JP2013201426A - 半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを安定的に向上させることが可能な、半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置を提供すること。
【解決手段】 半導体基板10の表面10a及び裏面10bのそれぞれに、所定の周波数の電磁波を透過する性質を有し半導体基板10よりも熱伝導性の低い材料から構成される部材20a、20bを接触させ、2つの部材20a、20bに挟まれた半導体基板10に対して、前記所定の周波数の電磁波を所定時間照射する。前記所定の周波数の電磁波は、周波数が10MHz〜1THzの電磁波である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを制御する半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置に関する。
ソーラーセル、CCDフォトセンサ等の光誘起キャリヤを有効に利用する半導体デバイス製造においては、半導体基板のバルクライフタイムを大きくするとともに、少数キャリヤの実効ライフタイムを増大せしめることが重要である。従来、p型シリコン基板に対してマイクロ波を所定時間照射する加熱処理を行うことで、当該p型シリコン基板の少数キャリヤの実効ライフタイムが向上することが報告されている(非特許文献1参照)。
鮫島俊之、別院公一、蓮見真彦、「シリコンの少数キャリヤライフタイムの種々の外部刺激による変化」、薄膜材料デバイス研究会第8回研究集会論文集(2011年11月)P.175
しかしながら、上記の加熱処理では、n型シリコン基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを向上させることができず、また、上記の加熱処理によって一時的に増大したp型シリコン基板の少数キャリヤの実効ライフタイムは、時間経過(1週間)によって低下することが報告されている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを安定的に向上させることが可能な、半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置を提供することにある。
(1)本発明は、半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを制御する半導体基板の処理方法において、
前記半導体基板の表面及び裏面のそれぞれに、所定の周波数の電磁波を透過する性質を有し前記半導体基板よりも熱伝導性の低い材料から構成される部材を接触させ、
前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、前記所定の周波数の電磁波を所定時間照射し、
前記所定の周波数の電磁波は、周波数が10MHz〜1THzの電磁波であることを特徴とする。
また本発明は、半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを制御する半導体基板処理装置において、
前記半導体基板の表面及び裏面のそれぞれに接触させる部材と、
前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、所定の周波数の電磁波を照射する電磁波発生部とを含み、
前記部材は、前記所定の周波数の電磁波を透過する性質を有し前記半導体基板よりも熱伝導性の低い材料から構成される部材であり、
前記所定の周波数の電磁波は、周波数が10MHz〜1THzの電磁波であることを特徴とする。
本発明において、半導体基板は、シリコン半導体基板でもよいし、化合物半導体基板でもよい。
本発明によれば、半導体基板を、所定の周波数(周波数10MHz〜1THz)の電磁波を透過する性質を有し半導体基板よりも熱伝導性の低い材料から構成される2つの部材で挟んだ状態で、半導体基板に対して所定の周波数の電磁波を所定時間照射することで、半導体基体の少数キャリヤの実効ライフタイムを安定的に向上させることができる。
(2)また本発明に係る半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置では、
前記所定の周波数の電磁波は、マイクロ波でもよい。
本発明によれば、半導体基板を、マイクロ波を透過する性質を有し熱伝導性の低い材料から構成される2つの部材で挟んだ状態で、半導体基板に対してマイクロ波を所定時間照射することで、半導体基体の少数キャリヤの実効ライフタイムを安定的に向上させることができる。
(3)また本発明に係る半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置では、
前記部材は、SiOを主成分とするガラス(例えば、石英ガラス)、セラミック、アルミナ及びサファイアのいずれか1つから構成される部材でもよい。
