JP2013238436A - 透光性物体検査装置および透光性物体検査方法 - Google Patents

透光性物体検査装置および透光性物体検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体、または複数の層から形成された板状の透光性物体において、板状物体間または層間に存在する凹凸状欠陥の凹凸の度合いが小さくても、精度よく凹凸状欠陥を検出する。
【解決手段】 光を干渉縞作成部20にて干渉させたうえでステージ2にセットした透光性物体OBに照射し、カメラCで撮影した画像に干渉縞が生じるようにする。カメラCが出力する画像データをコントローラ50に取り込み、プログラム処理によりカメラCの撮像素子の各画素ごとに微分データを計算し、微分データから画像を作成した場合の画像における明と暗の境界点を検出する。そして境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算し、許容値より大きい場合、欠陥が存在すると判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体または複数の層から形成された板状の透光性物体の、板状物体間または層間に存在する凹凸状欠陥を検査する透光性物体検査装置または透光性物体検査方法に関する。
タッチパネルは、ディスプレイの上に薄い板状のガラス基板を密着させ、その上にITO電極が形成されたフィルム状の透明電極層を接着させ、その上に透明な導電性の層や表面層等、いくつかの層を形成させた構造になっている。人が指で表面を触ると、透明電極層の抵抗または静電容量が変化することで入力を検出し、ディスプレイに表示された画像を変化させることができる。このようにタッチパネルは板状のガラス基板の上に透明な層を複数形成させた構造になっているが、ガラス基板と透明電極層は透明な接着材で接着されており、この接着のさせ方が悪いと、ガラス基板と透明電極層との間の広い領域に、連続する微小な凹凸(以下、オレンジピール欠陥という)が形成される。このオレンジピール欠陥があるとディスプレイの表示が歪んで見えるという不具合がある。よって、ガラス基板と透明電極層とを接着させた後、接着させた箇所にオレンジピール欠陥が形成されていないか検査する必要がある。複数の層から形成された透光性物体を検査する方法としては、特許文献1に示されているように、光を透光性物体の表面に対して斜めから照射して反射光を目視で観察し、または反射光をカメラに入射させて反射光による画像を作成し、正常なものと比較する方法がある。この方法であれば、照射した光は透光性物体の表面で反射するだけでなく、層と層の境界でも反射するため、表面のみならず層間に凹凸があれば正常なものと見え方、または画像に差があり、異常を検出することができる。
特開2001−116925号公報
しかしながら、タッチパネルのガラス基板と透明電極層との間に発生するオレンジピール欠陥は、非常に凹凸の度合いが小さく、光を透光性物体の表面に対して斜めから照射して反射光を目視で観察しても、または反射光による画像を作成しても、正常なものと比較してほとんど差が見られない。よって、従来の方法ではオレンジピール欠陥を検出するのが困難である。このため、現状はタッチパネルを完成品まで作成した後の検査で不具合が見つかることが多く、製造コストがUPするという問題がある。
本発明は、上記問題を解消するためなされたもので、その目的は、薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体、または複数の層から形成された板状の透光性物体において、板状物体間または層間に存在する凹凸状欠陥の凹凸の度合いが小さくても、精度よく凹凸状欠陥を検出することができる透光性物体検査装置または透光性物体検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体、または複数の層から形成された板状の透光性物体に、透光性物体の表面および内部から反射光が生じるように光を照射する光照射手段と、透光性物体からの反射光を受光器で受光して、それぞれの受光箇所の受光強度を明度にした受光画像データを作成する画像データ作成手段とを備え、画像データ作成手段により作成された受光画像データを解析処理することにより、透光性物体の薄い板状物体間、または層間に存在する欠陥の有無を検査する透光性物体の検査装置において、光照射手段から照射された光が透光性物体に照射される前に、光照射手段から照射された光を干渉させ、画像データ作成手段により作成された受光画像データにより画像を作成したとき、画像に干渉縞が生じるようにする干渉手段と、受光器のそれぞれの受光箇所における受光画像データを、それぞれの受光箇所の周囲の受光箇所における受光画像データを用いて微分した微分値を、それぞれの受光箇所ごとに計算する微分データ計算手段と、干渉縞のラインの直角方向における微分データ計算手段により計算された微分値の変化曲線において、予め設定した値のラインをクロスする箇所を境界点として検出し、検出した境界点を干渉縞のライン方向における同一の境界である群ごとにまとめ、まとめた群ごとに境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算する境界変動度合計算手段とを備えたことにある。
これによれば、透光性物体に光照射手段により光を照射し、透光性物体からの反射光を受光して画像データ作成手段により作成した受光画像データを基に作成した画像には、干渉縞作成手段により光照射手段から照射された光を干渉させているため干渉縞が生じる。透光性物体の薄い板状物体間、または層間に存在する凹凸状欠陥の凹凸の度合いが小さいと、この干渉縞の画像は凹凸状欠陥が存在しない場合と比較して大きな差は現れない。しかし、発明者は、凹凸の度合いが小さくても干渉縞の画像の微分画像には大きな差が現れることを確認した。具体的には、明部と暗部の縞からなる微分画像における明部と暗部の境界は直線から大きくずれることを確認した。よって、微分データ計算手段により、受光画像データを用いて微分した微分値をそれぞれの受光箇所ごとに計算し、境界変動度合計算手段により、干渉縞のラインの直角方向における微分値の変化曲線において予め設定した値のラインをクロスする箇所を境界点として検出し、検出した境界点を干渉縞のライン方向における同一の境界である群ごとにまとめ、まとめた群ごとに境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算すれば、計算した値が閾値を超えるか否かにより、凹凸の度合いが小さくても凹凸状欠陥を精度よく検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、上記本発明において、境界変動度合計算手段により計算された群ごとの境界変動度合のばらつきを計算するばらつき計算手段を備えたことにある。
これによれば、透光性物体の薄い板状物体間または層間に所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸状欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物と区別したうえで検出することができる。具体的に説明すると、透光性物体の表面や透光性物体の薄い板状物体間または層間に局在する欠陥がある場合や、透光性物体の表面に異物の付着がある場合でも、境界変動度合計算手段により計算された境界変動度合の値は大きくなる可能性がある。しかし、局在する欠陥や異物の付着は連続していないため、境界変動度合のばらつきは、板状物体間または層間に所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸状欠陥に対して差がでる。すなわち、板状物体間または層間に所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸状欠陥の場合は境界変動度合のばらつきは小さく、局在する欠陥や異物の付着の場合は境界変動度合のばらつきは大きくなる。よって、ばらつき計算手段により境界変動度合のばらつきを計算すれば、境界変動度合と境界変動度合のばらつきとを用いて判定することで、所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸状欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物と区別したうえで検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、上記本発明において、微分データ計算手段により計算されたそれぞれの受光箇所ごとの微分値を、明度に変換した微分画像データを作成し、微分画像データにより作成された画像を表示することにある。
