図1から図12と以下の説明は、当業者に本発明の最良の形態を生成し使用する方法を教示するため、具体的な例を提示している。本発明の原理を教示するため、幾つかの従来型の態様を簡素化又は省略している。当業者には理解頂けるように、これらの例には本発明の範囲内で様々な変更を施すことができる。当業者には理解頂けるように、以下に記載する特徴を様々な方法で組み合わせると、本発明を多様に変化させることができる。結果的に、本発明は、以下に説明する具体的な例に限定されるのではなく、特許請求の範囲とその等価物によってのみ限定される。
図1は、流量計アッセンブリ10と流量計電子機器20を備えた流量計5を示している。流量計電子機器20は、リード線100を介して計器アッセンブリ10に接続されており、経路26を通して密度、質量流量、体積流量、総質量流量、温度及び他の情報を提供する。当業者には自明であるが、本発明は、駆動機構、ピックオフセンサー、流れ導管の数、又は振動の作動モードに関係無く、どの様な型式のコリオリ流量計にも使用することができる。更に、流量計5は、代わりに、振動デンシトメーターを備えていてもよいものと認識頂きたい。
流量計アッセンブリ10は、一対のフランジ101と101’、マニホルド102と102’、駆動機構104、ピックオフセンサー105−105’、及び流れ導管103Aと103Bを含んでいる。駆動機構104とピックオフセンサー105及び105’は、流れ導管103Aと103Bに接続されている。
フランジ101と101’は、マニホルド102と102’に取り付けられている。マニホルド102と102’は、スペーサー106の互いに反対側の端部に取り付けられている。スペーサー106は、マニホルド102と102’の間の間隔を維持して、流れ導管103Aと103Bの望ましくない振動を防ぐ。流量計アッセンブリ10が、測定対象物質を搬送する導管システム(図示せず)に挿入されると、物質は、フランジ101を通って、流量計アッセンブリ10に入り、入口マニホルド102に送られ、全量の物質が流れ導管103Aと103Bへ送られ、流れ導管103Aと103Bを通って出口マニホルド102’に戻り、そこでフランジ101’を通って流量計アッセンブリ10を出る。
流れ導管103Aと103Bは、それぞれ、曲げ軸W‐WとW’‐W’に関して実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を有するように、選択され、入口マニホルド102と出口マニホルド102’に適切に取り付けられている。流れ導管は、マニホルドから外向きに、基本的に平行に伸張している。
流れ導管103Aと103Bは、駆動機構104で、それぞれの曲げ軸WとW’の周りに反対方向に、流量計の一次位相外れ曲げモードと呼ばれるモードで駆動される。駆動機構104は、多くの周知の装置の何れかで構成されており、例えば、流れ導管103Aに磁石を取り付け、流れ導管103Bには相対するコイルを取り付ける。このコイルに交流を流して両方の導管を振動させる。適した駆動信号が、流量計電子機器20によって、リード線110を介して、駆動機構104に送られる。
流量計電子機器20は、センサー信号をそれぞれリード線111と111’で受信する。流量計電子機器20は、リード線110に駆動信号を作り出し、駆動機構104に流れ導管103Aと103Bを振動させる。流量計電子機器20は、質量流量を計算するためピックオフセンサー105と105’からの左右の速度信号を処理する。経路26は、流量計電子機器20がオペレーター又は他の電子システムとインターフェースを取ることができるようにする入力及び出力手段を提供する。図1の解説は、単にコリオリ流量計の作動の例として提供したものであって、本発明の教示を限定する意図はない。
図2は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200の図である。流量計200は、第1流れ導管201と少なくとも1つの追加の流れ導管202を含んでいる。2つの流れ導管201と202は、入口と出口の両端にフランジ212を含んでいる。多重流れ導管流量計200は2つ以上の流れ導管を含むものであると理解頂きたい。しかしながら、明解さを期して、2つだけを示し、論じることにする。流量計200は、第1流動流及び第1流動流から独立している少なくとも1つの追加の流動流を含め、流動物質を導くことができる。
第1流れ導管201と第2流れ導管202の間には、共通の駆動機構220が配置されており、流れ導管201と202は共に、共通の駆動機構220によって振動する。多重流れ導管流量計200が3つ以上の導管を含む場合、少なくとも2つの流れ導管を振動させるのに駆動機構1つを使用することから、駆動機構の数は流れ導管の数より1つ少なくなる。
第1流れ導管201は、第1流れ導管201の振動を検出するよう配置されている一対の第1ピックオフセンサー215と215’を含んでいる。第1ピックオフセンサー215と215’はどの様な様式の剛性のある支持構造(図示せず)によって支持されていてもよく、ここでは、第1ピックオフセンサーは、支持構造によって固定位置に保持されており、対応する流れ導管の振動の相対運動を測定する。第2流れ導管202は、第2流れ導管202の振動を検出するよう配置され、同様に支持構造(図示せず)に取り付けられている、一対の第2ピックオフセンサー216と216’を含んでいる。ピックオフセンサー215と215’の支持構造は、ピックオフセンサー216と216’で採用されている支持構造と同じでもよいし、異なっていてもよい。流れ導管201と202が振動すると、一対の第1ピックオフセンサー215と215’は、第1流れ導管201の流れの特性の測定値を生成し、一対の第2ピックオフセンサー216と216’は、第2流れ導管202の流れの特性の測定値を生成する。
一対の第1ピックオフセンサー215と215’と一対の第2ピックオフセンサー216と216’からの流れの特性の測定値は、流量計電子機器20に受信され、処理される(図1参照)。流量計電子機器20は、第1流動流に関連する第1の流れの測定値と、第2流動流に関連する第2の流れの測定値を生成することになる。同処理では、例えば、質量流量及び/又は密度の測定値が生成されることになる。
他に、同処理によって生成されるもう1つの流れの特性は、各流動流の粘性値である。2つの流れ導管が、流れの面積が異なる導管である場合、例えば、多重流れ導管流量計200は、動的粘度及びコーティングを測定するように構成してもよい。同処理では他の流れの特性も生成することができ、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
第1流動流は、第2流動流から独立している。結果的に、第1流動流は、第2流動流に関連付けられ又は影響されることはなく、その逆も然りである。このため、各流れ導管を通る流れは、他の導管を通る流れから独立して測定され制御される。
1つの実施形態では、第1流動流は、第2流動流とは異なる流量を有している。1つの実施形態では、第1流動流は第1流動物質を備え、第2流動流は第2流動物質を備えている。第1流動流は第1密度を有し、第2流動流は第2密度を有している。例えば、第1流動流は第1燃料を備え、第2流動流は第2燃料を備えているという場合がある。両燃料は、異なる速度で流れている場合もある。従って、第1及び第2の流れの測定値を使って流量計電子機器20で、例えば、2つの独立した燃料計量処理を行うことができる。
1つの実施形態では、流れ導管201と202は、図示の様に、略U字型の流れ導管を備えている。代わりに、図5に示し下で論じる或る実施形態では、流れ導管201と202は、実質的に真っすぐな流れ導管を備えている。しかしながら、他の形状を使ってもよく、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
1つの実施形態では、第1流れ導管201は、第2流れ導管202と同じ断面積を有している。代わりに、それらは異なる断面積を有していてもよい。
図3は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計の測定方法の流れ図300である。本方法は、第1流れ導管だけを通る流れを測定するのに、又は第2流れ導管だけを通る流れを測定するのに、又は第1と第2の流れ導管両方を通る流れを同時に測定するのに使用することができる。
ステップ301で、第1流れ導管と第2流れ導管を、共通の駆動機構220によって振動させる。第1流れ導管は第1流動流を導き、第2流れ導管は第2流動流を導いている。1つの実施形態の流れ導管は、それぞれ、別々の組になったピックオフセンサーを有している(図2参照)。代わりに、別の実施形態では、流れ導管は、一組のピックオフセンサーを共有している(図4参照)。
ステップ302で、第1流れ導管の第1振動応答を受信する。第1振動応答は、一組のピックオフセンサーが生成した電気信号を備えており、ここでは、電気信号は、第1振動応答と関係している。第1流れ導管の中には第1流動物質が流れている。第1振動応答は、従って、第1流れ導管を通る流動物質の振動応答を含んでいることになる。
