JP2013211321A - 電界効果トランジスタ、表示用パネル及び重合体 - Google Patents

電界効果トランジスタ、表示用パネル及び重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式法により形成することができ、架橋による硬化が可能で、形成前後での電界効果トランジスタ特性の変動が少なく、かつトランジスタ特性の経時変動も抑制しうる保護層を設けた電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】基板6、ゲート電極5、ゲート絶縁層2、ソース電極3およびドレイン電極4、半導体層1、および保護層7を備えた電界効果トランジスタ。保護層7は下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含む重合体よりなる。
Figure 2013211321

【選択図】図1

Description

本発明は、電界効果トランジスタと、この電界効果トランジスタを用いた表示用パネル、並びにこの電界効果トランジスタの保護層の材料として好適に用いられる重合体に関する。
電界効果トランジスタは、支持基板、ゲート絶縁層、該ゲート絶縁層により隔離されたゲート電極と半導体層、該半導体層に接して設けられたソース電極とドレイン電極を有する。ここで、半導体層の材料としては、従来から幅広く用いられているアモルファスシリコンや、酸化物半導体材料などの無機材料に加え、有機半導体材料を用いることも可能である。半導体層として有機材料を用いた場合、半導体層を湿式製膜により形成することが比較的容易となる。また、金属塩を前駆体としてそれらを適当な溶媒に溶解して湿式製膜を行い、さらに加熱などにより酸化物半導体層を形成することもでき、無機半導体も湿式法で形成することが可能である。このような湿式製膜による方法は、シリコン等の無機材料を蒸着する方法に比べ、製造コストが安価で、軽量性や耐衝撃性に優れた素子とすることができることから注目されている。
一方で、電界効果トランジスタの半導体層材料においては、湿度、酸素等の環境の影響を受けやすいものも多く、このような化合物を用いた場合、トランジスタ特性が、湿度、酸素等に起因する経時劣化を起こしやすい。
このため、一般に、ボトムゲート型のような電界効果型トランジスタ素子構造では、半導体層が外気に触れる構造となるため、該半導体層を外部環境から保護するために少なくとも半導体層を覆うような絶縁層である保護層を形成して半導体化合物を外部環境から保護する必要が生じる場合がある。
このような保護層としてポリスチレンやポリメチルメタクリレートなどの高分子材料を半導体層に接して形成することが知られている(特許文献1)。また、金属酸化物を保護層に用いることなども知られている(特許文献2)。
特開2004−6750号公報 特開2010−102842号公報
しかしながら、金属酸化物などを保護層とする場合は、該保護層形成には蒸着法や、スパッタ法などの真空プロセスが必要であり、これらの工程は塗布法などに代表される湿式法に比べ、設備負荷が大きく、製造コストが高くなる傾向がある。
また、ポリスチレン等の材料は湿式法にて形成可能であるが、これらの材料による保護層を形成しても、トランジスタ特性の経時変動を抑制するには十分でなく、また保護層を形成することによりその形成前後でトランジスタ特性が変化してしまうというような問題もあった。
さらには、保護層についても所望のパターン形成が行えることが好ましく、その場合はエネルギー線、特に紫外線などの光による硬化、架橋が行える材料が望ましい。
本発明の目的は、湿式法により層形成することができ、架橋による硬化が可能で、形成前後での電界効果トランジスタ特性の変動が少なく、かつトランジスタ特性の経時変動も抑制しうる保護層を設けた電界効果トランジスタ及び該電界効果トランジスタを用いた表示パネル及び該電界効果トランジスタの保護層として好適な重合体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の重合体が、保護層の材料として上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 基板に配設されたゲート電極と、前記ゲート電極に接して形成されたゲート絶縁層と、ソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極に接して形成された半導体層と、該半導体層に対して、前記ゲート絶縁層とは反対側に形成された保護層とを備え、前記保護層は下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含む重合体を含むことを特徴とする電界効果トランジスタ。
Figure 2013211321
(式(a),(b)において、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表す。Raは下記式(x1)または(x2)で表される1価の有機基であり、Rbは下記式(y1)または(y2)で表される1価の有機基である。なお、1分子中に上記式(a)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(b)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
Figure 2013211321
(式(x1),(x2)において、Rx、Rxはそれぞれ独立に水素原子、もしくは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。ただし、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基である。
式(x2)において、Rxは置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基を表す。)
Figure 2013211321
(式(y1),(y2)において、Rfはフッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
[2] 前記保護層を形成する重合体が、更に、下記式(c1)および(c2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つの繰り返し単位を含む重合体であることを特徴とする[1]に記載の電界効果トランジスタ。
Figure 2013211321
(式(c2)において、Rcは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。なお、1分子中に上記式(c1)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(c2)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
[3] 前記保護層が、前記重合体を含む層を湿式成膜した後、該重合体を架橋させることにより得られること特徴とする[1]または[2]に記載の電界効果トランジスタ。
[4] 前記半導体層が前駆体変換型の有機半導体からなることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
[5] [1]ないし[4]のいずれかに記載の電界効果トランジスタを用いた表示用パネル。
[6] 下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする重合体。
Figure 2013211321
(式(a),(b)において、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表す。Raは下記式(x1)または(x2)で表される1価の有機基であり、Rbは下記式(y1)または(y2)で表される1価の有機基である。なお、1分子中に上記式(a)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(b)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
Figure 2013211321
(式(x1),(x2)において、Rx、Rxはそれぞれ独立に水素原子、もしくは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。ただし、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基である。
式(x2)において、Rxは置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基を表す。)
Figure 2013211321
(式(y1),(y2)において、Rfはフッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
[7] 更に、下記式(c1)および(c2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つの繰り返し単位を含むことを特徴とする[6]に記載の重合体。
Figure 2013211321
(式(c2)において、Rcは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。なお、1分子中に上記式(c1)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(c2)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
本発明の重合体は、湿式法で膜形成することができ、また、エネルギー線の照射で架橋、硬化が可能である。また、この重合体を用いて電界効果トランジスタの保護層を形成した場合、保護層形成前後でのトランジスタ特性の変化、さらには、保護層形成後のトランジスタ特性の経時変化も抑制される。
このため、本発明によれば、保護層により半導体層を保護して周囲環境による劣化を効果的に防止した電界効果トランジスタであって、保護層形成によるトランジスタ特性の変化およびその後の経時変化が小さく、安定した特性を示す電界効果トランジスタを、湿式法を採用して安価に提供することが可能となる。
本発明の電界効果トランジスタの代表的な構造を表す縦断面の模式図である。 実施例1およびと比較例1で作製した電界効果トランジスタの伝達特性を表すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の電界効果トランジスタは、基板に配設されたゲート電極と、前記ゲート電極に接して形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極とドレイン電極に接して形成された半導体層と、半導体層に対してゲート絶縁層と反対側に形成された保護層とを備えるものである。
