JP2013224340A - インクジェット用インクおよび記録物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、インクジェット用インクおよび記録物に関する。
従来から、インクジェット記録装置からインクジェット用インクを紙等の記録媒体に対して吐出することにより、画像を記録することが知られている。
インクジェット用インクとしては、一般に、顔料と樹脂とが水等の溶媒に溶解または分散したものが知られている。
インクジェット用インクには、記録した画像の発色性や耐擦過性等に優れるという性能が求められており、そのような性能を考慮したインクジェット用インクの開発がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のインクジェット用インクでは、記録した画像の光沢性が十分に得られないといった問題があった。特に、光沢専用紙上に記録した画像の光沢性が低いといった問題があった。
インクジェット用インクとしては、一般に、顔料と樹脂とが水等の溶媒に溶解または分散したものが知られている。
インクジェット用インクには、記録した画像の発色性や耐擦過性等に優れるという性能が求められており、そのような性能を考慮したインクジェット用インクの開発がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のインクジェット用インクでは、記録した画像の光沢性が十分に得られないといった問題があった。特に、光沢専用紙上に記録した画像の光沢性が低いといった問題があった。
本発明の目的は、光沢性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット用インク、および、光沢性に優れた画像を記録した記録物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のインクジェット用インクは、顔料と、
ガラス転移温度が20℃未満で、かつ、重量平均分子量が10000以下の第1樹脂(A)と、
ガラス転移温度が23℃以上の第2樹脂(B)と、
下記式(1)で表される化合物(C)と、を含むことを特徴とする。
これにより、光沢性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット用インクを提供することができる。
本発明のインクジェット用インクは、顔料と、
ガラス転移温度が20℃未満で、かつ、重量平均分子量が10000以下の第1樹脂(A)と、
ガラス転移温度が23℃以上の第2樹脂(B)と、
下記式(1)で表される化合物(C)と、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第1樹脂(A)および前記第2樹脂(B)の含有量の総和に対する前記化合物(C)の含有量比は、0.30以上0.50以下であることが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第2樹脂(B)の重量平均分子量は、10000よりも大きいことが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとするとともに、記録する画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第2樹脂(B)の重量平均分子量は、10000よりも大きいことが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとするとともに、記録する画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第1樹脂(A)は、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第2樹脂(B)は、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記第2樹脂(B)は、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、両性イオン化合物をさらに含むことが好ましい。
これにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記両性イオン化合物は、分子量100以上250以下のベタイン系化合物であることが好ましい。
これにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
これにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記両性イオン化合物は、分子量100以上250以下のベタイン系化合物であることが好ましい。
これにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明のインクジェット用インクでは、前記両性イオン化合物の含有量は、10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
これにより、画像濃度むらをより効率よく抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット法により付与することにより得られたことを特徴とする。
これにより、光沢性に優れた画像を記録した記録物を提供することができる。
これにより、画像濃度むらをより効率よく抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット法により付与することにより得られたことを特徴とする。
これにより、光沢性に優れた画像を記録した記録物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《インクジェット用インク》
まず、本発明のインクジェット用インクについて説明する。
本発明のインクジェット用インクは、インクジェット法により記録媒体上に付与することにより画像を記録するインクである。
《インクジェット用インク》
まず、本発明のインクジェット用インクについて説明する。
本発明のインクジェット用インクは、インクジェット法により記録媒体上に付与することにより画像を記録するインクである。
ところで、インクジェット用インクには、記録した画像の発色性や耐擦過性等に優れるという性能が求められており、そのような性能を考慮したインクジェット用インクの開発がなされている。
しかしながら、従来のインクジェット用インクでは、記録した画像の光沢性が十分に得られないといった問題があった。特に、光沢専用紙上に記録した画像の光沢性が低いといった問題があった。
しかしながら、従来のインクジェット用インクでは、記録した画像の光沢性が十分に得られないといった問題があった。特に、光沢専用紙上に記録した画像の光沢性が低いといった問題があった。
これに対して、本発明のインクジェット用インクは、顔料と、ガラス転移温度が20℃未満で、かつ、重量平均分子量が10000以下の第1樹脂(A)と、ガラス転移温度が23℃以上の第2樹脂(B)と、下記式(1)で表される化合物(C)とを含む点に特徴を有している。このような特徴を有することにより、記録した画像表面の平滑性を向上させることができ、光沢性に優れた画像を得ることができる。特に、光沢専用紙上に記録した場合に優れた画像を効果的に記録することができる。また、発色性および擦過性に優れた画像を記録することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[顔料]
本発明のインクジェット用インクに含まれる顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料のいずれをも用いることができる。そのような顔料としては、例えば、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントブラック等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号;青色1号、404号等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料が挙げられる。
[顔料]
