JP2013236144A - 高周波回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 平衡増幅器と平衡入力平衡出力型のアイソレータモジュールを用いて、簡単な回路構成で小型化可能で高性能な高周波回路を提供する。
【解決手段】
90°ハイブリッド回路5aに一対の単位増幅器PA1、PA2が接続し、第1単位増幅器PA1が、90°移相器30aを介して平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と接続し、第2単位増幅器PA2が、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第2平衡入力ポートPi2と接続し、もって平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10へ差動信号を入力する。
【選択図】 図1
【解決手段】
90°ハイブリッド回路5aに一対の単位増幅器PA1、PA2が接続し、第1単位増幅器PA1が、90°移相器30aを介して平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と接続し、第2単位増幅器PA2が、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第2平衡入力ポートPi2と接続し、もって平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10へ差動信号を入力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有するアイソレータと平衡型増幅器を用いて構成され、特に携帯電話等の移動体通信システムの中で使用される高周波回路に関する。
無線通信サービスを提供する上で、通信設備の設置や整備のためのコストを削減することは常に課題としてある。その一つの解決手法として、固定局と移動局との通信距離を長くして、一つの固定局が担うエリアを広く構成して基地局数を削減することが提案されている。固定局は例えば基地局であり、移動局は携帯電話等の無線通信装置である。
通信距離を長くする為には各局の送信出力電力を高めることが求められるが、単純に出力を高めると対応可能な周波数帯域を狭めてしまうことや、トランジスタの段数を増加させることが必要であり、小電力で動作し、小型の部品で構成される携帯電話等においては、単純に送信出力電力を高めることは容易では無い。この為、平衡型増幅器を用いて高周波信号の出力電力を高めることが行なわれて来た。
図4は、平衡型増幅器とアイソレータを用いて構成された多段型低雑音増幅器の回路ブロックである(特許文献1)。平衡型増幅器は、ハイブリッド回路110、112の間に一対の単位増幅器111a,111bが接続されて構成されており、入力ポートINに入力した高周波信号は、第1ハイブリッド回路110を経て90度の位相差を有する高周波信号に2分配されて、それぞれ第1増幅器111aと第2増幅器111bとに入力する。第1及び第2増幅器111a,111bで増幅された高周波信号は、第2ハイブリッド回路112に入力して同相の高周波信号に合成されてアイソレータ115に入力する。第2ハイブリッド回路112からの出力電力は第1増幅器111a及び第2増幅器111bから出力される信号のほぼ2倍となる。
第1及び第2ハイブリッド回路110、112には、それぞれ終端抵抗Rが接続される。
第1ハイブリッド回路110に接続された終端抵抗Rによって、第1及び第2増幅器111a,111bの入力側からの反射波を熱エネルギーに変換して吸収する。なお理想的には終端抵抗Rが接続されるポートには電圧は現れない。また、第2ハイブリッド回路112に接続された終端抵抗Rは、出力ポートOUTへ入力する反射波を吸収し、第1及び第2増幅器111a、111bの位相や出力電力のばらつきによって生じる合成損失を吸収する。理想的には出力側の終端抵抗Rが接続されるポートにもまた電圧は現れない。
第1ハイブリッド回路110に接続された終端抵抗Rによって、第1及び第2増幅器111a,111bの入力側からの反射波を熱エネルギーに変換して吸収する。なお理想的には終端抵抗Rが接続されるポートには電圧は現れない。また、第2ハイブリッド回路112に接続された終端抵抗Rは、出力ポートOUTへ入力する反射波を吸収し、第1及び第2増幅器111a、111bの位相や出力電力のばらつきによって生じる合成損失を吸収する。理想的には出力側の終端抵抗Rが接続されるポートにもまた電圧は現れない。
前記ハイブリッド回路としてウイルキンソン型ハイブリッド合成分配回路が知られるが、用いられる抵抗は耐圧が求められるので、小型の抵抗器を利用することが出来ない問題がある。そこでハイブリッド回路としては、ハイブリッド回路としてブランチライン型ハイブリッド合成分配器や90°ハイブリッドカップラを用いる場合が多い。
