JP2013187665A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体像の位置を用いた各種制御を適切に行うことのできる撮影装置を提供すること。
【解決手段】光学系を介して撮像された撮像画像から対象とする被写体に相当する基準画像に対応する画像の位置を追尾し、前記基準画像に対応する画像の追尾位置を算出する追尾手段170と、前記基準画像に対応する画像の移動方向および移動量を推定し、所定時間後における前記基準画像に対応する画像の移動位置を推定する推定手段170と、前記追尾位置または前記移動位置に基づいて、撮像を行うための撮影準備制御を行う撮影準備制御手段170と、前記追尾位置の算出タイミングおよび前記移動位置の推定タイミングと、前記撮影準備制御手段による撮影準備制御を行う制御タイミングと、を比較する比較手段170と、前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択する選択手段170と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【選択図】 図1
【解決手段】光学系を介して撮像された撮像画像から対象とする被写体に相当する基準画像に対応する画像の位置を追尾し、前記基準画像に対応する画像の追尾位置を算出する追尾手段170と、前記基準画像に対応する画像の移動方向および移動量を推定し、所定時間後における前記基準画像に対応する画像の移動位置を推定する推定手段170と、前記追尾位置または前記移動位置に基づいて、撮像を行うための撮影準備制御を行う撮影準備制御手段170と、前記追尾位置の算出タイミングおよび前記移動位置の推定タイミングと、前記撮影準備制御手段による撮影準備制御を行う制御タイミングと、を比較する比較手段170と、前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択する選択手段170と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、撮像装置に関するものである。
従来より、移動被写体を撮影する際に、画面内の指示部分の被写体像をテンプレート画像として取得し、繰り返し撮影する画像の中でテンプレート画像に対応する被写体像の位置を検索(テンプレートマッチング)し、画面内を移動する被写体を追尾する画像追尾装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述したテンプレートマッチング技術においては、被写体像の位置を検索するために、所定の演算時間を要するため、被写体像の位置の検索が完了した時点においては、既に、被写体像の位置が移動してしまっている場合があり、そのため、このような場合には、被写体像の位置を用いた各種制御が適切に行うことができないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、被写体像の位置を用いた各種制御を適切に行うことのできる撮影装置を提供することにある。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、以下においては、本発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は本発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
[1]本発明の撮像装置は、光学系を介して撮像された撮像画像から対象とする被写体に相当する基準画像に対応する画像の位置を追尾し、前記基準画像に対応する画像の追尾位置を算出する追尾手段(173a)と、前記基準画像に対応する画像の移動方向および移動量を推定し、所定時間後における前記基準画像に対応する画像の移動位置を推定する推定手段(173a)と、前記追尾位置または前記移動位置に基づいて、撮像を行うための撮影準備制御を行う撮影準備制御手段(173c)と、前記追尾位置の算出タイミングおよび前記移動位置の推定タイミングと、前記撮影準備制御手段による撮影準備制御を行う制御タイミングと、を比較する比較手段(173c)と、前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択する選択手段(173c)と、を備えることを特徴とする。
[2]本発明の撮像装置において、前記選択手段(173c)が、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記制御タイミングと、近いタイミングで算出または推定された位置を、前記撮影準備制御を行うために用いる位置として選択するように構成することができる。
[3]本発明の撮像装置において、前記推定手段(173c)が、前記基準画像に対応する画像の移動方向が、一定の方向であると判断できない場合に、前記移動位置の推定が不能であると判断し、前記選択手段が、前記移動位置の推定が不能であると判断された場合には、前記撮影準備制御を行うために用いる位置として、前記追尾位置を選択するように構成することができる。
[4]本発明の撮像装置において、前記撮影準備制御手段(173c)による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御、露出を制御する露出制御、および前記撮像画像における前記対象とする被写体の位置をユーザに報知する報知制御のうちの少なくとも1つであるように構成することができる。
[5]本発明の撮像装置において、前記推定手段(173c)が、前記移動位置を複数推定し、前記選択手段(173c)が、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうちから、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択するように構成することができる。
[6]本発明の撮像装置において、前記撮影準備制御手段(173c)による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御であり、前記選択手段が、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうち、前記焦点状態の検出を行うために用いる位置として、複数の位置を選択するように構成することができる。
[7]本発明の撮像装置において、前記撮影準備制御手段(173c)による撮像を行うための撮影準備制御が、前記撮像画像における前記対象とする被写体の位置をユーザに報知する報知制御であり、前記選択手段が、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうち、ユーザに報知する位置として、複数の位置を選択するように構成することができる。
