JP2013215070A - モータ制御装置及びモータ制御方法、並びに、電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ制御方法、並びに、電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電流制御の正演算手段において発生する異常を、簡素な演算で正確に検知する。
【解決手段】複数の入力信号に基づいて暫定的な出力信号を演算し、当該暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限した値を出力する正演算手段(50,53)と、複数の所定の入力信号に基づいて、演算手段が出力する出力信号が有すべき正負符号を正負符号導出結果として出力する副演算手段(61)と、正演算手段から出力された出力信号の正負が副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致しない場合、及び/または、正演算手段からの出力信号の大きさが所定制限値より大きい場合に、正演算手段に異常が生じたと判定する異常検知手段(62)とを備え、出力信号の正負符号だけでなく大きさを含めて正常か否かを簡素な構成で判定できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ制御装置及びモータ制御方法、並びに、電動パワーステアリング装置に関し、特に、モータの故障の検知を行うためのモータ制御装置及びモータ制御方法、並びに、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来のパワーステアリング制御装置として、メインのマイコンとサブのマイコンの2つのマイコンを備え、メインのマイコンで実現されるモータの制御演算に生じる異常を、サブのマイコンで冗長な演算を行い、メインとサブのマイコンの両演算値を比較照合することで、検知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この従来装置の動作について説明する。メインのマイコンは、トルクセンサや自動車の速度等のセンサからの検出信号に基づいて、モータの駆動方向等を演算するとともに、モータ駆動方向の演算結果を、データバスを介してサブのマイコンに送出する。サブのマイコンは、トルクセンサや自動車の速度等のセンサからの検出信号からモータの駆動方向を演算するとともに、メインのマイコンから入力されるモータ駆動方向とを比較し、両者が一致しない場合には故障(異常発生状態)と判定し、モータの駆動を禁止するための出力信号を生成する。
特許第2915234号公報
上述した従来装置は、メインのマイコンの演算手段の出力信号の方向すなわち正負符号をサブのマイコンで監視し、出力信号の正負符号の異常を判定していたが、正負符号が正しいが、大きさが異常に大きい場合に、その大きさの異常を簡易な構成で検知することができないという問題点があった。
また、モータの回転角度に応じてモータ駆動方向が変わるようなモータ制御を実施する場合に適用するには、サブのマイコン等における異常検知のための冗長な副演算手段が、モータの駆動方向を正しく演算することが困難という問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、出力信号の正負符号だけでなく大きさを含めて正常か否かを判定するよう構成し、簡素な演算で的確に異常判定を行うことが可能な、モータ制御装置及びモータ制御方法、並びに、電動パワーステアリング装置を得ることを目的としている。
この発明は、複数の相を有するモータに電源からの電力を供給するインバータと、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、前記モータに流れる相電流を検出する電流検出手段と、前記回転角度と前記相電流と目標q軸電流に基づき、各相への相電圧指令を出力する電流制御手段と、前記相電圧指令に基づき、前記インバータを駆動して、前記モータに印加する相電圧を制御するインバータ駆動回路とを備え、前記電流制御手段は、前記回転角度と前記相電流と前記目標q軸電流のうちの少なくとも1つを含む複数の所定の入力信号が入力され、前記複数の入力信号に基づいて暫定的な出力信号を演算し、前記暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限した値を出力する正演算手段と、前記複数の所定の入力信号に基づいて、前記正演算手段が出力する前記出力信号が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する副演算手段と、前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致するか否かの判定を行うとともに、前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きいか否かの判定を行って、前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致しない場合、及び、前記正演算手段から出力された前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きい場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記正演算手段に異常が生じたと判定する異常検知手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置である。
この発明は、複数の相を有するモータに電源からの電力を供給するインバータと、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、前記モータに流れる相電流を検出する電流検出手段と、前記回転角度と前記相電流と目標q軸電流に基づき、各相への相電圧指令を出力する電流制御手段と、前記相電圧指令に基づき、前記インバータを駆動して、前記モータに印加する相電圧を制御するインバータ駆動回路とを備え、前記電流制御手段は、前記回転角度と前記相電流と前記目標q軸電流のうちの少なくとも1つを含む複数の所定の入力信号が入力され、前記複数の入力信号に基づいて暫定的な出力信号を演算し、前記暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限した値を出力する正演算手段と、前記複数の所定の入力信号に基づいて、前記正演算手段が出力する前記出力信号が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する副演算手段と、前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致するか否かの判定を行うとともに、前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きいか否かの判定を行って、前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致しない場合、及び、前記正演算手段から出力された前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きい場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記正演算手段に異常が生じたと判定する異常検知手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置であるので、出力信号の正負符号だけでなく大きさを含めて正常か否かを判定するよう構成し、簡素な演算で的確に異常判定を行うことができる。
本発明によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1によるモータ制御装置に設けられた電流制御手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるモータ回転角度に対する電流方向を示す駆動パターンAを表す図である。 本発明の実施の形態1におけるモータ回転角度に対する電流方向を示す駆動パターンBを表す図である。 本発明の実施の形態1による目標相電流符号演算手段(副演算手段)の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2による電流制御手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 本発明の実施の形態1によるモータ制御装置に設けられた目標相電流整形手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1によるモータ制御装置に設けられた単位目標相電流発生手段で用いる、目標q軸電流とモータ回転角度とに対する単位目標相電流の関係を示すパターンの一例を示した図である。
実施の形態1.
