JP2013236690A - 四肢装着型生体情報計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】利用者の四肢のいずれかに巻きつけて装着する装着ベルト2と、装着ベルト2に取り付けられ、装着ベルト2の巻きつけ方向に伸張又は収縮した際に厚さ方向に発生する電圧の値が変化する圧電素子3と、装着ベルト2の押し付け圧を検出する圧力センサ4と、圧電素子3で発生する電圧信号と前記圧力センサ4からの出力信号を取得し、取得した電圧信号及び出力信号に基づいて利用者の生体情報を計測する制御部とを備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、例えば手首等に装着可能な脈波検出装置が提案されている。特許文献1の脈波検出装置では、動脈を伝搬する超音波を振幅検波することにより脈波を検出している。
また、特許文献2にも、例えば手首等に装着可能な振動検出デバイスが提案されている。特許文献2の振動検出デバイスでは、脈動のような振動に対応する電界の変化を検出することにより、測定部位に対する位置合わせをすることなく振動検出を行っている。
細い血管の動脈硬化が進んで血液の流れが悪くなり抵抗が増してくると、全身の血液の流れを保つために、心臓は血液をより勢いよく送り出さざるをえなくなる。その結果、血圧が上がり、上が150、下が100というような値を示し、平均血圧が上昇してくる。平均血圧の目安は90とされているが、ちなみに上150、下100の人の平均血圧は約117となり、要警戒領域となる。
脈圧は、「上の血圧」から「下の血圧」を引けば求められる。例えば、上が120、下が70なら、脈圧は50となる。上述のように、脈圧は太い血管の動脈硬化が進むにつれて大きくなるが、これは、50、60代になると、大きな脈圧の影響を受けて、下の血圧が下がってくるからである。脈圧値はおおむね50前後が目安であるが、上の血圧と下の血圧の差が大きくなり脈圧値が上がるほど、心筋梗塞などの心臓病を発症するリスクが増してくる。例えば、60歳の人で上の血圧は170、下の血圧は70の人がいたとする。この場合、170という上の血圧については誰もが高いと感じるものの、下の70という数値は問題ないと考えがちである。ところが実際は下の血圧が低いのは、脈圧が増大したためで、動脈硬化が細い血管にも太い血管にも進行していることを意味するのである。このように、脈圧を継続的に監視することによって、動脈硬化の状態を把握することが可能になる。
しかしながら、携帯して、少なくとも脈圧と脈拍を同時に長時間継続して測定できる生体情報計測装置は未だ提案されていない。
本発明は、上記状況を鑑みなされたものであり、本発明の目的は、携帯性に優れ、より長期間継続して生体情報を測定可能な生体情報測定装置を提供することである。
第1の実施形態では、本発明の生体情報計測装置の基本構成について説明する。
[基本構成]
図1(a)及び(b)に、第1の実施形態に係る生体情報計測装置の基本構成を示す。なお、図1(a)は、生体情報計測装置の側面図であり、図1(b)は、図1(a)中のA−A断面図である。
装着ベルト2は、リング状(筒状)の第1ベルト部2aと、その内周側に設けられたリング状の第2ベルト部2bとで構成される。第1ベルト部2a及び第2ベルト部2bは、ともに、例えばゴム、布製ゴム等の弾力性及びフレキシブル性を有する材料で形成される。
なお、本実施形態では、利用者に応じて脈拍の出やすさが異なるので、利用者に適した弾性力を有する装着ベルト2を用いる。具体的には、生体情報計測装置1を装着した際に、利用者に対して最適な締め付け圧力が得られるように装着ベルト2の形成材料、径、幅及び厚さを適宜選択する。
また、圧力センサの実施形態としては、高分子圧膜フィルム素子を利用したインターリンク株式会社(Interlink Electronics Inc.)の圧力センサーFSR400シリーズが利用可能である。
図4に、生体情報計測装置1の信号処理系の回路ブロック構成を示す。生体情報計測装置1の信号処理系は、上述した圧電素子3及び圧力センサ4と、加速度センサ5と、操作部6と、電池7(電源部)と、無線デバイス8と、アンテナ9と、記憶部10と、情報処理部11と、CPU12(制御部)とを備える。
また、前記心仕事量を計算するのに、平均脈拍と平均脈圧を用いてもよい。
CPU12は、生体情報計測装置1の動作全般を制御する制御装置及び演算処理装置である。また、CPU12は、脈拍及び脈圧の計測データの取得、記憶及び出力動作を行う。
