JP2013185453A - タービンの冷却構造及びガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンの性能低下を抑制できるタービンの冷却構造を提供する。
【解決手段】軸線まわりに回転自在に支持されたタービンディスク内部に形成された冷却孔と、外部から冷却媒体が供給される第1入口空間41C、及び、冷却孔に連通される第2入口空間42Cを区画する筒状仕切り部と、冷却媒体を第1入口空間から第2入口空間に供給する供給流路62Sと、供給流路の第2入口空間側の開口部に設けられて、第2入口空間に向けて流れる冷却媒体に、タービンディスクと同一方向に回転する旋回流を付与する環状ノズル部材81Sとを備え、環状ノズル部材が周方向に分割される複数のノズル分割体81SA,81SBにより構成され、周方向に隣り合う二つのノズル分割体の隙間Dに、該隙間を埋めるシール部材91Sを設ける。
【選択図】図7

Description

本発明は、タービンの冷却構造及びガスタービンに関する。
近年のガスタービンにおいては、高出力化や高効率化を図るために、タービン静翼およびタービン動翼に導かれる燃焼ガスの温度が高くなる傾向にある。そのため、タービン静翼およびタービン動翼における耐熱性を確保することを目的として、空気や蒸気などの冷却媒体がタービン静翼およびタービン動翼の内部の冷却流路に供給されている。
上述のように、タービン動翼の冷却流路に冷却媒体、例えば冷却空気を供給するために、静止しているケーシング側に設けられた貯気室から、回転するロータの内部へ冷却空気が導入されている。
単純に、静止している貯気室から回転しているロータの内部に冷却空気を導入した場合、ロータの回転方向の流速成分を持たない冷却空気がロータの内部に流入する際に、エネルギ損失(ポンピングロス)が発生して、ガスタービンの性能が低下してしまう。
このようなポンピングロスの発生を抑えるため、従来では、静止している貯気室から回転しているロータの内部に流入する冷却空気に、ロータの回転方向の流速成分(旋回流)を与える予旋回(Pre−swirl)ノズルや、TOBI(Tangential OnBoard Injection)ノズルを設ける技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
そして、これら予旋回ノズルやTOBIノズルにより、冷却空気に旋回流を付与して、冷却空気における回転方向の流速成分と、ロータの回転速度との差を小さくすることで、前述したポンピングロスの発生を抑制している。
特開2010−196501号公報
しかしながら、前述したポンピングロスは、タービンの複雑な構造が要因となって発生することもあるため、上記従来のように予旋回ノズルやTOBIノズルを単純に設けるだけでは、ポンピングロスを十分に解消できない、という問題がある。すなわち、タービンの構造に基づくポンピングロスの発生をさらに抑えることが求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、タービンの構造に基づくポンピングロスの発生を抑えてタービンの性能低下を抑制できるタービンの冷却構造及びガスタービンを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のタービンの冷却構造は、外周部に複数の動翼が周方向に並んで取り付けられるとともに、軸線まわりに回転自在に支持されたタービンディスクと、該タービンディスクの内部を貫通するように形成されて、前記動翼内部の冷却流路に冷却媒体を供給する冷却孔と、前記軸線を中心とする円筒状に形成されて、外部から前記冷却媒体が供給される第1入口空間、及び、前記冷却孔に連通される第2入口空間を区画する筒状仕切り部と、該筒状仕切り部の内部を前記第1入口空間から前記第2入口空間に向けて延びるとともに前記冷却媒体を前記第1入口空間から前記第2入口空間に供給する供給流路と、前記軸線を中心とする円環状に形成されるとともに、前記供給流路のうち前記第2入口空間側の開口部に設けられて、前記第1入口空間から前記第2入口空間に向けて流れる前記冷却媒体に、前記タービンディスクと同一方向に回転する旋回流を付与する環状ノズル部材とを備え、前記環状ノズル部材が、周方向に分割される複数のノズル分割体により構成され、周方向に隣り合う二つのノズル分割体の隙間に、該隙間を埋めるシール部材が設けられていることを特徴とする。
上記タービンの冷却構造では、従来の場合と同様に、冷却媒体が供給流路から環状ノズル部材を通って第2入口空間に流れ込むことで、冷却媒体に旋回流が付与される。
ただし、前述したように環状ノズル部材が複数のノズル分割体によって構成されている場合には、供給流路内の冷却媒体が隣り合う二つのノズル分割体の隙間を通過して第2入口空間に流れ込むことがある。そして、この隙間を通過した冷却媒体には旋回流が付与されないため、旋回流が付与された冷却空気と、旋回流が付与されていない冷却空気とが混合し、冷却媒体における回転方向の流速成分が減速されてしまう。言い換えれば、供給流路から第2入口空間に流れ込む冷却媒体の旋回流に乱れが生じてしまう。その結果、冷却媒体が第2入口空間から回転中のタービンディスクの冷却孔に入り込む際に発生するエネルギ損失(ポンピングロス)が発生してしまう。
これに対し、上記冷却構造によれば、二つのノズル分割体の隙間にこの隙間を埋めるシール部材が設けられているため、供給流路内の冷却媒体が隣り合う二つのノズル分割体の隙間を通って第2入口空間に流れ込むことを防止できる。これにより、環状ノズル部材を通じて供給流路から第2入口空間に流れ込む冷却媒体の旋回流に乱れが生じることを抑えることができ、前述したポンピングロスの発生を抑制することができる。
そして、前記タービンの冷却構造においては、前記二つのノズル分割体のうち少なくとも一方のノズル分割体に、他方のノズル分割体と共に前記隙間を画成する当該一方のノズル分割体の分割面から窪んで、前記シール部の一部を収容する収容凹部が形成されているとよい。
また、前記タービンの冷却構造においては、前記収容凹部が、前記二つのノズル分割体に形成され、前記シール部材が二つの前記収容凹部に収容されているとさらによい。
これらタービンの冷却構造では、シール部材がノズル分割体に固定されていなくても、シール部材の一部が前記収容凹部に収容されて保持されるため、シール部材が、供給流路から隙間に流れ込む冷却媒体の流れによって、隙間から第2入口空間に抜け落ちてしまうことを防止できる。
特に、同一のシール部材が二つのノズル分割体に形成された二つの収容凹部の両方に収容されている場合には、隙間から第2入口空間に抜け落ちてしまうことをより確実に防止できる。また、この場合には、シール部材が、供給流路から隙間に流れ込む冷却媒体の流れによって二つの収容部の内面に押し付けられることで、隙間を冷却媒体の流れ方向に遮断して、供給流路内の冷却媒体が隣り合う二つのノズル分割体の隙間を通過して第2入口空間に流れ込むことを防止できる。
さらに、前記タービンの冷却構造において、前記シール部材が、板状に形成されるとともに、前記シール部材の板厚方向が前記供給流路から前記隙間に流れ込む前記冷却媒体の流れ方向に沿うように、前記二つの収容凹部に収容される場合には、前記冷却媒体の流れ方向に沿う前記収容凹部の幅寸法が、前記シール部材の板厚寸法よりも大きく設定され、前記周方向に沿って互いに対向する前記二つの収容凹部の底部間の距離が、前記周方向に沿う前記シール部材の高さ寸法よりも大きく設定されているとよい。
このタービンの冷却構造によれば、例えば冷却媒体の流れ方向に沿う二つの収容凹部の相対位置が一致している場合、シール部材と収容凹部の内面との間には、冷却媒体の流れ方向に沿う間隙、及び、周方向に沿う間隙が生じる。