[8]本発明の撮像装置において、前記撮影準備制御手段(173c)による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御であり、前記撮影準備制御手段が、前記選択手段(173c)により前記移動位置が選択された場合に、前記移動位置において、算出された光学系のズレ量が、前記対象とする被写体のズレ量であるか否かを判断するように構成することができる。
本発明の撮像装置によれば、被写体像の位置を用いた各種制御を適切に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る一眼レフデジタルカメラ1を示すブロック図であり、上記発明の焦点検出装置、焦点調節装置および撮像装置に関する構成以外のカメラの一般的構成については、その図示と説明を一部省略する。
本実施形態の一眼レフデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とを備え、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とは着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒200には、レンズ211,212,213、および絞り220を含む撮影光学系が内蔵されている。
フォーカスレンズ212は、レンズ鏡筒200の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、不図示のエンコーダによってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ230によってその位置が調節される。
このフォーカスレンズ212の光軸L1に沿う移動機構の具体的構成は特に限定されない。一例を挙げれば、レンズ鏡筒200に固定された固定筒に回転可能に回転筒を挿入し、この回転筒の内周面にヘリコイド溝(螺旋溝)を形成するとともに、フォーカスレンズ212を固定するレンズ枠の端部をヘリコイド溝に嵌合させる。そして、フォーカスレンズ駆動モータ230によって回転筒を回転させることで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212が光軸L1に沿って直進移動することになる。なお、レンズ鏡筒200にはフォーカスレンズ212以外のレンズ211,213が設けられているが、ここではフォーカスレンズ212を例に挙げて本実施形態を説明する。
上述したようにレンズ鏡筒200に対して回転筒を回転させることによりレンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212は光軸L1方向に直進移動するが、その駆動源としてのフォーカスレンズ駆動モータ230がレンズ鏡筒200に設けられている。フォーカスレンズ駆動モータ230と回転筒とは、たとえば複数の歯車からなる変速機で連結され、フォーカスレンズ駆動モータ230の駆動軸を何れか一方向へ回転駆動すると所定のギヤ比で回転筒に伝達され、そして、回転筒が何れか一方向へ回転することで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ212が光軸L1の何れかの方向へ直進移動することになる。なお、フォーカスレンズ駆動モータ230の駆動軸が逆方向に回転駆動すると、変速機を構成する複数の歯車も逆方向に回転し、フォーカスレンズ212は光軸L1の逆方向へ直進移動することになる。
フォーカスレンズ212は、上述した回転筒の回転によってカメラボディ100側の端部(至近端ともいう)から被写体側の端部(無限端ともいう)までの間を光軸L1方向に移動することができる。ちなみに、エンコーダで検出されたフォーカスレンズ212の現在位置情報は、レンズ制御部250を介して後述するカメラ制御部170へ送出される。そして、この情報に基づいて演算されたフォーカスレンズ212の駆動量が、カメラ制御部170からレンズ制御部250を介して送出され、これに基づいて、フォーカスレンズ駆動モータ230は駆動する。
絞り220は、上記撮影光学系を通過して、カメラボディ100に備えられた第1撮像素子110に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り220による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部170からレンズ制御部250を介して送出されることにより行われる。また、カメラボディ100に設けられた操作部150によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部170からレンズ制御部250に入力される。絞り220の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部250で現在の開口径が認識される。
一方、カメラボディ100は、被写体からの光束を第1撮像素子110、ファインダ135、第2撮像素子190および焦点検出モジュール160へ導くためのミラー系120を備える。このミラー系120は、回転軸123を中心にして被写体の観察位置と撮影位置との間で所定角度だけ回転するクイックリターンミラー121と、このクイックリターンミラー121に軸支されてクイックリターンミラー121の回動に合わせて回転するサブミラー122とを備える。図1においては、ミラー系120が被写体の観察位置にある状態を実線で示し、被写体の撮影位置にある状態を二点鎖線で示す。
ミラー系120は、被写体の観察位置にある状態では光軸L1の光路上に挿入される一方で、被写体の撮影位置にある状態では光軸L1の光路から退避するように回転する。
クイックリターンミラー121はハーフミラーで構成され、被写体の観察位置にある状態では、被写体からの光束(光軸L1)の一部の光束(光軸L2,L3)を当該クイックリターンミラー121で反射してファインダ135および第2撮像素子190へ導き、一部の光束(光軸L4)を透過させてサブミラー122へ導く。これに対して、サブミラー122は全反射ミラーで構成され、クイックリターンミラー121を透過した光束(光軸L4)を焦点検出モジュール160へ導く。