ステップ303で、第2流れ導管の第2振動応答を受信する。第2振動応答は、一組のピックオフセンサーが生成した電気信号を備えており、ここでは、電気信号は、第2振動応答と関係している。第2振動応答は、従って、第2流れ導管を通る流動物質の振動応答を含む場合、又は非流動振動応答を含む場合、又は空の第2流れ導管の振動応答を含む場合がある。
ステップ304で、第1流動流の第1の流れの特性を求める。なお、このステップでは、2つ以上の第1の流れの特性を求めるものと理解頂きたい。第1の流れの特性は、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。第1の流れの特性には、第1流動物質の質量流量
が含まれる。更に、第1流動物質の密度、粘度、その他を、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求めることができる。
ステップ305で、少なくとも1つの追加の流動流の第2の流れの特性を求める。なお、このステップでは、少なくとも1つの追加の流動流の2つ以上の流れの特性を求めるものと理解頂きたい。第2の流れの特性は、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。第2の流れの特性には、第2流動物質の質量流量
が含まれる。更に、第2流動物質の密度、粘度、その他が、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。
各流れ導管を通る流れは独立しているが、一方の流れ導管を通る質量流量の測定は、他方の導管を通る流れと無関係ではない。一方の導管を通る流れは、他方の導管に或る位相を生じさせる。このように関連しているため、本発明による、多重流れ導管流量計200では、新しい質量流量の数式を使用する。新しい二重流れ導管の数式は、両方の導管201と202に起こる時間遅延(即ち、Δt1とΔt2)に基づいている。
一般的な二重管コリオリ流量計では、2つの流れ導管の間で位相を測定し、流量計の入口側のピックオフと出口側のピックオフの間の位相差を計算する。この位相差は、たった1つの時間遅延(Δt)に変換され、これを使用し、数式、
を用いることによって、流れの量、例えば、質量流量
が求められる。
この数式では、流れを測定するのに、たった1つの時間遅延(Δt)測定値を使っている。時間遅延(Δt)は、ゼロ時の時間遅延(Δtz)を用いて調整される。ゼロ時の時間遅延(Δtz)は、流れ無し条件下で求められた較正因数を備えている。
しかしながら、この従来型の質量流量数式は、多重流れ導管流量計には適合しない。その理由は、本発明の二重流れ導管では、流れは両方の流れ導管内に何らかの位相を生じさせるからである。これは、2つの流れ導管の内の一方だけに流れがある場合にも当てはまる。従来の流量計では、共通の流れが両方の流れ導管を通るので、生じた位相はどの導管も同じである。その結果、生じた位相は、2つの導管間の位相差としては見られず、結果を計算する時の因数にはならない。従って、従来型の流量計で流量を求めるために、先行技術では、たった1つの時間遅延を用いることにしている。
これに対して、本発明では、第1と第2の流動流は独立している。そのために、2つの流れによって生じる位相は、2つの流れ導管により異なる。従って、たった1つの時間遅延に基づく質量流量式を採用することはできない。
多重流れ導管流量計200内の流れは、流れが、一方の導管だけにしか存在しなくても、流れ導管201と202の両方に位相を生じさせる。生じた2つの位相は、異なるであろう。結果として、流れを測定するには、各流れ導管による2つの時間遅延測定が必要である。流れの測定は、1つの流れの場合もあれば、2つの流れの場合もある。この測定方式の一つの実例は、以下の数式
を用いて説明することができ、ここに下付き文字1は第1流管を指し、下付き文字2は第2流管を指す。一方の流管を通る流れが他方の流管に位相を生じさせるという事実から、数式(2)と(3)の第2項(即ち、例えば、FCF
12項の「2」に相当)が必要である。流れ導管201と202両方の質量流量を求める場合、流量計電子機器20では数式(2)と(3)を用いる。
以下、式
の時間遅延値では、上付き文字Aは、どちらの流れ導管が流れを導いているかを示す。流れが第2流れ導管202を通って導かれている場合、時間遅延値は式
となる。下付き文字Bは、振動応答を受信する導管を示す。従って、値
は、流れが第1流れ導管を通っている場合に、第2流れ導管で測定された時間遅延である。或いは、値
は、流れが第2流れ導管202を通っている場合に、第1流れ導管で測定された時間遅延である。上付き文字ゼロは、流れ無し条件を示しており、ここに、値
は、第1流れ導管が、ゼロ流れ又は流れ無し条件下で共通の駆動機構220によって振動されている場合に、第1流れ導管201で測定された時間遅延を示す。
しかしながら、流れの特性を求めるのに数式(2)と(3)の更に単純な形式を用いることができる。数式(2)と(3)では、何らの対称性も利用していない。時間遅延には、対称性の1つの可能な形式がある。時間遅延が対称的であれば、即ち、
であるなら、式(2)と(3)は、
となる。
Tの項は、温度測定値を示している。Tc1の項は第1流れ導管の温度であり、Tm1の項は第1流動流体の温度である。同様に、Tc2の項は第2流れ導管の温度であり、Tm2の項は第2流動流体の温度である。(Δtz1)の値は、第1流れ導管のゼロ流れ較正値であり、(Δtz2)の値は、第2流れ導管のゼロ流れ較正値である。流量較正因数FCF11、FCF12、FCF21、及びFCF22は、流れ試験で求めた後、流れの特性の較正に用いられる較正係数である。
更に、流量較正因数が対称である可能性も考えられる。この場合、流量較正因数はほぼ対称である、即ち、FCF12≒FCF21という事実によって、数式(5)と(6)は更に単純になる。数式の対称性は、較正処理に影響を与えることになる。
2つの質量流量を測定することが可能になることで、2つの質量流量のみならず、それ以外にも追加の処理変数を測定することができるようになる。例えば、2つの流れ導管が、流れの断面積が異なる導管である場合、2つの流量の比は、動的粘度に関係付けることができる。もう一つ考えられる用途として、流れ導管の内部面のコーティングの測定がある。流れ導管にその様なコーティングがあれば、システムの質量に不均衡が生じるはずであり、この質量の不均衡は、得られた2つの流れ導管の振動応答の振幅比によって検出することができる。これらは、2つの独立した流動流を測定する流量計で実現可能になるものの内のほんの二例である。
式(1)で表わされている先行技術の単一の流れのコリオリ流量計の較正手順は、かなり単純である。多重流れ導管流量計200では、ゼロ時の時間遅延(Δtz)はゼロ流れ条件下で求められ、FCF値はたった1つの流量で試験をして求められる。
数式(2)と(3)及び(5)と(6)から、同様の戦略((Δtz)のゼロ時測定と管当たり少なくとも1つの流れで試験すること)は、多重流れ導管流量計では機能しないことが分かる。
図4は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。他の図と共通している構成要素は、参照番号を共有する。この実施形態では、第1流れ導管201と第2流れ導管202の間には一対のピックオフセンサー215と215’しか配置されていない。対になったピックオフセンサー215と215’で、両方の流れ導管内の振動を測定し、ピックオフセンサー215と215’それぞれが、2つの流れ導管の間の時間遅延に関係する信号を提供する。
図5は、本発明の或る実施形態による、直管型の多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、流れ導管201と202は、実質的に真っ直ぐである。この実施形態の流量計200は、図2の様に二組のピックオフを含んでもよいし、図4の様に一組のピックオフを含んでもよいものと理解頂きたい。
図6は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、流量計200は、分流器203の形態をした共通の入り口を含んでいる。分流器203は、第1流れ導管201と第2流れ導管202の両方に結合されている。この実施形態では、各流れ導管は、先に論じたように、関係付けられている一対のピックオフセンサー215と215’及び一対のピックオフセンサー216と216’を有している。下流の装置(図示せず)が、流れ調整又は流れ制御を提供している。
図7は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態は、図6と同じ様に分流器203を含んでいる。しかしながら、この実施形態には、一対のピックオフセンサー215と215’しか含まれていない。図4と同じ様に、対になったピックオフセンサー215と215’は、流れ導管201と202両方の振動を同時に測定する。
図8は、本発明の或る実施形態による、較正セットアップ260内の多重流れ導管流量計200を示している。多重流れ導管流量計200が、別々の入口と別々の出口を有しているこの実施形態では、第1及び第2の基準流量計291と292が較正処理のために採用されている。基準流量計291と292は、流れ条件を正確に測定するのに使用される流量計であり、試験対象の流量計は、基準流量計291と292から得られた測定値を使って較正される。
