JP2013186026A - 可塑性流動体の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可塑性流動体の性状を定量的に評価することが可能な可塑性流動体の評価方法を提供する。
【解決手段】可塑性グラウトの性状を評価するための可塑性グラウトの評価方法である。そして、上端と下端が開口されたシリンダー容器に製造後からの経過時間が既知の可塑性グラウトを充填して供試体を作製するステップと、容器を上方に引き上げて供試体を露出させるステップと、供試体の上面に荷重を加えるステップと、供試体の上面の下がり量であるスランプ値を測定するステップと、スランプ値をせん断応力の降伏応力に換算するステップと、それによって図示された降伏応力曲線TYに基づいて可塑性グラウトの性状を評価するステップとを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空隙充填や水中での充填などで使用される可塑性グラウトなどの可塑性流動体の評価方法に関するものである。
トンネル覆工の裏込め、地盤や構造物周辺の空洞などを充填したり、海や河川などの水中に沈埋トンネルや防波堤の基礎などを構築したりするに際して、可塑性グラウトが使用されることが知られている(特許文献1,2など参照)。
可塑性グラウトなどの可塑性流動体は、一定水準以上のせん断力が加わると流動性を発現し、せん断力が加わらなければ流動性を発現しない性状を有している。このため、ポンプによって圧力をかけると流動化して搬送が可能になるうえに、ポンプ圧がかからない充填後には流出することがないので、上述したような箇所の充填材に適している。
特開2010−112024号公報 特開2002−144324号公報 特開2000−193579号公報 特許第4491680号公報 特許第4262167号公報
しかしながら、可塑性流動体は、ポンプの圧力などが作用することによって発生するせん断応力が降伏応力に達した後に流動を始めることから、通常のスランプフロー試験(JIS A 1101)などでは適切な評価をおこなうことができず、新たな評価方法が求められている。
ここで、特許文献3には、圧入工法に使用されるコンクリートの流動性評価方法が開示されている。この文献には、逆さまにしたスランプコーンの中にコンクリートを充填し、コンクリートが流れ落ちるまでの流出時間を測定することで、コンクリートの流動性の良否という定性的な判定をおこなうことが記載されている。
一方、特許文献4には硬練りコンクリートのフレッシュ性状評価方法に関する発明が開示され、特許文献5には高流動コンクリートの評価パラメータ推定方法に関する発明が開示されている。このように、材料の性状に合わせて適切な評価方法を開発することが求められている。
そこで、本発明は、可塑性流動体の性状を定量的に評価することが可能な可塑性流動体の評価方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の可塑性流動体の評価方法は、可塑性流動体の性状を評価するための方法であって、上端と下端が開口された容器に製造後からの経過時間が既知の可塑性流動体を充填して供試体を作製するステップと、前記容器を上方に引き上げて前記供試体を露出させるステップと、前記供試体の上面に荷重を加えるステップと、前記供試体の上面の下がり量であるスランプ値を測定するステップと、前記スランプ値をせん断応力の降伏応力に換算するステップと、その降伏応力に基づいて可塑性流動体の性状を評価するステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、製造後からの経過時間が異なる複数の可塑性流動体を使ってそれぞれ前記供試体を作製し、各供試体の上面に加える荷重の大きさを一定にしてスランプ値を測定し、スランプ値を換算した降伏応力と経過時間との関係を導き出して可塑性流動体の性状の評価をおこなうことができる。
また、前記供試体を複数作製し、各供試体の上面に加える荷重の大きさを変化させてスランプ値を測定し、スランプ値を換算した降伏応力と経過時間との一義的な関係を導き出して可塑性流動体の性状の評価をおこなうこともできる。
さらに、前記スランプ値と前記降伏応力又はそれに基づいた変形指標とを対向する第1方向軸とし、経過時間を第1方向軸に直交する第2方向軸としたグラフに、スランプ値と前記経過時間との関係を示す曲線を図示し、その曲線から前記降伏応力又はそれに基づいた変形指標と前記経過時間との関係を示す曲線を作成するステップを備えた構成であってもよい。
また、前記スランプ値の降伏応力への換算は、所定の関係式を使っておこなうことができる。さらに、前記スランプ値の降伏応力への換算は、予め作成されたスランプ値と降伏応力との関係図を使っておこなってもよい。
