JP2013202425A - パターン形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット方式のパターン形成装置において、インクの溶媒の蒸発を抑制する。
【解決手段】機能性材料と溶媒を含むインクの液滴Lを、絶縁性基材10の主面の所定領域に向かって順次吐出する吐出口22を有するノズル21を備えたインクジェットヘッド2と、ノズル21の吐出口22又は吐出口22の近傍を取り囲む管体4と、所定環境下において、インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を管体4の管内41に気体状態で供給する溶媒供給装置8と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット法を用いた配線用のパターンを形成するパターン形成装置に関する。
インクジェット装置に関し、インクから溶媒が蒸発することを防止する観点から、ノズルヘッドの近傍に溶媒を含ませた保持体を配置し、保持体から蒸発する溶媒によりヘッド周囲の空間の湿度を飽和蒸気圧レベルとする技術が知られている(特許文献1)。
特開2003−145783号公報
しかしながら、特許文献1の装置のように、溶媒の蒸発を防止するためにノズル開口部と記録媒体との間に保持体を配置する構造とすると、ノズル開口部と記録媒体との距離が離れるので、インクの着弾位置の精度が低下するという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、インクの溶媒の蒸発を防止しつつ、インクの着弾位置の精度を維持することができるパターン形成装置を提供することである。
[1]本発明は、機能性材料と溶媒を含むインクの液滴を、絶縁性基材の主面の所定領域に向かって順次吐出する吐出口を有するノズルを備えたインクジェットヘッドと、
前記ノズルの吐出口又は吐出口の近傍を取り囲む管体と、所定環境下において、前記インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を前記管体の管内に気体状態で供給する溶媒供給手段と、を備えるパターン形成装置を提供することにより、上記課題を解決する。
[2]上記発明において、前記溶媒供給手段は、前記インクに含まれる溶媒と同質の溶媒を前記管体の管内に供給することができる。
[3]上記発明において、前記管体は、前記ノズルの吐出口側に開口部を備え、前記溶媒供給手段は、前記開口部の他端側から前記溶媒を供給することができる。
[4]上記発明において、前記管体の断面の面積は、前記開口部に近いほど小さく構成することができる。
[5]上記発明において、前記管体の断面の面積は、前記開口部に近いほど大きく構成することができる。
[6]上記発明において、前記管体の前記開口部を、前記ノズルの吐出口よりも前記絶縁性基材に近い位置に設けることができる。
[7]上記発明において、前記管体の前記開口部を、前記ノズルの吐出口よりも前記絶縁性基材に遠い位置に設けることができる。
[8]上記発明において、前記管体を加温する加温手段をさらに備え、前記加温手段は、前記管体の管内の温度が、前記溶媒供給手段が供給する溶媒の前記所定環境下における露点以上となるように、前記管体を加温することができる。
本発明によれば、インクの吐出口又は吐出口の近傍を取り囲む管体を設け、インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を管体の管内に気体状態で供給することにより、管体に取り囲まれる吐出口周囲の蒸気圧を高く保つことができるので、インクの溶媒の蒸発を防止するとともに、吐出口と記録媒体との間を離隔させることなく適切な距離に保つことができるので、インクの着弾位置の精度を高く維持することができる。この結果、高い精度で所望のパターンを形成することができる。
本発明の実施形態に係るパターン形成方法を実行するパターン形成装置の概要を示す全体構成図である。 インクジェットヘッドを吐出口から見た図である。 図3(a)(b)は、管体の一例を示す図である。 図4(a)(b)は、管体の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るパターン形成装置を、プリント配線板の配線パターンを形成する回路形成装置に適用した例を説明する。
図1は、本発明に係るパターン形成方法を実行するパターン形成装置100の概要を示す全体構成図である。本実施形態のパターン形成装置100は、機能性材料と溶媒を少なくとも含むインクの液滴を絶縁性基材の所定領域に向かって順次吐出し、絶縁性基材の主面に配線パターンを形成する、いわゆるインクジェット方式の印刷装置である。