第1基準流量計291は、第1流れ導管201を流れている第1流動流を測定し
測定値を生成する。第2基準流量計292は、第2流れ導管202を流れている第2流動流を測定し、
測定値を生成する。従って、各流れ導管及び関係付けられている基準流量計を通る流れは、他方の流れ導管を通る流れから切り離され独立している。更に、他の流れの測定値を得ることができる。
得られた測定値は、様々な実施形態による多重流れ導管流量計200を較正するのに使用することができる。可能な較正操作を、例えば図10に関連付けて下で論じる。但し、他の較正技法も考えられ、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
図9は、本発明の或る実施形態による、較正セットアップ260内の多重流れ導管流量計200を示している。流量計200に入口が1つしかないこの実施形態では、第1及び第2基準流量計291と292は、第1及び第2流れ導管201と202の各出口に接続されている。第1及び第2流れ導管201と202を通る流れは、2つの出口と連通している下流の弁又は他の装置(図示せず)によって制御されている。先の様に、第1基準流量計291は、第1流れ導管201を流れている第1流動流を測定し、
測定値を生成する。第2基準流量計292は、第2流れ導管202を流れている第2流動流を測定し、
測定値を生成する。更に、較正セットアップ260は、多重流れ導管流量計200に入ってくる総質量流量
を測定する基準流量計293を含んでいる。
図10は、本発明の或る実施形態による多重流れ導管流量計較正方法の流れ図1000である。較正の基本式は、
から成り立っている。
ステップ1001で、多重流れ導管流量計200(即ち、試験対象装置、図8と図9を参照)をゼロに設定する。このステップでは、流量計200の流れ導管201と202は共に流動物質が充填されているが、流量計200の中を流れることは許容されていない。流れ導管201と202を、流れ無し条件下で振動させて、例えば、第1及び第2の流れ導管の時間遅延値
の様な1つ又はそれ以上の流れの特性を求める。
ステップ1001で、流れがゼロ
であって、ゼロ設定操作を行う場合、数式(7)は、
となる。
ステップ1002で、基準流量計291と292を、今述べた様に、ゼロ流れ条件下でゼロに設定する。なお、このステップは、ステップ1001の前に行っても又は後に行なってもよいと理解頂きたい。
ステップ1003で、第1流れ導管201だけに流れを発生させる。流れている間、流量計200と第1基準流量計291は共に第1の流れの特性を測定する。例えば、流量計200は、第1流れ導管201が流れている状態で、第1流れ導管201の時間遅延
を記録する。流量計200は、第1流れ導管201が流れている間、但し、第2流れ導管202には流れが無い状態で、第2流れ導管202の時間遅延
を測定する。更に、第1基準流量計291は、第1流れ導管201を通る質量流量を測定する(即ち、REF
1値を生成する)。ステップ1003では、第1流れ導管201の中に流れが発生している場合、式(7)は
となる。
ステップ1004で、第2流れ導管202に流れを発生させる。流れている間、多重流れ導管流量計200と第2基準流量計292は共に第2の流れの特性を測定する。例えば、流量計200は、第2流れ導管202が流れている状態で、第2流れ導管202の時間遅延
を測定する。流量計200は、第2流れ導管202が流れている間に、但し、第1流れ導管201に流れが無い状態で、第1流れ導管201の時間遅延
を測定する。更に、第2基準流量計292は、第2流れ導管202を通る流れの質量流量を測定する(即ち、REF
2値を生成する)。ステップ1004では、第2流れ導管202の中に流れが発生している場合、数式(7)は
となる。
REF1値とREF2値が2つの異なる基準流量計により生成されることに注目して頂きたい(図9参照)。代わりに、REF1値とREF2値は、1つの基準流量計によって別々の時期に生成されてもよい(図11参照)。
ステップ1005で、上で得た様々な流れの特性の測定値を、(4×4)行列に挿入する(下の数式(13)参照)。流量較正因数FCF11、FCF12、FCF21、及びFCF22を生成するために、行列反転を解く。これら流量較正因数は、質量流量、密度、粘度、その他、の通常の演算算定を含め、その後の流れの特性計算に使用される。
ここで、数式が4個と未知数が4個になる。既知(即ち、測定された)量は、
である。ゼロ設定ステップより、
であったことを思い出して頂きたい。
未知数は、流量較正因数FCF11、FCF12、FCF21、及びFCF22である。これらのFCFは、較正処理で求められる値である。
別の実施形態では、本発明による多重流れ導管流量計200は、3つ以上の流れ導管を含む場合がある。例えば、多重流れ導管流量計200は、N個の流れ導管を含むことができる。複数の流れ導管が、2つの流れ導管を有する流量計と実質的に同じように挙動することを前提条件とする。流れ導管が3つであれば、行列式は、
となる。
この3つの流れ導管の例に対して同じ命名法を使用すると、未知数は9個(即ち、上の数式(14)のFCF行列)となり、3つの異なる流量較正点が必要となる。3つの較正点のそれぞれの較正点で、(Δt)測定値は、3つのゼロ基準流量(z)と共に記録される。較正点1は、
から成り立っている。
基準較正点の全てが異なるものと仮定すると、例えば、(i)が(j)に等しくない場合はREF
ij=0と仮定され、(i)=(j)の場合はREF
ij=REFであると仮定される。例えば、これにより、REF
12=0であり、REF
22(etc.)=C
REFであるという仮定が導き出される。その結果、数式は9個、未知の較正因数は9個になる。これらの値を[9×9]行列式に組み立て、行列反転を使って、以下の様に解く。
ここに、項
は、[9×1]行列であり、
ここに、項[ΔT]
(-1)は[9×9]行列であり、
ここに、項
は、[9×1]行列である。
更に一般的な項では、N流路の場合、基本式は、
である。
これは、N個の較正点を必要とし、その結果、N
2個の数式とN
2個の未知数が発生し、それらを、行列反転を使って解く。
ここに、項
は、[N
2×1]行列であり、
ここに、項[ΔT]
(-1)は[N
2×N
2]行列であり、
ここに、項
は、[N
2×1]行列である。
図11は、本発明の或る実施形態による較正セットアップ1100を示している。較正セットアップ1100は、第1弁294a及び第2弁294bと、1つの基準流量計293を含んでいる。第1及び第2弁294aと294bは、第1流動流を第1流れ導管210aを通して導くように、又は第2流動流を第2流れ導管210bを通して導くように、又は組み合わされた流動流を両方の流れ導管210aと210bを通して導くように、制御される。
基準流量計293は、3つのピックオフセンサーを備えた流量計200の後ろで、且つ弁294aと294bの後ろに設置されているものとして図示されている。しかしながら、点線で示すように、基準流量計293(及び/又は弁294aと294b)は流量計200の上流に設置してもよい。
なお、較正セットアップ1100では、値REF1及びREF2は、基準流量計293によって、別々の時期に生成されるものと理解頂きたい。例えば、較正処理中に、第1弁294aを開き第2弁294bを閉じることによって、第1流れ導管210aを通る第1流動流を発生させる。続いて基準流量計293によって生成される基準測定値はREF1値である。次に、第2流れ導管210bを通る第2の流れを作り出すために、第1弁294aを閉じ、第2弁294bを開ける。続いて基準流量計293によって生成される基準測定値はREF2値である。
図12は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、各流れ導管210a−210nは、個別の入力212a−212nを含んでいる。但し、流れ導管210a−210nの全てが合流して1つの出力213になっている。流れ導管210a−210nを通る流れを制御するために、個別の入力212a−212nの上流には弁が含まれている。その結果、多重流れ導管流量計200は、複数の流動流を混ぜ合わせて、出力213で1つの流動流にすることができる。出力流動流の個別の構成成分は、多重流れ導管流量計200によって計量される。
本発明では、流れの特性の測定は、2つ又はそれ以上の独立した流動流について、実質的に同時に得られる。先行技術とは異なり、駆動機構は2つ又はそれ以上の独立した流動流を導く2つ又はそれ以上の導管を振動させる。先行技術とは異なり、流動流は異なる流速度で流れることができる。先行技術とは異なり、流動流は異なる密度を有していてもよい。先行技術とは異なり、流れ導管は異なる断面積を持つことができる。先行技術とは異なり、本発明の流量計は、複数の流れ導管を含むことができる。先行技術とは異なり、本流量計は、駆動機構を共有することができるので、少なくとも1つの駆動機構を無くすことができる。