以下の説明では、本発明のモータ制御装置およびモータ制御方法を3相ブラシレスモータに適用した場合を例に説明するが、本発明は、当該場合に限定されるものではなく、多相交流により回転駆動するモータに対しても使用することができるものである。
図1は、本発明の実施の形態1によるモータ制御装置の全体構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、本発明のモータ制御装置10には、制御対象となる、U、V、W相の3相の巻線を備えたブラシレスモータ(以下、モータ5とする)が接続されている。モータ5には、モータ5の回転角度を検出するモータ角度センサ6が設けられており、モータ角度センサ6で検出されたモータ5の回転角度の検出信号は、モータ制御部10に入力される。モータ制御部10には、外部から、モータトルクの目標値に相当するトルク電流指令(以下、目標q軸電流とする)も入力される。
モータ制御装置10の内部には、図1に示すように、モータ回転角度検出回路21、電流検出回路22、電流制御手段23、FET駆動回路24、及び、インバータ25が設けられている。以下、これらの構成について説明する。
モータ回転角度検出回路21は、モータ5の回転角度を検出するモータ角度センサ6からの信号を受け、それに基づき、モータ5の回転角度を算出する。
電流検出回路22は、インバータ25からの信号を受け、それに基づき、モータ5のU、V、Wの各相に流れる電流を算出する。
電流制御手段23は、後述するように、目標q軸電流、電流検出回路22で検出されたモータ5の各相の検出電流、および、モータ回転角度検出回路21で検出されたモータ回転角度に応じて、3相電圧指令を決定する。
FET駆動回路24(インバータ駆動回路)は、電流制御手段23からの3相電圧指令をPWM変調してインバータ25へFET駆動を指示する。
インバータ25は、FET駆動回路24からの各相のFET駆動信号を受けて、それに基づき、チョッパ制御を実現し、モータ制御装置10に接続された電源(図示省略、図7参照)から供給される電力により、モータ5の各相に電流を流す。各相に流れるこの電流によって、モータトルクが発生する。
なお、電流制御手段23は、通常、ハードウエアとしてのマイコンに、マイコンのソフトウエアとして、実装されるものである。マイコンは周知の中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、インターフェース(IF)等からなり、ROMに収納されたプログラムを順次抽出してCPUで所望の演算を行うとともに演算結果をRAMに一時保存する等により、ソフトウエアを実行して所定の制御動作が行われる。また、電流制御手段23は、通常の制御に用いられるメインマイコンと、メインマイコンに発生した異常を検知するためのサブマイコンの2個を備える。各マイコンの中身を構成するハードウェアは、それぞれ上述と同様な構成である。
電流制御手段23の基本的な構成は、例えば特許第4498353号公報(以下、特許文献2とする)に示された電流制御手段を用いればよく、以下では、本実施の形態との差異を中心に説明する。特許文献2の電流制御手段は、通常時に動作する正常時電流制御手段と、1相が断線など開放状態になる異常時に動作させる異常時電流制御手段とを切替えて使う構成となっている。本実施の形態では、正演算手段と、その異常を検知するための副演算手段および異常検知手段62を中心に説明する。
図2は、本実施の形態における電流制御手段23の構成を示すブロック図である。
図2は、U相が開放状態の故障の場合に用いる制御を行う構成を示したブロック図である。図2に示すように、電流制御手段23には、V相制御器42と、減算器45と、目標相電流整形手段50と、微分手段51と、乗算器52aと、出力制限手段53と、目標相電流符号演算手段61と、異常検知手段62とが設けられている。電流制御手段23は、モータトルクの目標値に相当する目標q軸電流Iq*を、モータ回転角度とモータ回転角速度に応じて、故障が発生していない正常な各相(V相、W相)に流す目標相電流に変換する。このとき、U相には電流が流れないので、U相目標電流を算出する必要はなく、また、V相とW相が互いに逆符号でその絶対値が等しい(Iw*=−Iv*)ので、どちらか片方のみを算出すればよく、ここでは、V相目標電流Iv*を算出する例について説明する。
以下、電流制御手段23に設けられた各構成について説明する。
目標相電流整形手段50は、モータトルクの目標値に相当する目標q軸電流Iq*と、モータ回転角度検出回路21からのモータ回転角度と、微分手段51でモータ回転角度を近似的に微分して得たモータ回転角速度とが入力され、それらに応じて、出力信号として暫定的なV相目標電流を算出する。
出力制限手段53は、目標相電流整形手段50からの暫定的なV相目標電流の大きさを所定制限値に制限し、V相目標電流Iv*として出力する。具体的には、所定制限値以下ならそのまま出力し、所定制限値を超えていた場合には、暫定的なV相目標電流の大きさを所定制限値に変更して出力する。この所定制限値は、定格電流などに基づいた値に予め設定しておく。