図1に示すように、本実施形態のパターン形成装置100は、図中のxy面に沿う一方主面(図中上側の面)がx軸方向に沿って移動可能なステージ5と、このステージ5の一方主面上にセットされるプリント配線板10の絶縁性基材1の配線パターンが形成される一方主面側(図中上側)に設けられ、インク液滴Lを吐出する吐出口22を有するノズル21を備えたインクジェットヘッド2と、このノズル21の吐出口22からインク液滴Lを吐出させるピエゾ素子3と、チューブ23を介してノズル21にインクを供給するインク供給装置7と、ノズル21の吐出口22の周囲を取り囲む管体4と、この管体4の管内(管内の空間)41に溶媒を供給する溶媒供給装置8と、管体4を加熱する加熱装置9と、上記インク供給装置7、ピエゾ素子3、溶媒供給装置8、及び加熱装置9の動作を統合して制御管理する制御装置6とを備えている。
本実施形態のインクジェットヘッド2は、制御装置6の指令に従い、インク供給装置7からインク流路を介して供給されるインクをノズル21の吐出口22から、絶縁性基材1の一方主面の配線パターン11が形成される所定領域に向かってインクの液滴Lを吐出する。絶縁性基材1に着弾した液滴Lを乾燥、定着させてプリント配線板10の配線パターン11を描画(形成)する。吐出口22と記録媒体となる絶縁性基材1との間の距離は、1[mm]以下程度である。制御装置6は、配線パターン11の形状、ステージ5の移動速度、インクの乾燥速度に基づいて、液滴Lを吐出するインクジェットヘッド2の動作を制御する。配線パターン11を形成する際は、ステージ5を固定しておき、インクジェットヘッド2も移動させても良い。あるいは、ステージ5とインクジェットヘッド2の両方を移動させてもよい。しかし、配線パターンを微細に形成しようとする場合は、インクジェットヘッド2は移動させずに固定しておき、ステージ5をxy面に沿って移動させることもできる。インクジェットヘッド2を固定しておくことで、ノズル21の吐出口22付近の気流の乱れが抑制され、配線パターンを容易に形成することができる。
本実施形態のインクジェットヘッド2は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの逆圧電効果を示す圧電体材料から構成されるピエゾ素子3がアクチュエータとして機能するピエゾ型のヘッドである。ピエゾ素子3に電圧を与えると、チューブ23のピエゾ素子3と当接した部位が変形し、インクに圧力が印加され、微小液滴Lを吐出口22から吐出させる。チューブ23の変形方式は、チューブ23を収縮させて液滴を吐出させる押し打ち方式、チューブ23を膨張させて一旦インクを引き込んでから膨張を解除して液滴Lを吐出させる引き打ち方式のいずれであってもよい。図1に示す本実施形態のインクジェットヘッド2は、インク供給路をピエゾ素子3で囲んだグールド型(圧搾型)である。本実施形態のインクジェットヘッド2の機構は、出願時に知られている技術を適宜に適用することができる。なお、本実施形態のインクジェットヘッド2は、ピエゾ型に限定されず、サーマルインクジェット方式、静電吸引方式、静電変位方式、音響エネルギー方式、熱変位方式などのオンデマンド型のインクジェット方式であってもよいし、連続噴射型であってもよい。
特に限定されないが、本実施形態において、インクジェットヘッド2の吐出口22の開口サイズは5[μm]〜50[μm]程度、インクジェットヘッド2から吐出される液滴Lの径は10[μm]〜150[μm]、好ましくは20[μm]〜100[μm]とすることができる。
本実施形態で用いられるインクは、有機・無機・金属などの導電性材料、半導体材料、絶縁性材料などの機能性材料と溶媒を含み、インクジェットヘッド2の態様に応じた吐出特性を有する。本実施形態では、粒子径が1[μm]以下の導電性材料の微粒子や、粒子径が数[nm]〜数十[nm]の導電性材料のナノ粒子が溶媒中に分散されたものを用いることができる。導電性材料が金属の場合は、金属無機塩や有機金属錯体を有機溶媒中に分散させたものであっても構わない。導電性材料としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン及びアルミニウムの群からなる金属種群のうちの何れか一種若しくは二種以上の金属若しくは二種以上の金属からなる合金を用いることができる。また、上記金属種群から選択された一種若しくは二種以上の金属の酸化物を含む無機物を用いることもできる。特に限定されないが、本実施形態では、ナノ粒子型の酸化インジウムと酸化スズとの混合インク、その他の金属ナノ粒子を含むインク、又は錯体型の銀などの金属インクを用いることができる。もちろん、上記金属種群から選択された二種以上の金属の合金を導電性材料として用いることもできる。あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールをはじめとする導電性ポリマーのモノマーやオリゴマーも導電性材料として用いることもできる。
