JP2013194989A - シェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法 - Google Patents

シェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汎用的なシェルアンドチューブ型熱交換器において、管巣をシェル内に挿入する際にシール部が損傷しない構造を有するシェルアンドチューブ型熱交換器を提供する。
【解決手段】略筒状のシェル5と、このシェル5内に挿入され、複数のフィン10と管11からなる管巣部1とが備えられたシェルアンドチューブ型熱交換器において、シェル5の一端側の開口に当接されるとともに、管巣部1の一端側に固定接続された固定管板12と、シェル5の他端側の開口に当接されるとともに、管巣部1の他端側に遊動可能に接続された遊動管板13と、固定管板12に周設された導入出ヘッダー2と、遊動管板13に周設された還流ヘッダー3と、シェル5の他端側の開口に当接されるとともに、還流ヘッダー3に周設されたチャンネルカバー4と、遊動管板13の周辺部に接合され、且つチャンネルカバー4の内周縁に当接する遊動管板シール8とを備えてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法に関し、特に、プレートフィンコイル内蔵のシェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法における改善に関するものである。
近年、薄い四角形状の銅、アルミニウム合金またはステンレス鋼の平板に多数の孔を開け、これらの孔に管群を通したフィン付チューブ(管巣)を筒状のシェル内に収納して、シェルアンドチューブ型熱交換器を形成することが実用化されている。
そのシェルアンドチューブ型熱交換器に係る従来技術の一例につき、以下図9,10を参照しながら説明する。図9は従来技術2に係るガス冷却器の模式的立断面図、図10は図9の矢視D−Dを示す模式的矢視図である。
この従来技術に係るシェルアンドチューブ型熱交換器は、プレートフィンタイプのガス冷却器であって、チューブ内に冷却水を通して、チューブ外を通過するガスと熱交換して冷却する。ガスを確実に熱交換部(フィン部分)へ通過させるため、図9,10に示す通り、ガスの高温側と低温側を仕切る薄いばね用ステンレス鋼帯製のシールプレート33〜36が設けられている(非特許文献1参照)。これらのシールプレート33〜36は、シェル30に挿入する前に管巣31に取り付けられ、管巣31と一緒にシェル30内へ挿入出される。
シールプレート33〜36を取り付けた管巣31をシェル内へ挿入する際は、特に径方向のシールプレートで挿入方向に向かって折り曲げられているシール35が、ガス入口ノズル32を通過時に、ガス入口ノズル32の角に引っ掛かって傷つくことがある。傷ついた場合は、一旦管巣31を引き抜いてシールプレート35を交換する必要があるが、35は33と一体になっているため、広範囲のシールプレートを交換しなければならなくなる。また、傷ついたままのシールプレートを使用すると、高温ガスが熱交換されずに低温ガス側へ漏れ込み、ガス冷却器の冷却能力が低下することになる。
「瓦斯冷却器シールプレート取扱要領書」、株式会社サクション瓦斯機関製作所、平成10年6月、p.3(ギリシャ文字)−9
従って、本発明の目的は、種々の部材を適宜使い分ける汎用的なプレートフィンタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法において、管巣をシェル内に挿入出する際にシール部が損傷しない構造を有するシェルアンドチューブ型熱交換器及びその組立方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るシェルアンドチューブ型熱交換器が採用した手段は、両端に開口を有し、第1流体を供給する第1流体入口及び第1流体を排出する第1流体出口が形成された略筒状のシェルと、このシェル内に挿入され、複数のフィン及びこれらのフィンを貫通し、第2流体が通過する複数の管からなる管巣部とが備えられてなるシェルアンドチューブ型熱交換器に関する。