本発明のインクジェット用インクに含まれる顔料としては、公知の無機顔料および有機顔料のいずれをも用いることができる。そのような顔料としては、例えば、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントブラック等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号;青色1号、404号等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料が挙げられる。
顔料のカラーインデックスとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等、C.I.ピグメントグリーン7、10、C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等、C.I.ピグメントブラック1,7等が挙げられ、1種または2種以上の顔料をインクジェット用インクに添加してもよい。
本発明のインクジェット用インクに用いられる顔料は、樹脂分散型の態様であってもよい。そのような態様の顔料は、高分子分散剤や界面活性剤などの分散剤と共に、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速獲拝型分散機などを用いて水性媒体中に分散させた顔料分散液として、あるいは、顔料表面に分散性付与基(親水性官能基および/またはその塩)を直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させ、分散剤なしで水性媒体中に分散および/または溶解する自己分散型顔料として加工され、水性媒体中に分散させた顔料分散液として、インクジェット用インク中に配合されることが好ましい。
分散剤の例としては、高分子分散剤として、にかわ、ゼラチン、サポニンなどの天然高分子化合物やポリビニルアルコール類、ポリピロリドン類、アクリル系樹脂類(ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体など)、スチレン−アクリル酸系樹脂類(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体など)、スチレン−マレイン酸系樹脂類、酢酸ビニル−脂肪酸ビニル−エチレン共重合体の樹脂類などおよびこれらの塩などの合成高分子化合物が挙げられ、共重合体の構成はランダムタイプ、ブロックタイプ、グラフトタイプのいずれでもよい。
また、分散剤として用いられる界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、脂肪酸アミン塩、脂肪酸アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、ポリオオキシアルキルエーテル類、ポリオキシアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類などのノニオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの分散剤の中で、特に水不溶性樹脂が好ましい。水不溶性樹脂として、具体的には、疎水性基を有するモノマーと親水性基を有するモノマーとのブロック共重合体樹脂からなり、少なくとも塩生成基を有するモノマーを含有しているもので、中和後に25℃の水100gに対する溶解度が1g未満である樹脂が好ましい。疎水性基を有するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類や酢酸ビニル等のビニルエステル類やアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。親水性基を有するモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタアクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコールモノメタアクリレートが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。塩生成基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。さらに、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、シリコーン系マクロモノマーなどのマクロモノマーやその他のモノマーを併用することもできる。
この水不溶性樹脂は、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ中和剤で中和した塩として用いることが好ましく、重量平均分子量が10000以上150000以下程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
この水不溶性樹脂は、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ中和剤で中和した塩として用いることが好ましく、重量平均分子量が10000以上150000以下程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、分散性付与基または分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理が例示できる。また、化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法が例示できる。自己分散型顔料を含有するインクジェット用インクは、通常の顔料を分散させるために含有させる前述のような分散剤を含む必要がないため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんどなく、吐出安定性に優れるインクを調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるので、顔料をより多く含有することが可能となり、印字濃度を十分に高めることが可能になる、あるいは、取り扱いが容易となる。このような利点があることから、自己分散型顔料は、特に高濃度を必要とするブラックインクジェット用インクに有効であり、本実施形態のインクジェット用インクとして用いるブラックインクジェット用インクには、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能な自己分散型顔料が少なくとも含まれることが好ましい。
本実施形態においては、次亜ハロゲン酸および/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、またはオゾンによる酸化処理により表面処理される自己分散型顔料が、高発色という点で好ましい。また、自己分散型顔料として市販品を利用することも可能であり、そのような市販品として、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(以上商品名;キヤポット社製)が例示できる。
また、これらの顔料は、インクの保存安定性やノズルの目詰まり防止等の観点から、インク中での体積平均粒子径が50nm〜200nmの範囲であることが好ましい。これらの体積平均粒子径は、M icrotrac UPA 150 (マイクロトラック社製)や粒度分布測定機LPA3100(大塚電子(秩)製)等の粒径測定によって得ることができる。
これらの顔料は、インクジェット用インク中に6質量%以上の範囲で含有されることが好ましい。その含有量が6質量%未満では印字濃度(発色性)が不充分である場合がある。また、その含有量の上限は特に限定されないが、例えば、含有量が25質量%以下であってもよい。含有量が25質量%よりも大きいと、ノズルの目詰まりや、吐出の不安定を起こす等の信頼性に不具合が生じる場合がある。
[第1樹脂(A)]
本発明のインクジェット用インクに含まれる第1樹脂(A)は、ガラス転移温度が20℃未満で、かつ、重量平均分子量が10000以下の樹脂である。
第1樹脂(A)は、記録媒体に対する画像の定着性に寄与する成分である。また、第1樹脂(A)は、後述する第2樹脂(B)と併用することで、画像表面の平滑性を向上させ、画像に優れた光沢性を付与する成分である。
本発明のインクジェット用インクに含まれる第1樹脂(A)は、ガラス転移温度が20℃未満で、かつ、重量平均分子量が10000以下の樹脂である。
第1樹脂(A)は、記録媒体に対する画像の定着性に寄与する成分である。また、第1樹脂(A)は、後述する第2樹脂(B)と併用することで、画像表面の平滑性を向上させ、画像に優れた光沢性を付与する成分である。