本発明の実施の形態に係る電界効果トランジスタの構造を図面に基づいて説明する。図1(A),(B)は、電界効果トランジスタの代表的構造を示す縦断面の模式図であり、図1(A),(B)において、1は半導体層、2はゲート絶縁層、3はソース電極、4はドレイン電極、5はゲート電極、6は支持基板、7は保護層である。図1(A)に示される電界効果トランジスタは、ボトムゲート・ボトムコンタクト型、図1(B)に示される電界効果トランジスタはボトムゲート・トップコンタクト型と称される。なお、図1(A),(B)は、本発明の電界効果トランジスタの構造の代表例であり、本発明の電界効果トランジスタは何ら図1(A),(B)に示される構造のものに限定されるものではない。
図1(A),(B)に示されるようなボトムゲート型の電界効果トランジスタにおいて、保護層7は、半導体層1が外部環境と直接触れることがないように、また、半導体層1の汚染や、特性変動を抑制するため、ゲート絶縁層2と反対側に形成される。
このような本発明の電界効果トランジスタの各構成要素について以下に説明する。
[支持基板]
本発明の電界効果トランジスタにおいて、支持基板6としては、電界効果トランジスタにおいて用いられている公知の基板を用いることができる。その材料としては、電界効果トランジスタおよびその上に作製される表示素子、表示パネル等を支持できるものであればよく、公知のガラス、酸化珪素、および珪素等の金属等の無機材料、並びに各種有機ポリマー等の有機材料等が挙げられ、これらは、例えば、無機材料の基板の表面に有機ポリマー等をコーティングして表面に絶縁層を形成した基板等の無機材料と有機材料との併用の場合も含めて2種以上を組み合わせて用いることもできる。尚、有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルフォン、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリパラバン酸、ポリシルセスキオキサン、ポリビニルフェノール、およびポリオレフィン等が挙げられ、これらを成形したフィルム状もしくはシート状のものを用いることができる。また、これらの有機ポリマーは、必要に応じて、充填材、添加剤等を含んでいてもよい。
支持基板6の厚みは、機械的強度が強く破損や破断が起こり難い点では厚いことが好ましいが、また、一方で、素子の軽量性及び可撓性が必要な場合に可撓性が大きくなりやすい点では薄いことが好ましい。具体的には、支持基板の厚みは、0.01〜10mmの範囲であることが好ましく、0.05〜2mmの範囲であることが特に好ましい。これら範囲の中で、例えば、有機ポリマーよりなる基板の場合は、0.05〜0.1mm程度の厚みとし、ガラス、珪素等よりなる基板の場合は、0.1〜10mm程度の厚みとすることが好ましい。また、支持基板6は、複数の層からなる積層体であってもよい。
[ゲート電極]
本発明の電界効果トランジスタにおいて、ゲート電極5としては、従来の電界効果トランジスタにおいて用いられている導電性材料を用いることができる。ゲート電極5の導電性材料としては、例えば、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属の他、InO、SnO、ITO等の導電性金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子、および、それらに塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、沃素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等のドーパントを添加したもの、並びに、カーボンブラック、グラファイト粉、金属微粒子等を分散した導電性の複合材料等が挙げられる。また、支持基板とゲート電極を兼ねて、導電性n型シリコンウェハを用いてもよい。
これらの導電性材料によるゲート電極は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等により形成された膜を、必要に応じて所望の形状にパターニングすることにより形成される。そのパターニング法としては、例えば、フォトレジストのパターニングと、エッチング液によるウェットエッチングや反応性のプラズマによるドライエッチング等のエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、およびこれらの手法を複数組み合わせた手法等が挙げられる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり、材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを形成することも可能である。
このようなゲート電極5の厚みは、電界効果トランジスタを構成する層の段差が小さく、その上から更に層を構成する場合に層欠陥や接触不良が起こり難い点では薄いことが好ましいが、また、一方で、電極の断線等が生じ難く素子の信頼性に優れる点では厚いことが好ましい。具体的には、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。また、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
[ゲート絶縁層]
本発明の電界効果トランジスタにおいて、ゲート絶縁層2の構成材料としては、従来の電界効果トランジスタにおいて用いられている材料を用いることができる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機ポリマー等の有機材料、および、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化物、SrTiO、BaTiO等の強誘電性酸化物等の無機材料が挙げられる。また、有機材料と無機材料との混合物も用いられ、例えば、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させた上記有機ポリマー等が挙げられる。
ゲート絶縁層2は、スピンコーティングやブレードコーティング等の塗布法、蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、アルミニウム上のアルマイトのように金属上に酸化膜を形成する方法等、材料特性に合わせた方法で形成することができる。
ゲート絶縁層2の厚みは、リーク電流が発生し難いことから、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることが特に好ましく、また、ゲート絶縁層2としての容量が大きく、ゲート電圧印加時のキャリア誘起量に優れることから、4μm以下であることが好ましく、2μm以下であることが特に好ましい。
尚、一般にゲート絶縁層の静電容量が大きくなる程、ゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので有利になり、これには、ゲート絶縁層の材料として誘電率の大きな絶縁材料を用いるか、ゲート絶縁層の厚さを薄くすることで対応できる。
[半導体層]
本発明の電界効果トランジスタにおいて、半導体層1を形成する材料としては、公知の半導体材料を用いることができ、特に制限はない。例えば、シリコン類や酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化テルル、酸化ゲルマニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、ITO、InGaOZnOなどのIGZO類、IHfZO、LaCuOS、LaCuOSe、SrCu、酸化ニッケルに代表される酸化物半導体などの無機材料、および有機物半導体材料を用いることができる。
有機半導体材料の例としては、ポリピロールおよびポリピロール置換体、(レジオレギュラー)ポリチオフェンおよびポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(2,5−ビス(2−チエニル)−3,6−ジアルキルチエノチオフェン、ポリ(2,5−ビス(3−アルキルチオフェン−2−イル)チエノチオフェンなどのポリチオフェン置換体、ポリイソチアナフテンなどのイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリンおよびポリアニリン置換体、ポリアセチレン類、ポリジアセチレン類、ポリアズレン類、ポリピレン類、ポリカルバゾール類、ポリセレノフェン類、ポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)類、ポリインドール類、ポリピリダジン類、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのπ共役系のポリマー、オリゴマーおよび多環縮合体、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類、およびトリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジンなどのアセン類の炭素原子の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体、さらには6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンなど、アセン類の水素原子を他の官能基で置換して溶媒に可溶化した誘導体、13,6−N−スルフィニルアセトアミドペンタセンなどの変換型アセン類、金属フタロシアニン類、ポルフィリン誘導体、金属ポルフィリン誘導体等のアヌレン化合物に代表される大環状共役低分子化合物、テトラチアフルバレンおよびテトラチアフルバレン誘導体、ベンゾチエノベンゾチオフェン、テトラチアペンタレンおよびテトラチアペンタレン誘導体、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N'−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)、N,N'−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、アントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素とこれらの誘導体、可溶化したフラーレンなどが挙げられる。
有機半導体材料、溶媒に可溶な酸化物半導体材料などは、半導体層を湿式製膜できる可能性を有することから、電界効果トランジスタの製造をより簡便に行うことができ、好ましい。その中でも、半導体層の形成時には溶媒に可溶な形態であって、半導体層の湿式製膜後に加熱、光照射などにより化合物の構造を変化させ溶解度を低減させるような前駆体変換型の化合物は、半導体層形成後に更に他の層を形成する際に半導体層が溶媒等の影響を受けにくいという点でより好ましく用いられる。そのような化合物として、アヌレン化合物が特に好ましく用いられ、さらに後述する前駆体変換型のアザアヌレン化合物が好ましい。
