、ゲート開閉装置40全体を制御する。例えばCPU401は、RFリーダ406がRFIDタグ82取得したRFIDコードに対応しているカードコードが含まれる買上情報の精算処理が完了している場合にはゲート41を解放し、精算処理が完了していない場合にはゲート41を閉鎖するようにゲート駆動部405を制御する。
次に、POSレジスタ20が記憶する商品マスタについて説明する。図9は、本実施形態における商品マスタのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。商品マスタは、商品を識別するコード情報毎に、商品名称と、販売価格との各項目から構成される。商品マスタに記憶されている商品名称や販売価格などが商品情報である。
次に、ストアコントローラ10が記憶する買上情報テーブルについて説明する。図10は、本実施形態におけるストアコントローラ10が記憶する買上情報テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。買上情報テーブルは、カードコードに対して、1以上の商品コードと、使用フラグと、商品登録日時と、合計金額と、支払完了日時と、状態フラグとが対応付けられた構造を有する。1つのカードコードと、そのカードコードに対応する商品コードと、使用フラグと、商品登録日時と、合計金額と、支払完了日時と、状態フラグのセットが1つの買上情報に相当する。つまり、1つのカードコードに対応する商品コードは、携帯端末装置30により登録された一人の顧客Cの買上商品を示す。この構造により、ストアコントローラ10は、カードコードごとに対応して複数の登録された商品の商品コードを記憶することができる。
使用フラグは、対応のカードコードにより特定される精算カード80が使用中であるか否かを示す。精算カード80が使用中の状態とは、その精算カード80を受け取った顧客が、まだ精算を終えていない状態である。ここでは、使用中であれば「1」、使用中でなければ「0」としている。取引日時は、商品が登録された日時、すなわち取引された日時を示す。なお、登録商品が複数の場合は、例えば1つめに登録された商品が登録された日時が示される。CPU101により、これらの項目が、1取引分の買上情報に最初に書き込まれる。
合計金額は、このカードコードに対応する商品コードの価格を合計した金額である。すなわち、顧客が購入する商品の合計金額である。支払完了日時は、当該買上情報に示される取引内容についての顧客Cによる代金の支払い(精算)が完了した日付および時刻を示す。
状態フラグ(支払済情報)は、当該買上情報に対応する顧客Cについての現在における取引に関する状況を示し、ここでは「0」、「1」、「2」の3値をとるものとする。具体的に、「0」は支払いが完了していない状態であることを示し、「1」は支払いは完了しているがゲート41は未だ通過していない状態であることを示し、「2」は支払いが完了し、かつ、ゲート41が通過済みの状態であることを示すものとする。なお、「2」の状態フラグを格納する買上情報はゲート41の通過に関して無効なものとして扱われる。これら支払完了日時および状態フラグは、携帯端末装置30からストアコントローラ10に送信する段階では未確定の状態となっている。ストアコントローラ10は、後述するように、POSレジスタ20およびゲート開閉装置40との通信に応じて支払完了日時の書き込みや状態フラグの行進を行う。
次に、POSレジスタ20のRAM204およびゲート開閉装置40のRAM402が記憶するRFID対応テーブルについて説明する。図11は、本実施形態におけるPOSレジスタ20のRAM204およびゲート開閉装置40のRAM402が記憶するRFID対応テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。RFID対応テーブルは、精算カード80のカードコードと、精算カード80に搭載されているRFIDタグ82を一意に特定するRFIDコードとが対応付けられた構造を有する。この構造により、RFIDコードが分かれば、このRFIDタグ82が搭載されている精算カード80のカードコードを特定することができる。
図示する例では、行501には、カードコード「00001」とRFIDコード「10001」とが関連付けて記憶されている。従って、RFIDコード「10001」で一意に特定されるRFIDタグ82は、カードコード「00001」の精算カード80に搭載されていると特定することができる。
