JP2013199701A - 塊成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塊成物にバインダーとして配合する小麦粉量を低減しても強度が高く、粉化率の低い塊成物を製造できる方法を提供する。
【解決手段】酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物の製造方法であって、前記バインダーはタピオカ粉末および小麦粉からなり、前記原料混合物全体の質量に対する前記バインダーの配合量を1.5〜2.5質量%とし、前記バインダーの前記配合量に対して前記タピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満とする塊成物の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物の製造方法であって、前記バインダーはタピオカ粉末および小麦粉からなり、前記原料混合物全体の質量に対する前記バインダーの配合量を1.5〜2.5質量%とし、前記バインダーの前記配合量に対して前記タピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満とする塊成物の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄鉱石や酸化鉄等の酸化鉄源(以下、酸化鉄含有物質ということがある)、石炭やコークス等のような炭素を含む還元剤(以下、炭素質還元剤ということがある)、およびバインダーを含む塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法に関するものであり、詳細には、前記還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物を製造する方法に関するものである。
酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化して得られた塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する直接還元製鉄法が開発されている。この製鉄法では、上記塊成物を加熱炉(例えば、移動炉床炉など)に供給し、炉内で加熱バーナーによる燃焼熱や輻射熱により加熱することによって塊成物中の酸化鉄を炭素質還元剤で還元している。得られた還元鉄は、炉に設けられた排出手段によって炉外へ排出され、回収される。
上記塊成物は、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤の混合物に、該塊成物の強度を高めるためにバインダーと水を配合し、造粒機で塊成化して生ペレットとした後、乾燥することにより製造される。得られた塊成物は、通常、ベルトコンベアに乗せられて加熱炉まで移動させるが、加熱炉に供給されるまで移動する間や、ベルトコンベアを乗り継ぐときに塊成物の一部が砕け、粉化することがあるため粉化しない程度の強度を有していることが求められている。また、加熱炉に塊成物を供給するときは、ある程度の高さから炉床上に落とされるが、このとき落下させても塊成物の一部が砕けたり、崩壊しない程度の強度を有していることが求められている。塊成物の強度が低く、塊成物が粉化、崩壊すると、酸化鉄の還元が不充分となって還元鉄の品質が低下したり、還元鉄と、酸化鉄の還元時に副生するスラグとの分離性が悪くなって還元鉄の品質が低下するからである。また、塊成物の粉化物が炉床に堆積すると、炉床上に塊状や板状の還元鉄が形成される。炉床上に堆積した還元鉄が粗大化すると、還元鉄を炉外へ排出するために設けた排出手段等に接触し、この排出手段等を損傷する原因となる。また、炉床表面を平滑に均すための均し手段が設けられている場合には、上記炉床上に堆積した還元鉄が均し手段に接触し、該均し手段を損傷することがある。特に、炭素質還元剤は水と馴染みにくいため、炭素質還元剤を含有しない場合と比べて塊成物の強度は低下する傾向がある。
上記塊成物の強度を高める技術として、特許文献1、2が知られている。これらのうち特許文献1には、主成分たる酸化鉄と、この酸化鉄を還元するのに十分な量の炭材と、前記酸化鉄と炭材とを粘結するのに十分な量の有機質粘結剤と、0.05質量%以上、1質量%未満の無機質凝集剤とを含む混合原料に水分を添加して造粒した生ペレットを、この生ペレットの水分が1.0質量%以下になるまで乾燥することによって酸化鉄ペレットの強度を高める技術が開示されている。この文献には、有機質粘結剤の具体例として、小麦粉、トウモロコシ粉、ポテトスターチ、デキストリン等が挙げられている。
