JP2013217289A - 還元剤添加システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボチャージャーのタービン下流でアンモニア系還元剤を添加弁から噴射する還元剤添加システムにおいて内燃機関の背圧を高めず排気流全体にアンモニア系還元剤を均一分散しかつ排気偏流も解消すると共にアンモニア系還元剤が尿素水である場合は加水分解も迅速にできる還元剤添加システムの提供。
【解決手段】尿素水の液滴が存在する空間領域Suに対して排気噴出機構26からタービン4b上流の高温高圧の排気が尿素水添加弁14の噴射方向に対向する方向に噴出される。このため尿素水は排気流全体に十分均一に分散されると共に尿素の加水分解が促進されて迅速にアンモニアを生じる。更に排気偏流も解消されて下流側のSCR触媒20に到達する。このため排気管12内壁に尿素が付着することなくSCR触媒20全体に十分均一にアンモニアを供給できる。しかもディーゼルエンジン2の背圧が高くなることが無い。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気管においてターボチャージャーのタービンよりも下流に配置した添加弁から排気管内の排気にアンモニア系還元剤を噴射することにより、排気管下流に配置された触媒にアンモニア系還元剤を供給する還元剤添加システムに関する。
内燃機関から排出されるNOx(窒素酸化物)を還元する窒素酸化物浄化装置として、SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られている。このSCRシステムでは、尿素水溶液(いわゆる尿素水)やアンモニアガスなどのアンモニア系還元剤を排気管内に噴射する。このことにより、下流に存在する窒素酸化物浄化用触媒において、アンモニアの還元作用により、排気に含まれるNOxを選択的に窒素や水に還元している。尚、排気管内に尿素水を噴射した場合には、高温の排気中で尿素が加水分解することでアンモニアを発生させ、このアンモニアを触媒内での還元に利用している。
このようなアンモニア系還元剤を排気管内に噴射した場合、排気中でその濃度が偏っていると、下流の触媒では場所により還元作用に偏りが生じることがあり、このことにより浄化効率が低下するおそれがある。またアンモニア系還元剤が噴射される位置から触媒までの距離が近いほど均一分散に必要な距離が確保できず分散性の低下が顕著になる。したがって、下流の触媒全体に均一にアンモニア系還元剤を供給するためには、噴射直後にアンモニア系還元剤を排気流全体に迅速に均一分散する必要がある。
更に尿素水のごとく加水分解が必要な場合には、上述したごとく均一な分散が必要であると共に、更に、噴射された尿素水を加水分解するために全体を迅速かつ十分に加熱することと、尿素結晶が排気管内壁に固化状態で付着しないようにすることが必要である。
尿素の固化付着を防止するために、尿素水自身や添加弁の周りを加熱する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。更にこの特許文献1では、添加弁により噴射された尿素水などの還元剤を排気管の広域に分散させるための分散板を設けている。
排気管内に2つのガイドパイプを組み合わせたガイドを配置することにより、排気流方向を変化させて排気同士を衝突させたり、排気流の高速化を図って、尿素水を排気中に均一に分散させ、かつ排気管内壁に尿素結晶が付着しないようにした技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2010−270624号公報(第9−12頁、図1,4) 特開2011−038458号公報(第8〜9頁、図2)
しかし特許文献1のごとく排気流中に流動抵抗となる分散板を配置している構成では、背圧が高まり、内燃機関の燃費が悪化する。
特許文献2においても同じであり、排気流の衝突や流速を高くするために、排気流中に流動抵抗となるガイドパイプを配置しているため、背圧が高まり、内燃機関の燃費が悪化する。
