JP2013205606A - 電気光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品位な表示をする電気光学装置を提供すること。
【解決手段】電気光学装置150は、画素電極22と、対向電極23と、隔壁26にて区画された細孔27と、スペーサー28と、を有する。細孔27は、画素電極22と対向電極23との間に設けられ、細孔27内には、流体と帯電した電気泳動粒子24とが配置されている。スペーサー28は隔壁26と対向電極23とを離間している。電気泳動粒子24を細孔27内で画素電極22と対向電極23との間で電気泳動させる。電気泳動粒子24を表示面側に集めると電気泳動粒子24の色が表示され、電気泳動粒子24を表示面から遠ざけると黒が表示される。従って、一種類の電気泳動粒子24で明表示と暗表示とを切り替える事ができ、低電圧で容易にコントラスト比を大きくする事が可能になる。更に表示された画像も長期間維持される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気光学装置の技術分野に関する。
電気光学装置の一例としては、特許文献1に記載されている様に、電気泳動表示装置が知られている。電気泳動表示装置では、分散液を挟んで対向する画素電極及び共通電極間に電圧を印加して、帯電した黒粒子や白粒子等の電気泳動粒子を移動させる事で表示部に画像を形成している。具体的には、例えば、黒粒子が負に帯電し、白粒子が正に帯電し、表示面側に共通電極を設けた場合、白表示をする画素では画素電極の電位を共通電極の電位よりも高くした状態を維持して、白粒子を共通電極側に集めていた。反対に、黒表示をする画素では画素電極の電位を共通電極の電位よりも低くした状態を維持して、黒粒子を共通電極側に集めていた。
特開2009−145873号公報
しかしながら、従来の電気泳動表示装置では、白表示と黒表示とのコントラスト比が低いという課題が有った。白表示は真っ白で、黒表示は真っ黒となるのが理想であるが、実際は白表示させても灰色掛かった白となり、白表示の反射率は46%程度しかなかった。又、黒表示は白み掛かった黒となり、黒表示の反射率は6.9%程度で有った。この結果、白反射率と黒反射率の比(コントラスト比)は6.7程度となっていた。
又、電気泳動表示装置の特徴は、電界を取り除いた後も表示された画像を保持する保持性にあるが、従来の電気泳動表示装置では、この保持性が悪いとの課題があった。即ち、画像書き込み後、電界を取り除いて10分もすると、白反射率は低下し、黒反射率は上がっていた。例えば、黒表示を保持させたい場合、電界を取り除いてから1分後の反射率は6.9%(明度指数L=31.58)程度であるが、それが10分後には反射率は12.2%(明度指数L=41.52)程度に上昇し、明度指数の差はΔL=9.94にもなっていた。換言すると、従来の電気泳動表示装置では高い画像品位を得る事が困難であり、更に表示された画像を長時間維持できないという課題が有った。
本発明は、前述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる電気光学装置は、隔壁にて区画された細孔と、画素電極と、対向電極と、スペーサーと、を有し、細孔は、前記画素電極と前記対向電極との間に設けられ、細孔内には、流体と帯電した電気泳動粒子とが配置され、スペーサーは隔壁と対向電極との間を離間している事を特徴とする。
この構成によれば、電気泳動粒子を細孔内で画素電極と対向電極との間で電気泳動させる事ができる。対向電極側が表示面となる場合、電気泳動粒子を対向電極側に集めると電気泳動粒子の色が表示される事になる(明表示と称する)。その一方で、電気泳動粒子を画素電極側に集めると、使用者は細孔の開口部を主として見ることになるが、細孔への入射光は細孔に閉じ込められ、その開口部は暗く(黒く)なる。こうして黒が表示される事になる(暗表示と称する)。従って、この構成によれば、一種類の電気泳動粒子で明表示と暗表示とを切り替える事ができる。更に、明表示の際に電気泳動粒子が隔壁を覆い隠すので、明表示に隔壁の色が混ざることなく、電気泳動粒子が有する色を純粋に表示する事ができる。加えて、細孔に配置する電気泳動粒子が一種類なので、製造は極めて容易となる。しかも二種類の粒子がクーロン力でカップリングする事がないので(二種類の粒子を分離する必要がないので)、低電圧で容易に且つ明瞭に明表示と暗表示とを切り替える事(低電圧で容易にコントラスト比を大きくする事)ができ、表示された画像も長期間維持される。即ち、低消費電力で品質の高い画像を表示でき、しかもその表示された高品位画像を長期間維持する事が可能となる。
(適用例2) 上記適用例に係わる電気光学装置において、細孔の深さdに対する径Wbの比(アスペクト比)をαにて表し、隔壁の反射率(隔壁反射率)をβWにて表し、電気泳動粒子の反射率(粒子反射率)をβPにて表した際に、アスペクト比αと隔壁反射率βWと粒子反射率βPとは、数式1の関係式を満たす事が好ましい。
Figure 2013205606
この構成によれば、暗表示反射率を小さくし、コントラスト比を大きくする事ができる。即ち、高品位の画像を表示する電気光学装置を実現できる。
(適用例3) 上記適用例に係わる電気光学装置において、アスペクト比αは0.5未満である事が好ましい。
この構成によれば、どんな色の電気泳動粒子であっても、コントラスト比Cを従来よりも大きくする事ができる。即ち、高品位の画像を表示する電気光学装置を実現できる。
(適用例4) 上記適用例に係わる電気光学装置において、アスペクト比αは0.2未満である事が好ましい。
アスペクト比αが0.2未満となると、コントラスト比は急激に向上するので、この構成によれば、高いコントラスト比を実現する事ができる。
(適用例5) 上記適用例に係わる電気光学装置において、隔壁の幅Wtと細孔の径Wbとの和に対する細孔の径Wbの比(開口率γ)が0.3以上である事が好ましい。