特許文献2には、バインダーとして炭水化物を用いると共に、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、バインダーおよび水分を含む原料混合物を静置工程に付してから塊成化することによって、塊成化物の強度を高める技術が開示されている。この文献には、炭水化物の具体例として、小麦粉、ジャガイモ粉、サツマイモ粉、トウモロコシ粉、タピオカ粉などが挙げられている。また、バインダーの配合比は、原料混合物中に占める比率で0.5〜1.5質量%程度とすることが記載されている。
上記塊成物の強度は、バインダーの配合量にある程度比例して高くなることが知られている。一方、上記バインダーとしては、一般的には小麦粉が使用されているが、小麦粉の価格はここ数年高騰しているため、コスト高となっている。また、国や地域によっては、小麦粉を産出しないか、産出量が少なく工業向けに用いる余裕が無いところがあり、バインダーとして小麦粉以外の代替品を使用せざるを得ないことがある。そこでバインダーとして配合する小麦粉量を低減することが求められている。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、塊成物にバインダーとして配合する小麦粉量を低減しても強度が高く、粉化率の低い塊成物を製造できる方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、得られた塊成物を用いて還元鉄を製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る塊成物の製造方法とは、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物の製造方法であって、前記バインダーはタピオカ粉末および小麦粉からなり、前記原料混合物全体の質量に対する前記バインダーの配合量を1.5〜2.5質量%とし、前記バインダーの前記配合量に対して前記タピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満とする点に要旨を有している。上記原料混合物全体の質量に対して、タピオカ粉末の配合量は、1.05質量%以上、2.5質量%未満とし、上記小麦粉の配合量は、0質量%超、0.75質量%以下とすればよい。本発明には、上記製造方法で得られた塊成物を還元鉄の製造に用いて還元鉄を製造する方法も包含される。
本発明によれば、塊成物に配合するバインダーとしてタピオカ粉末と小麦粉を併用すると共に、これらの併用割合を適切に制御しているため、小麦粉の配合量を低減しても塊成物の強度を高めることができ、粉化を抑えることができる。その結果、塊成物のコストを削減でき、この塊成物を用いて還元鉄を製造すれば、還元鉄の製造コストを低減できる。
本発明者らは、酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物について、該塊成物に配合する小麦粉量を低減しても塊成物の強度を確保し、粉化率を抑えることを目指して鋭意検討を重ねてきた。その結果、バインダーとして小麦粉とタピオカ粉末とを併用すると共に、これらの併用割合を適切に調整すれば、バインダーとして用いる小麦粉の配合量を低減しても、塊成物の強度低下を抑制でき、粉化を抑えられることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、バインダーとして、タピオカ粉末と小麦粉を併用することが重要である。即ち、従来からバインダーとして用いられている数々の材料からタピオカ粉末を選択し、このタピオカ粉末と小麦粉とを併用することによって、小麦粉の使用量を低減しても小麦粉を単独で用いたときと同程度の塊成物強度を達成できることを明らかにしている。ここで、タピオカ粉末とは、キャッサバの塊根から得られる澱粉であり、小麦粉とは、小麦を粉にしたものである。
本発明では、タピオカ粉末と小麦粉を併用したうえで、上記原料混合物全体の質量に対するバインダーの配合量は1.5〜2.5質量%とする必要がある。バインダーの配合量が1.5質量%未満では、タピオカ粉末と小麦粉を併用しても酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを充分粘結させることができず、塊成物の強度が低下し、搬送時や炉への供給時に粉化が発生しやすくなる。従ってバインダーの配合量は1.5質量%以上とし、好ましくは1.8質量%以上である。一方、バインダーの配合量を2.5質量%超としても粘結剤としての効果は飽和し、経済的に不利益になるだけである。また、2.5質量%を超えて配合すると、後述する様に、原料混合物を塊成化して得られた生ペレット性状として、荷重時変形率がバインダー添加量の増加に伴って大きくなり、乾燥器内で積載したときに潰れ気味となり、乾燥空気の通気を阻害する現象が起こり勝ちになる。従ってバインダーの配合量は2.5質量%以下とし、好ましくは2.3質量%以下である。