また、本実施形態のインクに含まれる溶媒は、無極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒を含み、機能性材料を分散するために添加される。インクが水性インクの場合の溶媒は水であり、インクが溶媒インクの場合の溶媒は有機溶媒である。なお、水性インクには乾燥防止目的で有機溶媒が添加される場合もある。
インクの溶媒は、特に限定されず、脂肪族炭化水素系の溶媒、アルコール系の溶媒、脂環式又は芳香族炭化水素系の溶媒、ケトン類系の溶媒、アミン系の溶媒などを用いることができる。脂肪族炭化水素系の溶媒としては、ヘキサン、ドデカン、デカン、ウンデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、などを用いることができ、アルコール系の溶媒としてはエタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、オクタノール、シクロヘキサノールなどを用いることができ、脂環式又は芳香族炭化水素系の溶媒としてはトルエン、キシレン、スチレン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、デカリン、テトラリンなどを用いることができ、ケトン系の溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを用いることができる。ほかに、ヘキシルアミン、ビス−2−エチルヘキシルアミン、などのアミン系溶媒を用いることもできる。インク溶媒は、上述の溶媒のうち、いずれか1種類又は複数種類を組み合わせて用いることができる。なお、金属粒子を含む金属インクに添加される溶媒の種類は、金属粒子を被覆するコーティング剤に応じて選択することができる。
図1に示すように、インクジェットヘッド2のノズル21の吐出口22から吐出された液滴Lは、ノズル21と絶縁性基材1との間の空間を飛翔してノズル21と対向する配線パターン11が形成される所定領域(着弾予定位置Qを含む領域)に着弾する。着弾後のインクの液滴Lは、インクに含まれる分散材料(溶媒など)が蒸発することにより導電性の機能膜が成膜される。その後、必要に応じて焼成処理を行うことにより、導電性を備える配線パターン11が形成される。
本実施形態における絶縁性基材1の材料は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド樹脂などの一般的に配線基板に用いられる樹脂シートを用いることができる。また、絶縁性基材1の厚さも特に限定されず、10[μm]以上200[μm]以下、又は20[μm]以上50[μm]以下とすることができる。
ところで、インクジェット印刷技術においては、吐出されるインク溶媒の蒸発に伴いノズル21の先端でインクが増粘・乾燥すると、インクの飛翔軌道が変動して目的位置にインクが着弾しないという不都合が生じる。また、インクの増粘・乾燥により吐出口が詰まることによっても、インク液滴の直進性が妨げられるので着弾位置の精度が低下するという不都合や、インク液滴の大きさが変動するという不都合が生じる。これらの不都合は、形成するパターンの精度(位置・線幅など)を低下させる。特に、本実施形態のようにピエゾ型のインクジェット印刷装置においては、ピエゾ素子に印加するべき電圧の波形をインクの粘度に基づいて設計するため、インクが増粘すると、インクの吐出状況及び着弾位置が安定しないという不都合がある。さらに、インクに顔料微粒子や金属ナノ粒子が含まれる場合は、これらの微粒子が溶媒の蒸発に伴って凝集する傾向があるため、上記の不都合が起きやすくなる。
これに対し、本実施形態では、ノズル21の吐出口22又は吐出口22の近傍を取り囲む包囲部42を有する管体4を設け、この管体4の管内41にインクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を気体状態で供給する。インクの溶媒が自然蒸発するのは、ノズル21の外側の空間の溶媒蒸気圧が低いためであるが、本実施形態のパターン形成装置100によれば、ノズル21の吐出口22の周囲に管体4により大気空間(製造空間)とは区切られた独立の空間41´(管内41)を形成し、その空間41´にインク溶媒よりも所定環境下で蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を供給し、空間41´の溶媒蒸気圧を高めるので、インクの溶媒の蒸発を抑制できる。