構成要素を共有することにより、流量計の費用を削減することができるのは好都合である。更に、流量計(及び完全な計量/分注システム)の全体寸法を小さくすることができる。更に、共通の駆動機構を共有することで、電力消費量が減り、たった1つのより小型の電子機器電源を利用することが可能になる。
図1から図12と以下の説明は、当業者に本発明の最良の形態を生成し使用する方法を教示するため、具体的な例を提示している。本発明の原理を教示するため、幾つかの従来
型の態様を簡素化又は省略している。当業者には理解頂けるように、これらの例には本発明の範囲内で様々な変更を施すことができる。当業者には理解頂けるように、以下に記載する特徴を様々な方法で組み合わせると、本発明を多様に変化させることができる。結果的に、本発明は、以下に説明する具体的な例に限定されるのではなく、特許請求の範囲とその等価物によってのみ限定される。
図1は、流量計アッセンブリ10と流量計電子機器20を備えた流量計5を示している。流量計電子機器20は、リード線100を介して計器アッセンブリ10に接続されており、経路26を通して密度、質量流量、体積流量、総質量流量、温度及び他の情報を提供する。当業者には自明であるが、本発明は、駆動機構、ピックオフセンサー、流れ導管の数、又は振動の作動モードに関係無く、どの様な型式のコリオリ流量計にも使用することができる。更に、流量計5は、代わりに、振動デンシトメーターを備えていてもよいものと認識頂きたい。
流量計アッセンブリ10は、一対のフランジ101と101’、マニホルド102と102’、駆動機構104、ピックオフセンサー105−105’、及び流れ導管103Aと103Bを含んでいる。駆動機構104とピックオフセンサー105及び105’は、流れ導管103Aと103Bに接続されている。
フランジ101と101’は、マニホルド102と102’に取り付けられている。マニホルド102と102’は、スペーサー106の互いに反対側の端部に取り付けられている。スペーサー106は、マニホルド102と102’の間の間隔を維持して、流れ導管103Aと103Bの望ましくない振動を防ぐ。流量計アッセンブリ10が、測定対象物質を搬送する導管システム(図示せず)に挿入されると、物質は、フランジ101を通って、流量計アッセンブリ10に入り、入口マニホルド102に送られ、全量の物質が流れ導管103Aと103Bへ送られ、流れ導管103Aと103Bを通って出口マニホルド102’に戻り、そこでフランジ101’を通って流量計アッセンブリ10を出る。
流れ導管103Aと103Bは、それぞれ、曲げ軸W‐WとW’‐W’に関して実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を有するように、選択され、入口マニホルド102と出口マニホルド102’に適切に取り付けられている。流れ導管は、マニホルドから外向きに、基本的に平行に伸張している。
流れ導管103Aと103Bは、駆動機構104で、それぞれの曲げ軸WとW’の周りに反対方向に、流量計の一次位相外れ曲げモードと呼ばれるモードで駆動される。駆動機構104は、多くの周知の装置の何れかで構成されており、例えば、流れ導管103Aに磁石を取り付け、流れ導管103Bには相対するコイルを取り付ける。このコイルに交流を流して両方の導管を振動させる。適した駆動信号が、流量計電子機器20によって、リード線110を介して、駆動機構104に送られる。
流量計電子機器20は、センサー信号をそれぞれリード線111と111’で受信する。流量計電子機器20は、リード線110に駆動信号を作り出し、駆動機構104に流れ導管103Aと103Bを振動させる。流量計電子機器20は、質量流量を計算するためピックオフセンサー105と105’からの左右の速度信号を処理する。経路26は、流量計電子機器20がオペレーター又は他の電子システムとインターフェースを取ることができるようにする入力及び出力手段を提供する。図1の解説は、単にコリオリ流量計の作動の例として提供したものであって、本発明の教示を限定する意図はない。
図2は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200の図である。流量計200は、第1流れ導管201と少なくとも1つの追加の流れ導管202を含んでいる。
2つの流れ導管201と202は、入口と出口の両端にフランジ212を含んでいる。多重流れ導管流量計200は2つ以上の流れ導管を含むものであると理解頂きたい。しかしながら、明解さを期して、2つだけを示し、論じることにする。流量計200は、第1流動流及び第1流動流から独立している少なくとも1つの追加の流動流を含め、流動物質を導くことができる。
第1流れ導管201と第2流れ導管202の間には、共通の駆動機構220が配置されており、流れ導管201と202は共に、共通の駆動機構220によって振動する。多重流れ導管流量計200が3つ以上の導管を含む場合、少なくとも2つの流れ導管を振動させるのに駆動機構1つを使用することから、駆動機構の数は流れ導管の数より1つ少なくなる。
第1流れ導管201は、第1流れ導管201の振動を検出するよう配置されている一対の第1ピックオフセンサー215と215’を含んでいる。第1ピックオフセンサー215と215’はどの様な様式の剛性のある支持構造(図示せず)によって支持されていてもよく、ここでは、第1ピックオフセンサーは、支持構造によって固定位置に保持されており、対応する流れ導管の振動の相対運動を測定する。第2流れ導管202は、第2流れ導管202の振動を検出するよう配置され、同様に支持構造(図示せず)に取り付けられている、一対の第2ピックオフセンサー216と216’を含んでいる。ピックオフセンサー215と215’の支持構造は、ピックオフセンサー216と216’で採用されている支持構造と同じでもよいし、異なっていてもよい。流れ導管201と202が振動すると、一対の第1ピックオフセンサー215と215’は、第1流れ導管201の流れの特性の測定値を生成し、一対の第2ピックオフセンサー216と216’は、第2流れ導管202の流れの特性の測定値を生成する。
一対の第1ピックオフセンサー215と215’と一対の第2ピックオフセンサー216と216’からの流れの特性の測定値は、流量計電子機器20に受信され、処理される(図1参照)。流量計電子機器20は、第1流動流に関連する第1の流れの測定値と、第2流動流に関連する第2の流れの測定値を生成することになる。同処理では、例えば、質量流量及び/又は密度の測定値が生成されることになる。
他に、同処理によって生成されるもう1つの流れの特性は、各流動流の粘性値である。2つの流れ導管が、流れの面積が異なる導管である場合、例えば、多重流れ導管流量計200は、動的粘度及びコーティングを測定するように構成してもよい。同処理では他の流れの特性も生成することができ、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
第1流動流は、第2流動流から独立している。結果的に、第1流動流は、第2流動流に関連付けられ又は影響されることはなく、その逆も然りである。このため、各流れ導管を通る流れは、他の導管を通る流れから独立して測定され制御される。
1つの実施形態では、第1流動流は、第2流動流とは異なる流量を有している。1つの実施形態では、第1流動流は第1流動物質を備え、第2流動流は第2流動物質を備えている。第1流動流は第1密度を有し、第2流動流は第2密度を有している。例えば、第1流動流は第1燃料を備え、第2流動流は第2燃料を備えているという場合がある。両燃料は、異なる速度で流れている場合もある。従って、第1及び第2の流れの測定値を使って流量計電子機器20で、例えば、2つの独立した燃料計量処理を行うことができる。
1つの実施形態では、流れ導管201と202は、図示の様に、略U字型の流れ導管を備えている。代わりに、図5に示し下で論じる或る実施形態では、流れ導管201と202は、実質的に真っすぐな流れ導管を備えている。しかしながら、他の形状を使ってもよ
く、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
1つの実施形態では、第1流れ導管201は、第2流れ導管202と同じ断面積を有している。代わりに、それらは異なる断面積を有していてもよい。
図3は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計の測定方法の流れ図300である。本方法は、第1流れ導管だけを通る流れを測定するのに、又は第2流れ導管だけを通る流れを測定するのに、又は第1と第2の流れ導管両方を通る流れを同時に測定するのに使用することができる。
ステップ301で、第1流れ導管と第2流れ導管を、共通の駆動機構220によって振動させる。第1流れ導管は第1流動流を導き、第2流れ導管は第2流動流を導いている。1つの実施形態の流れ導管は、それぞれ、別々の組になったピックオフセンサーを有している(図2参照)。代わりに、別の実施形態では、流れ導管は、一組のピックオフセンサーを共有している(図4参照)。
ステップ302で、第1流れ導管の第1振動応答を受信する。第1振動応答は、一組のピックオフセンサーが生成した電気信号を備えており、ここでは、電気信号は、第1振動応答と関係している。第1流れ導管の中には第1流動物質が流れている。第1振動応答は、従って、第1流れ導管を通る流動物質の振動応答を含んでいることになる。
