JP2013214795A - アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナの広帯域化を図る。
【解決手段】アンテナは、基板11、引き出し線路12、給電線路13、およびパッチアンテナ14を有している。基板11の一方の面には、引き出し線路12、給電線路13、およびパッチアンテナ14が形成されている。基板11の他方の面には、接地面が形成されている。パッチアンテナ14は、一辺が無線送受信を行う信号波長の半分の大きさを有した最適単位形状を複数有している。給電線路13は、パッチアンテナ14の最適単位形状のそれぞれにおいて接続される。
【選択図】図1

Description

本件は、アンテナに関する。
無線通信やレーダに用いられるマイクロ波およびミリ波帯等、短い波長帯域では、送信回路または受信回路とアンテナとで信号を伝送する場合、送信回路または受信回路とアンテナとの間に空洞導波管を介在させている。この導波管を用いた信号伝送には、信号変換手段として導波管−平面回路の変換器が用いられている。
このような導波管−平面回路の変換器は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1は、例えば、誘電体を上下の導体で挟んだ誘電体基板の下面を接地面とし、上面に配した給電線路とパッチアンテナとを有している。また、特許文献1は、パッチアンテナの周囲を上下に貫くバイアホールで接地面に接続する。
このような構造におけるレーダ機能としての信号経路は、送信時には、送信平面回路から発信された信号が、給電線路とパッチアンテナを介して導波管へ伝達することで電波放射用アンテナに伝えられる。受信時には、その逆の経路をたどり、電波放射用アンテナで受信された信号が、導波管からパッチアンテナを介して給電線路へ伝達されることで受信平面回路に伝えられる。
導波管および給電線路は、上記信号経路において良好な高周波特性を有するために、利用する周波数帯域において、各々伝送線路として極力損失等の高周波特性の劣化が少ない特性インピーダンスを持つ形状を有している。また、導波管および給電線路は、パッチアンテナの共振現象を利用することで特性インピーダンスを変換し、高周波特性の劣化が少ない経路と構造にしている。このとき、パッチアンテナは、1辺がおよそλ/2(λ:誘電体基板上の無線送受信する信号の中心周波数の波長)の正方形の形状を有している。
特開2011−55377号公報
しかし、正方形状のパッチアンテナは、電気特性が良好であるが、帯域幅が非常に狭帯域であるという問題点があった。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、広帯域のアンテナを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、無線信号を送受信するアンテナが提供される。このアンテナは、最適単位形状を複数有するパッチアンテナと、前記パッチアンテナの最適単位形状のそれぞれにおいて接続される給電線路と、を有する。
開示の装置によれば、広帯域を図ることができる。
第1の実施の形態に係るアンテナを示した図である。 パッチアンテナに1つの給電線路で信号を給電するアンテナの例を示した図である。 図2のアンテナの入力反射損失を示した図である。 図2のアンテナの入力インピーダンスを示した図である。 図2のアンテナの広帯域化を図ったアンテナの例を示した図のその1である。 図2のアンテナの広帯域化を図ったアンテナの例を示した図のその2である。 図5および図6のアンテナの入力反射損失を示した図である。 図5および図6のアンテナの入力インピーダンスを示した図である。 図1のアンテナの電流密度分布を示した図である。 図1の2つのパッチアンテナを1つにしたアンテナの電流密度分布を示した図である。 図1のアンテナの入力反射損失を示した図である。 図2のパッチアンテナのレイアウト例を示した図である。 最適単位形状を2つ有するパッチアンテナに対する導波管の配置決めを説明する図である。 最適単位形状を3つ有するパッチアンテナに対する導波管の配置決めを説明する図である。