次に、携帯端末装置30が実行する買上商品登録処理について説明する。図12は、携帯端末装置30が実行する買上商品登録処理の処理手順を示したフローチャートである。この図に示す処理は、携帯端末装置30のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
携帯端末装置30は、ステップS101により、スキャナ部303により読み取られた商品コードが入力されたか否かについて判定しており、ここで、商品コードが入力されたことを判定すると、ステップS102にて、この入力された商品コードをRAM304に記憶する。一方、ステップS101にて商品コードが入力されないと判定した場合には、ステップS103にてカードコードが入力されたか否かについて判定する。
上記ステップS103にてカードコードが入力されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS109により所定の他の処理を実行してステップS101に戻る。一方、ステップS103にてカードコードが入力されたと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS104にて、RAM304に記憶されている商品コードが存在しているか否かについて判定する。
ステップS104において、商品コードは記憶されていないと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS110において表示部にエラー表示を行ってステップS101に戻る。ここでのエラー表示は、例えばカードコードに対応付けられている商品コードが1つも登録されていないことを示すようなものとなる。一方、ステップS104において商品コードが記憶されていると判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS105により、入力されたカードコードにRAM304に記憶されている商品コードを対応付けてストアコントローラ10に対して送信する。つまり、1顧客に対応する買上情報のデータを送信する。
ストアコントローラ10では、上記ステップS105により送信された買上情報の受信が成功すると、応答として受信成功の通知を携帯端末装置30に対して送信してくる。そこで、携帯端末装置30は、ステップS106により、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功したか否かについて判定する。携帯端末装置30は、例えば受信成功の通知が一定時間以内に送信されてこない場合、ストアコントローラ10にて買上情報の受信が成功しなかった(失敗した)と判定する。この場合、携帯端末装置30は、ステップS108によりエラー表示を行ってステップS101に戻る。この場合のエラー表示の内容は、例えば、携帯端末装置30からの買上情報の送信が失敗した旨を店員S2に知らせるものとなる。一方、ステップS106にて受信が成功したと判定した場合、携帯端末装置30は、ステップS107により、ステップS105にて送信した商品コードをRAM304から消去し、ステップS101に戻る。このように商品コードをクリアすることで、次の顧客に対応して読み込まれた商品コードに前回の商品コードが含められてしまうようなエラーの発生が防止される。
次に、POSレジスタ20が実行する精算処理について説明する。図13は、POSレジスタ20が実行する精算処理の処理手順を示したフローチャートである。この図に示す処理は、POSレジスタ20のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
POSレジスタ20は、ステップS201においてRFリーダ214により取得されたRFIDコードの入力が行われたか否かについて判定している。ここで、RFIDコードの入力が行われていないと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS208により、他の所定の処理を実行してステップS201に戻る。このステップS208における他の処理としては、例えば商品に添付されたバーコードの読み取りに応じて入力した商品コードの登録、各種設定に応じたメンテナンス処理などとなる。
一方、ステップS201においてRFIDコードが入力されたと判定した場合、POSレジスタ20は、ステップS202により、入力されたRFIDコードに対応付けられているカードコードに対応する買上情報の要求とともにカードコードをストアコントローラ10に対して送信し、ステップS203にて、買上情報が受信されたか否か判定する。