ここで、アザアヌレン構造とは、C−C結合とC=C結合とが交互に共役して単環を形成した単環状共役ポリエン(アヌレン)の炭素原子の一部が窒素原子に置換したものであり、本発明においては、その16員環である〔16〕アザアヌレン構造が好ましく、その〔16〕アザアヌレン構造を有する化合物として、代表的には、ポルフィリン化合物、およびフタロシアニン化合物が挙げられる。これらは、同じく有機半導体として知られているペンタセンやオリゴチオフェン等の分子構造が棒状であるのに対し、平面性の高い環状構造を有している。
そのようなアザアヌレン化合物としては単結晶または多結晶の有機半導体を形成する化合物であれば、特に限定は無い。具体的には、ポルフィリン化合物やフタロシアニン化合物等が挙げられる。これらのうち、結晶性が高く、化学的安定性に優れることからポルフィリン化合物が好ましく、ベンゾポルフィリン化合物または加熱や光照射などによりベンゾポルフィリン化合物に変換可能なビシクロベンゾポルフィリン化合物が更に好ましい。なお、本発明において、ポルフィリン化合物とは、ポルフィリン骨格を有する化合物のことを言い、フタロシアニン化合物とは、フタロシアニン骨格を有する化合物のことを言う。
これらアザアヌレン化合物の中でも、前駆体変換型の有機半導体が好ましい。前駆体変換型の有機半導体とは、加熱または光照射等により化学構造が変化することにより半導体特性を有する半導体である。この前駆体としては、加熱または光照射等により逆ディールス・アルダー反応を起こす熱および/または光変換型のビシクロ構造を有するアヌレン化合物が好ましく、加熱により逆ディールス・アルダー反応を起こす熱変換型のビシクロ構造を有するアヌレン化合物が特に好ましい。
ビシクロ構造を有するアヌレン化合物としては、下記式(1)および(2)で表される構造の化合物が好ましい。
Figure 2013211321
(式(1),(2)中、R〜R16は、各々1価の原子または1価の原子団を表し、(R,R10)、(R11,R12)、(R13,R14)および(R15,R16)のうちの少なくとも一つの組は一体となって下記式(3)で表される基を形成する。また、Mは金属原子または金属原子団を表す。)
Figure 2013211321
(式(3)中、R〜Rは、各々水素原子または炭素数10以下のアルキル基を表し、R17〜R20は、各々1価の原子または1価の原子団を表す。)
〜Rは、各々同一でも異なっていても良いが、合成及び精製が容易であることから同一であることが好ましい。また、R〜Rは、ポルフィリン環が歪むことによる平面性の低下が起こり難く、その原子又は原子団自体がπ共役系の重なりを阻害する原因になり難いことから小さな基であることが好ましい。具体的には、R〜Rとしては、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10の1価の有機基が好ましい。R〜Rの好ましい具体例を挙げると、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、プロパニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基などの炭素数1〜10の1価の有機基などが挙げられる。ここで、上述の1価の有機基は、アルキル基等の有機基で更に置換されていてもよい。また、上述の1価の有機基は、フッ素、塩素等のハロゲン原子やアルキル基等の有機基で更に置換されていてもよい。なお、置換基を有する場合の1価の有機基が有する炭素数は、置換基も含めた炭素数を言う。これらのうち、水素原子又はハロゲン原子等の1価の原子が好ましく、水素原子、フッ素原子又は塩素原子が特に好ましい。
また、R〜R16は、各々同一でも異なっていても良いが、合成及び精製が容易であることから同一であることが好ましい。1価の原子としては、例えば、水素原子及びハロゲン原子等が挙げられる。また、1価の原子団としては、例えば、ヒドロキシル基及びメチル基、エチル基等のアルキル基やカルボキシル基等の1価の有機基等が挙げられる。これらの内、化学的安定性に優れることから1価の有機基が好ましい。なお、この1価の有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ元素を有していても良い。
(R、R10)、(R11、R12)、(R13、R14)及び(R15、R16)のうちの少なくとも一つの組は、一体となって式(3)で表される基(式(3)で表されるビシクロ構造を有するビシクロ基)を形成したものを表す。ここで、好ましくは2組以上、更に好ましくは4組が、一体となって式(3)で表される基(式(3)で表されるビシクロ構造を有するビシクロ基)を形成しているのがよい。RとR10の合計炭素数、R11とR12の合計炭素数、R13とR14の合計炭素数、及びR15とR16の合計炭素数は、溶解性の点では多いのが好ましいが、一方、結晶化するまでに要する時間が短い点では少ないことが好ましい。そこで、具体的には、これらの各合計炭素数が6以上であることが好ましく、8以上であるのが更に好ましく、また、一方、50以下であることが好ましく、30以下であるのが更に好ましい。
〜Rは、各々同一でも異なっていても良いが、合成及び精製が容易であることから同一であることが好ましい。また、短時間で結晶化させやすいことから水素原子が好ましい。R〜Rがアルキル基である場合、脱離するエチレン誘導体の分子量が小さくて蒸気圧が高いために脱離して系外に除去し易いことから、R〜Rの炭素数は少ないのが好ましい。従って、該アルキル基の炭素数は10以下、好ましくは6以下、より好ましくは3以下である。R〜Rがアルキル基である場合、該アルキル基は、直鎖状でも分岐状でも環を形成していてもよい。例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられる。なお、これらのアルキル基は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、R〜Rがアルキル基である場合、該アルキル基は、置換基を有していてもよい。R〜Rの置換基としては、任意であるが、例えば、フッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子などが挙げられる。また、1価のアルキル基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ元素を有する基で置換されていても良い。
なお、これらの置換基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
(R、R)及び(R、R)のうちの少なくとも一つの組は、2つのRが両方とも炭素数10以下のアルキル基であることが好ましい。この際、炭素数10以下のアルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。また、置換基を有していてもよく、環を形成してもよい。このように、ビシクロ構造中の1つの炭素原子に炭素数10以下のアルキル基置換基を2個有することにより、多様な有機溶媒に対して、ビシクロポルフィリン化合物の溶解性を高めることが可能となっている。
17〜R20としては、有機半導体の製造(結晶化熱処理)の際に脱離するエチレン誘導体(エチレン化合物)が、常圧200℃で気体または液体となるものが好ましく、常温常圧において、気体または液体となるものが好ましい。また、これらの条件で気体となるものが特に好ましい。また、R17〜R20は、ビシクロポルフィリン化合物から有機半導体を製造した場合に得られる有機半導体の特性を発現するためのπ共役系の分子間の重なりを阻害し難いことから、立体障害が小さく、置換基が小さいものが好ましい。従って、具体的には、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、プロパニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基などの1価の有機基などが好ましく、水素原子、フッ素原子または塩素原子が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。R17〜R20が1価の有機基である場合、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
式(2)において、Mは金属原子または金属原子団を表す。この金属原子または金属原子団の中心金属は、半導体特性が良好となりやすいことから、Cu、Zn、Mg、Ni、Co、Fe、Pt、Pd、Si、Ti、Mn、Mo、Cr、Ir、RuおよびPb等が好ましく、Cu、Zn、Mg、Ni、CoおよびFeが更に好ましく、CuおよびZnが特に好ましい。
特に好適なビシクロポルフィリン化合物を次に例示する。なお、以下の例示物では、R=R=Me(Meはメチル基を表す)で、R=R=Hの例を示しているが、メチル基の代わりに他のアルキル基を用いた例も好適である。また、合成上、(R,R)と(R,R)とが入れ替わったものも生じるため、メチル基で置換された位置の異なる異性体あるいはそれらの混合物も合成時には得られるが、それらも好適である。
Figure 2013211321
ここで、熱変換型のビシクロ構造を有するポルフィリンは、通常150℃以上、好ましくは150〜250℃程度に加熱されることにより、例えば、次式の様に、エチレン化合物が脱離して、変換され、結晶化することにより、高い移動度を有するアヌレン構造の有機半導体膜となる。
Figure 2013211321
(式(7),(8)中、Mは、前述と同じ金属原子または金属原子団を表す。)
ビシクロ構造を有するアヌレン化合物としては、分子間相互作用が大きくなることから、中心に金属原子が無い式(1)で表される構造に対し、中心に金属原子または金属原子団がある式(2)で表される構造のものが好ましく、式(2)において中心に金属原子を有する構造のものが更に好ましい。また、上記式(1)および(2)で表されるように対称性の良い構造が好ましいが、非対称構造であっても良い。
なお、これらの有機半導体化合物は、1種のみを用いても2種以上を任意の組合せと比率で用いてもよい。
本発明において、半導体層1の形成方法に特に制限は無い。
半導体材料としてシリコン系材料を用いる場合は、シリコン単結晶基板を用い、公知の方法で半導体層の形成を行うことができる。またアモルファスシリコン(a−Si)のエキシマレーザアニール(ELA)による結晶化、a−Siからの固相成長、ポリシリコンの直接堆積(as-depo poly-Si)などの方法により形成することもできる。シリコン窒化物などを用いる場合はCVDなどの方法を用いることもできる。
また、酸化物半導体材料を用いる場合は、公知のスパッタ法などでインジウム、ガリウム、亜鉛、ハフニウム、スズ等をスパッタすることにより半導体層を形成することができる。一方でインジウム、ガリウムなどの硝酸塩、および酢酸亜鉛などの溶液を塗布した後、加熱処理することなどによる湿式法による形成も可能である。