第1樹脂(A)のガラス転移温度は、20℃未満である。これにより、画像の光沢性を優れたものとすることができる。これに対して、第1樹脂(A)のガラス転移温度が前記上限値以上であると、画像表面の平滑性が得られず、光沢性を十分に得ることができない。また、また、記録媒体を構成する繊維間に第1樹脂(A)が入り込むことができず、入り込むことによるアンカー効果が十分に発揮されず、定着性が十分に得られない。
なお、上述したように第1樹脂(A)のガラス転移温度は、20℃未満であるが、0℃以下であるのがより好ましい。これにより、上述した本発明の効果がより顕著なものとなる。
なお、上述したように第1樹脂(A)のガラス転移温度は、20℃未満であるが、0℃以下であるのがより好ましい。これにより、上述した本発明の効果がより顕著なものとなる。
また、第1樹脂(A)の重量平均分子量は、10000以下である。これにより、画像の光沢性を優れたものとすることができる。これに対して、第1樹脂(A)の重量平均分子量が前記上限値を超えると、画像表面の平滑性が得られず、光沢性を十分に得ることができない。また、記録媒体を構成する繊維間に第1樹脂(A)が入り込むことができず、入り込むことによるアンカー効果が十分に発揮されず、定着性が十分に得られない。
なお、上述したように第1樹脂(A)の重量平均分子量は、10000以下であるが、5000以下であるのがより好ましい。これにより、上述した本発明の効果がより顕著なものとなる。
なお、上述したように第1樹脂(A)の重量平均分子量は、10000以下であるが、5000以下であるのがより好ましい。これにより、上述した本発明の効果がより顕著なものとなる。
第1樹脂(A)としては、上記特性を有するものであれば、特に限定されないが、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
第1樹脂(A)の含有量は、0.5質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
第1樹脂(A)の含有量は、0.5質量%以上3.0質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
[第2樹脂(B)]
本発明のインクジェット用インクに含まれる第2樹脂(B)は、ガラス転移温度が23℃以上の樹脂である。このような樹脂を含むことにより、記録した画像の光沢性を優れたものとしつつ、耐擦過性を向上させることができる。ガラス転移温度が前記下限値未満であると、画像表面の平滑性が得られず、光沢性を十分に得ることができない。また、十分な耐擦過性を得ることができない。
第2樹脂(B)のガラス転移温度は、23℃以上であるが、64℃以上であるのがより好ましい。これにより、記録した画像の光沢性を優れたものとしつつ、耐擦過性をさらに向上させることができる。
第2樹脂(B)としては、上記特性を有するものであれば、特に限定されないが、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができるとともに、耐擦過性をより効果的に向上させることができる。
本発明のインクジェット用インクに含まれる第2樹脂(B)は、ガラス転移温度が23℃以上の樹脂である。このような樹脂を含むことにより、記録した画像の光沢性を優れたものとしつつ、耐擦過性を向上させることができる。ガラス転移温度が前記下限値未満であると、画像表面の平滑性が得られず、光沢性を十分に得ることができない。また、十分な耐擦過性を得ることができない。
第2樹脂(B)のガラス転移温度は、23℃以上であるが、64℃以上であるのがより好ましい。これにより、記録した画像の光沢性を優れたものとしつつ、耐擦過性をさらに向上させることができる。
第2樹脂(B)としては、上記特性を有するものであれば、特に限定されないが、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。これにより、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができるとともに、耐擦過性をより効果的に向上させることができる。
第2樹脂(B)の重量平均分子量は、10000よりも大きいのが好ましく、20000以上であるのがより好ましい。これにより、記録した画像の光沢性を優れたものとしつつ、耐擦過性をさらに効果的に向上させることができる。
第2樹脂(B)の含有量は、1.0質量%以上4.0質量%以下であるのが好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
第2樹脂(B)の含有量は、1.0質量%以上4.0質量%以下であるのが好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
[化合物(C)]
本発明のインクジェット用インクは、上記式(1)で表される化合物(C)を含んでいる。
化合物(C)は、上記第1樹脂(A)および上記第2樹脂(B)の可塑剤的な働きをする成分である。
このような成分を含むことにより、記録した画像表面の平滑性を効果的に向上させることができる。その結果、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。また、記録した画像に柔軟性を付与することができ、定着性、耐擦過性を向上させることができる。
本発明のインクジェット用インクは、上記式(1)で表される化合物(C)を含んでいる。
化合物(C)は、上記第1樹脂(A)および上記第2樹脂(B)の可塑剤的な働きをする成分である。
このような成分を含むことにより、記録した画像表面の平滑性を効果的に向上させることができる。その結果、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。また、記録した画像に柔軟性を付与することができ、定着性、耐擦過性を向上させることができる。
第1樹脂(A)および第2樹脂(B)の含有量の総和に対する化合物(C)の含有量比は、0.10以上0.70以下であるのが好ましく、0.20以上0.40以下であるのがより好ましい。これにより、記録する画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
化合物(C)の含有量は、具体的には、0.5質量%以上2.4質量%以下であるのが好ましく、0.6質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
化合物(C)の含有量は、具体的には、0.5質量%以上2.4質量%以下であるのが好ましく、0.6質量%以上2.0質量%以下であるのがより好ましい。これにより、定着性、光沢性をより優れたものとすることができる。
[両性イオン化合物]
本発明のインクジェット用インクは、上記成分の他、両性イオン化合物を含んでいてもよい。両性イオン化合物を含むことにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
両性イオン化合物としては、特に限定されず、例えば、ベタイン系化合物、アミノ酸及びその誘導体が挙げられる。より具体的にはベタイン系化合物として、グリシンベタイン(分子量117、「トリメチルグリシン」ともいう。)、γ−プチロベタイン(同145)、ホマリン(同137)、トリゴネリン(同137)、カルニチン(同161)、ホモセリンベタイン(同161)、バリンベタイン(同159)、リジンベタイン(同188)、オルニチンベタイン(同176)、アラニンベタイン(同117)、スタキドリン(同185)及びグルタミン酸ベタイン(同189)等のアミノ酸のN−トリアルキル置換体が挙げられる。また、アミノ酸として、グリシン(分子量75)、アラニン(同89)、セリン(同105)、トレオニン(同119)、バリン(同117)、メチオニン(同149)、システイン(同121)、プロリン(同115)、リシン(同146)、ヒスチジン(同155)、アルギニン(同174)やそれらの誘導体が挙げられる。これらの中では、印刷後の被記録媒体の膨張速度をより確実に遅くする観点、およびインク吐出ノズルの目詰まりを防止する観点から、ベタイン系化合物が好ましく、トリメチルグリシンがより好ましい。両性イオン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられ、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、トリメチルグリシンとして、アミノコート(旭化成ケミカルズ社製)を使用することもできる。
