JP2013210343A - ガスメーター - Google Patents
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Abstract
【課題】流量と熱量との双方を計測でき、将来のガス供給状態の切換に対応できるガスメーターを提供する。
【解決手段】ガス2が流れる流路3と、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の体積である単位時間通過体積ΔVを求める単位時間通過体積導出手段13と、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の熱量である単位時間通過熱量ΔQを求める単位時間通過熱量導出手段23と、単位時間通過体積ΔVの積算値である流量積算値ΣΔVを保持する流量積算手段14と、単位時間通過熱量ΔQの積算値である熱量積算値ΣΔQを保持する熱量積算手段24と、外部に数値を表示可能な外部表示手段6と、を備え、外部表示手段6が、数値として流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとを切り替え表示可能に構成される。
【選択図】図2
【解決手段】ガス2が流れる流路3と、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の体積である単位時間通過体積ΔVを求める単位時間通過体積導出手段13と、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の熱量である単位時間通過熱量ΔQを求める単位時間通過熱量導出手段23と、単位時間通過体積ΔVの積算値である流量積算値ΣΔVを保持する流量積算手段14と、単位時間通過熱量ΔQの積算値である熱量積算値ΣΔQを保持する熱量積算手段24と、外部に数値を表示可能な外部表示手段6と、を備え、外部表示手段6が、数値として流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとを切り替え表示可能に構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、各住戸などに設置され、ガス料金の課金のために用いられるガスメーターに関する。
現在、各住戸に対するガス料金は、一定期間に各住戸で使用されたガス量(積算流量)に基づくものとされている。このようなシステムが採用されている理由は、国内においては、各住戸などに供給されるガスは、一定の熱量を備えるようにガスの供給側で厳密に調整されているため、使用されたガス量が分かれば使用されたガスの総熱量も明らかとなり、適切に課金を行うことができるためである。このような事情に基づき、現在普及している上述のガスメーターは、使用されるガス量のみを計測するように構成されている。
ところで、近年では、化石燃料に替わるエネルギー源として、バイオガスの活用が進められており、将来的には、各地に設立されたバイオガスプラントから各住戸などにガスの供給が行われることが予想される。一般的に、ガスの熱量の調整には多額のコストが必要となるため、従来行われてきたガスの熱量調整精度に対して、かなり弛めの熱量調整精度を採用し、各住戸に供給されるガスの熱量が、各地域で或は各日時で、変動する可能性がある。
すなわち、将来的には、熱量の異なるガスが各住戸などに供給される可能性がある。この場合、ガス量のみを計測する現在のガスメーターでは、使用されたガスの総熱量を正しく把握することができず、適切に課金を行うことができない。一方で、高圧ガスの熱量を計測する装置としては特許文献1に記載のものが知られている。
しかしながら、特許文献1に記載の熱量測定装置は一般の各住戸に設置するには大掛かりであり、また仮に特許文献1に記載のようにガスの熱量を計測できるガスメーターを各住戸などに設置するにしても、各住戸などに設置されるガスメーターは、現在、その使用開始時期を基準として10年毎に交換されるため、全数を切り替えるには最長で10年の年月を要する。
従って、熱量にある程度のバラツキがあるガスが供給されても、各住戸間で課金上の平等が保たれるとともに、熱量が厳密に管理されたガスの供給状態(現在の供給状態)から、熱量が比較的粗く管理されたガス(熱量未調整のガスを含む)の供給状態(将来の供給状態)へと一斉に切換えた際に、当該切換に適切に対応できるガスメーターを得ることが望ましい。
しかしながら、上記2つの要請を解決できるガスメーターとしてどのような構成のものが適しているかは、明らかでない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、将来の供給状態の切換に対応できるガスメーターを提供することにある。