図5に、生体情報計測装置1の装着例を示す。なお、図5では、生体情報計測装置1を手首に装着する例を示す。ただし、本実施形態の生体情報計測装置1は、人間の手首(橈骨動脈上、尺骨動脈上)だけでなく、上腕部(上腕動脈上)、足首(後脛骨上)、膝(膝窩動脈上)、又は、足の表裏(足背動脈上)にも同様に装着可能である。
次に、本実施形態の生体情報計測装置1における脈拍及び脈圧の計測原理を、図6を参照しながら説明する。
図8(a)及び(b)に、第2の実施形態に係る生体情報計測装置20の概略構成を示す。図8(a)は、生体情報計測装置20の概略断面図であり、図8(b)は、図8(a)中の矢印Bの方向から見た生体情報計測装置20の上面図である。また、図9に、第2の実施形態の生体情報計測装置20の信号処理系の回路ブロック構成を示す。なお、図8(a)及び(b)、並びに、図9に示す生体情報計測装置20の構成において、図1(a)及び(b)、並びに、図4に示す上記第1の実施形態の生体情報計測装置1の構成と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
上記第1及び第2の実施形態では、生体情報計測装置に対して防水対策を施していないので、例えば、入浴時等には、生体情報計測装置を外す必要がある。そこで、本実施形態では、防水機能を備える生体情報計測装置の構成例を説明する。
上記第1〜第3の実施形態では、圧電素子3及び圧力センサ4を用いて脈拍・脈圧を計測する生体情報計測装置を説明したが、上記各種実施形態で用いた圧電素子3は、その厚さ方向の容量が温度により変化するという特徴を有する。すなわち、上述した圧電素子3では、脈拍だけでなく、体温も計測可能である。そこで、第4の実施形態では、上述した圧電素子3を用いて、脈拍に加えて体温も計測可能とする携帯型の生体情報計測装置の構成例について説明する。
図11に、第4の実施形態に係る生体情報計測装置の信号処理系の回路ブロック構成を示す。なお、図11に示す生体情報計測装置40の構成において、図4に示す上記第1の実施形態の生体情報計測装置1の構成と同様の構成には、同じ符号を付して示す。また、本実施形態の生体情報計測装置40の外観構成は、上記第1の実施形態(図1(a)及び(b))と同様であるので、ここでは、その図示は省略する。
(1)脈拍の計測手法
最初に、本実施形態の生体情報計測装置40における脈拍の計測手法について説明する。まず、CPU41は、生体情報の計測モードを脈拍計測モードに設定する。この際、CPU41は、第1信号線SL1のみを導通状態にする。次いで、CPU41は、上記第1の実施形態と同様にして、圧電素子3で発生する電圧信号(図6(a))を第1信号線SL1を介して取得し、該取得した電圧信号に基づいて脈拍測定を行う。
次に、本実施形態の生体情報計測装置40における体温の計測原理及び計測手法を、図13及び図14を参照しながら説明する。なお、図13は、図12に示すCPU41及び圧電素子3間の接続回路部の等価回路図、すなわち、体温計測に関連する回路部の等価回路図である。また、図14(a)及び(b)は、それぞれ、体温計測時にCPU41から抵抗42に出力する電圧パルス信号Va、及び、圧電素子3から出力される応答信号Vbの波形図であり、各波形の横軸は時間tであり、縦軸は電圧である。
圧電素子3は、上述のように温度Tにより、その厚さ方向の静電容量が変化するので、圧電素子3は可変容量コンデンサC(T)として表すことができる。それゆえ、CPU41から第2信号線SL2を介して圧電素子3に至る回路部の等価回路では、図13に示すように、抵抗42(抵抗値R:一定)及び可変容量コンデンサC(T)からなる積分回路が構成される。
この場合は温度変化等により利用者の入浴時か否かの認識も可能になる。
また、本実施形態における脈圧測定は、実施形態1の場合と同じであるので、説明は省略する。
本発明の生体情報計測装置の構成は、上述した各種実施形態の構成に限定されない。ここでは、各種変形例について説明する。
上述のように、利用者によって脈拍の出やすさが異なり、好適な締め付け圧力も利用者毎に異なる。この問題に、より柔軟に対応するため、例えば、上記第1の実施形態の生体情報計測装置1において、さらに、装着ベルト2の周回方向の長さを可変にし、締め付け圧力を適宜調整可能にする機構を設けてもよい。変形例1では、その一構成例を説明する。
上記変形例1では、好適な締め付け圧力を得るために、装着ベルト2の巻き付け長さを任意に調整できる圧力調整部材46を装着ベルト2に設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、装着ベルト2とは別個に、締め付け圧力を強化するための補助部材(以下、サポーターという)を設けてもよい。変形例2では、そのようなサポーターの種々の構成例を説明する。