開口率γが0.3以上あれば、コントラスト比は10程度以上となるので、この構成によれば、従来よりも表示品質が極めて高い電気光学装置を実現できる。
(適用例6) 上記適用例に係わる電気光学装置において、開口率γが0.8以上である事が好ましい。
開口率γが0.8以上となると、コントラスト比は急激に向上するので、この構成によれば、高いコントラスト比を実現する事ができる。
(適用例7) 上記適用例に係わる電気光学装置において、隔壁の屈折率は流体の屈折率よりも大きい事が好ましい。
この構成によれば、隔壁に照射された光は必ず一部が吸収されるので、細孔からの反射光は著しく減少する。即ち、暗表示時の反射率を小さくでき、コントラスト比が高い高品位の画像を表示する電気光学装置を実現できる。
(適用例8) 上記適用例に係わる電気光学装置において、隔壁は染料又は顔料を含む事が好ましい。
この構成によれば、隔壁での吸収が大きくなり、細孔からの反射光は著しく減少する。即ち、暗表示時の反射率を小さくでき、コントラスト比が高い高品位の画像を表示する電気光学装置を実現できる。
(適用例9) 上記適用例に係わる電気光学装置において、電気泳動粒子は白色である事が好ましい。
この構成によれば、コントラスト比が高く、表示された画像を長期間維持可能な白黒表示装置を実現できる。
(適用例10) 上記適用例に係わる電気光学装置において、画素電極は第一画素電極と第二画素電極とを少なくとも含み、第一画素電極に配置される電気泳動粒子の色と、第二画素電極に配置される電気泳動粒子の色と、が異なる事が好ましい。
この構成によれば、第一画素電極が配置された画素と、第二画素電極が配置された画素とで、赤緑青白などの異なった色を表示させる事ができるので、美しいカラー画像を表示する電気光学装置を実現できる。
(適用例11) 上記適用例に係わる電気光学装置において、細孔は、平面視にて六角形である事が好ましい。
この構成によれば、平面的な開口率γを高くする事できるので、コントラスト比が高い高品位な画像を表示する電気光学装置を実現できる。
実施形態1における電子機器の斜視図。 実施形態1に係わる電気光学装置の構成を説明する平面図。 実施形態1に係わる電気光学装置の構成を説明する断面図。 細孔の断面を説明する図。 暗表示反射率とアスペクト比との関係を示す図。 コントラスト比とアスペクト比との関係を示す図。 コントラスト比と開口率との関係を示す図。 実施形態1に係わる電気光学装置の回路ブロック構成図。 電子ペーパーの構成を示す斜視図。 電子ノートの構成を示す斜視図。 実施形態2に係わる電気光学装置の一例を説明する図。 実施形態2に係わる電気光学装置の一例を説明する断面図。 実施形態2に係わる電気光学装置の製造工程の一部を説明する断面図。 実施形態2に係わる電気光学装置の製造工程の一部を説明する断面図。 実施形態2に係わる電気光学装置の製造工程の一部を説明する断面図。 変形例1に係わる電気光学装置の構成を説明する平面図。 変形例1に係わる電気光学装置の構成を説明する断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
「電子機器の概要」
先ず、実施形態1に係わる電子機器と電気光学装置との概要を、図1と図2とを参照して説明する。
図1は本実施形態における電子機器の斜視図である。図1に示す様に、本実施形態に係わる電子機器100は、電気光学装置150と、電子機器100を操作するためのインターフェイスとを備えている。インターフェイスとは、具体的には操作部120で、スイッチなどから構成される。電気光学装置150は表示領域10を有するディスプレイモジュールである。表示領域10は複数の画素20(図2参照)から成り、これらの画素20が電気的に制御される事で表示領域10に画像が表示される。
図2は本実施形態に係わる電気光学装置の構成を説明する平面図である。図2に示す様に、表示領域10には複数個の画素20が行列状に規則的に配置されている。同時に、表示領域10には隔壁26で区画された細孔27も設けられている。細孔27は隔壁26にて区画されており、細孔27は平面視で画素20よりも小さく、一つの画素20には少なくとも一つの細孔27が配置される。図2では、一つの画素20に9つの細孔27が描かれているが、実際には、一つの画素20に多くの細孔27が配置される。細孔27のサイズに関しては後述する。細孔27内には、不図示の分散液が充填されている。分散液とは、帯電した電気泳動粒子24(図3参照)が流体に分散された液体である。電気泳動粒子24は正又は負に帯電しており、固有の色を呈している。各画素20に於いて、こうした分散液に適当な電界を印加して電気泳動粒子24を電気泳動させる事で、画素20毎に表示状態が制御され、表示領域10に所望の画像が表示される。表示領域10の内部や外側には、枠状もしくは線状、或いは点状のスペーサー28が設けられている。スペーサー28に関しては後に詳述するが、本実施形態では、表示領域の外側にスペーサー28が枠状に設けられている。
尚、図2では、細孔27も画素20も四角形で描いてあるが、画素20の形状も細孔27の形状も四角形に限られない。又、図2では細孔27をなす辺と画素20をなす辺とが平行であるが、これらの辺も平行でなくても構わない。更に、図2では細孔27は規則的に配列されているが、細孔27の形状は不定形であっても構わず、その配列も不規則であっても構わない。表示領域10を細孔27と隔壁26とで覆い尽くし、細孔27が画素20よりも小さければ、細孔27の形状や配列に特別の制限はない。又、画素20のサイズは典型的には25μm程度から250μm程度と小さく、図2に示す枠状のスペーサー28の幅は0.5mm程度から10mm程度と太いが、図2では、説明を判り易くする為に異なった縮尺で画素20やスペーサー28などを描いてある。
「電気光学装置の構造」
図3は本実施形態に係わる電気光学装置の構成を説明する断面図である。次に、図3を用いて、本実施形態に係わる電気光学装置150の構造を説明する。