更に、これら特許文献1,2の技術では、共にターボチャージャーを備えた内燃機関に対して添加弁を配置している。この場合、尿素の析出がタービンに影響しないようにしたり、添加弁が高温化することを避けるために、添加弁はターボチャージャーのタービンよりも下流側に備えることになる。
このような構成ではタービンを通過した後には排気は十分に攪拌されることなく流れる。したがって内燃機関の運転状態によっては排気流に偏流、すなわち排気管の流路断面において流れにむらが生じることがある。
排気流に偏流が生じると、分散板やガイドパイプでは尿素水と排気流とが分散板やガイドパイプの限られた領域で混合されるのみとなる。このため下流の触媒全体に均一に尿素水を供給することができなくなり、触媒における浄化効率が不十分となるおそれがある。
たとえ均一に分散されたとしても、偏流により排気管の流路断面において流速に差が生じていれば、やはり下流の触媒全体に均一に尿素水を供給することができなくなり、触媒における浄化効率が不十分となるおそれがある。
更に尿素水の噴射は、タービン上流側よりも排気が低温化している下流でなされるため、触媒に到達するまでに尿素の加水分解によるアンモニア発生が不十分となり、浄化処理自体が困難となるおそれがある。
本発明は、ターボチャージャーのタービン下流でアンモニア系還元剤を添加弁から噴射する還元剤添加システムにおいて、内燃機関の背圧を高めず、排気流全体にアンモニア系還元剤を均一分散し、かつ排気偏流も解消すると共に、アンモニア系還元剤が尿素水である場合は加水分解も迅速にできる還元剤添加システムの提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の還元剤添加システムでは、内燃機関の排気管においてターボチャージャーのタービンよりも下流に配置した添加弁から排気管内の排気にアンモニア系還元剤を噴射することにより、排気管下流に配置された触媒にアンモニア系還元剤を供給する還元剤添加システムであって、前記添加弁の噴射方向における排気管内の空間領域に、前記タービンより上流側の排気を、前記添加弁の噴射方向に対向する方向に噴出させる排気噴出機構を備えたことを特徴とする。
内燃機関運転時は、ターボチャージャーのタービンより上流側の排気は、下流側の排気に比較して高温高圧である。この高温高圧の排気を、排気噴出機構は、添加弁の噴射方向における排気管内の空間領域に噴出させている。しかも添加弁の噴射方向に対向する方向に噴出している。
このような方向に噴出された排気は、アンモニア系還元剤の粒子が分散している排気よりも高温高圧である。このため添加弁からアンモニア系還元剤が噴射された空間領域において、高温高圧の排気による激しい噴流が生じ、このことによりアンモニア系還元剤を含んだ空間領域が高温状態で激しく攪拌される。
特に添加弁の噴射方向に対向する方向に高温高圧の排気を噴出させていることから、アンモニア系還元剤の粒子が分散した排気と高温高圧の排気とは激しく衝突する。このためアンモニア系還元剤の粒子が存在する空間領域からは排気管の径方向外側へ排気噴流が飛び出して排気管の流路断面全体にわたってアンモニア系還元剤の粒子を含んだ高温排気の乱流が生じる。
このため従来のごとく添加弁から排気中にアンモニア系還元剤を単に噴射した場合やタービン下流の排気管内に分散板やガイドパイプを配置した場合に比較して、より激しい攪拌が排気管の流路断面全体に生じ、下流側の触媒に到達する前にアンモニア系還元剤は排気管内全体に十分均一に分散される。しかも排気管内の流れも流路断面全体にわたって偏らない均一な流れとなる。
またこのようにアンモニア系還元剤は迅速に排気管内全体に均一分散されるため、添加弁による噴射位置と触媒との距離が近い場合であっても、十分な分散性を確保することができる。
このことにより触媒全体に均一にアンモニア系還元剤が供給される。