したがって、ミラー系120が観察位置にある場合は、被写体からの光束(光軸L1)はファインダ135、第2撮像素子190および焦点検出モジュール160へ導かれ、撮影者により被写体が観察されるとともに、露出演算やフォーカスレンズ212の焦点調節状態の検出が実行される。そして、撮影者が操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンを全押しするとミラー系120が撮影位置に回動し、被写体からの光束(光軸L1)は全て第1撮像素子110へ導かれ、撮影した画像データを図示しないメモリに保存する。
クイックリターンミラー120で反射された被写体からの光束は、第1撮像素子110と光学的に等価な面に配置された焦点板131に結像し、ペンタプリズム133と接眼レンズ134とを介して観察可能になっている。このとき、透過型液晶表示器132は、焦点板131上の被写体像に焦点検出エリアマークや、追尾被写体マークなどを重畳して表示するとともに、被写体像外のエリアにシャッター速度、絞り値、撮影枚数などの撮影に関する情報を表示する。これにより、撮影者は、撮影準備状態において、ファインダ135を通して被写体およびその背景ならびに撮影関連情報などを観察することができる。
第2撮像素子190は、二次元カラーCCDイメージセンサなどで構成され、クイックリターンミラー120で反射された被写体からの光束を、結像レンズ136を介して受光し、撮影の際の露出値を演算するため、撮影画面を複数の領域に分割して領域ごとの輝度に応じた測光信号を出力する。また、第2撮像素子190は、被写体認識用の撮像素子も兼ねており、撮影光学系により焦点板131上に結像された被写体像を電気信号に変換して画像信号を出力する。第2撮像素子190で検出された信号はカメラ制御部170へ出力され、自動露出制御および被写体追尾処理に用いられる。ここで、図2に、第2撮像素子190の詳細な構成を示す正面図を示す。図2に示すように、第2撮像素子190は、マトリクス状に配列された複数の画素(光電変換素子)191(図2に示す例では、横16個×縦12個の画素)を備えている。また、各画素191は、図3に示すように、3個の部分191a,191b,191cに分割され、これらの部分にはそれぞれ赤R、緑G、青Bの原色フィルターが設けられている。これにより、各画素191ごとに被写界画像のRGB信号を出力することができる。
焦点検出モジュール160は、サブミラー122で反射した光束の光軸L4上であって、第1撮像素子110の撮像面と光学的に等価な面の位置に固定された一対の測距素子を備えており、被写体光を用いた位相差検出方式により、撮影光学系の焦点検出を行う。そして、焦点検出モジュール160は、一対の測距素子により得られた焦点検出信号を、カメラ制御部170へ送信し、カメラ制御部170により、焦点検出信号に基づいて、撮影光学系のデフォーカス量を算出し、これに基づいてレンズ駆動量の演算が行われ、レンズ駆動量が、カメラ制御部170からレンズ制御部250に送信されることにより、フォーカスレンズ212の位置が調整される。
第1撮像素子110は、カメラボディ100の、被写体からの光束の光軸L1上であって、レンズ211,212,213を含む撮影光学系の予定焦点面となる位置に設けられ、その前面にシャッター111が設けられている。この第1撮像素子110は、複数の光電変換素子が二次元に配列されたものであって、二次元CCDイメージセンサ、MOSセンサまたはCIDなどで構成することができる。そして、このような第1撮像素子110で光電変換された電気画像信号は、カメラ制御部170で画像処理されたのち図示しないメモリに保存される。なお、撮影画像を格納するメモリは内蔵型メモリやカード型メモリなどで構成することができる。
操作部150は、シャッターレリーズボタン、ズームボタン、および撮影者がカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、自動露出モード/マニュアル露出モード、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換や、また、オートフォーカスモードの中でも、特定被写体を追尾するための被写体追尾モードの設定が行えるようになっている。また、シャッターレリーズボタンのスイッチは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
カメラボディ100にはカメラ制御部170が設けられている。カメラ制御部170は、レンズ制御部250と電気的に接続され、このレンズ制御部250からレンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部250へ各種制御信号を送信する。また、カメラ制御部170は、上述したように撮像素子110から画像情報を読み出すとともに、必要に応じて所定の情報処理を施し、メモリに出力する。さらに、カメラ制御部170は、撮影画像情報の補正やレンズ鏡筒200の焦点調節状態、絞り調節状態などを検出するなど、カメラ1全体の制御を司る。
図4に、カメラ制御部170の構成を示すブロック図を示す。カメラ制御部170は、素子制御回路171、A/D変換器172、マイクロコンピュータ173およびメモリ174を備えている。素子制御回路171は第2撮像素子190の電荷の蓄積と読み出しを制御する。A/D変換器172は、第2撮像素子190から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。そして、撮影者により操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンが半押しされ、SW1がオンすると、レンズ211,212,213を通過した被写体光の一部が、クイックリターンミラー121により反射され、ペンタプリズム133、結像レンズ136を介して、第2撮像素子190へ導かれる。これにより、シャッターレリーズボタンが半押しされている間、第2撮像素子190により繰り返し周期的に被写界像を撮像することができる。
マイクロコンピュータ173は、追尾制御部173a、露出制御部173b、焦点検出演算部173cおよびレンズ駆動量演算部173dを備える。メモリ174は、画像追尾用のテンプレート画像やデフォーカス量などの情報、レンズ211,212,213の焦点距離、開放F値、絞り値、像ズレ量からデフォーカス量への変換係数などのレンズ情報などを記憶する。
追尾制御部173aは、第2撮像素子190により撮像した被写界像のうち、撮影者が手動で指定した追尾対象位置、あるいはカメラ1により自動で設定された追尾対象位置に対応する画像をテンプレート画像(基準画像)として、メモリ174に記憶させ、その後に繰り返し撮影される画像の中からテンプレート画像と一致または類似する画像領域を検索することによって対象の位置を認識する。
露出演算部173bは、第2撮像素子16により撮像した画像信号に基づいて露出値を演算する。