減算器45は、出力制限手段53からのV相目標電流Iv*から、電流検出回路22で得られたV相の検出電流Ivを減算し、P制御で構成されたV相制御器42に供給する。
V相制御器42は、減算器45で求められたV相目標電流とV相検出電流との偏差信号に基づいて、V相電圧指令を生成し、FET駆動回路24に向けて出力する。
乗算器52aは、V相とW相が互いに逆符号でその絶対値が等しいため、V相制御器42から出力されるV相電圧指令に、−1を乗算したものをW相電圧指令として算出し、FET駆動回路24に向けて出力する。
また、U相電圧指令としては、U相には電流が流れないので、電流制御手段23から、零が出力される。
こうして、U,V,Wの3相の電圧指令をFET駆動回路24に供給し、目標相電流整形手段50で得られた目標電流を実現すべくインバータ25を制御する。
目標相電流整形手段50は、例えば、図8に示すような構成である。単位目標相電流発生手段71は、目標q軸電流と、モータ回転角度と、モータ回転角速度に応じて、単位目標相電流を決定する。乗算手段72は、目標q軸電流と単位目標相電流を乗算し、V相目標電流を算出する。この単位目標相電流は、目標q軸電流の大きさが1のときの、V相目標電流を意味している。
この単位目標相電流発生手段71において、単位目標相電流を決定するときには、目標q軸電流と、モータ回転角度と、モータ回転角速度とに対する、単位目標相電流の関係を示すパターンを予め用意しておき、当該パターンを用いて、単位目標相電流を決定するようにすればよい。当該パターンの例としては、例えば、特許文献2に示すような様々なパターンを用いることができる(特許文献2の図5、図10〜図12、図18参照)。ここでは、そのうちの1つのパターン(特許文献2の図5のパターン)についてのみ簡単に説明し、他のパターンについては特許文献2を参照することとし、それらの説明は省略する。
図9は、特許文献2の図5に示されたパターンである。図9で示す単位目標相電流の生成方式をトルク方向対応駆動方式と呼ぶことにする。この方式は、モータトルクの目標値に相当する目標q軸電流の方向によって、モータ回転角度と単位目標相電流の関係を切り替えており、目標q軸電流が正のときは図9(a)の関係、目標q軸電流が負のときは図9(b)の関係を用いて、単位目標相電流を算出する。横軸のモータ回転角度はモータの電気角のスケールである。このような目標相電流を実現するように電流制御すると、目標q軸電流の方向に応じて、モータトルクは図9(c)、(d)のような形状になる。3相電流の通常の形状としては正弦波や矩形波があるが、図9(a)、(b)に示した形状は、これらとは全く異なるものである。なお、この単位目標相電流の算出において、モータ回転角速度を使用してないが、モータ回転角速度を使用した例については、特許文献2の図11に示されているので、そちらを参照されたい。また、図9で示した単位目標相電流は、目標q軸電流の方向によって、単位目標相電流を切り替えたが、目標q軸電流の代わりに、モータトルク検出信号を用いても良い。ここで、モータトルク検出信号を算出する手段を説明する。電流検出回路22で得られたU、V、W相の検出電流を2相変換することで、d軸電流、q軸電流を算出し、q軸電流にトルク定数を乗算することで得られる。モータトルク検出信号で目標q軸電流を代用できる理由は、目標q軸電流がモータトルクの目標値に相当するので、モータトルクを検出して得られるモータトルク検出信号は目標q軸電流と相関関係があるからである。図2は、U相が開放状態の故障の場合の制御ブロック図を示しているが、V、W相に異常が発生した場合に備えて、同様の構成が設けられ、開放相想定三相個別制御を行うことは言うまでもない。
上記のようにして、単位目標相電流発生手段71において、モータ回転角度に対する相電流の方向を示す駆動パターンを決め、単位目標相電流発生手段71に設定する。例えば、図9に示すパターンに、単位目標相電流発生手段71を設定すると、モータ回転角度に対する相電流の方向を示す駆動パターンは、図3に示す駆動パターン(以下、駆動パターンAとする)のようになる。ここで、目標相電流整形手段50において、図8に示すように、単位目標相電流発生手段71の後に、乗算器72により、目標q軸電流が乗算されて、符号が変化していることを理解されたい。あるいは、単位目標相電流発生手段71のパターンの設定によっては、図4に示す駆動パターン(以下、駆動パターンBとする)もあり得る。
本実施の形態においては、目標相電流整形手段50と出力制限手段53とが、目標q軸電流Iq*とモータ回転角度とモータ回転角速度とに応じて暫定的なV相目標電流を算出し、暫定的なV相目標電流の大きさを所定制限値に制限し、V相目標電流として出力する、正演算手段を構成している。