本発明では、上記原料混合物全体の質量に対するバインダーの配合量を上記範囲に調整したうえで、該バインダーの上記配合量に対する上記タピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満とすることが重要である。即ち、バインダーとして小麦粉のみを用いる場合に対して、タピオカ粉末の置換率を70%以上、100%未満とすることが重要である。タピオカ粉末の配合量が70質量%(タピオカ粉末による置換率が70%)を下回ると、バインダーに占める小麦粉の配合量が多くなるため、タピオカ粉末を用いることによるコスト削減効果が期待できない。従ってタピオカ粉末の配合量は70質量%以上とし、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。しかしタピオカ粉末の配合量を100質量%(タピオカ粉末による置換率が100%であり、小麦粉の配合量は0質量%)とすると、後述する実施例で明らかにするように、落下強度は良好であるものの、粉化率が高くなる。従ってタピオカ粉末の配合量は100質量%未満とし、好ましくは98質量%以下である。
上記原料混合物全体の質量に対して、タピオカ粉末の配合量は、1.05質量%以上、2.5質量%未満とすればよく、上記小麦粉の配合量は、0質量%超、0.75質量%以下とすればよい。
上記原料混合物は、上記バインダーの他に、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤を含んでいる。上記酸化鉄含有物質としては、鉄鉱石、砂鉄、非鉄精錬残渣などを用いることができる。上記炭素質還元剤としては、炭素含有物質を用いることができ、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。
上記原料混合物には、その他の成分として、CaO供給物質、MgO供給物質、CaOとMgOの供給物質、Al2O3供給物質、SiO2供給物質などを配合してもよい。CaO、MgO、Al2O3、およびSiO2は、いずれも塊成物に含まれる鉄以外の成分(特に、脈石)の融点に影響する物質である。
上記CaO供給物質としては、例えば、CaO(生石灰)、Ca(OH)2(消石灰)およびCaCO3(石灰石)よりなる群から選ばれる少なくとも一つを配合することが好ましい。上記MgO供給物質としては、例えば、MgO粉末、天然鉱石や海水などから抽出されるMg含有物質、MgCO3よりなる群から選ばれる少なくとも一つを配合することが好ましい。上記CaOとMgOの供給物質としては、例えば、CaMg(CO3)2(ドロマイト)などを配合することが好ましい。上記Al2O3供給物質としては、例えば、Al2O3粉末、ボーキサイト、ベーマイト、ギブサイト、ダイアスポアなどを配合することが好ましい。上記SiO2供給物質としては、例えば、SiO2粉末や珪砂などを用いることができる。
上記原料混合物は、混合機を用いて混合すればよく、混合機としては、例えば、回転容器形混合機や固定容器形混合機を用いることができる。回転容器形混合機としては、例えば、回転円筒形、二重円錐形、V形などの混合機を用いることができる。固定容器形混合機としては、例えば、混合槽内に回転羽(例えば、鋤など)を設けた混合機を用いることができる。上記原料混合物を混合する際には、必要に応じて適量の水を配合すればよい。
上記混合機で混合して得られた原料混合物は、塊成機を用いて塊成化すればよい。塊成機としては、例えば、皿形造粒機(ディスク形造粒機)やドラム形造粒機(円筒形造粒機)、双ロール型ブリケット成型機などを用いることができる。
上記原料混合物を成形するときの形状は特に限定されず、例えば、塊状、粒状、ブリケット状、ペレット状、棒状などであればよく、好ましくはペレット状やブリケット状であればよい。
上記原料混合物を塊成化して得られた生ペレットは、乾燥して塊成物とする。なお、上記生ペレットを乾燥させるときの条件は特に限定されない。
乾燥して得られた塊成物の大きさは特に限定されないが、最大直径が50mm程度以下であればよく、下限値は5mm程度である。
本発明で得られた塊成物は、強度が高い(特に、転動時における粉化率が低い)ため、乾燥後、加熱炉へ供給するまでの間や、加熱炉に供給しても粉化し難い。そのため、還元鉄の生産性が向上する。
次に、本発明で得られた塊成物を用いて還元鉄を製造するときの条件について説明する。上記塊成物を加熱炉へ供給し、加熱して塊成物に含まれる酸化鉄を炭素質還元剤により還元することによって還元鉄を製造できる。
