JP2013195529A - 撮像システム - Google Patents

撮像システム Download PDF

Info

Publication number
JP2013195529A
JP2013195529A JP2012060596A JP2012060596A JP2013195529A JP 2013195529 A JP2013195529 A JP 2013195529A JP 2012060596 A JP2012060596 A JP 2012060596A JP 2012060596 A JP2012060596 A JP 2012060596A JP 2013195529 A JP2013195529 A JP 2013195529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit pixel
pixel
spectral
light
optical filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012060596A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sannomiya
俊 三宮
Hideaki Hirai
秀明 平井
Masanori Kobayashi
正典 小林
Atsushi Sakai
篤 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012060596A priority Critical patent/JP2013195529A/ja
Publication of JP2013195529A publication Critical patent/JP2013195529A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Color Television Image Signal Generators (AREA)

Abstract

【課題】受光光量の損失を抑制しながら光源のスペクトルピーク位置を推定することが可能な撮像システムを提供すること。
【解決手段】光を電気信号に変換する撮像素子23、前記撮像素子よりも光の入力側に配置された光学フィルタ22と、該撮像素子の複数の単位画素が含まれる画素ブロック内の各単位画素から画像信号を取得し、予め定められた演算を行い光のピーク波長を推定する演算手段12と、を有し、前記画素ブロック内の各単位画素の分光感度は、所定の波長帯域において単調に増加又は減少し、前記画素ブロック内の各単位画素の波長に対する分光感度の傾きが互いに異なっている、ことを特徴とする撮像システム100を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像を撮影する撮像システムに関し、光学フィルタを用いて分光情報を取得する撮像システムに関する。
イメージセンサを用いた画像センシング技術の開発が盛んに行われている。例えば、画像による二次元情報に加え、分光情報を取得することにより画像認識の精度向上または適用範囲の拡大が図られている。画像に分光情報が含まれる画像を分光画像という。分光情報を取得可能な撮像システムでは、イメージセンサ上にカラーフィルタを配置することにより、特定波長近傍の光を抽出する技術や、プリズムまたはグレーティング素子を走査することにより1次元的な分光情報を合成することで分光画像を取得する技術が知られている。
しかし、プリズムやグレーティング素子を走査する撮像システムにおいては、機械的な走査速度が遅いために、高速なフレームレートが必要となり、「動画像の取得ができない」、「低コスト化が困難である」という不都合がある。
また、1種類の受光素子を配列してなるイメージセンサに、複数の異なる偏光方向又は複数の異なる波長帯域を有するフィルタを配置して複数の種類の光に分解する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、フィルタ部の位置精度が十分ではなくとも復元できる撮像装置を提供するため、二次元的に配列された受光素子アレイの手前に、光透過特性が異なる複数の種類の帯状の光透過部を配し、複数の種類の帯状の光透過部を幅方向に沿って交互に配列する撮像装置が開示されている。受光素子に光透過特性の異なるフィルタを配置することで、分光情報を取得することが可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された撮像装置は、分光情報を分光フィルタの透過特性を利用して取得しているため、感度不足やスペクトル分解能が低くなる傾向があるという問題がある。すなわち、カラーフィルタをもちいた分光画像の撮像システムにおいては、ランプなどの光源に含まれる未知の輝線を認識する際、カラーフィルタを狭帯域化し、さらに波長分解能を得るために多数配置する必要がある。このため、波長分解能を上げると受光光量が低下するというトレードオフの関係をもたらし、「感度不足」や「スペクトル分解能の低下」が生じ、また、それに伴い画像認識における「物体認識率の低下」が生じやすいという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、受光光量の損失を抑制しながら光源のスペクトルピーク位置を推定することが可能な撮像システムを提供することを目的とする。