電気光学装置150は、第一基板80と、第一基板80に対面する第二基板90と、第一基板80と第二基板90とを一定の距離に保つスペーサー28と、を有する。第一基板80で表示領域10となる領域には、画素20(明表示画素20Bや暗表示画素20D)毎に画素電極22と画素回路とが形成され、画素回路には画素スイッチング用薄膜トランジスター21が用いられている。第二基板90にはほぼ全面に対向電極23が形成されている。両基板間には、隔壁26で区画された細孔27が設けられ、細孔27の深さ方向は第一基板80と第二基板90とにほぼ直交している。即ち、画素20に配置された細孔27では、ホース状の細孔27の一方の開口部は画素電極22に接し、他方の開口部は対向電極23に面している。スペーサー28は第一基板80と第二基板90との距離を隔壁26の高さ(細孔27の深さd)よりも大きく保っているので、隔壁26は、その底面が第一基板80の表面に当接して形成される一方、隔壁26の上面と第二基板90との間には空隙29が形成されている。言い換えると、スペーサー28は隔壁26と対向電極23との間を離間している。この離間されている空間を空隙29と称する。
細孔27の内部と空隙29とには分散液が充填されている。分散液に含まれる電気泳動粒子24は帯電しているので、画素電極22と対向電極23との間で電気泳動する事が可能になる。第二基板90は透明で、使用者は第二基板90側から電気光学装置150を見る。本実施形態では、一例として、電気泳動粒子24は白色で第一極性(正、プラス)に帯電しているものとする。又、使用者が電気泳動粒子24の色を見る場合を明表示と称し、細孔27の対向電極側の開口部を見る場合を暗表示と称する。従って、例えば、明表示(白表示)をさせるには、図3の明表示画素20Bに示される様に、画素電極22の電位を対向電極23の電位よりも高くして、電気泳動粒子24を対向電極23側に集める。反対に暗表示(黒表示)させるには、図3の暗表示画素20Dに示される様に、画素電極22の電位を対向電極23の電位よりも低くして、電気泳動粒子24を画素電極22側に集める。細孔27はトンネルや洞窟の様に入射光を僅かしか出射しないので、細孔27の対向電極23側の開口部は黒くなる。この様にして明表示と暗表示とを切り替え、表示領域10に所望の画像を表示させる。
スペーサー28は表示領域10の外側を枠状に囲み、分散液を表示領域10の内側に封止している。スペーサー28は紫外線硬化樹脂(本実施形態では紫外線硬化型エポキシ樹脂)に真球状のプラスチック微粒子が分散されている。プラスチック微粒子の粒径は600μm±10μmで、隔壁26の上面と第二基板90との間(空隙29)の距離を、平均すると、30μmに保っている。スペーサー28は隔壁26の上面と第二基板90との間(空隙29)の距離を5μmから50μm程度とする様に形成される。即ち、スペーサー28が表示領域10の外側を枠状に囲む場合、スペーサー28は隔壁26よりも5μmから50μm程度高くなる様に形成される。
隔壁26は、その屈折率は分散液をなす流体の屈折率よりも大きくし、且つ、流体に対して安定な材料にて形成する。流体に対して安定とは、流体に隔壁26が溶解せず、又、流体により隔壁26が膨潤したり、クラックが発生したりする事態も発生しない事を意味する。これは隔壁26での入射光の全反射を防ぎ、隔壁26に達した光の一部は必ず吸収される様にすると共に、電気光学装置150の寿命を長く保つ為である。これにより、細孔27からの反射光(出射光)は著しく低減され、暗表示時の反射率を小さくする事ができる。一例としては、ナトリウムD線(589nm)における屈折率が1.5以下である有機溶剤を流体として使用し、ナトリウムD線(589nm)における屈折率が1.5以上の樹脂や固体で隔壁を築くのが好ましい。こうした有機溶剤の例として、シリコーンオイル(屈折率1.40)や、アセトン(屈折率1.36)、シクロヘキサン(屈折率1.43)、ドデシルベンゼン(屈折率1.48)、トルエン(屈折率1.50)、キシレン(屈折率1.50)、イソパラフィン系溶剤(屈折率1.44)などの単体、或いはこれらを主として含む混合溶剤などがあげられる。一方、隔壁26は流体の屈折率よりも大きい屈折率を持つ固体で形成する。一例としては、隔壁26として、ナトリウムD線(589nm)における屈折率が1.5以上である樹脂を使用するのが好ましい。こうした樹脂の一例としては、ポリエチレン(屈折率1.51)や、ポリウレタン(屈折率1.50から1.55)、ポリエステル(屈折率1.52から1.57)、ポリスチレン(屈折率1.60)、塩化ビニル樹脂(屈折率1.54から1.55)、メラミン樹脂(屈折率1.6)、塩化ビニリデン樹脂(屈折率1.61)、エポキシ樹脂(屈折率1.55から1.61)などである。隔壁の材料としてはこの他にもアクリル樹脂(アクリル酸エステル樹脂又はメタクリル酸エステル樹脂の重合体、屈折率1.49)など様々な樹脂を使用する事ができる。この場合も流体は、その屈折率が隔壁26よりも小さくなり、且つ隔壁26を溶かさぬ溶剤とする。例えば、メタクリル酸メチル樹脂(屈折率1.49)で隔壁26を築いた場合、流体には、シリコーンオイル(屈折率1.40)やアセトン(屈折率1.36)、シクロヘキサン(屈折率1.43)、ドデシルベンゼン(屈折率1.48)など屈折率が1.49未満の溶剤を用いる事ができる。これらの溶剤の内で、アセトンはメタクリル酸メチル樹脂を溶解するので、メタクリル酸メチル樹脂で隔壁26を築いた場合、流体には、シリコーンオイルやシクロヘキサン、ドデシルベンゼンなどを用いるのが好ましい。
