JP2013238442A - 推定装置、推定方法及びプログラム - Google Patents

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翔 磯部
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Abstract

【課題】ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定する推定装置、推定方法、プログラムを提供する。
【解決手段】対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部と、前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部と、前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部と、を備える、推定装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、推定装置、推定方法及びプログラムに関する。
近年、高齢化や核家族化が進む中、孤独死が社会的問題として取り扱われている。特に、独居高齢者(65歳以上)の親を持つ子供にとって、親の安否確認の需要は高まっている。そのような安否確認の方法のひとつとして、ビデオやマイクを用いたコミュニケーションが挙げられるが、これらの方法には親・子双方に肉体的・精神的負担が大きいという問題がある。そこで、カメラやセンサを用いた安否確認サービスが登場してきている。
また、独居高齢者には身近に頼ることのできる人が少ないので、病気や怪我の際に早期に発見され難く、また病院に行くことも難しいという問題がある。例えば、独居高齢者にとって怪我のリスクが高く、且つ頻度の高いもののひとつとして、居室内での転倒があげられる。そこで、安否確認だけでなく、独居高齢者が転倒したことをカメラやセンサを用いて検知して、子供や行政サービスなどの関係者に通知するサービスが求められている。
このようなセンサを用いて転倒などの人の状態を確認する方法のひとつとして、まず、ドップラーセンサを用いて人の移動速度を推定し、続いて人の移動速度から人の状態を推定する方法が考えられる。例えば、特許文献1では、ドップラーセンサを用いてひとつの対象物の移動速度を推定する技術が開示されている。詳述すると、対象物が概ね一定速度で移動すると仮定し、さらに、ドップラー信号の周波数スペクトルのピーク周波数分布はひとつのピークを持つガウス分布であると仮定した上で、ひとつのピーク周波数から対象物の速度を推定している。従って、特許文献1に開示された技術を人を対象として適用することで、人の移動速度を推定し、移動速度から人の状態を推定することができると考えられる。
特開2011−64558号公報
しかしながら、このような方法は、複数の対象物の速度を推定できないという問題がある。即ち、このような方法は、人の動作には人の様々な部位ごとの複雑な運動が伴うにも関わらず、そういった部位ごとの速度を推定できない。また、例えば、人や動物などの運動する物体が複数存在する場合にも、このような方法は物体ごとに速度を推定できない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定することが可能な、新規かつ改良された推定装置、推定方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部と、前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部と、前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部と、を備える、推定装置が提供される。このような推定装置は、ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定することができるという効果を奏する。
前記ピークスペクトル推定部は、前記変化状態が周期的に変化すると仮定して前記変化状態を更新してもよい。
前記変化状態は、前記ピークスペクトルの周波数、ならびに前記変化状態の周期的な変化の性質であってもよい。
前記変化状態の周期的な変化の性質は、振幅、位相および周期であってもよい。
前記状態空間モデルはパーティクルフィルタであり、前記パーティクルフィルタは前記変化状態をパーティクルとしてもよい。
前記ピークスペクトル推定部は、前記パーティクルのもつ前記ピークスペクトルの周波数の分布が複数の山を持つ場合に前記パーティクルを群分けし、群ごとに前記ピークスペクトルの周波数を推定してもよい。
前記推定装置は、直交検波により、前記ドップラー信号が2波得られる場合に前記対象物の移動方向を算出する移動方向算出部と、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度および前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向の時系列変化を自己回帰モデルに適用し、適用結果を用いて前記対象物が定常状態にあるか非定常状態にあるかを推定する状態推定部と、をさらに備えてもよい。
前記状態推定部は、前記自己回帰モデルに基づいて予測した前記対象物の速度および移動方向と、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度および前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向との差分に基づき、前記差分が所定の閾値を超えない場合に前記対象物が定常状態にあると推定し、前記差分が前記閾値を超えた場合に前記対象物が非定常状態にあると推定してもよい。
前記推定装置は、前記ドップラー信号が1波得られる場合に前記速度算出部により算出された前記対象物の速度の時系列変化を自己回帰モデルに適用し、適用結果を用いて前記対象物が定常状態にあるか非定常状態にあるかを推定する状態推定部を、さらに備えてもよい。
前記状態推定部は、前記自己回帰モデルに基づいて予測した前記対象物の速度と、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度との差分に基づき、前記差分が所定の閾値を超えない場合に前記対象物が定常状態にあると推定し、前記差分が前記閾値を超えた場合に前記対象物が非定常状態にあると推定してもよい。
前記状態推定部により前記対象物が非定常状態にあると推定された場合に、前記ドップラー信号より算出される特徴量の示す性質と前記対象物の所定動作を示す前記特徴量の性質との適合度に基づいて前記対象物の動作を推定する動作推定部をさらに備えてもよい。
前記速度算出部は、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度を用いて前記対象物の加速度を算出し、前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された前記対象物の加速度の時系列変化であってもよい。
前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度の時系列変化であってもよい。
前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向の時系列変化を含んでもよい。