そして、このシェルアンドチューブ型熱交換器は、前記シェルの一端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の一端側に固定して接続された固定管板と、前記シェルの他端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の他端側に略水平方向に遊動可能に接続された遊動管板と、前記シェルの一端側にあって、前記第2流体を導入出するための第2流体入口及び第2流体出口が形成され、前記固定管板に取り付けられた導入出ヘッダーと、前記シェルの他端側にあって、前記管巣部から排出される前記第2流体を一旦収容して、再度前記管巣部に還流させるため前記遊動管板に取り付けられた還流ヘッダーと、前記シェルの他端側の開口に当接され、前記還流ヘッダーを覆うように周設されたチャンネルカバーと、前記遊動管板の周辺部に接合され、且つ前記チャンネルカバーの内周縁に当接する遊動管板シールとを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係るシェルアンドチューブ型熱交換器が採用した手段は、請求項1に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器において、前記遊動管板シールが分割可能に構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るシェルアンドチューブ型熱交換器が採用した手段は、請求項2に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器において、前記遊動管板シールが、前記遊動管板に接合するための遊動管板シール押え板により前記遊動管板の周辺部に周設されるとともに、前記還流ヘッダーの外側からこの遊動管板シール押え板に形成された複数のねじ孔にボルトをねじ込んで、前記遊動管板シール押え板、前記遊動管板シール、前記遊動管板及び前記還流ヘッダーが一体的に締結されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の組立方法が採用した手段は、請求項3に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器において、前記シェルに前記管巣部を挿入する前に、後で前記遊動管板シールを嵌挿可能な様に前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に隙間を空けた状態で、前記遊動管板シール押え板を前記遊動管板に前記ボルトを差し込んで仮止めする。
次いで、前記シェルの一端側から他端側に向かって、前記管巣部を前記シェル内に挿入した後、前記遊動管板シールを、前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に形成された前記隙間に差込み、前記遊動管板シールに形成された開口長孔を前記ボルトの軸心位置に合わせて嵌挿し、これらのボルトを前記還流ヘッダーの外側から締め上げて、前記遊動管板シールを前記遊動管板に固定する一方、前記チャンネルカバーを、前記遊動管板シールの周辺部に当接して前記シェルに取り付けることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るシェルアンドチューブ型熱交換器によれば、前記シェルの一端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の一端側に固定して接続された固定管板と、前記シェルの他端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の他端側に略水平方向に遊動可能に接続された遊動管板と、前記シェルの一端側にあって、前記第2流体を導入出するための第2流体入口及び第2流体出口が形成され、前記固定管板に取り付けられた導入出ヘッダーと、前記シェルの他端側にあって、前記管巣部から排出される前記第2流体を一旦収容して、再度前記管巣部に還流させるため前記遊動管板に取り付けられた還流ヘッダーとを備えている。
同時に、このシェルアンドチューブ型熱交換器によれば、前記シェルの他端側の開口に当接され、前記還流ヘッダーを覆うように周設されたチャンネルカバーと、前記遊動管板の周辺部に接合され、且つ前記チャンネルカバーの内周縁に当接する遊動管板シールとを備えているので、この遊動管板シールを無理なく前記チャンネルカバーの内周縁に当接することができ、シールの損傷や隙間発生による冷却能力の低下を防止できる。
本発明の請求項2に係るシェルアンドチューブ型熱交換器によれば、前記遊動管板シールが分割可能に構成されてなるので、前記遊動管板シールの取付が容易となり、また、前記遊動管板シールをチャンネルカバーで押さえたときに、前記遊動管板シールが歪んでチヤンネルカバーとの間に隙間ができ難くなる。
本発明の請求項3に係るシェルアンドチューブ型熱交換器によれば、前記遊動管板シールが、前記遊動管板の周辺部に接合するための遊動管板シール押え板により前記遊動管板の周辺部に配設されるとともに、前記還流ヘッダーの外側からこの遊動管板シール押え板に形成された複数のねじ孔にボルトをねじ込んで、前記遊動管板シール押え板、前記遊動管板シール、前記遊動管板及び前記還流ヘッダーが一体的に締結されてなるので、種々の部材を適宜使い分ける汎用的なプレートフィンタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器において、管巣部をシェル内に挿入出する際にシール部が損傷しない挿入出が可能となった。