本発明のインクジェット用インクは、上記成分の他、両性イオン化合物を含んでいてもよい。両性イオン化合物を含むことにより、画像濃度むらをより効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。
両性イオン化合物としては、特に限定されず、例えば、ベタイン系化合物、アミノ酸及びその誘導体が挙げられる。より具体的にはベタイン系化合物として、グリシンベタイン(分子量117、「トリメチルグリシン」ともいう。)、γ−プチロベタイン(同145)、ホマリン(同137)、トリゴネリン(同137)、カルニチン(同161)、ホモセリンベタイン(同161)、バリンベタイン(同159)、リジンベタイン(同188)、オルニチンベタイン(同176)、アラニンベタイン(同117)、スタキドリン(同185)及びグルタミン酸ベタイン(同189)等のアミノ酸のN−トリアルキル置換体が挙げられる。また、アミノ酸として、グリシン(分子量75)、アラニン(同89)、セリン(同105)、トレオニン(同119)、バリン(同117)、メチオニン(同149)、システイン(同121)、プロリン(同115)、リシン(同146)、ヒスチジン(同155)、アルギニン(同174)やそれらの誘導体が挙げられる。これらの中では、印刷後の被記録媒体の膨張速度をより確実に遅くする観点、およびインク吐出ノズルの目詰まりを防止する観点から、ベタイン系化合物が好ましく、トリメチルグリシンがより好ましい。両性イオン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられ、常法により合成してもよく、市販品を入手してもよい。市販品としては、例えば、トリメチルグリシンとして、アミノコート(旭化成ケミカルズ社製)を使用することもできる。
また、両性イオン化合物の分子量は100以上250以下であると好ましい。これにより、画像濃度むらをさらに効果的に抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。その分子量が前記下限値未満であると、10℃以上40℃以下での粘度差が大きくなる傾向が強くなり、また、画像記録後の記録媒体が乾燥するのに伴い変形しカールが生じやすくなる傾向にある。一方で、その分子量が前記上限値を超えると、インクジェット用インク中のその化合物の添加量に対して、インクジェット用インクの粘度が増加しやすく、また、画像記録後の記録媒体にカール等の変形が生じた場合に、その記録媒体が完全に乾燥してもその変形が解消し難くなる傾向にある。
両性イオン化合物の含有量は、10質量%以上40質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上25質量%以下であるのがより好ましい。これにより、画像濃度むらをより効率よく抑制するとともに、記録した画像の光沢性をより優れたものとすることができる。また、画像記録後の記録媒体の膨張速度を効果的に抑制することができる。また、インクジェットにおけるインク吐出ノズルの目詰まりをより効果的に防止することができる。
[水]
インクジェット用インクは、安全性、取扱性および性能面(発色性、裏抜け適性、インク信頼性)の観点から水を含有していてもよい。
また、本発明のインクジェット用インクは、安全性、取り扱い上の観点から、インクの主溶媒が水である水性インクジェット用インクであることが好ましく、水はイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインクの長期保存を可能にする点で好ましい。インクの適正な物性値(粘度等)の確保、インクの安定性および信頼性の確保という観点で、インクジェット用インクは、その全量に対して、水を10質量%以上60質量%以下含有するのが好ましい。
インクジェット用インクは、安全性、取扱性および性能面(発色性、裏抜け適性、インク信頼性)の観点から水を含有していてもよい。
また、本発明のインクジェット用インクは、安全性、取り扱い上の観点から、インクの主溶媒が水である水性インクジェット用インクであることが好ましく、水はイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインクの長期保存を可能にする点で好ましい。インクの適正な物性値(粘度等)の確保、インクの安定性および信頼性の確保という観点で、インクジェット用インクは、その全量に対して、水を10質量%以上60質量%以下含有するのが好ましい。
また、インクジェット用インクに含まれる水の含有量を上記の範囲に規定することにより、普通紙中のセルロースに吸収される水分量が従来のインクジェット用インクよりも少なくなる結果、コックリングカールの原因と考えられているセルロースの膨潤を抑制することができる。以下、コックリングまたはカールを抑制するのに適した性質を、それぞれ「コックリング適性」、「カール適性」ともいう。
[その他の成分]
本発明のインクジェット用インクは、上記成分の他、目詰まり適性、カール、コックリング適性、裏抜け適性、インクの温度による粘度特性のバランスを適正に保つという観点から、下記(X)および(Y)の保湿剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の保湿剤を含むことが好ましい。ここで(X)の保湿剤は、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジェチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、(Y)の保湿剤は、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
本発明のインクジェット用インクは、上記成分の他、目詰まり適性、カール、コックリング適性、裏抜け適性、インクの温度による粘度特性のバランスを適正に保つという観点から、下記(X)および(Y)の保湿剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の保湿剤を含むことが好ましい。ここで(X)の保湿剤は、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジェチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、(Y)の保湿剤は、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
なお、インクジェット用インクの10℃以上40℃以下の温度範囲における粘度は、インクに含まれる着色剤、保湿剤、溶剤等の持つ温度特性に影響を受ける。これらの中では特に保湿剤の影響が大きく、保湿剤の種類や添加量、含有比によっては、10℃での粘度がより上がりやすく、40℃での粘度がより下がりやすい。なお、本明細書中では、10℃以上40℃以下での粘度差がより少ないことを、インクジェット用インクの温度による粘度特性に優れると表記する。
(X)の保湿剤は、特に目詰まりの抑制に対して効果があり、また、カール、コックリングの抑制に対しても効果を合わせ持つ物質である。しかしながら、その優れた被記録媒体への浸透性から裏抜け適性には劣る物質である。上述の効果をより有効かつ確実に奏する観点から、(X)の保湿剤として、グリセリンおよびトリエチレングリコ−ルが好ましい。
(Y)の保湿剤は、特に目詰まりの抑制に対して効果があり、また、浸透抑制効果を持つため裏抜け適性に優れる物質である。それらの効果をより有効かつ確実に奏する観点から、(Y)の保湿剤として、トリメチロールプロパンが好ましい。
(X)および(Y)の保湿剤は、その物質のもつ10℃以上40℃以下での粘度差が大きいという特性のため、インクジェット用インク中の含有量が増えるに従って、温度による粘度特性に大きく影響し、インクジェット用インクも10℃以上40℃以下での粘度差が大きくなる。
(X)および(Y)の保湿剤は、その物質のもつ10℃以上40℃以下での粘度差が大きいという特性のため、インクジェット用インク中の含有量が増えるに従って、温度による粘度特性に大きく影響し、インクジェット用インクも10℃以上40℃以下での粘度差が大きくなる。
本実施形態に係るインクジェット用インクが、両性イオン化合物に加えて、上記(X)および/または(Y)の保湿剤を含有する場合、カール適性、コックリング適性、裏抜け適性、目詰まり適性の観点から、上記両性イオン化合物、(X)および(Y)の合計の含有量は、インクジェット用インクの全体量に対して、10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