前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記ピークスペクトル推定部により推定された前記ピークスペクトルの周波数の時系列変化であってもよい。
前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された速度の分布であってもよい。
前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記ピークスペクトル推定部により推定されたピークスペクトルの周波数の分布であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出するステップと、前記周波数スペクトルの変化状態を記憶するステップと、前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するステップと、前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出するステップと、を備える、推定方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部と、前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部と、前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部と、を備える、推定装置として機能させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定することが可能である。
本発明の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。 パーティクルフィルタを用いた推定処理を示した説明図である。 人の歩行時における、胴体、右腕および左腕に対応する周波数スペクトルのピーク値の時系列変化を示した説明図である。 第1の実施形態による推定装置の有する速度推定部の構成を示す説明図である。 第1の実施形態による推定装置の速度推定処理を示した説明図である。 歩行時の周波数の時間的変化を示したスペクトログラムである。 周波数変化を三角波として示した説明図である。 移動物体が2つある場合の周波数スペクトルの時系列変化を示した第1の説明図である。 移動物体が2つある場合の周波数スペクトルの時系列変化を示した第2の説明図である。 本発明の第2の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。 本発明の第2の実施形態による推定装置の有する状態推定部の構成を示した説明図である。 第2の実施形態による推定装置の状態推定処理を示した説明図である。 本発明の第3の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。 第3の実施形態による推定装置の動作推定処理を示した説明図である。 人が転倒した際の胴体の速度の推定結果を示した図である。 人が転倒した際の胴体の加速度の推定結果を示した図である。 人が寝そべった際の胴体の速度の推定結果を示した図である。 人が寝そべった際の胴体の加速度の推定結果を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.推定システムの基本構成および推定処理>
本発明は、一例として[3−1.第1の実施形態]〜[3−3.第3の実施形態]において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態による推定装置(30)は、
A.対象物(移動物体10)のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部(43)と、
B.前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部(ピークスペクトル記憶部45)と、
C.前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部(44)と、
D.前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部(46)と、
を備える。
以下では、まず、このような各実施形態において共通する推定システムの基本構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による推定システムは、ドップラーセンサ20と、速度推定部40を有する推定装置30と、を含む。そして、本発明の実施形態による推定装置30は、移動物体10を対象として速度および方向を推定する。
移動物体10は、ドップラーセンサ20から照射される電波を反射する物体である。移動物体10は複数存在してもよく、また、ひとつの物体の中に別個に運動する部位、即ち移動物体10を複数含んでいてもよい。そのような移動物体10として、例えば、人、動物ならびに車両などが挙げられる。また、そのような移動物体10の動作としては、例えば、歩行する人の胴体の移動および両腕の運動、走る車の車体の移動および車輪の回転などが挙げられる。
ドップラーセンサ20は、電波を移動物体10に向けて送信し、移動物体10により反射された電波を受信する電波センサであり、送受信した電波間の差分の周波数の信号(以下、ドップラー信号と呼称する)を出力する。ここで、ドップラーセンサ20は、直交検波によりドップラー信号を同相信号と直交信号の2波として出力する。なお、同相信号もしくは直交信号のどちらか1波の場合は、推定装置30は同相信号もしくは直交信号を0として取り扱うことができる。
推定装置30の有する速度推定部40は、ドップラーセンサ20より入力された同相信号および直交信号から複素信号を生成し、生成した複素信号により移動物体10の速度および移動方向を推定および出力する。ここで、移動方向とは、ドップラーセンサ20に対して移動物体10が接近しているか、離反しているか、を指す。なお、ドップラー信号が1波の場合、速度推定部40は速度のみを出力する。
以上、本発明の実施形態による推定システムの基本構成について説明した。続いて、本発明の実施形態による推定装置30を用いた速度推定処理について説明する。
移動物体10が速度vでドップラーセンサ20から接近もしくは離反方向で移動している場合、送信した信号と受信した信号にうなりが生じるので、ドップラーセンサ20はそれらの差分成分を抽出することでドップラー信号を得る。このとき、ドップラー信号の周波数fと移動物体10の速度vとの関係は以下の式で表すことができる。
Figure 2013238442
ここで、fthは送信周波数を示し、cは光速(3×10^8[m/s])を示す。
ドップラー信号の周波数スペクトルを解析してピークスペクトルの周波数(以下、ピーク周波数と呼称する)を求めると、求めたピーク周波数を用いて上記数式1により移動物体10の速度vを推定することができる。このため、推定装置30は、移動物体10の速度を推定するためには、ドップラー信号の周波数スペクトルを解析してピーク周波数を推定する処理を行う。
このような処理の一例として、状態空間モデルのひとつであるパーティクルフィルタを用いて推定する処理があげられる。パーティクルフィルタとは、状態の分布を多数のパーティクルの密度で近似(モンテカルロ近似)し、「予測」、「尤度計算」、「リサンプリング」の3つのステップを逐次的に繰り返すことによって、パーティクル(状態)の分布を更新していくフィルタである。以下では、まず、パーティクルフィルタを用いた推定処理の概要について、図2を参照して説明する。