次に、正演算手段(50,53)の冗長的演算である副演算手段について説明する。本実施の形態1では、副演算手段は、目標相電流符号演算手段61のことを示す。目標相電流符号演算手段61は、目標q軸電流Iq*とモータ回転角度とを入力信号とし、正演算手段(50,53)の出力信号であるV相目標電流の方向すなわち正負符号を求めて正負符号導出結果を生成する。そのため、目標相電流符号演算手段61は、駆動パターンAのような、モータ回転角度に対する目標相電流の正負符号を写像情報として予め保有しておき、それを参照して、正負符号を判別すればよい。この写像情報は、図3に示すように、駆動パターンAの(a)で表されるモータの回転角度と出力信号の正負符号の対応関係を示す第1対応関係(第1の対応関係情報)と、駆動パターンAの(b)で表される第2対応関係(第2の対応関係情報)からなる。なお、駆動パターンAの(a)の第1対応関係は、目標q軸電流Iq*が正(Iq*≧0)のときのパターンで、駆動パターンAの(b)の第2対応関係は、目標q軸電流Iq*が負(Iq*<0)のときのパターンである。目標相電流符号演算手段61は、駆動パターンBの場合も、同様に、第1及び第2対応関係を有する。すなわち、目標相電流符号演算手段61は、駆動パターンBの(a)で表されるモータの回転角度と出力信号の正負符号の対応関係を示す第1対応関係(第1の対応関係情報)と、駆動パターンBの(b)で表される第2対応関係(第2の対応関係情報)とを有する。なお、駆動パターンBの(a)の第1対応関係は、目標q軸電流Iq*が正(Iq*≧0)のときのパターンで、駆動パターンBの(b)の第2対応関係は、目標q軸電流Iq*が負(Iq*<0)のときのパターンである。
副演算手段の具体的な動作、すなわち、目標相電流符号演算手段61の具体的な動作を説明する。まず、目標q軸電流の方向すなわち正負符号に基づき、目標q軸電流が正の場合は、図3に示す駆動パターンAの(a)(第1の対応関係情報)を選択し、負の場合は、図3に示す駆動パターンAの(b)(第2の対応関係情報)を選択する。次に、駆動パターンAの(a)の場合、モータ回転角度が、領域Aapすなわち90〜270degの場合、正負符号導出結果は正とし、領域Aanすなわち0〜90、270〜360degの場合、正負符号導出結果は負とする。駆動パターンAの(b)の場合、モータ回転角度が、領域Abpすなわち0〜90、270〜360degの場合、正負符号導出結果は正とし、領域Abnすなわち90〜270degの場合、正負符号導出結果は負とする。なお、この領域Abp、Abnの閾値である90、270deg付近では、判別を実施しない不感帯として、演算誤差の影響を防止する。
図4に示す駆動パターンBを用いる場合も、同様に行い、目標q軸電流の方向すなわち正負符号に基き、目標q軸電流が正の場合すなわち駆動パターンBの(a)の場合、モータ回転角度が、領域Bapすなわち60〜240degの場合、正負符号導出結果は正とし、領域Banすなわち0〜60、240〜360degの場合、正負符号導出結果は負とする。駆動パターンBの(b)の場合、モータ回転角度が、領域Bbpすなわち0〜120、300〜360degの場合、正負符号導出結果は正とし、領域Bbnすなわち120〜300degの場合、正負符号導出結果は負とする。なお、この領域Bbp、Bbnの閾値である60、120、240、300deg付近では、判別を実施しない不感帯として、演算誤差の影響を防止する。
このように、本実施の形態1においては、副演算手段である目標相電流符号演算手段61が、目標q軸電流の正負符号と回転角度とに基づいて、正負符号導出結果を生成するようにしたので、入力信号が複数個あっても、簡素な演算で、正演算手段(50,53)の異常を検知することができる。
次に、異常検知手段62の動作の概略について図5のフローチャートを用いて説明する。図5に示すように、異常検知手段62は、副演算手段である目標相電流符号演算手段61から正負符号導出結果が入力されるとともに、正演算手段の最後段に設けらた出力制限手段53からV相目標電流Iv*が入力されて、正演算手段の出力であるV相目標電流Iv*の正負符号と、副演算手段の出力である正負符号導出結果とを比較照合し、それらが不一致の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS01)。判定の結果、不一致の状態が所定時間以上継続した場合はステップS03に進み、そうでない場合はステップS04に進む。
また、ステップS01の処理と並行に、異常検知手段62は、正演算手段を構成する出力制限手段53から入力されたV相目標電流Iv*の大きさが、予め設定された所定制限値を所定時間以上超えたか否かを判定する(ステップS02)。判定の結果、所定制限値を所定時間以上超えたと判断した場合はステップS03に進み、そうでない場合は、ステップS04に進む。
ステップS03では、正演算手段に異常が生じたと判断し、異常に応じた処置(フェールセーフ処置)に移行する。一方、ステップS04では、正常と判断し、ステップS01,S02の処理に戻る。