本発明の請求項4に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の組立方法によれば、請求項3に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器において、前記シェルに前記管巣部を挿入する前に、後で前記遊動管板シールを嵌挿可能な様に前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に隙間を空けた状態で、前記遊動管板シール押え板を前記遊動管板に前記ボルトを差し込んで仮止めする。
次いで、前記シェルの一端側から他端側に向かって、前記管巣部を前記シェル内に挿入した後、前記遊動管板シールを、前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に形成された前記隙間に差込み、前記遊動管板シールに形成された開口長孔を前記ボルトの軸心位置に合わせて嵌挿し、これらのボルトを前記還流ヘッダーの外側から締め上げて、前記遊動管板シールを前記遊動管板に固定する一方、前記チャンネルカバーを、前記遊動管板シールの周辺部に当接して前記シェルに取り付ける。
その結果、前記管巣部を前記シェル内に挿入する際には前記遊動管板シールを取り付けず、前記管巣部を前記シェル内に挿入後に取り付けるため、シール部が損傷しないシェルアンドチューブ型熱交換器の組立が可能となった。また、管巣部のメンテナンス時には、上記手順と全く逆の手順で解体すれば、前記遊動管板シールを除去した後に前記管巣部を前記シェル内から挿出できるため、シール部が損傷しない熱交換器管巣部のメンテナンスが可能となった。
本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の模式的立断面図である。 図1の矢視A−Aを示す模式的矢視図である。 図1の矢視B−Bを示す模式的矢視図であって、遊動管板シールの詳細を併せて示す。 シェルに管巣部を挿入する前の管巣部への組立作業を説明するための模式的立断面図である。 図4の矢視C−Cを示す模式的矢視図である。 シェルに管巣部を挿入する直前の作業を説明するための模式的部分立断面図である。 シェルに管巣部を挿入する直前の作業及び挿入作業を説明するための模式的部分立断面図である。 シェルに管巣部を挿入した後の作業を説明するための模式的部分立断面図である。 従来技術2に係るガス冷却器の模式的立断面図である。 図9の矢視D−Dを示す模式的矢視図である。
先ず、本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器を、添付図1〜3を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の模式的立断面図、図2は図1の矢視A−Aを示す模式的矢視図である。図3は図1の矢視B−Bを示す模式的矢視図であって、遊動管板シールの詳細を併せて示す。
本発明に係るシェルアンドチューブ型熱交換器(以下、単に「熱交換器」とも称す)は、略筒状をなした鋼製のシェル5を有する。このシェル5は、本発明の実施の形態では、図2,3に示す如く両端に開口5a,5bを有する矩形筒状のものを示すが、この様な筒形状に限定されることなく、円筒形状や楕円筒形状等で両端に開口を有する略筒状であれば良い。そして、シェル5の一端側(開口5a側)近傍には、高温ガス(第1流体)を供給する気体入口(第1流体入口)が、他端側(開口5b側)近傍には低温ガス(第1流体)を排出する気体出口(第1流体出口)が形成されている。
そして、シェル5内には、板状部材からなる多数のプレートフィン(以下、単に「フィン」と略称する)10が、シェル5の軸方向に沿って微小間隔を隔てて配置されると共に、これらのフィン10に設けられた開孔部に、冷却水(第2流体)が通過する多数の管(チューブ)11が貫通する管巣部1が収容されている。前記フィン10や管11は、熱伝導性の点から一般的に銅製やアルミ合金製のものが用いられている。
また、管巣部1の一端側には、全ての管11の外周に固定して固定管板12が接続される一方、管巣部1の他端側には、全ての管11に対して管軸方向に移動可能に遊動管板13が接続されている。前記固定管板12は、その周囲がシェル5の軸方向と略垂直な方向に張り出して、シェル5の一端側開口5aに当接されている。