ステップ303で、第2流れ導管の第2振動応答を受信する。第2振動応答は、一組のピックオフセンサーが生成した電気信号を備えており、ここでは、電気信号は、第2振動応答と関係している。第2振動応答は、従って、第2流れ導管を通る流動物質の振動応答を含む場合、又は非流動振動応答を含む場合、又は空の第2流れ導管の振動応答を含む場合がある。
ステップ304で、第1流動流の第1の流れの特性を求める。なお、このステップでは、2つ以上の第1の流れの特性を求めるものと理解頂きたい。第1の流れの特性は、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。第1の流れの特性には、第1流動物質の質量流量
が含まれる。更に、第1流動物質の密度、粘度、その他を、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求めることができる。
ステップ305で、少なくとも1つの追加の流動流の第2の流れの特性を求める。なお、このステップでは、少なくとも1つの追加の流動流の2つ以上の流れの特性を求めるものと理解頂きたい。第2の流れの特性は、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。第2の流れの特性には、第2流動物質の質量流量
が含まれる。更に、第2流動物質の密度、粘度、その他が、第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答から求められる。
各流れ導管を通る流れは独立しているが、一方の流れ導管を通る質量流量の測定は、他方の導管を通る流れと無関係ではない。一方の導管を通る流れは、他方の導管に或る位相を生じさせる。このように関連しているため、本発明による、多重流れ導管流量計200
では、新しい質量流量の数式を使用する。新しい二重流れ導管の数式は、両方の導管201と202に起こる時間遅延(即ち、Δt1とΔt2)に基づいている。
一般的な二重管コリオリ流量計では、2つの流れ導管の間で位相を測定し、流量計の入口側のピックオフと出口側のピックオフの間の位相差を計算する。この位相差は、たった1つの時間遅延(Δt)に変換され、これを使用し、数式、
を用いることによって、流れの量、例えば、質量流量
が求められる。
この数式では、流れを測定するのに、たった1つの時間遅延(Δt)測定値を使っている。時間遅延(Δt)は、ゼロ時の時間遅延(Δtz)を用いて調整される。ゼロ時の時間遅延(Δtz)は、流れ無し条件下で求められた較正因数を備えている。
しかしながら、この従来型の質量流量数式は、多重流れ導管流量計には適合しない。その理由は、本発明の二重流れ導管では、流れは両方の流れ導管内に何らかの位相を生じさせるからである。これは、2つの流れ導管の内の一方だけに流れがある場合にも当てはまる。従来の流量計では、共通の流れが両方の流れ導管を通るので、生じた位相はどの導管も同じである。その結果、生じた位相は、2つの導管間の位相差としては見られず、結果を計算する時の因数にはならない。従って、従来型の流量計で流量を求めるために、先行技術では、たった1つの時間遅延を用いることにしている。
これに対して、本発明では、第1と第2の流動流は独立している。そのために、2つの流れによって生じる位相は、2つの流れ導管により異なる。従って、たった1つの時間遅延に基づく質量流量式を採用することはできない。
多重流れ導管流量計200内の流れは、流れが、一方の導管だけにしか存在しなくても、流れ導管201と202の両方に位相を生じさせる。生じた2つの位相は、異なるであろう。結果として、流れを測定するには、各流れ導管による2つの時間遅延測定が必要である。流れの測定は、1つの流れの場合もあれば、2つの流れの場合もある。この測定方式の一つの実例は、以下の数式
を用いて説明することができ、ここに下付き文字1は第1流管を指し、下付き文字2は第2流管を指す。一方の流管を通る流れが他方の流管に位相を生じさせるという事実から、数式(2)と(3)の第2項(即ち、例えば、FCF
12項の「2」に相当)が必要である。流れ導管201と202両方の質量流量を求める場合、流量計電子機器20では数式(2)と(3)を用いる。
以下、式
の時間遅延値では、上付き文字Aは、どちらの流れ導管が流れを導いているかを示す。流れが第2流れ導管202を通って導かれている場合、時間遅延値は式
となる。下付き文字Bは、振動応答を受信する導管を示す。従って、値
は、流れが第1流れ導管を通っている場合に、第2流れ導管で測定された時間遅延である。或いは、値
は、流れが第2流れ導管202を通っている場合に、第1流れ導管で測定された時間遅延である。上付き文字ゼロは、流れ無し条件を示しており、ここに、値
は、第1流れ導管が、ゼロ流れ又は流れ無し条件下で共通の駆動機構220によって振動されている場合に、第1流れ導管201で測定された時間遅延を示す。
上記の
は流れ導管1内の質量流量、
は流れ導管2内の質量流量である。FCF
11
は振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
12
は流れ導管2が振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
21
は、流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れの流量較正因数、FCF
22
は振動している流れ導管2内の流れの流量較正因数である。Δt
11
は振動している流れ導管1内の流れの遅延時間値、Δt
12
は流れ導管2が振動している流れ導管1内の流れの遅延時間値、Δt
21
は流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れの遅延時間値、Δt
22
は振動している流れ導管2内の流れの遅延時間値である。Δtz
11
は振動している流れ導管1内の流れのゼロ流れ較正値、Δtz
12
は流れ導管2が振動している流れ導管1内の流れのゼロ流れ較正値、Δtz
21
は流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れのゼロ流れ較正値、Δtz
22
は振動している流れ導管2内の流れのゼロ流れ較正値である。Tc
1
は第1
流れ導管の温度、Tm
1
は第1流動流体の温度、Tc
2
は第2流れ導管の温度、Tm
2
は第
2流動流体の温度である。
しかしながら、流れの特性を求めるのに数式(2)と(3)の更に単純な形式を用いることができる。数式(2)と(3)では、何らの対称性も利用していない。時間遅延には、対称性の1つの可能な形式がある。時間遅延が対称的であれば、即ち、
であるなら、式(2)と(3)は、
となる。
Tの項は、温度測定値を示している。Tc1の項は第1流れ導管の温度であり、Tm1の項は第1流動流体の温度である。同様に、Tc2の項は第2流れ導管の温度であり、Tm2の項は第2流動流体の温度である。(Δtz1)の値は、第1流れ導管のゼロ流れ較正値
であり、(Δtz2)の値は、第2流れ導管のゼロ流れ較正値である。流量較正因数FC
F11、FCF12、FCF21、及びFCF22は、流れ試験で求めた後、流れの特性の較正に用いられる較正係数である。
更に、流量較正因数が対称である可能性も考えられる。この場合、流量較正因数はほぼ対称である、即ち、FCF12≒FCF21という事実によって、数式(5)と(6)は更に単純になる。数式の対称性は、較正処理に影響を与えることになる。
上記
は流れ導管1内の質量流量、
は流れ導管2内の質量流量である。FCF
11
は振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
12
は流れ導管2が振動している流れ導管1の流れの流量較正因数、FCF
21
は、流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れの流量較正因数、FCF
22
は流れ導管2が振動している流れの流量較正因数である。Δt
1
は流れ導管1の遅延時間値、Δt
2
は流れ導管2の遅延時間値であって、時間遅延は実質上対称であると仮定する。Δtz
1
は第1流れ導管のゼロ流れ較正値、Δtz
2
は第2流れ導管のゼロ流れ較正値であって、
ゼロ流れ較正は実質上対称的であると仮定する。Tc
1
は第1流れ導管の温度、Tm
1
は第1流動流体の温度、Tc
2
は第2流れ導管の温度、Tm
2
は第2流動流体の温度である。
2つの質量流量を測定することが可能になることで、2つの質量流量のみならず、それ以外にも追加の処理変数を測定することができるようになる。例えば、2つの流れ導管が、流れの断面積が異なる導管である場合、2つの流量の比は、動的粘度に関係付けることができる。もう一つ考えられる用途として、流れ導管の内部面のコーティングの測定がある。流れ導管にその様なコーティングがあれば、システムの質量に不均衡が生じるはずであり、この質量の不均衡は、得られた2つの流れ導管の振動応答の振幅比によって検出することができる。これらは、2つの独立した流動流を測定する流量計で実現可能になるものの内のほんの二例である。