しかも、上述した従来技術のように、溶媒を含ませた保持体を吐出口22の近傍に配置する必要がないので、インクの吐出口22と絶縁性基材1とを離隔させずに、適切な距離を維持できるため、インクの着弾位置をコントロールし、所望のパターンを高い精度で形成することができる。また、グールド型のインクジェットヘッド2は先端に向かって徐々に断面積が小さくなる絞り形状となっているため、従来技術のような保持体を配置することが難しいが、本実施形態のパターン形成装置100はグールド型を含め各種のインクジェットヘッド2について広く適用することができる。
本実施形態において、溶媒供給装置8は、所定環境下において、インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を管体4の管内の空間41´に気体状態で供給する。なお、本実施形態における所定環境は、パターン形成時(パターン形成装置100の動作時)の環境に基づいて所定の温度及び所定の圧力により定義される。
管内41に供給される溶媒は、インク溶媒の蒸気圧に基づいて、インク溶媒の所定環境下における蒸気圧以上の蒸気圧を示すものを用いる。具体的に、インクに含まれる溶媒の所定環境下における蒸気圧の情報と、各溶媒の所定環境下における蒸気圧の情報とを予め取得しておき、両溶媒の蒸気圧を比較し、管体4の管内41に供給する溶媒として選択する。
また、本実施形態では、管体4の管内に供給する溶媒としては、インクの溶媒と同種(同系)の溶媒を選択することができる。具体的には、インクの溶媒が脂肪族炭化水素系の溶媒である場合には、管体4に供給する溶媒も脂肪族炭化水素系の溶媒とし、インクの溶媒がアルコール系の溶媒である場合には、管体4に供給する溶媒もアルコール系の溶媒とし、インクの溶媒が脂環式又は芳香族炭化水素系の溶媒である場合には、管体4に供給する溶媒も脂環式又は芳香族炭化水素系の溶媒とし、インクの溶媒がケトン類系の溶媒である場合には、管体4に供給する溶媒もケトン類系の溶媒とし、インクの溶媒がアミン系の溶媒である場合には、管体4に供給する溶媒もアミン系の溶媒とすることができる。
具体的には、インクの溶媒が脂肪族炭化水素のテトラデカンである場合には、同じく脂肪族炭化水素系の溶媒であるヘキサン、ドデカン、デカン、ウンデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンを、管体4に供給する溶媒として選択することができる。ここで、インクの溶媒が脂肪族炭化水素のテトラデカンである場合に、アルコール系溶媒であるエタノールを管体4に供給すると、溶媒により分散されている微粒子(機能性材料)が凝集することがあるからである。さらに、インクと同じ脂肪族炭化水素系の溶媒のうち、インクの溶媒の炭素数以下の炭素数の脂肪族炭化水素系の溶媒を、管体4に供給する溶媒として選択することができる。例えば、インクの溶媒がテトラデカン(炭素数14)である場合には、管体4の管内に供給する溶媒は、 テトラデカン、トリデカン(炭素数13)、ドデカン(炭素数12)、ウンデカン(炭素数11)、デカン(炭素数10)とすることができる。
インクの溶媒がアルコール系の溶媒である場合には、水酸基(-OH)数が増えると蒸気圧が下がる傾向がある点を考慮して、インクと同じアルコール系の溶媒のうち、インクの溶媒の炭素数および水酸基(-OH)数以下の炭素数および水酸基(-OH)数のアルコール系の溶媒を、管体4に供給する溶媒として選択することができる。
インクの溶媒が脂環式または芳香族炭化水素系の溶媒である場合には、インクと同じ脂環式または芳香族炭化水素系の溶媒のうち、インクの溶媒の環の数および炭素数以下の環の数および炭素数の芳香族炭化水素系の溶媒を、管体4に供給する溶媒として選択することができる。
インクの溶媒がケトン類系の溶媒である場合には、インクの溶媒と同じケトン基を有する溶媒、又はインクの溶媒の炭素数以下の炭素数のケトン類系の溶媒を、管体4に供給する溶媒として選択することができる。
もちろん、溶媒供給装置8は、インクに含まれる溶媒と同じ溶媒を管体4の管内に供給することができる。これにより、インクの性質・状態に変化を与えることなく、溶媒の蒸発を抑制することができるので、インクの粘性などを変化させることなく、正確にパターンを形成することができる。