有機半導体材料を用いる場合についても、蒸着により半導体層を形成することもでき、塗布等の湿式法により形成しても、蒸着等の乾式法により形成してもよい。ただし、簡便で低コストに高性能な電界効果トランジスタを得やすい上に大面積化にも適していることから、湿式法で形成することが好ましい。湿式法による場合は、例えば、スピンコーティング、インクジェット、ノズルプリント、スタンプ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等により半導体材料を塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
有機半導体層を湿式法により形成する場合、電界効果トランジスタが高性能になりやすいことから、半導体層は結晶化処理が施されているのが好ましく、加熱やレーザー照射による結晶化処理が施されているのが特に好ましい。結晶化処理としては、ホットプレート、オーブンなどによる加熱またはレーザー照射などが挙げられる。加熱温度については、結晶化が進行しやすい点では高温が好ましく、また、一方で、基板等に熱の影響を与え難い点では低温が好ましい。具体的には、100℃以上が好ましく、150℃以上が特に好ましく、また、一方で、300℃以下が好ましく、250℃以下が特に好ましい。
半導体層1の膜厚は、任意であるが、1nm以上が好ましく、10nm以上が更に好ましい。また、10μm以下が好ましく、1μm以下が更に好ましく、500nm以下が特に好ましい。
半導体層1のキャリア密度は、半導体特性の発現の点では、高いことが好ましいが、オフ電流低減の点では、低いことが好ましい。そこで、移動度、ソース電極−ドレイン電極間の電気伝導度および電荷素量から求めたキャリア密度は1×10/cm以上が好ましく、1×10/cm以上がより好ましく、また、一方で、1×1018/cm以下が好ましく、1×1017/cm以下がより好ましい。
[ソース電極、ドレイン電極]
電界効果トランジスタにおいて、ソース電極3は、配線を通じて外部から電流が流入する電極であり、ドレイン電極4は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極であり、前述した半導体層1に接して設けられている。
本発明の電界効果トランジスタにおいて、ソース電極3およびドレイン電極4の材料としては、従来の電界効果トランジスタに用いられている導電性材料を用いることができ、例えば、前記ゲート電極5の材料として挙げたものと同様の材料が挙げられる。
また、これらの導電性材料によるソース電極3およびドレイン電極4は、前記ゲート電極5の製膜法および必要に応じたパターニング法として挙げたものと同様の製膜法およびパターニング法により形成される。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して電極外の部分を除去したり、電極材の導電性を変化させたりすることにより、直接にパターンを形成することもできる。中でも、ソース電極3およびドレイン電極4におけるパターニング法としては、フォトリソグラフィー法による方法が好ましい。そのフォトリソグラフィー法としては、電極材料を製膜し、形成された膜の電極外の部分をエッチングにより除去する方法、および、電極外の部分にレジスト等を塗布等によりパターニングした後、その上に電極材を製膜し、しかる後、レジスト等を溶解する溶剤で溶出することにより、その上に製膜された電極材を除去する方法(リフトオフ法)に大別されるが、本発明におけるソース電極3およびドレイン電極4の形成におけるパターニング方法としては前者が好ましい。
これらソース電極3およびドレイン電極4の厚みは、電界効果トランジスタを構成する層の段差が小さく、その上から更に層を構成する場合に層欠陥や接触不良が起こり難い点では薄いことが好ましいが、また、一方で、電極の断線等が生じ難く、素子の信頼性が高い点では厚いことが好ましい。そこで、具体的には、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。また、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることが更に好ましく、100nm以下であることが特に好ましく、50nm以下であることが最も好ましい。
また、ソース電極3とドレイン電極4との間の間隔(チャネル長さL)は100μm以下として形成するのが好ましく、50μm以下として形成するのが特に好ましく、チャネル幅Wは2,000μm以下として形成するのが好ましく、500μm以下として形成するのが特に好ましく、L/Wは1以下として形成するのが好ましく、0.1以下として形成するのが特に好ましい。
[保護層]
本発明の電界効果トランジスタにおいて、保護層は、下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含み、好ましくは更に、下記式(c1)および(c2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つの繰り返し単位を含む本発明の重合体により形成される。
なお、以下において、本発明の重合体の有機基についての炭素数は、当該有機基が置換基を有する場合は、その置換基も含めた炭素数である。また、有機基は、N,O,F,Sなどのヘテロ原子を含んでいてもよい。
また、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタアクリル」の双方を表し、「(メタ)アクリロ」等についても同様である。
Figure 2013211321
(式(a),(b)において、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表す。Raは下記式(x1)または(x2)で表される1価の有機基であり、Rbは下記式(y1)または(y2)で表される1価の有機基である。なお、1分子中に上記式(a)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(b)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
Figure 2013211321
(式(x1),(x2)において、Rx、Rxはそれぞれ独立に水素原子、もしくは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。ただし、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基である。
式(x2)において、Rxは置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基を表す。)
Figure 2013211321
(式(y1),(y2)において、Rfはフッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
Figure 2013211321
(式(c2)において、Rcは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。なお、1分子中に上記式(c1)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(c2)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
本発明の重合体は、式(b)で表される繰り返し単位がフッ素原子を含むため、この重合体を用いて形成される保護層が撥水性に優れたものとなり、水を通し難い。また、半導体層上に湿式法で保護層を形成する際、フッ素原子を含む保護層形成用組成物は、湿式製膜後の乾燥で、半導体層に強く接着しすぎないため、保護層の形成による半導体特性の低下が起こり難い。更に、式(b)で表される繰り返し単位に含まれるRf基が脂肪族炭化水素基であるするため、形成される保護層は脆性が低いものとなる。また、本発明の重合体は、式(a)で表される繰り返し単位が有する架橋基(式(x1)または(x2)で表される有機基)により、重合開始剤が無くても架橋可能であるといった利点を備える。
Ra及びRbは、重合体のガラス転移温度を高くしたい場合は、メチル基であることが好ましいが、また、一方で、重合体のガラス転移温度を低くし、靭性を上げたい場合は水素原子にすることが好ましい。
また、式(x1)及び(x2)は、どちらの構造を選択しても良いが、例えば、式中の二重結合周辺の立体障害を低減し反応性を向上させたい場合は、式(x2)の構造を導入することが効果的である。
式(x1)および(x2)において、Rx及びRxはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。Rx及びRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基である。また、Rx及びRxは式中の二重結合周辺の立体障害を低減する点では、どちらか一方が水素原子であることが望ましい。ただし、後述するように光反応性を高めるためには、他方は有機基であることが好ましい。
置換基を有していても良い有機基の炭素数は、1から20であるが、好ましくは炭素数1から10である。その例としては、置換基を有していても良い、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ドデシル基、などの直鎖もしくは分枝のアルキル基;置換基を有していても良い、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状アルキル基;置換基を有していても良い、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、トリル基、キシリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基などの芳香族炭化水素基;置換基を有していても良い、エチニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;置換基を有していても良い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などのアルコキシ基;置換基を有していても良い、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基などが挙げられる。
これらの有機基の中では、光照射時、特に紫外線照射時の反応性が高いことから、フェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基が好ましい。
なお、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基であり、RxとRxとは共に水素原子であることはない。