更に、この熱交換器には、シェル5の一端側にあって、冷却水(第2流体)を導入するための冷却水入口(第2流体入口)2a及び冷却水出口(第2流体出口)2bが形成され、固定管板12に取り付けられた導入出ヘッダー2が備えられている。また、この熱交換器には、シェル5の他端側にあって、管巣部1の一部の管11から排出される冷却水を一旦収容して、再度管巣部1の他の管11に還流させるため遊動管板13に取り付けられた還流ヘッダー3が備えられている。
尚、導入出ヘッダー2の内部には、冷却水入口(第2流体入口)2aと冷却水出口(第2流体出口)2bとを隔てる仕切り板が設けられている。この仕切り板によって、冷却水入口(第2流体入口)2aより導入された冷却水(第2流体)は、直接、冷却水出口(第2流体出口)2bに向かうのではなく、管巣部1の管11、還流ヘッダー3の内部、再度、管巣部1の管11を通じて、冷却水出口(第2流体出口)2bに向かうよう、構成されている。
同時に、この熱交換器には、シェル5の他端側の開口5bに当接され、還流ヘッダー3を覆うように周設されたチャンネルカバー4と、遊動管板13の周辺部に接合され、且つチャンネルカバー4の内周縁に当接する遊動管板シール8とが備えられている。還流ヘッダー3とチャンネルカバー4との間には、管巣部1の熱膨張等によって、遊動管板13が略水平方向に遊動可能なスペースとして、遊動空間4aが設けられている。
そして、固定管板12は、導入出ヘッダー2とともに、ボルト軸心C1に取り付けられた図示しないボルト・ナットによってシェル5の一端側に固定される一方、チャンネルカバー4は、ボルト軸心C3に差し込まれたボルト・ナット(図示省略)によってシェル5の他端側に固定される。尚、遊動管板13と還流ヘッダー3等の固定方法については後述する。
一方、シェル5に形成された内部空間、より詳しくは、シェル5の内面と複数本の管11の外面との間に形成された内部空間の上部には上部仕切板6が、当該内部空間の下部には下部仕切板7が配設されている。上部仕切板6は、前記内部空間において、管巣部1の上部に配設された上部フレーム14上面と、シェル5の頂部内面とを軸方向に沿って接続しシールしている。また、下部仕切板7は、前記内部空間において、フィン10の下部に配設されフィン10を支持する下部フレーム15下面と、シェル5の下部内面とを軸方向に沿って接続しシールしている。
これらの上部及び下部仕切板6,7によって、シェル5の内部空間が、気体入口21aが存在する側の高温ガス側空間21と、気体出口22aが存在する側の低温ガス側空間22とに仕切られている。換言するなら、前記高温ガス側空間21の管巣部1上部にあって、シェル5の一端側には気体入口21aが設けられる一方、前記低温ガス側空間22の管巣部1上部にあって、シェル5の他端側には気体出口22aが設けられている。
また、前記遊動管板シール8は、高温ガス側空間21と遊動空間4aとを、或いは低温ガス側空間22と遊動空間4aとを隔てるためのシール手段であって、この遊動管板シール8が無いと、高温ガス側空間21の高温ガスが、遊動空間4aを経て低温ガス側空間22にショートパスしてしまう。
遊動管板シール8は、図3に示す通り、細長い扇形の形状を有する4個の板部材に分割可能に形成されるとともに、ボルトに差し込むため長孔の一端が開口された開口長孔8aが夫々2個所設けられている。これらの遊動管板シール8は弾性板材からなり、例えば厚さ0.1〜0.5mm程度のステンレス鋼、または厚さ2〜6mm程度の耐熱ゴムから構成されるのが、シール性の点から好ましい。
また、遊動管板シール8を固定するための遊動管板シール押え板9は長方形の板部材であって、両端近傍に前記ボルトを締結するためのねじ孔9aが夫々2箇所設けられている。前記ねじ孔9aの代替として、同一箇所に貫通孔を2個所形成して、遊動管板シール8を押える面の反対側の面にナットを溶接しても良い。
そして、4個の遊動管板シール8は、管巣部1の端部に設けられた略矩形の遊動管板13の周囲(四辺)を取り囲むように遊動管板シール押え板9を配設し、この遊動管板シール押え板9のねじ孔のボルト軸心C2に沿って、還流ヘッダー3から差し込まれたボルト(図示省略)によって、遊動管板13に当接して取り付けられる。即ち、熱交換器の内側から、遊動管板シール押え板9、遊動管板シール8、遊動管板13及び還流ヘッダー3が、これらの順に前記ボルトによって一体的に締結される。
その結果、これらの遊動管板シール8を無理なく前記チャンネルカバー4の内周縁に当接することができるので、遊動管板シール8の損傷や隙間発生による冷却能力の低下を防止できる。
尚、遊動管板シール8は、取り付けの容易さと、遊動管板シール8をチャンネルカバー4で押えた時に遊動管板シール8が歪んで、チャンネルカバー4との間にすき間ができ難くするため、上記の如く複数に分割するのが好ましい。
