JP2013210193A - センサー装置及び測定システム - Google Patents
センサー装置及び測定システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013210193A JP2013210193A JP2012078526A JP2012078526A JP2013210193A JP 2013210193 A JP2013210193 A JP 2013210193A JP 2012078526 A JP2012078526 A JP 2012078526A JP 2012078526 A JP2012078526 A JP 2012078526A JP 2013210193 A JP2013210193 A JP 2013210193A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- measurement
- value
- interface
- circuit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)
Abstract
【課題】測定対象物の界面の位置を測定するセンサー装置において、複数種類のセンサー素子を用いることなく、測定対象物が充填される前の状態に対応する基準点を設定する。
【解決手段】このセンサー装置は、測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、所定の時間間隔でセンサー回路を動作させ、所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御回路とを含む。
【選択図】図3
【解決手段】このセンサー装置は、測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、所定の時間間隔でセンサー回路を動作させ、所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御回路とを含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、水やコンクリート等の測定対象物の界面の位置を測定するセンサー装置に関する。さらに、本発明は、そのようなセンサー装置と、該センサー装置から送信される信号を受信して処理するデータ収集装置(「ホスト装置」ともいう)とによって構成される測定システム等に関する。
例えば、貯水槽に貯められた水の界面の位置(水位)や、型枠内に充填されたコンクリートの界面の位置を測定するために、貯水槽や型枠内に配設された平行2芯ケーブルの平行芯線間の静電容量を計測するセンサー装置が用いられている。特に、コンクリート打設時の充填状況を確認する場合には、バッテリーで動作するアクティブ型のセンサー装置を各所に配置すれば、広い範囲におけるコンクリートの充填状況を連続的に把握することが可能となる。ここで、平行2芯ケーブルは、静電容量センサーとして機能するので、センサーケーブルともいう。
しかしながら、コンクリートを打設する場合には、コンクリートから水分が過剰に失われることを防止するために、コンクリートが打設される場所の周囲に予め散水が行われ、その際に、センサーケーブルに水が付着してしまう。また、コンクリートが打設される前に降雨があった場合にも、同様にセンサーケーブルに水が付着してしまう。
センサーケーブルに水が付着すると、計測値が大きく変動する。従って、測定対象物が充填されていない状態(水位ゼロ)に対応する基準点(「ゼロ点」ともいう)を正確に設定することは、センサー装置の個体差や設置場所等による計測値のばらつきを補正して正確な測定を行うために重要である。
関連する技術として、特許文献1には、水位計が検出した水位計測値のオフセット量を自動補正する水位計装置が開示されている。この水位計装置は、水圧変化を機械的な歪として検出し、その歪みの度合いを水位に変換して計測する水位計と、水位計に対する水平方向設置間隔は水面が動揺しても同水位となる近距離に、垂直方向設置間隔は通常水位と最高水位の間の所望距離に設置されて、水の有無を検知する水検知センサーと、水位計の水位計測値と水検知センサーから水位検知信号を受けたタイミングで予め記憶されている基準水位に対して設置された水検知センサーの垂直方向距離(水位)とを比較し、その差を水位計のオフセット量として求め、それ以降は変動する水位に対して検出した水位計の水位計測量からオフセット量を差し引いて求めた補正値を正しい水位計測値として出力する水位補正演算手段とを備えている。
また、特許文献2には、洗浄槽内の水の水位を検知して所定の水位まで給水する水位センサーにおいて、水位センサーの検知水位ばらつきに影響を受けずに標準状態の所定水位まで給水できるようにする制御装置が開示されている。この制御装置は、洗浄槽内の水の水位を検知する水位センサーと、洗浄槽内への給水を制御する制御手段と、給水開始後水位センサーにより検出した水位の単位時間当りの変化量から標準状態において所定水位に達するまでに要する時間を算出し、実際に水位センサーが所定水位を検知するまでに要した時間との時間差を求める演算手段とを備え、制御手段が、演算手段により求めた時間差に対応した補正周波数を、水位センサーが所定水位を検出する際に判断基準とする周波数に加減し、標準状態の所定水位まで給水するように制御することを特徴とする。