例えば通信エラーなどにより一定時間内に買上情報が正常に受信できなかった場合には、ステップS203において買上情報は受信されなかったと判定し、ステップS209に進む。POSレジスタ20は、ステップS209において、例えば買上情報が受信できなかったことを通知する内容のエラーメッセージを表示し、ステップS201に戻る。
一方、ステップS203において買上情報が受信されたと判定した場合、POSレジスタ20はステップS204において、合計金額を算出する。このために、POSレジスタ20は、受信した買上情報において示される商品コードに対応する価格を商品マスタのデータから読み取り、この価格を加算して合計金額を求める。そして、POSレジスタ20は、上記のように算出した合計金額を、ステップS205により液晶タッチパネル部や客用表示部などに表示する。
ステップS206において、POSレジスタ20は、先のステップS204により算出された合計金額に基づいて、店員Sの操作に応じて精算処理を実行する。このステップS206に対応して、店員Sは、顧客Cから受け取った預かり金額を、POSレジスタ20における自動入出金装置に投入する。これに応じて、POSレジスタ20はレシートを発行するとともに、釣銭額を液晶タッチパネル部や客用表示部に表示する。店員は、例えばドロワ部から釣銭を取り出して客に渡す。
そして、POSレジスタ20は、ステップS207により、今回入力したカードコードを含んだ精算処理の結果を示す実績データ(例えば、買上情報および合計額などの情報から成る)を、ストアコントローラ10に対して送信し、ステップS201に戻る。ステップS207により送信される実績データは、ストアコントローラ10においてログに追加登録されて記録される。
次に、ストアコントローラ10が実行する登録精算処理およびゲート開閉管理処理について説明する。図14は、ストアコントローラ10が実行する登録精算処理およびゲート開閉管理処理の処理手順を示したフローチャートである。この図に示す処理は、ストアコントローラ10のCPUがプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。
ストアコントローラ10は、ステップS301において、携帯端末装置30から送信されてくる買上情報が受信されたか否かについて判定しており、ここで、買上情報が受信されたと判定した場合には、ステップS302に進む。
ステップS302において、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報に含まれるカードコードと一致する買上情報の使用フラグを参照し、その使用フラグが使用中を示しているか否かについて判定する。ここで、使用フラグが使用中(「1」)であることを示した場合には。なんらかの原因で、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されていることになる。つまり、まだ精算が終了していない顧客が所持しているはずの精算カード80を、別の顧客の買上商品に対応して携帯端末装置30で読み込んで使用していることになる。あるいは、通信エラーによって誤ったカードコードを認識した結果、使用中の他のカードコードと一致してしまったような状況も想定される。そこで、この場合、ストアコントローラ10は、ステップS306により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、送信された買上情報が無効である旨のエラー通知を送信する。この処理によって、1つのカードコードにより複数の買上情報を重複して特定してしまうことが回避される。ステップS306の処理の後はステップS301に戻る。
一方、ステップS302において使用フラグが使用中ではない(「0」)と判定した場合は、今回受信した買上情報に対応して使用された精算カード80は、重複して使用されてはいないことになる。そこで、この場合のストアコントローラ10は、ステップS303にて、今回受信した買上情報を、買上情報テーブルに追加登録するようにして記憶させる。また、この追加登録の際、ストアコントローラ10は、ステップS304において、追加登録した買上情報に対応付けられる使用フラグFについて「F=1」として使用中であることが示されるように設定する。そして、ステップS305により、買上情報の送信元の携帯端末装置30に対して、今回の買上情報が適正に受信されたことを示す受信成功通知を送信し、ステップS301に戻る。