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るアンテナを示した図である。図1に示すように、アンテナは、基板11、引き出し線路12、給電線路13、およびパッチアンテナ14を有している。図1に示すアンテナは、例えば、自動車用レーダに用いられる。
基板11は、例えば、誘電体基板である。基板11の一方の面には、図1に示すように、引き出し線路12、給電線路13、およびパッチアンテナ14が形成されている。基板11の他方の面には、金属導体で形成された接地面が形成されている。
引き出し線路12は、金属導体で形成され、マイクロストリップ線路を形成している。引き出し線路12の一方には、給電線路13が接続され、他方には、図示しない平面回路が接続されている。引き出し線路12は、図示しない平面回路からの送信信号を、給電線路13を介してパッチアンテナ14へ伝達する。また、引き出し線路12は、パッチアンテナ14で受信された受信信号を、図示しない平面回路へ伝達する。
給電線路13は、金属導体で形成されている。給電線路13は、引き出し線路12から出力される送信信号をパッチアンテナ14へ給電する。また、給電線路13は、パッチアンテナ14で受信された受信信号を引き出し線路12へ給電する。
パッチアンテナ14は、金属導体で形成されている。パッチアンテナ14の上部には、図示しない導波管が形成される。導波管の上部には、さらに図示しない電波放射用アンテナが形成される。導波管は、基板11に形成されたバイアホールによって、接地面に接続される。
図1のアンテナは、例えば、基板11における信号の伝送モード(TEMモード(Transverse Electromagnetic mode))を、パッチアンテナ14の共振現象を利用して、導波管モード(TE(Transverse Electric mode)またはTMモード(Transverse Magnetic mode))へ変換する。
給電線路13によって給電された送信信号は、パッチアンテナ14を介して導波管に伝達され、図示しない電波放射用アンテナに伝えられる。また、図示しない電波放射用アンテナで受信された受信信号は、導波管を介してパッチアンテナ14で受信され、給電線路13へ伝えられる。
パッチアンテナ14は、図1に示すように、2つに分けられている。それぞれのパッチアンテナ14は、矩形形状を有しており、最適単位形状を有している。最適単位形状については、後述するが、一辺がλ/2の長さを有した矩形状である。従って、パッチアンテナ14のそれぞれは、一辺の長さがλ/2となっている。λは、誘電体基板上の無線送受信する信号の中心周波数の波長である。
パッチアンテナ14のそれぞれの中央部には、給電線路13が接続されている。すなわち、最適単位形状を有した複数のパッチアンテナ14のそれぞれに、給電線路13で送信信号を給電することにより、図1に示すアンテナは、広帯域を実現することができる。同様に、図1に示すアンテナは、受信信号においても、広帯域を実現することができる。
図1に示すように、2つのパッチアンテナ14の間には、隙間が設けられている。この隙間は、例えば、基板11の厚さの距離を有しているのが望ましい。
また、図1では、パッチアンテナ14は、2つとなっているが、1つであってもよい。例えば、図1に示す2つのパッチアンテナ14の隙間がないようにパッチアンテナを形成してもよい。
ただし、この場合のパッチアンテナは、最適単位形状の整数倍の形状を有しているようにする。例えば、上記の隙間を省略したパッチアンテナは、2つの最適単位形状を有したパッチアンテナとなり、一辺がλ/2の長さを有し、もう一辺がλの長さを有することになる。そして、2つの最適単位形状のそれぞれに、給電線路13を接続する。
図1に示すアンテナの動作を説明する前に、パッチアンテナに1つの給電線路で信号を給電する場合の動作について説明する。
図2は、パッチアンテナに1つの給電線路で信号を給電するアンテナの例を示した図である。図2には、信号線路21およびパッチアンテナ22が示してある。
パッチアンテナ22は、一辺がλ/2の最適単位形状を有している。パッチアンテナ22の白黒の濃淡は、電流密度分布を示し、白いほど電流が大きいことを示している。また、黒いほど電流が小さいことを示している。ただし、パッチアンテナ22は、周囲が開放端なので厳密にはエッジでは電流はゼロであり、全周囲は黒で表示されている。