式(1)で表わされている先行技術の単一の流れのコリオリ流量計の較正手順は、かなり単純である。多重流れ導管流量計200では、ゼロ時の時間遅延(Δtz)はゼロ流れ条件下で求められ、FCF値はたった1つの流量で試験をして求められる。
数式(2)と(3)及び(5)と(6)から、同様の戦略((Δtz)のゼロ時測定と管当たり少なくとも1つの流れで試験すること)は、多重流れ導管流量計では機能しないことが分かる。
図4は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。他の図と共通している構成要素は、参照番号を共有する。この実施形態では、第1流れ導管201と第2流れ導管202の間には一対のピックオフセンサー215と215’しか配置されていない。対になったピックオフセンサー215と215’で、両方の流れ導管内の振動を測定し、ピックオフセンサー215と215’それぞれが、2つの流れ導管の間の時間遅延に関係する信号を提供する。
図5は、本発明の或る実施形態による、直管型の多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、流れ導管201と202は、実質的に真っ直ぐである。この実施形態の流量計200は、図2の様に二組のピックオフを含んでもよいし、図4の様に一組のピックオフを含んでもよいものと理解頂きたい。
図6は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、流量計200は、分流器203の形態をした共通の入り口を含んでいる。分流器203は、第1流れ導管201と第2流れ導管202の両方に結合されている。この実施形態では、各流れ導管は、先に論じたように、関係付けられている一対のピックオフセンサー215と215’及び一対のピックオフセンサー216と216’を有している。下流の装置(図示せず)が、流れ調整又は流れ制御を提供している。
図7は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態は、図6と同じ様に分流器203を含んでいる。しかしながら、この実施形態には、一対のピックオフセンサー215と215’しか含まれていない。図4と同じ様に、対になったピックオフセンサー215と215’は、流れ導管201と202両方の振動を同時に測定する。
図8は、本発明の或る実施形態による、較正セットアップ260内の多重流れ導管流量計200を示している。多重流れ導管流量計200が、別々の入口と別々の出口を有しているこの実施形態では、第1及び第2の基準流量計291と292が較正処理のために採用されている。基準流量計291と292は、流れ条件を正確に測定するのに使用される流量計であり、試験対象の流量計は、基準流量計291と292から得られた測定値を使って較正される。
第1基準流量計291は、第1流れ導管201を流れている第1流動流を測定し
測定値を生成する。第2基準流量計292は、第2流れ導管202を流れている第2流動流を測定し、
測定値を生成する。従って、各流れ導管及び関係付けられている基準流量計を通る流れは
、他方の流れ導管を通る流れから切り離され独立している。更に、他の流れの測定値を得ることができる。
得られた測定値は、様々な実施形態による多重流れ導管流量計200を較正するのに使用することができる。可能な較正操作を、例えば図10に関連付けて下で論じる。但し、他の較正技法も考えられ、それらは記載内容及び特許請求の範囲に含まれる。
図9は、本発明の或る実施形態による、較正セットアップ260内の多重流れ導管流量計200を示している。流量計200に入口が1つしかないこの実施形態では、第1及び第2基準流量計291と292は、第1及び第2流れ導管201と202の各出口に接続されている。第1及び第2流れ導管201と202を通る流れは、2つの出口と連通している下流の弁又は他の装置(図示せず)によって制御されている。先の様に、第1基準流量計291は、第1流れ導管201を流れている第1流動流を測定し、
測定値を生成する。第2基準流量計292は、第2流れ導管202を流れている第2流動流を測定し、
測定値を生成する。更に、較正セットアップ260は、多重流れ導管流量計200に入ってくる総質量流量
を測定する基準流量計293を含んでいる。
図10は、本発明の或る実施形態による多重流れ導管流量計較正方法の流れ図1000である。較正の基本式は、
から成り立っている。
ステップ1001で、多重流れ導管流量計200(即ち、試験対象装置、図8と図9を参照)をゼロに設定する。このステップでは、流量計200の流れ導管201と202は共に流動物質が充填されているが、流量計200の中を流れることは許容されていない。流れ導管201と202を、流れ無し条件下で振動させて、例えば、第1及び第2の流れ導管の時間遅延値
の様な1つ又はそれ以上の流れの特性を求める。
ステップ1001で、流れがゼロ
であって、ゼロ設定操作を行う場合、数式(7)は、
となる。
ステップ1002で、基準流量計291と292を、今述べた様に、ゼロ流れ条件下でゼロに設定する。なお、このステップは、ステップ1001の前に行っても又は後に行なってもよいと理解頂きたい。
ステップ1003で、第1流れ導管201だけに流れを発生させる。流れている間、流量計200と第1基準流量計291は共に第1の流れの特性を測定する。例えば、流量計200は、第1流れ導管201が流れている状態で、第1流れ導管201の時間遅延
を記録する。流量計200は、第1流れ導管201が流れている間、但し、第2流れ導管202には流れが無い状態で、第2流れ導管202の時間遅延
を測定する。更に、第1基準流量計291は、第1流れ導管201を通る質量流量を測定する(即ち、REF
1値を生成する)。ステップ1003では、第1流れ導管201の中
に流れが発生している場合、式(7)は
となる。
ステップ1004で、第2流れ導管202に流れを発生させる。流れている間、多重流れ導管流量計200と第2基準流量計292は共に第2の流れの特性を測定する。例えば、流量計200は、第2流れ導管202が流れている状態で、第2流れ導管202の時間遅延
を測定する。流量計200は、第2流れ導管202が流れている間に、但し、第1流れ導管201に流れが無い状態で、第1流れ導管201の時間遅延
を測定する。更に、第2基準流量計292は、第2流れ導管202を通る流れの質量流量を測定する(即ち、REF
2値を生成する)。ステップ1004では、第2流れ導管20
2の中に流れが発生している場合、数式(7)は
となる。
REF1値とREF2値が2つの異なる基準流量計により生成されることに注目して頂きたい(図9参照)。代わりに、REF1値とREF2値は、1つの基準流量計によって別々の時期に生成されてもよい(図11参照)。
ステップ1005で、上で得た様々な流れの特性の測定値を、(4×4)行列に挿入する(下の数式(13)参照)。流量較正因数FCF11、FCF12、FCF21、及びFCF22を生成するために、行列反転を解く。これら流量較正因数は、質量流量、密度、粘度、その他、の通常の演算算定を含め、その後の流れの特性計算に使用される。
ここで、数式が4個と未知数が4個になる。既知(即ち、測定された)量は、
である。ゼロ設定ステップより、
であったことを思い出して頂きたい。
未知数は、流量較正因数FCF11、FCF12、FCF21、及びFCF22である。これらのFCFは、較正処理で求められる値である。
上記FCF
11
は流れ導管1が振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
12
は流れ導管2が振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
21
は、流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れの流量較正因数、FCF
22
は流れ導管2が振動している流れ導管2内の流れの流量較正因数である。
は振動している流れ導管1内の流れの遅延時間値、
は流れ導管2が振動している流れ導管1内の流れの遅延時間値、
は流れ導管1が振動している流れ導管2内の流れの遅延時間値、
は振動している流れ導管2内の流れの遅延時間値である。z
1
は流れ導管1のゼロ流れ較
正値、z
2
は流れ導管2のゼロ流れ較正値である。REF
1
は流れ導管1の質量流量測定値、REF
2
は流れ導管2の質量流量測定値である。
別の実施形態では、本発明による多重流れ導管流量計200は、3つ以上の流れ導管を含む場合がある。例えば、多重流れ導管流量計200は、N個の流れ導管を含むことができる。複数の流れ導管が、2つの流れ導管を有する流量計と実質的に同じように挙動することを前提条件とする。流れ導管が3つであれば、行列式は、
となる。
この3つの流れ導管の例に対して同じ命名法を使用すると、未知数は9個(即ち、上の数式(14)のFCF行列)となり、3つの異なる流量較正点が必要となる。3つの較正点のそれぞれの較正点で、(Δt)測定値は、3つのゼロ基準流量(z)と共に記録される。較正点1は、
から成り立っている。