これら間隙が存在するため、例えば、二つのノズル分割体が冷却媒体の流れ方向に互いにずれようとする際、すなわち、二つの収容凹部の相対位置が冷却媒体の流れ方向にずれようとする際には、シール部材は、二つの収容凹部に収容された状態を保持しながら、環状シール部材の周方向に対して冷却媒体の流れ方向に傾斜することができる。これにより、二つの収容凹部の相対位置の前記流れ方向へのずれを許容することができる。
したがって、二つのノズル分割体が冷却媒体の流れ方向に互いにずれようとする際に、板状のシール部材や収容凹部に応力が生じることを抑制できる。したがって、シール部材が弾性変形し難い剛性の高い材料によって形成されても、シール部材や収容凹部の保護を図ることが可能となる。
また、シール部材が前述のように斜めに傾斜しても、シール部材は二つの収容凹部に収容された状態に保持されるため、シール部材が剛性の高い材料によって形成されても、このシール部材によって、二つのノズル分割体の隙間を通って第2入口空間に流れ込むことを防止できる。
また、前記タービンの冷却構造において、前記シール部材が板状に形成される場合、前記シール部材のうち少なくとも前記冷却媒体の流れ方向下流側に位置する角部のうち少なくとも一つが丸みを帯びていることがより好ましい。
板状のシール部材が、前述のように斜めに傾斜した際には、冷却媒体の流れ方向下流側に位置する角部が収容凹部内面に押し当てられる場合があるが、上記構成では前記角部が丸みを帯びているため、鋭利な角部が収容凹部の内面に片当たりする場合と比較して、前記角部と収容凹部の内面との密着性が向上する。したがって、板状のシール部材であっても、冷却媒体が二つのノズル分割体の隙間を通って第2入口空間に流れ込むことを、より確実に防止できる。
さらに、前記タービンの冷却構造においては、前記シール部材が、弾性変形可能な弾性体によって構成されていてもよい。
上記構成では、シール部材を弾性変形させた状態で二つのノズル分割体の隙間に挿入しておくことにより、シール部材がその弾性力によって二つのノズル分割体に密着するように押し付けられるため、供給流路内の冷却媒体が隣り合う二つのノズル分割体の隙間を通過して第2入口空間に流れ込むことを確実に防止できる。
また、弾性変形されたシール部材の弾性力によってシール部材を二つのノズル分割体の隙間に保持することも可能である。
また、前記タービンの冷却構造においては、前記環状ノズル部材が、その周方向に配列されて前記冷却媒体に前記旋回流を付与する複数の翼形部を備え、一の翼形部が、前記二つのノズル分割体に分割して形成され、前記供給流路から前記隙間に流れ込む前記冷却媒体の流れ方向に沿う前記一の翼形部の厚みが最も厚くなる部分において、前記一の翼形部が分割されているとよい。
上記タービンの冷却構造では、シール部材は分割された一の翼形部の隙間に配置されることになるが、この一の翼形部が、冷却媒体の流れ方向に沿う一の翼形部の厚みが最も厚くなる部分において分割されていることで、シール部材によって二つのノズル分割体の隙間を埋める領域を最大限に確保することができる。したがって、冷却媒体が二つのノズル分割体の隙間を通って第2入口空間に流れ込むことをより確実に防ぐことができる。
そして、本発明のガスタービンは、空気を吸入して圧縮する圧縮部と、圧縮された空気および外部から供給された燃料からなる混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼部と、生成された燃焼ガスから回転駆動力を抽出するタービン部と、を備え、前記タービン部に、前記タービンの冷却構造が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、タービンの冷却構造を構成する環状ノズル部材の構造、特に、二つのノズル分割体の間に隙間が生じる構造に基づくポンピングロスの発生を抑制することができるため、このポンピングロスに基づくタービンの性能低下を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係るガスタービンを示す模式図である。 図1のタービン部の部分断面図である。 図2のタービン部のうち1段動翼周辺の構成を示す部分拡大断面図である。 図2,3に示す内側隔壁部及び環状ノズル部材を出口キャビティ(第2入口空間)側から見た概略正面図である。 図4に示す環状ノズル部材のうち要部Iの部分を示す要部拡大正面図である。 図5に示す環状ノズル部材をその内輪部側から見た要部拡大図である。 図5のA−A矢視断面図である。 図7においてシール部材及び分割体の収容凹部を示す要部拡大断面図であり、(a)は二つの収容凹部が対向している状態を示し、(b)は二つの収容凹部が流れ方向にずれている状態を示している。 本発明の第二実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図であり、(a)は二つの収容凹部が対向している状態を示し、(b)は二つの収容凹部が流れ方向にずれている状態を示している。 本発明の第三実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。 本発明の第四実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。 本発明の第五実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係るガスタービンを構成する環状ノズル部材に設けられるシール部材を示す要部拡大断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜8を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るガスタービン1は、例えば発電機(不図示)等の機器を駆動するものであり、圧縮機(圧縮部)2と、燃焼器(燃焼部)3と、タービン部4と、回転軸5と、を備えている。
圧縮機2は、外部の空気である大気を吸入して圧縮し、圧縮された空気を燃焼器3に供給するものである。
燃焼器3は、圧縮機2により圧縮された空気、及び、外部から供給された燃料を混合させ、混合された混合気を燃焼させることにより、高温ガス(燃焼ガス)を生成するものである。
回転軸5は、回転軸線(軸線)Lまわりに回転可能に支持される円柱状の部材であり、タービン部4により発生される回転駆動力を圧縮機2や発電機等の機器に伝達するものである。
これら圧縮機2、燃焼器3及び回転軸5の具体的な構成は、それぞれ公知の構成を採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
タービン部4は、燃焼器3により生成された高温ガスの供給を受けて回転駆動力を発生させ、発生した回転駆動力を回転軸5に伝達するものである。
このタービン部4には、図2,3に示すように、ケーシング13Sに固定された1段静翼(静翼)11Sと、1段タービンディスク(タービンディスク)31Rに取り付けられた1段動翼(動翼)21Rと、1段動翼21Rの冷却などに用いられる冷却空気(冷却媒体)が供給される入口キャビティ(第1入口空間)41C及び出口キャビティ(第2入口空間)42Cと、これら入口キャビティ41C及び出口キャビティ42Cを分割する内側隔壁部(筒状仕切り部)61Sと、1段静翼11S及び1段動翼21Rの間に冷却空気を供給するリムシールキャビティ(リムシール空間)43Cと、が主に設けられている。
なお、図1に示す回転軸線Lは、図2,3において図示されていないが左右方向に延びるものである。
また、タービン部4には、1段静翼11S、1段動翼21R及び1段タービンディスク31Rのほかにも、図2に示すように、回転軸線L(図1参照)に沿って燃焼ガス流れの下流側(図2における右側)に向けて2段静翼(不図示)、2段動翼211R、2段タービンディスク311R、3段静翼(不図示)、3段動翼212R及び3段タービンディスク312Rなども並べて設けられるが、ここでは、燃焼器3の近くに配置されて最も冷却が必要な1段静翼11S、1段動翼21R及び1段タービンディスク31Rの周辺のみについて説明する。