本発明は、光を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子よりも光の入力側に配置された光学フィルタと、該撮像素子の隣接する単位画素から分光情報を取得し、複数の単位画素が含まれる画素ブロック内の各単位画素から画像信号を取得し、予め定められた演算を行い光のピーク波長を推定する演算手段と、を有し、前記画素ブロック内の各単位画素の分光感度は、所定の波長帯域において単調に増加又は減少し、前記画素ブロック内の各単位画素の波長に対する分光感度の傾きが互いに異なっている、ことを特徴とする撮像システムを提供する。
受光光量の損失を抑制しながら光源のスペクトルピーク位置を推定することが可能な撮像システムを提供することができる。
本実施形態の撮像システムの概略構成図の一例である。 撮像素子に対する光学フィルタの配置について説明する図の一例である。 構造領域1,2の分光感度を説明する図の一例である。 分光演算部による分光処理の妥当性を検証する計算結果について説明する図の一例である。 撮像素子に対する光学フィルタの配置について説明する図の一例である。 撮像素子に対する光学フィルタの配置について説明する図の一例である。 撮像素子に対する光学フィルタの配置について説明する図の一例である。 光学フィルタの構造を説明する図の一例である。 光学フィルタの数値シミュレーション結果の一例を示す図である。 光学フィルタの構造を別の例を説明する図の一例である。 図10の光学フィルタの数値シミュレーション結果の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の撮像システムの概略構成図の一例を示す。撮像システム100は、撮像装置11、分光演算部12、及び、出力インタフェース部13を有している。
撮像装置11は、撮像装置筐体25内に配置された、レンズ21、光学フィルタ22、撮像素子(イメージセンサー)23、及び、回路基板24を有している。
光学フィルタ22は撮像素子上に、面同士がほぼ並行になるように、近接もしくは接触して配置されている。したがって、レンズ21を通過した光のうち撮像素子23に到達する光は光学フィルタ22を通過する。なお、撮像素子23としては、CCDやMOS、CMOS等を用いることができる。
光学フィルタ22を1つの画素のサイズと同程度のパターンにより構成することにより、隣接する画素の信号出力に差異が得られる。例えば、隣接する画素(の一部)に分光特性が異なるパターン部分が接着されることで、隣接する画素の信号出力が異なったものになる。
分光演算部12は、撮像素子23が出力した各画素の画素出力信号を用いて、スペクトル推定処理を行う。分光演算部12はCPU、プログラムを記憶したROM、データを記録するRAM、DSP及び入出力インタフェース、などを備えた、マイコンやLSIとして搭載される。後述する分光演算処理は、ソフト的若しくはハード的な構成のいずれで実現してもよいし、これらを組み合わせて実現してもよい。分光演算部12の処理結果は、出力インタフェース部13から画像情報または特定画像領域の分光情報として出力される。
後述するように、本実施形態の撮像システム100は、スペクトル推定の演算を行うのに適した画像信号が得られるように、光学フィルタ22の特性および配置を設計していることが特徴的な構成の1つとなっている。
図2は、撮像素子23に対する光学フィルタ22の配置について説明する図の一例である。撮像素子23の画素上に光学フィルタ22が配置されている。光学フィルタ22は、領域によって2つの異なる分光特性を示す。すなわち、帯状の構造領域1と構造領域2が互いに異なる分光特性を示す。
構造領域1と構造領域2は、それぞれ画素の幅とほぼ同じ幅の帯状の形状を有しており、その幅方向に交互に配置されている。また、構造領域1と構造領域2の長手方向は撮像素子23の列方向及び行方向に対し、斜めの傾きをもって配置される。傾きは、画素の幅寸法1個分に対し、画素の縦寸法2個分である(以下、このような傾きを「1:2」で表す。)。画素が正方形であれば、傾きは2となる。