また、特許文献3には、水位センサーが取り付けられた水路管内での水位の過渡的変動による誤差を軽減する水位判定装置が開示されている。この水位判定装置は、被測定液槽の底部に連通し、上方に立上げられた水路管の所定の高さに取り付けた導電率センサーを水位センサーとして用い、該水位センサーにより検出された導電率データに基づいて水位を決定する水位判定装置であって、前回の測定サイクルにおける確定導電率データに9割、今回の測定サイクルにおける読取導電率データに1割の加重平均を施して平滑化した導電率を今回の測定サイクルにおける確定導電率データとする測定サイクルを所定時間間隔毎に複数回繰返し、水路管に水位変動があっても、被測定液槽の水位を最新の確定導電率データに基づいて決定することを特徴とする。
特許文献1の水位計装置は、水位計が検出した水位計測値を水検知センサーの検知結果と関連付けることによってオフセット量を自動補正するものであり、水位計の他に水検知センサーが必要となる。また、特許文献2の水位センサーの制御装置は、洗浄槽内への給水量が一定であることが、測定値を補正するための前提となっている。さらに、特許文献3の水位判定装置によれば、水位の過渡的変動による誤差を軽減できるものの、水位がゼロとなる基準点を求めることはできない。
本発明の幾つかの観点においては、測定対象物の界面の位置を測定するセンサー装置において、複数種類のセンサー素子を用いることなく、測定対象物が充填される前の状態に対応する基準点を設定することが課題となる。
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係るセンサー装置は、測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、所定の時間間隔でセンサー回路を動作させ、所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御回路とを含む。
ここで、制御回路が、所定の回数の計測において計測値が単調減少した後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、単調減少後の計測値の下限値を基準点における計測値として設定するようにしても良い。
また、センサー素子が、絶縁体によって被覆された一対の芯線を有するセンサーケーブルであり、センサー回路が、センサーケーブルの芯線間の静電容量を計測するようにしても良い。その場合に、制御回路が、基準点における計測値に基づいて、センサーケーブルの種類を判定し、測定対象物の界面の位置を算出するために必要なセンサーケーブルの物性値又は定数又はセンサーケーブルの長さを設定するようにしても良い。
さらに、制御回路が、一連の測定を終了した後に、最終的に測定された測定対象物の界面の位置に基づいて、それまでに測定された測定対象物の界面の位置を補正するようにしても良い。以上において、センサー回路が、センサー素子を用いて、水を含む混合物の界面の位置を測定するようにしても良い。
また、本発明の1つの観点に係る測定システムは、(i)測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、センサー回路によって生成されるデータを無線で送信する通信回路とを有するセンサー装置と、(ii)センサー装置から送信されるデータを受信する通信部と、センサー装置において所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御部とを有するデータ収集装置とを含む。
本発明の1つの観点によれば、所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定することにより、複数種類のセンサー素子を用いることなく、測定対象物が充填される前の状態に対応する基準点を設定することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサー装置を含む測定システムの構成例を示す図である。この測定システムは、少なくとも1つのセンサー装置10と、センサー素子としてのセンサーケーブル20と、データ収集装置30とを含んでいる。さらに、測定システムは、携帯端末40又はパーソナルコンピューター50を含んでも良い。
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサー装置を含む測定システムの構成例を示す図である。この測定システムは、少なくとも1つのセンサー装置10と、センサー素子としてのセンサーケーブル20と、データ収集装置30とを含んでいる。さらに、測定システムは、携帯端末40又はパーソナルコンピューター50を含んでも良い。
センサー装置10は、水、又は、水を含む混合物であるフレッシュコンクリート等の測定対象物の界面の位置を測定するために用いられる。また、センサー素子としては、センサーケーブル20の他に、互いに平行に配置された2つの電極等を用いることができる。ただし、少なくとも測定対象物に接触する部分には、絶縁処理を施すことが望ましい。
以下においては、例として、既設の橋脚1に耐震補強を施すために、橋脚1の周囲に型枠2を設け、型枠2内にコンクリート3を充填する場合について説明する。図1においては、型枠2内に充填されたコンクリート3の界面3aの位置を測定するために、型枠2の上部円周上に4つのセンサー装置10が配置されている。各々のセンサー装置10に接続されたセンサーケーブル20は、型枠2内において鉛直線に沿って配設されており、センサーケーブル20の末端は、型枠2の底部に達している。