このように構成された本発明の可塑性流動体の評価方法は、製造後からの経過時間が既知の可塑性流動体を充填して作製した供試体の上面に荷重を加えることで、供試体を変形させてスランプ値を測定し、測定されたスランプ値を降伏応力に換算して評価をおこなう。
このように降伏応力という物理量に換算されれば、可塑性流動体の性状を定量的に評価することができる。また、経過時間と降伏応力との関係まで導き出せるため、ポンプの性能に合った利用可能時間の算定や経時変化を考慮した解析などを行うことができるようになる。
また、経過時間が異なる複数の供試体に一定の大きさの荷重を載荷してスランプ値を測定することで、ある荷重の大きさにおけるスランプ値と経過時間との関係を示す曲線を作成することができる。
さらに、複数の供試体を使って異なる大きさの荷重を載荷させた測定結果から、作用させる荷重の大きさに影響されない一義的な可塑性流動体の性状を導き出すことができる。
また、スランプ値と降伏応力又は変形指標とを第1方向軸とし、経過時間を第2方向軸とするグラフを作成してスランプ値の曲線を図示することで、それに基づいて降伏応力又は変形指標と経過時間との関係を示す曲線を容易に作成することができる。
さらに、スランプ値から降伏応力への換算を所定の関係式を使って行う場合は、どのような大きさの荷重及びスランプ値に対しても演算をおこなうことができる。
また、予めスランプ値と降伏応力との関係図を作成しておけば、その関係図から読み取ることで、容易にスランプ値から降伏応力への換算をおこなうことができる。
本発明の実施の形態の可塑性流動体の評価方法で使用するスランプ又は変形指標(降伏応力)と経過時間との関係を示した図である。 可塑性グラウトの充填状況を模式的に示した説明図である。 せん断応力とスランプの発生の関係について説明する図であって、(a)はひずみ速度とせん断応力との関係を示した図、(b)はスランプの発生と降伏応力との関係を説明する図である。 スランプ試験の状況を説明する斜視図である。 スランプ値を降伏応力に換算する関係式を説明するための図であって、(a)は初期状態、(b)は荷重を加えなくてもスランプ値が発生する状態、(c)は荷重を加えたときの状態、(d)は上載荷重によって変形が促進された状態を示している。 関係式を使った計算結果により作成された荷重毎のスランプと降伏応力との関係を示した図である。 スランプ試験によって測定された荷重毎のスランプと経過時間との関係を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態で説明する可塑性流動体の評価方法は、可塑性流動体としての可塑性グラウトの性状を評価する方法である。
ここで、「可塑性流動体」とは、所定以上のせん断力が加わると流動性を発現し、せん断力が所定値に達しなければ流動性を発現しない性状を有する材料をいう。
そして、可塑性グラウトは、セメントと水とベントナイトと可塑材等とを混合することによって製造される。また、可塑材には、珪酸ナトリウムやアルミン酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、硫酸マグネシウムや硫酸アルミニウム等の硫酸塩などが使用できる。
可塑性グラウトは、ポンプなどによって圧力をかけると流動化するので、図2に示すような充填空間1に充填することができる。この充填空間1の端部には、第1注入管11と第2注入管12とが途中で合流して接続される。
第1注入管11によって注入するA液は、例えばセメントと水とベントナイト溶液と混和剤とを混合した流体である。また、第2注入管12によって注入するB液は、例えば可塑材となる珪酸ナトリウム溶液である。
このA液とB液とが混合されると、10秒程度でゲル状の可塑性グラウトG1になる。そして、図2に示すように、充填空間1の内空(未充填部G0)に向けて最初の可塑性グラウトG1が送り込まれる。
この可塑性グラウトG1は、所定以上のせん断力が作用しないと流動化しないため、次の可塑性グラウトG2が送り込まれて押し出されることによって前方へ移動することになる。そして、可塑性グラウトG2の後方からはその次の可塑性グラウトG3が送り込まれ、その分だけ可塑性グラウトG1,G2が前進する。
このように可塑性グラウトG1−G3は、自重によって流動するモルタルとは異なり、後方から注入された可塑性グラウトが先行する可塑性グラウトを押し出すような挙動によって搬送されるため、充填空間に空洞を残すことなく充填することができる。
続いて、可塑性グラウトが流動化する条件について説明する。可塑性グラウトは、図3(a)に示すようにせん断応力が降伏応力に至るまでは、ひずみ速度が0で、降伏応力を超えるとひずみ速度はせん断応力の大きさに比例して増加する。よって、可塑性グラウトを流動化させるためには、せん断応力が降伏応力を超える状態にする必要がある。