次に、熱交換器内の流体の流れを説明する。先ず冷却水は、シェル5の一端側開口5aに固定管板12を介して取り付けられた導入出ヘッダー2の冷却水入口2aから供給され、管巣部1内の多数の管11内を通過しながら高温ガスと熱交換して、シェル5の他端側開口5bに遊動管板13を介して取り付けられた還流ヘッダー3に到達後、図1に矢印で示す如く再度管11内を還流しながら高温ガスと熱交換して導入出ヘッダー2に戻り、冷却水出口2bから熱交換器系外に排出される。
一方、冷却対象となる高温ガスは、気体入口21aから高温ガス側空間21に導入され、多数の管11が配設された管巣部1内部に流入する。そして、管巣部1内部に流入した高温ガスは、多数の管11内を通過する冷却水と熱交換しながら(冷却されながら)管巣部1を通過し、低温ガスとして低温ガス側空間22に至る。その後、当該低温ガスは、気体出口22aから熱交換器系外に排出される。
以上、本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器によれば、遊動管板シール8が、遊動管板13の周辺部に接合するための遊動管板シール押え板9により遊動管板13の周辺部に分割して配設されるとともに、還流ヘッダー3の外側からこの遊動管板シール押え板9に形成された複数のねじ孔9aにボルトをねじ込んで、遊動管板シール押え板9、遊動管板シール8、遊動管板13及び還流ヘッダー3が一体的に締結される。
その結果、種々の部材を適宜使い分ける汎用的なプレートフィンタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器において、管巣部1をシェル5内に挿入する際にシール部が損傷しない組立が可能となった。また、遊動管板シール8が分割して構成されているので、遊動管板シール8の取付が容易となり、更には、遊動管板シール8をチャンネルカバー4で押さえたときに、遊動管板シール8が歪んでチャンネルカバー4との間に隙間ができ難くなった。
次に、本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の要部組立方法について、以下添付図4〜8を参照しながら説明する。図4はシェルに管巣部を挿入する前の管巣部への組立作業を説明するための模式的立断面図、図5は図4の矢視C−Cを示す模式的矢視図、図6はシェルに管巣部を挿入する直前の作業を説明するための模式的部分立断面図、図7はシェルに管巣部を挿入する直前の作業及び挿入作業を説明するための模式的部分立断面図、図8はシェルに管巣部を挿入した後の作業を説明するための模式的部分立断面図である。
図1に示したシェル5に管巣部1を挿入する前に、図4,5に示す如く、複数のフィン10と管11(図示省略)からなる管巣部1の一端側の管11の外周側に、固定管板12をろう付等により固定して接続する一方、遊動管板13に設ける貫通孔の孔径を管11の外径より若干大きく形成し、管巣部1の他端側の管11を前記貫通孔に貫通して、略水平方向に遊動可能に遊動管板13を接続する。
次いで、管巣部1の下部に下部フレーム15を、管巣部1の上部に上部フレーム14を夫々配設して、下部フレーム15と上部フレーム14に形成されたロッド孔(図示省略)に複数本のロッド16を貫通して、ロッドのねじにナット16aを螺合して締結する。この様な構造によって、熱交換器の運転中の熱分布により、上部フレーム14が歪んでフィン10との間に隙間δが生じることを防止できる。
シェル5に管巣部1を挿入する直前に、後で遊動管板シール8を嵌挿可能な様に、図6に示す如く遊動管板13と遊動管板シール押え板9との間に隙間23を空けた(ボルトを緩めた)状態で、遊動管板シール押え板9を遊動管板13に、還流ヘッダー3とともにボルト軸心C2にボルト(図示省略)を差し込んで仮止めする。
次いで、図7に示す如く上部仕切板6を上部フレーム14に、下部仕切板7を下部フレーム15に夫々事前に付設した後、シェル5の一端側から他端側に向かって、管巣部1と同時にシェル5内に挿入する。
そして、管巣部1挿入後は図8に示す如く、遊動管板シール8を、遊動管板13と遊動管板シール押え板9との間に形成された隙間23に差込み、遊動管板シール8の開口長孔8aをボルト軸心C2位置のボルト(図示省略)に合わせてに嵌挿した後、これらのボルトを還流ヘッダー3の外側から差し込み、遊動管板シール押え板9のねじ孔(図3の符号9a)に螺合して締め上げ、遊動管板シール8を遊動管板13に固定する。最後に、ボルト軸心C2に差し込まれたボルト(図示省略)によって、シェル5の他端側開口5bのフランジにチャンネルカバー4を、遊動管板シール8の周囲に当接する様に取り付ける。