図2は、パーティクルフィルタを用いた推定処理を示した説明図である。
まず、ステップS1で、推定装置30は所定数のパーティクルを生成する。なお、前時刻に後述のステップS5が行われていた場合は、推定装置30は前時刻においてステップS5で用いられたパーティクルを用いる。ここで、前時刻とは現時刻(現在の時刻)よりも前の時刻のことを指す。
次に、ステップS2で、推定装置30は現時刻のパーティクルの分布から次時刻の状態を予測する。具体的には、推定装置30は各パーティクルの状態を状態方程式に基づいて更新する。
続いて、ステップS3で、推定装置30は、次時刻において観測した観測結果と、ステップS2において予測した予測結果とに基づいて、各パーティクルの尤度を算出する。ここで、次時刻とは現時刻よりも後の時刻のことを指す。
そして、ステップS4で、推定装置30はパーティクルのリサンプリングを行う。ここで、リサンプリングとは、ステップS3において各パーティクルについて算出した尤度に基づいて、推定装置30が現時刻で用いられたパーティクルを次時刻に用いられるパーティクルに移動させるか、もしくは消滅させることを指す。その際、推定装置30は、パーティクルの数を所定数に保つため、移動させたパーティクルを用いて、消滅させたパーティクルの数だけパーティクルを補充する。
最後に、ステップS5で、推定装置30は、ステップS4でリサンプリングしたパーティクルの分布に基づいて推定を行う。
以上、パーティクルフィルタを用いた推定処理の概要について説明した。
本発明の実施形態は、上述した推定装置30に関し、特に、パーティクルフィルタを用いた推定処理に関する。そこで、以下では、本発明の比較例による推定装置におけるパーティクルフィルタを用いたピーク周波数の推定処理を説明した後に、本発明の各実施形態について詳細に説明する。
<2.比較例による推定装置>
(パーティクルフィルタを用いたピーク周波数の推定処理)
以下では、比較例による、周波数スペクトルからピーク周波数、即ち移動物体10の速度を推定する処理について、再度図2を参照して説明する。なお、図2を参照して上記で説明した動作と重複するものについては説明を省略する。
比較例による推定装置は、まず、ステップS1で、周波数をパーティクルの状態として用いたパーティクルを所定数生成する。
次に、ステップS2で、比較例による推定装置は、移動物体10は概ね一定速度で移動すると仮定した上で、各パーティクルの更新前後の変化量、即ち周波数の変化量がガウス分布に従うよう、各パーティクルを更新する。
続いて、ステップS3で、比較例による推定装置は各パーティクルのパワースペクトルから尤度を算出する。
そして、ステップS4で、比較例による推定装置はステップS3において算出した各パーティクルの尤度に基づいて、パーティクルのリサンプリングを行う。
最後に、ステップS5で、比較例による推定装置は、移動物体10はひとつであり、且つ、移動物体10には別個に運動する部位を含まないとして、全パーティクルの推定した周波数の分布がひとつのピークを持つガウス分布であると仮定して、分布の重心をピーク周波数として推定する。
(課題の整理)
比較例による推定装置は、上記で説明した通り、移動物体10はひとつであり、且つ、移動物体10は概ね一定速度で移動すると仮定することで、全パーティクルの推定した周波数の分布がひとつのピークを持つガウス分布であると仮定している。しかし、実環境において、対象物が、ピーク周波数の変化がガウス的な分布を描くようなひとつの移動物体10で構成されることは少ない。例えば、人間が歩行する際には、胴体の動き、腕の動き、足の動き、頭の動きなどの、速度変化がガウス的な分布を描かず、またそれぞれの速度が異なる動きが合成された周波数スペクトルが観測される。よって、周波数スペクトルのピークが複数現れる場合がある。このとき、ドップラーセンサ20に向かって人間が歩行により一定速度で接近したとすると、胴体の動きは一定速度ではなく歩容にあわせて変化し、腕の動きも胴体とは異なる動きをするので、ドップラーセンサ20で観測されるドップラー信号も多様な動体の影響を受ける。そこで、図3を参照し、胴体と腕の動きを考える。
図3は、人の歩行時における、胴体、右腕および左腕に対応する周波数スペクトルのピーク値の時系列変化を示した説明図である。図3に示したように、胴体および腕は歩容にあわせて変化している。このとき、胴体よりも腕の方が前後に大きく振れるので速度変動、即ち周波数変動が大きいが、面積的に小さいのでスペクトルのパワーは小さくなると考えられる。
このような場合、比較例による推定装置は、周波数(速度)変動がガウス分布に従うと仮定しているので、胴体のようにパワースペクトルが最も大きく、且つ、周波数(速度)変動が小さいものだけをトラッキングできる。しかしながら、変動がガウス的な分布に従わない場合にはトラッキング精度は低くなる。また、腕の動きのように胴体と比較してパワースペクトルが小さく、周波数(速度)変動の大きいものを併せてトラッキングすることはできない、という問題がある。
また、例えば、人間の歩行時における右腕と左腕の動きのように、同一時刻に同等の大きさを持つパワースペクトルが2つ以上存在する場合であっても、単一な移動物体10を仮定しているので、比較例による推定装置はパーティクルの分布の重心を推定値として出力してしまう、という問題がある。
そこで、上記事情を一着眼点にして本実施形態による推定装置30を創作するに至った。本実施形態による推定装置30は、ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定することが可能である。以下、このような本発明の各実施形態について順次詳細に説明する。
<3.各実施形態の詳細な説明>
[3−1.第1の実施形態]
まず、図4〜6を参照し、本発明の第1の実施形態を説明する。本発明の第1の実施形態によれば、ドップラー信号から複数の対象物の速度を推定することが可能である。
(構成)
図4は、第1の実施形態による推定装置30の有する速度推定部40の構成を示す説明図である。図4で示したように、本発明の第1の実施形態による推定装置30の有する速度推定部40は、複素信号生成部41と、信号記憶部42と、周波数スペクトル算出部43と、ピークスペクトル推定部44と、ピークスペクトル記憶部45と、速度算出部46と、を含む。
複素信号生成部41は、ドップラーセンサ20から入力された同相信号と直交信号とを用いて、同相信号を実部、直交信号を虚部に持つ複素信号を生成する。信号記憶部42は、複素信号生成部41より入力された信号を、時系列で所定区間記憶する。周波数スペクトル算出部43は、信号記憶部42より入力された信号データから周波数スペクトルを算出する。
ピークスペクトル推定部44は、周波数スペクトル算出部43より入力された周波数スペクトルと、後述のピークスペクトル記憶部45に記憶されている前時刻のピークスペクトル分布とを用いてパーティクルフィルタにより現時刻のピークスペクトル分布を推定する。ピークスペクトル記憶部45は、ピークスペクトル推定部44が推定したピークスペクトル分布を記憶する。速度算出部46は、移動方向算出部としての機能を有し、ピークスペクトル推定部44から入力されたピークスペクトル分布から、移動物体10の速度および移動方向を算出する。
(速度推定処理)
以上、第1の実施形態による推定装置30の構成を説明した。続いて、図5を参照し、第1の実施形態による推定装置30の、移動物体10の速度を推定する処理を説明する。