このように可塑性グラウトは、せん断応力が降伏応力を超えない状態では、変形が発生せずに形状が保持される(図3(b)参照)。このため、供試体2の上部2aの応力状態が全体になっている場合は、上面21は下がらずスランプ値は測定できない(図3(b)の二点鎖線参照)。
これに対して供試体2の下部2bは、せん断応力が降伏応力を超えた状態となっており、変形が発生して下面22が広がっている。このように変形が発生すると、上面21が下がってスランプ値として測定することができる(図3(b)の実線参照)。
ここで、可塑性グラウトは、モルタル(密度1.9)に比べて密度が小さい(1.3程度)ため、自重だけでは供試体2に降伏応力を超える箇所が発生しにくく、そのままではスランプ値を測定することができない場合が多い。
そこで、図4に示すように可塑性グラウトによって形成される供試体2の上面21に、上部が開放された円筒状の保持容器51を置き、その中に鉛小球5,・・・を荷重として入れる。1個当たりの重量が小さな鉛小球5,・・・であれば、載せる数によって加える荷重の大きさを容易に調整することができる。
次に、本実施の形態の可塑性グラウトの評価方法の中でおこなうスランプ試験について、図4を参照しながら説明する。
まず、上面に十字の線が描かれたフローテーブル3の上に、上端と下端が開口された円筒状のシリンダー容器(図示省略)を置く。このシリンダー容器は、中心がフローテーブル3の十字線の交点と一致するように設置する。
続いて、シリンダー容器の上端の開口から、製造後からの経過時間が既知の可塑性グラウトを上端の位置まで充填する。そして、シリンダー容器をゆっくり上方に引き上げると、図3(b)の二点鎖線で示すような円柱状の供試体2が形成される。
この状態で、供試体2の上面21から下面22に至るまでのすべての箇所でせん断応力が降伏応力を超えていなければ、円柱状の形状は保持されてスランプ値は測定できない。
そこで、供試体2の上面21に保持容器51を載せ、予め決めた所定の荷重の大きさになるように鉛小球5,・・・を保持容器51に入れる。この鉛小球5,・・・による荷重によって供試体2のいずれかの箇所、通常は下面22付近のせん断応力が降伏応力を超えると、図4に示すように変形してスランプ値が測定できるようになる。
スランプ値の測定は、フローテーブル3の上面に立てた物差し4と帯板状の定規41とによって行うことができる。すなわち、供試体2の上面21に水平にした定規41の下端面を当て、物差し4との交差位置の目盛りを読むことによって、上面21の初期状態からの下がり量を測定する。
このスランプ値の測定は、必要に応じて製造後からの経過時間が異なる複数の可塑性グラウトを使っておこなう。例えば、配合が同じで、製造後からの経過時間が、10分、30分、1時間の3つの可塑性グラウトを使って、3体の供試体2,2,2を作製する。
続いて、3体の供試体2,2,2にそれぞれ同じ数の鉛小球5,・・・を載せて、同じ大きさの上載荷重FAによるスランプ試験をそれぞれおこなう。そして、それぞれ測定されたスランプ値と経過時間との関係から、図7に示すようなスランプ曲線TSAを描く。
要するに、スランプ曲線TSAを図示するには、同じ配合の製造後からの経過時間が異なる可塑性グラウトを使って作製した複数の供試体に、一定の大きさの荷重(上載荷重FA)をそれぞれ載荷してスランプ値を測定する。そして、その結果をスランプ値を縦軸に経過時間を横軸にしたグラフにプロットし、それらのプロット間を結ぶことによって描くことができる。なお、プロットが一点であっても、スランプ曲線TSAのおおよその形状が想定できる場合は、図示することができる。
さらに、鉛小球5,・・・を入れる数を変えたそれぞれの荷重の大きさ(上載荷重FB,上載荷重FC)毎にスランプ試験を上述したように行えば、図7に示すようなスランプ値と経過時間との関係を示すスランプ曲線TSB,TSCを複数本、描くことができる。
次に、本実施の形態の可塑性グラウトの評価方法の中で使用するスランプ値を降伏応力に換算する関係式について、図5を参照しながら説明する。
図5は、スランプ値を降伏応力に換算するための関係式に使用される符号及び供試体2の状態を説明するための図である。図5(a)は、供試体2の作製直後の変形が起きる前の初期状態を示している。また、図5(b)は、供試体2の上面21に荷重を加えなくても変形が発生してスランプ値が測定できる場合を示している。さらに、図5(c)は、供試体2の上面21に上載荷重Fbを加えた直後の状態を示している。そして、図5(d)は、上載荷重Fbによってスランプ値が促進された状態を示している。
また、図5の符号は、zが鉛直方向の位置又は変位に関する符号、rが水平方向の位置又は変位に関する符号、Aは供試体2の断面積に関する符号である。さらに、τはせん断応力に関する符号で、τfは降伏応力を示している。