焦点検出演算部173cは、焦点検出モジュール160に備えられた一対の測距素子から出力される一対の光像に応じた焦点検出信号に基づいてフォーカスレンズ212の焦点調節状態、すなわち、撮影光学系のデフォーカス量を検出する。なお、詳細は後述するが、撮影光学系の撮影画面内には複数の焦点検出エリアが設定されており、焦点検出モジュール160は焦点検出エリアごとに一対の光像に応じた焦点検出信号を出力し、焦点検出演算部173cは焦点検出エリアごとに一対の光像に応じた焦点検出信号に基づいてデフォーカス量を検出する。
レンズ駆動量演算部173dは、焦点検出演算部173cにより検出されたデフォーカス量をレンズ駆動量に変換し、得られたレンズ駆動量をレンズ制御部250に送信する。そして、レンズ制御部250は、レンズ駆動量演算部173dからのレンズ駆動量に基づいて、フォーカスレンズ駆動モータ230を駆動させ、これにより、フォーカスレンズ212が光軸L1方向に直進移動する。そして、これにより、撮影光学系の焦点調節が行なわれる。
次いで、本実施形態の動作例を説明する。以下に説明する動作は、被写体追尾モードにおいて、第2撮像素子190により撮像された被写体のうち、撮影者により手動で追尾対象被写体を指定されるか、あるいはカメラ1により自動で追尾対象被写体が設定された後において、撮影者により操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンが半押しされた場合に、開始される。
ここで、図5に、撮影光学系の撮影画面の一例を示す。図5に示すように、本実施形態では、撮影画面内の11カ所に焦点検出エリア10a〜10kが設定されている。なお、焦点検出エリアの数および位置は、図5に示す例に特に限定されず、任意に設定することができる。
そして、図5に示す撮影画面において、操作部150に備えられた焦点検出エリア選択スイッチにより、焦点検出エリア10a〜10kのうち、たとえば、焦点検出エリア10fが選択され、この状態で操作部150のシャッターレリーズボタンが半押しされると、焦点検出エリア10fが初回AFエリアとしてメモリ174に記憶される。そして、これにより、追尾対象として初回AFエリア内の被写体が指定される。なお、撮影者が初回AFエリアを選択して追尾対象の被写体を手動で指定する以外にも、被写体認識結果に基づいて初回AFエリアおよび追尾対象被写体を設定してもよい。
以下、図6に示すフローチャートにしたがって、本実施形態の動作例を説明する。
まず、ステップS1において、第2撮像素子190により追尾初期画像(画像追尾処理を開始して最初に取得する画像)の取得が行なわれる。第2撮像素子190により撮像された画像情報は、下記式(1)に示すように、画素ごとにRGB値で表される。なお、下記式(1)において、x,yは、各画素191の座標を表している(たとえば、図2参照)。
R[x,y]、G[x,y]、B[x,y] (x=1〜16、y=1〜12) ・・・(1)
R[x,y]、G[x,y]、B[x,y] (x=1〜16、y=1〜12) ・・・(1)
さらに、ステップS1では、追尾制御部173aにより、上述した画素ごとのRGB値に基づいて、各画素の色情報および輝度情報の算出が行なわれる。ここで、色情報RG、BGは、下記式(2)、(3)に示すように、色の偏り具合を示す値として、算出される。また、輝度情報Lは、画像を取得したときの露光時間T、ゲインG、色合成係数Kr、Kg、Kbに基づいて、下記式(4)により算出される。
RG[x,y]=Log2(R[x,y])−Log2(G[x,y]) ・・・(2)
BG[x,y]=Log2(B[x,y])−Log2(G[x,y]) ・・・(3)
L[x,y]=Log2(Kr×R[x,y]+Kg×G[x,y]+Kb×B[x,y])−Log2(T)−Log2(G) ・・・(4)
RG[x,y]=Log2(R[x,y])−Log2(G[x,y]) ・・・(2)
BG[x,y]=Log2(B[x,y])−Log2(G[x,y]) ・・・(3)
L[x,y]=Log2(Kr×R[x,y]+Kg×G[x,y]+Kb×B[x,y])−Log2(T)−Log2(G) ・・・(4)
次いで、ステップS2では、追尾初期処理が行なわれる。図7に、本実施形態における追尾初期処理のフローチャートを示す。まず、図7に示すステップS101では、追尾初期画像の中の撮影者が指定した位置(ここでは、初回AFエリアとしての焦点検出エリア10f)の画像情報(色情報RG、BG、および輝度情報L)を、被写体色情報として記憶する処理が行なわれる。
次いで、ステップS102では、図8(A)に示すように、追尾初期画像の中の初回AFエリアとしての焦点検出エリア10f(図5参照)の位置周辺部において上記被写体色情報と同様な色情報を示す同色情報領域を検出する処理が行われる。
次いで、ステップS103では、ステップS102で検出された同色情報領域を含む四角形の領域を、初期の追尾被写体領域20とする処理が行なわれる。たとえば、図8(A)に示す例では、x=7〜10、y=5〜8の4×4画素の領域が、初期の追尾被写体領域20に設定される。なお、本実施形態では、被写体色情報に基づいて初期の追尾被写体領域20、およびそのサイズを決定する例を示したが、処理を簡素化するために、一律に4×4画素の領域を追尾被写体領域のサイズとしたり、あるいは、撮影光学系の撮影距離や被写体の像倍率に応じて初期の追尾被写体領域20のサイズを決定してもよい。
ステップS104では、上述したステップS103において決定した初期の追尾被写体領域20をテンプレート画像30として、メモリ174に記憶させる処理が行なわれる。たとえば、図8(A)に示す例では、図8(B)に示すようなテンプレート画像30がメモリ174に記憶される。なお、図8(A)に示す例のように、初期の追尾被写体領域20のサイズが4×4画素であり、始点位置(四角形の左上端部に対応する画素位置)が(x,y)=(7,5)の場合には、図8(B)に示すテンプレート画像30の色情報RGref、BGrefは下記式(5)、(6)で、輝度情報Lrefは下記式(7)でそれぞれ表される。なお、下記式(5)〜(7)において、rx,ryは、テンプレート画像30の各画素の座標を表している(たとえば、図8(B)参照)。
RGref[rx,ry]=RG[x,y] ・・・(5)
BGref[rx,ry]=BG[x,y] ・・・(6)
Lref[rx,ry]=L[x,y] ・・・(7)
(上記式(5)〜(7)において、rx=1〜4、ry=1〜4、x=7〜10、y=5〜8)
RGref[rx,ry]=RG[x,y] ・・・(5)
BGref[rx,ry]=BG[x,y] ・・・(6)