図2は、図1に示すセンサー装置の測定原理を説明するための図である。図2(a)は、センサーケーブルの周囲に空気が存在する場合を示しており、図2(b)は、センサーケーブルの一部の周囲に液体物質が存在する場合を示している。センサーケーブルは、絶縁体によって被覆された一対の芯線20a及び20bを有する平行2芯ケーブルに末端処理を施したものである。
センサーケーブルの周囲に空気が存在する部分における芯線20a及び20b間の静電容量を1とすると、センサーケーブルの周囲に液体物質が存在する部分における芯線20a及び20b間の静電容量は約80となる。まだ軟らかいフレッシュコンクリートがセンサーケーブルの周囲に存在する場合も、液体物質が存在する場合と同様になる。従って、芯線20a及び20b間の静電容量を計測することにより、液体物質又はコンクリートの界面の位置を算出することができる。
再び図1を参照すると、センサー装置10は、例えば、バッテリー又は発電機を内蔵したアクティブ型のセンサー装置でも良いし、外部から磁界又は電磁界によってエネルギーが供給されて動作するパッシブ型のセンサー装置でも良い。センサー装置10は、センサーケーブル20の芯線間の静電容量を計測して、計測値を表す計測データを生成する。
さらに、センサー装置10は、計測データに基づいて、型枠2内に充填されたコンクリート3の界面3aの位置を算出して、コンクリート3の界面3aの位置を表す位置データを生成しても良い。センサー装置10は、計測データ又は位置データを、計測時刻に関する計時データと共に、データ収集装置30に無線で送信する。
データ収集装置30は、アンテナ30aを有しており、センサー装置10から送信されるデータを受信して処理し、測定結果を表すデータを生成する。携帯端末40又はパーソナルコンピューター50は、無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)や有線LAN等のネットワークを介してデータ収集装置30との間で通信を行うことにより、データ収集装置30から供給されるデータに基づいて測定結果を表示する。このようにして、広い範囲におけるコンクリートの充填状況を連続的に把握することができる。
図3は、図1に示すセンサー装置の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、センサー装置10は、センサー回路11と、計時回路12と、制御回路13と、記憶回路14と、通信回路15とを含んでいる。また、センサー装置10は、温度センサー16をさらに含んでも良い。
センサー回路11には、センサーケーブル20が接続される。センサー回路11は、センサーケーブル20の芯線間の静電容量を計測して、計測値を表す計測データを生成する。例えば、センサー回路11は、センサーケーブル20の芯線間の静電容量によって発振周波数が変化するRC(Resistor−Capacitor)発振回路と、RC発振回路の発振周期の整数倍の期間においてクロック信号のパルスの数をカウントするカウンターとを含んでおり、カウント値を表す計測データを生成する。このカウント値は、センサーケーブル20の芯線間の静電容量と所定の関係を有しているので、カウント値に基づいて、液体物質又はコンクリートの界面の位置を算出することができる。
計時回路12は、例えば、水晶振動子等を用いて発振動作を行う発振回路を含んでおり、発振回路によって生成されるクロック信号に基づいて時刻を計測して、計時データを生成する。また、計時回路12は、センサー回路11にクロック信号を供給する。
制御回路13は、予め設定されたプログラムに従って、センサー装置10の各回路を制御する。また、制御回路13は、センサー回路11によって生成される計測データを、計時回路12によって生成される計時データに対応付けて、記憶回路14に格納する。記憶回路14は、メモリー等によって構成される。さらに、制御回路13は、計測データに基づいて、測定対象物の界面の位置を算出して、位置データを生成しても良い。
通信回路15は、アンテナを有しており、図1に示すデータ収集装置30との間で無線通信を行うことにより、計測データ又は位置データ、及び、計時データを含む測定情報を、それぞれのセンサー装置に割り当てられた固有の識別子(ID)を表す識別子情報と共に、データ収集装置に送信する。
温度センサー16が設けられている場合には、制御回路13は、温度センサー16によって感知された温度に応じて、計測値(カウント値)を補正しても良い。RC発振回路の発振周波数は、温度によって変化するからである。
このようなセンサー装置10を用いてコンクリート等の測定対象物の界面の位置を測定する際に、散水や降雨によってセンサーケーブルに水が付着すると、計測値が大きく変動してしまう。従って、測定対象物が充填される前の状態(水位ゼロ)に対応する基準点(「ゼロ点」ともいう)を正確に設定することは、センサー装置10の個体差や設置場所等による計測値のばらつきを補正して正確な測定を行うために重要である。
図4は、乾燥状態のセンサーケーブルが濡れてから乾く過程におけるカウント値の変化を示す図である。図4において、横軸は測定時刻を表し、縦軸はカウント値を表している。この測定は、気温約27℃、相対湿度56%の条件下で、全長9m(センシング長8m)のセンサーケーブルを用いて行われた。