また、(X)および(Y)の保湿剤並びに両性イオン化合物について、含有量の質量比は、それらによる上記効果をバランス良く発揮させる観点から、(X):(Y):(両性イオン化合物)=(1.0):(0.1〜1.0):(1.0〜3.5)であるのが好ましい。
また、(X)および(Y)の保湿剤並びに両性イオン化合物について、含有量の質量比は、それらによる上記効果をバランス良く発揮させる観点から、(X):(Y):(両性イオン化合物)=(1.0):(0.1〜1.0):(1.0〜3.5)であるのが好ましい。
(X)の群から選ばれる保湿剤(「(X)の保湿剤」という。以下同様。)に対して、(Y)の保湿剤の質量比を上記よりも多くすると、カール適性およびコックリング適性が低下し、少なくすると、裏抜け適性が低下する。(X)の保湿剤に対して、両性イオン化合物の質量比を上記よりも多くすると、目詰まり適性が低下し、少なくすると、カール適性およびコックリング適性が低下する。
また、インクジェット用インクは、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まり防止やインクの被記録媒体の浸透性や滲みを適度に制御したり、インクの乾燥性を付与する目的で、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水溶性有機溶剤は、上記観点から、1,2−アルカンジオールおよび/またはグリコールエーテルを含有することが好ましい。1,2−アルカンジオールの具体的な例としては、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオールが挙げられる。また、グリコールエーテルの具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ−ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルが挙げられる。また、上記以外に、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなども水溶性有機溶剤として用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上を用いることができ、インクの適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インクジェット用インク中に1質量%以上50質量%以下含まれることが好ましい。
さらに、インクの被記録媒体の濡れ性を制御し、被記録媒体の浸透性やインクジェット記録方法における印字安定性を得るために、インクジェット用インクは表面張力調整剤を含有することが好ましい。表面張力調整剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤やポリエーテル変性シロキサン類が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の例としては、サーフィノール420、440、465、485、104、STG(以上、エアープロダクツ社製、製品名)、オルフィンPD−001、SPC、E1004、E1010(以上、日信化学工業(秩)製、製品名)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(以上、川研ファインケミカル(秩)製、製品名)が挙げられる。またポリエーテル変性シロキサン類としては、BYK−346、347、348、UV3530(ビックケミー社製品)などが挙げられる。これらは、インクジェット用インク中に1種または2種以上用いることができ、インクジェット用インクの表面張力を好ましくは20mN/m〜40mN/mに調整するよう含まれ、好ましくはインクジェット用インク中に0.1質量%以上3.0質量%以下含まれる。
また、本発明のインクジェット用インクは、必要に応じて、pH調整剤、錯化剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を含んでいてもよい。pH調整剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリおよび/またはアンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンを用いることができる。特に、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンから選択される少なくとも1種類のpH調整剤を含み、pH6から10に調整されることが好ましい。pHがこの範囲を外れると、インクジェット記録装置を構成する材料等の悪影響を与え、目詰まり回復性が劣化する傾向にある。また、錯化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびその塩(例えばナトリウム塩、アンモニウム塩)などのアミノポリカルボン酸が挙げられる。
上述したような本発明のインクジェット用インクを記録媒体上にインクジェット法により付与することにより得られた記録物は、光沢性に優れた画像を有するものとなる。
上述したような本発明のインクジェット用インクを記録媒体上にインクジェット法により付与することにより得られた記録物は、光沢性に優れた画像を有するものとなる。
《インクジェット記録装置(インクジェット記録方法)》
以下、インクジェット記録装置(液滴吐出装置)の好適な実施形態について説明する。
図1は、インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット記録装置100は、記録媒体101に、インクジェット用インクの液滴を吐出し画像を記録するためのインクジェットヘッドユニット190と、インクジェットヘッドユニット190に対向するように設けられたプラテン部120と、印刷前の記録媒体101を収納した収納カセット104と、収納カセット104から記録媒体101を給紙する給紙ローラ105と、記録媒体101を搬送するための一対の搬送ローラ(ゲートローラ)140と、記録媒体101を搬送して排出するための一対の第1排出ローラ150および一対の第2排出ローラ160と、印刷された記録媒体101を収納する排紙カセット106と、制御部111と、給紙される記録媒体101の位置検出を行う位置検出センサとを有している。
以下、インクジェット記録装置(液滴吐出装置)の好適な実施形態について説明する。
図1は、インクジェット記録装置の一例を示す模式図である。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット記録装置100は、記録媒体101に、インクジェット用インクの液滴を吐出し画像を記録するためのインクジェットヘッドユニット190と、インクジェットヘッドユニット190に対向するように設けられたプラテン部120と、印刷前の記録媒体101を収納した収納カセット104と、収納カセット104から記録媒体101を給紙する給紙ローラ105と、記録媒体101を搬送するための一対の搬送ローラ(ゲートローラ)140と、記録媒体101を搬送して排出するための一対の第1排出ローラ150および一対の第2排出ローラ160と、印刷された記録媒体101を収納する排紙カセット106と、制御部111と、給紙される記録媒体101の位置検出を行う位置検出センサとを有している。
インクジェットヘッドユニット190は、印刷手段であり、インクの種類に対応した複数のインクジェットヘッドおよびそれらを搭載するキャリッジ(図示せず)を備えている。各インクジェットヘッドは、記録媒体101の幅方向にわたって全幅に対応する多数のインク吐出ノズルを各々配列している、いわゆるラインヘッドで構成されている。
プラテン部120は、記録媒体101を、その搬送面120Aに沿って搬送させるものである。プラテン部120の搬送面120Aは、インクジェットヘッドユニット190のインク吐出方向に垂直な平坦面である。搬送面120Aは、記録媒体101にインクジェット用インクが着弾する際に、その着弾方向に垂直な平面状態を維持できるような広さを有していれば、良好な画像形成を行うのに十分である。
また、給紙ローラ105は、収納カセット104内部の記録媒体101を搬送ローラ140へ送り出すためのローラであり、制御部111により駆動制御されるモータ118により駆動する。