また、先のステップS301において買上情報が受信されないと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS307において、POSレジスタ20から送信される買上情報要求が受信されたか否かについて判定する。ここで、買上情報要求の受信を判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS308において、要求された買上情報について、買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されているか否かについて判定する。具体的に、ストアコントローラ10は、買上情報テーブルから、受信した買上情報要求に含まれるカードコードに一致する買上情報を検索し、この買上情報に対応する使用フラグが使用中を示す「1」であるか否かについて判定する。
ステップS308において「NO」の判定となった場合、要求された買上情報は買上情報テーブルに登録されていない、または、登録されてはいるが対応の使用フラグが「0」であり使用中ではないことを示している場合となる。このような場合には、なんらかの原因で登録商品とカードコードとが一致していないことになる。そこで、この場合には、ステップS306により、買上情報要求の送信元のPOSレジスタ20に対してエラー通知を送信する。この処理によっても1つのカードコードにより複数の買上情報を特定してしまうことの不具合を回避できる。
これに対して、ステップS308において要求された買上情報が買上情報テーブルにおいて使用中の状態で登録されていると判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS309において、この要求された買上情報として、少なくとも該当する全ての商品コードを送信し、ステップS301に戻る。
また、ステップS307において買上情報の要求を受信していないと判定したことに応じて、ストアコントローラ10は、ステップS310により、POSレジスタ20から送信される実績データが受信されたか否かについて判定する。ここで、実績データが受信されたと判定した場合、ストアコントローラ10は、ステップS311により、受信した実績データを追加登録するようにログを更新させ、ステップS301に戻る。
また、ステップS310において実績データを受信していないと判定したことに応じて、CPU101は、POSレジスタ20から送信される支払完了日時が受信されたか否かについて判定する(ステップS312)。支払完了日時が受信された場合(ステップS312−Yes)、CPU101は、ハードディスク102に記憶される買上情報のうち、受信した支払完了日時に対応する買上情報を、支払完了日時とともに受信したカードコードを利用して検索する。そして、この検索した買上情報に、受信した支払完了日時を書き込む(ステップS313)。また、CPU101は、同じく検索した買上情報における状態フラグを「0」から、支払が完了している状態を示す「1」に変更し(ステップS314)、S301に戻る。
一方、支払完了日時が受信されない場合(ステップS312−No)、CPU101は、ゲート開閉装置40からカードコードが受信されたか否かについて判定する(ステップS315)。ここで、カードコードが受信されない場合(ステップS315−No)、CPU101は、他の処理(例えば、商品データファイルの管理およびメンテナンス)を実行し(ステップS316)、ステップS301に戻る。これに対して、カードコードが受信された場合(ステップS315−Yes)、CPU101は、上記ステップS315に応じて受信したカードコードに対応付けられた買上情報における状態フラグが「1」であるか否かについて判定する(ステップS317)。
状態フラグが「1」ではないと判定された場合(ステップS317−No)、状態フラグは「0」または「2」であることになる。この場合、その買上情報に対応する顧客Cは、まだPOSレジスタ20による代金支払いを完了させていない、または、代金支払いも完了させてゲート41を一度通過していることになる。両者は、いずれも精算カード80が不正に使用されている場合に該当する。そこで、この場合、CPU101は、ゲート41の開放の禁止を指示する禁止信号を、ゲート開閉装置40に対して送信し(ステップS319)、ステップS301に戻る。
これに対して、状態フラグが「1」である場合には(ステップS317−Yes)、対応の顧客は代金支払いを完了させてはいるがゲート41は通過していないことになる。そこで、この場合のCPU101は、上記ステップS317において判定対象の状態フラグを格納するのと同じ買上情報が格納する支払完了日時から現在日時までの差分の時間が、所定のゲート通過許可時間以内であるか否かについて判定する(ステップS318)。