図2の矢印A1に示すように、電流は、パッチアンテナ22のx方向における中央部分で大きくなっている。また、矢印A2に示すように、電流は、パッチアンテナ22の上下端で大きくなっている。また、矢印A3に示すように、パッチアンテナ22の左右両端で、電流は小さくなっている。
なお、図2に示すパッチアンテナ22の一辺の長さは、誘電率εeffの誘電体基板上の4GHzに対応した長さ(λ/2、λ=光の速度/4GHz/√(εeff))を有している。そして、図2に示す電流密度分布は、パッチアンテナ22に4GHzの送信信号を給電した場合の電流密度分布を示している。
図3は、図2のアンテナの入力反射損失を示した図である。図3のグラフの横軸は周波数を示し、縦軸は入力反射損失を示している。図3では、図2のパッチアンテナ22の一辺を、4GHzに対応した長さとした場合の、入力反射損失のシミュレーション結果を示している。
図3に示すように、図2のアンテナは、入力反射損失が小さくなる帯域は狭帯域である。例えば、入力反射係数が−5dB以下となる帯域は、約3.9GHz〜4.1GHzである。
図4は、図2のアンテナの入力インピーダンスを示した図である。図4のグラフの横軸は周波数を示し、縦軸は実部と虚部のインピーダンスを示している。矢印A11に示す波形は、実部のインピーダンスを示し、矢印A12に示す波形は、虚部のインピーダンスを示している。
図4は、図3と同様に、図2のパッチアンテナ22の一辺を、4GHzに対応した長さとした場合の、X点における入力インピーダンスのシミュレーション結果を示している。
すなわち、1つの最適単位形状を有したパッチアンテナ22に、1つの信号線路21で信号を給電した場合、図2に示すように、電気特性は良好であるが、図3に示すように、入力反射損失の帯域幅が非常に狭くなる。すなわち、アンテナの帯域幅が狭帯域となる。
図2の正方形状のパッチアンテナ22の広帯域化を図るには、Q値を小さくすればよい。言い換えれば、パッチアンテナ22のC性を増加させればよい。その理由は、以下による。
まず、Q値は、次の式(1)で示される。
Q=fr/B …(1)
ここで、frは、共振周波数を示す。Bは、半値幅(ピーク電流の1/√2≒70.7%)を示す。式(1)は、次の式(2)に示すように変形できる。
Q=(2πfrL)/R=1/(2πfrRC) …(2)
ここで、Lは、インダクタ値を示す。Rは、抵抗値を示す。Cは、容量値を示す。
式(2)より、Cの値を大きくすれば、Qの値は、小さくなる。これにより、パッチアンテナ22の広帯域化を図ることができる。
Cの値を大きくするには、パッチアンテナ22の面積を大きくすればよい。このため、例えば、図2のx方向における長さは、そのままλ/2とし、y方向における長さを長くすることで、Q値を小さくして広帯域化を図ることができる。
図5は、図2のアンテナの広帯域化を図ったアンテナの例を示した図のその1である。図5には、信号線路31およびパッチアンテナ32が示してある。
パッチアンテナ32は、一辺(図5のx方向)がλ/2、もう一辺(図5のy方向)がλの矩形状を有している。すなわち、パッチアンテナ32は、2つの最適単位形状を組み合わせた形状を有し、図2に示したパッチアンテナ22より面積が大きくなっている。
パッチアンテナ32の白黒の濃淡は、電流密度分布を示し、白いほど電流が大きいことを示している。また、黒いほど電流が小さいことを示している。例えば、図5の矢印A21に示すように、電流は、パッチアンテナ32のx方向における中央部分で大きくなっている。また、矢印A22に示すように、パッチアンテナ22の左右両端で、電流は小さくなっている。
なお、矢印A23に示す波形は、図5のy方向から見た、パッチアンテナ32の電流密度分布を示している。また、図5に示す電流密度分布は、パッチアンテナ32に3.78GHzの送信信号を給電した場合の電流密度分布を示している。
図6は、図2のアンテナの広帯域化を図ったアンテナの例を示した図のその2である。図6において、図5と同じものには同じ符号が付してある。