プラテン部120は、記録媒体101を、その搬送面120Aに沿って搬送させるものである。プラテン部120の搬送面120Aは、インクジェットヘッドユニット190のインク吐出方向に垂直な平坦面である。搬送面120Aは、記録媒体101にインクジェット用インクが着弾する際に、その着弾方向に垂直な平面状態を維持できるような広さを有していれば、良好な画像形成を行うのに十分である。
また、給紙ローラ105は、収納カセット104内部の記録媒体101を搬送ローラ140へ送り出すためのローラであり、制御部111により駆動制御されるモータ118により駆動する。
搬送ローラ140は、搬送手段の一部であり、制御部111により駆動制御されるモータ116により駆動するローラユニットとしての駆動ローラ140Aと、駆動ローラ140Aに接触して従動する従動ローラ140Bとで構成されている。
第1排出ローラ150は、搬送手段の一部であり、制御部111により駆動制御されるモータ117により駆動するローラユニットとしての駆動ローラ150Aと、駆動ローラ150Aに接触して従動する従動ローラ150Bとで構成されている。
また、第2排出ローラ160は、搬送手段の一部であり、制御部111により駆動制御されるモータ119により駆動するローラユニットとしての駆動ローラ160Aと、駆動ローラ160Aに接触して従動する従動ローラ160Bとで構成されている。
第1排出ローラ150は、搬送手段の一部であり、制御部111により駆動制御されるモータ117により駆動するローラユニットとしての駆動ローラ150Aと、駆動ローラ150Aに接触して従動する従動ローラ150Bとで構成されている。
また、第2排出ローラ160は、搬送手段の一部であり、制御部111により駆動制御されるモータ119により駆動するローラユニットとしての駆動ローラ160Aと、駆動ローラ160Aに接触して従動する従動ローラ160Bとで構成されている。
制御部111は、印刷処理(記録処理)や各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、ホストコンピュータなどからインタフェイスを介して入力される印刷データ(記録データ)をデータ格納領域に格納するあるいは各種データを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)、各部を制御する制御プログラム等を収納するPROM,EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などを備えている。
位置検出センサは、例えば、発光素子の赤外発光ダイオードと受光素子のフォトトランジスタを組み合わせた反射型フォトセンサを用いる。位置検出センサは、給紙ローラ105と搬送ローラ140の間の用紙搬送部に配置され、搬送される記録媒体101の先端位置(記録媒体101の有無)を検出して、その検出信号は、制御部111に入力される。制御部111では、記録媒体101の先端位置の検出信号に基づいて搬送ローラ140の駆動制御処理が行われる。
記録媒体101は、制御部111からの駆動信号によりモータ116が駆動することにより回転する搬送ローラ140に到達し、記録媒体101先端が搬送ローラ140に接触することにより、記録媒体101の先端面および方向が整えられ、駆動ローラ140Aと従動ローラ140Bとの間に挟まれて紙送りされ、プラテン部120上に送り出される。そして、搬送ローラ140によってインクジェットヘッドユニット190下方の印刷領域に搬送された記録媒体101は、搬送ローラ140に挟持された状態で第1排出ローラ150まで到達する。このとき、制御部111からの駆動信号によりモータ117が駆動され駆動ローラ150Aが回転し、駆動ローラ150Aに接触して従動する従動ローラ150Bとの間に記録媒体101が挟まれて紙送りされる。このようにして、記録媒体101は、搬送ローラ140および第1排出ローラ150の両方に挟まれた状態で搬送移動されるとともに、記録媒体101の搬送方向と幅方向にそれぞれ張力が付与されながら、インクジェットヘッドユニット190のノズルからインク滴が吐出されて印刷データに基づく印刷が施される。
記録媒体101への印刷は、制御部111において、インタフェイスを介してホストコンピュータから入手し、RAMに格納された印刷データを、CPUにおいて所定の処理を実行して、この処理データに基づいてヘッドドライバに駆動信号が出力され、ヘッドドライバを介して駆動信号がインクジェットヘッドユニット190に入力され、駆動信号が入力された静電アクチュエータの駆動により、これに対応するノズルから、記録媒体101にインクが吐出されて印刷データに基づく画像の印刷(記録)が行われる。
なお、記録媒体101への印刷は、上記静電アクチュエータを用いた静電吸引方式に限定されない。すなわち、本実施形態におけるインクジェット記録方式は、インクジェット用インクを微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に着弾、付着させる方式であればよい。具体的には以下に説明する。
なお、記録媒体101への印刷は、上記静電アクチュエータを用いた静電吸引方式に限定されない。すなわち、本実施形態におけるインクジェット記録方式は、インクジェット用インクを微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に着弾、付着させる方式であればよい。具体的には以下に説明する。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、その液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方法、あるいは、インクの液滴を偏向することなく印刷情報に対応して噴出させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプで液状のインクジェット用インクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を噴射させる方式である。噴射された液滴は、噴射と同時に帯電させ、その液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第二の方法としては、小型ポンプで液状のインクジェット用インクに圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を噴射させる方式である。噴射された液滴は、噴射と同時に帯電させ、その液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法としては、圧電素子を用いる方式であり、液状のインクジェット用インクに圧電素子で圧力と印刷情報とを同時に加え、インクの液滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方法としては、熱エネルギーの作用により液状のインクジェット用インクを急激に体積膨張させる方式であり、インクジェット用インクを印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、その液滴を噴射・記録させる方式である。
以上いずれの方式も本実施形態のインクジェット記録装置に採用することができる。
第四の方法としては、熱エネルギーの作用により液状のインクジェット用インクを急激に体積膨張させる方式であり、インクジェット用インクを印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、その液滴を噴射・記録させる方式である。
以上いずれの方式も本実施形態のインクジェット記録装置に採用することができる。
印刷が行われた記録媒体101は、搬送ローラ140および第1排出ローラ150により紙送りされる。
その後、第1排出ローラ150を通過し終えた後は、第2排出ローラ160のみによって紙送りされ、排紙カセット106に収納される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
その後、第1排出ローラ150を通過し終えた後は、第2排出ローラ160のみによって紙送りされ、排紙カセット106に収納される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]インクジェット用インク
(実施例1〜23、比較例1〜5)
表1に示すような組成のインクジェット用インクを常法により製造し用意した。