ステップS02について補足すると、出力制限手段53が正常に動作していれば、適正値に制限されて、安全が保たれるものであるが、出力の大きさが所定制限値を超えていれば、正演算手段(50,53)に何らかの異常が生じたと判断される。正演算手段に異常が生じたと判断された場合は、異常に応じた処置(フェールセーフ処置)に移行すればよい。当該処置の説明は省略する。
具体的にステップS02を説明する。V相目標電流Iv*が正、かつ、正負符号導出結果が正の場合、または、V相目標電流Iv*が負、かつ、正負符号導出結果が負の場合は、正常と判断し、V相目標電流Iv*が正、かつ、正負符号導出結果が負の場合、または、V相目標電流Iv*が負、かつ、正負符号導出結果が正の場合は、異常の疑義があると判断し、この状態が所定時間以上継続する場合に、正演算手段に異常が発生したと確定する。なお、上述した領域Abp、Abn、または、領域Bbp、Bbnの閾値付近の不感帯においては、異常の疑義を判断しない。
また、各処理をどのマイコンで実施するかについて説明する。例えば、副演算手段すなわち目標相電流符号演算手段61と、演算異常検知手段62での処理を、サブマイコンで実施し、その他の構成の処理を全てメインマイコンで実施するよう構成する。この構成の場合、演算異常検知手段62によって、メインマイコンの中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、インターフェース(IF)等における異常に由来する正演算手段の異常を検知できる。
他の例として、演算異常検知手段62の処理を、サブマイコンで実施し、その他の構成の処理を全てメインマイコンで実施するよう構成する。この構成の場合、正演算手段のプログラムが記憶されたメモリの手段分の異常が検知できる。また、全てをメインマイコンで実施するよう構成する場合も、正演算手段のプログラムが記憶されたメモリの手段分の異常が検知できる。
以上のように、本実施の形態1に係るモータ制御装置においては、正演算手段(50、53)は、目標q軸電流やモータ回転角度等の複数の入力信号に応じて暫定的な出力信号を演算し、暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限したものを、出力信号すなわちV相目標電流とし、副演算手段(目標相電流符号演算手段61)は、それらの複数の入力信号に応じて、出力信号が有すべき正負符号を求めて正負符号導出結果を生成し、異常検知手段62は、正演算手段(50,53)の出力信号の正負が正負符号導出結果と一致しない場合、または、出力信号の大きさが所定制限値より大きい場合に、正演算手段(50,53)に異常が生じたと判定するように構成している。このように、正演算手段(50,53)に出力制限手段53を備えたことで、出力信号の正負符号だけでなく大きさを含めて正常か否かを判定できるため、極めて簡素な演算で的確に異常判定することが可能である。一方、従来においては、上述したように、出力信号の正負符号は判定していたが、制限値を超えたか否かも同時に判定することができなかったため、出力信号の正負符号の判定結果が正しければ、異常が発生していることを検知できずに見落としてしまうという問題点があったが、本実施の形態においては、そのような誤検出を行うことはない。本実施の形態1に係るモータ制御装置およびモータ制御方法は、出力信号の符号が適正で、かつ、大きさが制限値を超えていないならば、安全とみなせるような出力信号について、異常を検知するときに有効な手法であり、簡易な構成で実現できることが利点である。
また、上記の実施の形態1に係るモータ制御装置においては、入力信号を目標q軸電流と回転角度とし、出力信号を相電流に対する指令である目標相電流とし、正演算手段(50,53)は、入力信号に応じ暫定的な出力信号を演算する目標相電流整形手段50を備え、副演算手段(61)は、回転角度に応じて、目標相電流が有すべき正負符号を求めて正負符号導出結果を生成し、異常検知手段62は、出力信号の正負が正負符号導出結果と一致しない場合、及び/または、出力信号の大きさが所定制限値より大きい場合に、正演算手段に異常が生じたと判定するように構成したので、モータ5の回転角度に応じて出力信号の正負符号が異なる出力を有する場合にも適用でき、簡易な演算で、異常検知を実現できる。
また、上記の実施の形態1に係るモータ制御装置において、副演算手段(61)は、モータの回転角度と出力信号の正負符号の対応関係を示す第1の対応関係情報および第2の対応関係情報を有し、目標q軸電流の正負符号に基いて、前記第1または第2対応関係情報のいずれか一方を選択し、選択された前記第1または第2の対応関係情報に基いて、正負符号導出結果を生成するよう構成したので、入力信号が複数あっても、簡素な演算で、正演算手段の異常を検知することができる。
なお、目標相電流整形手段50において、モータ回転角速度を用いて、相電流の正負符号を切替えるよう設定する場合は、駆動パターンは、目標q軸電流の符号だけでなく、モータ回転角速度に応じて、切り替わることになるので、その場合、副演算手段においても、モータ回転角速度に応じて、相電流とモータ回転角度の対応関係を切替えればよい。
実施の形態2.