これによれば、表示された画像を見ることでも凹凸状欠陥を検出することができる。また、所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸状欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物と区別したうえで検出することもできる。
また、本発明は、少なくとも透明基板上に透明電極の層が形成されたタッチパネルにおいて、透明基板と透明電極の層の間に、所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸を検査する透光性物体の検査装置に適用すると特に有用である。
さらに、本発明の実施にあたっては、本発明は、透光性物体の検査装置の発明に限定されることなく、透光性物体の検査方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の透光性物体検査装置の全体構成図である。 (A)はカメラの受光画像データから作成した干渉縞の画像を簡略的に示した図であり、(B)は干渉縞のライン方向の垂直方向における受光画像データの変化を示した図であり、(C)はカメラの受光画像データの微分値を明度に変換した微分画像データから作成した画像を簡略的に示した図であり、(D)は干渉縞のライン方向の垂直方向における微分画像データの変化を示した図である。 (A)はオレンジピール欠陥が存在しない場合の境界点を視覚的に示した図であり、(B)はオレンジピール欠陥が存在する場合の境界点を視覚的に示した図である。 検査対象物の検査箇所(カメラの撮影箇所)が移動する様子を視覚的に示した図である。 干渉縞のライン方向の垂直方向における境界点を検出し、各境界点を変数p,qで識別する処理を視覚的に示した図である。 干渉縞のラインの境界点において、変数qが同一でも干渉縞のラインが同一にならない理由を示した図である。 図1のコントローラによって実行される欠陥検出プログラムにおけるカメラの移動と受光画像データの取り込み処理を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される欠陥検出プログラムにおける受光画像データの解析処理と判定処理を示すフローチャートの前半部分である。 図1のコントローラによって実行される欠陥検出プログラムにおける受光画像データの解析処理と判定処理を示すフローチャートの後半部分である。
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る透光性物体検査装置の全体構成図である。この透光性物体検査装置は、タッチパネルにおいて板状のガラス基板にフィルム状の透明電極層を接着させ、その上に導電層や表面層等のいくつかの層を形成させた板状の透光性物体(以下、タッチパネル用平板という)OBを検査する装置であり、特にガラス基板と透明電極層との間に発生する可能性のあるオレンジピール欠陥を検査する装置である。なお、以後の説明において、図1における紙面垂直方向をX方向といい、図1における左右方向をY方向ということにする。
この透光性物体検査装置は、平板状の基台3にタッチパネル用平板OBをセットするステージ2と、ステージ2にセットされたタッチパネル用平板OBに光を照射し、反射光を受光して受光画像データを取得する測定部1が設けられている。また、測定部1に設けられたいくつかの回路およびカメラCに対して指令を出力するとともに、測定部1に設けられたいくつかの回路およびカメラCからデジタルデータを入力してプログラム処理するコントローラ50を備えている。コントローラ50は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータと、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置と、入出力インタフェース等から構成される電子制御装置である。記憶装置には、後述する欠陥検出プログラムを含む各種プログラムが記憶されている。そして、コントローラ50には、コントローラ50に指令やデータを入力するキーボードやマウス等からなる入力装置52と、透光性物体検査装置の作動状況、検査結果を示すとともにカメラCからの受光画像データを基に作成した画像を表示する、液晶パネルやCRT等からなる表示装置54とが接続されている。
測定部1は、レーザ光源10、コリメーティングレンズ12、エキスパンダーレンズ14,16、レーザ径調整用リング18および干渉縞作成部20からなる照射光学系と、受光光学系であるカメラCと、カメラCを互いに直交する2方向に移動させるカメラ移動機構部30とを備えている。レーザ光源10は、レーザ駆動回路40から駆動信号が入力すると設定された強度のレーザ光を出射する。レーザ駆動回路40は、コントローラ50からレーザ照射開始の指令が入力するとレーザ光源10から設定された強度のレーザ光が出射するよう、レーザ光源10に設定された強度の電圧および電流を供給し、コントローラ50からレーザ照射停止の指令が入力すると、レーザ光源10への電圧および電流の供給を停止する。レーザ光源10から出射されるレーザ光は、コヒーレント性の高いものであり、後述する干渉縞作成部20で反射した後に光を受光した箇所には干渉縞が生じる。コリメーティングレンズ12はレーザ光源10から出射されたレーザ光を平行光にしてエキスパンダーレンズ14に入射させる。エキスパンダーレンズ14,16は、レーザ光の断面径を大きくして、径調整用リング18に入射させる。径調整用リング18は、レーザ断面の円中心から所定の半径内にあるレーザ光のみを通過させて、干渉縞作成部20に入射させる。レーザ光の断面における径方向のレーザ光強度は、ガウス型の分布になっており、これによりレーザ光の断面における周辺付近の強度の弱いレーザ光は除かれ、強度の強いレーザ光のみが干渉縞作成部20に入射する。
干渉縞作成部20は直角の角度をもつプリズム22と板状ガラス24の面を突起26,28を介して合わせたものである。突起26は紙面垂直方向に同じ高さのものが2つあり、突起28は突起26とは高さが微妙に異なり、紙面垂直方向の位置は2つある突起26の中間位置になっている。すなわち、板状ガラス24の表面の垂直方向から見ると、突起26,28は二等辺三角形の頂点の位置にある。このため、プリズム22の90度の角度に対向する面と板状ガラス24の表面とは平行からややずれており、レーザ光がプリズム22の90度の角度を成す面の1つに垂直に入射し、プリズム22の90度の角度に対向する面と板状ガラス24の表面とで反射すると、反射した2つの光は場所によって光路差が異なるため干渉することにより干渉縞が生じる。すなわち、プリズム22の90度の角度を成す面のもう1つから出射した光を受光した箇所には干渉縞が生じる。
ステージ2は基台3に取付けられた平板2bと、この平板2bと45度の角度を成す平板2aからなり、この平板2aにはタッチパネル用平板OBを載置したとき、タッチパネル用平板OBを支持するための突起2cが設けられている。突起2cはX方向の1つのラインに数個、Y方向の1つのラインに数個が形成され、タッチパネル用平板OBをこの突起に接触するよう載置すると、突起2cのX方向ラインとY方向ラインが交差した点に、タッチパネル用平板OBの角がくるようになっている。レーザ光源10から出射されたレーザ光は基台3に垂直になるように調整されており、プリズム22の90度の角度に対向する面は基台3と45度の角度になるよう調整されているため、干渉縞作成部20から出射された光は基台3と平行になり、タッチパネル用平板OBに45度の角度で入射する。このため、タッチパネル用平板OBで反射した光は基台3に対して垂直になり、カメラCに入射する。タッチパネル用平板OBでの光の反射は表面および内部の層間において起こる。そして、ステージ2は、干渉縞作成部20から出射された光が形成する干渉縞のラインが、ステージ2の平板2aの横方向(図1の紙面垂直方向、すなわちX方向)と平行になるよう調整されている。これにより、タッチパネル用平板OBの表面は平面かつ長方形であるので、タッチパネル用平板OBをステージ2の平板2aに載置したとき、干渉縞のラインはタッチパネル用平板OBの表面横方向と平行に生じることになる。