ここで、ゲート通過許可時間を越えている場合は(ステップS318−No)、例えば、或る顧客が売り場で落としてしまった精算カード80を他の顧客が拾って再利用するなどのような不正が行われた可能性が高い。そこで、この場合のCPU101は、禁止信号を送信し(ステップS319)、ステップS301に戻る。
これに対して、ゲート通過許可時間以内であると判定した場合は(ステップS318−Yes)、顧客が正しく代金支払いを終えてゲート41を通過しようとしていることになる。そこで、この場合のCPU101は、ゲート41の開放を許可する許可信号を送信する(ステップS320)。また、CPU101は、ハードディスク102に記憶されている対応の買上情報の状態フラグを「2」に変更する(ステップS321)。また、CPU101は、買上情報テーブルにおいて、受信した実績データに含まれるカードコードに一致する買上情報に対応する使用フラグFについて、使用中ではないことを示す「0」を設定し(ステップS322)、ステップS301に戻る。
次に、ゲート開閉装置40が実行するゲート開閉処理について説明する。図15は、ゲート開閉装置40が実行するゲート開閉処理の処理手順を示したフローチャートである。この図に示す処理は、ゲート開閉装置40のCPU401がプログラムを実行することにより実現されるものとしてみることができる。また、この図に示す処理が開始される段階では、ゲート41は閉鎖された状態となっている。
CPU401は、RFリーダ406により精算カード80が備えるRFIDタグ82からRFIDコードが取得されるのを待機している(ステップS401−No)。そして、RFIDコードの取得が行われると(ステップS401−Yes)、CPU401は、取得したRFIDコードに対応付けられているカードコードを特定し、このカードコードを、通信部404によりストアコントローラ10に送信させる(ステップS402)。
ストアコントローラ10からは、上記カードコードの受信に応答して、図14により説明したように許可信号と禁止信号のいずれかが送信されてくる。そこで、CPU401は、上記ステップS402によるカードコードの送信後においてストアコントローラ10から受信した信号が許可信号であるか否かについて判定する(ステップS403)。ここで、許可信号ではないと判定した場合には(ステップS403−No)、受信した信号は禁止信号であることになる。そこで、この場合のCPU401は、ゲート41の駆動を行わずにステップS401に戻る。これにより、ゲート41は閉鎖された状態のままで維持される。これにより、不正に精算カード80を利用した顧客Cはゲート41を通過できないことになる。
これに対して、許可信号であると判定した場合(ステップS403−Yes)、CPU401は、ゲート駆動部405を制御してゲート41を開放させる(ステップS404)。次に、CPU401は、人検知センサ407の検知信号に基づいて、開放されたゲート41を人が通過し終えるのを待機する(ステップS405−No)。例えばゲート41を顧客Cが通過しているときには、人検知センサ407により人が検知されている。そして、顧客Cがゲート41を通過し終えれば、人検知センサ407により人が検知されない状態となる。このような検知結果の変化に基づいて人の通過状況を認識できる。そして、人が通過し終えたことが判定されると(ステップS405−Yes)、これまで開放されていたゲート41が閉鎖されるようにゲート駆動部405に対する制御を行い(ステップS406)、ステップS401に戻る。
上述した通り、本実施形態によれば、携帯端末装置30は、精算カード80に印字されたカードコードを取得し、取得したカードコードと顧客が購入する商品情報とを関連付けて記憶することができる。また、POSレジスタ20およびストアコントローラ10は、精算カード80が備える無線タグから無線通信を用いてRFIDコードを取得し、取得したRFIDコードと対応付けられているカードコードが含まれている買上情報に基づいて精算処理を行うことが出来る。