アイソレータ115を通過した信号は第3増幅器113で更に増幅され、出力ポートOUTより出力される。第3増幅器113の反射による信号はアイソレータ115の終端抵抗Rにより吸収される。この様な構成によって、雑音指数(NF)、直線性、相互変調波(IM)特性を向上している。
しかしながら平衡型増幅器の出力側にアイソレータを接続して高周波回路部を構成する場合、増幅された信号が入力される前記アイソレータは耐電力に優れたものを用いなければならず、回路は、その分、大型化してしまう。また、第2ハイブリッド回路112と第1及び第2増幅器111a,111bとの間のそれぞれに、アイソレータを接続することが考えられる。この場合、平衡型増幅器の出力側に接続する場合に比べて、アイソレータに要求される耐電圧特性は少なくて済む。しかしながら、アイソレータを2つ用いれば、単純には、構成部材や高周波回路部におけるアイソレータの占める容積は倍となり、無線通信装置の低廉化、軽量化、小型化を阻害してしまう。
ところで、特許文献2には、2つのアイソレータ機能部を備えたアイソレータモジュールが開示されている。
このアイソレータモジュールの等価回路を図3に示す。第一入力ポートPi1と第一出力ポートPo1との間に配置された第一インダクタンス素子La1と、前記第一インダクタンス素子La1と並列に接続して第一共振回路を構成する第一キャパシタンス素子Ca1と、前記第一並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Raとを備え、第二入力ポートPi2と第二出力ポートPo2との間に配置された第三インダクタンス素子Lb1と、前記第三インダクタンス素子Lb1と並列に接続して第三共振回路を構成する第三キャパシタンス素子Cb1と、前記第三並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Rbと、第一出力ポートPo1と第二出力ポートPo2との間に配置された第三インダクタンス素子L2と、前記第三インダクタンス素子L2と並列に接続して第三共振回路を構成する第三キャパシタンス素子C2とを備える。
このアイソレータモジュールの等価回路を図3に示す。第一入力ポートPi1と第一出力ポートPo1との間に配置された第一インダクタンス素子La1と、前記第一インダクタンス素子La1と並列に接続して第一共振回路を構成する第一キャパシタンス素子Ca1と、前記第一並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Raとを備え、第二入力ポートPi2と第二出力ポートPo2との間に配置された第三インダクタンス素子Lb1と、前記第三インダクタンス素子Lb1と並列に接続して第三共振回路を構成する第三キャパシタンス素子Cb1と、前記第三並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Rbと、第一出力ポートPo1と第二出力ポートPo2との間に配置された第三インダクタンス素子L2と、前記第三インダクタンス素子L2と並列に接続して第三共振回路を構成する第三キャパシタンス素子C2とを備える。
第一インダクタンス素子La1、第二インダクタンス素子La2、第三インダクタンス素子L2は、それぞれ、フェリ磁性体であるマイクロ波フェライト部材に設けられた導体(中心導体と呼ぶ)により形成され、マイクロ波フェライト部材には永久磁石によりバイアス磁界が印加されている。第一インダクタンス素子La1(第1中心導体)、第二インダクタンス素子La2(第2中心導体)は交差せず、第三インダクタンス素子L2(第3中心導体)を構成する中心導体とは、それぞれが絶縁された状態で交差する。
アイソレータモジュール10は、第一入力ポートPi1と第二入力ポートPi2に180°の位相差のある差動信号が入力されると、第1中心電極に電流が流れて、マイクロ波フェライト部材に発生する高周波磁界によって磁気的に結合している第3中心電極に電流が流れるとともに、第1中心電極で発生する磁界と第2中心電極に流れる電流で発生する磁界とが互いに強め合う方向に結合することで、第一出力ポートPo1と第二出力ポートPo2に差動信号が伝送される。このアイソレータモジュール10は、図5に示す様に、180°の位相差で動作する一対の増幅器を備えるプッシュプルアンプ121,122の出力側に接続して用いられる。
アイソレータモジュール10の性能を発揮させるには、その第一及び第二入力ポートPi1、Pi2へ入力する信号を、位相差が理想的な180°である差動信号とするのが好ましい。しかしながら、例えば、プッシュプルアンプ122からアイソレータモジュール10までの間に生じる寄生リアクタンス等の影響によって、差動信号の位相差にばらつきが生じ易く、製作上の誤差やばらつきによって、プッシュプルアンプ122自体からの出力信号も多少のバランス差を持つ。品質の劣る差動信号では、挿入損失が大きくなり、アイソレーション特性が劣化し、平衡型増幅器としても雑音指数(NF)が劣化するという問題があった。
そこで本発明では、平衡入力平衡出力型のアイソレータモジュールを用いて、簡単な回路構成で小型化可能で高性能な平衡型増幅器とアイソレータ機能部を含む高周波回路を提供することを目的とする。