図6に示すパッチアンテナ32の辺の長さは、図5と同様に、4GHzに対応した長さ(λ/2、λ)を有している。そして、図6に示す電流密度分布は、パッチアンテナ32に4.21GHzの送信信号を給電した場合の電流密度分布を示している。
図6に示すように、パッチアンテナ32の長さを、4GHzに対応した長さとした場合で、4.31GHzの信号を給電すると、2つの電流密度の分布が生じる。例えば、図6の矢印A31に示すように、2か所電流密度が大きくなる部分が生じ、矢印A32に示すように、3か所電流が小さくなる部分が生じている。
また、矢印A33に示す波形は、図6のx方向から見た、パッチアンテナ32の電流密度分布を示している。パッチアンテナ32は、矢印A33に示すように、2つの電流密度分布が生じている。
すなわち、図6の例の場合、電流の励振方向が90度変化して高次モードを発生する。つまり、最適単位形状を複数組み合わせて、面積を大きくしたパッチアンテナ32は、給電される信号の周波数に応じて、単一電流分布(基本モード)を生じ、また、2つの電流分布(高次モード)を生じる。
例えば、パッチアンテナ32は、図5で示したように、給電される信号の周波数が3.78GHzの場合、基本モードとなる。また、パッチアンテナ32は、図6で示したように、給電される信号の周波数が4.21GHzの場合、高次モードとなる。
図7は、図5および図6のアンテナの入力反射損失を示した図である。図7のグラフの横軸は周波数を示し、縦軸は入力反射損失を示している。図7では、図5および図6のパッチアンテナ32の一辺を、4GHzに対応した長さとした場合の、入力反射損失のシミュレーション結果を示している。
入力反射損失が小さくなる帯域は、図7に示すように、図3に対し、広帯域となっている。例えば、入力反射係数が−5dB以下となる帯域は、約3.8GHz〜4.3GHzである。
しかし、パッチアンテナ32では、上記したように基本モードと高次モードとが発生する。そのため、パッチアンテナ32は、信号純度から見ると、不要共振となる高次モードが発生することとなるので、所望帯域での放射電力が減少し、本来の性能を発揮できなくなる。例えば、パッチアンテナ32は、図7に示すように、約4GHzにおいて、入力反射損失が大きくなり、放射電力が減少する。
図8は、図5および図6のアンテナの入力インピーダンスを示した図である。図8のグラフの横軸は周波数を示し、縦軸はインピーダンスの実部と虚部を示している。矢印A40aに示す波形は、インピーダンスの実部を示し、矢印A40bに示す波形は、インピーダンスの虚部を示している。
図8では、図7と同様に、図5および図6のパッチアンテナ32の一辺を、4GHzに対応した長さとした場合の、X点における入力インピーダンスのシミュレーション結果を示している。
矢印A40a,A40bに示すように、インピーダンスを示す波形の山の裾部分は、図4の場合より広がっている。すなわち、パッチアンテナ32は、Q値がパッチアンテナ22より小さくなっている。これにより、パッチアンテナ22より面積の大きいパッチアンテナ32は、パッチアンテナ22より広帯域化を図ることができる。
しかし、上記したように、パッチアンテナ32は、基本モードと高次モードとが発生するため、所望帯域での放射電力が減少し、信号純度が劣化する。
一方、図1に示すアンテナは、複数の最適単位形状を有するパッチアンテナ14を有している。そして、図1に示すアンテナは、それぞれの最適単位形状のパッチアンテナ14に送信信号を給電するよう、給電線路13を設けている。これにより、図1に示すアンテナは、不要共振を発生させることがなく、広帯域化が可能になる。
図9は、図1のアンテナの電流密度分布を示した図である。図9において、図1と同じものには同じ符号を付している。パッチアンテナ14の白黒の濃淡は、電流密度分布を示し、白いほど電流が大きいことを示している。また、黒いほど電流が小さいことを示している。
図9の矢印A41に示すように、電流は、パッチアンテナ14のx方向における中央部分で大きくなっている。また、矢印A42に示すように、パッチアンテナ14の左右両端で、電流は小さくなっている。