本発明に係るガスメーターの特徴構成は、測定対象ガスが流れる流路と、
単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの体積である単位時間通過体積を求める単位時間通過体積導出手段と、
前記単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの熱量である単位時間通過熱量を求める単位時間通過熱量導出手段と、
前記単位時間通過体積の積算値である流量積算値を保持する流量積算手段と、
前記単位時間通過熱量の積算値である熱量積算値を保持する熱量積算手段と、
外部に数値を表示可能な外部表示手段と、を備え、
前記外部表示手段が、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成される点にある。
単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの体積である単位時間通過体積を求める単位時間通過体積導出手段と、
前記単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの熱量である単位時間通過熱量を求める単位時間通過熱量導出手段と、
前記単位時間通過体積の積算値である流量積算値を保持する流量積算手段と、
前記単位時間通過熱量の積算値である熱量積算値を保持する熱量積算手段と、
外部に数値を表示可能な外部表示手段と、を備え、
前記外部表示手段が、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成される点にある。
上記特徴構成によれば、単位時間通過体積導出手段と単位時間通過熱量導出手段との双方を備えることで、流量と熱量との双方を計測できる。そして、外部表示手段が、流量積算値を表示するか、熱量積算値を表示するかを切り替え表示可能に構成されているため、熱量が調整されたガスが供給されている間は、流量積算値を表示しておき、将来、熱量が粗く管理されたガスの供給が始まった時点で、熱量積算値を表示することができる。すなわち、流量と熱量との双方を計測できるように構成された課金用途のガスメーターを提供することができる。
ここで、一対の超音波送受信器を備え、一方の超音波送受信器から他方の超音波送受信器へ前記測定対象ガスの流れ内を超音波が伝播する伝播時間を前記単位時間ごとに双方向で捉える超音波センサと、
前記測定対象ガスの温度を計測する温度センサと、を備え、
前記超音波センサにより得られる前記一対の伝播時間から、前記測定対象ガスの音速を求める音速導出手段と、前記測定対象ガスの流速を求める流速導出手段とを備え、
前記測定対象ガスの音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標に基づいて、前記音速導出手段により求められた音速から前記測定対象ガスの瞬時熱量を導出する瞬時熱量導出手段を備え、
前記単位時間通過体積導出手段が、前記流速導出手段により求められる流速と前記流路の断面積および前記単位時間から前記単位時間通過体積を求め、
前記単位時間通過熱量導出手段が、前記瞬時熱量と前記単位時間通過体積とに基づいて、前記単位時間通過熱量を求める構成とすると好適である。
前記測定対象ガスの温度を計測する温度センサと、を備え、
前記超音波センサにより得られる前記一対の伝播時間から、前記測定対象ガスの音速を求める音速導出手段と、前記測定対象ガスの流速を求める流速導出手段とを備え、
前記測定対象ガスの音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標に基づいて、前記音速導出手段により求められた音速から前記測定対象ガスの瞬時熱量を導出する瞬時熱量導出手段を備え、
前記単位時間通過体積導出手段が、前記流速導出手段により求められる流速と前記流路の断面積および前記単位時間から前記単位時間通過体積を求め、
前記単位時間通過熱量導出手段が、前記瞬時熱量と前記単位時間通過体積とに基づいて、前記単位時間通過熱量を求める構成とすると好適である。
上記特徴構成によれば、超音波センサによって流速と音速との双方を求め、当該流速と音速とに基づいてガスの流量と熱量との双方を求めることができる。よって、例えば、単位時間通過体積導出手段として公知の流量測定計を別途備える場合に比べて、ガスメーターの大型化を抑制することができる。すなわち、流量と熱量との双方を計測できるように構成された課金用途において、一層コスト面で優れるとともに小型化に適したガスメーターを提供することができる。
ここで、本発明における『音速』とは、気体(ガス)中での音波の伝播速度を意味する。