カメラCは、集光レンズによりCCDまたはCMOS等からなる撮像素子により像が形成され、撮像素子の各画素が出力する信号の強度(各画素における明度に相当する)をデジタルデータに変換して出力するものである。カメラCの集光レンズの光軸は基台3に対して垂直になるよう調整されており、集光レンズの光軸に対して撮像素子は垂直になっている。また、カメラCの集光レンズの光軸方向位置は、被写界深度の中心がタッチパネル用平板OBの表面と集光レンズの光軸との交点付近なるように調整されているため、撮像素子で受光された光によりタッチパネル用平板OB表面の像が形成される。前述のように、干渉縞作成部20から出射した光を受光した箇所には干渉縞が生じるため、タッチパネル用平板OB表面には干渉縞が生じ、タッチパネル用平板OB表面の像が形成されるカメラCの撮像素子にも干渉縞が生じる。なお、干渉縞作成部20からの光は前述のようにタッチパネル用平板OBの表面と内部の層間において反射するため、カメラCの撮像素子に生じる干渉縞はタッチパネル用平板OBの表面と内部の層間からの反射光によるものである。カメラCの撮像素子における画素の縦と横の並び方向(撮影画像の縦方向と横方向に相当する)は、X方向およびY方向と平行になるように調整されており、これにより、撮像素子に生じる干渉縞のラインは、撮像素子の画素の横の並び方向とほぼ平行になる。すなわち、撮影画像の略横方向に干渉縞が観測される。カメラCは、後述するコントローラ50から指令が入力すると、各画素における明度に相当する値のデジタルデータをコントローラ50に出力することを開始する。コントローラ50はこのデジタルデータを基に画像データを作成し、表示装置54に出力して撮影画像を表示させる。
カメラ移動機構部30は、カメラCをX方向とY方向に移動させる。カメラCは移動体32に固定され、移動体32はY方向モータ34により一端にて軸線周りに回転駆動されるY方向スクリューロッド33が螺合している。Y方向スクリューロッド33の他端は支持台31に回転可能に支持され、支持台31はY方向モータ34を固定支持している。移動体32は、図示しないガイド部材によりY方向スクリューロッド33の軸線方向にのみ移動可能にガイドされており、移動体32及びY方向スクリューロッド33によってねじ送り機構が構成されている。したがって、Y方向モータ34によるY方向スクリューロッド33の軸線周りの回転により、移動体32およびカメラCはY方向に移動する。そして、支持台31はX方向モータ36により一端にて軸線周りに回転駆動されるX方向スクリューロッド(図示略)が螺合している。X方向スクリューロッドの他端は支持台35に回転可能に支持され、支持台35はX方向モータ36を固定支持している。支持台31は、図示しないガイド部材によりX方向スクリューロッドの軸線方向にのみ移動可能にガイドされており、支持台31及びX方向スクリューロッドによってねじ送り機構が構成されている。したがって、X方向モータ36によるX方向スクリューロッドの軸線周りの回転により、支持台31、移動体32およびカメラCはX方向に移動する。
X方向モータ36は、X方向モータ駆動回路44から駆動信号が供給されると回転駆動し、Y方向モータ34は、Y方向モータ駆動回路48から駆動信号が供給されると回転駆動する。X方向モータ36およびY方向モータ34には、所定の微少角度だけ回転するたびに、ハイレベルとローレベルとを交互に切り替えるパルス列信号ΦA,ΦBを出力する、エンコーダ36aおよびエンコーダ34aがある。パルス列信号ΦA,ΦBは、回転方向を識別するために互いにπ/2だけ位相のずれた信号である。X方向モータ駆動回路44およびY方向モータ駆動回路48は、X方向モータ36およびY方向モータ34に駆動信号を供給する際、エンコーダ36aおよびエンコーダ34aが出力するパルス列信号を入力し、パルス列信号の単位時間あたりのパルス数が設定された値になるよう駆動信号を制御する。これにより、カメラCは設定された一定の速度で移動する。
X方向モータ駆動回路44は、コントローラ50からX方向位置が入力すると、後述するX方向移動位置検出回路42から入力するX方向移動位置が、コントローラ50から入力した移動位置になるまで、X方向モータ36に駆動信号を供給する。Y方向モータ駆動回路48も同様であり、コントローラ50からY方向位置が入力すると、後述するY方向移動位置検出回路46から入力するY方向移動位置が、コントローラ50から入力した移動位置になるまで、Y方向モータ34に駆動信号を供給する。これにより、カメラCはコントローラ50により指定された移動位置へ移動する。
X方向移動位置検出回路42は、X方向モータ36にあるエンコーダ36aから入力するパルス列信号ΦA,ΦBのパルス数を、X方向モータ36の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値からX方向移動位置を算出し、X方向移動位置のデジタルデータをX方向モータ駆動回路44およびコントローラ50に出力する。X方向移動位置検出回路42が検出するX方向移動位置の原点位置(移動位置0の位置)は、電源投入時にコントローラ50の指示によって設定される。すなわち、コントローラ50は電源投入時に、X方向モータ駆動回路44にカメラC(支持台31)に原点位置への移動を指示し、X方向移動位置検出回路42に原点設定を指示する。この指示により、X方向モータ駆動回路44はX方向モータ36を回転駆動させて、カメラC(支持台31)を原点方向に移動させる。本実施形態では図1の紙面垂直方向の裏面方向が原点方向であるとする。この原点位置はカメラC(支持台31)の駆動限界位置であり、X方向移動位置検出回路42はカメラC(支持台31)の移動中、エンコーダ36aからのパルス列信号ΦA,ΦBを入力し続けている。そして、カメラC(支持台31)が駆動限界位置(すなわち原点位置)まで達してX方向モータ36の回転が停止すると、X方向移動位置検出回路42はエンコーダ36aからのパルス列信号ΦA,ΦBの入力停止を検出して、カウント値を0にセットする。すなわち、移動位置を0にセットする。そして、同時に、X方向モータ駆動回路44に出力停止のための信号を出力し、これにより、X方向モータ駆動回路44はX方向モータ36への駆動信号の供給を停止する。これ以降、X方向モータ36が駆動された際には、X方向移動位置検出回路42は、エンコーダ36aからのパルス列信号ΦA,ΦBのパルス数をX方向モータ36の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値に基づいてX方向移動位置を算出して、そのデジタルデータを出力する。
Y方向移動位置検出回路46もX方向移動位置検出回路42と作動の仕方は同様である。すなわち、Y方向モータ34にあるエンコーダ34aから入力するパルス列信号ΦA,ΦBのパルス数を、Y方向モータ34の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値からY方向移動位置を算出し、Y方向移動位置のデジタルデータをY方向モータ駆動回路48およびコントローラ50に出力する。Y方向移動位置検出回路46が検出するY方向移動位置の原点位置(移動位置0の位置)の設定も、X方向移動位置検出回路42と同様である。すなわち、コントローラ50は電源投入時に、Y方向モータ駆動回路48にカメラC(移動体32)に原点位置への移動を指示し、Y方向移動位置検出回路46に原点設定を指示する。この指示により、Y方向モータ駆動回路48はY方向モータ34を回転駆動させて、カメラC(移動体32)を原点方向に移動させる。本実施形態では図1の左方向が原点方向であるとする。この原点位置はカメラC(移動体32)の駆動限界位置であり、Y方向移動位置検出回路46はカメラC(移動体32)の移動中、エンコーダ34aからのパルス列信号ΦA,ΦBを入力し続けている。そして、カメラC(移動体32)が駆動限界位置(すなわち原点位置)まで達してY方向モータ34の回転が停止すると、Y方向移動位置検出回路46はエンコーダ34aからのパルス列信号ΦA,ΦBの入力停止を検出して、カウント値を0にセットする。すなわち、移動位置を0にセットする。そして、同時に、Y方向モータ駆動回路48に出力停止のための信号を出力し、これにより、Y方向モータ駆動回路48はY方向モータ34への駆動信号の供給を停止する。これ以降、Y方向モータ34が駆動された際には、Y方向移動位置検出回路46は、エンコーダ34aからのパルス列信号ΦA,ΦBのパルス数をY方向モータ34の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値に基づいてY方向移動位置を算出して、そのデジタルデータを出力する。