換言すると、帯状の構造領域1,2が配列される配置パターンは、斜めストライプパターンであり、構造領域1,2の長手方向は、画素の列方向及び行方向の配列のいずれとも平行でない。傾きは2であることが好適であるが、後述するように傾き2でなければ本実施形態の撮像システム100を実現できないわけではない。
このような配置とすることで、隣接した2つの画素に対して、構造領域1と構造領域2が異なる面積で1つの画素を被覆することができる。例えば、点線で囲った2つの画素を分光情報算出単位ブロック(左側を画素1,右側を画素2とする)とすると、左側の画素1を構造領域1が被覆する面積と、右側の画素2を構造領域1が被覆する面積とが異なっている。構造領域2についても同様である。
また、このような配置とすることで、画素と光学フィルタ22との相対的な位置関係がずれていた場合でも、構造領域1,2のそれぞれによる画素の被覆量が、画素間で同じなることがないので、光学フィルタ22の撮像素子に対するずれの許容範囲が広がる。
分光演算部12は、分光情報算出単位ブロックの2つの画素を用いて、スペクトル推定のための演算を行う。以下の例では、簡単のため2つの画素にのみ限定したが、ある1つの画素に隣接する全ての画素対について同様の演算を行い、平均化することにより、分光情報算出ブロックの非対称性の影響を取り除くことが可能である。
図3は、構造領域1,2の分光感度を説明する図の一例である。上記のように、光学フィルタ22は、図2の構造領域1と構造領域2で分光透過率が異なっており、構造領域1は大きい波長を透過させやすい構造を有し、構造領域2は短い波長を透過させやすい構造を有している。すなわち、光学フィルタ22は、構造領域1と構造領域2で波長に対し傾きが異なる分光透過率を有する。なお、図では分かりやすくするため、構造領域1と2で分光感度の傾きが正負に異なっているが、両方の傾きが正又は負でもよく、その場合、傾きが異なっていればよい。
図2に示したように、構造領域1と構造領域2がそれぞれ、隣接する画素(画素1、画素2)に対し異なる被覆面積で配置されていることにより、画素1と画素2の分光感度は図3に示すようになる。すなわち、画素1は構造領域1の被覆面積が大きいので分光感度が右上がりになり、画素2は構造領域2の被覆面積が大きいので分光感度は右下がりになる。構造領域1、2の分光透過特性(特に波長に対する傾き)は、構造領域1,2が画素1,2を被覆する面積が異なる場合、画素1,2の分光感度が正負に異なるように設計されている。
図3は、隣接する画素上に異なる構造領域を配置した例を示しており、被覆面積により配分された分光透過率に画素自身の分光感度を乗じた値が、実際に画素1,2が取得する信号の分光感度となっている。
分光感度=分光透過率×画素自身の分光感度
なお、実際の分光感度は、必ずしも線形的に変化する必要はなく、波長に依存して単調に変動する特性をもっていればよい。従来のカラーフィルタを用いた分光では、特定波長に対するバンドパス特性を有する必要があり(特定の波長のみを通過又は遮断する)、本実施形態の光学フィルタ22とは異なっている。本実施形態の光学フィルタ22は、波長に対し緩やかに変化する分光透過特性を有しており、特定の波長のみを通過又は遮断するものではない。このため、感度不足が生じることを抑制できる。
図3のλc1及びλc2は、スペクトルを推定する波長の範囲の両端のリファレンス信号として利用する波長を示している。リファレンス信号のためのこの波長λc1及びλc2は、スペクトルを推定する波長範囲に応じて設定される。
〔スペクトルの演算〕
分光演算部12の演算について説明する。簡単のために以下では2つの隣接する画素に着目した場合の演算例を示す。分光演算部12における処理は2つの画素に限定する必要はなく、分光感度の異なる複数画素を用いると、より波長分解能の高いスペクトルの推定処理が可能である。
2つの異なる波長λc1、λc2をもつ単色光を同時に入射した場合、隣接する画素1および画素2で検出される信号強度は、式(1)のように表わされる。
Figure 2013195529
:画素1の信号強度
:画素2の信号強度
c1:単色光の重み
c2:単色光の重み
P(λ):画素1の分光感度
P(λ):画素2の分光感度
式(1)の上式では入射光が波長λc1、λc2にピーク(無限大)を持つデルタ関数と見なして、分光感度P(λ)と共に積分している。分光感度P(λ)は画素1と画素2それぞれの分光感度 P(λc1)、P(λc2)を含む。
画素1の信号強度Iは、画素1の波長λc1に対する分光感度P(λc1)に重みを考慮した値と、画素1の波長λc2に対する分光感度 P(λc2)に重みを考慮した値の合成であると考えられる。画素2についても同様に考えられる。よって、式(1)の下式が得られる。