(4)また本発明に係る半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置では、
前記半導体基板は、結晶性半導体基板でもよい。
(5)また本発明に係る半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置では、
前記結晶性半導体基板は、結晶性シリコン基板でもよい。
(6)また本発明に係る半導体基板の処理方法及び半導体基板処理装置では、
前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、前記所定の周波数の電磁波を照射して前記半導体基板を800℃未満に加熱してもよい。
本実施形態の処理方法の一例について説明するための模式図。 第1の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。 第1の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。 第2の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。 第2の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。 第2の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。 第2の実施例におけるn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムの測定結果。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.処理方法
図1は、本実施形態に係る半導体基板の処理方法の一例について説明するための模式図である。
図1に示すように、処理対象である半導体基板10の表面10a及び裏面10bのそれぞれに、板状部材20a、20bを接触させて配置する。半導体基板10は、結晶性半導体基板であり、結晶性シリコン基板でもよいし、結晶性化合物半導体でもよい。例えば、結晶性化合物半導体として、III−V族半導体である、ガリウム砒素(GaAs)、インジウムガリウム砒素(InGaAs)、窒化ガリウム(GaN)等の半導体基板を処理対象とすることができる。
板状部材20a、20bは、所定の周波数の電磁波(周波数10MHz〜1THzの範囲のいずれかの電磁波、例えばマイクロ波)を透過する性質を有し半導体基板10よりも熱伝導性(熱伝導率)の低い材料から構成される板状の部材である。半導体基板10としてシリコン基板(熱伝導率:168W/m・k)を用いる場合には、板状部材20a、20bの材料として、例えばSiOを主成分とするガラス(石英ガラス)、セラミック、アルミナ、サファイア等を用いることができる。板状部材20a、20bの半導体基板10との接触面の大きさは、半導体基板10表面積と同等かそれ以上であることが望ましい。また、板状部材20a、20bの厚さは、例えば、0.1mm以上1m以内とすることができる。また、板状部材20a、20bの形状は、板状形状でなくてもよく、半導体基板10の表面10a(或いは裏面10b)の全面に接触(密着)可能な形状であればどのような形状であってもよい。
本実施形態の処理方法に用いる加熱装置30(半導体基板処理装置の一例)は、所定の周波数の電磁波(周波数10MHz〜1THzの範囲のいずれかの電磁波、例えばマイクロ波)を発生する電磁波発生部34を備える。電磁波発生部34として、例えば、マグネトロン等のマイクロ波発生器を用いてもよい。加熱装置30の庫内30aの壁面30bは、電磁波を反射する金属で形成されており、これにより、庫内30aの処理対象物に満遍なく電磁波を照射することができる。また、庫内30aには処理対象物を載置する載置部32(ステージ)が設けられている。なお、加熱装置30が、載置部32を鉛直方向の軸回りに回転させる機構を備え、載置部32をターンテーブルとして構成してもよい。
図1に示すように、2つの板状部材10a、10bに挟まれた半導体基板10を、加熱装置30の載置部32上に載置し、2つの板状部材10a、10bに挟まれた半導体基板10に対して、電磁波発生部34からの所定の周波数の電磁波を所定時間照射して、半導体基板10を800℃未満に加熱する。電磁波の照射時間は、例えば、数分間とすることができる。半導体基板10を挟む2つの板状部材10a、10bは、電磁波を透過する(電磁波に対して透明である)ため、電磁波発生部34からの電磁波は、板状部材10a、10bを透過して半導体基板10に到達する。本実施形態の処理方法によって半導体基板10の少数キャリヤの実効ライフタイムを処理前と比べて大幅に向上させることができる。
2.原理
次に、本実施形態の処理方法の原理について説明する。