図5は、第1の実施形態による推定装置30の速度推定処理を示した説明図である。
まず、ステップS41で、複素信号生成部41は、ドップラーセンサ20より入力された同相信号I(t)と直交信号Q(t)を用いて、次式で示す複素信号s(t)を生成する。
Figure 2013238442
ドップラーセンサ20によっては、複素信号生成部41は、同相信号I(t)または直交信号Q(t)相当の1チャネルのみ入力される場合もある。この場合、速度推定装置30は、移動体10が接近しているのか、もしくは離反しているのか、を区別できないものの、2チャネル入力された場合と同様に速度を推定することが可能である。具体的には、複素信号生成部41は、実部であるI(t)をドップラーセンサ20により入力された信号とし、虚部Q(t)を0とした実数演算を行う。以下では、ドップラーセンサ20により2チャンネルの入力をされたものとして説明する。
ステップS42で、信号記憶部42は、複素信号生成部41より入力された複素信号s(t)を時系列で所定区間分記憶する。ここで、所定区間とは、サンプル単位または時間単位である。信号記憶部42は、所定区間分の信号データを記憶した場合は、記憶した信号データをすべて周波数スペクトル算出部43に出力する。次に複素信号生成部41から新たな信号が入力されると、信号記憶部42は、記憶した信号データの中で最も古いデータを削除し新たに入力された信号を記憶した上で、記憶した信号データをすべて周波数スペクトル算出部43に出力する。従って、信号記憶部42には常に最新の信号データが記憶され、また常に最新の信号データが周波数スペクトル算出部43に出力される。
信号記憶部42がこのような処理を行う理由は、周波数スペクトル算出部43において、周波数スペクトルを算出するために一定長のデータ系列が必要となるためである。例えば、信号記憶部42が500サンプルのデータを記憶でき、サンプリング周波数が500Hzであるとすると、信号記憶部42は、1秒分のデータを記憶し、周波数スペクトル算出部43へ出力する。ドップラーセンサ20より501番目のデータが入力された場合には、信号記憶部42は、1番目のデータと501番目のデータを入れ替え、2〜501番の1秒分のデータを周波数スペクトル算出部43へ出力する。
ステップS43で、周波数スペクトル算出部43は、信号記憶部42より入力された信号データから、短時間フーリエ変換、またはウェーブレット変換などの周波数解析の手法を用いて周波数スペクトルを算出する。以下では、そのような周波数解析のひとつとして、短時間フーリエ変換を用いた例を説明する。
周波数スペクトル算出部43は、信号記憶部42より入力された複素信号s(t)に対して短時間フーリエ変換を行うことで、次式で示す信号S(ω,τ)を算出する。
Figure 2013238442
ここで、ωは角周波数、τはシフト幅、h(t)は窓関数を示す。周波数スペクトル算出部43は、窓関数h(t)に、対象とする周波数成分にあわせてハニング窓やガウス窓などの任意の窓関数を用いてよい。ここでは、窓関数の一例として、ハミング窓を次式で示す。
Figure 2013238442
例えば、信号記憶部42が500サンプル記憶でき、サンプリング周波数が500Hzであるとすると、まず、信号記憶部42は1秒分の複素信号s(t)を記憶する。周波数スペクトル算出部43は、この信号に対して、窓幅0.2秒(100サンプル分)、シフト幅0.05秒(25サンプル分)で短時間フーリエ変換を行った場合、まずτ=0のときに、0.002秒(1サンプル)から0.2秒(100サンプル)までの信号に対する周波数成分の複素信号を得る。次に、周波数スペクトル算出部43は、τ=0.05のときに、0.05秒(25サンプル)から0.25秒(125サンプル)までの信号に対する周波数成分の複素信号を得る。周波数スペクトル算出部43は、これらの処理を全データに対して適用することで、シフト幅間隔で窓幅長の周波数成分の複素信号の時系列データを算出することができる。
ステップS44で、ピークスペクトル推定部44は、周波数スペクトル算出部43より入力された周波数スペクトルの値とピークスペクトル記憶部45に記憶されている前時刻のピークスペクトルの分布とを用いて、パーティクルフィルタによって、周波数スペクトルのピーク周波数を推定する。以下では、まず、パーティクルフィルタで用いるパーティクルについて説明し、続いて、具体的なパーティクルフィルタによる周波数スペクトルのピーク周波数の推定処理について説明する。
まず、N個の状態ベクトルを以下の式で定義する。
Figure 2013238442
ここで、tは観測時刻を示し、t=0の場合は初期状態、t=1の場合は観測開始後最初に得られた観測値に基づく状態ベクトルを示す。
パーティクルフィルタにおけるパーティクルを、ひとつの上記状態ベクトルとする。パーティクルは以下のように表すことができる。
Figure 2013238442
ただし、i=1、・・・Nとする。
ここで、f は時刻tにおける周波数を指す。また、a は時刻tにおける歩容の振幅を指す。また、p は時刻tにおける歩容の位相を指す。また、c は時刻tにおける歩容の周期を指す。
図6は、歩行時の周波数の時間的変化を示したスペクトログラムである。図6に示した通り、歩行時の周波数の時間的変化を見ると、歩容の1歩に同期した速度で変化の1周期が観測される。人がほぼ一定の速度で歩いているものと仮定したときの周期的な変化の性質である振幅、周期、位相を推定することで、ピークスペクトル推定部44は、歩容の周期に応じた周波数変化のパターンを効率よくトラッキングできる。即ち、パーティクルX を、周波数スペクトルの変化状態を示す周波数、振幅、周期、位相とするとこで、ピークスペクトル推定部44は、歩容の周期に応じてピークスペクトルを推定する。
以上、パーティクルフィルタで用いるパーティクルについて説明した。以下では、上記で説明した図2を再度参照し、上記で説明した歩容の速度変化が周期的に変化する三角波であると仮定したパーティクルを用いて、パーティクルフィルタによりピークスペクトルを推定する処理を説明する。なお、図2を参照して上記で説明した処理と重複するものについては説明を省略する。
まず、ステップS1で、ピークスペクトル推定部44はパーティクルの生成を行う。詳述すると、ピークスペクトル推定部44は、ピークスペクトル記憶部45に記憶されている前時刻のピークスペクトル分布を初期状態として与えられる。前時刻のピークスペクトル分布がない場合は、例えば、初期状態として取り得る値の範囲にほぼ一様に分布する疑似乱数によるピークスペクトル分布がピークスペクトル推定部44に与えられる。サンプリング周波数500Hzの場合、周波数スペクトル算出部43から得られた複素信号の周波数スペクトルの取り得る範囲は、−250Hz〜250Hzとなる。
次に、ステップS2で、ピークスペクトル推定部44は時刻tのパーティクルの分布から時刻t+1の状態を予測する。時刻t+1の状態を予測する状態方程式を以下のように定義する。
Figure 2013238442
Figure 2013238442
Figure 2013238442
Figure 2013238442
Figure 2013238442
Figure 2013238442
Figure 2013238442
ただし、i=1、・・・Nとする。
ここで、fはサンプリング周波数、μはガウス分布による乱数、σ は振幅aの分散、σ は位相pの分散、σ は周期cの分散を示す。
ここで、歩容の速度変化が三角波であると仮定しているため、上記数式10で示したように、周波数変化は図7で示した三角波に基づいている。