本実施の形態2に係るモータ制御装置10は、電流制御手段23の内部構成以外は上記の図1に示した実施の形態1の構成と同じであるため、以下の説明においては、異なる構成を中心に説明し、同一または相当する構成については、実施の形態1の説明を参照することとし、ここではそれらの説明は省略する。本実施の形態2おいては、電流制御手段23は、図6のように構成される。実施の形態1と区別するため、実施の形態2では、電流制御手段23を、電流制御手段23Aと呼ぶこととする。電流制御手段23Aにおける、実施の形態1との差異は、
(1)図1の目標相電流符号演算手段61の代わりに電流偏差符号演算手段63を設け、副演算手段を電流偏差符号演算手段63とした点、
(2)異常検知手段64の構成を変えた点、
(3)図2の出力制限手段53を設けずに、V相制御器42から出力されるV相電圧指令に対して出力制限手段54を設けた点
の3つの点である。
本実施の形態2では、正演算手段は、減算器45、V相制御器42、出力制限手段54で構成される。すなわち、本実施の形態2では、正演算手段に、目標相電流整形手段50から出力されるV相目標電流Iv*と電流検出回路22で検出されたV相の検出電流Ivとが入力信号として入力され、減算器45によりV相目標電流Iv*とV相の検出電流Ivとの偏差信号を求め、V相制御器42により当該偏差信号から暫定的なV相電圧指令を求め、出力制限手段54により当該暫定的なV相電圧指令の大きさを制限して、それを出力信号としてFET駆動回路24に出力する構成である。出力制限手段54は、V相制御器42から出力された暫定的なV相電圧指令の大きさを所定制限値に制限して、V相電圧指令として出力する。具体的には、所定制限値以下ならそのまま出力し、所定制限値を超えていた場合には、暫定的なV相電圧指令の大きさを所定制限値に変更して出力する。この所定制限値は、定格電圧などに基づいた値に予め設定しておく。なお、減算器45,V相制御器42を、合わせて、電流フィードバック制御手段と呼ぶ。従って、本実施の形態2においては、正演算手段が、電流フィードバック制御手段(45,42)と出力制限手段54とを含む。
なお、目標相電流整形手段50の構成および動作は実施の形態1と同じであり、説明するまでもないが、外部から入力される目標q軸電流Iq*と、モータ回転角度検出回路21からのモータ回転角度と、微分手段51でモータ回転角度を近似的に微分して得たモータ回転角速度とが入力され、それらに応じて、出力信号としてV相目標電流Iv*を算出する。
次に、本実施の形態2における副演算手段すなわち電流偏差符号演算手段63について説明する。正演算手段は、V相目標電流とV相の検出電流との偏差信号に比例ゲインを乗算して大きさを制限するものであるので、副演算手段は、目標相電流整形手段50から出力されるV相目標電流Iv*と電流検出回路22で検出されたV相の検出電流Ivとが入力信号として入力され、V相目標電流Iv*とV相の検出電流Ivとの大小関係に基づいて、出力信号すなわちV相電圧指令の正負符号を判断し、正負符号導出結果を生成する。具体的には、V相目標電流Iv*が、V相の検出電流Ivより大きいか等しい場合(Iv*≧Iv)は、正負符号導出結果を正とし、V相目標電流Iv*が、V相の検出電流Ivより小さい場合(Iv*>Iv)は、正負符号導出結果を負とする。
次に、本実施の形態2における異常検知手段64について説明する。異常検知手段64は、基本的に、実施の形態1における図5に示した異常検知手段62と同様の動作を行う。以下、図5のフローチャートを参照して具体的に説明する。異常検知手段64は、副演算手段である電流偏差符号演算手段63から正負符号導出結果が入力されるとともに、正演算手段を構成する出力制限手段54からV相電圧指令が入力されて、正演算手段の出力であるV相電圧指令の正負符号と、副演算手段の出力である正負符号導出結果とを比較照合し、それらが不一致の状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS01)。判定の結果、不一致の状態が所定時間以上継続した場合はステップS03に進み、そうでない場合はステップS04に進む。
また、ステップS01の処理と並行に、異常検知手段64は、正演算手段を構成する出力制限手段54から入力されたV相電圧指令の大きさが所定制限値を所定時間以上超えたか否かを判定する(ステップS02)。判定の結果、所定制限値を所定時間以上超えたと判断した場合はステップS03に進み、そうでない場合は、ステップS04に進む。
ステップS03では、正演算手段に異常が生じたと判断し、異常に応じた処置(フェールセーフ処置)に移行する。一方、ステップS04では、正常と判断し、ステップS01,S02の処理に戻る。
なお、本実施の形態2においては、電流制御手段23から3相電圧指令を直接的にFET駆動回路24に渡す構成としたが、3相電圧指令を電源電圧の値で除算した値をデューティとし、このデューティを指令としてFET駆動回路24に渡しても良い。この場合、上記の出力限手段54は、電圧指令に対して制限するよう構成したが、デューティに対して制限するよう構成してもよく、等価な機能となる。
また、各処理をどのマイコンで実施するかについて説明する。例えば、副演算手段(63)と異常検知手段64とを、サブマイコンで実施し、その他を全てメインマイコンで実施するよう構成する。この構成の場合、異常検知手段64によって、メインマイコンの中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、インターフェース(IF)等における異常に由来する正演算手段の異常を検知できる。
他の例として、異常検知手段64を、サブマイコンで実施し、その他を全てメインマイコンで実施するよう構成する。この構成の場合、正演算手段のプログラムが記憶されたメモリの手段分の異常が検知できる。また、全てをメインマイコンで実施するよう構成する場合も、正演算手段のプログラムが記憶されたメモリの手段分の異常が検知できる。
以上のように、本実施の形態2に係るモータ制御装置においては、入力信号を相電流と相電流に対する指令である目標相電流とし、出力信号を相電圧指令として、正演算手段(45,42,54)は、入力信号に応じ暫定的な出力信号を演算する電流フィードバック制御手段(45,42)を備え、副演算手段(63)は、相電圧指令が有すべき正負符号を求めて正負符号導出結果を生成するよう構成したので、複数の入力信号から電圧指令の符号のみを簡素に演算でき、電流フィードバック制御手段(45,42)と出力制限手段54で構成された正演算手段の異常を正確に検知することができる。