基準較正点の全てが異なるものと仮定すると、例えば、(i)が(j)に等しくない場合はREF
ij=0と仮定され、(i)=(j)の場合はREF
ij=REFであると仮定される。例えば、これにより、REF
12=0であり、REF
22(etc.)=C
REFであるという
仮定が導き出される。その結果、数式は9個、未知の較正因数は9個になる。これらの値を[9×9]行列式に組み立て、行列反転を使って、以下の様に解く。
ここに、項
は、[9×1]行列であり、
ここに、項[ΔT]
(-1)は[9×9]行列であり、
ここに、項
は、[9×1]行列である。
更に一般的な項では、N流路の場合、基本式は、
である。
上記FCF
11
は流れ導管1が振動している流れの流量較正因数、FCF
1N
は流れ導管Nが振動している流れ導管1内の流れの流量較正因数、FCF
N1
は、流れ導管1が振動している流れ導管N内の流れの流量較正因数、FCF
NN
は流れ導管Nが振動している流れの流量較正因数である。Δt
1
は流れ導管1の遅延時間値、Δt
N
は流れ導管Nの遅延時間値である。z
1
は流れ導管1のゼロ流れ較正値、z
N
は流れ導管Nのゼロ流れ較正値である。REF
1
は流れ導管1の質量流量測定値、REF
2
は流れ導管2の質量流量測定値である。
これは、N個の較正点を必要とし、その結果、N
2個の数式とN
2個の未知数が発生し、それらを、行列反転を使って解く。
ここに、項
は、[N
2×1]行列であり、
ここに、項[ΔT]
(-1)は[N
2×N
2]行列であり、
ここに、項
は、[N
2×1]行列である。
図11は、本発明の或る実施形態による較正セットアップ1100を示している。較正セットアップ1100は、第1弁294a及び第2弁294bと、1つの基準流量計293を含んでいる。第1及び第2弁294aと294bは、第1流動流を第1流れ導管210aを通して導くように、又は第2流動流を第2流れ導管210bを通して導くように、又は組み合わされた流動流を両方の流れ導管210aと210bを通して導くように、制御される。
基準流量計293は、3つのピックオフセンサーを備えた流量計200の後ろで、且つ弁294aと294bの後ろに設置されているものとして図示されている。しかしながら、点線で示すように、基準流量計293(及び/又は弁294aと294b)は流量計200の上流に設置してもよい。
なお、較正セットアップ1100では、値REF1及びREF2は、基準流量計293によって、別々の時期に生成されるものと理解頂きたい。例えば、較正処理中に、第1弁294aを開き第2弁294bを閉じることによって、第1流れ導管210aを通る第1流動流を発生させる。続いて基準流量計293によって生成される基準測定値はREF1値
である。次に、第2流れ導管210bを通る第2の流れを作り出すために、第1弁294aを閉じ、第2弁294bを開ける。続いて基準流量計293によって生成される基準測定値はREF2値である。
図12は、本発明の或る実施形態による、多重流れ導管流量計200を示している。この実施形態では、各流れ導管210a−210nは、個別の入力212a−212nを含んでいる。但し、流れ導管210a−210nの全てが合流して1つの出力213になっている。流れ導管210a−210nを通る流れを制御するために、個別の入力212a−212nの上流には弁が含まれている。その結果、多重流れ導管流量計200は、複数の流動流を混ぜ合わせて、出力213で1つの流動流にすることができる。出力流動流の個別の構成成分は、多重流れ導管流量計200によって計量される。
本発明では、流れの特性の測定は、2つ又はそれ以上の独立した流動流について、実質的に同時に得られる。先行技術とは異なり、駆動機構は2つ又はそれ以上の独立した流動流を導く2つ又はそれ以上の導管を振動させる。先行技術とは異なり、流動流は異なる流速度で流れることができる。先行技術とは異なり、流動流は異なる密度を有していてもよい。先行技術とは異なり、流れ導管は異なる断面積を持つことができる。先行技術とは異なり、本発明の流量計は、複数の流れ導管を含むことができる。先行技術とは異なり、本流量計は、駆動機構を共有することができるので、少なくとも1つの駆動機構を無くすことができる。
構成要素を共有することにより、流量計の費用を削減することができるのは好都合であ
る。更に、流量計(及び完全な計量/分注システム)の全体寸法を小さくすることができる。更に、共通の駆動機構を共有することで、電力消費量が減り、たった1つのより小型の電子機器電源を利用することが可能になる。
〔態様1〕
多重流れ導管流量計(200)において、
第1流動流を導く第1流れ導管(201)と、
前記第1流れ導管(201)に取り付けられている一対の第1ピックオフセンサー(215、215’)と、
前記第1流動流から独立している少なくとも1つの追加の流動流を導く少なくとも1つの追加の流れ導管(202)と、
前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)に取り付けられている少なくとも一対の追加のピックオフセンサー(216、216’)と、
第1振動応答と少なくとも1つの追加の振動応答を生成するために、前記第1流れ導管(201)と前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)の両方を振動させるよう構成されている共通の駆動機構(220)と、を備えている流量計(200)。
〔態様2〕
前記流量計(200)は、コリオリ流量計を備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様3〕
前記流量計(200)は、振動デンシトメーターを備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様4〕
前記第1流動流と前記少なくとも1つの追加の流動流は、共通の入力から発生している、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様5〕
前記第1流動流は第1入力から発生し、前記少なくとも1つの追加の流動流は第2入力から発生している、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様6〕
加振が前記共通の駆動機構(220)によって行われる状態で、前記第1流れ導管(201)を振動させると共に前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)を振動させ、前記第1流れ導管(201)の第1振動応答を受信し、前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)の少なくとも1つの追加の振動応答を受信し、前記第1流動流の第1の流れの特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様1に記載の流量計(200)。〔態様7〕
前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)が少なくとも1つの追加の流動流を導き、加振が前記共通の駆動機構(220)によって行われ、前記少なくとも1つの追加の流動流が前記第1流動流から独立している状態で、前記第1流れ導管(201)を振動させると共に前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)を振動させ、前記第1流れ導管(201)の第1振動応答を受信し、前記少なくとも1つの追加の流れ導管(202)の少なくとも1つの追加の振動応答を受信し、前記第1流動流の第1の流れの特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求め、前記少なくとも1つの追加の流動流の第2の流れの特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様8〕
前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いて、第1の流れの特性と少なくとも1つの追加の流れの特性を求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様9〕
前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いて、第1の流れの特性と少なくとも1つの追加の流れの特性を求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様10〕
較正処理のために前記多重流れ導管流量計(200)をゼロに設定し、前記多重流れ導管流量計(200)と連通している1つ又は複数の基準流量計(291−294)をゼロに設定し、前記多重流れ導管流量計(200)の第1流れ導管(201)を通る第1の流れを、前記多重流れ導管流量計(200)と前記1つ又は複数の基準流量計(291−294)を使って測定し、前記多重流れ導管流量計(200)の少なくとも1つの追加の流れ導管(202)を通る少なくとも1つの追加の流れを、前記多重流れ導管流量計(200)及び前記1つ又は複数の基準流量計(291−294)を使って測定し、前記多重流れ導管流量計(200)の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を、第1の流れの測定値と少なくとも1つの追加の流れの測定値を使って求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様1に記載の流量計(200)。