上記加熱炉としては、公知の炉を用いればよく、例えば、移動炉床式加熱炉を用いればよい。移動炉床式加熱炉とは、炉床がベルトコンベアのように炉内を移動する加熱炉であり、具体的には、回転炉床炉が例示できる。回転炉床炉は、炉床の始点と終点が同じ位置になるように、炉床の外観形状が円形(ドーナツ状)に設計されており、炉床上に供給された塊成物は、炉内を一周する間に加熱還元されて還元鉄を生成する。従って、回転炉床炉には、回転方向の最上流側に塊成物を炉内に供給する手段が設けられ、回転方向の最下流側(回転構造であるため、実際には装入手段の直上流側になる)に排出手段が設けられる。
上記加熱炉には、炉内の炉床上に供給した上記塊成物の積層厚みを均すための均し手段を設けてもよい。均し手段としては、例えば、スクリューフィーダーなどが挙げられる。
上記塊成物は、炉内で常法に従って加熱すればよく、例えば、塊成物の温度が1200〜1500℃となるように加熱すればよい。加熱温度を1300℃前後とした場合には、固体状態で還元反応が起こり、還元鉄を固体状態のまま回収できる。一方、加熱温度を1400℃以上とした場合には、溶融状態で還元反応が起こるため、還元鉄と、酸化鉄の還元時に副生するスラグが、いずれも液体状となり、還元鉄とスラグに分離し、これらが夫々凝集する。これを冷却すれば、還元鉄とスラグを回収できる。
得られた還元鉄は、例えば、高炉や電気炉へ供給して鉄源として用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を作製し、該塊成物の強度を測定した。
上記酸化鉄含有物質としては下記表1に示した成分組成の鉄鉱石を用い、上記炭素質還元剤としては下記表2に示した成分組成の石炭を用いた。
また、上記原料混合物には、酸化鉄含有物質(鉄鉱石)、炭素質還元剤(石炭)、およびバインダーの他に、スラグ組成調整用副原料を配合した。上記スラグ組成調整用副原料としては、CaO供給物質である石灰石(主成分はCaCO3で、詳細な成分組成を下記表3に示す。)を配合した。上記原料混合物の組成を下記表4に示す。
上記原料混合物全体の質量に対する上記バインダーの配合量は1.0〜2.0質量%とした。上記バインダーとしては、タピオカ粉末と小麦粉を用い、これらの配合比率を適宜調整した。下記表5に、原料混合物全体の質量に対するタピオカ粉末の配合量と、小麦粉の配合量、バインダー量(即ち、タピオカ粉末と小麦粉の合計量)を示す。また、バインダー全体の質量に対するタピオカ粉末の質量割合を下記表5に併せて示す。なお、比較例として、バインダーとして小麦粉のみを用いた例を下記表5に示した(No.15〜18)。
得られた原料混合物に適量の水を添加し、タイヤ型造粒機を用いて直径約19mmの生ペレットに造粒した。得られた生ペレットを乾燥機に装入し、180℃で1時間加熱して付着水を完全に除去して塊成物を得た。乾燥して得られた塊成物の機械的強度を評価するために、塊成物の粉化率を測定した。また、塊成物の落下強度についても測定した。
[粉化率]
塊成物の粉化率は、実操業で発生する粉化率と相関性がよいタンブラー強度に基づいて評価した。タンブラー強度は、DI50指数に基づいて評価した。DI50指数は、「製銑ハンドブック 1979」の10.7章に記載された鉄鉱石類(焼結鉱)の還元粉化試験に準拠して算出した。これによれば、内径12.66cmで長さ20cmの円筒内に対向する高さ2.5cmで厚さ0.6cmの2枚の仕切板を長手方向に設けた金属製容器に、塊成物を約100g入れ、回転速度30rpmで50回転させたのち篩にかけ、測定された3.55mm以下の塊成物の量を質量%で表したものをDI50指数としている。この値が小さいほど塊成物のタンブラー強度が高く、塊成物の粉化率が低いことを意味している。本発明では、DI50指数が5%以下の場合を合格とし、粉化率が低く、塊成物の強度が高いと評価している。
塊成物の粉化率は、実操業で発生する粉化率と相関性がよいタンブラー強度に基づいて評価した。タンブラー強度は、DI50指数に基づいて評価した。DI50指数は、「製銑ハンドブック 1979」の10.7章に記載された鉄鉱石類(焼結鉱)の還元粉化試験に準拠して算出した。これによれば、内径12.66cmで長さ20cmの円筒内に対向する高さ2.5cmで厚さ0.6cmの2枚の仕切板を長手方向に設けた金属製容器に、塊成物を約100g入れ、回転速度30rpmで50回転させたのち篩にかけ、測定された3.55mm以下の塊成物の量を質量%で表したものをDI50指数としている。この値が小さいほど塊成物のタンブラー強度が高く、塊成物の粉化率が低いことを意味している。本発明では、DI50指数が5%以下の場合を合格とし、粉化率が低く、塊成物の強度が高いと評価している。