なお、表1中、イエロー顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET270Y」)をY1、イエロー顔料分散液(樹脂分散型:特開2010−248477、明細書段落0026記載の樹脂分散型顔料を用いた、明細書段落0047記載の顔料分散液Y1)をY2、マゼンダ顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET260M」)をM、シアン顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET250C」)をCと示した。
[1]インクジェット用インク
(実施例1〜23、比較例1〜5)
表1に示すような組成のインクジェット用インクを常法により製造し用意した。
なお、表1中、イエロー顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET270Y」)をY1、イエロー顔料分散液(樹脂分散型:特開2010−248477、明細書段落0026記載の樹脂分散型顔料を用いた、明細書段落0047記載の顔料分散液Y1)をY2、マゼンダ顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET260M」)をM、シアン顔料分散液(自己分散型、キャボット社製、商品名「CAB−O−JET250C」)をCと示した。
また、第1樹脂(A)としてのアクリル酸エステル重合体(Tg:−60℃、重量平均分子量:2000、東亞合成社製)をA1、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:−18℃、重量平均分子量:2000、日本ペイント社製)をA2、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:−5℃、重量平均分子量:2800、BASFジャパン社製)をA3、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:16℃、重量平均分子量:4500、BASFジャパン社製)をA4、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:−9℃、重量平均分子量:9300、BASFジャパン社製)をA5と表した。
また、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:16℃、重量平均分子量:13000、BASFジャパン社製)をA’1と示した。
また、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:16℃、重量平均分子量:13000、BASFジャパン社製)をA’1と示した。
また、第2樹脂(B)としてのスチレンアクリル酸共重合体(Tg:32℃、重量平均分子量:17000、BASFジャパン社製)をB1、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:49℃、重量平均分子量:30000、BASFジャパン社製)をB2、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:65℃、重量平均分子量:90000、BASFジャパン社製)をB3、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:75℃、重量平均分子量:15000、BASFジャパン社製)をB4、スチレンアクリル酸共重合体(Tg:80℃、重量平均分子量:290000、BASFジャパン社製)をB5と示した。
上記式(1)で表される化合物(C)としてのFINESURFE560(青木油脂工業社製)をC1、FINESURFE9010(青木油脂工業社製)をC2と示した。
なお、各インクは、吐出安定性に優れるものであった。
上記式(1)で表される化合物(C)としてのFINESURFE560(青木油脂工業社製)をC1、FINESURFE9010(青木油脂工業社製)をC2と示した。
なお、各インクは、吐出安定性に優れるものであった。
[2]画像の記録
図1に示すようなインクジェット記録装置に、各実施例および各比較例をセットした。
その後、記録媒体としてのEPSON写真用紙(光沢)にベタ印刷を行った。
[3]評価
<光沢度の評価>
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン社製)に100%Dutyパッチパターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で1時間放置した。放置後、光沢度計GM−268(コニカミノルタ社製)を用いて、各パッチ部分の20°におけるグロス(光沢度)を測定し、そのグロス値(光沢度)を下記基準に基づき判定した。
図1に示すようなインクジェット記録装置に、各実施例および各比較例をセットした。
その後、記録媒体としてのEPSON写真用紙(光沢)にベタ印刷を行った。
[3]評価
<光沢度の評価>
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン社製)に100%Dutyパッチパターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で1時間放置した。放置後、光沢度計GM−268(コニカミノルタ社製)を用いて、各パッチ部分の20°におけるグロス(光沢度)を測定し、そのグロス値(光沢度)を下記基準に基づき判定した。
A :正反射角20°における記録用紙グロスの150%以上である。
B :正反射角20°における記録用紙グロスの100%以上150%未満である。
C :正反射角20°における記録用紙グロスの50%以上100%未満である(許容できる)。
D :正反射角20°における記録用紙グロスの50%未満である(許容できない)。
B :正反射角20°における記録用紙グロスの100%以上150%未満である。
C :正反射角20°における記録用紙グロスの50%以上100%未満である(許容できる)。
D :正反射角20°における記録用紙グロスの50%未満である(許容できない)。
<OD値(発色性)の評価>
図1に示すようなインクジェット記録装置に、各実施例および各比較例をセットした。
その後、記録媒体としての普通紙(Xerox−P紙)にベタ印刷を行った。
印刷したベタ画像のOD値をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて5回(5箇所で)測定した。そして、各実施例および各比較例のインクジェット用インクごとの相加平均値を求め、算出した平均OD値につき、以下の判断基準で光学濃度値(OD値)を評価した。
A :OD値が1.3以上である。
B :OD値が1.2以上1.3未満である。
C :OD値が1.1以上1.2未満である(許容できる)。
D :OD値が1.1未満である(許容できない)。
図1に示すようなインクジェット記録装置に、各実施例および各比較例をセットした。
その後、記録媒体としての普通紙(Xerox−P紙)にベタ印刷を行った。
印刷したベタ画像のOD値をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて5回(5箇所で)測定した。そして、各実施例および各比較例のインクジェット用インクごとの相加平均値を求め、算出した平均OD値につき、以下の判断基準で光学濃度値(OD値)を評価した。
A :OD値が1.3以上である。
B :OD値が1.2以上1.3未満である。
C :OD値が1.1以上1.2未満である(許容できる)。
D :OD値が1.1未満である(許容できない)。
<布擦り試験(定着性評価1)>
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン社製)に100%Dutyパッチパターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で1時間放置した。放置後、パッチ部分を摺擦布としてベンコットM−3(旭化成製)の表面が摺擦するように直径10mm、荷重200gの分銅により押圧しながら1cm/秒の速度で掃引した。摺擦後の各パッチ部分及びベンコットの摺擦面を目視で観察し、下記評価基準に基づき判定した。
A :布擦りによる摺擦痕が全く認められない。
B :摺擦痕が認められるが、布表面に汚れが認められない。
C :摺擦痕が認められ、布表面に汚れが僅かに認められる(許容できる)。
D :摺擦痕が認められ、布表面に汚れが多量に認められる(許容できない)。