〔態様11〕
数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計(200)の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様10に記載の流量計(200)。
〔態様12〕
数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計(200)の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求めるよう構成された流量計電子機器(20)を更に備えている、態様10に記載の流量計(200)。
〔態様13〕
多重流れ導管流量計の測定方法において、
加振が共通の駆動機構によって行われる状態で、第1流動流を導く第1流れ導管を振動させると共に少なくとも1つの追加の流れ導管を振動させる段階と、
前記第1流れ導管の第1振動応答を受信する段階と、
前記少なくとも1つの追加の流れ導管の少なくとも1つの追加の振動応答を受信する段階と、
前記第1流動流の第1の流れの特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求める段階と、から成る方法。
〔態様14〕
前記少なくとも1つの追加の流れ導管は、ゼロ流れ状態である、態様13に記載の方法。
〔態様15〕
前記少なくとも1つの追加の流れ導管は、少なくとも1つの追加の流動流を導いている、態様13に記載の方法。
〔態様16〕
前記第1流動流と前記少なくとも1つの追加の流動流は、共通の入力から発生している、態様13に記載の方法。
〔態様17〕
前記第1流動流は第1入力から発生し、前記少なくとも1つの追加の流動流は第2入力から発生している、態様13に記載の方法。
〔態様18〕
前記少なくとも1つの追加の流れ導管は、前記第1流動流から独立している少なくとも1つの追加の流動流を導いており、前記方法は、前記少なくとも1つの追加の流動流の少なくとも1つの追加の流れの特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求める段階を更に含んでいる、態様13に記載の方法。
〔態様19〕
前記求める段階は、前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いる段階を更に含んでいる、態様13に記載の方法。
〔態様20〕
前記求める段階は、前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いる段階を更に含んでいる、態様13に記載の方法。
〔態様21〕
較正処理のために前記多重流れ導管流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計と連通している1つ又は複数の基準流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の前記第1流れ導管を通る第1流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の前記少なくとも1つの追加の流れ導管を通る少なくとも1つの追加の流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準流量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を、第1の流れの測定値及び少なくとも1つの追加の流れの測定値を使って求める段階と、を更に含んでいる、態様13に記載の方法。
〔態様22〕
前記求める段階は、数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求める段階を含んでいる、態様21に記載の方法。
〔態様23〕
前記求める段階は、数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求める段階を含んでいる、態様21に記載の方法。
〔態様24〕
多重流れ導管流量計の測定方法において、
加振が共通の駆動機構によって行われ、少なくとも1つの追加の流動流が第1流動流から独立している状態で、前記第1流動流を導いている第1流れ導管を振動させると共に前記少なくとも1つの追加の流動流を導いている少なくとも1つの追加の流れ導管を振動させる段階と、
前記第1流れ導管の第1振動応答を受信する段階と、
前記少なくとも1つの追加の流れ導管の少なくとも1つの追加の振動応答を受信する段階と、
第1流動流の特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求める段階と、
少なくとも1つの追加の流動流の特性を、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答から求める段階と、から成る方法。
〔態様25〕
前記第1流動流と前記少なくとも1つの追加の流動流は、共通の入力から発生している態様24に記載の方法。
〔態様26〕
前記第1流動流は第1入力から発生しており、前記少なくとも1つの追加の流動流は第2入力から発生している、態様24に記載の方法。
〔態様27〕
前記求める段階は、前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いる段階を更に含んでいる、態様24に記載の方法。
〔態様28〕
前記求める段階は、前記第1流動流の第1質量流量
と、前記第2流動流の第2質量流量
を求めるために、前記第1振動応答と前記少なくとも1つの追加の振動応答を、数式、
に用いる段階を更に含んでいる、態様24に記載の方法。
〔態様29〕
較正処理のために前記多重流れ導管流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計と連通している1つ又は複数の基準流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の前記第1流れ導管を通る第1流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の前記少なくとも1つの追加の流れ導管を通る少なくとも1つの追加の流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準流量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を、第1の流れの測定値と少なくとも1つの追加の流れの測定値を使って求める段階と、を更に含んでいる、態様24に記載の方法。
〔態様30〕
前記求める段階は、数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計の前記2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求める段階を含んでいる、態様29に記載の方法。
〔態様31〕
前記2つ又はそれ以上のFCFを求める段階は、数式、
を用いて、前記2つ又はそれ以上のFCFを求める段階を含んでいる、態様29に記載の方法。
〔態様32〕
前記多重流れ導管流量計の較正方法において、
前記多重流れ導管流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計と連通している1つ又は複数の基準流量計をゼロに設定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の第1流れ導管を通る第1流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準流量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の少なくとも1つの追加の流れ導管を通る第2流れを、前記多重流れ導管流量計を使用し且つ前記1つ又は複数の基準流量計を使用して測定する段階と、
前記多重流れ導管流量計の2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を、第1の流れの測定値と少なくとも1つの追加の流れの測定値を使って求める段階と、から成る方法。〔態様33〕
前記求める段階は、数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計の前記2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求める段階を含んでいる、態様32に記載の方法。
〔態様34〕
前記求める段階は、数式、
を用いて、前記多重流れ導管流量計の前記2つ又はそれ以上の流量較正因数(FCF)を求める段階を含んでいる、態様32に記載の方法。