P1(λc1)は画素1に波長λc1の単色光を独立に入射させ、P1(λc2)は画素1に波長λc2の単色光を独立に入射させ、P2(λc1)は画素2に波長λc1の単色光を独立に入射させ、P2(λc2)は画素2に波長λc2の単色光を独立に入射させることにより、予め取得しておくことができる。すなわち、リファレンス信号として波長λc1、λc2の画像を予め取得しておくことで、P1(λc1)、P1(λc2)、P2(λc1)、及び、P2(λc2)は既知の量となる。したがって、式(1)によれば、各単色光の重みIc1,Ic2を、画素1および画素2による信号出力I、Iから逆算することが可能であることがわかる。
すなわち、次の式(2)が得られる。
Figure 2013195529
式(2)を単色光に適用するため以下のように変形する。変形の途中で式(1)を使用している。Isは単波長の信号強度を表し、式(3)の最後のIsは、単色光の入射時の信号強度である。
Figure 2013195529
e1およびIe2は、式(3)の逆行列演算により算出される計算値であるが、以下の評価指標を定義することにより、物理的な意味をもつ。
Figure 2013195529
式(3)によりIe1およびIe2を計算し、式(4)によりηを算出することで、後述するように、単色光のスペクトルピーク位置を推定することができる。
以下、ηの物理的な意味について説明する。
Figure 2013195529
なお、数式5の添え字jは、2つの画素のいずれかを示すラベルである。
また、λ12は式(6)の関係式が成り立つ波長である。
Figure 2013195529
各画素の分光感度が緩やかに変化する場合は、γ'12およびγ" 12の値は小さく、式(5)内の第二項以下は近似的に無視できる。その結果、評価指標ηは、次式のように表わされる。なお、γ12は分光感度P(λ)又はP(λ)をそれぞれの平均値で規格化し(すなわち明暗による差異を排除し)、それらの比を取った値である。γのダッシュ「'」とダッシュダッシュ「"」はλによる微分を表している。物理的にはλγ'12が波長推定の際の感度を決める因子となっている。
又は、P(λc2
Figure 2013195529
評価指標ηは、λ12を中心として波長λsに対して線形に変化する関数であり、波長と1対1に対応する。したがって、これを分光度と呼ぶ。λ12は画素1、2の分光感度が線形的に変化する場合には、両端のリファレンス信号を得る波長の中間(平均)波長に対応する。
分光度ηはリファレンス信号を得る2つの波長に対して−1から+1まで変化する量である。分光度ηを、式(3)の第1式に示す分光演算(逆行列演算)、及び、単色光の画像における隣接画素の信号強度から式(4)を用いて算出することにより、その画素におけるスペクトルピークの位置を推定することが可能となる。
式(3)が成り立つのは入射光が単色光の場合であり、実際の被写体からの光は、一般的には単色光ではないが、単一のピークを有する光源であれば、近似的に同様の定式化が成り立ち、中心波長のピーク位置の推定が可能である。
また、2つの画素をN個の画素に拡張した場合、式(4)で定義した分光度ηが、個定義される。よって、分光度の集合をより複雑なスペクトル分布をもつ光源の推定に利用することも可能である。
〔分光度ηの検証〕
図4は、分光演算部12による分光処理の妥当性を検証する計算結果について説明する図の一例である。式(4)に示した分光度ηの波長に対する線形性、すなわちスペクトルピーク推定が可能であることを検証するために具体的な数値による計算を行った。
リファレンス信号の波長をλc1=450nm、λc2=650nmとし、2つの画素1,2の分光感度をP1(450nm)=0.1、P1(650nm)=0.3、P2(450nm)=0.9、P2(650nm)=0.7と仮定する。P1(λ)とP2(λ)の傾きは、一方が正、他方が負の傾きをもつ線形的な関数であることを仮定する。
入射する単色光の波長を400nmから700nmまで掃引した場合、式(3)(4)による分光度ηは図4に示すようになる。波長に対し分光度の線形的に変化することが確認できる。
図4の結果から、隣接する2つの画素による出力信号に分光演算処理を施すことにより、単色光のスペクトルピーク位置を推定できることが確認できる。
すなわち、分光演算部12は以下の演算を行う。
(i) 単色光を分光情報算出単位ブロックに入射させ、画素1の信号強度I、画素2の信号強度Iを測定する。
(ii) 式(3)によりIe1, Ie2、算出する。
(iii) 式(4)によりηを算出する。
(iv) ηの値に該当する波長を特定する。この波長が推定された単色光のスペクトルピーク位置である。上記のように、単色光でなくても単一のピークを有する光源であれば、近似的に中心波長のピーク位置の推定が可能になる。
このように、本実施形態では、特定の波長を切り出すバンドパスフィルタを使用せずに、単位フレームの画像による信号のみを用いて、スペクトルピークの位置の推定が可能になる。したがって、受光光量を損なうことなく単色性を有する光源による任意のスペクトルピーク位置を推定することが可能な撮像システム100を提供できる。受光光量が低下しないので物体認識率が低下することも抑制でき、複数画素の数に応じて十分なスペクトル分解能も得られる。