更に、アンモニア系還元剤が尿素水であった場合には、その液滴が上述のごとく迅速にかつ均一に排気管の流路断面全体に分散されるが、この分散を行う排気は高温であるため、尿素の加水分解を促進して迅速にアンモニアに変化させる。このため尿素が排気管内壁に固化状態で付着することはなく、触媒全体に均一にアンモニアを供給できる。
このようなアンモニア系還元剤の排気管の流路断面全体への迅速な均一分散、偏流の解消、更には尿素水の場合の尿素の迅速な加水分解は、排気噴出機構が、タービンより下流の排気管内の前記空間領域に、タービンより上流側の排気を噴出させることで実行しているため、内燃機関の背圧が高くなることは無い。
請求項2に記載の還元剤添加システムでは、請求項1に記載の還元剤添加システムにおいて、前記空間領域に前記添加弁の噴射方向とは直交する仮想面を、前記添加弁と前記排気噴出機構との間に想定した場合に、前記排気噴出機構の噴出方向を前記仮想面と交差させたことにより前記添加弁の噴射方向に対向する方向に排気を噴出させていることを特徴とする。
上述したごとく想定した仮想面に対して、排気噴出機構の噴出方向が交差していることにより、仮想面を挟んで反対側に存在する添加弁の噴射方向に対向する方向に排気を噴出できる。このことにより内燃機関の背圧を高めず、排気流全体にアンモニア系還元剤を均一分散し、かつ排気偏流も解消すると共に、アンモニア系還元剤が尿素水である場合は加水分解も迅速にできる。
請求項3に記載の還元剤添加システムでは、請求項1又は2に記載の還元剤添加システムにおいて、前記アンモニア系還元剤は尿素水であることを特徴とする。
このように尿素水をアンモニア系還元剤として用いた場合は、高温高圧の排気の噴出、しかも添加弁の噴射方向に対向する方向への噴出が、より効果的なものとなる。すなわち上述したごとく尿素水の液滴が排気中に迅速にかつ均一に分散されると共に、その過程が高温下であることにより、尿素は迅速にアンモニアに加水分解される。したがって尿素水をアンモニア系還元剤として用いても、尿素が析出して排気管内壁に固化状態で付着することがなく、触媒全体に均一にアンモニアを供給できる。
請求項4に記載の還元剤添加システムでは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の還元剤添加システムにおいて、前記排気噴出機構は、前記タービン上流側から下流側へバイパスするバイパス管、このバイパス管に設けたバルブ、及びこのバルブを制御する制御部を備えたことを特徴とする。
排気噴出機構は、上述したバイパス管、バルブ及び制御部を備えることにより、必要に応じて制御部がバルブを制御することにより、タービンより上流側の排気を、バイパス管を介して、添加弁の噴射方向における排気管内の空間領域に噴出させることができる。したがって上述した効果を生じると共に、排気エネルギーを効率的に利用できる。
請求項5に記載の還元剤添加システムでは、請求項4に記載の還元剤添加システムにおいて、前記制御部は、前記添加弁からのアンモニア系還元剤の添加期間に対応して、前記バルブを制御して前記タービンより上流側の排気を噴出させることを特徴とする。
アンモニア系還元剤の添加期間は、触媒の状態により異なる。このため、アンモニア系還元剤の添加期間に対応して、タービン上流側の排気の噴出タイミングを決定することにより、不必要に高温高圧の排気をタービン下流に噴出させることがなく、排気エネルギーを効率的に利用できる。
請求項6に記載の還元剤添加システムでは、請求項5に記載の還元剤添加システムにおいて、前記制御部は、前記添加弁によりアンモニア系還元剤として尿素水が添加される領域での排気温が基準温度よりも低温である場合に、前記バルブを制御して前記タービンより上流側の排気を噴出させることを特徴とする。
アンモニア系還元剤として尿素水を添加する場合に、タービン下流の排気温度が低くて尿素の迅速な加水分解が困難となる内燃機関運転状態では、タービン上流より高温高圧の排気を下流側で噴出させないと、尿素が析出して排気管内壁に固化状態で付着したり、触媒での還元作用が十分に行われなくなるおそれがある。