次に、図1及び図2に基づいて管体4の構成について説明する。図2は、インクジェットヘッド2を吐出口22側から見た図である。同図に示すように、本実施形態のパターン形成装置100は、インクジェットヘッド2のノズル21の外周側に、ノズル21の吐出口22又は吐出口22の近傍を取り囲む包囲部42を有する管体4を備える。管体4の形状は特に限定されないが、図1及び2に示す管体4は、同径(寸胴)であり、ノズル21の延在方向に沿って、吐出口22、ピエゾ素子3、ノズル21の上流側の流路を取り囲むように配置されている。なお、本実施形態の管体4は、ノズル21の少なくとも吐出口22を取り囲むように配置されればよく、図1中に破線で示す管体4´のように、ピエゾ素子3よりも下流側(吐出口22側)のみを取り囲むように配置することができる。このように、管体4の長さを短くして吐出口22のみを取り囲むようにすることにより、管内41に流通させる溶媒の量を低減させることができる。また、管体4がピエゾ素子3を内包しないように構成することにより、ピエゾ素子3及びその固定部材が管内41に供給される溶媒蒸気に晒されないようにすることができるので、ピエゾ素子3を固定するための接着剤などが溶媒により劣化することを防ぐことができる。
同図に示すように、本実施形態の管体4の端部の高さ(図中z方向の位置)は、ノズル21の吐出口22の高さ(図中z方向の位置)と略同じ位置となるように構成されている。管体4と、この管体4に内包されたノズル21の外側面との間の管内41には空間41´が形成されている。空間41´は、ノズル21の延在方向に沿って形成され、少なくともノズル21の吐出口22又は吐出口22の周辺に形成されている。
また、管体4は、ノズル21の吐出口22側に、空間41´を解放する開口部43を備えている。溶媒供給装置8は、開口部43の他端側から溶媒を供給する。つまり、溶媒は、溶媒供給装置8側から管体4の開口部43へ向かって流れ、開口部43からステージ5側へ流出する。溶媒供給装置8による溶媒蒸気の供給手法は特に限定されず、溶媒を気化するために、加熱装置やバブリング装置などを配置することができる。また、気化した溶媒を管内41へ送り込むために、ファンやポンプなどの給気機構を配置することができる。
本実施形態の溶媒供給装置8は、加熱装置やバブリング装置などにより溶媒の蒸気を発生させ(気化させ)、発生させた溶媒の蒸気を、ファンやポンプなどの給気機構により、ノズル21の延在方向に沿って、所定の流速で管内41を流れるように強制的に管体4へ送り込む。ノズル21の延在方向、つまりインク液滴Lの吐出方向に沿って溶媒を流すことにより、溶媒の流れによってインク液滴Lの飛翔軌道が乱れることを防止し、インク液滴Lの直進性を維持することができる。
また、溶媒蒸気に所定方向の流れを作ることなく、吐出口22近傍で溶媒を自然蒸発させた場合には、溶媒蒸気は管体4の内部又は外部へ自然に拡散するが、溶媒蒸気の拡散に伴って管体4の外部の空気が管体4の内部に入り込むことがある。管体4の外部の空気が管体4の内部に入り込むと、管体4の先端において空気と溶媒とが混合するので、吐出口22近傍で溶媒の蒸気圧が低下するおそれがある。本実施形態のように、溶媒蒸気をノズル21の延在方向に沿って、所定の流速で管内41を流れるように、溶媒蒸気を所定の流速で管内41を流れるように強制的に管体4へ送り込み、溶媒蒸気を開口部43から強制的に排出させることにより、管体4の内部に管体4の外部の空気が開口部43から流れ込むことを防止して、上述した溶媒蒸気圧の低下を抑制することができる。
本実施形態の管体4は、その長手方向がノズル21の延在方向に沿うように配置されている。つまり管体4を構成する壁面の少なくとも一部は、ノズル21を構成する壁面と略平行である。管体4とノズル21とが略平行に配置されることにより、管体4の内壁とノズル21の外壁との間に形成される空間41´の溶媒蒸気が流れる流路の太さ(断面積)は吐出口22の近傍において一定に維持されるので、溶媒蒸気に乱流が生じることを防止することができる。さらに、管体4とノズル21とが略平行に配置し、溶媒供給装置8が管体4及びノズル21の延在方向に沿って管内41へ溶媒蒸気を吹き出すことにより、管体4の内壁とノズル21の外壁との間の空間41´を流れる溶媒蒸気の流れを吐出口22の近傍において層流とすることができる。溶媒蒸気に乱流が起こると吐出されるインク液滴Lに、飛翔方向以外の方向の力が加わることがあるが、本実施形態では溶媒蒸気に乱流の発生を抑制し、さらに層流の溶媒蒸気を開口部43へ向けて流すので、インク液滴Lの飛翔軌道が乱れることを防止し、インク液滴Lの直進性を維持することができる。