また、予め熱量が判明し組成の異なる複数の標準ガス各々の音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標を記憶する記憶手段を備えた構成とすると好適である。
上記特徴構成によれば、記憶手段に必要な容量を小さくできるとともに、音速−熱量関係指標を基づく瞬時熱量の導出を素早く行うことができる。すなわち、流量と熱量との双方を計測できるように構成された課金用途のガスメーターにおいて、一層コスト面で優れるとともに小型化に適したガスメーターを提供することができる。
また、外部からの信号を受信する通信手段を備え、
前記外部表示手段が、前記通信手段により受信した信号によって、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成されると好適である。
前記外部表示手段が、前記通信手段により受信した信号によって、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成されると好適である。
上記特徴構成によれば、将来、熱量が粗く管理されたガスの供給が始まった時点で、通信手段を介して、外部表示手段が流量積算値の表示をやめ、熱量積算値を表示できる。よって、各住戸などに設置された全数のガスメーターを、一斉に熱量積算値を表示するように切り替えることが容易に行える。すなわち、流量と熱量との双方を計測できるように構成された課金用途において、一層使い勝手に優れたガスメーターを提供することができる。
1.ガスメーターの概要
本発明の実施形態を、以下、図面に基づいて説明する。図1は、本願のガスメーター1の構成を模式的に描いたものである。このガスメーター1は、各住戸などに設置され、各住戸で使用されるガス2が流れる流路3を備えている。ここで、ガス2は、基礎物理量検出手段4の測定対象となるガスを意味し、ガス供給元(例えば都市ガス製造業者)から各住戸などに供給される。また、流路3はいわゆる低圧導管であり、その内部を流れるガス2の圧力は0.1MPa未満で、その太さはおおむね直径5cm〜30cmである。
本発明の実施形態を、以下、図面に基づいて説明する。図1は、本願のガスメーター1の構成を模式的に描いたものである。このガスメーター1は、各住戸などに設置され、各住戸で使用されるガス2が流れる流路3を備えている。ここで、ガス2は、基礎物理量検出手段4の測定対象となるガスを意味し、ガス供給元(例えば都市ガス製造業者)から各住戸などに供給される。また、流路3はいわゆる低圧導管であり、その内部を流れるガス2の圧力は0.1MPa未満で、その太さはおおむね直径5cm〜30cmである。
また、ガスメーター1は、流路3を流れるガス2の流量及び熱量を測定するために必要なガス2に関する物理量を検出するための基礎物理量検出手段4を備えている。さらに、基礎物理量検出手段4で検出された物理量に基づき、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の体積である単位時間通過体積ΔVを導出する単位時間通過体積導出手段13と、単位時間あたりに流路3を通過するガス2の熱量である単位時間通過熱量ΔQを導出する単位時間通過熱量導出手段23とを備えている。ここで、『単位時間』とは、ガス2の流量及び熱量の計測間隔を意味しており、予め定められた値である。単位時間としては、例えば、1〜5秒の間で設定すると良い。本実施形態においては、2秒と設定している。以下では、単位時間をΔtと表す。また、ガスメーター1は、複数の単位時間Δtに渡って、単位時間通過体積導出手段13により導出されるガス2の単位時間通過体積ΔVを積算する流量積算手段14と、複数の単位時間Δtに渡って、単位時間通過熱量導出手段23により導出されるガス2の単位時間通過熱量ΔQを積算する熱量積算手段24とを備えている。これらの手段及び後述する各種手段は、マイクロプロセッサ及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータ5を主要な機器として構築される。
加えて、検針や保守点検などの作業の際に、作業者が目視にてガスメーター1の状態を確認できるように、ガスメーター1は外部に数値を表示可能な外部表示手段6を備えている。外部表示手段6は、数値として流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとを切り替え表示可能に構成されている。すなわち、ガスメーター1は、外部表示手段6に流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとのどちらを表示するかを切り替えるための切替手段7を備えている。このような構成により、必要に応じて、外部表示手段6に流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとを表示することができる。