逆にタービン下流の排気温度が十分に高い運転状態では、タービン上流より高温高圧の排気を下流側で噴出させなくても、尿素水の水分気化による激しい膨張や尿素の迅速な加水分解反応により、アンモニアの迅速な生成と排気管内での均一分散とが実現される。
このため制御部が、尿素水が添加される領域での排気温が基準温度よりも低温である場合に限って、バルブを制御してタービンより上流側の排気を噴出させる。このことにより必要以上に高温の排気をタービン下流で噴出させることがないので、排気エネルギーをより効率的に利用できる。
実施の形態1の還元剤添加システムの構成図。 (A),(B)実施の形態1の還元剤添加システムにおける排気噴出機構の噴出部の縦断面と底面の構成説明図。 図1における部分拡大断面図。 実施の形態2の還元剤添加システムの構成図。 実施の形態2のECUが実行する排気噴出制御処理のフローチャート。 実施の形態3のECUが実行する排気噴出制御処理のフローチャート。 実施の形態4の還元剤添加システムにおける尿素水添加弁及び噴出部の構成説明図。 (A),(B)実施の形態4の噴出部の斜視図と破断図。
[実施の形態1]
〈実施の形態1の構成〉図1は、上述した発明が適用された還元剤添加システムの構成を表す。還元剤添加システムは、内燃機関、ここではディーゼルエンジン2の排気系に適用されている。ディーゼルエンジン2にはターボチャージャー4が設けられており、吸気管6側の吸気をコンプレッサ4aにより過給し、インタークーラー8で冷却して、ディーゼルエンジン2の各気筒に供給している。
ディーゼルエンジン2の排気は、上記過給のためにタービン4bに回転エネルギーを与える。この後、排気は、タービン4bの下流側の排気管12に、タービン4bの上流側に比較して低温低圧化して排出される。
タービン4bの下流側の排気管12には尿素水添加弁14が配置され、排気管12内に尿素水(尿素水溶液)を噴射している。尿素水添加弁14へはポンプ16を介して尿素水貯留タンク18から尿素水が供給されている。
尿素水添加弁14から排気中に噴射された尿素水の液滴は、排気管12内を流れる排気中に分散して排気の熱により尿素が加水分解される。このことによりアンモニアが発生する。このアンモニアが還元剤として下流のSCR触媒20にてNOx浄化を行う。
尚、尿素水添加弁14及びポンプ16は電子制御回路により駆動が制御される。ここではディーゼルエンジン2の運転状態に応じて駆動が制御されて、ディーゼルエンジン2から排出されるNOxをSCR触媒20において尿素水の加水分解により生じるアンモニアにより適切に浄化するようにしている。
排気系においては、タービン4bの上流側から下流側へ排気をバイパスするバイパス路22が設けられている。このバイパス路22はタービン4b上流側の高温高圧の排気を、これと比較して低温低圧であるタービン4b下流側へ導入する管路である。バイパス路22とタービン4b下流側の排気管12との接続部には、噴出部24が形成されている。
図2の(A)に示すごとく、噴出部24は、ボックス状をなして、排気管12の壁面の一部を形成するように排気管12を貫いて固定されている。この噴出部24は、バイパス路22からの高温高圧の排気を一旦蓄積する蓄積室24aと、図2の(B)に示すごとく排気管12内側における内側壁部24bに開口し蓄積室24a内の高温高圧の排気を低温低圧の排気中に噴出する3つの噴出口24cとを備えている。
尚、噴出部24の内側壁部24bは、排気管12に内面に対応して湾曲しており、3つの噴出口24cは、尿素水添加弁14の尿素水噴射方向における排気管12内の空間領域Suに向けられている。
すなわちバイパス路22と噴出部24とにより排気噴出機構26が形成されることで、排気噴出機構26は、上記空間領域Suにタービン4bより上流側の排気を噴出させることができる。
ここで図3に拡大して示すごとく、尿素水添加弁14の噴射方向とは直交する仮想面Pvを、尿素水添加弁14と排気噴出機構26との間に想定すると、排気噴出機構26は、仮想面Pvに対して、噴出口24cの噴出方向(一点鎖線の矢線Apの方向)を交差させている。このような排気噴出機構26の配置状態により、排気噴出機構26の噴出部24からの排気の噴出方向は、尿素水添加弁14の噴射方向に対向するものとなっている。