また、溶媒供給装置8は、溶媒蒸気を管内41へ所定周期で吹き出すことができる。これにより、常時、溶媒蒸気を吹き出す場合よりも溶媒の使用量を低減させることができる。さらに、インク液滴Lの吐出周期と同期させて溶媒蒸気を管内41へ吹き出すことにより、吐出口22近傍における溶媒蒸気圧を向上させたいタイミングで溶媒を供給することができる。これにより、溶媒の使用量を低減しつつも、インク液滴L溶媒の蒸発を抑制することができる。本実施形態では、供給する溶媒の流れの方向をノズル21の延在方向に沿わせているので、インク液滴Lの直進性を乱すおそれもない。
図3及び図4に管体4の他の態様を示す。図3及び図4は、図1に示すA領域に対応する領域を拡大して示す図である。
図3(a)に示す管体4は、管体4の断面の面積が開口部43に近いほど小さくなるように構成することができる。管体4の断面は、管体4の長手方向(図中z軸方向)に対して垂直の管径(図中xy平面)に沿う面であり、溶媒流路の断面である。つまり、図中IIIA1-IIIA1断面の面積は、IIIA2-IIIA2断面の面積よりも大きい。管体4の包囲部42の形状を、グールド型のインクジェットヘッド2のノズル21と同様に、先端の開口部43に向かって細くなるように絞り形状とすることにより、吐出口22周囲の空間41´における溶媒の蒸気圧の低下や圧力の変動を抑制することができる。この結果、正確なパターンを形成することができる。
他方、図3(b)に示すように、管体4の断面の面積を、開口部43に近いほど大きくするように構成することができる。つまり、図中IIIB1-IIIB1断面の面積は、IIIB2-IIIB2断面の面積よりも小さい。一般に、インクジェットヘッド2の吐出口22とパターンが形成される絶縁性基材1との距離は1[mm]程度と接近しているので、管体4の開口部43から吹き出された溶媒蒸気が絶縁性基材1の主面に衝突して乱流が起こる場合がある。管体3の太さやインク液滴Lの大きさなどによっては、この溶媒蒸気や空気の乱流がインク液滴Lの飛翔軌道に影響を与え、着弾位置を乱す場合がある。本例のように、管体4の断面の面積を、開口部43に近いほど大きくすることにより、管体4の開口部43から吹き出された溶媒蒸気をインク液滴Lの着弾位置よりも外側に誘導することができるので、溶媒蒸気が絶縁性基材1の着弾予定位置近傍に衝突して乱流を起こすことを防止することができる。この結果、正確なパターンを形成することができる。
また、図4(a)に示すように、管体4の開口部43が、ノズル21の延在方向(図中z軸方向)において、ノズル21の吐出口22よりも絶縁性基材10に近い位置となるように構成することができる。管体4の開口部43近傍では、管体4の管内41の溶媒蒸気と管体4の管該の空気とが混ざり合う現象が起こる。同図に示すように、管体4をノズル21の吐出口22よりも絶縁性基材10側へ突出させることにより、管体4の開口部43近傍で溶媒と空気が混ざり合い溶媒の蒸気圧が低下したとしても、吐出口22の近傍での溶媒の蒸気圧の低下を抑制することができる。この結果、インクの溶媒の蒸発を抑制し、正確なパターンを形成することができる。
他方、図4(b)に示すように、管体4の開口部43が、ノズル21の延在方向(図中z軸方向)において、ノズル21の吐出口22よりも絶縁性基材10から遠い位置となるように構成することができる。管体4の開口部43をノズル21の吐出口22よりも絶縁性基材10から離隔させる構成により、開口部43から吹き出された溶媒蒸気が開口部43から外側に広がる(吐出口22から離隔する方向に流れる)ように誘導することができる。つまり、図3(b)に示した例と同様に、開口部43から吹き出された溶媒蒸気をインク液滴Lの着弾位置よりも外側に誘導することができる。このため、溶媒蒸気が絶縁性基材1の着弾予定位置近傍に衝突して乱流を起こすことを防止することができる。この結果、正確なパターンを形成することができる。
本実施形態のパターン形成装置1は、図3(a)(b)、図4(a)(b)に示す管体4の態様を適宜に選択し、適用することができる。管体4の態様の選択においては、インク液滴Lの大きさ(インク液滴Lに含まれる溶媒の量)、インクに含まれる溶媒の種類(溶媒の乾燥速度)、絶縁性基材10の温度、溶媒蒸気の温度、溶媒蒸気の流量・流速などのインクの溶媒の蒸発に関する要因を考慮することができる。