図4に示すように、14時頃において、乾燥状態のセンサーケーブルを濡らすと、センサーケーブルの芯線間の静電容量が増加して、RC発振回路の発振周波数が低下し、発振周期が長くなる。従って、RC発振回路の発振周期の整数倍の期間においてクロック信号のパルスの数をカウントすると、カウント値が増加する。
その後、センサーケーブルを空中に放置すると、センサーケーブルが乾くにつれて、カウント値が減少する。濡れたセンサーケーブルを空中に放置してから1時間程度が経過する間に、ほぼ乾燥状態とみなせる程度にまでカウント値が低下して行くことが分かる。ただし、カウント値が一定になるまでには到らない。
この実験からも分かるように、センサーケーブルが濡れているときには、センサーケーブルが乾燥状態にあるときのカウント値に対して、大きなオフセットが付加されることになる。従って、センサーケーブルが濡れているときのカウント値を基準として測定対象物の界面の位置を算出すると、測定結果が不正確になってしまう。
そこで、図3に示す制御回路13は、測定システムが起動されると、計時回路12によって得られる計時データに基づいて、所定の時間間隔(例えば、10分間隔)でセンサー回路11を動作させる。そして、制御回路13は、所定の回数(例えば、6回)の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する(キャリブレーション)。キャリブレーション後の測定において、制御回路13は、基準点における計測値に対応する測定対象物の界面の位置を基準位置(高さゼロ)として、測定対象物の界面の位置を算出する。
例えば、図4において、カウント値の10分当りの変化が200カウント以内となったときに、そのときのカウント値(約1,098,000)を、基準点におけるカウント値として設定しても良い。その場合には、基準点におけるカウント値(約1,098,000)に対応する測定対象物の界面の位置を基準位置(高さゼロ)として、測定対象物の界面の位置が算出される。
あるいは、制御回路13は、所定の回数の計測において計測値が単調減少した後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、単調減少後の計測値の下限値を基準点における計測値として設定しても良い。一方、制御回路13は、所定の回数の計測において計測値が単調増加したり、増減している場合に、センサーケーブルがまだ濡れていて基準点を設定できない旨の警告を送信するように通信回路15を制御しても良い。
また、制御回路13は、所定の回数の計測における複数の計測値の最大値及び最小値と、最大値及び最小値が得られた時刻と、それらの計測値の変化量の平均値とを求めても良い。その場合に、制御回路13は、それらの計測値の最大値、最小値、及び、変化量の平均値が所定の範囲に収まったときに、それらの計測値の最小値を基準点における計測値として設定する。
このようにして基準点が設定されると、制御回路13は、キャリブレーション後の測定によって得られる計測値から基準点における計測値を差し引いて差分の計測値を求め、差分の計測値に基づいて、測定対象物の界面の位置を算出しても良い。あるいは、制御回路13は、基準点における計測値に基づいて測定対象物の界面の位置(キャリブレーション位置)を算出し、キャリブレーション後の測定によって得られる計測値に基づいて算出される測定対象物の界面の位置からキャリブレーション位置を差し引いて、測定対象物の界面の位置を算出しても良い。
次に、静電容量の計測値に基づいて測定対象物の界面の位置を算出する原理について説明する。例えば、センサー回路11によって得られる計測値に基づいてRC発振回路の発振周波数fが特定されると、発振周波数fに基づいてセンサーケーブル20の芯線間の静電容量cが、次式(1)によって特定される。なお、センサーケーブル20の芯線間の静電容量cと共に発振周波数fを決定する抵抗値をrとする。
c=1/(2πf・r) ・・・(1)
c=1/(2πf・r) ・・・(1)
また、センサーケーブル20の芯線間の静電容量cは、測定対象物に接触している部分の静電容量c1と、空気に接触している部分の静電容量c2との和であるから、次式(2)が成立する。
c=c1+c2 ・・・(2)
c=c1+c2 ・・・(2)
ここで、センサーケーブル20の芯線が幅wを有する電極であり、一対の電極が距離dで対向していると仮定すると、次式(3)及び(4)が成立する。なお、測定対象物の比誘電率をε1とし、空気の比誘電率をε2とし、センサーケーブル20の全長をhとし、測定対象物の界面の位置をyとする。
c1=ε1・y・w/d ・・・(3)
c2=ε2・(h−y)・w/d ・・・(4)
c1=ε1・y・w/d ・・・(3)
c2=ε2・(h−y)・w/d ・・・(4)
以上の式(1)〜(4)から、測定対象物の界面の位置yを求めることができる。ただし、このようなアルゴリズムで位置yを求めるのではなく、センサー回路11によって得られるカウント値に比例定数を掛けることによって、カウント値から測定対象物の界面の位置を換算式又は換算表により求めても良い。
あるいは、近似多項式を用いた数値計算によって、カウント値から測定対象物の界面の位置yを求めても良い。カウント値をxとすると、測定対象物の界面の位置yは、例えば、次式(5)によって近似される。