ここでは特に仮想面Pvに対する排気噴出機構26の噴出方向(矢線Ap)の交差角度θは、45°〜90°の範囲に設定されている。
〈実施の形態1の作用〉尿素水添加弁14から噴射された噴霧状態の尿素水の液滴が存在する空間領域Suに対して、排気噴出機構26から高温高圧の排気が噴出される。このように噴出された排気は、尿素水を含んだ周りの排気よりも高温高圧である。このため空間領域Suにおいて、水分の気化による激しい膨張も含めて高温高圧の排気による激しい噴流が生じ、空間領域Suは高温状態で激しく攪拌される。
特に尿素水添加弁14の噴射方向に対向する方向に高温高圧の排気を噴出していることから、尿素水の液滴が分散した排気と高温高圧の排気とは激しく衝突する。このため尿素水の液滴が存在する空間領域Suからは排気管12の径方向外側へ排気噴流が飛び出して排気管12の流路断面全体にわたって尿素水の液滴を含んだ高温排気の乱流が生じる。
このため、従来のごとく排気噴出機構26を備えずに単に尿素水添加弁14から尿素水を噴射した場合や排気管12内に分散板やガイドパイプを配置した場合に比較して、より激しい攪拌が排気管12の流路断面全体に生じる。このため下流側のSCR触媒20に到達する前に尿素水の液滴は排気管12内全体に十分均一に分散する。しかも排気管12内の流れも流路断面全体にわたって偏らない均一な流れとなる。このことによりSCR触媒20全体に均一に尿素水あるいはこれが加水分解したアンモニアが供給される。
〈実施の形態1の効果〉
(1)空間領域Suにおいて尿素水添加弁14からの尿素水の噴射方向に対向して、タービン4bよりも上流側の高温高圧の排気が噴出される構成となっているため、上述したごとく排気管12の流路断面全体への尿素水の均一分散を向上できると共に、アンモニアへの加水分解も迅速にできる。このため尿素水添加弁14に対する要求性能が緩和でき、安価な尿素水添加弁14でも十分に使用可能である。
しかも空間領域Suのみでなく排気管12の流路断面全体に攪拌が生じるので排気偏流も解消できる。更に尿素水は迅速に排気管12全体に均一分散されるため、尿素水添加弁14による噴射位置とSCR触媒20とが近距離であったとしても、SCR触媒20に到達するまでに排気中にアンモニアを十分に均一分散できる。
上述した迅速な均一分散、尿素の迅速な加水分解及び排気偏流解消は、排気噴出機構26が、タービン4bより上流側の排気を、タービン4bより下流の排気管12内の空間領域Suに噴出させることで実行している。このためディーゼルエンジン2の背圧が高くなることは無い。
(2)上述したごとく尿素水の液滴を分散させる排気は高温であるため、尿素の加水分解を促進して迅速にアンモニアに変化させるので、尿素が排気管12の内壁に固化状態で付着することはない。そして、このことによりSCR触媒20全体に均一にアンモニアを供給できる。
(3)仮想面Pvに対する排気噴出機構26の噴出方向の交差角度θは、45°〜90°の範囲に設定されていることにより、前記(1)及び(2)の効果がより高まる。
[実施の形態2]
〈実施の形態2の構成〉本実施の形態では図4に示すごとくの構成である。ここでは、制御部としてのECU(電子制御ユニット)130は、前記実施の形態1と同様に、ディーゼルエンジンの運転状態やその他の情報に基づいて、尿素水添加弁114と、尿素水貯留タンク118から尿素水を尿素水添加弁114へ圧送するポンプ116とに対する制御を実行している。更に、本実施の形態では、タービンの上流側の排気を下流側の排気管112内に導入する排気噴出機構126は、前記実施の形態1と同様にバイパス路122と噴出部124とを備えているが、更にバイパス路122を開閉するバルブ122aとこれを駆動するアクチュエータ122bとを備えている。