式(x2)中のRxは、置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基である。炭化水素基は具体的には脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基であれば特に制限はないが、その例としては、置換基を有していても良い、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、エチルへキシレン基、ノネン基、などの直鎖もしくは分枝アルキレン基;置換基を有していても良い、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基などのシクロアルキレン基;置換基を有していても良い、フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基などが挙げられる。
この中でメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフチレン基などが好ましい。
式(y1)、(y2)中のRfは、フッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基である。該1価の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1から15の1価の脂肪族炭化水素基である。該脂肪族炭化水素基は鎖状でも環状でもよく、鎖状は直鎖でも分岐であってもよい。Rfがフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基である場合、該重合体により形成される保護層をより靭性の高いものに設計することが可能となり、本発明の重合体を湿式成膜して得られる膜に亀裂や割れが生じ難い。このため、本発明の重合体では、Rfとして、フッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基を用いる。
このようなRfの例として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデカニル基などの鎖状パーフルオロアルキル基;パーフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などの環状パーフルオロアルキル基;ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、トリフルオロブチル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル基、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル基、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基などのフルオロアルキル基が挙げられる。
これらのうち、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、トリフルオロブチル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロブチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル基、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基などの、フッ素原子を1〜15個有する鎖状又は環状のフルオロアルキル基が好ましい。
また、前記式(c2)におけるRcの置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基としては、前記Rxで例示した有機基を挙げることができる。その中でも、炭素数1から6の分岐したものを含む鎖状もしくは環状のアルキル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、ナフチル基などが好ましい。
なお、Rx,Rx,Rx,Rcの有機基が置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基等が挙げられる。
本発明の重合体の分子量には特に制限はないが、通常GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の数平均分子量で1000から1000000の範囲、好ましくは5000から300000、更に好ましくは5000から100000のものが用いられる。分子量が上記下限以上であると、膜形成能や形成された膜の機械強度などの物性が十分なものとなり、上記上限以下であると、湿式法により保護層を形成する場合の溶液粘度が高くなりすぎず均一に製膜することができる。
また、本発明の重合体に含まれる前記式(a)で表される繰り返し単位(以下「繰り返し単位(a)」と称す場合がある。)と前記式(b)で表される繰り返し単位(以下「繰り返し単位(b)」と称す場合がある。)は、トランジスタ特性の経時変動抑制効果、エネルギー線照射による硬化特性を十分なものとすることができることから多いことが好ましいが、溶媒に対する溶解性の制御などの点では少ないことが好ましい。そこで、繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)の合計は、本発明の重合体を構成する全繰り返し単位のうち5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることが更に好ましく、また、一方、95モル%以下であることが好ましく、90モル%以下であることが更に好ましい。
また、繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)の相対比は、エネルギー線の照射で架橋反応を円滑に進行させることができ、十分に硬化させることができる点では、繰り返し単位(a)が多いことが好ましいが、また、一方で、トランジスタ特性の経時での変動抑制の効果や保護層と隣接する層との接着力低減の効果を得ることができるようになる点では、繰り返し単位(b)が多いことが好ましい。具体的には、繰り返し単位(a):繰り返し単位(b)が1モル%:99モル%〜99モル%:1モル%であることが好ましく、5モル%:95モル%〜95モル%:5モル%であることが更に好ましい。なお、本発明の重合体の1分子中には、繰り返し単位(a)が1種のみが含まれていてもよく、複数種が含まれていてもよい。また、繰り返し単位(b)についても、その1種のみが含まれていてもよく、複数種が含まれていてもよい。
また、本発明の重合体は、前記式(c1)で表される繰り返し単位(以下「繰り返し単位(c1)」と称す場合がある。)および/または前記式(c2)で表される繰り返し単位(以下「繰り返し単位(c2)」と称す場合がある。)を含むことにより、耐熱性や、弾性率を向上させることができる。この場合、繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)、繰り返し単位(c1)及び繰り返し単位(c2)の合計量は、本発明の重合体を構成する全繰り返し単位のうち5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることが更に好ましく、また、一方、95モル%以下であることが好ましく、90モル%以下であることが更に好ましい。また、繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)、繰り返し単位(c1)及び繰り返し単位(c2)の割合は、繰り返し単位(c1)および/または(c2)を導入することによる上記効果を得る上で、繰り返し単位(c1)および/または(c2)の割合(繰り返し単位(c1)と(c2)を含む場合はこれらの合計の割合)は、重合体を構成する繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)の合計量に対して5モル%以上であることが好ましく、特に10モル%以上であることが好ましく、繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)の導入で、繰り返し単位(a)および(b)による上記効果を十分に得る上で80モル%以下、特に60モル%以下であることが好ましい。
繰り返し単位(c1)と繰り返し単位(c2)は、重合体の溶媒溶解性や極性等に応じて適宜選択すればよい。重合体の耐熱性を向上させると同時に極性を上げたい場合は、繰り返し単位(c2)の構造を導入することが効果的であり、一方で耐熱性を向上させる一方で極性を低めにしたい場合などは繰り返し単位(c1)の構造を導入することが好ましい。
なお、本発明の重合体は、繰り返し単位(a),繰り返し単位(b),繰り返し単位(c1),(c2)をそれぞれ1種のみ含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。
本発明の重合体はまた、繰り返し単位(a),(b),(c1),(c2)以外の繰り返し単位(以下「その他の繰り返し単位」と称す場合がある。)を含むものであってもよい。
本発明の重合体が含有し得るその他の繰り返し単位としては、ビニル系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどに由来する構造単位が挙げられる。
その他の繰り返し単位を構成するビニル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、塩化ビニル、ビニルモルホリン等のビニルエステル類、もしくはビニルモノマー、スチレン、スチレン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニル−p−ターフェニル、1−ビニルアントラセン、α−メチルスチレン、o−イソプロペニルトルエン、m−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,5−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレンビニルナフタレンなどのスチレン誘導体、もしくは芳香族ビニルモノマー類が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、N−アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。
本発明の重合体は、上述のようなその他の繰り返し単位についても1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含んでいてもよい。
本発明の重合体の製造方法は、繰り返し単位(a)および繰り返し単位(b)、必要に応じて更に繰り返し単位(c1)および/または(c2)を含む構造が得られる方法であればよく特に制限はないが、例えば下記のような方法で本発明の重合体を製造することができる。
なお、以下に示す各式において、Rx,Rx,Rx,Rf,Rcは、それぞれ式(x1),(X2),(y1),(y2),(c2)におけると同義である。