本発明は、平衡型増幅器とアイソレータ機能部を含む高周波回路であって、第1の90°ハイブリッド回路5aに一対の単位増幅器PA1、PA2が接続し、第1単位増幅器PA1が、90°移相器30aを介して平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と接続し、第2単位増幅器PA2が、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第2平衡入力ポートPi2と接続して構成される平衡型増幅器を備えたことを特徴とする高周波回路である。
本発明においては、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo1が第2ハイブリッド回路5bの第1入力ポートPin2aと接続し、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo2が90°移相器を介して前記第2ハイブリッド回路5bの第2入力ポートPin2bと接続するのが好ましい。
また本発明においては、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo1がバラン回路40の第1入力ポートPin2aと接続し、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo2が前記バラン回路40の第2入力ポートPin2bと接続するのも好ましい。
本発明によれば、平衡入力平衡出力型のアイソレータモジュールを用いて、簡単な回路構成で小型化可能で高性能な平衡型増幅器とアイソレータ機能部を含む高周波回路を提供することが出来る。
アイソレータモジュールが扱う電力は従来よりも低電電力で済むので、アイソレータモジュールを小型に構成でき、もって高周波回路を小型化することが出来る。またアイソレータモジュールによって、単位増幅器への不要信号の逆流を防ぐのみならず、単位増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。また雑音指数(NF)、直線性、相互変調波(IM)特性が劣化することもない。
アイソレータモジュールが扱う電力は従来よりも低電電力で済むので、アイソレータモジュールを小型に構成でき、もって高周波回路を小型化することが出来る。またアイソレータモジュールによって、単位増幅器への不要信号の逆流を防ぐのみならず、単位増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。また雑音指数(NF)、直線性、相互変調波(IM)特性が劣化することもない。
以下本発明の平衡型増幅器について説明する。
図1は本発明の一実施態様による平衡型増幅器とアイソレータモジュールを用いた高周波回路の回路構成を示すブロック図である。この高周波回路1は、4つポートを備えた90°ハイブリッド回路5aが入力側に設けられ、その内、出力ポートPout1a、Pout1bのそれぞれに単位増幅器PA1、PA2が接続されている。第1単位増幅器PA1には90°移相器が接続されるが、第2単位増幅器PA2には接続されない。
図1は本発明の一実施態様による平衡型増幅器とアイソレータモジュールを用いた高周波回路の回路構成を示すブロック図である。この高周波回路1は、4つポートを備えた90°ハイブリッド回路5aが入力側に設けられ、その内、出力ポートPout1a、Pout1bのそれぞれに単位増幅器PA1、PA2が接続されている。第1単位増幅器PA1には90°移相器が接続されるが、第2単位増幅器PA2には接続されない。
入力ポートINから入力した高周波信号は、90°ハイブリッド回路5aに入力ポートPin1aに入力し、位相差が90°異なる信号に2分配されて、出力ポートPout1a、Pout1bから第1単位増幅器PA1、第2単位増幅器PA2へ入力される。
90°ハイブリッド回路5aは例えば90°ハイブリッドカップラとして構成される。出力される信号の位相は、構成する線路長さに依存し、結合バランスは前記線路の特性インピーダンスに依存するが、製作時の誤差や、ばらつきによってレベル差が生じる。結合バランスのレベル差のよって生じる反射波は、90°ハイブリッド回路5aの入力ポートPin2aに接続された終端抵抗Rにより消費されるが、位相のレベル差は解消されないまま、第1単位増幅器PA1、第2単位増幅器PA2により増幅された後に出力される。
第1単位増幅器PA1からの出力信号は90°移相器に入力され、位相制御された後、信号S+が出力される。第2単位増幅器PA2からは信号S−が出力され、信号S+と信号S−とが180°の位相差となるように90°移相器30aにより位相制御される。
理想的な180°の位相差状態の信号S+,S−は、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と第2平衡入力ポートPi2に入力される。なおここで言う理想的な位相状態とは、位相差が180°±1dBである場合を言う。更に180°±0.5dBであれば一層好ましい。