〔分光情報算出単位ブロックを4つとした場合〕
図5は、撮像素子23に対する光学フィルタ22の配置について説明する図の一例である。図5では、撮像素子23の画素上に対する光学フィルタ22の配置が図2と異なっている。
図5では、撮像素子23の画素配列に対して、帯状の構造領域1、2が、「1:4」の傾きをもって配置されている。すなわち、構造領域1、2は、画素の幅寸法1個分、位置が変わるために、画素の縦寸法4個分を必要としている。したがって、構造領域1、2は、図2とは傾きの異なる斜めストライプパターンを形成している。
分光情報算出単位ブロック内の各画素は、波長に対し緩やかに変化し、かつ、隣接画素において異なる分光感度をもつ。
図5では、点線部分で示す2×2=4画素の領域を1つの分光情報算出単位ブロックとする。分光情報算出単位ブロックでは、それぞれの4つの画素が構造領域1と構造領域2により被覆される面積が異なるため、画素ごとに異なる分光感度を示す。
以上から図5のような、光学フィルタ22の場合も、(i)〜(iv)の分光演算処理を行うことで、スペクトルピークの位置の推定が可能である。すなわち、式(3)の行列を4×4とし、Isが4つの画素からの信号強度を有するものとすれば、計算方法は同様である。
〔構造領域が3つある光学フィルタ〕
図6は、撮像素子23に対する光学フィルタ22の配置について説明する図の一例である。図6では、3つの構造領域1〜3が撮像素子23の画素に対する配置されている。図6の光学フィルタ22は、分光透過特性の異なる3つの構造領域1、2、3が、斜めストライプパターンを形成している。
また、構造領域1〜3の傾きは撮像素子23の画素配列に対して「1:2」である。画素が正方形であれば、傾きは2となる。
なお、構造領域3の分光透過特性は、波長に対し単調に(緩やかに)分光透過率が変化する領域を備えている。構造領域3の波長に対する傾きは正又は負のどちらでもよいが、傾きが正の場合は構造領域1の傾きと異なっており、傾きが負の場合は構造領域2の傾きと異なっている。
この場合、点線部分で示す2×2=4画素の領域において、構造領域1、構造領域2、構造領域3が画素を被覆する面積がそれぞれの画素において異なっている。よって、この点線部分で囲まれた4つの画素が分光情報算出単位ブロックとなる。
したがって、図6の構成の場合においても、図5で説明した構成と同様のスペクトル推定が可能となり、(i)〜(iv)の演算を分光情報算出単位ブロックに用いることにより、スペクトルピークの位置の推定が可能である。
このように、分光透過特性の異なる構造領域は3つ以上でであっても構わない。ただし、構造領域の数が増えるほど、分光情報を算出する単位ブロックの画素数が大きくなり、スペクトルピーク推定における波長分解能と画像の空間分解能にトレードオフの関係がある。
〔構造領域が3つある光学フィルタ〕
図7は、撮像素子23に対する光学フィルタ22の配置について説明する図の一例である。図7の光学フィルタ22は、分光透過特性の異なる3つの構造領域1、2、3が撮像素子23の画素に対し斜めストライプパターンを形成している。
また、図7の帯状の各構造領域1〜3は、撮像素子23の画素配列に対して「1:4」の傾きをもって配置される。画素が正方形であれば、傾きは4となる。
この結果、図7の点線部分で示す3×3=9画素の領域が、分光情報を算出する分光情報算出単位ブロックとなる。分光情報算出単位ブロックでは、構造領域1、構造領域2、構造領域3の画素を被覆する面積がそれぞれの画素において異なっている。
したがって、図7の構成の場合においても、図6で説明した構成と同様のスペクトル推定が可能となり、(i)〜(iv)の演算を分光情報算出単位ブロックに用いることにより、スペクトルピークの位置の推定が可能である。
図6および図7に示したように、分光透過特性の異なる複数の領域と、それらの帯状構造を斜め方向に配列する角度の組み合わせにより、分光情報を算出する単位ブロックの画素数を任意に設定できる。スペクトルピーク推定における波長分解能と空間分解能を調整することが可能である。
〔光学フィルタについて〕
これまで説明した本実施形態の撮像システム100における光学フィルタ22は、単調に(緩やかに)分光透過率が変化する領域を備えている必要がある。このような分光透過特性を示す光学フィルタ22の構成として、いくつかの例を上げる。
図8は、光学フィルタ22の構造を説明する図の一例である。図8の光学フィルタ22は、構造領域として、直方体形状の微小金属構造体32を支持体31上に、二次元格子状に配列した構成を有している。直方体形状の短手方向の幅が数10nm程度まで細くなると、長手方向に振動する偏光成分が強く吸収され、また、長手方向の長さに依存して吸収ピーク位置が変化することが知られている。