上記のように構成した透光性物体検査装置において、入力装置52からの入力により、コントローラ50が後述する欠陥検出プログラムを実行すると、干渉縞作成部20から受光箇所に干渉縞が形成される光が照射され、カメラCが取得する撮影画像データが処理されて、タッチパネル用平板OBに欠陥があるか否かの判定結果が、表示装置54に表示される。検査における透光性物体検査装置の作動の説明を行う前に、カメラCの撮影画像データがどのように処理されて判定が行われるかを説明する。図2は、コントローラ50が行うカメラCの撮影画像データの処理の方法を、視覚的に示したものである。干渉縞がタッチパネル用平板OBに図2(a)のように生じていると、カメラCの撮像素子における干渉縞のラインの垂直方向のライン上の受光強度(すなわち、撮像素子のこのラインにある画素が出力する信号強度をデジタルデータにした画像データ)から明度曲線を作成すると図2(b)のようになる。この明度曲線を微分して微分値を絶対値にした曲線を作成すると図2(c)のようになる。干渉縞のラインの垂直方向のすべてのラインにおいて、この微分値の絶対値を計算し、明度に変換した画像を作成すると、図2(d)のようになる。実際は、干渉縞のラインの垂直方向を考慮する必要はなく、前述のように干渉縞はカメラCの撮像素子の画素の並びとほぼ平行に発生するので、撮像素子のそれぞれの画素において、画素の並び方向で等距離にある4つの画素の中で、最も明度(画像データ)に差があるものを選択し微分値を計算すればよい。このようにすれば、4つの画素の中で干渉縞のラインの垂直方向にある画素が最も明度に差があるので、図2(d)の画像を得ることができる。
タッチパネル用平板OBにオレンジピール欠陥がなければ、干渉縞の明部と暗部の境界ラインは図2(a)のようにほぼ直線になり、微分画像である図2(d)においても明部と暗部の境界ラインはほぼ直線になる。一方、タッチパネル用平板OBにオレンジピール欠陥が存在すると、干渉縞の明部と暗部の境界ラインはやや直線からのずれが生じるが、このずれは微量であるため、これからオレンジピール欠陥の有無を判定するのは困難である。しかし、微分画像における明部と暗部の境界ラインは大きく直線からずれる。よって、図2(c)の明度曲線を干渉縞のラインの垂直方向における複数のラインにおいて作成し、それぞれの明度曲線において明度が所定値をクロスする箇所(明部と暗部の境界に相当する)の座標点(撮像素子の画素位置)を検出する。そして、この座標点を明部と暗部の境界ラインごとに群にし、各群ごとに最小2乗法により直線を引く。タッチパネル用平板OBにオレンジピール欠陥が存在しなければ図3(a)のように座標点は直線からのずれは小さいが、オレンジピール欠陥が存在すると図3(b)のように直線からのずれは大きくなるので、座標点の直線からのずれの度合いからオレンジピール欠陥を検出することができる。すなわち、座標点の直線からのずれの度合いを数値として求めれば、その数値が許容値以内か否かにより自動でオレンジピール欠陥を検出することができる。座標点の直線からのずれの度合いの数値としては、直線からの各座標点のずれを偏差とみなして計算した、標準偏差、分散、平均偏差、または最小2乗法により直線を計算した時に合わせて計算される、相関係数等を用いることができる。
タッチパネル用平板OBにオレンジピール欠陥が存在しなくても、点状の欠陥や表面への異物の付着等があると、その箇所において座標点の直線からのずれが大きくなるため、計算された座標点の直線からのずれの度合いの数値は大きくなる。しかし、点状の欠陥や表面への異物の付着等は、オレンジピール欠陥のように広範囲に連続的に存在するわけではないので、各群ごとの(明部と暗部の境界ラインごとの)座標点の直線からのずれの度合いのばらつきには差が出る。すなわち、オレンジピール欠陥の場合は広範囲に連続的に存在するのでばらつきが小さくなり、点状の欠陥や異物の付着等の場合は局所的に存在するのでばらつきが大きくなる。よって、各群ごとの座標点の直線からのずれの度合いのばらつきを計算し、この値が設定値以下か否かにより、オレンジピール欠陥か、点状の欠陥または表面への異物の付着か、を判別することができる。
次に、上記のように構成した透光性物体検査装置において、タッチパネル用平板OBを検査する際の装置の動作について説明する。まず、作業者は透光性物体検査装置の図示しない電源を投入する。このとき、コントローラ50は上述のように図1のX方向移動位置検出回路42、X方向モータ駆動回路44、Y方向移動位置検出回路46、Y方向モータ駆動回路48に指令を出力し、カメラC(移動体32、支持台31)は原点位置(駆動限界位置)まで移動する。次に作業者は、ステージ2の平板2aにタッチパネル用平板OBをセットする。このとき平板2aのX方向ラインにある突起2cとY方向ラインにある突起2cにタッチパネル用平板OBの側面が接触するようにする。これにより、タッチパネル用平板OBの大きさによらず、タッチパネル用平板OBを上方から見たとき左下の角の位置は、常に一定の位置(突起2cのX方向ラインとY方向ラインが交差する点)になる。そして、作業者は入力装置52を操作して、欠陥検出プログラムをコントローラ50に実行させる。
この欠陥検出プログラムは、図6のステップS100にて開始される。まずコントローラ50は、ステップS102にて変数nおよびmを「1」に設定する。変数nおよびmはカメラCの撮影位置を表すものであり、図4に示すようにnはX方向(図1の紙面の垂直方向)の撮影位置を表し、mはY方向(図1の横方向)の撮影位置を表している。すなわち、(n,m)からカメラCの撮影位置を表している。前述のように、タッチパネル用平板OBを上方から見たとき左下の角の位置は、常に一定の位置であるので、(n,m)で表されるカメラCの撮影位置は固定されており、予めコントローラ50内に記憶されている。
コントローラ50は、ステップS104にてレーザ駆動回路40にレーザ照射開始を指令し、この指令に応答して、レーザ駆動回路40はレーザ光源10に設定された強度の電流および電圧を供給し、レーザ光源10からレーザ光が照射される。レーザ光は前述のように干渉部20で干渉し、タッチパネル用平板OBで反射し、カメラCに入射する。次にコントローラ50は、ステップS106にてカメラCに撮影開始を指令し、この指令に応答してカメラCは、撮像素子の各画素が出力する明度値に相当するデジタルデータをコントローラ50に出力することを開始する。次にコントローラ50は、ステップS108にてカメラCを初期撮影位置である(1,1)の位置へ移動させる。この位置は図4に示すように、タッチパネル用平板OBの左下の角近傍が、カメラCの撮影画面の左下になる位置である。次にコントローラ50は、ステップS110にてカメラCの画像データ(撮像素子の各画素が出力する明度値に相当するデジタルデータ)を取り込み、ステップS112にて取り込んだ画像データを基に作成した画像を表示装置54に表示させる。
ステップS112の後、コントローラ50は、ステップS114にてステップS112にて取り込んだ画像データを解析し、各種の判定を行う処理を行う。この処理は図8Aに示すフローのプログラム処理を、ステップS200にて開始することで行われる。以下、図8Aに示すプログラムのフローに沿って説明する。まず、コントローラ50は、ステップS202にて変数pを「1」に設定する。変数pは、図5に示すように画像データから作成したカメラCの撮影画像を想定すると、X方向に等間隔でY方向に平行な複数のラインに、X方向が原点に近い側から順につけられた番号を表している。言い換えると、変数pは、カメラCの撮影素子におけるY方向に平行な画素の並びにつけられた番号を表しており、変数pに対する画素の並びは、予めコントローラ50に記憶されている。次にコントローラ50は、ステップS204にて変数pのラインの画像データを抽出する。すなわち、変数pに対応するライン(画素の並び)の画素が出力した画像データを抽出する。そして、ステップS206にてこの画像データを画素順に並べることで明度曲線を作成する。この明度曲線は、図2の(b)に示した曲線である。