半導体基板に電磁波を照射したとき、半導体基体内に存在するフリーキャリヤ(電子、ホール(正孔))は電磁波の交流周期的電界に沿って移動し、電磁波の周波数で振動する。しかし、主に半導体基体の結晶格子の熱振動と、半導体基体内に含まれる不純物によって、電子及びホールは移動の位相を乱されて散乱がおき、電界による加速度的運動が減衰
する。この運動減衰時間は運動のライフタイムとして知られている。例えば、結晶性シリコンの場合、このライフタイムは0.1p秒といった小さい値であることが知られている。すなわち、電子及びホールは電磁波により振動励起されるが、直ちに減衰する。減衰時に放出されたエネルギーは半導体格子の熱励起に供され、電子及びホール周辺の半導体格子を加熱することになる。このような作用はフリーキャリヤ電磁波吸収として知られている(T.Sameshima, H.Hayasaka, and T.Haba: “Analysis of Microwave Absorption Caused by Free Carriers in Silicon”, Jpn.J.Appl.Phys.48(2009)021204-1-6参照)。
すなわち、本実施形態の処理方法は、電磁波照射によるフリーキャリヤ吸収加熱現象を利用したものである。フリーキャリヤ吸収作用は電磁波による直接的励起現象であり、極めて高効率な加熱作用である。従って、本手法の加熱作用は、より効果的にフリーキャリヤ吸収を生じる、キャリヤ移動度の大きい単結晶或いは多結晶半導体基体に対して効果的である。
一般に半導体基体中には結晶欠陥が存在し、半導体表面には更に多くの結晶欠陥が存在する。これらの結晶欠陥は、不純物混入や機械的ストレス、高エネルギー粒子被ばく、高エネルギー電磁波被ばく等によって発生する。特に半導体表面は半導体の終端であるために欠陥の発生する可能性が大きい。これら結晶欠陥は、光照射により誘起された電子及びホールキャリヤ対の再結合サイトになる。すなわち、これら結晶欠陥が多い半導体基板においては、光照射によって電子及びホールのキャリヤ(光誘起キャリヤ、少数キャリヤ)の生成を行っても、直ちに再結合を起こし光誘起キャリヤ密度は非常に小さくなる。従って、これら結晶欠陥が多い場合、半導体基板を用いた太陽電池(ソーラーセル)やフォトセンサといった光デバイスの性能は著しく劣化する。
加熱処理は、上記結晶欠陥の低減に効果があることが知られている。すなわち、結晶格子の空孔やひずみを緩和して正常な半導体結晶格子状態にするために熱処理は有効である。特に、上述のように、直接フリーキャリヤを励起して加熱する方法は加熱効率が高く有効である。
しかしながら、半導体基板を単に加熱すれば結晶欠陥を低減できるわけではない。半導体基板を高温で加熱すると、半導体結晶格子は激しく振動し、予め存在していた空孔や積層欠陥等の結晶欠陥を低減する効果があるものの、同時に、激しく振動する半導体結晶格子それ自身が空孔欠陥を生成する確率が高くなる。すなわち、一般に高温状態では結晶欠陥が高密度に存在する状態となっている。仮に、高温状態の半導体基板を急激に冷却した場合、高温時に生成された空孔欠陥がそのまま冷却後も残っていまい、欠陥の多い状態で固定され、光誘起電子及びホールキャリヤ対の再結合が大きくなる。このため、電子及びホールキャリヤ対の生成率Gの定常的光照射時における、半導体基板中のキャリヤ面密度Nが小さくなり、光誘起少数キャリヤの実効ライフタイムτeff(τeff=N/G)が非常に小さくなる。
従って、電磁波加熱によって元々存在している欠陥を低減しつつ高温時に生成される欠陥を残さないようにして低欠陥状態を実現するためには、半導体基体を効率良く加熱し、しかる後に徐冷することが必要である。そのためには、半導体基板を、電磁波に対して透明であり且つ断熱性の高い(すなわち、熱伝導性の低い)材料で覆うことが好適である。
本実施形態の半導体基板の処理方法では、半導体基板10の表面10a及び裏面10bを、電磁波に透明であり半導体基板10よりも熱伝導性の低い板状部材20a、20bで覆った(密着させた)状態で、半導体基板10に電磁波を照射することで、効率的な加熱と徐冷による上記低欠陥状態を実現し、半導体基板10の実効ライフタイムτeffを向上させる。
更に、本実施形態の処理方法は、半導体製造プロセス中に発生した欠陥の低減に有効である。すなわち、半導体製造プロセスには、エッチングや成膜などの多くのステップがあるが、その中で欠陥の発生を伴うプロセスが多くある。欠陥の発生を伴うプロセスとして、例えばエッチングや成膜に用いられるプラズマ処理が挙げられる。プラズマとは、高エネルギーイオンと電子の集合体であり、ガスの分解を効率的に行う。しかし、高エネルギーイオンと電子は、半導体基体の結合を破壊して欠陥を生成する。更には、高エネルギーイオンと電子は、それらの再結合により極めてエネルギーの高い紫外線を生成し、半導体基体の結晶格子を破壊して欠陥を生成する。本実施形態の処理方法では、このような半導体製造プロセスにおいて生成された欠陥をも改善することもできる。