本構造を透過した光は、この吸収により透過率を落とすスペクトル領域と、そのまま効率良く透過するスペクトル領域が連続的につながり、緩やかに変化する分光透過特性を示す。
微小金属構造体32を構成する材料にはAlが適しており、ガラス基板などの透明な基板材料上に、ナノ構造を電子ビームリソグラフィやナノインプリントなどの加工装置を用いて、本構造を形成する。また、微小金属構造体32を被膜媒体33で被覆した構成が好ましい。
図9は、光学フィルタ22の数値シミュレーション結果の一例を示す。本出願人は、図8の光学フィルタ22に対して数値シミュレーションを実施し、所望の透過特性が得られることを確認した。数値シミュレーションには、電磁場の時間・空間応答を記述するマクスウェル方程式を時間領域、空間領域に差分化して解く、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いた。
図8における直方体形状のAl構造として、長手方向の長さ96nm、幅16nm、高さ108nmのように設定し、160nm×192nmの二次元配列周期で支持体31(屈折率1.51)上に配置した。さらに、本微小金属構造体32を誘電体材料(屈折率1.38)で被覆した構成とした。
数値シミュレーションでは、透過光スペクトルの偏光特性を得るために、微小金属構造体32の長手方向に垂直な直線偏光(TM成分)と、平行な直線偏光(TE成分)として、時間幅の十分に短い(スペクトル幅が可視光領域に十分に広がった)平面波パルスを支持基板界面から入射し、波長以上離れた観測面において、空間平均を施した電場振幅の時間変動をフーリエ変換することにより透過光および反射光の偏光特性を算出した。Alの誘電関数の波長分散特性は、金属材料の計算でよく用いられるDrudeモデルにより与えた。
図9の数値シミュレーション結果に示すように、本構造では、波長450nm近傍においてTE成分に強い吸収ピークがあり、透過率がゼロに近い値を示す。この吸収ピークから長波長側に吸収スペクトルは単調に(緩やかに)増加する。
また、微小金属構造体32の長手方向の長さを変えると透過率のディップ領域(吸収領域)がシフトすることから、この微小金属構造体32を構造領域1と構造領域2で長さの異なるものとしておくことにより、撮像素子23の隣接する画素において分光感度を異ならせることが可能となる。したがって、本実施形態の撮像システム100に用いる光学フィルタ22として上記構造が利用できることが確認できる。
図10は、光学フィルタ22の構造を別の例を説明する図の一例である。図10の光学フィルタ22は、微小金属構造体32ではなく、金属細線構造34により、緩やかに分光透過率が変化する領域を実現する。
図10の構造は、ワイヤグリッド偏光子として知られる構造に類似するが、金属細線構造34の高さを、通常のワイヤグリッド偏光しよりも低くすることにより、短波長側の偏光子としての特性を意図的に劣化させている。このような構造を用いることにより、可視波長帯域の短波長から長波長に渡って、緩やかな分光透過特性の変化が実現できる。
金属細線構造34を構成する材料にはAlが適しており、ガラス基板などの透明な基板材料上に、ナノ構造を、光リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリントなどの加工装置を用いて形成する。また、金属細線構造34を被膜媒体33で被覆した構成が好ましい。
図11は、図10の光学フィルタ22の数値シミュレーション結果の一例を示す。本出願人は、図10の光学フィルタ22に対して数値シミュレーションを実施し、所望の透過特性が得られることを確認した。
数値シミュレーションは、図9と同様のFDTD法を用いた。金属細線構造34は、幅60nm、高さ60nmに設定し、ピッチ128nmの周期で支持体31(屈折率1.51)上に配置した。本シミュレーションでは、金属細線構造34は空気と接している。
図11の数値シミュレーション結果に示すように、図10の光学フィルタ22の構造では、TM成分の透過率が短波長側で低く、可視波長全帯域に渡って単調(緩やか)に透過率が変化する。金属細線構造34の高さ、ピッチ又は線幅の少なくとも1つを構造領域1と構造領域2で異なるものとしておくことにより、撮像素子23の隣接する画素において分光感度を異ならせることが可能となる。また、金属材料や被膜材料(透明誘電体)により変化させることも可能である。
したがって、図10のような分光透過特性を有する光学フィルタ22を用いても、本実施形態の撮像システム100を実現することが可能である。
11 撮像装置
12 分光演算部
13 出力インタフェース部
21 レンズ
22 光学フィルタ
23 撮像素子
24 回路基板
25 撮像装置筐体
100 撮像システム