1段静翼11Sは、図2に示すように、1段動翼21Rとともに燃焼器3により生成された燃焼ガスから回転駆動力を発生させるものである。また、1段静翼11Sは、回転軸線Lを中心とする円筒状に形成されたケーシング13Sから、その径方向内側(図2における下側)、言い換えれば、燃焼ガスが流れる流路側に延びて配置されるとともに、周方向に等間隔に並んで配置された翼である。
この1段静翼11Sは、1段動翼21Rよりも燃焼器3側(図2における左側)、言い換えると、燃焼ガス流れの上流側に配置されている。
そして、1段静翼11Sにおける内周側の端部には、内側シュラウド12Sが設けられている。
内側シュラウド12Sは、1段静翼11Sの内周側の端部において周方向に延びる板状の部材であり、燃焼ガスが流れる流路の一部を形成するものである。この内側シュラウド12Sは、その内周側に配された外側隔壁部51Sに固定されている。
外側隔壁部51Sは、回転軸線Lを中心とする筒状に形成された部材であり、後述する内側隔壁部61S等とともに入口キャビティ41Cや、リムシールキャビティ43Cなどの壁面の一部を構成するものである。
1段動翼21Rは、1段静翼11Sとともに燃焼器3により生成された燃焼ガスから回転駆動力を発生させるものである。また、1段動翼21Rは、円板状に形成された1段タービンディスク31Rにおける外周面から、径方向外側(図2における上側)、言い換えると、燃焼ガスが流れる流路側に延びて配置されるとともに、周方向に等間隔に並んで配置された翼である。この1段動翼21Rは、1段静翼11Sよりも燃焼ガス流れの下流側(図2における右側)に配置されている。
この1段動翼21Rは、図3に示すように、翼部22R、プラットフォーム23R、翼取付部24R及び冷却流路25Rを備えている。
翼部22Rは、燃焼ガスの流れを受けることで回転駆動力を発生させる部分である。この翼部22Rの具体的な形状は、公知のものを採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
プラットフォーム23Rは、翼部22Rにおける径方向内側(図3における下側)の端部に配置されている、言い換えれば、後述する翼取付部24における径方向外側の端部に配置されている。このプラットフォーム23Rは、周方向に延びており、燃焼ガスが流れる流路の一部を形成している。
翼取付部24Rは、1段動翼21Rの径方向内側の端部をなす部分であり、1段タービンディスク31Rに嵌合される部分である。この翼取付部24Rにおける径方向内側の端部は、後述する軸方向連通路36Rの壁面の一部を構成している。
冷却流路25Rは、冷却空気を翼部22Rの内部に導き、翼部22Rの冷却を行う部分である。この冷却流路25Rは、翼取付部24Rにおける径方向内側の面に開口するとともに、翼取付部24Rから翼部22Rに延びて形成されている。なお、翼部22Rの内部における冷却流路25Rの形状や構成は、公知のものを採用することが可能であり、特に限定されるものではない。
1段タービンディスク31Rは、回転軸線Lを中心とする円板状の部材であり、回転軸5(図1参照)に対して回転駆動力を伝達可能に取り付けられている。この1段タービンディスク31Rは、外側隔壁部51S及び内側隔壁部61Sに対して燃焼ガス流れの下流側に間隔をあけて配置されている。そして、1段タービンディスク31Rの外周面には、前述した1段動翼21Rが周方向に等間隔に配置されている。
1段タービンディスク31Rにおける径方向外側の端部は、前述した1段動翼21Rの翼取付部24Rを嵌合させる形状に形成されており、これによって、1段動翼21Rが1段タービンディスク31Rに固定されている。また、1段動翼21Rを1段タービンディスク31Rに固定した状態では、1段タービンディスク31Rの径方向外側の端部に形成された溝部と、1段動翼21Rの翼取付部24Rとによって囲まれた軸方向連通路36Rが画成されている。
この軸方向連通路36Rは、1段タービンディスク31Rにおける径方向外側の位置に配置された通路であり、回転軸線Lに沿って延びている。この軸方向連通路36Rには、冷却流路25Rの径方向内側が開口しており、これによって、軸方向連通路36Rは、冷却空気を1段動翼21Rの冷却流路25Rに導く流路をなしている。
この1段タービンディスク31Rには、冷却孔33R、ディスク流路34R及びシールアーム35Rが形成されている。
冷却孔33Rは、1段タービンディスク31Rの内部を貫通して、冷却空気を出口キャビティ42Cから1段動翼21Rの冷却流路25Rに導くように形成される孔であって、冷却空気の流路を構成するものである。
この冷却孔33Rは、1段動翼21Rと同様に周方向に等間隔に複数配列されている、言い換えれば、1段動翼21Rと同じ周方向位置に配置されている。そして、冷却孔33Rにおける一方の端部(図3における径方向内側の端部)は、後述する出口キャビティ42Cに開口され、他方の端部(図3における径方向外側の端部)は、前述した軸方向連通路36Rに開口されている。
なお、図示例の冷却孔33Rは、1段タービンディスク31Rの内部をその径方向内側から径方向外側に向けて延びて形成されているが、出口キャビティ42Cと軸方向連通路36Rとの相対的な位置に応じて適宜形成されてよい。
ディスク流路34Rは、1段タービンディスク31Rの内部を回転軸線L方向に貫通して形成され、冷却空気を出口キャビティ42Cから1段動翼21Rよりも燃焼ガス流れの下流側に配された動翼(例えば図2に示す2段動翼211R、3段動翼212R)に向けて供給する流路をなしている。
シールアーム35Rは、1段タービンディスク31Rにおける燃焼ガス流れの上流側の端部から回転軸線Lに沿って内側隔壁部61Sに向けて延びる円筒状に形成されている。このシールアーム35Rは、出口キャビティ42Cの径方向外側に位置し、出口キャビティ42Cからリムシールキャビティ43Cに流れる冷却空気の流量を規制するシール構造を構成するものである。なお、シールアーム35Rは、出口キャビティ42Cの壁面の一部も構成している。
以上のように構成される1段タービンディスク31Rには、回転軸線L方向に延びる円筒状に形成された接続ロータ38Rが接続されている。接続ロータ38Rは、出口キャビティ42Cの径方向内側に位置している、言い換えれば、内側隔壁部61Sの径方向内側に間隔をあけて配されている。
入口キャビティ41Cは、外側隔壁部51Sと内側隔壁部61Sとの間に形成される回転軸線Lを中心とした円筒状の空間であり、出口キャビティ42Cおよびリムシールキャビティ43Cに対して、燃焼ガス流れの上流側(図3における左側)に位置している。また、入口キャビティ41Cは、出口キャビティ42Cに対して径方向外側(図3における上側)に位置するとともに、リムシールキャビティ43Cに対して径方向内側(図3における下側)に配置されている。
この入口キャビティ41Cには、冷却空気を外部から入口キャビティ41Cに供給するための供給流路52Sが接続されている。
ここで、外部から供給流路52Sを通じて入口キャビティ41Cに供給される冷却空気は、例えば圧縮機2から抽気され冷却された空気である。より具体的には、入口キャビティ41Cから1段動翼21Rの冷却流路25Rに冷却空気を供給するために必要な圧力を有する圧縮空気、または、リムシールキャビティ43Cから燃焼ガスの流路に冷却空気を流出させるために必要な圧力を有する圧縮空気を、圧縮機2から抽気している。
出口キャビティ42Cは、内側隔壁部61S、1段タービンディスク31R及び接続ロータ38Rの間に形成される回転軸線Lを中心とした円筒状の空間である。この出口キャビティ42Cは、入口キャビティ41Cよりも燃焼ガス流れの下流側(図3における右側)に形成されている。また、出口キャビティ42Cの回転軸線L方向の位置はリムシールキャビティ43Cの位置と略同じに設定されている。さらに、出口キャビティ42Cは、入口キャビティ41C及びリムシールキャビティ43Cよりも径方向内側(図3における下側)に位置している。