(1) 繰り返し単位(a)および(b)を与える単量体を共重合する方法
この方法は、繰り返し単位(a)および繰り返し単位(b)を与える単量体として、例えば下記式(xx1),(xx2),(yy1),(yy2)で示すような単量体を混合し、通常のラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法などで重合させて重合体を得る方法である。
Figure 2013211321
(上記の各式中のXは水素原子もしくはメチル基を表す。)
さらに、この時、下記式(cc1)および/または(cc2)で表されるような、繰り返し単位(c1)および/または(c2)を与える単量体を共重合させることにより、繰り返し単位(c1)および/または繰り返し単位(c2)を含む重合体を製造することができる。
Figure 2013211321
これらの単量体を共重合する際は、適当な溶媒を用いることも可能である。用いられる溶媒には特に制限はなく、用いられる重合法によって適宜選択されうる。例えば通常のラジカル重合を行う場合には、ラジカルによる連鎖移動の少ない溶媒を用いることが望ましい。またイオン重合を行う場合は、重合活性種であるイオンの状態を不活性化させないような溶媒を選択することが好ましい。これらの溶媒の例として、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、トリオキサンなどの環状エーテル;ジt−ブチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリンなどの脂肪族炭化水素などが用いられる。
また、重合反応を行う際には重合開始剤を用いることもできる。重合開始剤についても、重合法によって適宜選択されるが、目的を達することができるかぎり特に制限はない。ラジカル重合を行う場合はアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フィエニルプロパン−1−オンなどのようなアルキルフェノン型の開始剤;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンなどのα−アミノアルキルフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド類、2,2’−アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのようなアゾ化合物;ジイソブチリルパーオキシド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジベンゾイルパーオキシド、1,1’−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、ジクミルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどの過酸化物や過酸;などを用いることができる。カチオン重合には、塩酸、硫酸などのブレンステッド酸;芳香族オニウム塩、塩化アルミニウムなどのルイス酸を用いることができ、アニオン重合にはアルキルリチウムなどの塩基を用いることができる。
(2) 重合後の変性により繰り返し単位(a)および(b)とする方法
重合体主鎖を合成した後に、繰り返し単位(a)、(b)中のRa,Rbに相当する構造を主鎖に導入する手法により、本発明の重合体を製造することもできる。
この場合、例えば、主鎖の構造として下記式(aa1)もしくは(aa2)で表される繰り返し単位を有する重合体を合成した後、同様に下記式(xx3)、(yy3)で表される化合物を反応させることによって、本発明の重合体を製造することができる。
Figure 2013211321
式(aa1)で表される繰り返し単位を有する重合体の例としては、ポリビニルアルコールやポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなど主鎖に水酸基を有するポリマーを挙げることができる。これらの重合体を合成する際に先に挙げた式(cc1)や式(cc2)で表される単量体を共重合することもできる。
なお、式(xx3)中のYは、主鎖の構造として上記式(aa1)もしくは(aa2)で表される繰り返し単位を有する重合体の水酸基と反応しうる官能基を形成する原子であり、例えば水素原子や塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
式(aa1)や(aa2)で表される繰り返し単位を有する重合体と式(xx3)、(yy3)で表される化合物との反応は、通常、式(aa1)や(aa2)で表される繰り返し単位を有する重合体を溶媒に溶解もしくは懸濁させた後、式(xx3)、(yy3)で表される化合物と反応させることによって行うことができる。
また、上記(1)繰り返し単位(a)および(b)を与える単量体を共重合する方法と、上記(2)重合後の変性により繰り返し単位(a)および(b)とする方法とを組み合わせて、本発明の重合体を得ることも可能である。
本発明の電界効果トランジスタの保護層は、上述の本発明の重合体を含む必要があるが、その効果を大幅に阻害しない程度に、他の構造の重合体を混合して併用することもできる。
そのような重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルの重合体、およびそれらの共重合体、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルスチレン共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート類、脂肪族ポリエステル類、ポリアミド類、ポリシロキサン類などが挙げられる。これらの他の重合体は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよいが、本発明の重合体による効果を十分に得る上で、本発明の重合体は、本発明の重合体と他の重合体との合計に対して10重量%以上の範囲で用いることが好ましい。また、上限は通常100重量%である。
本発明の電界効果トランジスタにおいて、保護層7は、通常、電界効果トランジスタの半導体層1に隣接してもしくは他の層を介して、ゲート絶縁層2とは半導体層1を介して反対の面に形成される。
その保護層の形成の方法は公知の薄膜形成法によって行うことができるが、特に本発明の重合体は湿式製膜が可能であることから、湿式法により形成することが好ましい。
湿式法により保護層を形成する場合、具体的には、半導体層などの上に、上述の本発明の重合体および必要に応じて用いられる他の重合体を溶剤に溶解して調製した溶液(以下、「本発明の重合体溶液」と称す場合がある。)を塗布または印刷した後、必要に応じて、パターニングを行う。
本発明の重合体溶液の調製に用いる溶剤としては、本発明の重合体溶液および必要に応じて用いられる他の重合体を溶解し得るものであればよく、特に制限はないが、例えば、後述の露光後の現像に用いられる有機溶剤などが挙げられる。また、本発明の重合体溶液中の本発明の重合体溶液濃度としては、0.1重量%以上、50重量%以下であることが、取り扱い性、製膜効率の面で好ましい。
本発明の重合体溶液の塗布方法としては、例えば、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールコート法、スプレーコート法などが挙げられる。中でも、ダイコート法は、少量塗布が可能で、スピンコート法などの方法に比べ、ミストが付着する危険性が少なく、異物が発生し難いため、好ましい。
印刷方法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、ノズルプリント、スタンピング(マイクロコンタクト印刷)などが挙げられる。
本発明の保護層を形成する際、本発明の重合体溶液を塗布または印刷した後に、通常、これを乾燥させる。乾燥は、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などの加熱機器を用いて加熱することにより行うことができる。中でも、膜全体を均等に加熱しやすいことから、クリーンオーブンおよびホットプレートが好ましい。乾燥条件は、本発明の重合体溶液の溶剤の種類や乾燥方法などに応じて、適宜選択すればよい。十分に乾燥させることにより、安定な素子を得やすい点では、高温で長時間乾燥させることが好ましいが、また、一方で、乾燥に要する時間が短く、生産性に優れ、基板やその他の層に加熱の影響を及ぼし難い点では、低温で短時間乾燥させることが好ましい。そこで、乾燥温度は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であり、また、一方、通常200℃以下、好ましくは120℃以下である。また、乾燥時間は、15秒以上が好ましく、30秒以上が更に好ましいが、また、一方で、60分以下が好ましく、30分以下が更に好ましい。また、乾燥は、減圧乾燥法により行ってもよく、加熱法と減圧乾燥法を併用してもよい。
本発明の保護層のパターニングは、通常、製膜した(溶剤を含む場合は更に乾燥させた)保護層の一部に露光マスクを被せ、露光マスクが被っていない部分のみにエネルギー線を照射し、その部分のみ架橋反応を進行させ、硬化、不溶化させた後、現像により露光マスクが被さっていた部分の保護層の重合体を取り除くことにより行う。また、必要に応じて、更に熱処理を施してもよい。なお、保護層を基板上にパターン印刷する場合は、パターニングは不要であるが、必要に応じて、エネルギー線による露光および/または加熱により架橋処理を行うことができる。本発明の保護層は該操作により塗膜を架橋させることができるため、保護層の耐溶剤性、耐熱性、機械物性などの向上が期待できる。
パターニングのためのエネルギー線による露光は、通常、次のような手法を採ることができる。即ち、製膜した(溶剤を含む場合は更に乾燥させた)保護層の一部に露光マスク(ネガタイプのマスクパターン)を被せた後、紫外線〜可視光線等の光を照射することにより行う。これにより、パターンの開口部分にのみが露光され不溶化されるため、不溶化されなかった部分を現像により除去することが可能となる。露光マスクは、製膜した(溶剤を含む場合は更に乾燥させた)保護層に近接させてもよいし、露光マスクを離れた位置に配置して、露光マスクを介して製膜した(溶剤を含む場合は更に乾燥させた)保護層に投影させてもよい。また、走査露光方式により露光を行う場合は、露光マスクを用いずに露光させてもよい。これらの露光は大気下で行うこともできるし、必要であれば不活性ガス雰囲気下で行っても良い。
近接露光方式の場合、露光対象とマスクパターンとの距離は、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、また、一方、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