2.ガスメーターの詳細構成
2−1.基礎物理量検出手段
図2は、本願のガスメーター1の詳細構成を示す。本実施形態においては、ガスメーター1は、基礎物理量検出手段4として、超音波センサ41と、ガス2の温度Tを計測する温度センサ42と、を備えている。超音波センサ41は、一対の超音波送受信器51(図3)を備え、一方の超音波送受信器51から他方の超音波送受信器51へガス2の流れ内を超音波が伝播する伝播時間を単位時間Δtごとに双方向で捉えるように構成されている。
2−1.基礎物理量検出手段
図2は、本願のガスメーター1の詳細構成を示す。本実施形態においては、ガスメーター1は、基礎物理量検出手段4として、超音波センサ41と、ガス2の温度Tを計測する温度センサ42と、を備えている。超音波センサ41は、一対の超音波送受信器51(図3)を備え、一方の超音波送受信器51から他方の超音波送受信器51へガス2の流れ内を超音波が伝播する伝播時間を単位時間Δtごとに双方向で捉えるように構成されている。
超音波センサ41は、一対の伝播時間t1、t2が得られるように構成されている。超音波センサ41の詳細構成について、図3、図4に基づいて説明する。超音波センサ41は、一対の超音波送受信器51を、流路3の流れに沿って上流と下流との二箇所に配置した構成で備えている。ここで、一対の超音波送受信器51は、流路3の軸Z方向で異なった位置に配設されるため、両者間を渡る超音波はガス2の流速vの影響を受け、上流側から下流側に伝播される超音波の伝播時間は加速され、逆の場合は減速される。
本実施形態における超音波センサ41においては、一方の超音波送受信器51から他方の超音波送受信器51へ超音波が前記製品ガスの流れ内を伝播する伝播時間を双方向で捕らえることができる。(ここでは、上流側にあるものから下流側にあるものへの超音波の伝播時間(順方向伝播時間)をt1と、逆方向で伝播する超音波の伝播時間(逆方向伝播時間)をt2とする。)
2−2.単位時間通過体積ΔVの導出
単位時間通過体積ΔVを導出するために、ガスメーター1は、超音波センサ41により得られる一対の伝播時間t1、t2から、ガス2の流速vを求める流速導出手段11を備えている。前述の単位時間通過体積導出手段13は、流速導出手段11により求められる流速vと流路3の断面積Sおよび単位時間Δtから単位時間通過体積ΔVを求めるように構成されている。
単位時間通過体積ΔVを導出するために、ガスメーター1は、超音波センサ41により得られる一対の伝播時間t1、t2から、ガス2の流速vを求める流速導出手段11を備えている。前述の単位時間通過体積導出手段13は、流速導出手段11により求められる流速vと流路3の断面積Sおよび単位時間Δtから単位時間通過体積ΔVを求めるように構成されている。
より具体的には、ガスメーター1は、流速導出手段11により求められる流速vと流路3の断面積Sとの積である瞬時流量vS(超音波センサ41による計測タイミングにおける流量の瞬時値)を求める瞬時流量導出手段12を備えている。単位時間通過体積導出手段13は、単位時間通過体積ΔVとして、瞬時流量導出手段12により求められた瞬時流量vSと単位時間Δtとの積であるvSΔtを求めるように構成されている。
ここで、流速導出手段11が、一対の伝播時間t1、t2からガス2の流速vを導出する過程は次のようになる。図4に示すように、前述の超音波センサ41に備えられる一対の超音波送受信器51は、位置関係が固定されているため、相互に超音波送受信器51間を伝播する伝播時間t1、t2は、図4中に示す式1、式2で表される。ここで、Lは図4に示す伝播経路の距離であり、Zは管状の流路3の軸方向であり、Cはガス2の流速を、vはガス2中での音速を示している。
式1、式2は、2元連立方程式であるため、式3、式4に示すように、音速C及び流速vを、一対の伝播時間t1、t2から求めることができる。即ち、前述の流速導出手段11は、式3の処理を行うことにより、一対の伝播時間t1、t2から流速vを求める。
2−3.単位時間通過熱量ΔQの導出
ガスメーター1は、単位時間通過熱量ΔQを導出するために、超音波センサ41により得られる一対の伝播時間t1、t2から、ガス2中での音速Cを求める音速導出手段21、及び流路3を通過するガス2の温度Tを計測する温度センサ42を備えている。さらに、ガスメーター1は、ガス2の標準状態における音速C0と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標f(C0)、及び音速導出手段21により求められた音速Cに基づいてガス2の瞬時熱量Qを導出する瞬時熱量導出手段22を備えている。