図7は、周波数変化を三角波として示した説明図である。
例えば、サンプリング周波数f=500、あるパーティクルの時刻tの状態をX=[100,1.0,0.2,1.0]としたとき、t+1の予測状態はXt+1=[100+vft,1.0+vat,0.2+vpt,1.0+vctとなる。ここで、vat=0、vpt=0、vct=0とすると、vft=0.008となり、t+1の予測状態Xt+1=[100.008,1.0,0.2,1.0]となる。
続いて、ステップS3で、ピークスペクトル推定部44は各パーティクルの尤度を計算する。詳述すると、ピークスペクトル推定部44は、周波数スペクトル算出部43より入力された周波数スペクトルからパワースペクトルを算出し、正規化することにより尤度関数とする。
ピークスペクトル推定部44は、パワースペクトルφ(ω,τ)を以下の式で算出する。
Figure 2013238442
また、尤度関数L(ω、t)は、以下の式で算出する。
Figure 2013238442
ここで、直流成分(ω=0)はノイズとして扱うため、小さくしてもよく、または0にしてもよい。
ピークスペクトル推定部44は、パーティクルが予測したf を用いて、上記数式15により尤度L を算出する。
そして、ステップS4で、ピークスペクトル推定部44はパーティクルのリサンプリングを行う。詳述すると、まず、ピークスペクトル推定部44は次式により尤度L を用いて分布確率P を算出する。
Figure 2013238442
ただし、i=1、・・・Nとする。
この確率に基づき、ピークスペクトル推定部44は、{X´ t+1 i=1からパーティクルをリサンプリングし、次の時刻における状態確率モデル{X t+1 i=1を構成する。例えば、ピークスペクトル推定部44は、確率P が閾値α(例えば、0.001や0.2など)以下のパーティクルXを消滅させ{X t+1 i=1へは移動させない。一方で、ピークスペクトル推定部44は、閾値β(例えば、0.7や0.01など)以上のパーティクルXを、{X t+1 i=1がN個になるよう消滅したパーティクル数と同数だけ複製および増加させて{X t+1 i=1へ移動させる。閾値β以上のパーティクルが複数ある場合は、ピークスペクトル推定部44は、消滅したパーティクル数を閾値β以上のパーティクル数で等分割し、その分それぞれのパーティクルを複製および増加させてもよい。他にも、ピークスペクトル推定部44は、尤度を重みとして尤度が高いものをより多く複製および増加させてもよい。また、ピークスペクトル推定部44は、閾値αより大きく閾値β未満のパーティクルを、そのまま{X t+1 i=1へ移動するなどの方法をとることができる。
最後に、ステップS5で、ピークスペクトル推定部44はピークスペクトルの周波数を推定する。詳述すると、ピークスペクトル推定部44は、ステップS4において予測した状態確率モデル{X t+1 i=1からピークスペクトルを算出する。状態確率モデルがひと山分布であれば、最大値や平均値、最頻値をピークスペクトルの周波数としてもよい。また、状態確率モデルの分布がふた山以上であれば、k−means法などでN個未満のクラスタに群分けし、多くのパーティクルが属するクラスタの最大値や平均値、最頻値をピークスペクトルの周波数としてもよい。
例えば、胴体と両腕のパワースペクトルが大きいとすると、状態確率モデルは3つのクラスタに分けられると考えられるため、ピークスペクトル推定部44は、3つのピークスペクトルの周波数を推定できる。ここで、ピークスペクトル記憶部45は、予測された状態確率モデル{X t+1 i=1および推定されたピークスペクトルの周波数のパーティクルを記憶する。
次の時刻t+1で新しい観測地S(ω,τ)が得られると、ピークスペクトル推定部44は、ステップS1におけるパーティクルの生成からの処理を繰り返す。
以上、歩容の速度変化が三角波である仮定してパーティクルフィルタによりピークスペクトルを推定する処理を説明した。以下では、引き続き図5を参照し、推定したピークスペクトルの周波数を用いて対象物の速度を推定する。
続いて、ステップS45で、ピークスペクトル記憶部45はピークスペクトルの変化状態を記憶する。ここで、変化状態とは、上記で説明した、ピークスペクトル推定部44において予測された状態確率モデル{X t+1 i=1および推定されたピークスペクトルの周波数のパーティクルを指す。
最後に、ステップS46で、速度算出部46は、ピークスペクトル推定部44より入力されたピークスペクトルの周波数f d,tを用いて次式により速度vを算出する。
Figure 2013238442
ただし、i=1,・・・,Mとする。ここで、Mは推定したピークスペクトル数、fthは送信周波数を示し、cは光速(3×10^8[m/s])を示す。
例えば、送信周波数fthが24.11GHz、ピークスペクトルの周波数f d,tが1Hzだとすると、速度vは0.0062[m/s]となる。
このとき、速度vが正の値であれば移動物体10の移動方向が接近方向であることを示し、速度vが負の値であれば移動物体10の移動方向が離反方向であることを示す。即ち、速度算出部46は、速度vを算出することで、移動物体10の速度および移動方向を出力する。
(効果)
以上説明したように、第1の実施形態によれば、複数の移動物体10の速度を推定することができる。以下では、図8および9を参照して、第1の実施形態による推定装置30の、比較例と比較して有利な効果を説明する。
図8は、移動物体10が2つある場合の周波数スペクトルの時系列変化を示した第1の説明図である。図8の破線100および1点破線104は、2つの移動物体10にそれぞれ対応している。比較例による推定装置は、2つのピークスペクトルを同時にトラッキングできず、また、周波数スペクトルの平均値を結果として出力するので、トラッキング結果は図8の実線108のようになる。一方で、第1の実施形態による推定装置30は、2つのピークスペクトルを同時にトラッキングできるので、図8の(1)のように周波数スペクトルのピークが離れて存在している場合でも、2つのピーク値を推定できる。その上、図8の(2)のように途中で交差している場合においても、歩容の速度変化を予測に用いているので、2つのピークを混同することなく、正しくトラキングすることができる。
図9は、移動物体10が2つある場合の周波数スペクトルの時系列変化を示した第2の説明図である。図9の破線112および1点破線116は、2つの移動物体10にそれぞれ対応している。第1の実施形態による推定装置30は、図9の(3)のように周波数スペクトルのピーク周波数が重なる場合においても、歩容の速度変化を予測に用いているので、2つのピークを混同することなく、正しくトラキングすることができる。
このように、第1の実施形態による推定装置30は、パーティクルの変化状態としてピーク周波数に加え、振幅、位相、周期を用いてパーティクルの予測ステップに用いることで、移動物体10が複数ある場合もそれぞれの速度を推定できる。尚且つ、第1の実施形態による推定装置30は、移動物体10のパワースペクトルが小さく周波数(速度)変動が大きい場合や、周波数(速度)変動がガウス分布に従わない場合であっても、速度を推定できる。さらに、第1の実施形態による推定装置30は、同一時刻に同等のパワースペクトルを持つ2つ以上の移動物体10に対しても、それぞれの速度を推定できる。従って、第1の実施形態による推定装置30は、例えば、人の歩行時においては、胴体と、胴体に比べてパワースペクトルが小さく、また速度変動が大きく、且つガウス分布に従わない両腕の速度を、それぞれ推定およびトラッキングすることができる。