すなわち、携帯端末装置30が買上情報の登録を行う際は、精算カード80に印字されているカードコードを取得し、POSレジスタ20およびストアコントローラ10が精算処理を行う際は、無線通信を用いてRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。従って、購入商品を登録する際の誤登録を防ぎつつ、精算時の手間をより低減することができる。さらに、本実施形態では、ゲート開閉装置40は、ゲートの開閉を行う際に、無線通信を用いてRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。これにより、ゲート開閉時の手間をより低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する以外の部分は第1の実施形態と同様である。第2の実施形態のチェックアウトシステムは、セルフPOSシステムに対応した構成を採る。セルフPOSシステムでは、商品登録を行う登録装置と、精算を行う精算装置とが別体とされて店舗に配置される。そして、買上商品の登録は店員が登録装置を操作して行うが、精算は、顧客自身が精算装置を操作して行う。このようなセルフPOSシステムは、精算装置を安価に増設しやすいためにいわゆる客捌きに優れており、そのシステム自体が待ち行列の解消に有利となっている。
図16および図17は、第2の実施形態におけるチェックアウトシステムの構成例を示している。図示する例では、チェックアウトシステム2は、ストアコントローラ10と、複数の登録装置400と、複数の精算装置500と、ゲート開閉装置40と、ゲート41と、複数の精算カード80とを備える。ストアコントローラ10と、登録装置400と、精算装置500と、ゲート開閉装置40とLAN50経由で通信可能に接続される。ストアコントローラ10と、ゲート開閉装置40と、ゲート41と、複数の精算カード80とは、第1の実施形態の各装置と同様である。
登録装置400は、店員が操作するもので、第1の実施の形態との対応では、携帯端末装置30と、POSレジスタ20におけるチェッカー部としての機能を備える。図示による説明は省略するが、登録装置400は、例えばCPU、RAM、ROM、スキャナ部、表示部、操作部、通信部、液晶タッチパネル部、客用表示部等を備えて構成される。また、精算装置500は、顧客C自身が操作を行って精算を行うための装置である。
図18は、精算装置500の外観例を示す斜視図である。精算装置500は、表示部501と、RFリーダ502と、人検知センサ503と、釣銭釣札部504と、サインポール部505とを備える。
表示部501は、買上情報として、例えば買上商品の内訳や金額を表示する。また、顧客Cに対する操作ガイダンスを表示する。RFリーダ502は、精算カード80が備えるRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。人検知センサ503は、当該精算装置500の前に立っている人を検知するセンサである。
釣銭釣札部504は、例えば精算装置500の下部前面に位置している。この釣銭釣札部504は、硬貨出金口504aと、硬貨入金口504bと、紙幣入出金口504cとを有している。硬貨出金口504aは、例えば前面下部中央部に配置され、凹部から硬貨の釣銭が排出される。硬貨入金口504bは、例えば硬貨出金口310aの上部に配置され、上記とは別の凹部から硬貨が投入される。紙幣入出金口310cは、例えば硬貨入金口310bに向かって右側に配置され、紙幣が水平に投入/排出される。サインポール部505は、例えば向かって右奥に立てられて、先端の発光部が点灯または点滅する。また、精算装置500には、カード収納部60Cが設置される。このカード収納部60Cには、精算を済ませた顧客Cが精算装置500から離れる際に、それまで所持していた精算カード80が入れられる。
精算装置500は、上記図18において示される部位のほか、内部のハードウェアとして、例えばCPU、RAM、ROM、通信部、印刷部などを備える。CPUは、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、精算装置500としての機能を実現する。
RAMは、CPUの作業領域として利用されるメモリである。ROMには、上記プログラムのほか、各種設定データなどが記憶されている。通信部は、CPUの制御に応じて、LAN50経由でストアコントローラ10などと通信を実行する部位である。印刷部は、精算の終了に応じて買上情報や精算結果などを用紙に印刷し、これをレシートとして発行する部位である。
図17を参照して、第2の実施形態のチェックアウトシステム2の運用例について説明する。この図に示すように、チェックアウトシステム2は、店舗フロアに設置される。登録装置400は、店舗内にて複数台が並ぶようにして設置されている。また、この登録装置400から離れた位置に複数の精算装置500が設置されている。また、登録装置400において店員Sが位置している場所の近傍には、精算カード80が入れられたカード収納部60Aが備えられている。