アクチュエータ122bは、ECU130により制御される。このことにより、図5のフローチャートに示す排気噴出制御処理に基づくタイミングで、バイパス路122と噴出部124とを介して、排気管112内の空間領域Suに、高温高圧の排気を、尿素水添加弁114の噴射方向に対向する方向に噴出している。他の構成は前記実施の形態1と同じである。
〈実施の形態2の作用〉図5の処理に基づいて本実施の形態の作用を説明する。図5の処理は短時間周期、例えば10ms毎に繰り返し実行される処理である。個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表している。
本処理が開始されると、まずECU130が別途実行している尿素水噴射処理において、尿素水噴射要求が有るか否かを判定する(S100)。ここで尿素水噴射要求が無い場合には(S100でNO)、バイパス路122に設けられているバルブ122aの閉指令をアクチュエータ122bに出力する(S104)。このことによりアクチュエータ122bではバルブ122aが直前までに開状態であればバルブ122aを閉じ、既にバルブ122aが閉状態にあればその状態を維持する。したがって噴出部124から排気管112内部に、タービン上流の高温高圧の排気が噴出されることはない。
一方、尿素水噴射要求が有る場合には(S100でYES)、すなわちこの要求により尿素水添加弁114から尿素水が排気中に噴霧される添加期間である場合には、バルブ122aの開指令をアクチュエータ122bに出力する(S102)。このことによりアクチュエータ122bではバルブ122aが直前までに閉状態であればバルブ122aを開き、既にバルブ122aが開状態にあればその状態を維持する。したがって噴出部124から排気管112内部に、タービン上流の高温高圧の排気が尿素水添加弁114の噴射方向に対向する方向に噴出される。
このことにより前記実施の形態1にて述べたごとく、高温の排気が尿素水添加弁114から噴射された尿素水を加熱しつつ攪拌する。このことで尿素が迅速に加水分解して生成したアンモニアが排気管112の流路断面全体に均一分散し、下流のSCR触媒120全体に対してアンモニアを十分均一に供給できる。
〈実施の形態2の効果〉(1)前記実施の形態1の効果を生じる。これと共に、バイパス路122にバルブ122aを備えて、尿素水の添加期間ではタービン上流の高温高圧の排気を噴出し、尿素水の添加期間でなければその排気噴出は停止している。このため不必要に高温高圧の排気をタービン下流に噴出させることがないので、排気エネルギーを効率的に利用できる。
[実施の形態3]
〈実施の形態3の構成〉本実施の形態では前記実施の形態2の排気噴出制御処理(図5)の代わりに図6に示す排気噴出制御処理を同様な周期で実行する。後述する排気温センサの配置を除いては、他の構成は前記実施の形態2と同じであるので、図4も参照して説明する。
〈実施の形態3の作用〉図6の処理に基づいて本実施の形態の作用を説明する。本処理が開始されると、まず尿素水噴射要求が有るか否かを判定する(S200)。この処理は前記図5のステップS100の処理と同じである。ここで尿素水噴射要求が無い場合には(S200でNO)、バルブ122aの閉指令をアクチュエータ122bに出力する(S204)。この処理は前記図5のステップS104の処理と同じである。このことにより噴出部124から排気管112内部に、タービン上流の高温高圧の排気は噴出されることはない。
尿素水噴射要求が有る場合には(S200でYES)、次に排気温が基準温度より低いか否かを判定する(S201)。ここで排気温は、タービンの下流側の排気管112における排気温であり、本実施の形態ではタービン下流側の排気管112に設けられた排気温センサからECU130が検出している。基準温度については、タービンを経てその下流側の排気管112へ流れ込む排気の温度が高いことにより、排気噴出機構126からの高温高圧の排気の噴出なしに、尿素水添加弁114から噴射される尿素水が下流のSCR触媒120に到達するまでに十分に攪拌されてかつ加水分解される最低限の排気温が設定されている。