この出口キャビティ42Cには、前述した1段タービンディスク31Rの冷却孔33Rが接続されている。これによって、出口キャビティ42Cは動翼21Rの冷却流路25Rに連通され、冷却空気を動翼21R内に供給することができる。
また、出口キャビティ42Cには、1段タービンディスク31Rのディスク流路34Rが接続されている。これによって、冷却空気を出口キャビティ42Cから1段動翼21Rよりも燃焼ガス流れの下流側に配された動翼(例えば図2に示す2段動翼211R、3段動翼212R)に向けて供給することもできる。
さらに、この出口キャビティ42Cには、後述する内側隔壁部61Sの供給流路62Sや、出口キャビティ42Cよりも燃焼ガス流れの上流側に形成される内側隔壁部61Sと接続ロータ38Rとの間の空間44C(迂回空間44C)が接続されている。
内側隔壁部61Sは、図4に示すように、回転軸線Lを中心とした大略円筒状に形成され、周方向に分割される複数の隔壁分割体によって構成されている。具体的に説明すれば、本実施形態の内側隔壁部61Sは、回転軸線Lを含む仮想平面(水平分割面)において分割される二つの隔壁分割体61SA,61SBによって構成されている。これら二つの隔壁分割体61SA,61SBは、内側隔壁部61Sの径方向外側に突出して形成されるフランジ部においてボルト9によって締結される。この締結状態において、二つの隔壁分割体61SA,61SBの分割面の間に隙間は生じない。
そして、本実施形態の内側隔壁部61Sは、図3に示すように、円筒状に形成された部分のうち燃焼ガス流れの下流側の端部に、円筒状部分の径方向外側に延びるツバ状部を形成して構成されている。
この内側隔壁部61Sは、外側隔壁部51Sの径方向内側に間隔をあけて配置されるとともに、接続ロータ38Rの径方向外側に間隔をあけて配置されている。また、内側隔壁部61Sは、1段タービンディスク31Rよりも燃焼ガス流れにおける上流側に間隔をあけて配置されている。これにより、内側隔壁部61Sは、外側隔壁部51Sとともに前述した入口キャビティ41Cを形成し、また、1段タービンディスク31R及び接続ロータ38Rとともに前述した出口キャビティ42Cや迂回空間44Cを形成している。さらに、内側隔壁部61Sは、外側隔壁部51S及び1段タービンディスク31Rとともに後述するリムシールキャビティ43Cを形成している。
この内側隔壁部61Sには、供給流路62S、隔壁流路63S、ジャンパチューブ(連通流路)64S及び突出部65Sが形成されている。
供給流路62Sは、内側隔壁部61Sのうち燃焼ガス流れの下流側の端部において、入口キャビティ41Cから出口キャビティ42Cに向けて延びるように、内側隔壁部61Sの内部を貫通して形成されている。すなわち、供給流路62Sは、入口キャビティ41Cと出口キャビティ42Cとを相互に連通させて、冷却空気を入口キャビティ41Cから出口キャビティ42Cに供給する流路をなしている。
そして、本実施形態では、供給流路62Sが燃焼ガス流れの下流側に向かうにしたがって径方向内側に向かうように傾斜している。また、出口キャビティ42Cに対する供給流路62Sの開口が、回転軸線L方向に沿って内側隔壁部61Sのうち燃焼ガス流れの下流側に向いている。このため、供給流路62Sから出口キャビティ42Cに入り込む冷却空気は、図3において矢印で示すように、回転軸線L方向に沿って燃焼ガス流れの下流側に流れることになる。
この供給流路62Sは、周方向に等間隔に配置されている。
隔壁流路63Sは、内側隔壁部61Sにおける燃焼ガス流れの上流側の端部において、入口キャビティ41Cから迂回空間44Cに向けて延びるように、内側隔壁部61Sの内部を貫通して形成されている。すなわち、隔壁流路63Sは、入口キャビティ41Cと迂回空間44Cとを相互に連通させて、冷却空気を入口キャビティ41Cから迂回空間44Cに供給する流路をなしている。
本実施形態では、隔壁流路63Sが径方向に延びて形成され、周方向に等間隔に配置されている。
ジャンパチューブ64Sは、内側隔壁部61Sにおける燃焼ガス流れの下流側の端部において、迂回空間44Cからリムシールキャビティ43Cに向けて延びるように、内側隔壁部61Sの内部を貫通して形成されている。すなわち、ジャンパチューブ64Sは、迂回空間44Cとリムシールキャビティ43Cとを相互に連通させて、冷却空気を迂回空間44Cからリムシールキャビティ43Cに供給する流路をなしている。そして、本実施形態では、ジャンパチューブ64Sが燃焼ガス流れの下流側に向かうにしたがって径方向外側に向かうように傾斜している。
このジャンパチューブ64Sは、周方向に隣り合う供給流路62Sの間に位置するように、周方向に等間隔に配置されている。言い換えれば、ジャンパチューブ64S及び供給流路62Sは、周方向に交互に配置されている。
このジャンパチューブ64Sのうちリムシールキャビティ43Cに対する開口部には、プラグ部66Sが着脱可能に取り付けられている。プラグ部66Sは、ジャンパチューブ64Sを流れる冷却空気の流量を調整するものである。すなわち、プラグ部66Sには、冷却空気が流れる絞りが形成されており、この絞りによりジャンパチューブ64Sを流れる冷却空気の流量が調整される。
突出部65Sは、内側隔壁部61Sにおける燃焼ガス流れの下流側の端部から回転軸線Lに沿って1段タービンディスク31Rに向けて延びる略円筒状に形成されている。この突出部65Sは、リムシールキャビティ43Cの径方向内側に位置するとともに、1段タービンディスク31Rのシールアーム35Rよりも径方向外側に配置されている。
そして、この突出部65Sとシールアーム35Rとの間には、出口キャビティ42Cからリムシールキャビティ43Cに流入する冷却空気の流れを遮る第1シール部67Sが設けられている。
第1シール部67Sは、突出部65Sからシールアーム35Rに向けて延びるように形成されている。第1シール部67Sの具体例としては、リーフシールや、ラビリンスシール、ブラシシール等のシール部材が挙げられるが、例えば、これらシール部材を適宜組み合わせたものでもよく、特に限定されなくてよい。
また、前述のように構成される内側隔壁部61Sと接続ロータ38Rとの間には、第2シール部68S及び第3シール部69Sが設けられている。
第2シール部68Sは、迂回空間44Cに開口する隔壁流路63Sの開口部とジャンパチューブ64Sの開口部との間に配置されている。この第2シール部68Sは、隔壁流路63Sから迂回空間44Cに流入した冷却空気が、燃焼ガス流れの下流側に向かって流れる冷却空気の流れを遮るシール部となっている。
一方、第3シール部69Sは、迂回空間44Cに開口するジャンパチューブ64Sの開口部よりも燃焼ガス流れの下流側に位置する迂回空間44Cと出口キャビティ42Cとの境界部分に配置されている。この第3シール部69Sは、隔壁流路63Sから迂回空間44Cに流入した冷却空気のうち、第2シール部68Sを通過して燃焼ガス流れの下流側に向かって流れる冷却空気の流れを遮るシール部となっている。
これら第2シール部68S及び第3シール部69Sは、内側隔壁部61Sから接続ロータ38Rに向かって延びるように形成されている。第2シール部68S及び第3シール部69Sの具体例は、前述した第1シール部67Sと同様である。
リムシールキャビティ43Cは、1段タービンディスク31R,外側隔壁部51Sおよび内側隔壁部61Sにより囲まれた空間である。このリムシールキャビティ43Cには、前述したジャンパチューブ64Sや第1シール部67Sを通じて冷却空気が流入するようになっている。また、リムシールキャビティ43Cは、1段静翼11Sと1段動翼21Rとの隙間に連通されており、リムシールキャビティ43Cに流入した冷却空気を燃焼ガスの流路に供給できるようになっている。
さらに、本実施形態のタービン部4は、図2〜4に示すように、環状ノズル部材81Sも備えている。
この環状ノズル部材81Sは、入口キャビティ41Cから出口キャビティ42Cに向けて流れる冷却空気に、タービンディスク31Rと同一方向に回転する旋回流を付与するものであり、供給流路62Sのうち出口キャビティ42Cに開口する開口部に設けられている。