また、副演算手段(63)は、相電流指令と相電流の大小関係に基いて、正負符号導出結果を生成するよう構成したので、入力信号が複数あっても必要な情報だけ抽出し簡素な演算で、正演算手段の異常を検知することができる。
なお、これは、電流フィードバック制御手段(45,42)が比例ゲインを用いて出力制限を行うので、入力信号と出力信号が静的な関係で定まるため、これだけ簡素な演算で正確に判定できるものであり、例えば、PI制御の場合は、動的な関係となるので、その分の補正が必要となる。したがって、その場合は、副演算手段(63)において、正演算手段(45,42,54)の1演算周期前の相電圧指令を参照して、電流の偏差信号を補正する処置などをすればよい。
また、実施の形態1と実施の形態2に示したモータ制御装置はいずれにおいても、電流制御手段23,23Aが、モータ5またはインバータ25における1相において開放状態の故障が発生した場合に、他の正常な相のみを制御する異常時制御を実行するようにしており、このような異常時制御の演算に対して、簡素な演算で、的確に演算異常の判定が可能である。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3による電動パワーステアリング装置の概略構成図であり、上記の実施の形態1,2で示したモータ制御装置10を自動車の電動パワーステアリング装置に適用した一例を示すものである。図7のように、電動パワーステアリングは、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2と、ラック・ピニオンギヤ12と、車輪3,4と、モータ5と、モータ減速ギヤ7と、電源(バッテリ)11と、コントロールユニット9と、モータ回転角センサ6と、トルクセンサ8とが設けられている。上記の実施の形態1,2で示したモータ制御装置10は、コントロールユニット9内に設けられている。
図7において、図示しない運転者からステアリングホイール1に加えられた操舵力は、ステアリングシャフト2を通り、ラック・ピニオンギヤ12を介して、ラックに伝達され、車輪4,3を転舵させる。モータ5は、モータ減速ギヤ7を介してステアリングシャフト2と連結している。モータ5から発生するモータトルク(以下補助力とも言う)は、モータ減速ギヤ7を介してステアリングシャフト2に伝達され、操舵時に運転者が加える操舵力を軽減する。
トルクセンサ8は、運転者がステアリングホイール1を操舵することによりステアリングシャフト2に加わった操舵力を検出する。モータ制御装置10は、トルクセンサ8で検出した操舵力に応じて、モータ5が付与する補助力の方向と大きさを決定し、この補助力を発生させるべく電源11からモータ5に流れる電流を制御する。また、モータ角度センサ6は、モータ5の回転角度を検出する。コントロールユニット9は、モータトルクの目標値に相当するトルク電流指令(q軸電流指令)を算出するマップ(図示しない)と、モータ制御装置10とで構成される。出力すべきモータトルクをあらかじめ記憶しているマップは、トルクセンサ8で検出した操舵力に応じたモータトルクの方向と大きさを決定し、トルク電流指令を算出する。モータ5の各相に電流を流す。モータ制御装置10は、トルク電流指令を実現すべく、モータ5に流れる電流を制御する。この電流によって、モータ5による補助力が発生する。このモータ制御装置10は、実施の形態1および2で示したものである。従って、モータ制御装置10の構成および動作は、実施の形態1,2で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
電動パワーステアリング装置において、走行中に故障が発生した場合に制御を停止すると、運転者の感じる違和感が大きいので、可能な限り制御を継続することで違和感を低減させることが望ましい。何らかの故障があるにも関わらず、可能な限り良好な制御を継続するには、故障した箇所と故障内容を特定することが望ましい。さらに、故障発生後に早く故障状態に対応した制御に移行するために、短時間で故障箇所と故障内容を特定することが望ましい。
この実施の形態3の電動パワーステアリング装置によれば、上記の実施の形態1,2で示した電流制御手段23,23Aを備えるようにしたので、上記の実施の形態1,2と同様に、正演算手段の異常を正確に判定することができるので、誤ることなく、異常状態に対応した制御に移行することができ、運転者の感じる違和感を低減できる。
なお、実施の形態1〜3まで、U相に開放状態の故障が生じた場合の異常時電流制御について、演算異常を検知する構成を説明したが、V、W相についても同様な処置が可能であり、構成としては、±120degの位相差を考慮した設計にすればよく、故障した相に応じて駆動パターンなどで±120degずらす補正を設ければよい。
5 モータ、10 モータ制御装置、21 モータ回転角度検出回路、22 電流検出回路、23 電流制御手段、24 FET駆動回路、25 インバータ、53 出力制限手段、54 出力制限手段、61 目標相電流符号演算手段(副演算手段)、62 演算異常検知手段、63 電流偏差符号演算手段(副演算手段)、64 演算異常検知手段。

Claims (9)

  1. 複数の相を有するモータに電源からの電力を供給するインバータと、
    前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、
    前記モータに流れる相電流を検出する電流検出手段と、
    前記回転角度と前記相電流と目標電流に基づき、各相への相電圧指令を出力する電流制御手段と、
    前記相電圧指令に基づき、前記インバータを駆動して、前記モータに印加する相電圧を制御するインバータ駆動回路と
    を備え、
    前記電流制御手段は、
    前記回転角度と前記相電流と前記目標電流のうちの少なくとも1つを含む複数の所定の入力信号が入力され、前記複数の入力信号に基づいて暫定的な出力信号を演算し、前記暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限した値を出力する正演算手段と、
    前記複数の所定の入力信号に基づいて、前記正演算手段が出力する前記出力信号が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する副演算手段と、