ここで実測された排気温が基準温度より低くなければ(S201でNO)、タービンを経てきた高温の排気により、尿素水の水分が気化して激しい膨張が生じると共に、迅速に尿素を加水分解することが可能なことから、バルブ122aの閉指令をアクチュエータ122bに出力する(S204)。このことにより噴出部124から排気管112内部にタービン上流の高温高圧の排気が噴出されなくても、尿素水は迅速に加水分解され、アンモニアが均一分散されて下流のSCR触媒120に到達する。
一方、実測された排気温が基準温度より低くければ(S201でYES)、タービンを経てきた低温の排気による尿素水の膨張は激しくなく、尿素の加水分解も迅速になされない可能性があることから、バルブ122aの開指令をアクチュエータ122bに出力する(S202)。このことにより噴出部124から排気管112内に、タービン上流の高温高圧の排気が、尿素水添加弁114の噴射方向に対向する方向に噴出される。したがって尿素水添加弁114から尿素水が噴射されている排気管112内の空間領域Suに対して、高温高圧の排気が噴出部124から高速に流れ込み、噴霧された尿素水を加熱しつつ攪拌する。このことにより尿素水は十分に高温化されて迅速に加水分解反応が生じ、下流のSCR触媒120にアンモニアを十分均一に供給できる。
〈実施の形態3の効果〉(1)前記実施の形態2の効果を生じる。これと共に、タービン経由の排気が高温である場合には(S201でNO)、噴出部124からの排気噴出は不要であることから、バルブ122aを閉じて(S204)、不必要に高温高圧の排気をタービン下流の排気管112に噴出させていない。このため排気エネルギーの利用が、より効率的なものとなる。
[実施の形態4]
〈実施の形態4の構成〉本実施の形態では前記実施の形態1〜3において用いられている噴出部24,124に代わって、図7,8に示す噴出部224を用いている。この噴出部224は、全体がリング状であり、SCR触媒220の上流側において、排気管212の全周にわたって配置されている。
噴出部224内部には環状空間224aが形成されており、この環状空間224aに、バイパス路222を介してタービン上流側の高温高圧の排気が供給される。
噴出部224の内周面側には環状空間224a内の高温高圧の排気を噴出させる噴出口224bが形成されている。この噴出口224bは、等位相間隔(ここでは90°間隔)で複数、ここでは4つ配置されている。この噴出口224bは中心軸に対して直交方向に形成されているのではなく、噴出部224よりも上流側において排気管212の中心部に設定した空間領域Suに向けられている。
ここで尿素水添加弁214は、噴出部224の上流側から、排気流動方向に沿って排気管212の中心部の空間領域Suに向けて尿素水を噴射するように排気管212に取り付けられている。したがって環状空間224a内の高温高圧の排気は、噴出口224bを介することで、尿素水添加弁214の噴射方向に対向する方向に噴出されることになる。
このような構成においても、尿素水添加弁214の噴射方向とは直交する仮想面Pvを尿素水添加弁214と排気噴出機構226との間に想定すると、各噴出口224bからの噴出方向は仮想面Pvに交差している。ここでも仮想面Pvに対する各噴出口224bの噴出方向の交差角度は、45°〜90°の範囲に設定されている。
〈実施の形態4の作用〉尿素水添加弁214から噴射された尿素水は、排気流と共に噴出部224の中心部を通過する前に、空間領域Suの位置で、噴出部224の各噴出口224bから噴出される高温高圧の排気に前方から衝突される。
このため尿素水は、空間領域Suにて激しく攪拌されて高温化し、排気管212内の全体に均一に分散し、かつ迅速に加水分解がなされて、SCR触媒220に流れ込むことになる。
〈実施の形態4の効果〉(1)前記実施の形態1〜3のいずれかの効果を生じる。これと共に、尿素水が排気管212の中央部を流れる際に、空間領域Suにて周りからの高温高圧の排気噴出により、十分攪拌及び加熱されるため、排気管212の内壁への尿素固着防止をより完全なものにすることができる。
[その他の実施の形態]