y=Ax2+Bx+C ・・・(5)
ここで、A、B、Cは定数である。
y=Ax2+Bx+C ・・・(5)
ここで、A、B、Cは定数である。
図5は、式(5)によって近似されるカウント値と測定対象物の界面の位置との関係を示す図である。図5において、横軸は、センサー回路11によって得られるカウント値を表しており、縦軸は、測定対象物の界面の位置(m)を表している。ただし、図5においては、基準位置に対応するカウント値をゼロとする校正が行われている。
ところで、幾つかの異なる長さを有する複数種類のセンサーケーブルが存在しており、それぞれのセンサーケーブルが固有の物性値(例えば、単位長さ当りの静電容量値)を有する。従って、計測値に基づいて測定対象物の界面の位置を求める際には、センサーケーブルの種類に応じて、物性値又は式(5)等における定数を設定しなければならない。この設定は、図1に示すデータ収集装置30を用いてマニュアルで行っても良いが、本実施形態においては、図3に示すセンサー装置10が行うこともできる。また、センサーケーブルの長さの違いによる種類判別を行っても良い。例えば、センシング長が4mのセンサーケーブルと、センシング長が8mのセンサーケーブルとがあった場合に、どちらのセンサーケーブルが使用されているのかをセンサー装置10が判別することができる。
図3を参照すると、記憶回路14には、複数種類のセンサーケーブルについて、乾燥状態のセンサーケーブルを使用した場合の計測値の範囲と、センサーケーブルの物性値又は定数とが、対応して格納されている。制御回路13は、基準点における計測値に基づいて、実際に接続されているセンサーケーブル20の種類を判定し、測定対象物の界面の位置を算出するために必要なセンサーケーブル20の物性値又は定数を設定する。
即ち、制御回路13は、センサーケーブル20がほぼ乾燥状態にあると判定されたときの計測値(基準点における計測値)を、記憶回路14に格納されている複数の計測値の範囲と比較する。これにより、制御回路13は、基準点における計測値がどの範囲に属するかを判定して、計測値が属する範囲に対応するセンサーケーブルの物性値又は定数を読み出すことができる。
図6は、測定対象物の界面の位置に対するカウント値のばらつきを示す図である。図6において、横軸は、測定対象物の界面の位置(m)を表しており、縦軸は、20個のセンサー装置によって計測されたカウント値を表している。図6に示すように、測定対象物の界面の位置がゼロであっても、20個のセンサー装置によって得られるカウント値はばらついている。
図7は、図6に示す関係を基準点に基づいて校正した結果を示す図である。図7においては、基準位置に対応するカウント値をゼロとする校正が行われている。また、近似多項式1及び近似多項式2を用いて算出された近似曲線も示されている。このように、個々のセンサー装置に適合する定数を設定することにより、近似多項式を用いて正確な測定を行うことができる。
図3に示す制御回路13は、一連の測定を終了した後に、最終的に測定された測定対象物の界面の位置に基づいて、それまでに測定された測定対象物の界面の位置を補正するようにしても良い。例えば、最終的に測定された測定対象物の界面の位置の値が、測定対象物の正しい最終の界面の位置の値と一致するように、測定の計算値を補正することによって、さらに正確な測定結果を得ることが可能である。
図8は、図1に示すデータ収集装置の構成例を示すブロック図である。データ収集装置30は、通信回路31と、操作部32と、制御部33と、格納部34と、表示部35と、インターフェース36とを含んでいる。
通信回路31は、アンテナ30aに接続されており、センサー装置との間で通信を行う。例えば、通信回路31は、各種の命令を識別子情報と共にセンサー装置に送信する。また、通信回路31は、センサー装置から送信される測定情報及び識別子情報を受信する。操作部32は、オペレーターがデータ収集装置30を操作するために用いられる。
制御部33は、操作部32を用いるオペレーターの操作に従って測定システム全体の動作を制御すると共に、複数のセンサー装置によって得られる測定情報を統合する。また、制御部33は、通信回路31によって受信される測定情報を処理して、測定結果を表すデータを生成し、生成したデータをセンサー装置の識別子情報に対応付けて格納部34に格納する。制御部33は、CPU(中央演算装置)とソフトウェア(制御プログラム)とによって構成されても良いし、ディジタル回路で構成されても良い。制御プログラムは、ハードディスク又はメモリー等によって構成される格納部34に格納される。
表示部35は、測定結果を表すデータに基づいて、測定結果を表す画像を表示する。また、インターフェース36は、ネットワークを介して、測定結果を表すデータを図1に示す携帯端末40又はパーソナルコンピューター50に送信する。これにより、携帯端末40又はパーソナルコンピューター50も、測定結果を表す画像を表示することができる。
上記の実施形態においては、図3に示すセンサー装置10の制御回路13が測定対象物の界面の位置を算出する場合について説明したが、これに替えて、図8に示すデータ収集装置30の制御部33が測定対象物の界面の位置を算出しても良い。その場合には、センサー装置10において所定の回数の計測が行われた後に、制御部33が、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する。