一方、S1,S2は、供試体2の上面21の下がり量、すなわちスランプ値を示している。Flow1,Flow2は、供試体2の下面22の広がり、すなわちフロー値を示している。
まず、通常のスランプ値、すなわち供試体2の上面21に加える荷重が0の場合の関係式について説明する。供試体2の初期状態(図5(a))におけるある高さzの圧力P|z,0は、以下の式で求められる。
P|z,0=zρg (1)
ここで、ρは可塑性グラウトの密度を示す。そして、理想的な弾性材料のその位置での最大せん断応力τ|z,0は、圧力P|z,0の半分になる。
τ|z,0=0.5zρg (2)
このせん断応力が降伏応力τfを超えると変形が起きる(図5(b))。
A|z,1=A0・τ|z,0/τf (3)
ここで、A0は初期状態の供試体2の断面積、A|z,1は変形後の位置zにおける供試体2の断面積を示す。また、供試体2の容積は変形前後で変化しないので、以下の関係式が成り立つ。
dz0・A0=dz|z,1・A|z,1 (4)
そして、dz0−dz|z,1の差分を積算すれば通常のスランプ値S1となる。
S1=Σ(dz0−dz|z,1) (5)
続いて、供試体2の上面21に上載荷重Fbを加える場合について説明する(図5(c))。上載荷重Fbが加わると、上記した式(1)−(4)は以下のようになる。
P'|z,1=P|z,1+Fb/A|z,1 (6)
τ'|z,1=0.5 P'|z,1 (7)
A|z,2=A|z,1・τ'|z,1/τf (8)
dz|z,1・A|z,1=dz|z,2・A|z,2 (9)
そして、上載荷重Fbが加えられた場合のスランプ値S2は、以下のようになる。
S2=S1+Σ(dz|z,1−dz|z,2) (10)
上述した関係式を使ってρ=1.3に対して計算したスランプ値と降伏応力との関係を、図6に示した。この図6は、上載荷重Fbを0.00 kg,0.10 kg,0.25 kg,0.40 kg,0.60 kgと変化させた5ケースのスランプ値と降伏応力との関係図である。
この関係図を使えば、例えば上載荷重Fb=0.25 kgでスランプ試験を行った場合にスランプ値が40mmと測定されれば、図6の上載荷重Fb=0.25 kgの曲線を読み取ることで、容易に降伏応力=190 N/m2と換算することができる。
そして、3種類の上載荷重FA,上載荷重FB,上載荷重FC毎にスランプ試験を行って、測定されたスランプ値と経過時間との関係から図7に示すようなスランプ曲線TSA,TSB,TSCを図示する。
続いて、図1に示すように左側の縦軸(第1方向軸)にスランプ値を取り、右側の縦軸(第1方向軸)に変形指標としての降伏応力を取り、縦軸に直交する横軸(第2方向軸)に経過時間を取ったグラフに、スランプ曲線TSA,TSB,TSCを図示する。
ここで、「変形指標としての降伏応力」という表現は、降伏応力の値そのものでも、降伏応力に基づいて算出される変形指標でもよいことを意味している。
そして、スランプ曲線TSA,TSB,TSCから読み取れるある経過時間のスランプ値を、図6のスランプ値と降伏応力との関係図を使って降伏応力に換算すれば、図1に示すような降伏応力と経過時間との関係を示す右上がりの降伏応力曲線TYを容易に作成することができる。
一方、スランプ値から降伏応力への換算を上述したような関係式を使って行う場合は、どのような大きさの上載荷重Fb及びスランプ値に対しても演算をおこなうことができる。
降伏応力曲線TYは、可塑性グラウトの製造後の経過時間から一義的に降伏応力を導き出す。すなわち、スランプ試験においては、複数の上載荷重FA−FCを使ってスランプ値を測定したとしても、上載荷重FA−FCの大きさなどの試験条件によらない一義的な降伏応力という定量的な結果を得ることができる。
次に、本実施の形態の可塑性グラウトの評価方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の可塑性グラウトの評価方法は、製造後からの経過時間が既知の可塑性グラウトを充填して作製した供試体2の上面21に荷重を加えることで、供試体2を変形させてスランプ値を測定し、測定されたスランプ値を降伏応力に換算して評価をおこなう。
このように降伏応力という物理量に換算されれば、可塑性グラウトの性状を定量的に評価することができる。仮に、可塑性グラウトの性状をスランプ値のみで示した場合、可塑性グラウトが硬い若しくは軟らかい、又は変形し易い若しくは変形し難い、といったような定性的な評価となり、圧送に使用するポンプ性能を導き出したり、解析の物性条件として入力したりというような使い方は難しい。
また、上面21に荷重を載荷して行うスランプ試験では、上載荷重FA−FC毎に異なるスランプ値が測定されるため、そのままでは一つの配合の可塑性グラウトとして適切な評価を行うのは難しい。すなわち、同じ配合の可塑性グラウトであっても、ポンプによって作用させる圧力によってスランプ値が異なるため、一つの材料としての適切な評価を行うことができない。