Lref[rx,ry]=L[x,y] ・・・(7)
(上記式(5)〜(7)において、rx=1〜4、ry=1〜4、x=7〜10、y=5〜8)
ステップS105では、探索領域40を設定する処理が行なわれる。本実施形態では、図8(A)に示すように、追尾被写体領域20の上下左右方向にそれぞれ3画素分拡大した画素範囲(10×10画素)に含まれる領域を探索領域40に設定する。すなわち、図8(A)に示す例においては、x=4〜13、y=2〜11の範囲に含まれる領域が、探索領域40に設定される。以上のようにして追尾初期処理は行なわれる。
次いで、図6のステップS3に進み、操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンが全押しされたか否かの判断が行なわれる。シャッターレリーズボタンが全押しされるまでの間は、ステップS4に進み、追尾演算処理およびオートフォーカス演算が繰り返し行なわれる。ここで、図9に示すように、ステップS4においては、第2撮像素子190による追尾用の蓄積および追尾演算処理と、焦点検出モジュール160に備えられた測距素子による焦点検出用の蓄積およびオートフォーカス演算(AF演算)とは、それぞれ異なるタイミングで、並行して繰り返し行なわれている。以下においては、まず、追尾演算処理について説明する。
図10は、本実施形態における追尾演算処理のフローチャートである。まず、ステップS201では、第2撮像素子190から追尾次画像の取得が行なわれ、上述したステップS1と同様にして、追尾次画像について画像情報R[x,y]、G[x,y]、B[x,y](x=1〜16、y=1〜12)を取得し、これに基づいて、色情報RG[x,y] 、BG[x,y]および輝度情報L[x,y]を算出する。
次いで、ステップS202では、前回処理(上述したステップS105または後述するステップS204)において設定された探索領域40(たとえば、図8(A)参照)中において、ステップS104で設定されたテンプレート画像30と同じサイズの領域を順次切り出す。そして、切り出した画像と、図8(B)に示すテンプレート画像30の対応する画素ごとに相関を演算、すなわち画像情報の差分Diffを、下記式(8)にしたがって算出する。具体的には、図11の点線で示す枠のように、探索領域40中において、一画素ずつ領域をずらしながら、テンプレート画像30との差分Diffを算出していく。
なお、上記式(8)中、dx、dyは、それぞれ切り出し画像の始点位置をずらす範囲(量)を示している。すなわち、図11に示す例においては、dx=1はx=4に対応し、dy=1はy=2に対応する。また、上記式(8)中において、scx,scyは、探索領域40の始点位置を示している。すなわち、図11に示す例においては、scx=4,scy=2である。さらに、上記式(8)中において、「ABS()」は引数の絶対値を返す関数を示している。
この上記式(8)は、探索領域40の中で、追尾被写体領域20と同じサイズの領域を1画素ずつずらしながら切り出し画像を取得し、切り出した画像とテンプレート画像30との間で画素ごとの画像情報の差分Diffを求めていくことを表している。たとえば、図11に示すように、探索領域40から順次切り出した画像(図11においては、50a、50b)と、テンプレート画像30とを順次比較して、それぞれの切り出し画像について差分Diffを算出する。そして、これらの差分Diffのうち、最小の値を示す切り出し画像が、テンプレート画像30(図8(B)参照)に最も類似していることとなる。
次いで、ステップS203では、上述したステップS202の差分演算結果に基づいて、テンプレート画像30に最も類似していると判断された切り出し画像が存在する位置を、新しい追尾被写体領域20に設定する。具体的には、上述したステップS202で算出された差分Diffのうち、最小の値を示した最小差分値MinDiffを検出し、この最小差分値MinDiffの位置を、新しい追尾被写体領域20に設定する。なお、本実施形態では、今回処理において設定された新しい追尾被写体領域20の画素位置を、今回追尾位置(x0,y0)として、メモリ174に記憶させる。
次いで、ステップS204に進み、今回追尾位置(x0,y0)を検出した際における、第2撮像素子190の蓄積タイミングT0(すなわち、上述したステップS202の演算に用いた第2撮像素子190の画像信号の蓄積タイミング)を、メモリ174に記憶させる。
次いで、ステップS205に進み、ステップS205〜S207において、ステップS203で決定した今回処理時の追尾被写体領域20、および前回以前の処理時における追尾被写体領域の履歴を用いて、追尾被写体の移動位置を推定する処理を行なう。
すなわち、まず、ステップS205において、追尾被写体領域が一定方向に移動しているか否かの判定が行なわれる。具体的には、まず、今回処理時の追尾被写体領域の画素位置である今回追尾位置(x0,y0)、前回処理時の追尾被写体領域の画素位置である前回追尾位置(x1,y1)、および前々回処理時の追尾被写体領域の画素位置である前々回追尾位置(x2,y2)に基づいて、前々回追尾位置→前回追尾位置の移動ベクトルV0、前回追尾位置→今回追尾位置の移動ベクトルV1を下記式(9)、(10)にしたがって算出する。
V0=(x1−x2,y1−y2) ・・・(9)
V1=(x0−x1,y0−y1) ・・・(10)
V0=(x1−x2,y1−y2) ・・・(9)
V1=(x0−x1,y0−y1) ・・・(10)
そして、ステップS205では、上記にて算出した移動ベクトルV0,V1を用いて、下記いずれかの条件(A)〜(C)のいずれかに該当するか否かの判定を行ない、いずれかに該当する場合には、追尾被写体領域が一定方向に移動していると判定し、ステップS206に進む。一方、いずれにも該当しない場合には、追尾被写体領域が一定方向に移動していないと判定し、ステップS207に進む。
条件(A) (V0x×V1x≧0) and (V0y×V1y≧0)
条件(B) (V0x×V1x≧0) and (|V0y×V1y|≦k)
条件(C) (|V0x×V1x|≦k) and (V0y×V1y≧0)
条件(A) (V0x×V1x≧0) and (V0y×V1y≧0)
条件(B) (V0x×V1x≧0) and (|V0y×V1y|≦k)
条件(C) (|V0x×V1x|≦k) and (V0y×V1y≧0)