3.実験結果
本実施形態の処理方法により半導体基板を加熱処理し、加熱処理前と加熱処理後の半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムτeffを測定した。
3−1.第1の実施例
本実施例では、半導体基板10として、100nm厚の熱酸化膜(SiO膜)を両面に形成した500μm厚のn型シリコン基板及びp型シリコン基板を用いた。また、シリコン基板を挟む2つの板状部材20a、20bとして、1mm厚の石英基板を用いた。また、加熱装置30として、出力700W、周波数2.45GHzのマイクロ波を発生するマイクロ波発生器を備えた加熱装置を用いた。マイクロ波の照射時間(加熱時間)は、120秒とした。
また、半導体基板の実効ライフタイムτeffの測定は、マイクロ波光干渉吸収法により行った。この方法では、導波管で形成したマイクロ波干渉計に半導体基板を挿入し、マイクロ波を照射した状態で連続光を照射する。連続光によって誘起されたキャリヤによってマイクロ波が吸収され、このときのマイクロ波の透過率の変化を測定することにより、半導体基板の実効ライフタイムτeffを測定することができる。本測定では、マイクロ波の出力が14.8mWであり、照射光の波長が635nm、強度が1mW/cmである測定装置を用いた。
図2(A)、図2(B)に、本実施形態の手法で加熱処理されたn型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeffの測定値の時間変化と、加熱処理前のn型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeffの測定値(初期値)を示す。
図2(A)に示すように、n型シリコン基板では、加熱前の実効ライフタイムτeffの初期値は1.9×10−3sであったが、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeffが2.6×10−3sに増大した。そして、その後30日間に渡って、実効ライフタイムτeffが2.7×10−3s〜2.8×10−3sを維持した。このように、n型シリコン基板では、マイクロ波加熱によって実効ライフタイムτeffが40%強向上した。
また図2(B)に示すように、p型シリコン基板では、加熱前の実効ライフタイムτeffの初期値は3.5×10−4sであったが、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeffが8.4×10−4sに増大した。そして、その後30日間に渡って、実効ライフタイムτeffが6.4×10−4s〜8.5×10−4sを維持した。このように、p型シリコン基板では、マイクロ波加熱によって実効ライフタイムτeffが2倍以上向上した。
図2(A)、図2(B)の測定結果は、本実施形態の処理方法が、n型及びp型半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムτeffを大幅に向上させ、且つその効果を長期間に渡って持続させることができることを示している。
また、上記の加熱処理前のn型シリコン基板及びp型シリコン基板に対して、出力50W、60秒のArプラズマ処理を施した後、上記実験と同様の条件で加熱処理を行い、プラズマ処理前、プラズマ処理後(加熱処理前)及び加熱処理後のn型及びp型シリコン基板の少数キャリヤの実効ライフタイムτeffを測定した。測定結果を図3(A)、図3(B)に示す。
図3(A)に示すように、n型シリコン基板では、プラズマ処理前の実効ライフタイムτeffの初期値は1.3×10−3sであったが、Arプラズマ処理を行うことで、実効ライフタイムτeffが5×10−6sに大幅に低減した。これは、Arプラズマがホール少数キャリヤの再結合を引き起こす欠陥を高密度で生成したことを示している。これに対して、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeffが1.2×10−3sとなりほぼ初期値に回復した。
また図3(B)に示すように、p型シリコン基板では、プラズマ処理前の実効ライフタイムτeffの初期値は2×10−4sであったが、Arプラズマ処理を行うことで、実効ライフタイムτeffが2×10−6sに大幅に低減した。これは、Arプラズマが電子少数キャリヤの再結合を引き起こす欠陥をも高密度で生成したことを示している。これに対して、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeffが6×10−4sとなり初期値よりも大きな値になった。
図3(A)、図3(B)の測定結果は、本実施形態の処理方法が、n型及びp型半導体基板の製造プロセス中の半導体基体の品質改善に効果的であり、且つ、熱酸化で形成したSiO/Si界面の改質をも実現し得ることを示している。
3−2.第2の実施例