同様に、制御部33が、基準点における計測値に基づいて、センサーケーブルの種類を判定し、測定対象物の界面の位置を算出するために必要なセンサーケーブルの物性値又は定数を設定しても良い。また、制御部33が、一連の測定を終了した後に、最終的に測定された測定対象物の界面の位置に基づいて、それまでに測定された測定対象物の界面の位置を補正しても良い。本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
1…橋脚、2…型枠、3…コンクリート、3a…コンクリートの界面、10…センサー装置、11…センサー回路、12…計時回路、13…制御回路、14…記憶回路、15…通信回路、16…温度センサー、20…センサーケーブル、20a、20b…芯線、30…データ収集装置、30a…アンテナ、31…通信回路、32…操作部、33…制御部、34…格納部、35…表示部、36…インターフェース、40…携帯端末、50…パーソナルコンピューター
Claims (7)
- 測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、
所定の時間間隔で前記センサー回路を動作させ、所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御回路と、
を含むセンサー装置。 - 前記制御回路が、所定の回数の計測において計測値が単調減少した後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、単調減少後の計測値の下限値を基準点における計測値として設定する、請求項1記載のセンサー装置。
- 前記センサー素子が、絶縁体によって被覆された一対の芯線を有するセンサーケーブルであり、前記センサー回路が、前記センサーケーブルの芯線間の静電容量を計測する、請求項1又は2記載のセンサー装置。
- 前記制御回路が、基準点における計測値に基づいて、前記センサーケーブルの種類を判定し、測定対象物の界面の位置を算出するために必要な前記センサーケーブルの物性値又は定数又は前記センサーケーブルの長さを設定する、請求項3記載のセンサー装置。
- 前記制御回路が、一連の測定を終了した後に、最終的に測定された測定対象物の界面の位置に基づいて、それまでに測定された測定対象物の界面の位置を補正する、請求項1〜4のいずれか1項記載のセンサー装置。
- 前記センサー回路が、前記センサー素子を用いて、水を含む混合物の界面の位置を測定する、請求項1〜5のいずれか1項記載のセンサー装置。
- 測定対象物の界面の位置を測定するために、センサー素子の静電容量を計測して計測値を表すデータを生成するセンサー回路と、前記センサー回路によって生成されるデータを無線で送信する通信回路とを有するセンサー装置と、
前記センサー装置から送信されるデータを受信する通信部と、前記センサー装置において所定の回数の計測が行われた後に、計測値の単位時間当りの変化が閾値以内となったときに、計測値に基づいて基準点を設定する制御部とを有するデータ収集装置と、
を含む測定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012078526A JP2013210193A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | センサー装置及び測定システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012078526A JP2013210193A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | センサー装置及び測定システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013210193A true JP2013210193A (ja) | 2013-10-10 |
Family
ID=49528169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012078526A Pending JP2013210193A (ja) | 2012-03-30 | 2012-03-30 | センサー装置及び測定システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013210193A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017223498A (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | ローム株式会社 | 流動体の表面位置検出装置およびセンサ情報送信装置 |
WO2020059866A1 (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | 株式会社 潤工社 | 液体検知システム |
CN113155234A (zh) * | 2021-04-25 | 2021-07-23 | 上海钛米机器人股份有限公司 | 液面检测系统、方法、装置、计算机设备及可读存储介质 |
KR102302663B1 (ko) * | 2021-01-21 | 2021-09-14 | 주순기 | 하이브리드 센싱 케이블 기반 센싱 시스템 |