隔壁26は染料又は顔料を含んでいても良い。染料や顔料を含むと隔壁26での反射率が低下するので、細孔27からの反射光は著しく減少するからである。又、こうした染料や顔料の屈折率は2程度以上有るので、上述の樹脂に混合すると、隔壁26の屈折率は更に大きくなる。或いは隔壁26に使用する樹脂の選択肢を更に広げる事ができる。例えば、酢酸ビニル樹脂(屈折率1.45から1.47)やメタクリル酸メチル樹脂(屈折率1.49)など、屈折率が1.5未満の樹脂も使用する事ができる。これは染料や顔料を含んだ隔壁26の屈折率(染料や顔料と樹脂との合成屈折率)が上昇するからである。染料は天然又は合成の紫染料などが用いられ、顔料としてはカーボンブラックやマグネタイト(Fe34)など黒顔料を用いるのが好ましい。本実施形態では、塩化ビニル樹脂とポリウレタンとの合成樹脂にカーボンブラックを10wt%含ませて、隔壁26を形成した。隔壁26の屈折率は1.65程度である。又、流体としてはシリコーンオイルを用い、電気泳動粒子24としては酸化チタン微粒子を用いた。酸化チタン微粒子は白色で、それ自体の反射率は約80%である。
「原理」
図4は細孔の断面を説明した図である。次に図4を参照して、電気光学装置150の表示原理を説明する。
まず、電気光学装置150の表示領域10が暗表示した際の反射率(暗表示反射率)βDを計算する。最初に暗表示時の細孔27における反射率(暗表示細孔反射率)βHDを計算する。細孔27の開口部の径(開口部の上部の径)をWbとし、細孔27の深さをdとし、角度θで細孔27の開口部に入る入射光量をI(θ)、その反射光量をR(θ)とする。角度θとは第一基板の法線と入射光とがなす角度である。I(θ)は数式2にて表される。
Figure 2013205606
ここでjは単位長当たりの入射光量である。細孔27に入射した光で、隔壁26に一度でも当たった光は、隔壁26による吸収と複数回の反射とを経て細孔27から出射されるので、隔壁26に当たり細孔27から出射される光量は非常に小さくなり、殆ど無視できる。従って、細孔27からの反射光量R(θ)は実質的に底面に存在する電気泳動粒子24で一度反射された光だけとなり、数式3にて表される。
Figure 2013205606
ここでβPは電気泳動粒子24の反射率(粒子反射率)である。又、xは細孔27の底部にて、入射光の陰になっている部分の隔壁26からの距離(陰の長さ)である。陰の長さxと細孔27の深さdと角度θとの関係は数式4となる。
Figure 2013205606
数式4を数式3に代入すると、数式5が得られる。
Figure 2013205606
尚、陰の長さxはゼロからWb/2の範囲にあるので、tanθに関して数式6が得られる。
Figure 2013205606
細孔27への全入射光量ITは数式2を角度θに関して0からπ/2迄積分した値となり、数式7で表される。
Figure 2013205606
細孔27からの全反射光量RTは数式5を角度θに関して数式6の範囲で積分した値となり、数式8で表される。
Figure 2013205606
数式8では、細孔27の深さdに対する開口部の径Wbの比(アスペクト比)をαと表記している(数式9参照)。
Figure 2013205606
暗表示細孔反射率βHDはRT/ITであるので、数式7と数式8とから数式10となる。
Figure 2013205606
暗表示細孔反射率βHDは、数式10に示される様に、電気泳動粒子24の反射率βPとアスペクト比αにて定まる。
次に、暗表示反射率βDを計算する。隔壁26の幅(隔壁26の上部の幅)をWtとすると、隔壁26の幅Wtと細孔27の径Wbとの和に対する細孔27の径Wbの比(細孔27の開口率γ)は数式11にて表される。
Figure 2013205606
暗表示反射率βDは、細孔27からの反射率と隔壁26上部からの反射率とを面積割合に応じて重み付けすれば良いので、隔壁26の反射率(隔壁反射率)βWを用いて、数式12となる。
Figure 2013205606
次に、電気光学装置150の表示領域10が明表示した際の反射率(明表示反射率)βBを計算する。明表示時には、図3の明表示画素20Bに示される様に、電気泳動粒子24が対向電極23の表面を覆い尽くすので、粒子反射率βPに等しくなる。従って、明表示反射率βBは数式13にて表される。
Figure 2013205606
数式12と数式13とから電気光学装置150の表示領域10が示すコントラスト比C(明表示反射率βBと暗表示反射率βDとの比)は数式14となる。
Figure 2013205606
開口率γは数式11に示される様に、0から1の間にある。開口率γが0に近づくと(γ→0)、電気泳動粒子24は細孔27内部での移動が困難になり、表示がなされなくなる。従って、開口率γはできる限り大きい方が良い(1に近い方が良い。)一方、数式12より暗表示細孔反射率βHDと隔壁反射率βWとが等しい(βHD=βW)と、暗表示反射率βDは、βD=βHD=βWと一定になり、開口率γに依存しなくなる。更に、暗表示細孔反射率βHDが隔壁反射率βWよりも大きいと(βHD>βW)と、開口率γが大きくなる程(γ→1)、暗表示反射率βDは大きくなってしまう。従って、暗表示反射率βDを小さくし、コントラスト比Cを大きくするには、暗表示細孔反射率βHDは隔壁反射率βWよりも小さくなければならない(βHD<βW)。この事から高品質な表示を実現するのに、数式15が必要となる。
Figure 2013205606
尚、通常アスペクト比αは1よりも小さいので、数式15は数式16と近似される。
Figure 2013205606
更に、アスペクト比αが0.5未満ならば、数式16は数式17と近似される。
Figure 2013205606
電気泳動粒子24で粒子反射率βPが一番高いのはチタニアなどの白色粒子であるから、白色の電気泳動粒子24で数式17が満たされれば、他の総ての色の電気泳動粒子24で数式17は満たされる。白色の電気泳動粒子24の粒子反射率βPは80%程度である。一方、暗表示反射率βDを小さくすべく、隔壁26に黒顔料を混ぜると、隔壁反射率βWは10%程度とできる。この場合、数式17よりアスペクト比αは0.5よりも小さければならない事になる。後述する様に、こうすると、どんな色の電気泳動粒子24であっても、暗表示反射率βDは隔壁反射率βWよりも小さくなり、コントラスト比Cを従来よりも大きくする事ができる。