なお、図9に示すパッチアンテナ14のそれぞれの一辺の長さは、誘電率εeffの誘電体基板上の4GHzに対応した長さ(λ/2、λ=光の速度/4GHz/√(εeff))を有している。そして、図9に示す電流密度分布は、パッチアンテナ14に4GHzの送信信号を給電した場合の電流密度分布を示している。また、信号を受信する場合の電流密度分布も同様となる。以下では、信号を受信する場合の説明は省略する。
図6のパッチアンテナ32では、矢印A32に示したように、電流の小さくなる部分が生じる。すなわち、パッチアンテナ32では、2つの電流密度分布が生じる。
一方、パッチアンテナ14は、電流の励振方向が最適単位形状を有し、図9の矢印A43に示すように、電流の小さくなる部分が生じない。すなわち、パッチアンテナ14は、2つの電流部分が発生しない。そのため、信号純度を劣化することなく、広帯域化を図ることができる。
図10は、図1の2つのパッチアンテナを1つにしたアンテナの電流密度分布を示した図である。図10において図1と同じものには同じ符号が付してある。パッチアンテナ41の白黒の濃淡は、電流密度分布を示し、白いほど電流が大きいことを示している。また、黒いほど電流が小さいことを示している。
図1で説明したように、2つのパッチアンテナ14を1つにし、最適単位形状のそれぞれに給電線路13を接続しても、広帯域のアンテナを得ることができる。例えば、図10に示すパッチアンテナ41は、2つの最適単位形状を有し、一辺はλ/2で、他方の辺はλの長さを有している。パッチアンテナ41の最適単位形状のそれぞれには、給電線路13が接続されている。
図10に示すパッチアンテナ41の辺の長さは、4GHzに対応した長さ(λ/2、λ)を有している。そして、図10に示す電流密度分布は、パッチアンテナ41に4GHzの送信信号を給電した場合の電流密度分布を示している。
図10の矢印A51に示すように、電流は、パッチアンテナ41のx方向における中央部分で大きくなっている。また、矢印A52に示すように、パッチアンテナ41の左右両端で、電流は小さくなっている。すなわち、図10に示すパッチアンテナ41でも、図9で示したパッチアンテナ14と同様の機能を得ることができる。
このように、パッチアンテナ14,41において広帯域化を図ることができるのは、以下の理由による。
パッチアンテナ14,41は、2つの最適単位形状で形成され、最適単位形状のそれぞれに、給電線路13で信号が給電される。そのため、パッチアンテナ14,41は、最適単位形状のそれぞれにおいて、独立して磁流が発生するが、最適単位形状が近接または接する部分では、磁流が打ち消される。例えば、図9に示すパッチアンテナ14が近接する辺(矢印A43に示す辺)では、磁流が打ち消される。このため、パッチアンテナ14,41の全体で1つの磁流が発生し、電流分布も1つとなる。これにより、パッチアンテナ14,41は、所望帯域での放射電力の減少を抑制し、信号純度の劣化を抑制する。そして、パッチアンテナ14,41は、広帯域化を図ることができる。
図11は、図1のアンテナの入力反射損失を示した図である。図11のグラフの横軸は周波数を示し、縦軸は入力反射損失を示している。図11では、図1のパッチアンテナ14の一辺を4GHzに対応した長さとした場合の、入力反射損失のシミュレーション結果を示している。
図11に示すように、図1のアンテナは、入力反射損失が小さくなる帯域は広帯域である。例えば、入力反射損失が−5dB以下となる帯域は、約3.8GHz〜4.2GHzであり、図3に示したパッチアンテナ22の入力反射損失より、広帯域となっている。また、図11では、図7に示したように、所望帯域(4GHz)において、共振周波数間で入力反射損失特性が悪化せず放射電力が減少しない。
図12のパッチアンテナ14のレイアウト例について説明する。
図12は、図2のパッチアンテナのレイアウト例を示した図である。図12において、図1と同じものには同じ符号が付してある。図12では、基板11の図示が省略されている。また、ここでは、引き出し線路12から伝達された信号をパッチアンテナ14から送信する場合について示した説明である。ただし、信号が逆方向にパッチアンテナ14で受信した信号を引き出し線路12へ伝達する場合は、以下の分配器51は、合成器として機能することに読み替える必要がある。