登録装置400は、商品登録カウンタ410に設置される。また、精算装置500は、精算カウンタ510に設置される。ここで、図17に示される登録装置400および精算装置500の各設置数は、一例である。これらの設置数は、例えば、店舗の規模およびコストに応じて定められてよい。また、ストアコントローラ10(図17では不図示)は、店舗のバックヤードに設置される。また、ゲート開閉装置40(図17では不図示)は、ゲート41および仕切り42の近傍において例えば顧客の目に付かないように設けられている。仕切り42は、登録装置400および精算装置500が配置される側と、サッカー台60が配置される側とを仕切るように設置されている。これにより、顧客が登録装置400および精算装置500が配置される側の場所からサッカー台60に移動するには、ゲート41を通過しなければならないようにされている。サッカー台60は、顧客が購入した商品を買い物かごから袋に入れ替える作業を行うのに利用される。
顧客Cは買上商品を例えば買い物カゴに入れて登録装置400に赴く。登録装置400には、それぞれ店員Sが配置されている。店員Sは、買い物カゴから商品を取り出しながら、商品に添付されているバーコードを登録装置400のスキャナ部により読み取らせながら登録を行っていく。そして、顧客Cの買上商品の登録が完了すると、店員Sは、カード収納部60Aから1枚の精算カード80を取り出して、その精算カード80に印刷されているバーコード81をスキャナ部により読み取らせたうえで、登録完了の操作を行う。
上記登録完了の操作に応じて、登録装置400は、登録された商品の商品コードと、読み取られたバーコード81が示すカードコードとから成る買上情報をストアコントローラ10に対して送信する。つまり、登録装置400は、商品コードの入力と、カードコードの入力に対応して、図12に準じた処理手順を実行する。
ストアコントローラ10は、登録装置400からの買上情報の受信に応答して、図14のステップS301〜S306と同様の処理を実行する。これにより、使用中でない精算カード80のカードコードに対応する買上情報が正常に受信された場合には、その買上情報が買上情報テーブルに追加登録される。
そして、店員Sは、登録完了の操作を行った後において正しく買上情報が送信されたことを確認すると、今回バーコード81の読み取りを行った精算カード80を顧客Cに渡す。顧客Cは、登録が済んだ買上商品と渡された精算カード80を持って精算装置500にまで赴く。
精算装置500は、その前の位置に顧客Cが立ったことが人検知センサ503により検知されるのに応じて、例えば表示部501にガイダンスなどを表示させる。また、精算装置500のRFリーダ502は、顧客Cが持っている精算カード80が備えるRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。RFIDコードを入力した精算装置500は、図13と同様の処理を実行する。つまり、精算装置500においては、顧客Cの買上情報をストアコントローラ10から受信して合計額などを表示部501に表示し、顧客Cの入金に応じた精算処理を実行する。そして、精算処理の完了に応じて実績データをストアコントローラ10に送信する。なお、ストアコントローラ10は、精算装置500からの買上情報や、実績データや、支払い完了日時等の送信に応じてステップS307〜S314の処理を実行する。そして、精算を完了した顧客Cは、精算カード80を保持してゲート41まで移動する。
ゲート開閉装置40(図17では不図示)が備えるRFリーダは、ゲート41の近傍に設置されている。このRFリーダは、精算カード80に付されているRFIDタグ82からRFIDコードを読み取る。ゲート開閉装置40は、図15と同様の処理を行う。また、ストアコントローラ10は、ゲート開閉装置40からのカードコードの送信に応じてステップS315〜S322の処理を行う。ゲート41が解放された後、顧客Cは開放されたゲート41を通過してサッカー台60に移動する。
上述した通り、本実施形態によれば、登録装置400は、精算カード80に印字されたカードコードを取得し、取得したカードコードと顧客が購入する商品情報とを関連付けて記憶することができる。また、精算装置500およびストアコントローラ10は、精算カード80が備える無線タグから無線通信を用いてRFIDコードを取得し、取得したRFIDコードと対応付けられているカードコードが含まれている買上情報に基づいて精算処理を行うことが出来る。