「細孔や隔壁のサイズ」
図5は暗表示反射率βDとアスペクト比αとの関係を示す図である。又、図6はコントラスト比Cとアスペクト比αとの関係を示す図である。更に、図7はコントラスト比Cと開口率γとの関係を示す図である。次に、図5から図7を参照して、細孔27や隔壁26のサイズに関して説明する。
数式13から判る様に、明表示反射率βBはアスペクト比αに依存しないので、アスペクト比αを変える事で、明表示反射率βBを一定に保ったまま、暗表示反射率βDを小さくする事ができる。各種電気泳動粒子24の内で、暗表示反射率βDに対して一番厳しいのは白色である。従って、白色の電気泳動粒子24で暗表示反射率βDが小さければ、他のどんな色の電気泳動粒子24であっても暗表示反射率βDは白色の場合より小さくなるので、以下では一番条件の厳しい白色の電気泳動粒子24を想定して、細孔27や隔壁26のサイズを論ずる。
図5に示す様に、暗表示細孔反射率βHDが隔壁反射率βWよりも小さい領域(βHD<βW)は、数式1を満たす領域であり、隔壁反射率βWが10%程度の際に、アスペクト比αが0.5未満となる領域でもある。この数式1を満たす領域では、開口率γが大きくなる程、暗表示反射率βDは小さくなる。暗表示反射率βDは隔壁反射率βWよりも必ず小さくなっている。この様にアスペクト比αは概ね0.5未満が好ましい。
従来の電気泳動表示装置では、コントラスト比Cは6−7程度で合った。図6に示す様に、アスペクト比αは概ね0.5未満であると、開口率γが0.6程度以上のいずれの場合であっても、従来以上のコントラスト比が得られる事が判る。又、図6からは、アスペクト比αが0.2未満になるとコントラスト比Cは急激に向上する事が判る。この傾向は隔壁反射率βWが幾つであっても変わらず、コントラスト比Cの改善には、アスペクト比αを0.2未満とする事が好ましい。理想的にはアスペクト比Cは0.1程度以下である。
コントラスト比Cに関しては、図7に示す様に、開口率γが0.3程度以上だとアスペクト比αに係わらず、従来の電気泳動表示装置よりも高いコントラスト比が得られる。開口率γが0.3程度以上で概ねコントラスト比Cは10以上となる。更に、開口率γが0.8程度以上からは、アスペクト比αが0.5以下のいずれの値においても、コントラスト比Cは急激に増大し、しかもコントラスト比Cは20程度以上と、従来の3倍以上の値に改善される。従って、高コントラスト比Cの高品質表示を実現するには開口率γを0.8程度以上とする事が好ましい。
こうした条件を満たす好適例として、隔壁26の幅Wt=1.5μm、細孔27の径Wb=28.5μm、細孔27の深さd=570μm、空隙の高さ30μm(スペーサー28の高さ600μm)とする。この場合、開口率γ=0.95で、アスペクト比α=0.05、暗表示反射率βD=1.4%、明表示反射率βB=80.0%、コントラスト比C=55と、優れた表示性能を示す。又、画像保持性にも優れ、10分後の表示性能は、測定誤差範囲内で一致していた。これは、本実施形態の電気光学装置150が一粒子系で、深い細孔27の中を移動して明表示と暗表示とを切り替えるとの原理に基づく。即ち、従来の電気泳動表示装置では、クーロン力による白粒子(例えばプラス帯電)と黒粒子(例えばマイナス帯電)との凝集や混合が本実施形態の電気光学装置150では発生し得ないが故である。
尚、細孔27の径Wbとは、厳密には、細孔27の開口部の面積の平方根である。細孔27の形状が様々な場合は、細孔27の開口部の平均面積の平方根が細孔27の径Wbとなる。
「回路構成」
図8は本実施形態に係わる電気光学装置の回路ブロック構成図であり、(a)は表示領域と駆動回路との構成を示し、(b)は画素の電気的な構成を示す等価回路図である。次に、図8を用いて本実施形態に係わる電気光学装置150の駆動回路を説明する。
図8(a)に示されている様に、表示領域10には、m行×n列分の画素20が行列状(二次元平面的)に配列されている。又、表示領域10には、m本の走査線30(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線40(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線30は行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線40は列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線30とn本のデータ線40との交差点に対応して画素20が配置されている。細孔27は少なくとも表示領域10の全体に形成されている。
表示領域10の外側には駆動回路70が設けられている。駆動回路70は、コントローラー71や走査線駆動回路72、データ線駆動回路73、共通電位供給回路74などから構成されている。コントローラー71は、走査線駆動回路72とデータ線駆動回路73、及び共通電位供給回路74の動作を制御し、クロック信号やタイミング信号等の各種信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路72は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。データ線駆動回路73は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnに画像信号を供給する。画像信号は、高電位VH(例えば15V)と低電位VL(例えば−15V)との間で多値的な電位をとる。尚、本実施形態では、画像信号は二値であり、第一表示(白の表示)に書き換えられる画素20に対して高電位VHの画像信号が供給され、第二表示(黒の表示)に書き換えられる画素20に対して低電位VLの画像信号が供給される。