本実施例では、半導体基板10として、100nm厚の熱酸化膜(SiO膜)を両面に形成した520μm厚のn型シリコン基板及びp型シリコン基板を用いた。また、シリコン基板を挟む2つの板状部材20a、20bとして、2mm厚の石英基板(ガラス基板)を用いた。また、加熱装置30として、出力700W、周波数2.45GHzのマイクロ波を発生するマイクロ波発生器を備えた加熱装置を用いた。
また、半導体基板の実効ライフタイムτeffの測定は、第1の実施例と同様にマイクロ波光干渉吸収法により行った。本測定では、波長が635nm、強度が1.5mW/cmの照射光を2秒の周期で間歇照射し、シリコン基板の表面側に光を照射したときの実効ライフタイムτeff(top)と、シリコン基板の裏面側に光を照射したときの実効ライフタイムτeff(rear)を測定した。なお、波長635nmの光のシリコン基板に対する光侵入長は3μmであり、本実施例で用いたシリコン基板の厚さよりも大分浅い。
図4(A)、図4(B)に、マイクロ波の照射時間(加熱時間)と、n型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の測定値との関係を示す。図4(A)、図4(B)において、白抜き点はτeff(top)の測定値を示し、黒塗り点はτeff(rear)の測定値を示す。以降の図においても同様である。図4(A)、図4(B)に示すように、いずれの加熱時間においても、τeff(top)とτeff(rear)はほぼ同じ値となった。
図4(A)に示すように、n型シリコン基板では、マイクロ波の照射時間を180秒ま
で長くすることで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が、1.8×10−3(加熱前の初期値)から2.4×10−3に増大した。また、図4(B)に示すように、p型シリコン基板では、60秒の加熱時間で、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が、2.5×10−4(加熱前の初期値)から3.2×10−4に増大し、180秒の加熱時間まで同等の値を維持した。すなわち、この場合の適切な加熱時間は60秒であることがわかった。
図5(A)、図5(B)に、マイクロ波の照射時間(加熱時間)を120秒としたときの、n型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の測定値の時間変化と、加熱処理前のn型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の測定値(初期値)を示す。
図5(A)に示すように、n型シリコン基板では、加熱前の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の初期値は1.8×10−3sであったが、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が2.6×10−3sに増大し、その後長期間に渡って高い値を維持した。また、図5(B)に示すように、p型シリコン基板では、加熱前の実効ライフタイムτeff(t op)、τeff(rear)の初期値は3.4×10−4sであったが、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が8.4×10−4sに増大し、その後長期間に渡って高い値を維持した。
また、上記の加熱処理前のn型シリコン基板及びp型シリコン基板の表面に対して、出力50W、60秒のArプラズマ処理を施した後、マイクロ波による加熱処理(加熱時間:120秒)を行い、プラズマ処理前、プラズマ処理後(加熱処理前)及び加熱処理後のn型及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)を測定した。測定結果を図6(A)、図6(B)に示す。
図6(A)に示すように、n型シリコン基板では、プラズマ処理前の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の初期値はそれぞれ1.3×10−3s、1.3×10−3sであったが、Arプラズマ処理を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)がそれぞれ6×10−6s、9×10−5sに大幅に低減した。これは、Arプラズマがキャリヤの再結合を引き起こす欠陥をシリコン基板の表面側に生成したことを示している。これに対して、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が1.8×10−3s、1.8×10−3sとなりほぼ初期値に回復した。また図6(B)に示すように、p型シリコン基板では、プラズマ処理前の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の初期値はそれぞれ2×10−4s、2×10−4sであったが、Arプラズマ処理を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)がそれぞれ3×10−6s、1.5×10−5sに大幅に低減した。これに対して、マイクロ波による加熱を行うことで、実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)が2.4×10−4s、2.4×10−4sとなりほぼ初期値に回復した。