これに対して可塑性グラウトの性状が降伏応力という物理量で定量的に明示されていれば、ポンプ性能を決めるのに利用することができる。例えば、ポンプ圧送をするに際して、配管内での摩擦抵抗やベンドの数などの搬送損失を差し引いた圧力によって可塑性グラウトが降伏応力に達するか否かを検討することで、搬送に必要なポンプ性能又はポンプ性能に適した可塑性グラウトの配合を導き出すことができる。
また、図1に示すように経過時間と降伏応力との関係がわかっていれば、可塑性グラウトを製造してからどのくらい時間が経過するとどのくらいの降伏応力になるかが一義的に決まるため、現場に設置されたポンプ性能に合った利用可能時間を算定することができる。
特に、上載荷重の有無や上載荷重FA−FCの大きさによって変化しない一義的な経過時間と降伏応力との関係がわかれば、一つの配合の可塑性グラウトに対して統一した一つの評価を与えることができる。
さらに、経過時間によって降伏応力が決まるのであれば、経時変化を考慮した解析などを行うことができるようになる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、可塑性流動体としてセメント系混合材料である可塑性グラウトについて説明したが、これに限定されるものではない。
また、前記実施の形態では、円筒状のシリンダー容器を使用してスランプ試験を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、截頭円錐状のスランプコーンなどを容器としてスランプ試験を行ってもよい。
さらに、前記実施の形態では、3種類の異なる大きさの上載荷重FA−FCによるスランプ試験の結果から降伏応力曲線TYを求めたが、これに限定されるものではなく、2本以下、又は4本以上のスランプ曲線を使って降伏応力曲線TYを求めることもできる。
2 供試体
21 上面
5 鉛小球(荷重)
Fb,FA,FB,FC 上載荷重
G1−G3 可塑性グラウト(可塑性流動体)
S2 スランプ値
TSA,TSB,TSC スランプ曲線
τf 降伏応力
TY 降伏応力曲線

Claims (6)

  1. 可塑性流動体の性状を評価するための可塑性流動体の評価方法であって、
    上端と下端が開口された容器に製造後からの経過時間が既知の可塑性流動体を充填して供試体を作製するステップと、
    前記容器を上方に引き上げて前記供試体を露出させるステップと、
    前記供試体の上面に荷重を加えるステップと、
    前記供試体の上面の下がり量であるスランプ値を測定するステップと、
    前記スランプ値をせん断応力の降伏応力に換算するステップと、
    その降伏応力に基づいて可塑性流動体の性状を評価するステップとを備えたことを特徴とする可塑性流動体の評価方法。
  2. 製造後からの経過時間が異なる複数の可塑性流動体を使ってそれぞれ前記供試体を作製し、各供試体の上面に加える荷重の大きさを一定にしてスランプ値を測定し、スランプ値を換算した降伏応力と経過時間との関係を導き出して可塑性流動体の性状の評価をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の可塑性流動体の評価方法。
  3. 前記供試体を複数作製し、各供試体の上面に加える荷重の大きさを変化させてスランプ値を測定し、スランプ値を換算した降伏応力と経過時間との一義的な関係を導き出して可塑性流動体の性状の評価をおこなうことを特徴とする請求項1又は2に記載の可塑性流動体の評価方法。
  4. 前記スランプ値と前記降伏応力又はそれに基づいた変形指標とを対向する第1方向軸とし、経過時間を第1方向軸に直交する第2方向軸としたグラフに、スランプ値と前記経過時間との関係を示す曲線を図示し、その曲線から前記降伏応力又はそれに基づいた変形指標と前記経過時間との関係を示す曲線を作成するステップを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可塑性流動体の評価方法。
  5. 前記スランプ値の降伏応力への換算は、所定の関係式を使っておこなうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可塑性流動体の評価方法。
  6. 前記スランプ値の降伏応力への換算は、予め作成されたスランプ値と降伏応力との関係図を使っておこなうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可塑性流動体の評価方法。
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