図12に示すように引き出し線路12は、分配器51を有している。分配器51は、例えば、ウイルキンソン型2分配器、ラットレース・ハイブリッド回路、またはハイブリッドカプラで構成することができる。
分配器51の間には、抵抗52が接続されている。抵抗52は、例えば、100Ωの薄膜抵抗である。抵抗52は、個々のパッチアンテナ14間のアイソレーションを良好にし、信号の漏れこみを抑制する。
引き出し線路12(分配器51)と給電線路13との間には、整合回路53が接続されている。整合回路53は、引き出し線路12と給電線路13とのインピーダンスを整合させる。
分配器51と給電線路13との長さは、誘電体基板上で無線送受信を行う信号波長の半分の整数倍の大きさを有している。例えば、図12に示す分配器51のc1,c2,d1,d2と、給電線路13のe1,e2との合計の長さは、n・(λ/2)を有している。nは、正の整数である。具体的には、c1=c2=d1=d2=e1=e2=λ/4である。このように、分配器51と給電線路13との長さを、誘電体基板上で無線送受信を行う信号波長の半分の整数倍の大きさにすることにより、無線送受信する個々のパッチアンテナ14間のアイソレーションを良好にし、パッチアンテナ14間の信号の漏れこみを抑制することができる。
アンテナのレイアウトは、以下の順序で設計するようにする。
1.パッチアンテナ14のレイアウト
パッチアンテナ14の各辺の長さは、次のようにして決める。ただし、図示していない基板11は、厚さ1mm、実効比誘電率4.9、tanδ0.025、適用周波数3〜5GHzのFR4を用いるとする。引き出し線路12、給電線路13、パッチアンテナ14を構成する導体は、材料が銅、厚さ0.035mm、導電率5.8×106S/mとする。要求仕様中心周波数をf=4GHzとする。この場合、パッチアンテナ14の辺の長さa,bは、次の式(3)で求まる。
a=b=c/f0/√(εeff)=3×108/(4×109)/√4.9
≒17(mm) …(3)
cは光速、f0は要求仕様中心周波数、εeffは、基板11の実効比誘電率を示している。
なお、実際は、パッチアンテナ14には、給電線路13などが接続される。そこで、パッチアンテナ14のx方向の中心軸上において、電磁界のシミュレーションを行い、最大の電流振幅と電界振幅とかが得られるようにa,bの長さを最適化する。
次いで、パッチアンテナ14の給電点における入力インピーダンスを決める。このとき、パッチアンテナ14の加工精度および電流密度の制約等を加味し、給電点の位置と入力インピーダンスを決定する。
2.導波管規格
アプリケーションの使用帯域を、例えば、4GHz±200MHzとする。この場合、例えば、EIA(Electronic Industries Alliance)によるWR−229(周波数帯域3.22〜4.90GHz、内径寸法58.17×29.083mm)を使用する。
ここで、上記1.で算出したaは、17mmである。従って、次の式(4)より、最適単位形状は、3個収納可能であることが分かる。
58.17/17≒3.4 …(4)
従って、図12に示す2つのパッチアンテナ14は、WR−229の導波管に収納可能である。
3.引き出し線路12のレイアウト
引き出し線路12は、特性インピーダンスZ0=50Ωの線路で引き回す。そして、分配器51には、例えば、ウイルキンソン型2分配器を用いて、特性インピーダンスZ1=70.7Ω、さらに接続用の50Ωの引き出し線を各々λ/4の整数倍(c1=c2=λ/4、d1=d2=λ/4)の線路長で分配する。分配器51には、上記した抵抗52を接続し、個々のパッチアンテナ14間のアイソレーションを良好にし、信号の漏れこみを抑制する。
4.給電線路13のレイアウト
引き出し線路12と給電線路13のインピーダンスの整合をとるようにする。給電線路13の長さeは、例えば、λ/4にする。パッチアンテナ14の入力インピーダンスを100Ωとし、給電線路13の特性インピーダンスを100Ωとする。また、3.で述べたように、引き出し線路12の特性インピーダンス(ウイルキンソン型2分配器の特性インピーダンス)を70.7Ωとする。さらに接続用の引き出し線路12を50Ωとする。この場合、例えば、整合回路53によって、給電線路13と引き出し線路12との特性インピーダンスが変換・整合される。