より詳しくは、音速導出手段21により求められた音速Cは、標準音速導出手段21xにより温度センサ42により取得されたガス2の温度Tを用いて標準状態における音速C0に換算され、瞬時熱量導出手段22は、音速C0に基づいて音速−熱量関係指標f(C0)から瞬時熱量Qを導出する。
ガスメーター1は、単位時間通過熱量ΔQを導出するために、超音波センサ41により得られる一対の伝播時間t1、t2から、ガス2中での音速Cを求める音速導出手段21、及び流路3を通過するガス2の温度Tを計測する温度センサ42を備えている。さらに、ガスメーター1は、ガス2の標準状態における音速C0と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標f(C0)、及び音速導出手段21により求められた音速Cに基づいてガス2の瞬時熱量Qを導出する瞬時熱量導出手段22を備えている。
より詳しくは、音速導出手段21により求められた音速Cは、標準音速導出手段21xにより温度センサ42により取得されたガス2の温度Tを用いて標準状態における音速C0に換算され、瞬時熱量導出手段22は、音速C0に基づいて音速−熱量関係指標f(C0)から瞬時熱量Qを導出する。
さらに、単位時間通過熱量導出手段23が、瞬時熱量導出手段22により導出された瞬時熱量Qと、単位時間通過体積導出手段13により導出された単位時間通過体積ΔVとに基づいて、単位時間通過熱量ΔQを求めるように構成されている。
より詳しくは、単位時間通過体積導出手段13により導出された単位時間通過体積ΔVは、単位時間通過標準体積導出手段13xにより温度センサ42により取得されたガス2の温度Tを用いて標準状態における単位時間通過体積ΔV0に換算され、単位時間通過熱量導出手段23は、単位時間通過体積ΔV0と瞬時熱量Qとから単位時間通過熱量ΔQを導出する。
より詳しくは、単位時間通過体積導出手段13により導出された単位時間通過体積ΔVは、単位時間通過標準体積導出手段13xにより温度センサ42により取得されたガス2の温度Tを用いて標準状態における単位時間通過体積ΔV0に換算され、単位時間通過熱量導出手段23は、単位時間通過体積ΔV0と瞬時熱量Qとから単位時間通過熱量ΔQを導出する。
以下では、本実施形態における単位時間通過熱量導出手段23による単位時間通過熱量ΔQの導出について、より詳しく説明する。まず、単位時間通過熱量ΔQの導出について説明する前に、瞬時熱量Qの導出について説明する。
ガスメーター1は、複数の予め熱量が判明し組成の異なるガス各々の標準状態における音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標f(C0)を記憶する記憶手段25を備えている。ここで、「複数の予め熱量が判明し組成の異なるガス」としては、流路3を通過するガス2となり得るものを選択すると良い。本実施形態においては、熱量が40〜46MJ/Nm3のガスを選択している。これらのガスの標準状態における音速C0は以下の通りである。
図5に、縦軸に標準状態における熱量を、横軸に標準状態(0℃、1気圧)における音速をとったグラフに、表1の値をプロットしたときの各点と、記憶手段25が記憶する音速−熱量関係指標f(C0)の一例を示す。同図において、実線で示されている相関線が、関係指標f(C0)に相当する。本実施形態においては、図5に示す相関線は、1次相関式で表されている。ここでは、この1次相関式を、表1の値から最小二乗法によって求めている。
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度[K]、Mは気体の分子量、γは比熱比である。ある瞬間におけるガス2は、R、M、γは一定の値をとるので、ある瞬間においては、ガス2の音速CはT1/2に比例すると考えられる。以上より、標準音速導出手段21xは、数1よりある瞬間における音速Cとそのときの温度Tから、標準状態(0℃)での音速C0を導出することができる。
以上の構成により、図2に示すように、瞬時熱量導出手段22が、記憶手段25が記憶する音速−熱量関係指標f(C0)と標準音速導出手段21xが導出した音速C0から、瞬時熱量Qを求めている。
次に、単位時間通過熱量ΔQの導出について説明する。単位時間通過熱量ΔQの導出にあたり、単位時間通過標準体積導出手段13xが、単位時間通過体積導出手段13により導出された単位時間通過体積ΔVを、数2(理想気体の状態方程式)を用いて標準状態(0℃、1気圧)における単位時間通過体積ΔV0に換算する。
ここで、流路3内の圧力Pは通常1気圧とみなせ、Vが単位時間通過体積ΔVに相当し、Tは絶対温度である。また、nはガス2のモル数、Rは気体定数を表す。よって、温度センサ42が計測したガス2の温度Tを用いることで、単位時間通過標準体積導出手段13xは、標準状態における単位時間通過体積ΔV0を導出することができる。