すなわち、登録装置400が買上情報の登録を行う際は、精算カード80に印字されているカードコードを取得し、精算装置500およびストアコントローラ10が精算処理を行う際は、無線通信を用いてRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。従って、購入商品を登録する際の誤登録を防ぎつつ、精算時の手間をより低減することができる。さらに、本実施形態では、ゲート開閉装置40は、ゲートの開閉を行う際に、無線通信を用いてRFIDタグ82からRFIDコードを取得する。これにより、ゲート開閉時の手間をより低減することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態および第2の実施形態では、バーコードが印字された精算カード80がRFIDタグ82を備える例を用いて説明したが、これに限らない。例えば、カードコードが含まれるバーコードが印字された買い物カゴにRFIDタグ82を備えるようにしてもよい。
また、第2の実施形態では、顧客が精算カード80を持って精算装置500まで赴く例を示したが、これに限らない。例えば、買い物カゴの側面に精算カード80を入れるカード収納部を設け、登録完了時、店員はその収容部に精算カード80を入れておくようにしてもよい。そして、精算時に顧客が買い物カゴを精算装置500の所定の位置に特定の向きで置いたとき、RFIDリーダ502が精算カード80のRFIDタグ82からRFIDコードを読み取るようにしてもよい。また、RFIDリーダ502の配置位置は、例えば精算時に買い物カゴを置く台の下側に埋め込まれる位置としてもよい。このようにすることで、精算時に他の顧客の精算カード80のRFIDタグから誤ってRFIDコードを読み取る可能性をより低くすることができる。
また、第2の実施形態では、精算装置500が備えるRFリーダ502とカード収納部60Cとは異なる位置に配置されているが、これに限らない。例えば、RFリーダ502は、カード収納部60Cの内部に入れられた精算カード80を読み取る位置に配置されていてもよい。図19は、カード収納部60Cの内部に入れられた精算カード80を読み取る位置に、RFリーダ502を配置した構成を示した概略図である。図示する例では、カード投入口601からカード収納部60Cの内部に入れられた精算カード80を回収ゾーン603に移動させる位置に、ベルトコンベア602が配置されている。また、ベルトコンベア602の上部にRFリーダ502が配置されている。これにより、顧客が精算カード80をカード収納部60Cのカード投入口601に入れると、ベルトコンベア602は精算カード80をカード収納部60Cの回収ゾーン603に移動させる。その際に、RFリーダ502は、精算カード80のRFIDタグ82からRFIDコードを読み取る。
また、ベルトコンベア602を備えることなく、重力を用いて精算カード80をカード収納部60Cの回収ゾーン603に移動させるようにしてもよい。図20は、重力を用いて精算カード80を回収ゾーン603に移動させる場合のカード収納部60Cの構成を示した概略図である。なお、RFリーダ502の動作は図19に示した構成における動作と同様である。図示する例では、カード収納部60Cのカード投入口601に、カード移動台604が配置されている。また、カード移動台604の端6041は斜めに下がっている。これにより、他の精算カード80がカード投入口601に入れられ、他の精算カード80に押されてカード移動台604の端6041まで精算カード80が移動した場合、精算カード80は重力によって回収ゾーン603に移動する。これにより、ベルトコンベア602を配置することなく、精算カード80を回収ゾーン603に移動させることができる。なお、精算カード80を他の精算カード80で押す必要があるため、精算カード80は例えばプラスチックなど、固い素材で製造する必要がある。
このように、カード収納部60Cの内部に入れられた精算カード80を読み取る位置に、RFリーダ502が配置されている構成により、精算カード80の読み取りと精算カード80の回収とを同一作業で行なうことになるため、確実に精算済みの精算カード80を回収することができる。また、精算済みの精算カード80は必ず回収されるため、例えばお客が持っている精算カード80や放置されている精算カード80など、売り場にある精算カード80はすべて未精算の精算カード80であると判断できるので、不正防止への対応を行いやすい。
また、第1の実施形態のチェックアウトシステム1および第2の実施形態のチェックアウトシステム2はゲート開閉装置40とゲート41とを備えているが、これに限らない。例えば、ゲート開閉装置40とゲート41との代わりに防犯ゲートを備え、ゲート41を閉じる代わりにブザーを鳴らすようにしてもよい。また、ゲートを閉じる代わり、または連動して、指定のPOSレジスタ20や登録装置400に通知するようにしてもよい。