上記条件(A)〜(C)においては、V0x,V1xは、移動ベクトルV0,V1のX方向の値を、V0y,V1yは、移動ベクトルV0,V1のY方向の値を、それぞれ示している(下記式(11)、(12)においても同様。)。なお、上記条件(A)は、追尾被写体領域の前々回追尾位置→前回追尾位置、および前回追尾位置→今回追尾位置の移動方向が、X方向、Y方向とも同方向であるという条件を示している。また、上記条件(B)は、前々回追尾位置→前回追尾位置、および前回追尾位置→今回追尾位置の移動方向が、X方向では同方向であり、かつ、Y方向の移動量がk画素以内であるという条件を示しており、さらに、上記条件(C)は、前々回追尾位置→前回追尾位置、および前回追尾位置→今回追尾位置の、X方向の移動量がk画素以内であり、かつ、移動方向が、Y方向では同方向あるという条件を示している。ここで、条件(B)、(C)における、kとしては特に限定されないが、追尾被写体領域が実質的に移動していないと判断できるような画素数(たとえば、k=1)に設定することができる。
追尾被写体領域が一定方向に移動していると判定された場合には、ステップS206に進み、追尾被写体領域の移動先を推定する処理を行なう。なお、追尾被写体領域の移動先を推定する処理は、所定の予測追尾タイミングTfにおける、予測追尾位置(xf,yf)を、下記式(11)〜(13)にしたがって、算出することにより実行される。
xf=x0+(V0x+V1x)/m ・・・(11)
yf=y0+(V0y+V1y)/m ・・・(12)
Tf=(|T2−T1|+|T1−T0|)/m ・・・(13)
xf=x0+(V0x+V1x)/m ・・・(11)
yf=y0+(V0y+V1y)/m ・・・(12)
Tf=(|T2−T1|+|T1−T0|)/m ・・・(13)
なお、上記式(11)〜(13)において、T0は、今回タイミング(今回追尾位置における蓄積タイミング)を、T1は、前回タイミング(前回追尾位置における蓄積タイミング)を、T2は、前々回タイミング(前々回追尾位置における蓄積タイミング)を、それぞれ示している。また、上記式(11)〜(13)において、mは、予測追尾タイミングTfに応じて設定される値であり、たとえば、図9に示すように、追尾演算のタイミングが、一定の間隔で行なわれている場合において(すなわち、T2−T1、T1−T0が同じ値である場合において)、予測追尾タイミングTfも、これらと同様の間隔とする場合(すなわち、T0−Tf=T2−T1=T1−T0とする場合)には、m=2に設定される。その一方で、予測追尾タイミングTfを、時間的により早いタイミングとする場合(すなわち、T0−Tf<T2−T1=T1−T0とする場合)には、m>2に設定すればよいし、あるいは、予測追尾タイミングTfを、時間的により遅いタイミングとする場合(すなわち、T0−Tf>T2−T1=T1−T0とする場合)には、m<2に設定すればよい。
たとえば、図12に示す例においては、上述したステップS205において、条件(A)((V0x×V1x≧0) and (V0y×V1y≧0))を充足すると判断され、そして、図12に示すように、ステップS206において、予測追尾タイミングTfにおける、予測追尾位置(xf,yf)の算出が行なわれる。あるいは、図13に示す例においては、上述したステップS205において、条件(B)((V0x×V1x≧0) and (|V0y×V1y|≦k))を充足すると判断され、そして、図13に示すように、ステップS206において、予測追尾タイミングTfにおける、予測追尾位置(xf,yf)の算出が行なわれる。
一方、追尾被写体領域が一定方向に移動していると判定されなかった場合には、ステップS207に進み、下記式(14)、(15)にしたがって、今回追尾位置(x0,y0)を、そのまま予測追尾位置(xf,yf)とする。
xf=x0 ・・・(14)
yf=y0 ・・・(15)
xf=x0 ・・・(14)
yf=y0 ・・・(15)
ステップS208では、上述したステップS206またはS207で算出した予測追尾位置(xf,yf)、および予測追尾タイミングTfをメモリ174に記憶させる処理が行なわれる。以上のようにして、追尾演算処理は行なわれる。なお、成就したように、このような追尾演算処理は、操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンが全押しされるまで、所定のタイミングで繰り返し実行される。
次いで、本実施形態におけるオートフォーカス演算(AF演算)について説明する。本実施形態においては、オートフォーカス演算は、上述したように、操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンが全押しされるまで、追尾演算処理と異なるタイミングで、並行して繰り返し行なわれる。
図14は、本実施形態におけるオートフォーカス演算処理のフローチャートである。まず、ステップS301では、焦点検出部173cにより、焦点検出モジュール160に備えられた一対の測距素子から焦点検出信号、および蓄積タイミングTAFの取得が行なわれる。
次いで、ステップS302では、焦点検出部173cにより、オートフォーカス演算を行なうための焦点検出エリアを決定するための処理が行われる。すなわち、ステップS302では、まず、ステップS301で取得した測距素子の蓄積タイミングTAFと、上述した追尾演算処理においてメモリ174に記憶させた追尾演算の今回タイミングT0および予測タイミングTfとに基づいて、上述した追尾演算処理において決定した今回追尾位置(x0,y0)および予測追尾位置(xf,yf)のうち、いずれの位置を、焦点検出に用いる追尾被写体領域として採用するかを決定するための処理を行なう。
具体的には、ステップS301で取得した測距素子の蓄積タイミングTAFが、追尾演算の今回タイミングT0により近い場合(|TAF−T0|<|TAF−Tf|)には、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、今回追尾位置(x0,y0)を採用する。たとえば、図9中において、測距素子の蓄積タイミングが、TAF1である場合には、追尾演算の今回タイミングT0により近いため、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、今回追尾位置(x0,y0)を採用する。また、ステップS301で取得した測距素子の蓄積タイミングTAFが、追尾演算の予測タイミングTfにより近い場合(|TAF−T0|>|TAF−Tf|)には、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用する。たとえば、図9中において、測距素子の蓄積タイミングが、TAF2である場合には、追尾演算の今回タイミングTfにより近いため、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用する。