ステップS206の後、コントローラ50は、ステップS208にてステップS206で作成した明度曲線から干渉縞が存在するか否かを判定する。具体的には、明度曲線が予め設定したレベルを、設定された回数以上クロスしているか否かを判定する。設定された回数以上クロスしない場合は、ステージ2にタッチパネル用平板OBを載置し忘れた場合、ステージ2の所定位置にタッチパネル用平板OBを載置しなかった場合。ステージ2にタッチパネル用平板OBとは異なるものを載置した場合等が考えられる。この場合は、「No」と判定してステップS210へ進む。カメラCは撮影開始した直後であるため、n=1、m=1であり、ステップS210、ステップS212とも「Yes」と判定して,ステップS214にて「異常」と判定してステップ284へ進み、画像データの解析と、各種の判定処理のプログラムを終了させる。一方、干渉縞が存在し、明度曲線が予め設定したレベルを設定された回数以上クロスしている場合は、「Yes」と判定してステップS220へ進む。
コントローラ50は、ステップS220にて全ての画像データの微分データを作成する。具体的には、それぞれの画素において、近傍で横方向と縦方向(X方向とY方向)に等しい距離だけ離れた画素の画像データを抽出し、明度値が最も異なるものを選択して明度値の差を規格化する(例えば0〜255の値にする)。明度値の差は干渉縞のラインの垂直方向の画素とのものが最も大きくなるはずであるので、微分データは図2(b)の明度曲線を微分した値になり、微分データを干渉縞のラインの垂直方向(Y方向)に並べると図2(c)の曲線になる。次に、コントローラ50は、ステップS222にて、ステップS220にて作成した微分データを基に作成した微分画像を表示装置54に表示させる。表示装置54に表示される画像は、タッチパネル用平板OBに欠陥がない場合は図2(d)に示された画像である。
前記ステップS222の処理後、コントローラ50は、ステップS224〜S234の処理を行うことで、図5に点で示す、変数pで表されるラインごとの微分画像の明と暗の境界点をすべて抽出する処理を行う。具体的には、ステップS224にて変数pで表されるライン(画素の並び)の微分データを抽出し、ステップS226にて、この微分データを画素の並び順に並べることで微分曲線を作成し、ステップS228にて、この微分曲線が所定値をクロスするY座標値を計算して記憶する。Y座標値は、原点に近い側から画素の並び順に0,1,2・・・と画素につけられた番号であり、このY座標値を図5に示すように、変数pと、Y座標値が小さい値から順につけた変数qに対応させて記憶する。そして、ステップS234にて変数pをインクリメントし、ステップS232にて変数pが所定数B(変数pで表されるラインの全数)になって「Yes」と判定されるまで、ステップS224〜S228の処理を繰り返し実行することで、変数pで表されるすべてのラインにおいて、微分曲線が所定値をクロスするY座標値を記憶する。ステップS230にてY座標値が微少数A(数個)であるか否かを判定するが、これは、カメラCの撮影位置が移動して、画面の一部にタッチパネル用平板OB(干渉縞画像)がなくなる場合を想定したものであり、カメラCが初期撮影位置にあれば、常に「No」と判定される。この点は、後ほど詳細に説明する。
ステップS232にて「Yes」と判定されるとステップS236に進み、ステップS236にて、後のステップで使用する変数pmaxに所定数Bに設定する。これを行うのは、カメラCの撮影位置が移動して、画面の一部にタッチパネル用平板OB(干渉縞画像)がなくなると、変数pで表されるラインの数が所定数Bにならないためである。この点も後ほど詳細に説明する。そして、ステップS242にて変数pが1のY座標値の数、すなわち図5の最も左側のラインにおいて微分曲線が所定値をクロスする数が所定数未満であるかを判定する。これも、カメラCの撮影位置が移動して、画面の一部にタッチパネル用平板OB(干渉縞画像)がなくなる場合を想定したものであり、カメラCが初期撮影位置にあれば、常に「No」と判定される。この点も、後ほど詳細に説明する。
ステップS242にて「No」と判定されるとステップS246に進み、ステップS246〜S266の処理により、微分画像の明と暗の境界ラインごとに明と暗の境界点(Y座標値)の直線からの変動度合を境界変動度合として計算する。すなわち図3に示すように、微分画像の明と暗の境界点(Y座標値)が直線からどの程度変動しているかを計算する。具体的には次の処理を行う。ステップS246にて変数qを1に設定し、ステップS248にて変数pを1に設定し、ステップS250にて変数p、変数qに対応するY座標値を抽出する。これにより、図5の最も左側のラインの最も値が小さいY座標値が抽出される。次に、ステップS252にて変数pをインクリメントし、ステップS254にて変数pに対応するY座標値の内、変数p−1、変数qに対応するY座標値に、値が最も近いY座標値を抽出する。これは、図5の最も左側のラインの1つ右側のラインにおいて、最初に抽出したY座標値に最も値が近いY座標値を抽出する処理である。そして、ステップS256にて、抽出したY座標値と1つ前に抽出したY座標値との差が許容値内であれば、「Yes」と判定して、ステップS258に進む。変数pは2であるのでステップS258にて「No」と判定して、再びステップS252〜S256の処理を行う。これは、図5の左側から3番目のラインにおいて、左側から2番目のラインにて抽出したY座標値に最も値が近いY座標値を抽出する処理である。このように1つ前のラインにて抽出したY座標値に、最も値が近いY座標値を抽出する処理を、変数pがpmaxに達してステップS258にて、「Yes」と判定されるまで繰り返し実行する。これにより変数pと変数qが1であるY座標値(境界点)が属する明と暗の境界ラインの、すべてのY座標値(境界点)が抽出される。すなわち、図5において最も下側の明と暗の境界ラインにおける境界点が抽出される。
変数qが同一の値のY座標値(境界点)を抽出せず、ステップS252〜S256の処理を繰り返し行うことで、1つの境界ラインに属するY座標値(境界点)を抽出する理由は、明と暗の境界ラインの方向はX方向と完全に平行になるとは限らないからである。すなわち、明と暗の境界ラインの方向がX方向からややずれると、変数qが同じ値に対応するY座標値(境界点)を抽出しても、それらが1つの境界ラインに属するものにならない可能性があるからである。視覚的に示すと、図6に示すように、干渉縞のラインの方向がX方向からずれていると、変数pがaおよびa+1に対応するラインにおいては変数qが1の境界点は同じ境界ラインに属しているが、変数pがa+2に対応するラインにおいては変数qが1の境界点は別の境界ラインに属してしまうためである。なお、図6では明と暗の境界ラインの方向のX方向からのずれを誇張して示しているが、明と暗の境界ラインの間隔および幅はもっと小さいので、明と暗の境界ラインのX方向からのずれが微量であっても、このような問題は発生する。そして、ステップS256の判定を行う理由は、図6に示すように、抽出したY座標値と1つ前に抽出したY座標値との差が許容値以上である場合は、抽出したY座標値は別の境界ライン属する場合であるので、この場合は「No」と判定して、ステップS252〜S258の繰り返し処理を中断するためである。この場合は、後述する直線からの変動度合の計算も行わないようにして、次の変数qに対応する境界ラインでの処理を行うようにする。