具体的に説明すれば、環状ノズル部材81Sは、図2〜7に示すように、回転軸線Lを中心とする円環状に形成された外輪部82S、回転軸線Lを中心とする円環状に形成されるとともに外輪部82Sの径方向内側に間隔をあけて配された内輪部83S、及び、外輪部82Sと内輪部83Sとの間に配されて周方向に等間隔で配列された複数の翼形部84Sを備えており、外輪部82S及び内輪部83Sは翼形部84Sを介して一体に固定されている。そして、周方向に隣り合う翼形部84Sの間に、燃焼ガス流れの上流側から下流側に向かってタービンディスク31Rの回転方向に旋回しながら流路断面積が徐々に小さくなるTOBIノズル85Sが画成されている。
この環状ノズル部材81Sは、内側隔壁部61Sのうち供給流路62Sの開口部に対応する位置において燃焼ガス流れの下流側の端面から窪む環状溝部70Sに嵌め込まれている。
このように内側隔壁部61Sに取り付けられる環状ノズル部材81Sは、ガスタービン1の運転中に燃焼ガス等により環状ノズル部材81S及びこれを取り付ける内側隔壁部61Sが加熱された際に、環状ノズル部材81Sに過度の応力が生じないように、以下のように構成されている。
すなわち、環状ノズル部材81Sは、周方向に分割される複数のノズル分割体によって構成されている。なお、本実施形態の環状ノズル部材81Sは、回転軸線Lを含む仮想平面(水平分割面)において分割される二つのノズル分割体81SA,81SBによって構成されている。
また、本実施形態の環状ノズル部材81Sは、一の翼形部84SCが二つのノズル分割体81SA,81SBに分割して形成されるように、特に、一の翼形部84SCのうち回転軸線Lに沿う一の翼形部84SCの厚みが最も厚くなる位置において、二つのノズル分割体81SA,81SBに分割されている。
そして、環状ノズル部材81Sを内側隔壁部61Sの環状溝部70Sに嵌め込んだ状態においては、図5〜8に示すように、環状ノズル部材81Sの周方向に対向する二つのノズル分割体81SA,81SBの間に隙間Dが生じている。
このように二つのノズル分割体81SA,81SBの間に隙間Dが生じていることにより、ガスタービン1の運転等によって環状ノズル部材81Sが加熱されて二つのノズル分割体81SA,81SBが周方向に膨張しても、周方向に互いに対向する二つのノズル分割体81SA,81SBの分割面86S,86Sが互いに当接することを防止できる、あるいは、当接しても各ノズル分割体81SA,81SBに生じる応力を低減することができる。
ノズル分割体81SA,81SBの隙間Dには、該隙間Dを埋めるシール部材91Sが設けられている。
具体的に説明すれば、本実施形態のシール部材91Sは、例えば弾性変形し難い剛性の高い材料(例えば金属材料)によって板状に形成されている。
一方、二つのノズル分割体81SA,81SBには、各ノズル分割体81SA,81SBの分割面86Sから窪んで、上記シール部材91Sの一部を収容する収容凹部87Sが各々形成されている。この収容凹部87Sは、ノズル分割体81SA,81SBの径方向に延びて形成され、環状ノズル部材81Sの径方向内側及び径方向外側に開口している。さらに、本実施形態の収容凹部87Sは、環状ノズル部材81Sの径方向から見て断面矩形状に形成されている。
そして、板状のシール部材91Sは、その板厚方向(図7における左右方向)が回転軸線L(冷却空気の流れ方向)に沿うように、二つの収容凹部87S,87Sの両方に収容されている。言い換えれば、各収容凹部87Sにはシール部材91Sの一部が収容されている。
このように収容されるシール部材91Sのうち環状ノズル部材81Sの径方向に沿う長手寸法lは、環状ノズル部材81Sの径方向に沿う収容凹部87Sの長手寸法lと略等しくなるように設定されている。
また、このシール部材91Sの板厚寸法tは、回転軸線Lに沿う収容凹部87Sの幅寸法wよりも小さく設定されている。
さらに、環状ノズル部材81Sの周方向に沿うシール部材91Sの高さ寸法hは、少なくとも一つの収容凹部87Sの深さ寸法h、hよりも大きく、かつ、前記周方向に沿って互いに対向する二つの収容凹部87S,87Sの底面(底部)間の距離h(二つの収容凹部87S,87Sの深さ寸法h、hと隙間Dの寸法とを足し合わせた寸法)よりも小さく設定されている。なお、隙間Dの寸法は、熱によるノズル分割体81SA,81SBの膨張収縮によって変化するため、シール部材91Sの高さ寸法hは、二つの収容凹部87S,87Sの深さ寸法h、hを足し合わせた寸法よりも小さく設定されていることがより好ましい。
以上のようにシール部材91Sの寸法(特に、板厚寸法t及び高さ寸法h)が設定されることで、例えば図8(a)に示すように、二つの収容凹部87S,87Sに収容されたシール部材91Sが同一方向に向く二つの収容凹部87S,87Sの一方の内側面(図8において右側に位置する収容凹部87Sの内側面)に押し付けられている状態では、シール部材91Sと二つの収容凹部87Sの他方の内側面(図8において左側に位置する内側面)との間に、回転軸線L方向に沿う間隙dが生じる。また、シール部材91Sと収容凹部87Sの底面との間に、環状ノズル部材81Sの周方向に沿う間隙d、dが生じる。
次に、以上のように構成されるガスタービン1の一般的な運転について説明する。
ガスタービン1は、図1に示すように、圧縮機2が回転駆動されることで大気(空気)を吸入する。吸入された大気は、圧縮機2により圧縮されるとともに、燃焼器3に向けて送り出される。
燃焼器3に流入された圧縮された空気は、燃焼器3において外部から供給された燃料と混合される。空気および燃料の混合気は燃焼器3において燃焼され、燃焼熱により高温ガスが生成される。
燃焼器3において生成された高温ガスは、燃焼器3から下流のタービン部4に供給される。タービン部4は高温ガスにより回転駆動され、その回転駆動力は回転軸5に伝達される。回転軸5は、タービン部4において抽出された回転駆動力を圧縮機2や発電機に伝達する。
次に、上述したようにガスタービン1の運転が実施される際に、1段動翼21Rやリムシールキャビティ43Cに対して冷却空気を供給する供給方法について説明する。
圧縮機2で圧縮された空気の一部は、冷却空気として用いるために圧縮機2から抽気されて冷却される。その後、冷却空気は、図2,3に示すように、供給流路52Sから入口キャビティ41Cに供給される。
そして、入口キャビティ41Cに供給された冷却空気の一部は、供給流路62Sに流入し、環状ノズル部材81SのTOBIノズル85S(図7参照)を通って出口キャビティ42Cに流入する。したがって、この流入の際には、冷却空気に、回転軸5や1段タービンディスク31Rと同一方向に回転する旋回流が付与される、言い換えれば、回転軸5や1段タービンディスク31Rの回転方向の流速成分が付与されることになる。
ここで、図5〜8に示すように、供給流路62S内からTOBIノズル85Sを介さずに隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込む冷却空気には旋回流が付与されないが、この隙間Dはシール部材91Sによって埋められているため、供給流路62S内の冷却空気が隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことはない。
具体的に説明すれば、板状のシール部材91Sは、供給流路62S内から環状ノズル部材81Sに向けて流れる冷却空気の流れ(図7において右方向の矢印で示す方向の流れ)によって、図8(a)に示すように、シール部材91Sが、面接触で二つの収容凹部87S,87Sの一方の内側面に押し付けられる。これにより、隙間Dが回転軸線L方向に遮断されるため、供給流路62S内の冷却空気が隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことはない。