単位時間通過熱量導出手段23は、単位時間通過標準体積導出手段13xが求めた標準状態における単位時間通過体積ΔV0に、瞬時熱量導出手段22が導出した瞬時熱量Qを乗じることにより、単位時間通過熱量ΔQを導出する。
2−4.流量積算手段及び熱量積算手段
図2に示すように、ガスメーター1は、単位時間通過体積導出手段13により求めた単位時間通過体積ΔVの積算値である流量積算値ΣΔVを保持する流量積算手段14と、単位時間通過熱量導出手段23により求めた単位時間通過熱量ΔQの積算値である熱量積算値ΣΔQを保持する熱量積算手段24とを備えている。流量積算手段14及び熱量積算手段24は、長期間にわたり、単位時間通過体積ΔVの積算値及び単位時間通過熱量ΔQの積算値を保持できるように構成されている。ここでの期間は、例えば10年間に設定される。
図2に示すように、ガスメーター1は、単位時間通過体積導出手段13により求めた単位時間通過体積ΔVの積算値である流量積算値ΣΔVを保持する流量積算手段14と、単位時間通過熱量導出手段23により求めた単位時間通過熱量ΔQの積算値である熱量積算値ΣΔQを保持する熱量積算手段24とを備えている。流量積算手段14及び熱量積算手段24は、長期間にわたり、単位時間通過体積ΔVの積算値及び単位時間通過熱量ΔQの積算値を保持できるように構成されている。ここでの期間は、例えば10年間に設定される。
2−5.外部表示手段及び切替手段
ガスメーター1は、外部に数値を表示可能な外部表示手段6を備えている。外部表示手段6としては、例えば、ガスメーター1に備えられた液晶表示などを用いることができる他、遠隔に備えられたディスプレイなどを用いても構わない。外部表示手段6は、流量積算手段14が保持する流量積算値ΣΔVと熱量積算手段24が保持する熱量積算値ΣΔQとを表示できるように構成されている。
ガスメーター1は、外部に数値を表示可能な外部表示手段6を備えている。外部表示手段6としては、例えば、ガスメーター1に備えられた液晶表示などを用いることができる他、遠隔に備えられたディスプレイなどを用いても構わない。外部表示手段6は、流量積算手段14が保持する流量積算値ΣΔVと熱量積算手段24が保持する熱量積算値ΣΔQとを表示できるように構成されている。
さらに、ガスメーター1は、外部表示手段6に数値として流量積算値ΣΔVと熱量積算値ΣΔQとのどちらを表示するかを切り替えるための切替手段7を備えている。本実施形態においては、切替手段7は、ガスメーター1外部からの信号を受信する通信手段7aによって構成されている。通信手段7aとしては、公知の有線及び無線通信技術を用いることができる。
以上のような構成により、通信手段7aがガスメーター1外部から、流量積算値ΣΔV又は熱量積算値ΣΔQを表示するように、との信号を受信したタイミングで任意に外部表示手段6の表示を切り替えることができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、単位時間通過体積導出手段13が、特定構造の超音波センサ41により得られる測定値に基づいて単位時間流量を求めるように構成されている場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、単位時間通過体積導出手段13が、その他公知の流量計からの信号に基づいて流速を求めるように構成されても構わない。また、単位時間通過熱量導出手段23が、公知の熱量測定装置からの信号に基づいて熱量を求めるように構成されても構わない。
(1)上記実施形態においては、単位時間通過体積導出手段13が、特定構造の超音波センサ41により得られる測定値に基づいて単位時間流量を求めるように構成されている場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、単位時間通過体積導出手段13が、その他公知の流量計からの信号に基づいて流速を求めるように構成されても構わない。また、単位時間通過熱量導出手段23が、公知の熱量測定装置からの信号に基づいて熱量を求めるように構成されても構わない。
(2)上記実施形態においては、超音波センサ41が一対の伝播時間t1、t2を得るように構成され、音速導出手段21が伝播時間逆数差分法を用いて音速Cを導出するように構成されている場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、超音波センサ41が超音波送受信器51間での一対の周波数を得るように構成され、音速導出手段21がシングアラウンド法を用いて音速Cを導出するように構成されても構わない。