ステップS258にて、「Yes」と判定されると、ステップS260に進み、ステップS260にて{a,Y座標値(1,1)},{2a,Y座標値(1,2)},{3a,Y座標値(1,3)}・・・{pmax・a,Y座標値(1,pmax)}を座標値としたときの回帰式を最小二乗法で計算する。aは変数pに対応するラインにおける、ラインとラインの間隔である。なお、明と暗の境界ラインのX方向からのずれが微量であれば、全てのY座標値を平均するのみでもよいが、検査精度を高めるのであれば、回帰式を計算する方が望ましい。そして、ステップS262にて、{a,Y座標値(1,1),{2a,Y座標値(1,2)},{3a,Y座標値(1,3)}・・・{pmax・a,Y座標値(1,pmax)}の各座標値から、回帰式で示された直線までの距離をそれぞれ計算し、計算した距離を偏差とみなして、標準偏差(q)を計算する。この値が境界変動度合である。この場合はq=1(最も下側の境界ライン)であるので、標準偏差(1)である。
ステップS262の計算が終了すると、ステップS264進み、ステップS264にて、変数qが最大値qmaxに達したか判定する。qmaxは変数pが1の場合におけるY座標値(境界点)の数である。この時点では変数qは1であるので、「No」と判定され、ステップS266で変数qがインクリメントされ、ステップS248に戻って、再度ステップS248〜S262の処理が行われる。この場合は、変数qが2における明と暗の境界点の境界変動度合、すなわち図5の下側から2つ目の明と暗の境界ラインに属する境界点の境界変動度合として、標準偏差(2)が計算される。そして、計算が終了すると、ステップS264にて再度、「No」と判定されてステップS266で変数qがインクリメントされて、ステップS248に戻る。このような処理を変数qが1づつ増えていき、変数qが最大値qmaxに達し、ステップS264にて「Yes」と判定されるまで行われる。これにより、全ての明と暗の境界ラインにおいて境界変動度合として、標準偏差(1)、標準偏差(2)、標準偏差(3)・・・標準偏差(qmax)が計算がされる。
ステップS264にて「Yes」と判定されると、ステップS268に進み、前述した処理で計算された、境界変動度合である標準偏差(1)、標準偏差(2)、標準偏差(3)・・・標準偏差(qmax)の平均値が計算され、平均境界変動度合(n,m)として記憶されるとともに、表示装置54に表示される。そして、標準偏差(1)、標準偏差(2)、標準偏差(3)・・・標準偏差(qmax)の最大値が抽出され、最大境界変動度合(n,m)として記憶されるとともに、表示装置54に表示される。そして、ステップS270とステップS272にて、計算された平均境界変動度合(n,m)および最大境界変動度合(n,m)が許容値以下であるか判定され、許容値以下であれば、「Yes」と判定されてステップS274に進み、「正常」と表示装置54に表示する。一方、平均境界変動度合(n,m)および最大境界変動度合(n,m)のどちらかが許容値より大きければ、ステップS276へ進む。そして、ステップS276にて、境界変動度合である標準偏差(1)、標準偏差(2)、標準偏差(3)・・・標準偏差(qmax)の標準偏差が計算され、境界変動度合ばらつき(n,m)としてとして記憶されるとともに、表示装置54に表示される。そして、ステップS278にて、境界変動度合ばらつき(n,m)が設定値以上であるか判定される。設定値未満であれば、「No」と判定されてステップS280へ進む。この場合は境界変動度合である標準偏差はどの明と暗の境界ラインでも同程度の値であるということであるので、これは広い範囲に連続的に存在する欠陥であると判断される。そして、検査対象物がタッチパネル用平板OBであれば、そのような欠陥はオレンジピール欠陥であるので、ステップS280にて「オレンジピール欠陥」と表示装置54に表示される。一方、境界変動度合ばらつき(n,m)が設定値以上であれば、「Yes」と判定されてステップS282へ進む。この場合は、境界変動度合である標準偏差が大きい明と暗の境界ラインと、小さい明と暗の境界ラインがあるということであるので、これは局在的に存在する欠陥であると判断される。よって、ステップS282にて「局所的欠陥」と表示装置54に表示する。このように、表示装置54に「正常」、「オレンジピール欠陥」、「局所的欠陥」、のいずれかが表示されるとステップS284へ進み、サブプログラムの実行は終了する。
サブプログラムの実行が終了すると、図7のフローのプログラムはステップS114からステップS116に進み、ステップS116にて「異常」判定があったか判定される。これは図8Aのフローのサブプログラムにおいて、ステップS214に進んで「異常」と判定されたかを判定するものである。「異常」判定があれば、「Yes」と判定されてステップS136に進む。この場合は、前述のように、カメラCが初期撮影位置にあるにもかかわらず、干渉縞が撮影されていないということであるので、ステップS136にて「測定不可」を表示し、ステップS138とステップS140にてカメラCの撮影停止と測定部1からの光照射を停止し、プログラムの実行を終了する。そして、作業者は測定ができない原因を調査する。一方、「異常」判定がなければ、「No」と判定されてステップS118へ進み、カメラCの撮影位置はX方向の最大位置まで行ったかを判定する。これは、後述するように、図8Aのフローのサブプログラムでは、カメラCの撮影位置がX方向の最大位置までいったことを検出する処理があり、その検出がされたかを判定するものである。この場合、カメラCは初期撮影位置にあるので「No」と判定されてステップS120へ進み、X方向の撮影位置を表す変数nがインクリメントされてステップS122へ進む。そして、ステップS122にてカメラCをn=2,m=1で表される撮影位置へ移動させ、ステップS110へ戻ってカメラCから画像データを取込み、前述した処理と同じ処理を実行する。
カメラCがn=2,m=1で表される撮影位置にあるときは、図8Aのフローのサブプログラムの処理は、カメラCがn=1,m=1で表される初期撮影位置にあるときと同じである。よって、ステップS118にて同様に「No」と判定され、ステップS120でn=3となって、ステップS122へ進み、カメラCはn=3,m=1で表される撮影位置に移動する。このように、カメラCの撮影位置は、変数nが1づつ増えるごとに、図4で示すようにX方向右側へ移動していく。そして図4ではn=4の場合になっているが、カメラCの撮影位置がX方向右側へ移動していくと、撮影画像の右側部分にタッチパネル用平板OB(干渉縞)が撮影されないときが発生する。この場合は、図8Aのフローのサブプログラムにおいて、ステップS234にて変数pをインクリメントしていくと、ステップS230において、「Yes」と判定される場合がある。すなわち、図6に示される変数pで表されるラインが右側に移動していくと、タッチパネル用平板OB(干渉縞)が撮影されない箇所では、微分曲線が所定値をクロスすることはなくなり、Y座標値(境界点)は0となってステップS230において、「Yes」と判定される。この場合は、ステップS238へ進み、撮影位置がX方向最大位置になったと判定する。そして、ステップS240にてpmaxに現在のpの値から1を引いた値を設定する。これは、pmaxを微分曲線が所定値をクロスしているライン(pで表されるラインでタッチパネル用平板OB(干渉縞)があるライン)の内、最大のpで設定する処理である。これ以外の図8のフローのサブプログラムにおける処理は、カメラCがn=1,m=1で表される初期撮影位置にあるときと同じである。
前述のように、図8Aのフローのサブプログラムで、撮影位置がX方向最大位置になったことが検出されると、図7のフローのプログラムのステップS110〜S122のループ処理において、ステップS118にて「Yes」と判定され、S124にてカメラCの撮影位置はY方向の最大位置まで行ったかを判定する。これは、後述するように、図8Aのフローのサブプログラムでは、カメラCの撮影位置がY方向の最大位置までいったことを検出する処理もあり、その検出がされたかを判定するものである。この場合、カメラCはX方向最大位置にあってもY方向最大位置にはないので「No」と判定されてステップS126へ進み、Y方向の撮影位置を表す変数mがインクリメントされて「2」となってステップS128へ進み、X方向の撮影位置を表す変数nが「1」に設定される。そして、ステップS128からステップS122へ進むことで、ステップS110〜S122のループ処理に戻る。この時点でn=1,m=2となっているので、カメラCの撮影位置は図4に示すように初期撮影位置の1つ上側の撮影位置にある。そして、ステップS110〜S122のループ処理を繰り返すことで、カメラCの撮影位置は初期撮影位置の1つ上側の撮影位置から右方向に移動していき、それぞれの撮影位置で前述した処理を行う。撮影位置がX方向最大位置になった場合の処理は、m=1のときに撮影位置がX方向最大位置になった場合の処理と同じである。