そして、前述したように旋回流が付与された出口キャビティ42C内の冷却空気は、1段タービンディスク31Rの冷却孔33Rに流入して、径方向外側に向かって流れ、軸方向連通路36Rに流入する。さらに、軸方向連通路36Rに流入した冷却空気は、回転軸線L方向に流れ、1段動翼21Rの冷却流路25Rに流入する。冷却流路25Rに流入した冷却空気は、1段動翼21Rの翼部22Rを冷却した後、例えば、燃焼ガスの流路に放出される。
また、出口キャビティ42C内の冷却空気は、1段タービンディスク31Rのディスク流路34Rにも流入し、燃焼ガス流れの下流側に流れることで、1段動翼21Rよりも燃焼ガス流れの下流側に配された動翼(例えば図2に示す2段動翼211R、3段動翼212R)にも供給される。
さらに、入口キャビティ41Cに供給された冷却空気は、隔壁流路63Sを介して迂回空間44Cにも流入する。
迂回空間44Cに流入した冷却空気の一部は、燃焼ガス流れの上流側に向かって、言い換えると圧縮機2に向かって流れ、圧縮機2の冷却に用いられる。迂回空間44Cに流入した残りの冷却空気は、第2シール部68S側(燃焼ガス流れの下流側)に向かって流れる。
さらに、第2シール部68Sを通過した冷却空気は、ジャンパチューブ64Sに流入する冷却空気と、第3シール部69Sに向かって流れる冷却空気とに分かれ、ジャンパチューブ64Sに流入した冷却空気は、プラグ部66Sの絞りを通過してリムシールキャビティ43Cに流入する。また、リムシールキャビティ43Cには、出口キャビティ42Cから第1シール部67Sを通過した冷却空気が流入する。
そして、リムシールキャビティ43C内の冷却空気は、1段静翼11Sおよび1段動翼21Rの隙間から燃焼ガスの流路に流出する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、供給流路62S内の冷却空気が隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことが防止されるため、TOBIノズル85Sによって旋回流が付与された冷却空気における回転方向の流速成分が、隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込む冷却空気によって減速されることがない。すなわち、供給流路62Sから出口キャビティ42Cに入り込む冷却空気の旋回流が、隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込む冷却空気によって乱されることを抑制できる。
また、本実施形態の構成によれば、入口キャビティ41Cから迂回空間44Cに流入した冷却空気は、ジャンパチューブ64Sによってリムシールキャビティ43Cに流入するように促される。言い換えれば、旋回流が付与されていない冷却空気が、迂回空間44Cから出口キャビティ42Cに流入することを抑制できる。したがって、供給流路62Sから出口キャビティ42Cに入り込む冷却空気の旋回流が、迂回空間44Cから出口キャビティ42Cへの冷却空気の流入によって乱されることも抑制できる。
以上のことから、供給流路62S内から旋回流を付与された状態で出口キャビティ42Cに流入する冷却空気の周方向の流速成分は、冷却孔33Rの出口キャビティ42C側の開口における回転速度と等しい、または、近い速度になるため、冷却空気は冷却孔33Rに対してエネルギ損失(ポンピングロス)の発生を抑制しながら流入することができる。すなわち、ガスタービン1の性能低下を抑制することができる。
また、本実施形態の構成によれば、同一のシール部材91Sが二つの収容凹部87S,87Sの両方に収容されることで、シール部材91Sの位置が保持されているため、シール部材91Sを接着等によりノズル分割体81SA,81SBに固定しなくても、シール部材91Sが、供給流路62Sから隙間Dに流れ込む冷却空気の流れによって、隙間Dから出口キャビティ42C側に抜け落ちてしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態の構成によれば、シール部材91Sと収容凹部87Sの内面との間には、例えば図8(a)に示すように、回転軸線L方向に沿う間隙d、及び、環状ノズル部材81Sの周方向に沿う間隙d、dが存在するため、例えば図8(b)に示すように、二つのノズル分割体81SA,81SBが冷却空気の流れ方向(図8(b)における左右方向)に互いにずれようとする際、すなわち、二つの収容凹部87S,87Sの相対位置が冷却空気の流れ方向にずれようとする際には、シール部材91Sが、二つの収容凹部87S,87Sに収容された状態を保持しながら、環状ノズル部材81Sの周方向に対して冷却空気の流れ方向に傾斜することができる。これにより、二つの収容凹部87S,87Sの相対位置の前記流れ方向へのずれを許容することができる。
したがって、二つのノズル分割体81SA,81SBが冷却空気の流れ方向に互いにずれようとする際に、板状のシール部材91Sや収容凹部87Sに応力が生じることを抑制できる。したがって、シール部材91Sが弾性変形し難い剛性の高い材料によって形成されても、シール部材91Sや収容凹部87Sの保護を図ることが可能となる。
また、シール部材91Sが前述のように斜めに傾斜しても、シール部材91Sは二つの収容凹部87S,87Sに収容された状態に保持されるため、シール部材91Sが剛性の高い材料によって形成されても、このシール部材91Sによって、二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことを防止できる。
さらに、本実施形態の構成では、回転軸線Lに沿う一の翼形部84SCの厚みが最も厚くなる部分において、二つのノズル分割体81SA,81SBに分割されるため、一の翼形部84SCの厚みが最も厚くなる部分にシール部材91Sが設けられることになる。このため、例えば、回転軸線Lに沿うシール部材91Sの厚み(板厚寸法t)や収容凹部87Sの幅(幅寸法w)、また環状ノズル部材81Sの周方向に沿う収容凹部87Sの深さ(深さ寸法h、h)を大きく設定する等して、シール部材91Sによって二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを埋める領域を最大限に確保することが可能となる。したがって、冷却空気が二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことをより確実に防ぐことができる。
〔第二実施形態〕
次に、図9を参照して本発明の第二実施形態について説明する。なお、この実施形態では、シール部材91Sの構成のみについて第一実施形態と異なっているため、第一実施形態と同一の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態のシール部材91Sは、第一実施形態と同様の断面矩形の板状に形成されている。そして、本実施形態のシール部材91Sには、冷却空気の流れ方向下流側に向くシール部材91Sの面から、シール部材91Sの板厚方向に膨出する一対の突起部92S,92Sが形成されている。
各突起部92S,92Sは、環状ノズル部材81Sの径方向から見て半円状に形成されている、具体的には、環状ノズル部材81Sの径方向(シール部材91Sの長手方向であり、図5における左右方向)に延びる半円柱状に形成されている。これら一対の突起部92S,92Sは、シール部材91Sの高さ方向(図9(a)における上下方向)の両端の角部を含むように形成されている。これにより、シール部材91Sのうち冷却空気の流れ方向下流側に位置する二つの角部が丸みを帯びている。
以上のように本実施形態の構成では、例えば図9(a)に示すように、二つの収容凹部87S,87Sの冷却空気の流れ方向に沿う相対位置が一致している場合には、供給流路62S内から隙間Dに流れ込む冷却空気の流れ(図9において右方向に向かう流れ)によって、丸みを帯びた各突起部92Sの先端が二つの収容凹部87S,87Sの一方の内側面に押し付けられる。このように各突起部92Sが前記一方の内側面に密着することで、隙間Dが回転軸線L方向に遮断されるため、第一実施形態の場合と同様に、供給流路62S内の冷却空気が隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことはない。