共通電位供給回路74は、共通電位線50に共通電位Vcomを供給する。尚、共通電位Vcomは一定の電位であっても良いし、例えば書き込む階調やフレームに応じて変えても良い。本実施形態では、共通電位Vcomが総ての電位に対する基準電位となり、共通電位を0Vとしている。従って、先の高電位VH(例えば15V)や低電位VL(例えば−15V)はそのまま共通電位Vcomに対する電位差ともなる。尚、コントローラー71、走査線駆動回路72、データ線駆動回路73及び共通電位供給回路74には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のない物については説明を省略している。
図8(b)の回路図に示される様に、画素20は、画素スイッチング用薄膜トランジスター21と、画素電極22と、対向電極23と、分散液と、保持容量25とを備えている。
画素スイッチング用薄膜トランジスター21は、例えばN型トランジスターで構成されている。ここでは上ゲート型の薄膜トランジスターが採用されているが、下ゲート型の薄膜トランジスターであっても構わない。画素スイッチング用薄膜トランジスター21は、そのゲートが走査線30に電気的に接続されており、そのソースがデータ線40に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極22及び保持容量25の一端に電気的に接続されている。保持容量25は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極(一端)が、画素電極22及び画素スイッチング用薄膜トランジスター21に電気的に接続され、他方の電極(他端)が共通電位線50に電気的に接続されている。この保持容量25によって画像信号を一定期間だけ維持することができる。画素スイッチング用薄膜トランジスター21は、データ線駆動回路73からデータ線40を介して供給される画像信号を、走査線駆動回路72から走査線30を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極22及び保持容量25に出力する。
画素電極22には、データ線駆動回路73からデータ線40及び画素スイッチング用薄膜トランジスター21を介して、画像信号が供給される。画素電極22は、分散液を介して対向電極23と互いに対向するように配置されている。対向電極23は、共通電位Vcomが供給される共通電位線50に電気的に接続されている。対向電極23は、画素電極22が形成された第一基板80に対向する第二基板90に設けられ、電気泳動粒子24は図3に示す断面図の上下方向で電気泳動する。
「電子機器」
次に、前述した電気光学装置150を適用した電子機器について、図9及び図10を参照して説明する。以下では、前述した電気光学装置150を電子ペーパー及び電子ノートに適用した場合を例にとる。
図9は、電子ペーパーの構成を示す斜視図である。図9に示す様に、電子ペーパー400は、本実施形態に係わる電気光学装置150を備えている。表示領域10には高コントラストで画像保持性の高い表示がなされている。電子ペーパー400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を示す書き換え可能なシートから構成されている。
図10は、電子ノートの構成を示す斜視図である。図10に示す様に、電子ノート500は、図9で示した電子ペーパー400が複数枚束ねられ、カバー501に挟まれているものである。カバー501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する為の表示データ入力部を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
前述した電子ペーパー400及び電子ノート500は、本実施形態に係わる電気光学装置150を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。尚、これらの他に、腕時計や携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器に、本実施形態に係わる電気光学装置150を適用する事ができる。
以上述べたように、本実施形態に係わる電気光学装置150とその製造方法に依れば、以下の効果を得る事ができる。
従来の電気泳動表示装置では二種類の粒子(例えば白粒子と黒粒子)を逆極性に帯電されていた。この場合、白粒子と黒粒子とがクーロン力でカップリングし、コントラスト比が低下し、画像保持性も低かった。これに対して、本実施形態に係わる電気光学装置150では、一種類の電気泳動粒子24で明表示と暗表示とを切り替える事ができる。細孔27に配置する電気泳動粒子24が一種類なので、製造は極めて容易となる。しかも二種類の粒子がクーロン力でカップリングする事がないので(二種類の粒子を分離する必要がないので)、低電圧で容易に且つ明瞭に明表示と暗表示とを切り替える事(低電圧で容易にコントラスト比を大きくする事)ができ、表示された画像も長期間維持される。即ち、低消費電力で品質の高い画像を表示でき、しかもその表示された高品位画像を長期間維持する事が可能となる。
(実施形態2)
「カラー表示の電気光学装置の形態」
図11は実施形態2に係わる電気光学装置の一例を説明した図である。以下、本実施形態に係わる電気光学装置150について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図11)は実施形態1(図2)と比べて、細孔27に配置される電気泳動粒子24とスペーサーの形態とが異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1(図2)では電気泳動粒子24は総ての画素20に対して同一だった。即ち、実施形態1ではどの画素20にも白色の電気泳動粒子24が配置され、白黒表示をなす電気光学装置150であった。これに対して本実施形態(図11)では、少なくとも二種類以上の異なった色を有する電気泳動粒子24が画素20に配置され、カラー表示が可能となっている。