または、パッチアンテナ14の給電点(パッチアンテナ14と給電線路13との接続点)の位置を調整し、パッチアンテナ14の入力インピーダンスを50Ωにする。そして、給電線路13の特性インピーダンスを50Ωにする。この場合、引き出し線路12の特性インピーダンスと給電線路13のインピーダンスは整合するので、整合回路53は不要である。すなわち、パッチアンテナ14の給電点の位置によって、パッチアンテナ14と引き出し線路12のインピーダンス整合をとり、整合回路53を不要にすることもできる。
このように、アンテナのパラメータを決定することによって、不要共振の発生を防止した、広帯域のアンテナを実現することができる。
次に、パッチアンテナ14の導波管収納について詳細に説明する。
1.最適単位形状パッチアンテナの設計
最適単位形状の外形寸法を確認する。例えば、a×b(mm)=16.2×16.2とする。
2.導波管内に収納可能な最適単位形状のパッチアンテナ14の数の導出
(1)使用周波数帯域を確認する。例えば、4±0.2GHzとする。
(2)使用周波数帯域に応じて、例えば、TT−3006Aなどの導波管規格表から、導波管の周波数帯域に包含される導波管を調べる。そして、該当する導波管を確定する。
例えば、JEITA(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)のWRI−40(EIA規格のWR−229に対応)は、周波数帯域が3.22〜4.90GHzである。従って、例えば、WRI−40の導波管に確定する。
(3)確定した導波管の内径寸法を規格表から確認する。例えば、WRI−40の内径寸法は、58.17×29.083(mm)である。規格外の場合は、使用周波数から導波管の内径寸法を導出する。
(4)確定した導波管の内径寸法内に、設計した最適単位形状が何個収納可能か算出する。例えば、長編方向は、
58.17/16.6≒3.5
で3個収納可能である。
また、短編方向は、
29.083/16.2≒1.8
で1個収納可能である。
すなわち、WRI−40の導波管には、3行1列の最適単位形状を有するパッチアンテナ14を格納することができる。
3.最適単位形状を偶数個有する(例えば2個有する)パッチアンテナ14を設計する場合
(1)図10に示したように、パッチアンテナ41間に隙間がない場合
まず、シミュレータにて最適単位形状の最適化を図る。例えば、最適単位形状の大きさ16.6×16.2(mm)を算出する。
次いで、確定した導波管の内径寸法内に、最適単位形状が長辺方向において、何個収納可能か算出する。
58.17/(2×16.6)≒1.75
これにより、長辺方向には、最適単位形状2個分のパッチアンテナ41が収納可能である。
(2)図1に示したように、パッチアンテナ14間に隙間がある場合
隙間を0.6mmとする。
58.17/〔(2×16.6)+(0.6/2)〕≒1.7
これにより、長辺方向には、パッチアンテナ14は2個収納可能である。
4.最適単位形状を奇数個有する(例えば3個有する)パッチアンテナ14を設計する場合
(1)図10に示したように、パッチアンテナ41間に隙間がない場合
まず、シミュレータにて最適単位形状の最適化を図る。例えば、最適単位形状の大きさ16.6×16.2(mm)を算出する。
次いで、確定した導波管の内径寸法内に、最適単位形状が長辺方向において、何個収納可能か算出する。
58.17/(3×16.6)≒1.16
これにより、長辺方向には、最適単位形状2個分のパッチアンテナ41が収納可能である。
(2)図1に示したように、パッチアンテナ14間に隙間がある場合
隙間を0.6mmとする。
58.17/〔(3×16.6)+(0.6/2)〕≒1.14
これにより、長辺方向には、パッチアンテナ14は3個収納可能である。
次に、導波管の配置場所の決め方について説明する。
図13は、最適単位形状を2つ有するパッチアンテナに対する導波管の配置決めを説明する図である。図13には、図10に示したパッチアンテナ41が示してある。