露光に使用されるエネルギー線は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、青紫色半導体レーザー、近赤外半導体レーザーなどのレーザー光源、および電子線などが挙げられる。
ここで、特定波長の光を使用する場合には、光学フィルタを用いてもよい。光学フィルタを用いる場合、光学フィルタとしては、例えば、薄膜で、露光波長における光透過率を制御可能なタイプでもよい。光学フィルタの材質としては、例えば、Cr化合物(Cr酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量は、通常0.1mJ/cm以上、好ましくは0.5mJ/cm以上、より好ましくは1mJ/cm以上であり、また、一方、通常1000mJ/cm以下、好ましくは800mJ/cm以下、より好ましくは500mJ/cm以下である。
本発明の重合体を用いて上述のようにして保護層を形成する場合、開始剤を用いなくても、露光などにより本発明の重合体の架橋反応を進行させることができる。即ち、本発明の重合体は、前述の如く、繰り返し単位(a)に架橋基を有するため、開始剤を用いなくても、架橋反応が可能である。このように開始剤を用いないことで、次のような利点がある。
即ち、開始剤の種類によっては露光、加熱後に分解した開始剤残基、もしくは未反応の開始剤そのものが保護層中に残存し、その後トランジスタ特性へ影響を及ぼす場合もある。そのような場合は、敢えて開始剤を用いずに架橋反応を行い、塗膜を硬化させることが好ましいが、本発明の重合体は開始剤を用いなくとも架橋反応を起こすことが可能である。架橋反応を起こしうる官能基として通常よく用いられる(メタ)アクリル基などは、開始剤を用いない場合、一般に架橋、硬化反応は生じにくく、効率的な架橋を行おうとする場合は開始剤の併用が必須となる。これに対し、本発明の重合体は、繰り返し単位(a)に含まれる架橋基により、開始剤を用いずにエネルギー線の照射などによる効率的な架橋、硬化反応が可能である。
上記の露光を行った後、現像することにより、保護層にパターンを形成することができる。現像液としては、限定されるものではないが、保護層に用いられる重合体を溶解するような有機溶剤を選択することが好ましい。
該有機溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのモノアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのエーテルグリコール類;テトラヒドロフラン、アセトキシメトキシプロパンなどのエーテルアセテート;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブなどのモノエーテルグリコール類;ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類およびN、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組合せおよび比率で用いてもよい。
現像後は、更に熱処理を施しても良い。該熱処理によって保護層の更なる硬化を促進すること、および比較的低温で揮発する成分を除去することなどの効果が期待できる。熱処理温度については、上記の効果を大きくするという点では、高温で長時間行うことが好ましいが、一方で、半導体層を始めとする電界効果トランジスタを構成する他の材料の耐熱性などを考慮した場合は低温処理が好ましく、また、生産性の点では、短時間処理が好ましい。そこで、熱硬化処理時の温度は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上であり、また、一方、通常280℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。また、熱硬化処理を施す時間は、通常5分以上、好ましくは10分以上であり、通常60分以下である。熱硬化処理を行うときの雰囲気は、大気、窒素または減圧下などから適宜選択すればよい。
本発明の電界効果トランジスタでは、保護層を形成することにより、半導体層が外部環境に直接さらされることを防ぐことができ、外部からの水分、酸素、二酸化炭素などの化合物の半導体層への影響を抑制することが可能である。本発明の電界効果トランジスタの保護層を形成する本発明の重合体は、その構成要素としてフッ素原子を含む繰り返し単位(b)を含みかつ、エネルギー線で架橋反応可能な繰り返し単位(a)を含むことから、上記効果が顕著に現れる。即ち、保護層を形成する重合体中にフッ素原子が含まれるため環境中の水分等が保護層を透過しにくくなった効果、および架橋反応により塗膜が緻密となった結果、物質の浸透がしにくくなったなどの理由により上記効果が顕著に現れる。
また、本発明の保護層を形成する本発明の重合体には、フッ素原子を含むため、該重合体の表面エネルギーがフッ素原子がないものに比べて低くなり、その結果として該保護層と隣接する層との接着性は一般に低下する。その結果、該保護層の成膜時に生じた応力などが隣接層に伝わりにくくなり、特に隣接層が半導体層である場合については該半導体層が保護層の製膜による応力の影響を受けにくくなる。その結果として保護層の製膜による半導体特性の変動が少なくなる効果も期待できる。
なお、前述の如く、本発明の重合体は開始剤を用いなくても架橋反応を起こすことができるが、保護層の形成時には、エネルギー線の露光もしくは、塗膜の加熱に際してエネルギー線を照射することにより、もしくは、熱を加えることによりラジカル種を発生するような開始剤を用いることもできる。この場合、開始剤は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の比率と組合せで用いても良い。
開始剤を用いる場合、開始剤としては、例えば、(1)ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、(2)アントラキノン誘導体、(3)ベンズアンスロン誘導体、(4)ベンゾフェノン誘導体、(5)アセトフェノン誘導体、(6)チオキサントン誘導体、(7)安息香酸エステル誘導体、(8)アクリジン誘導体、(9)フェナジン誘導体、(10)チタノセン誘導体、(11)α−アミノアルキルフェノン系化合物、(12)アシルホスフィンオキサイド系化合物、(13)オキシムエステル化合物などが挙げられる。
以下に、これらの好ましい具体例を挙げる。
(1) ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
(2) アントラキノン誘導体としては、具体的には、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
(3) ベンズアンスロン誘導体としては、具体的には、3−ニトロベンズアンスロンなどが挙げられる。
(4) ベンゾフェノン誘導体としては、具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
(5) アセトフェノン誘導体としては、具体的には、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどが挙げられる。
(6) チオキサントン誘導体としては、具体的には、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
(7) 安息香酸エステル誘導体としては、具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどが挙げられる。
(8) アクリジン誘導体としては、具体的には、9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどが挙げられる。
(9) フェナジン誘導体としては、具体的には、9,10−ジメチルベンズフェナジンなどが挙げられる。
(10) チタノセン誘導体としては、具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどが挙げられる。
(11) α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、具体的には、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコンなどが挙げられる。
(12) アシルホスフィンオキサイド系化合物としては、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
(13) オキシムエステル化合物としては、具体的には、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2001−235858号公報、特開2005−182004号公報、国際公開WO02/00903号パンフレットおよび特開2007−041493号公報に記載されている化合物などが挙げられる。
本発明の電界効果トランジスタにおいて、保護層7の厚さは、その保護効果および絶縁性を十分に得る上には厚い方が好ましい。本発明の電界効果トランジスタに形成される保護層7の厚さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上で、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下である。
[表示用パネル]
このような本発明の電界効果トランジスタは、各種の表示用パネルやセンサー等に有用であり、具体的には液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイのバックプレーン、センサーにおける電圧変動感知部などに用いられる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
[トランジスタ特性の測定]
<移動度、しきい値電圧>
電界効果トランジスタの移動度は、測定対象のトランジスタ(電子デバイス)の出力特性を「Agilent4155c半導体パラメータアナライザー」を用いて測定することによって求めた。測定時の雰囲気は、乾燥窒素とし、ドレイン電圧は−30V、ゲート電圧は、+10V〜−30Vとした。そして、得られた伝達特性から、以下の式を用いて、√(I sat)とVgの直線の傾きから移動度を求め、その直線のI sat切片から、しきい値電圧Vthを求めた。
Figure 2013211321
(式中、I satはドレイン電流、Wはチャンネル幅、Cはゲート絶縁膜の電気容量、Lはチャンネル長、μsatは移動度、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧を表す。)
なお、チャンネル長とは、ソース電極とドレイン電極との間の最短距離を言う。
<On/Off比>
On/Off比は、Vg=−30VおよびVg=+10Vにおけるドレイン電流の比を求めた。
[実施例1]
(1)重合体溶液の調製