図7(A)、図7(B)に、上記Arプラズマ処理を施した後、上記マイクロ波による加熱処理を行った場合の、n型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)の測定値の時間変化を示す。図7(A)、図7(B)に示すように、マイクロ波による加熱を行うことで回復したn型シリコン基板及びp型シリコン基板の実効ライフタイムτeff(top)、τeff(rear)は、その後長期間に渡って高い値を維持した。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であ
る。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10 半導体基板、10a 表面、10b 裏面、20a,20b 板状部材、30 加熱装置(半導体基板処理装置)、30a 庫内、30b 壁面、32 載置部、34 電磁波発生部

Claims (12)

  1. 半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを制御する半導体基板の処理方法において、
    前記半導体基板の表面及び裏面のそれぞれに、所定の周波数の電磁波を透過する性質を有し前記半導体基板よりも熱伝導性の低い材料から構成される部材を接触させ、
    前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、前記所定の周波数の電磁波を所定時間照射し、
    前記所定の周波数の電磁波は、周波数が10MHz〜1THzの電磁波である、半導体基板の処理方法。
  2. 請求項1において、
    前記所定の周波数の電磁波は、マイクロ波である、半導体基板の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記部材は、SiOを主成分とするガラス、セラミック、アルミナ及びサファイアのいずれか1つから構成される部材である、半導体基板の処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記半導体基板は、結晶性半導体基板である、半導体基板の処理方法。
  5. 請求項4において、
    前記結晶性半導体基板は、結晶性シリコン基板である、半導体基板の処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、前記所定の周波数の電磁波を照射して前記半導体基板を800℃未満に加熱する、半導体基板の処理方法。
  7. 半導体基板の少数キャリヤの実効ライフタイムを制御する半導体基板処理装置において、
    前記半導体基板の表面及び裏面のそれぞれに接触させる部材と、
    前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、所定の周波数の電磁波を照射する電磁波発生部とを含み、
    前記部材は、前記所定の周波数の電磁波を透過する性質を有し前記半導体基板よりも熱伝導性の低い材料から構成される部材であり、
    前記所定の周波数の電磁波は、周波数が10MHz〜1THzの電磁波である、半導体基板処理装置。
  8. 請求項7において、
    前記所定の周波数の電磁波は、マイクロ波である、半導体基板処理装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記部材は、SiOを主成分とするガラス、セラミック、アルミナ及びサファイアのいずれか1つから構成される部材である、半導体基板処理装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれかにおいて、
    前記半導体基板は、結晶性半導体基板である、半導体基板処理装置。
  11. 請求項10において、
    前記結晶性半導体基板は、結晶性シリコン基板である、半導体基板処理装置。
  12. 請求項7乃至11のいずれかにおいて、
    前記電磁波発生部は、
    前記2つの部材に挟まれた前記半導体基板に対して、前記所定の周波数の電磁波を照射して前記半導体基板を800℃未満に加熱する、半導体基板処理装置。
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