次いで、ステップS303では、ステップS302において決定した追尾被写体領域(すなわち、今回追尾位置(x0,y0)および予測追尾位置(xf,yf))に基づいて、焦点検出を行うための焦点検出エリアを決定する処理を行なう。なお、焦点検出エリアを決定する方法としては特に限定されないが、ステップS302において決定した追尾被写体領域に対応する焦点検出エリアを、焦点検出を行うための焦点検出エリアとして決定することができる。あるいは、ステップS302において決定した追尾被写体領域に対応する焦点検出エリアおよびその周辺の焦点検出エリアにおける、デフォーカス量に基づいて、前回処理時において、焦点検出を行うための焦点検出エリアとして決定したエリアとデフォーカス量が近いエリアを、焦点検出を行うための焦点検出エリアとして決定してもよい。なお、この場合において、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用した場合において、予測追尾位置(xf,yf)に対応する焦点検出エリアにおける、デフォーカス量が、前回処理時において検出した追尾被写体のデフォーカス量に近いものである場合には、予測追尾位置(xf,yf)において、追尾被写体を捕捉しているものとして判断することができる。
そして、ステップS304では、ステップS303で決定した焦点検出エリアのデフォーカス量に基づいて、レンズ駆動量演算部173dにより、フォーカスレンズ212の駆動量の算出が行なわれ、これをレンズ制御部250に送出することで、レンズ駆動制御が行われる。以上のようにして、オートフォーカス演算処理が行なわれる。
そして、上述した追尾演算処理およびオートフォーカス演算が繰り返し実行され、ステップS3において、操作部150に備えられたシャッターレリーズボタンの全押し操作が検出されると、ステップS5に進み、撮影制御を実行する。なお、撮像制御に際しては、追尾演算処理において設定された追尾被写体領域の輝度情報に基づいて露出演算を行い、絞り値、シャッター速度およびISO感度を算出し、これらにしたがって第1撮像素子110により撮像を行う。
本実施形態のカメラ1は、以上のように動作する。
本実施形態においては、測距素子の蓄積タイミングTAFが、追尾演算の今回タイミングT0により近い場合(|TAF−T0|<|TAF−Tf|)には、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、今回追尾位置(x0,y0)を採用し、測距素子の蓄積タイミングTAFが、追尾演算の予測タイミングTfにより近い場合(|TAF−T0|>|TAF−Tf|)には、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用する。そのため、本実施形態によれば、焦点検出に用いる追尾被写体領域として、より適切な領域を選択することができ、これにより良好に撮影光学系の焦点検出を行うことができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、追試被写体領域の移動先を推定する際に、今回追尾位置(x0,y0)、前回追尾位置(x1,y1)、および前々回追尾位置(x2,y2)を用いて推定を行なう例を示したが(ステップS205、S206)、前々回追尾位置よりもさらに前に検出された追尾位置を用いて、追試被写体領域の移動先を推定するような構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、追試被写体領域の移動先を推定する際に、予測追尾位置(xf,yf)を一つ求めるような構成を例示したが、たとえば、上記式(11)〜(13)中において、mの値を変化させることで、予測追尾タイミングの異なる複数の予測追尾位置を求め、今回追尾位置および複数の予測追尾位置のうち、測距素子の蓄積タイミングTAFと最もタイミングの近い位置を、焦点検出を行うために用いる追尾被写体領域としてもよい。特に、このような構成を採用することにより、撮影光学系の焦点検出の精度をより向上させることが可能となる。
また、上述した実施形態では、焦点検出を行うために用いる追尾被写体領域として、今回追尾位置および予測追尾位置(複数の予測追尾位置)のうち、いずれか一つを選択するような構成を例示したが、測距素子の蓄積タイミングTAFと、追尾演算のタイミングとの関係で、複数選択するような構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、位相差検出方式により焦点検出を行う態様を例示したが、コントラスト検出方式により焦点検出を行う際にも、もちろん適用可能である。
また、上述した実施形態では、オートフォーカス演算を例示して説明したが、オートフォーカス演算以外に、あるいは、オートフォーカス演算とともに、露出演算に適用してもよい。すなわち、露出制御を行うタイミングTAEと、追尾演算の今回タイミングT0および予測タイミングTfとを比較し、露出制御を行うタイミングTAEが、追尾演算の今回タイミングT0により近い場合には、露出制御を行うための追尾被写体領域として、今回追尾位置(x0,y0)を採用し、露出制御を行うタイミングTAEが、追尾演算の予測タイミングTfにより近い場合には、露出制御を行うための追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用するような構成としてもよい。そして、この場合において、露出制御を行うための追尾被写体領域として、今回追尾位置(x0,y0)を採用する場合には、今回追尾位置(x0,y0)または今回追尾位置(x0,y0)とその周辺領域の測光値を、露出制御のための測光値として用いることができ、さらには、露出制御を行うための追尾被写体領域として、予測追尾位置(xf,yf)を採用する場合には、予測追尾位置(xf,yf)または予測追尾位置(xf,yf)とその周辺領域の測光値を、露出制御のための測光値として用いることができる。そしてこれにより、露出制御を行うための追尾被写体領域として、より適切な領域を選択することができ、結果として、良好に撮影光学系の露出制御を行うことができる。