特開2011−013630号公報

Claims (7)

  1. 光を電気信号に変換する撮像素子と、
    前記撮像素子よりも光の入力側に配置された光学フィルタと、
    前記撮像素子の画素ブロックの各単位画素から画像信号を取得し、予め定められた演算を行い光のピーク波長を推定する演算手段と、を有し、
    前記画素ブロック内の各単位画素の分光感度は、所定の波長帯域において単調に増加又は減少し、前記画素ブロック内の各単位画素の波長に対する分光感度の傾きが互いに異なっている、
    ことを特徴とする撮像システム。
  2. 前記光学フィルタは、分光透過率が前記波長帯域において単調に増加する増加領域と単調に減少する減少領域を備え、単位画素が前記増加領域又は前記減少領域に被覆される面積は、前記画素ブロック内の単位画素毎に異なっている、
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像システム。
  3. 前記増加領域と前記減少領域はそれぞれ帯状に交互に配列され、前記増加領域と前記減少領域の長手方向は、前記単位画素の配列の行方向及び列方向のいずれに対しても平行でない、
    ことを特徴とする請求項2記載の撮像システム。
  4. 前記光学フィルタは、前記増加領域と前記減少領域の合計が3つ以上の構造領域が、それぞれ帯状に交互に配列され、3つの前記構造領域の長手方向は、前記単位画素の配列の行方向及び列方向のいずれに対しても平行でなく、
    1つの単位画素を2つの前記構造領域が被覆する面積は、前記画素ブロック内の単位画素毎に異なっている、
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像システム。
  5. 前記光学フィルタは、支持体上に、直方体形状の微小金属構造体を二次元平面に周期的に配列した構成を有する、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の撮像システム。
  6. 前記光学フィルタは、支持体上に、金属細線構造を周期的に配列した構成を有する、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の撮像システム。
  7. 単色の第一の光が前記第一の単位画素と前記第二の単位画素に入射した場合の分光感度、及び、単色の第二の光が前記第一の単位画素と前記第二の単位画素に入射した場合の分光感度、並びに、前記第一の単位画素の画像信号と前記第二の単位画素の画像信号から前記第一の単位画素と前記第二の単位画素の単色光の重みをそれぞれ算出する関数と、
    前記関数の出力値と光のピーク波長を対応づけたテーブルとを有し、
    前記演算手段は、前記第一の単位画素と前記第二の単位画素の画像信号を前記関数に入力して、前記テーブルを参照することで光のピーク波長を推定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像システム。
JP2012060596A 2012-03-16 2012-03-16 撮像システム Pending JP2013195529A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012060596A JP2013195529A (ja) 2012-03-16 2012-03-16 撮像システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012060596A JP2013195529A (ja) 2012-03-16 2012-03-16 撮像システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013195529A true JP2013195529A (ja) 2013-09-30

Family

ID=49394592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012060596A Pending JP2013195529A (ja) 2012-03-16 2012-03-16 撮像システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013195529A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113497065A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 吉林求是光谱数据科技有限公司 兼具光谱和成像功能的成像光谱芯片及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009130239A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> カラー撮像装置