図11に示す様に、画素20は第一画素20−1と第二画素20−2との二種類を少なくとも含み、本実施形態では更に第三画素20−3と第四画素20−4とを含んでいる。従って、本実施形態では画素20に四種類が有る事になる。これに応じて、不図示の画素電極は第一画素電極と第二画素電極とを少なくとも含み、本実施形態では更に第三画素電極と第四画素電極とを含んでいる。即ち、第一画素20−1は第一画素電極を有し、第二画素20−2は第二画素電極を有し、第三画素20−3は第三画素電極を有し、第四画素20−4は第四画素電極を有している。各画素はスペーサー28にて区画され、画素20に配置される電気泳動粒子24は画素20の種類に応じて異なった色となっている。本実施形態では、好適例として、第一画素20−1には赤色の電気泳動粒子24Rが配置され、第二画素20−2には青色の電気泳動粒子24Bが配置され、第三画素20−3には緑色の電気泳動粒子24Gが配置され、第四画素20−4には白色の電気泳動粒子24Wが配置されている。スペーサー28は隣接する画素20間で電気泳動粒子24が混合しない様に、分散液を各画素20に閉じ込めている。画素20には、その画素20の種類に応じて異なった色の電気泳動粒子24を含む分散液を、印刷法などを用いて充填する。尚、本実施形態では、スペーサー28の幅は隔壁26の幅Wtとほぼ同じである。画素20の内側領域に沢山の細孔27が形成されている点は実施形態1と同様である。
こうすると第一画素20−1では、赤と黒との表示が可能になる。又、第二画素20−2では、青と黒との表示が可能になる。又、第三画素20−3では、緑と黒との表示が可能になる。又、第四画素20−4では、白と黒との表示が可能になる。従って、ある領域を明るい赤表示にしたい場合、その領域に含まれる第一画素20−1を赤表示とし、その領域に含まれる第二画素20−2と第三画素20−3とを黒表示とし、その領域に含まれる第四画素20−4を白表示とする。ある領域を暗い赤表示にしたい場合、その領域に含まれる第一画素20−1を赤表示とし、その領域に含まれる第二画素20−2と第三画素20−3と第四画素20−4とを黒表示とする。青表示と緑表示に関しても同様である。更に、ある領域を白表示にしたい場合、その領域に含まれる第一画素20−1を赤表示とし、その領域に含まれる第二画素20−2を青表示とし、その領域に含まれる第三画素20−3とを青表示とし、その領域に含まれる第四画素20−4を白表示とする。反対にある領域を黒表示にしたい場合、その領域に含まれる第一画素20−1と第二画素20−2と第三画素20−3と第四画素20−4とを黒表示とする。
従来のカラー表示する電気泳動表示装置では白黒粒子の二粒子系の表示にカラーフィルターを重ねていた。従って、赤緑青白の四色系カラー表示で白表示した場合、赤の画素と緑の画素と青の画素とではカラーフィルターの透過率×白粒子の反射率しか光が利用できず、白表示の反射率は20%程度で合った。即ち、従来のカラー表示する電気泳動表示装置は薄暗い白しか表示できなかった。これに対して本実施形態の電気光学装置150では、カラーフィルターも用いる必要がなく、しかも電気泳動粒子24その物の色がほぼそのまま表示されるので、白表示の反射率は40%を超える。即ち、従来よりも倍明るい白表示となる。
図12は本実施形態に係わる電気光学装置の一例を説明した断面図である。以下、図12を参照して、本実施形態に係わる電気光学装置150の断面構造について説明する。本実施形態ではスペーサー28は画素20を区画する様に画素20の境界に設けられ、各画素20に充填された分散液を画素20に封止している。スペーサー28は、主構成部286と補助構成部281とから形成されている。主構成部286は隔壁26と同じ材料からなり、隔壁26よりも高く形成されている。補助構成部281は主構成部286の上部に形成され、この結果、隔壁26の上部と対向電極23との間には空隙29が形成される。スペーサー28は画素20の境界に設けられ、表示領域10に平面視で格子状に設けられるので、第二基板90がプラスチックフィルムの様な可撓性を有する基板であっても、画素20内で第二基板90が撓む事は殆ど生じない。従って、隔壁26の上面と第二基板90との間(空隙29)の距離を短くする事ができ、その距離は1μmから10μm程度とする様に形成される。
図13乃至図15は本実施形態に係わる電気光学装置の製造工程の一部を説明した断面図である。以下、図13乃至図15を参照して、本実施形態に係わる電気光学装置150の製造方法について説明する。まず、図13に示す様に、第一基板80に公知の方法にて画素回路(画素スイッチング用薄膜トランジスター21など)を作製する。次いで、後に隔壁26や主構成部286となる隔壁材料261を形成する。隔壁材料261は、実施形態1にて詳述した隔壁26の構成部材と同じである。具体的には、塩化ビニル樹脂とポリウレタン樹脂とカーボンブラックと有機溶剤(テトラハイドロフランとシクロヘキサノンとの混合溶剤)と、硬化剤としてのポリイソシアネートを混合した塗料を第一基板80の表面に塗布した後に、乾燥・硬化させて、隔壁材料261を形成する。その後、画素20の境界に合わせて、非晶質シリコン膜からなる補助構成部281を形成する。補助構成部281は、隔壁材料261の表面に非晶質シリコン膜をプラズマ化学気相堆積法にて堆積した後、非晶質シリコン膜のフォトリソグラフィー工程とエッチング工程とに依り形成する。
次に図14に示す様に、補助構成部281をマスクとして、画素20となる領域の隔壁材料261をエッチングし、薄膜化する。エッチング工程は酸素プラズマをリアクティブイオンエッチングモード(RIEモード)として行うのが好ましい。エッチングの深さは、空隙29の距離とする。次いで、図15に示す様に、フォトリソグラフィー工程とエッチング工程とを用いて、画素20となる領域に隔壁26を形成し、画素20の境界となる領域にスペーサー28を形成する。その後、インクジェット法などの塗布法を用いて、画素20毎に分散液を注入し、次いで対向電極23が形成された第二基板90をかぶせて、電気光学装置150が製造される(図12参照)。