・前記各実施の形態において、タービン上流の排気をタービン下流側の噴出部に導くためのバイパス路を断熱材で被覆しても良い。このことにより、タービン上流の排気をバイパス途中で冷却させることなく噴出させることができ、排気エネルギーの利用効率が一層高まる。
・排気噴出制御処理(図5,6)では、尿素水噴射要求がある場合、すなわち尿素水添加期間のみに高温高圧の排気を噴出させたが、このように尿素水添加期間と排気噴出期間とを完全に同期させるのではなく、尿素水添加期間よりも少し長めに排気噴出期間を設定しても良い。このようにすることにより、尿素水添加期間の最後に噴射された尿素水における尿素の加水分解を確実なものとすることができる。
・前記実施の形態3の排気噴出制御処理(図6)では、タービン下流の排気温に基づいて、上流側の排気噴出有無を判断(S201)していたが、これ以外に、ディーゼルエンジンの負荷によりタービン下流での排気温や排気流状態が変化するので、ディーゼルエンジンの負荷に基づいて上流側の排気噴出有無を判断しても良い。
2…ディーゼルエンジン、4…ターボチャージャー、4a…コンプレッサ、4b…タービン、6…吸気管、8…インタークーラー、12…排気管、14…尿素水添加弁、16…ポンプ、18…尿素水貯留タンク、20…SCR触媒、22…バイパス路、24…噴出部、24a…蓄積室、24b…内側壁部、24c…噴出口、26…排気噴出機構、112…排気管、114…尿素水添加弁、116…ポンプ、118…尿素水貯留タンク、120…SCR触媒、122…バイパス路、122a…バルブ、122b…アクチュエータ、124…噴出部、126…排気噴出機構、130…ECU、212…排気管、214…尿素水添加弁、220…SCR触媒、222…バイパス路、224…噴出部、224a…環状空間、224b…噴出口、226…排気噴出機構、Pv…仮想面、Su…空間領域、θ…交差角度。

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気管においてターボチャージャーのタービンよりも下流に配置した添加弁から排気管内の排気にアンモニア系還元剤を噴射することにより、排気管下流に配置された触媒にアンモニア系還元剤を供給する還元剤添加システムであって、
    前記添加弁の噴射方向における排気管内の空間領域に、前記タービンより上流側の排気を、前記添加弁の噴射方向に対向する方向に噴出させる排気噴出機構を備えたことを特徴とする還元剤添加システム。
  2. 請求項1に記載の還元剤添加システムにおいて、前記空間領域に前記添加弁の噴射方向とは直交する仮想面を、前記添加弁と前記排気噴出機構との間に想定した場合に、前記排気噴出機構の噴出方向を前記仮想面と交差させたことにより前記添加弁の噴射方向に対向する方向に排気を噴出させていることを特徴とする還元剤添加システム。
  3. 請求項1又は2に記載の還元剤添加システムにおいて、前記アンモニア系還元剤は尿素水であることを特徴とする還元剤添加システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の還元剤添加システムにおいて、前記排気噴出機構は、前記タービン上流側から下流側へバイパスするバイパス管、このバイパス管に設けたバルブ、及びこのバルブを制御する制御部を備えたことを特徴とする還元剤添加システム。
  5. 請求項4に記載の還元剤添加システムにおいて、前記制御部は、前記添加弁からのアンモニア系還元剤の添加期間に対応して、前記バルブを制御して前記タービンより上流側の排気を噴出させることを特徴とする還元剤添加システム。
  6. 請求項5に記載の還元剤添加システムにおいて、前記制御部は、前記添加弁によりアンモニア系還元剤として尿素水が添加される領域での排気温が基準温度よりも低温である場合に、前記バルブを制御して前記タービンより上流側の排気を噴出させることを特徴とする還元剤添加システム。
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