JP2010256324A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Ricoh Co Ltd 分光特性取得装置、分光特性取得方法、画像評価装置、及び画像形成装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009130239A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> カラー撮像装置
JP2010256324A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Ricoh Co Ltd 分光特性取得装置、分光特性取得方法、画像評価装置、及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113497065A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 吉林求是光谱数据科技有限公司 兼具光谱和成像功能的成像光谱芯片及其制备方法
CN113497065B (zh) * 2020-03-18 2024-03-26 吉林求是光谱数据科技有限公司 兼具光谱和成像功能的成像光谱芯片及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11415460B2 (en) Fabry-Perot Fourier transform spectrometer
US9880053B2 (en) Image pickup apparatus, spectroscopic system, and spectroscopic method
CN108370406B (zh) 摄像装置
EP2942618A1 (en) Spectro-sensor and spectrometer employing the same
CN103959040A (zh) 在智能手机上附接光学相干断层成像系统
KR20170131526A (ko) 공간적으로 코딩된 이미지를 생성하는 이미지 분산부를 갖는 이미징 디바이스
JP2020053910A (ja) 光学デバイス、および撮像装置
US12052518B2 (en) Multi-modal computational imaging via metasurfaces
JP2006523847A (ja) 静的マルチモードマルチプレックス分光法のための方法及びシステム
JP2012526269A (ja) 多波長偏光画像からシーンを識別するための方法
US10393585B2 (en) Spectral detector and spectral detecting method using the same
AU2023204214A1 (en) Fabry-Perot Fourier transform spectrometer
JP5942356B2 (ja) 分光情報取得装置、分光情報取得方法及び分光情報取得用プログラム
JP2013195529A (ja) 撮像システム
US20160018262A1 (en) Optical filter and optical measuring device employing the same
US20240231118A1 (en) Systems and methods of incoherent spatial frequency filtering
KR101316052B1 (ko) 엑스선 위상차 영상 획득 방법
JP5929338B2 (ja) 撮像装置、分光情報作成方法
Spinoulas et al. Performance comparison of ultra-miniature diffraction gratings with lenses and zone plates
JP6197318B2 (ja) 分光特性計測方法、分光特性計測装置、画像評価装置及び画像形成装置
WO2020179628A1 (ja) 分光装置
Liu Directional photodetectors based on plasmonic metasurfaces for advanced imaging capabilities
JP2012093248A (ja) 分光画像撮像装置
JP2024025303A (ja) 撮像装置および測定装置
CN111521130A (zh) 一种快速判断并消除蝙蝠翼效应的微结构光学检测方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160802