図16に、変形例2−1の生体情報計測装置で用いるサポーターの概略構成を示す。この例のサポーター51は、例えばゴム、布製ゴム等の弾力性及びフレキシブル性を有する材料で形成されたリング状(筒状)部材で構成される。
図19に、変形例2−2の生体情報計測装置で用いるサポーターの概略構成を示す。この例のサポーター52は、ベルト部52aと、複数の保持部52bとで構成される。
図21(a)及び(b)に、変形例2−3の生体情報計測装置で用いるサポーター53の概略構成を示す。なお、図21(a)及び(b)は、それぞれ、後述の第1保持部53a及び第2保持部53b間を閉じたとき及び開けたときの様子を示す図である。
締め付け部材53cは、例えば、ばね等の弾性部材からなる締め付け金具で構成される。
図23に、変形例2−4の生体情報計測装置で用いるサポーターの概略構成を示す。この例では、サポーター54を、面ファスナーで構成する。なお、サポーター54を利用者の四肢のいずれかに装着する際には、サポーター54を四肢のいずれかに巻き付け、面ファスナーの延在方向(サポーター54の周回方向)の一方の端部付近の下面領域と、それと対向する他方の端部付近の上面領域とを重ね合わせる。
Claims (10)
- 利用者の四肢のいずれかに巻きつけて装着する装着ベルトと、
前記装着ベルトに取り付けられ、前記装着ベルトの巻きつけ方向に伸張又は収縮した際に厚さ方向に発生する電圧の値が変化する圧電素子と、
前記装着ベルトに取り付けられ、前記装着ベルトの押し付け圧を検出する圧力センサと、
前記装着ベルトに取り付けられ、前記圧電素子で発生する電圧信号と、前記圧力センサからの出力信号を取得し、該取得した電圧信号及び出力信号に基づいて前記利用者の生体情報を計測する制御部とを備えたことを特徴とする生体情報計測装置。 - 前記制御部が、
前記装着ベルトの巻きつけ方向の伸張又は収縮に起因して前記圧電素子で発生する電圧信号の振幅変動に基づいて脈波パターンを計測するとともに、
前記圧力センサからの出力信号に基づいて脈圧を計測することを特徴とする請求項1に記載の生体情報計測装置。 - 前記制御部が、
前記計測された脈波パターンのピーク間の時間間隔に基づいて脈拍を計測するとともに、
前記計測された脈圧に基づいて、前記脈波パターンの振幅値を補正することを特徴とする請求項2に記載の生体情報計測装置。 - 前記制御部が、前記脈拍に前記脈圧を乗ずることにより、心仕事量を算出する情報処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の生体情報計測装置。
- さらに、前記装着ベルトに取り付けられ、前記利用者の動作を検出する3次元加速度センサを備え、
前記制御部が、前記3次元加速度センサの検出信号に基づいて、前記利用者が静止状態にあるか否かを判別し、前記利用者が静止状態にあるときのみ、前記圧電素子で発生する電圧信号及び前記圧力センサからの出力信号を取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生体情報計測装置。 - さらに、前記装着ベルトに取り付けられ、前記制御部で計測及び算出した生体情報を外部機器に無線送信するための無線通信デバイスを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の生体情報計測装置。
- さらに、前記装着ベルトに取り付けられ、前記圧電素子で発生した電圧信号及び前記圧力センサからの出力信号並びに前記算出した生体情報を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の生体情報計測装置。
- さらに、前記装着ベルトに取り付けられ、非接触充電可能な電源部と、
前記装着ベルトに取り付けられた前記圧電素子及び前記圧力センサ以外の構成部分を内部に封止する防水封止部材とを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の生体情報計測装置。 - 前記圧力センサが、前記押し付け圧を抵抗値の変化として検出する高分子圧膜フィルム素子で構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の生体情報計測装置。
- 前記制御部が時計機能を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の生体情報計測装置。
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