CN118392270A (zh) * | 2024-05-28 | 2024-07-26 | 徐州工程学院 | 一种桶装水水位提示装置和水位提示方法 |
-
2012
- 2012-03-30 JP JP2012078526A patent/JP2013210193A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017223498A (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | ローム株式会社 | 流動体の表面位置検出装置およびセンサ情報送信装置 |
WO2020059866A1 (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | 株式会社 潤工社 | 液体検知システム |
JPWO2020059866A1 (ja) * | 2018-09-20 | 2021-10-21 | 株式会社潤工社 | 液体検知システム |
KR102302663B1 (ko) * | 2021-01-21 | 2021-09-14 | 주순기 | 하이브리드 센싱 케이블 기반 센싱 시스템 |
CN113155234A (zh) * | 2021-04-25 | 2021-07-23 | 上海钛米机器人股份有限公司 | 液面检测系统、方法、装置、计算机设备及可读存储介质 |
CN118392270A (zh) * | 2024-05-28 | 2024-07-26 | 徐州工程学院 | 一种桶装水水位提示装置和水位提示方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2013210193A (ja) | センサー装置及び測定システム | |
CA2823053C (en) | Grain bin capacitive moisture sensor system | |
CA2821610C (en) | Grain bin capacitive moisture sensor system and method | |
CA2933495C (en) | Non-intrusive temperature measurement assembly | |
US8408787B2 (en) | Process temperature transmitter with improved temperature calculation | |
KR101179232B1 (ko) | 휴대용 피부 수분 자동 측정 장치 그 방법 | |
JP2018105850A5 (ja) | 非接触測定システムおよび操作方法 | |
KR101125785B1 (ko) | 콘크리트 양생관리를 위한 무선 온습도 계측 장치 | |
ES2688394T3 (es) | Procedimiento para medir un valor de capacidad | |
JP6047692B2 (ja) | 水分検出装置、電気伝導度検出装置、センサネットワークシステム、プログラム、水分検出方法および電気伝導度検出方法 | |
CA1266299A (en) | Technique for the measurement of high purity water | |
CN110044977A (zh) | 一种砂石骨料含水率检测装置及方法 | |
BR102016023946B1 (pt) | Dispositivo de monitoramento para um descarregador de sobretensão e sistema de monitoramento que compreende o dispositivo de monitoramento | |
US20200158554A1 (en) | Method for process monitoring | |
CN117405075B (zh) | 一种智能沉降监测方法及系统 | |
CN109884341B (zh) | 风速测量的压差零点值自动校准的方法及系统 | |
JP6338238B2 (ja) | コンクリート体の塩化物濃度測定システム及びコンクリート体の塩化物濃度測定方法 | |
CN110988038B (zh) | 一种土壤水分特征线测量装置及其测量方法 | |
CN108919063B (zh) | 一种基于电容修正原理的电场遥测系统及方法 | |
CN207452498U (zh) | 一种洗衣机内水温检测装置 | |
Varga et al. | Measurement of capacitive sensor with Arduino | |
CN114414009B (zh) | 料位测量系统校准方法、装置、料位测量系统和搅拌站 | |
SU746273A1 (ru) | Способ контрол работоспособности подогревного электролитического первичного преобразовател влажности газов | |
JP5608465B2 (ja) | 抵抗値判定装置 | |
CN112066944A (zh) | 基于现场监测的建筑物健康监测系统及监测方法 |