さらに、本実施形態のパターン形成装置100は、管体4を加温する加温装置9を備える。本実施形態の加温装置9は、管体4の管内41の温度が溶媒供給装置8が供給する溶媒の所定環境下における露点(露点温度)以上となるように管体4を加熱する。本実施形態における露点とは、所定環境下において溶媒蒸気を含む気体を冷却したときに、凝結が開始する温度である。気化されて送り込まれた溶媒が管内41で冷えて液化すると開口部43から滴下してしまい、絶縁性基材10やプリント配線板10を汚染する恐れがある。本実施形態では、管体4を加熱することにより、パターン形成時における所定環境下において、管内41の温度を溶媒の所定環境下における露点以上に保つので、溶媒の液化を抑制し、溶媒が滴下することにより絶縁性基材10やプリント配線板10を汚染することを防止して製品品質の向上を図ることができる。なお、所定環境下における溶媒の露点は、露点温度計により直接測定を行なうか、パターン形成時における気温と相対湿度から溶媒の蒸気圧を求め、その溶媒の蒸気圧を飽和蒸気圧とする温度を求めることにより得ることができる。
以上のように、インクの吐出口22の近傍を取り囲む管体4を設け、インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を管体4の管内41に気体状態で供給することにより、管内4に位置する吐出口22の周囲の蒸気圧を高く保つことができるので、インク溶媒の蒸発を防止してインクの顔料や金属粒子などの微粒子状の機能性材料が凝集しにくくするとともに、吐出口22と絶縁性基材10との間を適切な距離に保つことができるので、インクの着弾位置の精度を高く維持することができる。この結果、インクの状態を良好に保ちつつ、所望のパターンを高い精度で形成することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本発明の実施形態に係るパターン形成方法は、プリント配線板の配線パターンの形成のほか、チップとメイン基板との間に介在させるインターポーザの配線パターン(ワイヤボンディングに相当するものを含む)の形成、フレキシブルプリント配線板の配線パターンの形成、多層配線基板や部分多層配線基板の各層の配線パターン及び各絶縁層の形成、DNAやたんぱく質などのバイオマテリアルや、薬剤を含むインクによるパターンの形成などに用いることができる。
100…パターン形成装置
10…プリント配線板
1…絶縁性基材
11…配線パターン
2…インクジェットヘッド
21…ノズル
22…吐出口
3…ピエゾ素子
4…管体
41…管内
41´…空間
42…包囲部
43…開口部
5…ステージ
6…制御装置
7…インク供給装置
8…溶媒供給装置(溶媒供給手段)
9…加熱装置(加熱手段)
L…(インクの)液滴

Claims (8)

  1. 機能性材料と溶媒を含むインクの液滴を、絶縁性基材の主面の所定領域に向かって順次吐出する吐出口を有するノズルを備えたインクジェットヘッドと、
    前記ノズルの吐出口又は吐出口の近傍を取り囲む管体と、
    所定環境下において、前記インクに含まれる溶媒の蒸気圧以上の蒸気圧を示す溶媒を前記管体の管内に気体状態で供給する溶媒供給手段と、を備えることを特徴とするパターン形成装置。
  2. 前記溶媒供給手段は、前記インクに含まれる溶媒と同質の溶媒を前記管体の管内に供給することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成装置。
  3. 前記管体は、前記ノズルの吐出口側に開口部を備え、
    前記溶媒供給手段は、前記開口部の他端側から前記溶媒を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成装置。
  4. 前記管体の断面の面積は、前記開口部に近いほど小さいことを特徴とする請求項3に記載のパターン形成装置。
  5. 前記管体の断面の面積は、前記開口部に近いほど大きいことを特徴とする請求項3に記載のパターン形成装置。
  6. 前記管体の前記開口部は、前記ノズルの吐出口よりも前記絶縁性基材に近い位置に設けられていることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のパターン形成装置。
  7. 前記管体の前記開口部は、前記ノズルの吐出口よりも前記絶縁性基材に遠い位置に設けられていることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のパターン形成装置。
  8. 前記管体を加温する加温手段をさらに備え、
    前記加温手段は、前記管体の管内の温度が、前記溶媒供給手段が供給する溶媒の前記所定環境下における露点以上となるように、前記管体を加温することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のパターン形成装置。
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