そして、撮影位置がX方向最大位置になったことが検出されるごとに、mはインクリメントされ、nは「1」に設定されるので、カメラCの撮影位置は、X方向最大位置になるごとにX方向は初期撮影位置と同じ位置に戻り、Y方向は上側に移動していく。そして図4ではm=3の場合になっているが、カメラCの撮影位置がY方向上側へ移動していくと、撮影画像の上側部分にタッチパネル用平板OB(干渉縞)が撮影されないときが発生する。この場合は、図8Aのフローのサブプログラムにおいて、ステップS242にて変数p=1に対応するライン(最も左側のライン)におけるY座標値(境界点)の数(微分曲線が設定値をクロスする数)が、所定数C(Y方向において撮影画面すべてに干渉縞があるときのY座標値の数)より小さくなるので、「Yes」と判定されてステップS244へ進み、撮影位置がY方向最大位置になったと判定する。それ以外の処理は、前述した処理と同じである。ただし、撮影位置がY方向最大位置になったことが検出されても、図7のフローのプログラムではステップS118にて撮影位置がX方向最大位置になって「Yes」と判定されない限りは、ステップS110〜S122のループ処理は変更されない。そして、撮影位置がX方向最大位置かつY方向最大位置になると、図8Aのフローのサブプログラムにおいて、撮影位置がX方向Y方向とも最大位置になったことが検出される。これにより、図8A,図8Bのフローのサブプログラムの終了後、図7のフローのプログラムでは、ステップS118にて「Yes」、ステップS124にて「Yes」と判定されて、ステップS110〜S122のループ処理から抜け出てS130へ進む。
なお、図4に示すように、カメラCの撮影位置がX方向やY方向において最大位置になったときに、カメラCの撮影画面内にタッチパネル用平板OB(干渉縞)が撮影されていれば問題はない。しかし、タッチパネル用平板OBの横方向長さおよび縦方向長さが、カメラCの撮影領域の横方向長さおよび縦方向長さで割り切れる場合は、前述した処理ではX方向およびY方向における最大位置を検出することはできない。これは、撮影位置が最大位置になってもそれ以外の撮影位置の場合と撮影画面が変わらず、撮影位置がその位置からX方向またはY方向に移動すると、撮影画面にはタッチパネル用平板OB(干渉縞)は撮影されなくなってしまうためである。この場合におけるX方向およびY方向の最大位置検出(正確には最大位置を通り過ぎたことの検出)のため、図8AのフローのサブプログラムにはステップS208〜S218の処理がある。すなわち、撮影画面の最も左側のライン(p=1に対応するライン)で干渉縞が検出されない場合はステップS208にて「No」と判定されてステップS210へ進むが、初期撮影位置(n=1,m=1のとき)で「No」と判定されたときは、前述のように、何らかの異常である。しかし、初期撮影位置ではない撮影位置で「No」と判定されたときは、撮影位置が最大位置を通り過ぎて撮影画面にタッチパネル用平板OB(干渉縞)が撮影されていない可能性が極めて高い。よって、n=1ではないときに「No」と判定された場合は、mの値にかかわらず、ステップS210からステップS218へ進み、撮影位置がX方向最大位置であると判定する。また、n=1であってm=1ではないときに「No」と判定された場合は、ステップS210、ステップS212、ステップS216と進み、ステップS216およびステップS218にて撮影位置はY方向,X方向とも最大位置であると判定する。この場合、実際の撮影位置は最大位置の隣の撮影位置になっているが、ステップS208で「No」と判定されたときは、前述した判定の後、図8Aのフローのサブプログラムは終了し、図7のフローのステップS116へ進むので、直ぐに次の撮影位置へカメラCを移動させることができる。または、直ぐにステップS110〜S122のループ処理を終了し、ステップS130へ進むことができる。よって、時間的なロスは殆どない。
ステップS130へ進んだ段階では、カメラCのすべての撮影位置において、「正常」、「オレンジピール欠陥」、「局所的欠陥」、のいずれかの判定結果が表示装置54に表示されている。ステップS130では、すべての撮影位置において正常であるか否かを判定する。正常である場合は「Yes」と判定してステップS130にて「合格」を表示装置54に表示する。一方、1つでも「オレンジピール欠陥」または「局所的欠陥」と判定された撮影位置がある場合は、「不合格」を表示装置54に表示する。この表示の後、ステップS138とステップS140にてカメラCの撮影停止と測定部1からの光照射を停止し、プログラムの実行を終了する。作業者は、表示された検査結果を見て、検査したタッチパネル用平板OBを相応の場所に移し、次の検査対照のタッチパネル用平板OBをステージ2にセットして、前述した操作によりふたたびコントローラ50に上述したプログラムを実行させる。なお、「不合格」と判定され、その原因が撮影位置にいずれかに「局所的欠陥」がある場合のときは、タッチパネル用平板OBの表面に異物の付着がある可能性がある。よって、作業者は記憶されている微分画像を表示して、異物の付着か否かを判断し、異物の付着の可能性が高いと判断した時は、表面を清掃した後、再度検査を行うようにしてもよい。
上記のように動作する透光性物体検査装置の実施形態によれば、タッチパネル用平板OBに測定部1から光を照射し、タッチパネル用平板OBからの反射光をカメラCで受光して、カメラCが出力する画像データを基にコントローラ50で作成した画像には、干渉縞作成部20によりレーザ光源10から照射されたレーザ光を干渉させているため干渉縞が生じる。タッチパネル用平板OBのガラス基板と透明電極層との間にオレンジピール欠陥が存在しても、この干渉縞の画像はオレンジピール欠陥が存在しない場合と比較して大きな差は現れない。しかし、オレンジピール欠陥が存在する場合は、干渉縞の画像の微分画像には大きな差が現れる。具体的には、明部と暗部の縞からなる微分画像における明部と暗部の境界は直線から大きくずれる。よって、コントローラ50でのプログラム処理により、画像データを用いて微分した微分データをそれぞれの画素ごとに計算し、同様にコントローラ50でのプログラム処理により、干渉縞のラインの直角方向における微分値の変化曲線において予め設定した値のラインをクロスする箇所を境界点として検出し、検出した境界点を干渉縞のライン方向における同一の境界である群ごとにまとめ、まとめた群ごとに境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算すれば、計算した値が閾値を超えるか否かにより、オレンジピール欠陥を精度よく検出することができる。
また、上記のように動作する透光性物体検査装置の実施形態によれば、タッチパネル用平板OBのガラス基板と透明電極層との間に存在する可能性のあるオレンジピール欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物と区別したうえで検出することができる。すなわち、タッチパネル用平板OBの表面やタッチパネル用平板OBのガラス基板と透明電極層との間に局在する欠陥がある場合や、タッチパネル用平板OBの表面に異物の付着がある場合でも、コントローラ50でのプログラム処理により計算された境界変動度合の値は大きくなる可能性がある。しかし、局在する欠陥や異物の付着は連続していないため、境界変動度合のばらつきは、オレンジピール欠陥に対して差がでる。すなわち、オレンジピール欠陥の場合は境界変動度合のばらつきは小さく、局在する欠陥や異物の付着の場合は境界変動度合のばらつきは大きくなる。よって、コントローラ50でのプログラム処理により境界変動度合のばらつきを計算すれば、境界変動度合と境界変動度合のばらつきとを用いて判定することで、オレンジピール欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物と区別したうえで検出することができる。