最適単位形状を2つ有するパッチアンテナ41の配置場所を決める場合、パッチアンテナ41の長辺方向の中心(図13中の2点鎖線)と、短辺方向の中心(図13中の1点鎖線)との交わる点を、導波管の中心に合わせる。そして、パッチアンテナ41の長辺方向と導波管の長辺方向またはパッチアンテナの短辺方向と導波管の短辺方向を合わせる。これにより、パッチアンテナ41は、導波管に収納される。
なお、最適単位形状を偶数個有するパッチアンテナ41の長辺方向の中心(2点鎖線)は、最適単位形状の境界と一致する。
上記では、パッチアンテナ41について説明したが、パッチアンテナ14の場合も同様である。また、最適単位形状を4以上の偶数個有するパッチアンテナの場合も同様である。
図14は、最適単位形状を3つ有するパッチアンテナに対する導波管の配置決めを説明する図である。図14には、最適単位形状を3つ有するパッチアンテナ61が示してある。図14に示すように、パッチアンテナ61の3つの最適単位形状のそれぞれには、給電線路が接続されている。
最適単位形状を3つ有するパッチアンテナ61の配置場所を決める場合、図13と同様に、パッチアンテナ61の長辺方向の中心(図14中の2点鎖線)と、短辺方向の中心(図14中の1点鎖線)との交わる点を、導波管の中心に合わせる。そして、パッチアンテナ61の長辺方向と導波管の長辺方向またはパッチアンテナ61の短辺方向と導波管の短辺方向を合わせる。これにより、パッチアンテナ61は、導波管に収納される。
なお、最適単位形状を奇数個有するパッチアンテナ61の長辺方向の中心(2点鎖線)は、中央の最適単位形状の中心と一致する。
上記では、最適単位形状において、隙間のないパッチアンテナ61について説明したが、隙間を有するパッチアンテナの場合も同様である。また、最適単位形状を5以上の奇数個有するパッチアンテナの場合も同様である。
このように、アンテナは、最適単位形状を有するパッチアンテナ14,41を備え、パッチアンテナ14,41の最適単位形状のそれぞれにおいて、給電線路を接続するようにした。これにより、アンテナは、不要な共振(高次モード)を抑制してパッチアンテナ14,41で生じる電流分布を1つにし、電気特性の良好な広帯域を実現することができる。
また、パッチアンテナ14,41では、電気特性の良好な広帯域なアンテナを実現できるので、導波管−平面回路変換器の製作精度による寸法ずれや位置ずれが生じても、それらのずれによる電気特性および帯域幅の劣化を抑制できる。また、製作精度による要求が低くなり、低コスト化を図ることができる。
11 基板
12 引き出し線路
13 給電線路
14 パッチアンテナ

Claims (6)

  1. 無線信号を送受信するアンテナにおいて、
    最適単位形状を複数有するパッチアンテナと、
    前記パッチアンテナの最適単位形状のそれぞれにおいて接続される給電線路と、
    を有することを特徴とするアンテナ。
  2. 前記パッチアンテナは、最適単位形状ごとに分離していることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 前記パッチアンテナの最適単位形状は、一辺が無線送受信を行う信号波長の半分の大きさを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  4. 前記給電線路と接続される分配器を有した伝送線路をさらに有し、
    前記分配器と前記給電線路との長さは、無線送受信を行う信号波長の半分の整数倍を有していることを特徴とする請求項1乃至3に記載のアンテナ。
  5. 前記分配器と前記給電線路との接続点に、インピーダンス整合をとるための整合回路が接続されることを特徴とする請求項4記載のアンテナ。
  6. 前記パッチアンテナと前記給電線路との接続点の位置によって、前記パッチアンテナと前記伝送線路とのインピーダンス整合をとることを特徴とする請求項4記載のアンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016092564A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 株式会社日立国際八木ソリューションズ 円偏波アンテナ

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