一方、例えば図9(b),(c)に示すように、二つの収容凹部87S,87Sが冷却空気の流れ方向に互いにずれて、シール部材91Sが第一実施形態(図8(b)参照)と同様に傾斜した場合には、少なくとも一方の突起部92Sが収容凹部87Sの一方の内側面に押し付けられることになる。
具体的に説明すれば、図9(b)に示すように、二つの収容凹部87S,87Sのずれが大きい場合には、一方の突起部92S(図示例では上側の突起部92S)のみが収容凹部87Sの一方の内側面に押し付けられる。また、図9(c)に示すように、二つの収容凹部87S,87Sのずれが小さい場合には、両方の突起部92Sが二つの収容凹部87Sの一方の内側面に押し付けられる。
すなわち、本実施形態の構成によれば、二つの収容凹部87S,87Sのずれによってシール部材91Sが傾斜しても、例えば第一実施形態(図8(b))のように、冷却空気の流れ方向下流側に位置するシール部材91Sの鋭利な角部が収容凹部87Sの一方の内側面に片当たりする場合と比較して、突起部92Sによって丸みを帯びた角部と収容凹部87Sの一方の内側面との密着性が向上する。したがって、全体が板状に形成されたシール部材91Sである上、二つの収容凹部87S,87Sが冷却空気の流れ方向に互いにずれても、冷却空気が二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことを、より確実に防止できる。
特に、本実施形態の構成では、冷却空気の流れ方向下流側に位置するシール部材91Sの二つの角部に、丸みを帯びた突起部92Sが形成されていることで、二つの収容凹部87S,87Sのずれによってシール部材91Sが傾斜した際に、二つの突起部92Sの両方を当接させることができるため、冷却空気が隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことを、さらに確実に防止することができる。
そして、本実施形態の構成では、上述した効果のほか、第一実施形態と同様の効果も奏する。
なお、上記第二実施形態の構成では、冷却空気の流れ方向下流側に位置するシール部材91Sの二つの角部が丸みを帯びているが、これに限ることは無く、一対の突起部92S,92Sを用いずにこれら二つの角部が丸みを帯びていてもよい。さらに、冷却空気の流れ方向下流側に位置するシール部材91Sの二つの角部のうち一方のみが丸みを帯びていてもよい。
また、例えば、冷却空気の流れ方向上流側に位置するシール部材91Sの二つの角部が、丸みを帯びていてもよい。
さらに、上述した第一、第二実施形態の構成では、シール部材91Sが弾性変形し難い剛性の高い材料によって形成されるとしたが、例えば弾性変形可能な弾性体によって構成されてもよい。
〔第三〜第五実施形態〕
次に、図10〜12を参照して本発明の第三〜第五実施形態について説明する。なお、これらの実施形態では、シール部材91Sの構成のみについて第一実施形態と異なっているため、第一実施形態と同一の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すように、第三実施形態のシール部材91Sは、例えばゴム等のように弾性変形可能な弾性体によって構成されており、環状ノズル部材81Sの径方向(図10において紙面の直交方向)に延びる柱状に形成されている。なお、図示例のシール部材91Sは、環状ノズル部材81Sの径方向に直交する断面(図10に示す断面)で円形あるいは楕円形に形成されているが、これに限ることは無く、例えば第一実施形態と同様の板状に形成されてもよい。
また、図11に示すように、第四実施形態のシール部材91Sは、環状ノズル部材81Sの径方向に直交する断面(図11に示す断面)で、C字状に形成されている。
さらに、図12に示すように、第五実施形態のシール部材91Sは、環状ノズル部材81Sの径方向に直交する断面(図12に示す断面)で、E字状に形成されている。
これら図11,12に示すシール部材91Sは、例えば金属材料などからなる板状部材を湾曲させて形成されたものであり、断面C字状あるいは断面E字状という形状によってバネ性を有することで弾性変形可能とされた弾性体をなしている。すなわち、図11,12に示すシール部材91Sは、所謂CシールあるいはEシールを構成している。
このように、C字状あるいはE字状に形成されたシール部材91Sは、図11,12に示す断面におけるシール部材91Sの開口部93Sが、冷却空気の流れ方向上流側(図11,12における左側)に開口するように、二つの収容凹部87S,87Sに収容されている。
そして、図10〜12に示すシール部材91Sは、いずれも二つの収容凹部87S,87Sに収容されるとともに、環状ノズル部材81Sの周方向(図10〜12において上下方向)に圧縮変形(弾性変形)した状態で、二つのノズル分割体81SA,81SBによって挟み込まれるように配置されている。なお、これらシール部材91Sは、回転軸線L方向(図10〜12において左右方向)にも圧縮変形された状態で各収容凹部87S,87Sに収容されてもよいが、これに限ることは無い。
これら第三〜第五実施形態の構成によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、第三〜第五実施形態の構成によれば、いずれもシール部材91Sの弾性力によって二つの収容凹部87S,87Sの底面に密着するため、供給流路62S内の冷却空気が二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通過して出口キャビティ42Cに流れ込むことを確実に防止できる。また、シール部材91Sが弾性変形可能な弾性体であるため、ノズル分割体81SA、81SBの熱変形(膨張収縮)による隙間Dの寸法変化に追従して密着性の低下を防止できる。
また、第四、第五実施形態の構成によれば、シール部材91Sの開口部93Sが冷却空気の流れ方向上流側に開口するように、シール部材91Sが配されているため、供給流路62Sから隙間Dに入り込む冷却空気の流れがシール部材91Sの内側に流入することで、シール部材91Sを収容凹部87Sの内面に押し付けることができる。したがって、シール部材91Sと収容凹部87Sの内面との密着性向上を図り、冷却空気が二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通って出口キャビティ42Cに流れ込むことを、より確実に防止することができる。
なお、上記第三〜第五実施形態のようにシール部材91Sが弾性体によって構成される場合、例えばシール部材91Sを二つのノズル分割体81SA,81SBの一方のみに接着等によって固定してもよいし、例えば固定せずに、シール部材91Sを圧縮変形(弾性変形)させた状態で、二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dに挿入しておくだけでも、シール部材91Sの弾性力によってシール部材91Sを二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dに保持することも可能である。
したがって、シール部材91Sの一部を収容する収容凹部87Sは、例えば図13,14に示すように、一方のノズル分割体81SAのみに形成されてもよいし、例えば図15に示すように、形成されなくてもよい。
ここで、図13に示すシール部材91Sは、所謂ブラシシールであり、例えば板状に形成された基台94Sと、基台94Sに植えつけられた多数の針状あるいは毛状のものからなるブラシ本体部95Sとを備えて構成されている。