また、図1に、タピオカ粉末の置換率と粉化率との関係をグラフに示す。図1において、□はバインダーの合計量が1.0%の結果、△はバインダーの合計量が1.5%の結果、○はバインダーの合計量が2.0%の結果を夫々示している。
[落下強度]
塊成物の落下強度は、得られた塊成物を鋼板の上方45cmの位置から自然落下させ、塊成物本体から分離した小破片の割合が、落下回数測定前における塊成物の質量に対して10質量%を超える直前の回数を落下回数とした。測定は、10個の塊成物について行い、測定結果の平均値を落下強度とした。落下強度を下記表5に示す。
塊成物の落下強度は、得られた塊成物を鋼板の上方45cmの位置から自然落下させ、塊成物本体から分離した小破片の割合が、落下回数測定前における塊成物の質量に対して10質量%を超える直前の回数を落下回数とした。測定は、10個の塊成物について行い、測定結果の平均値を落下強度とした。落下強度を下記表5に示す。
本発明では、上記DI50指数が5%以下で、且つ落下回数が5回以上の場合を塊成物の強度がより優れていると評価し、上記DI50指数が5%以下で、且つ落下回数が10回以上の場合を塊成物の強度が特に優れていると評価している。
また、図2に、タピオカ粉末の置換率と落下強度との関係をグラフに示す。図2において、□はバインダーの合計量が1.0%の結果、△はバインダーの合計量が1.5%の結果、○はバインダーの合計量が2.0%の結果を夫々示している。
下記表5、図1、図2から明らかなように、原料混合物全体の質量に対するバインダーの配合量を1.5〜2.0質量%とし、バインダーの配合量に対してタピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満(即ち、タピオカ粉末の置換率を70%以上、100%未満)とすることによって、小麦粉の使用量を低減しても、塊成物の粉化率を低くすることができ、塊成物の強度を高められることが分かる。また、No.9とNo.16を比較すると、本発明のNo.9によれば、バインダーの合計使用量は約2倍に増加するが、タピオカ粉を併用することによって、小麦粉の使用量を約1/10に低減しても、同程度のDI50指数を有する塊成物を得ることができることが分かる。また、No.8とNo.18を比較すると、本発明のNo.8によれば、バインダーの合計使用量が同じであっても、タピオカ粉を併用することによって、小麦粉の使用量を1/10に低減しても、同じDI50指数を有する塊成物を得ることができることが分かる。よって本発明で規定する要件を満足する塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元すれば、バインダーとして小麦粉のみを使用する場合と比べて還元鉄を低コストで製造できる。
Claims (3)
- 酸化鉄含有物質、炭素質還元剤、およびバインダーを含む原料混合物を塊成化した塊成物を加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する際に用いる前記塊成物の製造方法であって、
前記バインダーはタピオカ粉末および小麦粉からなり、前記原料混合物全体の質量に対する前記バインダーの配合量を1.5〜2.5質量%とし、前記バインダーの前記配合量に対して前記タピオカ粉末の配合量を70質量%以上、100質量%未満とすることを特徴とする塊成物の製造方法。 - 上記原料混合物全体の質量に対して、タピオカ粉末の配合量を1.05質量%以上、2.5質量%未満とし、上記小麦粉の配合量を0質量%超、0.75質量%以下とする請求項1に記載の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法で得られた塊成物を還元鉄の製造に用いることを特徴とする還元鉄の製造方法。
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KR20190005649A (ko) * | 2017-07-07 | 2019-01-16 | 주식회사 포스코 | 성형탄 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 성형탄 |
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KR101949704B1 (ko) | 2017-07-07 | 2019-02-19 | 주식회사 포스코 | 성형탄 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 성형탄 |
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