冷却器を装備したフラスコ内に2.0g(15.4ミリモル)のメタクリル酸ヒドロキシエチル、2.75g(18.1ミリモル)のアセナフチレン、0.3g(17.8ミリモル)のアクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、および0.025gのアゾイソブチロニトリルを仕込み、7.0gのテトラヒドロフランに溶解した後系内を窒素置換した。
その後、70℃に加熱しながら、12時間攪拌を継続して、以下構造式の重合体の溶液を得た。
Figure 2013211321
(2)酸クロリド調製
冷却器を装着したフラスコ内に3.66g(18.5ミリモル)のナフチルプロペン酸とトルエンを仕込み、ジメチルホルムアミドを1滴加えた。系内を窒素置換した後、40℃に加熱しながら2.64g(22.2ミリモル)の塩化チオニルを5分かけて滴下し、そのまま4時間攪拌を続けた。その後、余分の塩化チオニルおよびトルエンを減圧下に留去し、留去残渣に新たに10gの脱水したテトラヒドロフランを加え、酸クロリド溶液とした。
(3)重合体と酸クロリドとの反応
上記(1)で得られた重合体溶液に5gのピリジンを加え、よく攪拌した。さらに、その中に上記(2)で得られた酸クロリド溶液を攪拌しながら少しずつ加えた。40℃で2時間攪拌を続けた後、反応組成物を吸引濾過し発生した塩を取り除いた。濾液を500mlのメタノール中に攪拌しながら徐々に投入し、以下の構造式の重合体を析出させた。析出した固形物を吸引濾過で濾別、真空乾燥して重合体αを得た。得られた重合体αの分子量はGPCにおけるポリスチレン換算の数平均分子量で29000であった。
また、重合体αの全繰り返し単位中の繰り返し単位(a)の割合は30モル%、繰り返し単位(b)の割合は35モル%、繰り返し単位(c1)の割合は35モル%であった。
Figure 2013211321
[実施例2]
図1(A)に示す電界効果トランジスタを以下の手順で作製した。
支持基板6とゲート電極5を兼ねた導電性n型シリコンウェハーの表面に、ゲート絶縁層2として膜厚300nmの熱酸化シリコン膜を形成した。次に、この熱酸化シリコン膜上にポリメチルグルタルイミド(PMGI)のレジスト(化薬マイクロケム社製「SF−9」)を0.5μmの厚さにスピンコートし、180℃で5分間加熱した。このレジスト膜上に、ネガ型のフォトレジスト(日本ゼオン社製「ZPN−1150」)を厚さ4μmにスピンコートし、80℃で180秒間加熱した後、露光し、110℃で120秒加熱し、その後、有機アルカリ現像液(ナガセケムテックス社製「NPD−18」)によって現像することにより、ソース電極およびドレイン電極の形状にレジストのパターンを形成した。得られたレジストのパターン上に、Moを厚さ100nmとなるようにスパッタした。その後、リフトオフ法により上記2層レジストパターンごと、不要なMoを除去することによって、ソース電極3およびドレイン電極4を、チャネル長L=10μm、チャンネル幅W=500μmで形成した。
次いで、下記式(z1)に示す、加熱により逆ディールス・アルダー反応を起こす熱変換型のビシクロ構造を有するポルフィリン誘導体(0.7重量%)のクロロホルム溶液をスピンコートした。これを210℃で30分間加熱することにより、下記式(z2)に示すポルフィリン誘導体に変換させると共に、結晶化させ、膜厚60nmの有機半導体層1を形成した。
Figure 2013211321
上記式(z1)及び(z2)におけるMは、銅原子(Cu)である。
その後、実施例1で得られた重合体αの10重量%シクロヘキサノン溶液をスピンコートし、160℃で30分乾燥した後、高圧水銀ランプによる紫外光(200mJ)を照射し、厚さ500nmの保護層7を、上記半導体層1上に形成し、保護層付き電界効果トランジスタ素子を作製した。
このようにして得られた作製直後の素子特性は、移動度μsat=0.95cm/Vs、しきい値電圧Vth=+4.8Vであった。
また、この素子を、室温21℃、相対湿度約25%の室内に24時間放置した後は、移動度μsat=1.0cm/Vs、しきい値電圧Vth=5.2Vであった。
この素子の作製直後の伝達特性と、室温21℃、相対湿度約25%の室内に24時間放置後の伝達特性のグラフを図2(A)に示した。
[比較例1]
重合体αの代わりに、ポリスチレン(アルドリッチ社、分子量35000)の10重量%トルエン溶液をスピンコートした以外は実施例2と同様にして保護層付き電界効果トランジスタ素子を作製した。
得られた作製直後の素子特性は、移動度移動度μsat=0.45cm/Vs、しきい値電圧Vth=−6.5Vであった。
また、この素子を室温21℃、相対湿度約25%の室内に24時間放置した後は、移動度μsat=0.5cm/Vs、しきい値電圧Vth=+2.5Vであった。
この素子の作製直後の伝達特性と、室温21℃、相対湿度約25%の室内に24時間放置後の伝達特性を図2(B)に示した。
実施例2と比較例1の結果から、本発明の重合体を用いて保護層を形成した本発明の電界効果トランジスタは、経時でのしきい値電圧の変動が少なく、トランジスタ特性を安定に維持することが分かる。
1 半導体層
2 ゲート絶縁層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 支持基板
7 保護層

Claims (7)

  1. 基板に配設されたゲート電極と、前記ゲート電極に接して形成されたゲート絶縁層と、ソース電極およびドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極に接して形成された半導体層と、該半導体層に対して、前記ゲート絶縁層とは反対側に形成された保護層とを備え、前記保護層は下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含む重合体を含むことを特徴とする電界効果トランジスタ。
    Figure 2013211321
    (式(a),(b)において、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表す。Raは下記式(x1)または(x2)で表される1価の有機基であり、Rbは下記式(y1)または(y2)で表される1価の有機基である。なお、1分子中に上記式(a)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(b)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
    Figure 2013211321
    (式(x1),(x2)において、Rx、Rxはそれぞれ独立に水素原子、もしくは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。ただし、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基である。
    式(x2)において、Rxは置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基を表す。)
    Figure 2013211321
    (式(y1),(y2)において、Rfはフッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
  2. 前記保護層を形成する重合体が、更に、下記式(c1)および(c2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つの繰り返し単位を含む重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
    Figure 2013211321
    (式(c2)において、Rcは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。なお、1分子中に上記式(c1)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(c2)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
  3. 前記保護層が、前記重合体を含む層を湿式成膜した後、該重合体を架橋させることにより得られること特徴とする請求項1または2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 前記半導体層が前駆体変換型の有機半導体からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタを用いた表示用パネル。
  6. 下記式(a)および(b)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする重合体。
    Figure 2013211321
    (式(a),(b)において、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、またはメチル基を表す。Raは下記式(x1)または(x2)で表される1価の有機基であり、Rbは下記式(y1)または(y2)で表される1価の有機基である。なお、1分子中に上記式(a)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(b)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
    Figure 2013211321
    (式(x1),(x2)において、Rx、Rxはそれぞれ独立に水素原子、もしくは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。ただし、RxとRxのうちの少なくとも一方は、置換基を有していても良い炭素数が1から20の1価の有機基である。
    式(x2)において、Rxは置換基を有していても良い炭素数1から10の2価の炭化水素基を表す。)
    Figure 2013211321
    (式(y1),(y2)において、Rfはフッ素原子で置換された炭素数1から20の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
  7. 更に、下記式(c1)および(c2)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも一つの繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項6に記載の重合体。
    Figure 2013211321
    (式(c2)において、Rcは置換基を有していても良い炭素数1から20の1価の有機基を表す。なお、1分子中に上記式(c1)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよく、上記式(c2)で表される繰り返し単位が複数種含まれていてもよい。)
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