あるいは、オートフォーカス演算および露出演算以外に、あるいは、オートフォーカス演算および露出演算とともに、ファインダ光学系に備えられた透過型液晶表示器132に表示させる追尾被写体マーク(すなわち、ファインダ135を通して撮影者が観察する追尾被写体マーク)を行なう際においても、上述した実施形態を適用してもよい。すなわち、透過型液晶表示器132に追尾被写体マークを表示するタイミングTMARKと、追尾演算の今回タイミングT0および予測タイミングTfとを比較し、追尾被写体マークを表示するタイミングTMARKが、追尾演算の今回タイミングT0により近い場合には、今回追尾位置(x0,y0)に、追尾被写体マークの表示を行い、追尾被写体マークを表示するタイミングTMARKが、追尾演算の予測タイミングTfにより近い場合には、予測追尾位置(xf,yf)に、追尾被写体マークの表示を行うような構成としてもよい。あるいは、追尾被写体マークを表示するタイミングTMARKによっては、図15に示すように、追尾被写体マークの表示を、今回追尾位置(x0,y0)および予測追尾位置(xf,yf)の両方に表示し、所定時間経過後に、今回追尾位置(x0,y0)における追尾被写体マークを消して、予測追尾位置(xf,yf)のみ表示するような構成とすることもできる。特に、このような構成を採用することにより、今回追尾位置(x0,y0)における追尾被写体マークを残して表示しておくことにより、追尾被写体マークの動きを滑らかに見えるようにすることができ、また、予測追尾位置(xf,yf)における追尾被写体マークの表示を少し早めに行なうことにより、追尾被写体マークの動きを、被写体に対して、敏感なものに見せることができる。
なお、本実施形態のカメラ1は、上述した一眼レフデジタルカメラに限定されず、レンズ一体型デジタルスチルカメラやビデオカメラにも適用できる。また、携帯電話機などに内蔵される小型カメラモジュール、監視カメラ、ロボット用視覚認識装置等にも適用できる。
1…一眼レフデジタルカメラ
100…カメラボディ
110…第1撮像素子
160…焦点検出モジュール
170…カメラ制御部
190…第2撮像素子
200…レンズ鏡筒
212…フォーカスレンズ
230…フォーカスレンズ駆動モータ
250…レンズ制御部
100…カメラボディ
110…第1撮像素子
160…焦点検出モジュール
170…カメラ制御部
190…第2撮像素子
200…レンズ鏡筒
212…フォーカスレンズ
230…フォーカスレンズ駆動モータ
250…レンズ制御部
Claims (8)
- 光学系を介して撮像された撮像画像から対象とする被写体に相当する基準画像に対応する画像の位置を追尾し、前記基準画像に対応する画像の追尾位置を算出する追尾手段と、
前記基準画像に対応する画像の移動方向および移動量を推定し、所定時間後における前記基準画像に対応する画像の移動位置を推定する推定手段と、
前記追尾位置または前記移動位置に基づいて、撮像を行うための撮影準備制御を行う撮影準備制御手段と、
前記追尾位置の算出タイミングおよび前記移動位置の推定タイミングと、前記撮影準備制御手段による撮影準備制御を行う制御タイミングと、を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択する選択手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記選択手段は、前記追尾位置および前記移動位置のうち、前記制御タイミングと、近いタイミングで算出または推定された位置を、前記撮影準備制御を行うために用いる位置として選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記推定手段は、前記基準画像に対応する画像の移動方向が、一定の方向であると判断できない場合に、前記移動位置の推定が不能であると判断し、
前記選択手段は、前記移動位置の推定が不能であると判断された場合には、前記撮影準備制御を行うために用いる位置として、前記追尾位置を選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置において、
前記撮影準備制御手段による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御、露出を制御する露出制御、および前記撮像画像における前記対象とする被写体の位置をユーザに報知する報知制御のうちの少なくとも1つであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置において、
前記推定手段は、前記移動位置を複数推定し、
前記選択手段は、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうちから、前記撮影準備制御を行うために用いる位置を選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項5に記載の撮像装置において、
前記撮影準備制御手段による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御であり、
前記選択手段は、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうち、前記焦点状態の検出を行うために用いる位置として、複数の位置を選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項5または6に記載の撮像装置において、
前記撮影準備制御手段による撮像を行うための撮影準備制御が、前記撮像画像における前記対象とする被写体の位置をユーザに報知する報知制御であり、
前記選択手段は、前記追尾位置および複数の前記移動位置のうち、ユーザに報知する位置として、複数の位置を選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の撮像装置において、
前記撮影準備制御手段による撮像を行うための撮影準備制御が、光学系の焦点状態を検出する焦点検出制御であり、
前記撮影準備制御手段は、前記選択手段により前記移動位置が選択された場合に、前記移動位置において、算出された光学系のズレ量が、前記対象とする被写体のズレ量であるか否かを判断することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012050102A JP2013187665A (ja) | 2012-03-07 | 2012-03-07 | 撮像装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018198393A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd | 制御装置、撮像装置、撮像システム、移動体、制御方法、及びプログラム |
-
2012
- 2012-03-07 JP JP2012050102A patent/JP2013187665A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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