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(写真用紙<光沢>、セイコーエプソン社製)に100%Dutyパッチパターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で1時間放置した。放置後、パッチ部分を摺擦布としてベンコットM−3(旭化成製)の表面が摺擦するように直径10mm、荷重200gの分銅により押圧しながら1cm/秒の速度で掃引した。摺擦後の各パッチ部分及びベンコットの摺擦面を目視で観察し、下記評価基準に基づき判定した。
A :布擦りによる摺擦痕が全く認められない。
B :摺擦痕が認められるが、布表面に汚れが認められない。
C :摺擦痕が認められ、布表面に汚れが僅かに認められる(許容できる)。
D :摺擦痕が認められ、布表面に汚れが多量に認められる(許容できない)。
<ラインマーカー試験(定着性評価2)>
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(Xerox4200)に24point文字パターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で24時間放置した。放置後、ゼブラ社製のイエロー水性蛍光ペンZEBRA PEN2(登録商標)を用いて、印刷文字を筆圧300g/15mmで摺擦した。摺擦後の記録文字を目視で観察し、下記評価基準に基づき判定した。
A :同一部分を2回擦った際、汚れが全く認められない。
B :1回目の擦りでは汚れが認められないが、2回目の擦りで汚れが認められる。
C :1回目の擦りで汚れが僅かに認められる(許容できる)。
D :1回目の擦りで汚れが多量に認められる(許容できない)。
調製した各インクをインクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、記録媒体(Xerox4200)に24point文字パターンの記録を行った。得られたサンプルを常温常湿環境下(温度20℃・湿度65%)で24時間放置した。放置後、ゼブラ社製のイエロー水性蛍光ペンZEBRA PEN2(登録商標)を用いて、印刷文字を筆圧300g/15mmで摺擦した。摺擦後の記録文字を目視で観察し、下記評価基準に基づき判定した。
A :同一部分を2回擦った際、汚れが全く認められない。
B :1回目の擦りでは汚れが認められないが、2回目の擦りで汚れが認められる。
C :1回目の擦りで汚れが僅かに認められる(許容できる)。
D :1回目の擦りで汚れが多量に認められる(許容できない)。
<永久カール試験>
図1に示すようなインクジェット記録装置を用いて、記録媒体としての普通紙(Xerox 4200、Xerox社製)に対して、duty100%でベタ印刷を行った。得られた記録物を24時間放置し、目視にて観察し以下の判断基準に従い評価した。
A :24hr放置後のカール量が10mm未満で許容できる。
B :24hr放置後のカール量が10mm以上30mm未満で許容できる。
C :24hr放置後のカール量が30mm以上50mm未満で許容できる。
D :24hr放置後のカール量が50mm以上で許容できない。
これらの結果を表2に示した。また、第1樹脂(A)および第2樹脂(B)(表中、これらをまとめて「樹脂成分」という)の含有量の総和に対する化合物(C)の含有量比を示した。
図1に示すようなインクジェット記録装置を用いて、記録媒体としての普通紙(Xerox 4200、Xerox社製)に対して、duty100%でベタ印刷を行った。得られた記録物を24時間放置し、目視にて観察し以下の判断基準に従い評価した。
A :24hr放置後のカール量が10mm未満で許容できる。
B :24hr放置後のカール量が10mm以上30mm未満で許容できる。
C :24hr放置後のカール量が30mm以上50mm未満で許容できる。
D :24hr放置後のカール量が50mm以上で許容できない。
これらの結果を表2に示した。また、第1樹脂(A)および第2樹脂(B)(表中、これらをまとめて「樹脂成分」という)の含有量の総和に対する化合物(C)の含有量比を示した。
表2から明らかなように、本発明のインクジェット用インクでは、光沢性に優れた画像を記録することが可能であった。また、本発明のインクジェット用インクで記録した画像は、発色性、定着性にも優れていた。また、本発明では、カールの発生が抑制されており、品質に優れた記録物が得られた。これに対して、各比較例では、満足の行く結果が得られなかった。
100…インクジェット記録装置 101…記録媒体 104…収納カセット 105…給紙ローラ 106…排紙カセット 111…制御部 116、117、118、119…モータ 120…プラテン部 120A…搬送面 140…搬送ローラ 140A…駆動ローラ 140B…従動ローラ 150…第1排出ローラ 150A…駆動ローラ 150B…従動ローラ 160…第2排出ローラ 160A…駆動ローラ 160B…従動ローラ 190…インクジェットヘッドニット
Claims (9)
- 前記第1樹脂(A)および前記第2樹脂(B)の含有量の総和に対する前記化合物(C)の含有量比は、0.30以上0.50以下である請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記第2樹脂(B)の重量平均分子量は、10000よりも大きい請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- 前記第1樹脂(A)は、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記第2樹脂(B)は、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 両性イオン化合物をさらに含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記両性イオン化合物は、分子量100以上250以下のベタイン系化合物である請求項6に記載のインクジェット用インク。
- 前記両性イオン化合物の含有量は、10質量%以上40質量%以下である請求項6または7に記載のインクジェット用インク。
- 記録媒体上に、請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェット法により付与することにより得られたことを特徴とする記録物。
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JP2012095952A JP2013224340A (ja) | 2012-04-19 | 2012-04-19 | インクジェット用インクおよび記録物 |
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JP2012095952A JP2013224340A (ja) | 2012-04-19 | 2012-04-19 | インクジェット用インクおよび記録物 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021105095A (ja) * | 2019-12-26 | 2021-07-26 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェットインク及び記録装置 |
JP2021105094A (ja) * | 2019-12-26 | 2021-07-26 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェットインク及び記録装置 |
JP7380375B2 (ja) | 2020-03-26 | 2023-11-15 | セイコーエプソン株式会社 | 水系インクジェットインク組成物、インクセット、及びインクジェット記録装置 |
US11872827B2 (en) | 2018-07-06 | 2024-01-16 | Seiko Epson Corporation | Ink for ink jet recording, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method |
-
2012
- 2012-04-19 JP JP2012095952A patent/JP2013224340A/ja active Pending
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