また、上記のように動作する透光性物体検査装置の実施形態によれば、画像データを微分したデータを基に作成した画像を表示しているため、表示された画像を見ることでもオレンジピール欠陥を検出することができる。また、オレンジピール欠陥と、局在する欠陥および表面に付着している異物とでは、画像データを微分したデータを基に作成した画像に大きな違いがあるので、オレンジピール欠陥を、局在する欠陥および表面に付着している異物とを区別したうえで検出することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
上記実施形態では、カメラCの撮影領域を移動させて、タッチパネル用平板OBのすべての領域においてカメラCから取り込んだ画像データを処理して、撮影領域ごとに欠陥の有無を判定した。しかし、オレンジピール欠陥は殆どの場合において広い範囲において発生するので、これに代えてタッチパネル用平板OBの中央部分の1箇所のみをカメラCで撮影し、画像データを処理して、欠陥の有無を判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、境界ラインの座標点群の直線からのずれの度合いを、各座標点の直線からのずれを偏差とみなして標準偏差を計算することで求めた。しかし、直線からのずれを表す値であれば、標準偏差に代えてどのような値を計算してもよい。例えば、分散、平均偏差を計算してもいいし、最小2乗法により回帰式を計算した時に合わせて相関係数を計算し、これを用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、境界ラインの座標点群の直線からのずれの度合いを、境界変動度合として計算し、境界変動度合が許容値を超える場合は境界変動度合のばらつきを計算し、欠陥がオレンジピール欠陥か、局所的な欠陥または異物付着かを判定するようにした。しかし、局所的な欠陥または異物付着の発生確率が極めて低ければ、境界変動度合のみを計算し、この値が許容値を超える場合は、オレンジピール欠陥が存在すると判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、直角のあるプリズムの直角に対向する面と板状ガラスの表面とを平行から僅かにずらした干渉縞作成部により、タッチパネル用平板で反射した光を受光した箇所に干渉縞が発生するようにした。しかし、タッチパネル用平板で反射した光を受光した箇所に干渉縞が発生するようにできれば、干渉縞作成部はどのような構成のものでもよい。例えばスリットを複数設けたものでもよいし、回折格子を用いてもよい。
また、上記実施形態では、透光性物体検査装置で検査する透光性物体をタッチパネル用平板にした。しかし、薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体または複数の層から形成された板状の透光性物体の板状物体間または層間に存在する欠陥の検査であれば、透光性物体はどのようなものであってもよい。
1…測定部、2…ステージ、3…基台、C…カメラ、OB…タッチパネル用平板、10…レーザ光源、12…コリメーティングレンズ、14,16…エキスパンダーレンズ、18…レーザ径調整用リング、20…干渉縞作成部、22…プリズム、24…板状ガラス、26,28…突起、30…カメラ移動機構部、31…支持台、32…移動体、33…Y方向スクリューロッド、34…Y方向モータ、35…支持台、36…X方向モータ、40…レーザ駆動回路、42…X方向移動位置検出回路、44…X方向モータ駆動回路、46…Y方向移動位置検出回路、48…Y方向モータ駆動回路、50…コントローラ、52…入力装置、54…表示装置

Claims (6)

  1. 薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体、または複数の層から形成された板状の透光性物体に、前記透光性物体の表面および内部から反射光が生じるように光を照射する光照射手段と、
    前記透光性物体からの反射光を受光器で受光して、それぞれの受光箇所の受光強度を明度にした受光画像データを作成する画像データ作成手段とを備え、
    前記画像データ作成手段により作成された受光画像データを解析処理することにより、前記透光性物体の薄い板状物体間、または層間に存在する欠陥の有無を検査する透光性物体の検査装置において、
    前記光照射手段から照射された光が前記透光性物体に照射される前に、前記光照射手段から照射された光を干渉させ、前記画像データ作成手段により作成された受光画像データにより画像を作成したとき、画像に干渉縞が生じるようにする干渉手段と、
    前記受光器のそれぞれの受光箇所における受光画像データを、前記それぞれの受光箇所の周囲の受光箇所における受光画像データを用いて微分した微分値を、前記それぞれの受光箇所ごとに計算する微分データ計算手段と、
    前記干渉縞のラインの直角方向における前記微分データ計算手段により計算された微分値の変化曲線において、予め設定した値のラインをクロスする箇所を境界点として検出し、前記検出した境界点を前記干渉縞のライン方向における同一の境界である群ごとにまとめ、前記まとめた群ごとに前記境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算する境界変動度合計算手段と
    を備えたことを特徴とする透光性物体の検査装置。
  2. 前記境界変動度合計算手段により計算された群ごとの境界変動度合のばらつきを計算するばらつき計算手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の透光性物体の検査装置。
  3. 前記微分データ計算手段により計算されたそれぞれの受光箇所ごとの微分値を、明度に変換した微分画像データを作成し、前記微分画像データにより作成された画像を作成して表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透光性物体の検査装置。
  4. 前記透光性物体は、少なくとも透明基板上に透明電極の層が形成されたタッチパネルであり、検査する欠陥は透明基板と透明電極の層の間に、所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の透光性物体の検査装置。
  5. 薄い板状物体を張り合わせて形成された透光性物体、または複数の層から形成された板状の透光性物体に、前記透光性物体の表面および内部から反射光が生じるように光を照射する光照射ステップと、
    前記透光性物体からの反射光を受光器で受光して、それぞれの受光箇所の受光強度を明度にした受光画像データを作成する画像データ作成ステップとを備え、
    前記画像データ作成ステップにて作成された受光画像データを解析処理することにより、前記透光性物体の薄い板状物体間、または層間に存在する欠陥の有無を検査する透光性物体の検査方法において、
    前記光照射ステップにて前記透光性物体に照射される光は、前記透光性物体に照射される前に干渉され、前記画像データ作成ステップにて作成された受光画像データにより画像を作成したとき、画像に干渉縞が生じるようにする光であり、
    前記受光器のそれぞれの受光箇所における受光画像データを、前記それぞれの受光箇所の周囲の受光箇所における受光画像データを用いて微分した微分値を、前記それぞれの受光箇所ごとに計算する微分データ計算ステップと、
    前記干渉縞のラインの直角方向における前記微分データ計算ステップにて計算された微分値の変化曲線において、予め設定した値のラインをクロスする箇所を境界点として検出し、前記検出した境界点を前記干渉縞のライン方向における同一の境界である群ごとにまとめ、前記まとめた群ごとに前記境界点の直線からのずれを境界変動度合として計算する境界変動度合計算ステップと
    を備えたことを特徴とする透光性物体の検査方法。
  6. 前記境界変動度合計算ステップにて計算された、群ごとの境界変動度合のばらつきを計算するばらつき計算ステップと、
    前記境界変動度合計算ステップにて計算された群ごとの境界変動度合と、前記ばらつき計算ステップにて計算された群ごとの境界変動度合のばらつきとから、前記透光性物体の薄い板状物体間または層間に所定の範囲以上に連続的に存在する凹凸の有無を判定する判定ステップと
    を備えたことを特徴とする請求項5に記載の透光性物体の検査方法。
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