[3−2.第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した速度推定部40により出力された移動物体10の速度および移動方向の時系列変化を用いて移動物体10の状態を推定する形態である。
(構成)
以下では、図10、11を参照し、第2の実施形態による推定装置30の構成について説明する。なお、「1.推定システムの基本構成および推定処理」または「3−1.第1の実施形態」において、図1および4を参照して説明した構成と重複するものについては説明を省略する。
図10は、本発明の第2の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。図10に示したように、本発明の第2の実施形態による推定装置30は、移動物体10の状態を推定する状態推定部50を含む。そして、本発明の第2の実施形態による推定装置30は、移動物体10が定常状態にあるか、または非定常状態にあるか、を推定する。
状態推定部50は、速度推定部40により出力された移動物体10の速度および移動方向を用いて、移動物体10が定常状態にあるか、または非定常状態にあるか、を推定する。例えば、移動物体10を人間とすると、定常状態を歩行、非定常状態を転倒としてもよい。
図11は、本発明の第2の実施形態による推定装置30の有する状態推定部50の構成を示した説明図である。図11に示したように、状態推定部50は、速度記憶部51と、状態検出部52と、を含む。
速度記憶部51は、速度推定部40より入力された移動物体10の速度および移動方向の時系列変化を記憶する。状態検出部52は、速度記憶部51に記憶された速度および移動報告の時系列変化を用いて、移動物体10が定常状態にあるか、または非定常状態にあるか、を検出する。
(状態推定処理)
以下では、図12を参照し、第2の実施形態による推定装置30の、移動物体10の状態を推定する処理について説明する。ただし、以下では、状態推定部50は速度推定部40により速度のみ入力される例を説明する。なお、状態推定部50は、速度推定部40により速度および移動方向が入力され、入力された速度および移動方向に基づいて移動物体10の状態を推定してもよい。
図12は、第2の実施形態による推定装置30の状態推定処理を示した説明図である。
まず、ステップS51で、速度記憶部51は、速度推定部40により入力された速度を一定区間記憶する。このとき、入力される速度の時間間隔は、周波数スペクトル算出部43で行われる短時間フーリエ変換のシフト幅に依存する。例えば、シフト幅が0.05秒であれば、速度推定部40より入力される速度も0.05秒間隔となる。また、速度記憶部51で1000サンプル記憶したとすると、50秒分の速度データを有することになる。そして、速度推定部40から1001番目の速度データが入力された場合は、速度記憶部51は1番古いデータを破棄し、1001番目のデータを記憶する。このように、速度記憶部51は、常に最新のデータが記憶されている状態をとる。
次にステップS52で、状態検出部52は速度記憶部51により入力された速度データを用いて、移動物体10が定常状態にあるか、または非定常状態にあるか、を検出する。詳述すると、まず、状態検出部52は速度記憶部51より一定区間分の速度データを入力される。続いて、状態検出部52は、入力された速度データの時系列変化に対して自己回帰モデルを適用する。なお、状態推定部50に、速度推定部40により速度および移動方向が入力された場合は、状態検出部52は正負の符号をもつ速度データの時系列変化に対して自己回帰モデルを適用してもよい。ここで、自己回帰モデルは以下の式で表すことができる。
Figure 2013238442
ここで、aは自己回帰係数、pは次数、eは誤差を示す。また、誤差eはゼロを平均値とする正規分布に従う。
状態検出部52が、入力された速度データに対して自己回帰モデルを適用する方法として、例えば、ユールウォーカー法、最小自乗法、最尤法、Burg法などがある。以下では、以下の式で示すユールウォーカー法を用いた例を説明する。
Figure 2013238442
ただし、m=0,・・・,pとする。
ここで、γはyの自己共分散関数、σは誤差の標準偏差、δはクロネッカーのデルタを示す。ここで、状態検出部52は、上記数式19で示したp+1個の方程式をaについて解くことで、自己回帰係数を得る。また、クロネッカーのデルタは以下の式で表すことができる。
Figure 2013238442
また、m=0のとき、以下の式により誤差の分散σ が求まる。
Figure 2013238442
以上、ユールウォーカー法を用いて、状態検出部52が、速度記憶部51により入力された速度データに対して自己回帰モデルを適用する例を説明した。
続いて、ステップS53で、状態検出部52は、予測値と観測値との誤差が閾値以下か否かを判定する。詳述すると、まず、現時刻tにおいて上記数式18により求めた予測値yと速度推定部40が推定した速度vとの誤差eは、以下の式で算出することができる。
Figure 2013238442
ここで、誤差eは速度vが定常状態のときはゼロに近づき、非定常状態になるとゼロから遠ざかる性質を持つ。そこで、状態検出部52は、誤差eが閾値以下であればステップS54で定常状態であると推定し、閾値を超えた場合はステップS55で非定常状態であると推定する。ここで、誤差eは、例えば±σでもよい。
(効果)
以上説明したように、第2の実施形態によれば、推定装置30は、移動物体10の速度および移動方向の時系列変化を自己回帰モデルに適用することで、移動物体10の移動速度変化が歩行のような定常的な動作から、転倒のような非定常動作に移ったときに、異常として検出することができる。
このとき、「3−1.第1の実施形態」で上記説明したように、速度推定部40は複数の移動物体10の速度を推定できるので、本実施形態による推定装置30は、複数の移動物体10の状態を推定することができる。また、速度推定部40は、速度変化が急激であっても周期的である場合はトラッキング可能であるので、速度変化が急激な場合であっても周期範囲内であれば定常状態であると推定でき、速度変化が緩慢であっても周期範囲外であれば非定常状態であると推定できる。また、状態検出部52は、速度および移動方向の時系列変化に対して自己回帰モデルを適用した場合も、速度の時系列変化に対して自己回帰モデルに適用した場合も、移動物体10の状態を推定できる。従って、推定装置30は、ドップラーセンサ20により2チャンネルの入力をされた場合も、1チャンネルのみの入力をされた場合も、移動物体10の状態を推定できる。
[3−3.第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態で説明した状態推定部50が、移動物体10は非定常状態にあると推定した場合に、移動物体10の動作を推定する形態である。
(構成)
以下では、図13を参照し、第3の実施形態による推定装置30の構成について説明する。なお、「3−2.第2の実施形態」の構成において、図10および11を参照して説明した構成と重複するものについては説明を省略する。
図13は、本発明の第3の実施形態による推定システムの構成を示した説明図である。図13に示したように、本発明の第3の実施形態による推定装置30は、移動物体10の動作を推定する動作推定部60を含む。そして、本発明の第3の実施形態による推定装置30は、移動物体10の動作を推定する。