    前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致するか否かの判定を行うとともに、前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きいか否かの判定を行って、前記正演算手段から出力された前記出力信号の正負が前記副演算手段から出力された正負符号導出結果と一致しない場合、及び、前記正演算手段から出力された前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きい場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記正演算手段に異常が生じたと判定する異常検知手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記正演算手段に入力される前記複数の所定の入力信号は、前記目標電流と前記回転角度とを含み、
    前記正演算手段で得られる前記暫定的な出力信号は、前記相電流に対する指令としての目標相電流であり、
    前記正演算手段は、
    前記目標電流と前記回転角度とに基づいて、目標相電流を出力する目標相電流整形手段と、
    前記目標相電流整形手段から出力された前記目標相電流の大きさを所定制限値に制限した値を出力する第1の出力制限手段と
    を備え、
    前記副演算手段は、
    前記目標電流と前記回転角度とに基づいて、前記目標相電流が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する目標相電流符号演算手段
    を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記副演算手段は、前記目標電流の正負符号と前記回転角度とに基いて、前記目標相電流が有すべき正負符号を求めて、前記正負符号導出結果を生成することを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記副演算手段は、前記目標電流の正負符号が正の場合の前記回転角度と前記目標相電流の正負符号との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記目標電流の正負符号が負の場合の前記回転角度と前記目標相電流の正負符号との対応関係を示す第2の対応関係情報とを有し、前記目標電流の正負符号に基づいて、前記第1または第2の対応関係情報を選択し、選択された前記第1または第2の対応関係情報に基づいて、正負符号導出結果を生成することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記正演算手段に入力される前記複数の所定の入力信号は、前記電流検出手段で検出された前記相電流と前記相電流に対する指令としての目標相電流とであり、
    前記正演算手段で得られる前記暫定的な出力信号は、前記インバータ駆動回路に対して出力する前記相電圧指令であり、
    前記正演算手段は、
    前記相電流と前記目標相電流とに基づいて、前記相電圧指令を出力する電流フィードバック制御手段と、
    前記電流フィードバック制御手段から出力された前記相電圧指令の大きさを所定制限値に制限した値を出力する第2の出力制限手段と
    を備え、
    前記副演算手段は、
    前記相電流と前記目標相電流とに基づいて、前記相電圧指令が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する電流偏差符号演算手段
    を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記副演算手段は、前記目標相電流と前記相電流との大小関係に基いて、前記相電圧指令が有すべき正負符号を求めて、前記正負符号導出結果を生成することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記電流制御手段は、前記モータまたは前記インバータのいずれか1つの相において開放状態の故障が発生した場合に、他の残りの正常な相のみを制御するものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。
  9. 複数の相を有するモータの回転角度を検出するモータ回転角度検出ステップと、
    前記モータに流れる相電流を検出する電流検出ステップと、
    前記回転角度と前記相電流と目標電流に基づき、各相への相電圧指令を出力する電流制御ステップと、
    前記相電圧指令に基づいてインバータを駆動して、前記モータに印加する相電圧を制御し、前記モータに電源からの電力をインバータを介して供給するインバータ駆動ステップと
    を備え、
    前記電流制御ステップは、
    回転角度の検出値とモータに流れる相電流の検出値と目標電流のうちの少なくとも1つを含む複数の所定の入力信号が入力され、前記複数の所定の入力信号に基づいて暫定的な出力信号を演算し、前記暫定的な出力信号の大きさを所定制限値に制限した信号を出力信号として出力する正演算ステップと、
    前記複数の所定の入力信号が入力されて、前記複数の所定の入力信号に基づいて、前記正演算ステップにより出力される前記出力信号が有すべき正負符号を求めて、正負符号導出結果として出力する副演算ステップと、
    前記正演算ステップで出力された前記出力信号の正負が前記副演算ステップで出力された正負符号導出結果と一致するか否かの判定を行うとともに、前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きいか否かの判定を行って、前記正演算ステップで出力された前記出力信号の正負が前記副演算ステップで出力された正負符号導出結果と一致しない場合、及び、前記正演算ステップで出力される前記出力信号の大きさが前記所定制限値より大きい場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記正演算ステップの演算に異常が生じたと判定する異常検知ステップと
    を備えていることを特徴とするモータ制御方法。
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