(3)上記実施形態においては、切替手段7として通信手段7aによって構成されている場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、切替手段7は、ガスメーター1本体に備えられた物理的スイッチによって構成されても構わない。
本発明は、各住戸などに設置され、ガス料金の課金のために用いられるガスメーターとして利用可能である。
1 :ガスメーター
2 :ガス
3 :流路
6 :外部表示手段
7 :切替手段
7a :通信手段(切替手段)
11 :流速導出手段
13 :単位時間通過体積導出手段
14 :流量積算手段
21 :音速導出手段
22 :瞬時熱量導出手段
23 :単位時間通過熱量導出手段
24 :熱量積算手段
25 :記憶手段
41 :超音波センサ
42 :温度センサ
51 :超音波送受信器
2 :ガス
3 :流路
6 :外部表示手段
7 :切替手段
7a :通信手段(切替手段)
11 :流速導出手段
13 :単位時間通過体積導出手段
14 :流量積算手段
21 :音速導出手段
22 :瞬時熱量導出手段
23 :単位時間通過熱量導出手段
24 :熱量積算手段
25 :記憶手段
41 :超音波センサ
42 :温度センサ
51 :超音波送受信器
Claims (4)
- 測定対象ガスが流れる流路と、
単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの体積である単位時間通過体積を求める単位時間通過体積導出手段と、
前記単位時間あたりに前記流路を通過する前記測定対象ガスの熱量である単位時間通過熱量を求める単位時間通過熱量導出手段と、
前記単位時間通過体積の積算値である流量積算値を保持する流量積算手段と、
前記単位時間通過熱量の積算値である熱量積算値を保持する熱量積算手段と、
外部に数値を表示可能な外部表示手段と、を備え、
前記外部表示手段が、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成されるガスメーター。 - 一対の超音波送受信器を備え、一方の超音波送受信器から他方の超音波送受信器へ前記測定対象ガスの流れ内を超音波が伝播する伝播時間を前記単位時間ごとに双方向で捉える超音波センサと、
前記測定対象ガスの温度を計測する温度センサと、を備え、
前記超音波センサにより得られる前記一対の伝播時間から、前記測定対象ガスの音速を求める音速導出手段と、前記測定対象ガスの流速を求める流速導出手段とを備え、
前記測定対象ガスの音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標に基づいて、前記音速導出手段により求められた音速から前記測定対象ガスの瞬時熱量を導出する瞬時熱量導出手段を備え、
前記単位時間通過体積導出手段が、前記流速導出手段により求められる流速と前記流路の断面積および前記単位時間から前記単位時間通過体積を求め、
前記単位時間通過熱量導出手段が、前記瞬時熱量と前記単位時間通過体積とに基づいて、前記単位時間通過熱量を求める請求項1に記載のガスメーター。 - 予め熱量が判明し組成の異なる複数の標準ガス各々の音速と熱量との関係として求まる音速−熱量関係指標を記憶する記憶手段を備えた請求項2記載のガスメーター。
- 外部からの信号を受信する通信手段を備え、
前記外部表示手段が、前記通信手段により受信した信号によって、前記数値として前記流量積算値と前記熱量積算値とを切り替え表示可能に構成される請求項1から3の何れか一項に記載のガスメーター。
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000039425A (ja) * | 1998-07-23 | 2000-02-08 | Osaka Gas Co Ltd | ガス物性測定装置及びガス物性測定方法 |
JP2001281031A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-10-10 | Toyo Keiki Co Ltd | 多機能型超音波ガスメータ |
JP2002062178A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-28 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスメータ |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012082085A patent/JP2013210343A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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