動作推定部60は、状態推定部50が移動物体10は非定常状態にあると推定した場合に、移動物体10の動作を推定する。
(動作推定処理)
以下では、図14〜18を参照し、第2の実施形態による推定装置30の、移動物体10の動作を推定する処理について説明する。
図14は、第3の実施形態による推定装置30の動作推定処理を示した説明図である。
まず、ステップS61で、動作推定部60は、状態推定部50により入力された移動物体10の状態が、定常状態であるか、非定常状態であるか、を判定する。このとき、定常状態である場合は、動作推定部60は現時刻における処理を終了し、非定常状態である場合は、ステップS62に進む。
状態推定部50が移動物体10は非定常状態にあると推定した場合に、ステップS62で、動作推定部60は、移動物体10の動作を推定する。詳述すると、ドップラー信号より算出される特徴量の示す性質が、移動物体10の所定動作を示す特徴量の性質と適合する場合に、動作推定部60は、移動物体10の動作は特徴量の性質が適合した該所定動作である、と推定する。以下では、このような移動物体10の所定動作が示す特徴量の性質の例として、移動物体10を人の胴体とし、所定動作を転倒したとき、および寝そべったときとし、特徴量を移動方向、速度および加速度の時系列変化としたときの、これら特徴量の示す性質を説明する。
図15は、人が転倒した際の胴体の速度の推定結果を示した図である。また、図16は、人が転倒した際の胴体の加速度の推定結果を示した図である。また、図17は、人が寝そべった際の胴体の速度の推定結果を示した図である。また、図18は、人が寝そべった際の胴体の加速度の推定結果を示した図である。また、図15〜18において、図の上部は正の周波数領域、即ち接近方向の成分を示し、図の下部は負の周波数領域、即ち離反方向の成分を示す。ここで、これらの速度および移動方向は速度推定部40により推定される。また、加速度は速度より容易に求まるので、加速度は速度推定部40により出力される。
図15が示す通り、転倒した際の速度は、正の周波数領域はほぼゼロに近い値をとる一方で、負の周波数領域では激しく上下する。同様に、図16が示す通り、転倒した際の加速度は、正の周波数領域はほぼゼロに近い値をとる一方で、負の周波数領域では激しく上下する。また、図17が示す通り、寝そべった際の速度は、正の周波数領域はほぼゼロに近い値をとり、負の周波数領域ではゆるやかに上下する。同様に、図18が示す通り、転倒した際の加速度は、正の周波数領域および負の周波数領域において、共にほぼゼロに近い値で緩やかに変動する。
このように、人が転倒や寝そべるといった動作を行った場合には、ドップラー信号より算出される人の移動方向、速度および加速度に、その動作特有の性質が現れる。従って、動作推定部60は、ドップラー信号より算出される人の移動方向、速度および加速度の示す性質が、上記のような動作特有の性質と適合する場合に、適合する動作をその人の動作であると推定することができる。例えば、図15および16のような性質を示した際には、動作推定部60は、人は転倒したと推定することができ、また、図17および18のような性質を示した際には、動作推定部60は、人は寝そべったと推定することができる。
以上、移動物体10を人の胴体とし、人が転倒したとき、および寝そべったときの例を説明したが、その他にも静止したときや、歩行したときなどの動作についても同様に推定することができる。また、特徴量として移動物体10の移動方向、速度および加速度を用いる例を説明したが、移動方向、速度および加速度を併せて用いなくてもよい。即ち、動作推定部60は、上記の例において周波数領域を正負に分けることなく、正負の符号のない速度の時系列変化のみ、または正負の符号のない加速度の時系列変化のみを特徴量として用いてもよい。また、動作推定部60は、特徴量として他にも例えば、移動物体10のピークスペクトルの周波数の時系列変化、速度の分布、ピークスペクトルの周波数の分布などを用いてもよい。
例えば、動作推定部60が特徴量として移動物体10のピークスペクトルの周波数の時系列変化を用いる場合について説明する。上記数式1で示したように、速度はピークスペクトルの周波数により算出されるので、上記で説明した特徴量として速度を用いた処理と同様の処理により、動作推定部60は移動物体10の動作を推定してもよい。また、動作推定部60が特徴量として速度の分布を用いる場合について説明する。例えば、移動物体10が複数存在する場合に、動作推定部60は、速度が所定の閾値を超えた移動物体10の全体に占める割合や、移動物体10の速度のとる範囲の広狭を特徴量の性質として移動物体10の動作を推定してもよい。また、特徴量としてピークスペクトルの周波数の分布を用いる場合について説明する。例えば、動作推定部60は、特徴量として速度の分布を用いた場合と同様に、周波数が所定の閾値を超えたピークスペクトルの全体に占める割合や、ピークスペクトルの周波数のとる範囲の広狭を特徴量の性質として移動物体10の動作を推定してもよい。
なお、上記で説明した、ある動作特有の特徴量の性質を、SVM(Support Vector Machine)または誤差逆伝播法(Backpropagation)などの学習モデルを用いて学習および識別してもよい。
(効果)
以上説明したように、第3の実施形態によれば、移動物体10が非定常状態である場合に、移動物体10の動作を推定することができる。例えば、人が歩行のような定常状態から、何らかの非定常状態に移ったときに、それが例えば寝ころびなのか、転倒なのかを判別することができる。
また、「3−1.第1の実施形態」および「3−2.第3の実施形態」で上記説明したように、速度推定部40は複数の移動物体10の速度を推定でき、状態推定部50は複数の移動物体10の状態を推定できるので、本実施形態による推定装置30は、複数の移動物体10の動作を推定することができる。また、動作推定部60は、特徴量に移動方向を含めた場合も、含めない場合も、移動物体10の動作を推定できる。従って、推定装置30は、ドップラーセンサ20により2チャンネルの入力をされた場合も、1チャンネルのみの入力をされた場合も、移動物体10の動作を推定できる。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の第1の実施形態〜第3の実施形態によれば、ドップラー信号から複数の対象物の速度、状態および動作を推定することが可能である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1の実施形態では、ひとりの人間の歩行を例として説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、歩行ペースや腕の振り方などに個人差があることから、複数の人間の歩行を対象として、それぞれの人間の速度を推定してもよい。また、建物の入り口などにドップラーセンサを設置し、接近速度・離反速度を推定することで、建物の入退場者をカウントしてもよい。
また、例えば、上記第2の実施形態では、定常状態として歩行を例として説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、人間の体に電波センサを設置し、呼吸や心拍を対象とすることで、人間の安静検知を行ってもよい。
例えば、上記第3の実施形態では、対象物が非定常状態であるときに動作を推定する、としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、人の歩行時の特徴量の性質、および自動車の通行時の特徴量の性質をそれぞれ学習および識別することで、対象物が人なのか、または自動車なのか、を推定することも可能である。よって、対象物の動作が示す特徴量の性質を用いて、対象物が何かを識別してもよい。