以上の通り、本発明の実施の形態に係るシェルアンドチューブ型熱交換器の組立方法によれば、シェル5に管巣部1を挿入する前に、遊動管板13と遊動管板シール押え板9との間に隙間23を空けた状態で、遊動管板シール押え板9を遊動管板13にボルトを差し込んで仮止めし、次いで、シェル5の一端側から他端側に向かって、管巣部1をシェル5内に挿入した後、遊動管板シール8を隙間23に差込み、遊動管板シール8に形成された開口長孔8aを前記ボルトのボルト軸心C2位置に合わせて嵌挿し、これらのボルトを還流ヘッダー3の外側から締め上げて、遊動管板シール8を遊動管板13に固定する一方、チャンネルカバー4を遊動管板シール8の周辺部に当接してシェル5に取り付ける。
その結果、管巣部1をシェル5内に挿入する際には遊動管板シール8を取り付けず、管巣部1をシェル5内に挿入後に取り付けるため、シール部が損傷しないシェルアンドチューブ型熱交換器の組立が可能となった。
また、管巣部1のメンテナンス時には、上記手順と全く逆の手順で解体すれば、遊動管板シール8を除去した後に管巣部1をシェル5内から挿出できるため、シール部が損傷しない熱交換器の管巣部1のメンテナンスが可能となった。
δ:隙間,
C1,C2,C3:ボルト軸心,
1:管巣部,
2:導入出ヘッダー,
2a:冷却水入口(第2流体入口), 2b:冷却水出口(第2流体出口),
3:還流ヘッダー,
4:チャンネルカバー, 4a:遊動空間,
5:シェル,
5a:(一端側の)開口, 5b:(他端側の)開口,
6:上部仕切板, 7:下部仕切板,
8:遊動管板シール, 8a:開口長孔,
9:シール押え板, 9a:ねじ孔,
10:フィン,
11:管,
12:固定管板,
13:遊動管板,
14:上部フレーム,
15:下部フレーム,
16:ロッド, 16a:ナット,
21:高温ガス側空間, 21a:気体入口(第1流体入口),
22:低温ガス側空間, 22a:気体出口(第1流体出口),
23:隙間

Claims (4)

  1. 両端に開口を有し、第1流体を供給する第1流体入口及び第1流体を排出する第1流体出口が形成された略筒状のシェルと、
    このシェル内に挿入され、複数のフィン及びこれらのフィンを貫通し、第2流体が通過する複数の管からなる管巣部とが備えられてなるシェルアンドチューブ型熱交換器において、
    前記シェルの一端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の一端側に固定して接続された固定管板と、
    前記シェルの他端側の開口に当接されるとともに、前記管巣部の他端側に略水平方向に遊動可能に接続された遊動管板と、
    前記シェルの一端側にあって、前記第2流体を導入出するための第2流体入口及び第2流体出口が形成され、前記固定管板に取り付けられた導入出ヘッダーと、
    前記シェルの他端側にあって、前記管巣部から排出される前記第2流体を一旦収容して、再度前記管巣部に還流させるため前記遊動管板に取り付けられた還流ヘッダーと、
    前記シェルの他端側の開口に当接され、前記還流ヘッダーを覆うように周設されたチャンネルカバーと、
    前記遊動管板の周辺部に接合され、且つ前記チャンネルカバーの内周縁に当接する遊動管板シールとを備えてなることを特徴とするシェルアンドチューブ型熱交換器。
  2. 前記遊動管板シールが分割可能に構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器。
  3. 前記遊動管板シールが、前記遊動管板に接合するための遊動管板シール押え板により前記遊動管板の周辺部に周設されるとともに、前記還流ヘッダーの外側からこの遊動管板シール押え板に形成された複数のねじ孔にボルトをねじ込んで、前記遊動管板シール押え板、前記遊動管板シール、前記遊動管板及び前記還流ヘッダーが一体的に締結されてなることを特徴とする請求項2に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器。
  4. 前記シェルに前記管巣部を挿入する前に、後で前記遊動管板シールを嵌挿可能な様に前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に隙間を空けた状態で、前記遊動管板シール押え板を前記遊動管板に前記ボルトを差し込んで仮止めし、
    次いで、前記シェルの一端側から他端側に向かって、前記管巣部を前記シェル内に挿入した後、
    前記遊動管板シールを、前記遊動管板と前記遊動管板シール押え板との間に形成された前記隙間に差込み、前記遊動管板シールに形成された開口長孔を前記ボルトの軸心位置に合わせて嵌挿し、
    これらのボルトを前記還流ヘッダーの外側から締め上げて、前記遊動管板シールを前記遊動管板に固定する一方、
    前記チャンネルカバーを、前記遊動管板シールの周辺部に当接して前記シェルに取り付けることを特徴とする請求項3に記載のシェルアンドチューブ型熱交換器の組立方法。








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