以上述べたように、本実施形態に係わる電気光学装置150によれば、実施形態1での効果に加えて、高い表示品位を備えたカラー表示を行う事ができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
「細孔の平面形状及びスペーサーが異なる形態」
図16は変形例1に係わる電気光学装置の構成を説明する平面図である。又、図17は変形例1に係わる電気光学装置の構成を説明する断面図である。以下図16と図17とを用いて、本変形例に係わる電気光学装置150について説明する。尚、実施形態1又は2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図16)は実施形態1(図2)と比べて、細孔27の形状が異なっている。又、本変形例(図17)は実施形態1(図3)や実施形態2(図12)と比べて、スペーサー28の形状が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1や実施形態2とほぼ同様である。実施形態1(図2)では、細孔27が四角形であったが、細孔27の開口部の平面形状はこれに限られず、あらゆる形状が可能である。例えば、図16に示す様に、開口部が正六角形であっても良い。この場合、隔壁26の幅Wtが同一で、開口部の面積が同一の場合、開口率γを最大にでき、その分、コントラスト比を向上させる事となる。具体的には開口部を正六角形とすると、正方形の場合に比べて、隔壁26の幅Wtを0.62倍にしたのと同等の効果が得られる。
又、本変形例では、図17に示す様に、スペーサー28は透明で球状のプラスチック微粒子であり、図16に示す様に、隔壁26の上部にランダムに配置されている。スペーサー28は隔壁26の上部と対向電極23との間に空隙29を形成する部材であるので、本変形例が示す様に、プラスチック微粒子を隔壁26の上部と第二基板90との間に配置する構成としても良い。こうした電気光学装置150を製造するには、第一基板80に隔壁26を形成した後、表示領域10の外周に封止材となる接着剤を枠状に形成し、枠状の接着剤の内側(表示領域10)に分散液を充填した後に、プラスチック微粒子のスペーサー28を散布し、その後、第二基板90を真空中で加圧接着する。プラスチック微粒子の直径は開口部の径Wbの1.1倍から3倍程度とする。本変形例では、開口部の径がWb=28.5μmで、プラスチック微粒子の直径は40μmで、空隙29の距離は凡そ34μmであった。
以上述べたように、本変形例に係わる電気光学装置150によれば、実施形態1での効果に加えて、更に優れた表示品質を実現すると共に、容易に製造できるとの効果を得る事ができる。
10…表示領域、20…画素、22…画素電極、23…対向電極、24…電気泳動粒子、26…隔壁、27…細孔、28…スペーサー、29…空隙、80…第一基板、90…第二基板、100…電子機器、150…電気光学装置、261…隔壁材料、281…補助構成部、286…主構成部。

Claims (11)

  1. 隔壁にて区画された細孔と、画素電極と、対向電極と、スペーサーと、を有し、
    前記細孔は、前記画素電極と前記対向電極との間に設けられ、
    前記細孔内には、流体と帯電した電気泳動粒子とが配置され、
    前記スペーサーは前記隔壁と前記対向電極との間を離間している事を特徴とする電気光学装置。
  2. 前記細孔の深さdに対する径Wbの比(アスペクト比)をαにて表し、前記隔壁の反射率(隔壁反射率)をβWにて表し、前記電気泳動粒子の反射率(粒子反射率)をβPにて表した際に、前記アスペクト比αと前記隔壁反射率βWと前記粒子反射率βPとは、数式1の関係式を満たす事を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
    Figure 2013205606
  3. 前記アスペクト比αは0.5未満である事を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記アスペクト比αは0.2未満である事を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記隔壁の幅Wtと前記細孔の径Wbとの和に対する前記細孔の径Wbの比(開口率γ)が0.3以上である事を特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記開口率γが0.8以上である事を特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記隔壁の屈折率は前記流体の屈折率よりも大きい事を特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記隔壁は染料又は顔料を含む事を特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記電気泳動粒子は白色である事を特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記画素電極は第一画素電極と第二画素電極とを少なくとも含み、
    前記第一画素電極に配置される前記電気泳動粒子の色と、前記第二画素電極に配置される前記電気泳動粒子の色と、が異なる事を特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記細孔は、平面視にて六角形である事を特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
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