理想的な180°の位相差状態の信号S+,S−は、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と第2平衡入力ポートPi2に入力される。なおここで言う理想的な位相状態とは、位相差が180°±1dBである場合を言う。更に180°±0.5dBであれば一層好ましい。
位相差が小さくされた差動信号を平衡入力平衡出力型のアイソレータモジュール10に入力するので、挿入損失の増加が抑えられて、低損失まま信号S+、S−が第1平衡出力ポートPo1と第2平衡出力ポートPo2から出力される。
平衡入力平衡出力型のアイソレータモジュール10の第2平衡出力ポートPo2からの出力信号S−は90°移相器30bに入力し位相制御された後に出力され、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo1からの出力信号S+と、理想的な90°の位相差状態として、90°ハイブリッド回路5bの入力ポートPin2a、Pin2bに入力し、2つの信号が合成されて出力ポートPout2bから出力される。出力ポートPout1bは終端抵抗Rが接続される。したがって、本発明の平衡型増幅器を含む高周波回路は優れた特性を発揮する。90°移相器30a、30bは、λ/4位相線路やLC回路で構成することが出来る。
図2に本発明の一実施態様による平衡型増幅器を用いた高周波回路の他の回路構成をブロック図として示す。この高周波回路では、アイソレータモジュール10から出力される差動信号S+,S−を、バラン回路40の平衡入力ポートPin2a、Pin2bにそれぞれ入力するようにし、2つの信号を合成して出力ポートPout2から出力する。この場合もまた、優れた特性を発揮する。
1 平衡型増幅器
5a、5b 90°ハイブリッド回路
10 アイソレータモジュール
30a、30b 90°移相器
40 バラン回路
PA1 第1単位増幅器
PA2 第2単位増幅器
5a、5b 90°ハイブリッド回路
10 アイソレータモジュール
30a、30b 90°移相器
40 バラン回路
PA1 第1単位増幅器
PA2 第2単位増幅器
Claims (3)
- 平衡型増幅器とアイソレータ機能部を含む高周波回路であって、
第1の90°ハイブリッド回路5aに一対の単位増幅器PA1、PA2が接続し、
第1単位増幅器PA1が、90°移相器30aを介して平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡入力ポートPi1と接続し、第2単位増幅器PA2が、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第2平衡入力ポートPi2と接続して構成される平衡型増幅器を備えたことを特徴とする高周波回路。 - 請求項1に記載の高周波回路であって、
平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo1が第2ハイブリッド回路5bの第1入力ポートPin2aと接続し、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo2が90°移相器30bを介して前記第2ハイブリッド回路5bの第2入力ポートPin2bと接続することを特徴とする高周波回路。 - 請求項1に記載の高周波回路であって、
平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo1がバラン回路40の平衡ポートである第1入力ポートPin2aと接続し、平衡入力平衡出力型アイソレータモジュール10の第1平衡出力ポートPo2が前記バラン回路40の平衡ポートである第2入力ポートPin2bと接続することを特徴とする高周波回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012105748A JP2013236144A (ja) | 2012-05-07 | 2012-05-07 | 高周波回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012105748A JP2013236144A (ja) | 2012-05-07 | 2012-05-07 | 高周波回路 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012105748A Pending JP2013236144A (ja) | 2012-05-07 | 2012-05-07 | 高周波回路 |
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Country | Link |
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2012
- 2012-05-07 JP JP2012105748A patent/JP2013236144A/ja active Pending
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