10 移動物体
20 ドップラーセンサ
30 推定装置
40 速度推定部
41 複素信号生成部
42 信号記憶部
43 周波数スペクトル算出部
44 ピークスペクトル推定部
45 ピークスペクトル記憶部
46 速度算出部
50 状態推定部
51 速度記憶部
52 状態検出部
60 動作推定部

Claims (19)

  1. 対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、
    前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部と、
    前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部と、
    前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部と、
    を備える、推定装置。
  2. 前記ピークスペクトル推定部は、前記変化状態が周期的に変化すると仮定して前記変化状態を更新する、請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記変化状態は、前記ピークスペクトルの周波数、ならびに前記変化状態の周期的な変化の性質である、請求項2に記載の推定装置。
  4. 前記変化状態の周期的な変化の性質は、振幅、位相および周期である、請求項3に記載の推定装置。
  5. 前記状態空間モデルはパーティクルフィルタであり、
    前記パーティクルフィルタは前記変化状態をパーティクルとする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の推定装置。
  6. 前記ピークスペクトル推定部は、前記パーティクルのもつ前記ピークスペクトルの周波数の分布が複数の山を持つ場合に前記パーティクルを群分けし、群ごとに前記ピークスペクトルの周波数を推定する、請求項5に記載の推定装置。
  7. 直交検波により、前記ドップラー信号が2波得られる場合に前記対象物の移動方向を算出する移動方向算出部と、
    前記速度算出部により算出された前記対象物の速度および前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向の時系列変化を自己回帰モデルに適用し、適用結果を用いて前記対象物が定常状態にあるか非定常状態にあるかを推定する状態推定部と、
    をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の推定装置。
  8. 前記状態推定部は、前記自己回帰モデルに基づいて予測した前記対象物の速度および移動方向と、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度および前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向との差分に基づき、前記差分が所定の閾値を超えない場合に前記対象物が定常状態にあると推定し、前記差分が前記閾値を超えた場合に前記対象物が非定常状態にあると推定する、請求項7に記載の推定装置。
  9. 前記ドップラー信号が1波得られる場合に前記速度算出部により算出された前記対象物の速度の時系列変化を自己回帰モデルに適用し、適用結果を用いて前記対象物が定常状態にあるか非定常状態にあるかを推定する状態推定部をさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の推定装置。
  10. 前記状態推定部は、前記自己回帰モデルに基づいて予測した前記対象物の速度と、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度との差分に基づき、前記差分が所定の閾値を超えない場合に前記対象物が定常状態にあると推定し、前記差分が前記閾値を超えた場合に前記対象物が非定常状態にあると推定する、請求項9に記載の推定装置。
  11. 前記状態推定部により前記対象物が非定常状態にあると推定された場合に、前記ドップラー信号より算出される特徴量の示す性質と前記対象物の所定動作を示す前記特徴量の性質との適合度に基づいて前記対象物の動作を推定する動作推定部をさらに備える、請求項7〜10のいずれか一項に記載の推定装置。
  12. 前記速度算出部は、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度を用いて前記対象物の加速度を算出し、
    前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された前記対象物の加速度の時系列変化である、請求項11に記載の推定装置。
  13. 前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された前記対象物の速度の時系列変化である、請求項11に記載の推定装置。
  14. 前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記移動方向算出部により算出された前記対象物の移動方向の時系列変化を含む、請求項7を引用する請求項12または13のいずれか一項に記載の推定装置。
  15. 前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記ピークスペクトル推定部により推定された前記ピークスペクトルの周波数の時系列変化である、請求項11に記載の推定装置。
  16. 前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記速度算出部により算出された速度の分布である、請求項11に記載の推定装置。
  17. 前記ドップラー信号より算出される特徴量は、前記ピークスペクトル推定部により推定されたピークスペクトルの周波数の分布である、請求項11に記載の推定装置。
  18. 対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出するステップと、
    前記周波数スペクトルの変化状態を記憶するステップと、
    前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するステップと、
    前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出するステップと、
    を備える、推定方法。
  19. コンピュータを、
    対象物のドップラー信号から所定周期で周波数スペクトルを算出する周波数スペクトル算出部と、
    前記周波数スペクトルの変化状態を記憶する変化状態記憶部と、
    前記周波数スペクトルならびに前時刻の前記変化状態に基づいて状態空間モデルにより前記変化状態を更新し、更新された前記変化状態に基づいて1つ以上のピークスペクトルの周波数を推定するピークスペクトル推定部と、
    前記ピークスペクトルの周波数から前記対象物の速度を算出する速度算出部と、
    を備える、推定装置
    として機能させるためのプログラム。
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