この構成では、シール部材91Sの基台94Sが、一方のノズル分割体81SAに形成された収容凹部87Sに嵌め込まれる等して収容・固定されている。そして、この収容状態では、ブラシ本体部95Sが基台94Sから他方のノズル分割体81SBの分割面86Sに向けて延び、押し付けられている。この押し付け状態では、ブラシ本体部95Sが例えば撓むように弾性変形することになる。
図13に示す構成によれば、前述した第三〜第五実施形態の場合と同様に、他方のノズル分割体81SBに押し付けられたブラシ本体部95Sの弾性力によって、隙間Dを冷却空気の流れ方向に遮断するため、供給流路62S内の冷却空気が隙間Dを通過して出口キャビティ42Cに流れ込むことを確実に防止できる。
また、図14に示すシール部材91Sは、所謂リーフシールであり、例えば板状に形成された基台94Sと、基台94Sに植えつけられた複数のシート状体96Sとを備えて構成されている。
この構成では、シール部材91Sの基台94Sが、一方のノズル分割体81SAの収容凹部87Sに嵌め込まれる等して収容・固定されている。この収容状態では、複数のシート状体96Sが、冷却空気の流れ方向(図14において左右方向)に配列されている。また、複数のシート状体96Sの突出方向の先端は、他方のノズル分割体81SBの分割面86Sに押し付けられて、撓むように弾性変形している。なお、複数のシート状体96Sは、その先端が冷却空気の流れ方向上流側に向くように撓み変形することが好ましい。
図14に示す構成によれば、図13の場合と同様の効果を奏する。また、複数のシート状体96Sは、その先端が冷却空気の流れ方向上流側に向くように撓み変形していることで、隙間Dに流れ込む冷却空気の流れによって、シート状体96Sの先端と他方のノズル分割体81SBの分割面86Sとの間に間隙が生じることを確実に防止できる。
そして、図15に示すシール部材91Sは、冷却空気の流れ方向に延びる板状部材の中間部分が、環状ノズル部材81Sの周方向(図15において上方向)に膨出するように湾曲変形されたものであり、これによって、少なくとも環状ノズル部材81Sの周方向に弾性変形可能となっている。
なお、この構成では、例えばシール部材91Sの延在方向の一端が、他方のノズル分割体81SBの分割面86Sに接着等によって固定されてもよいし、あるいは、シール部材91Sの延在方向の中間部分が、一方のノズル分割体81SAの分割面86Sに固定されてもよい。また、この構成では、例えばシール部材91Sをノズル分割体81SA,81SBに固定せずに、シール部材91Sを圧縮変形(弾性変形)させた状態で、二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dに挿入することで、シール部材91Sの弾性力によってシール部材91Sを隙間Dに保持してもよい。
図15に示す構成によれば、図13,14の場合と同様に、シール部材91Sが、その弾性力によって二つのノズル分割体81SA,81SBの分割面86Sに密着するため、供給流路62S内の冷却空気が二つのノズル分割体81SA,81SBの隙間Dを通過して出口キャビティ42Cに流れ込むことを確実に防止できる。
なお、図15に示すシール部材91Sは、収容凹部87Sの無い分割面86Sに設けられることに限らず、例えば、ノズル分割体81SA、81SBの少なくとも一方に設けた収容凹部87Sに嵌め込まれるようにして設けられてもよい。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上述した全ての実施形態の環状ノズル部材81Sは、冷却空気を回転軸線L方向に通過させるように形成されているが、これに限ることはなく、供給流路62Sから出口キャビティ42Cに入り込む冷却空気の流れの向きに応じて適宜形成されてよい。
具体的に説明すれば、例えば、出口キャビティ42Cに対する供給流路62Sの開口部が、内側隔壁部61Sの径方向内側に開口する場合には、供給流路62Sから出口キャビティ42Cに入り込む冷却空気も径方向内側に流れることになる。そして、この場合、環状ノズル部材81Sは、冷却空気を径方向内側に通過させるとともに1段タービンディスク31Rと同一方向に回転する旋回流を付与するように形成されればよい。このような構成であっても、上述した全ての実施形態(図8〜15に示す構成)のようにシール部材91Sを設けることは可能である。
また、ノズル分割体81SA,81SBに形成されてシール部材91Sを収容する収容凹部87Sは、断面矩形状に形成されることに限らず、少なくともシール部材91Sの一部を収容・保持できるように形成されていれば、任意の断面形状に形成されていてよい。
さらに、環状ノズル部材81Sは、二つのノズル分割体81SA,81SBによって構成されることに限らず、三つ以上のノズル分割体によって構成されてもよい。
また、上記実施形態のガスタービン1には、リムシールキャビティ43Cや迂回空間44C、隔壁流路63S、ジャンパチューブ64Sが形成されているが、特に形成されなくても構わない。
1…ガスタービン、2…圧縮機(圧縮部)、3…燃焼器(燃焼部)、11S…1段静翼(静翼)、21R…1段動翼(動翼)、25R…冷却流路、31R…1段タービンディスク(タービンディスク)、33R…冷却孔、41C…入口キャビティ(第1入口空間)、42C…出口キャビティ(第2入口空間)、61S…内側隔壁部(筒状仕切り部)、62S…供給流路、81S…環状ノズル部材、81SA,81SB…ノズル分割体、84S…翼形部、84SC…一の翼形部、85S…TOBIノズル、86S…分割面、87S…収容凹部、91S…シール部材、92S…突起部、D…隙間、L…回転軸線(軸線)

Claims (8)

  1. 外周部に複数の動翼が周方向に並んで取り付けられるとともに、軸線まわりに回転自在に支持されたタービンディスクと、
    該タービンディスクの内部を貫通するように形成されて、前記動翼内部の冷却流路に冷却媒体を供給する冷却孔と、
    前記軸線を中心とする円筒状に形成されて、外部から前記冷却媒体が供給される第1入口空間、及び、前記冷却孔に連通される第2入口空間を区画する筒状仕切り部と、
    該筒状仕切り部の内部を前記第1入口空間から前記第2入口空間に向けて延びるとともに前記冷却媒体を前記第1入口空間から前記第2入口空間に供給する供給流路と、
    前記軸線を中心とする円環状に形成されるとともに、前記供給流路のうち前記第2入口空間側の開口部に設けられて、前記第1入口空間から前記第2入口空間に向けて流れる前記冷却媒体に、前記タービンディスクと同一方向に回転する旋回流を付与する環状ノズル部材とを備え、
    前記環状ノズル部材が、周方向に分割される複数のノズル分割体により構成され、
    周方向に隣り合う二つのノズル分割体の隙間に、該隙間を埋めるシール部材が設けられていることを特徴とするタービンの冷却構造。
  2. 前記二つのノズル分割体のうち少なくとも一方のノズル分割体に、他方のノズル分割体と共に前記隙間を画成する当該一方のノズル分割体の分割面から窪んで、前記シール部の一部を収容する収容凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタービンの冷却構造。
  3. 前記収容凹部が、前記二つのノズル分割体に形成され、
    前記シール部材が二つの前記収容凹部に収容されていることを特徴とする請求項2に記載のタービンの冷却構造。
  4. 前記シール部材は、板状に形成されるとともに、前記シール部材の板厚方向が前記供給流路から前記隙間に流れ込む前記冷却媒体の流れ方向に沿うように、前記二つの収容凹部に収容され、
    前記冷却媒体の流れ方向に沿う前記収容凹部の幅寸法が、前記シール部材の板厚寸法よりも大きく設定され、
    前記周方向に沿って互いに対向する前記二つの収容凹部の底部間の距離が、前記周方向に沿う前記シール部材の高さ寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載のタービンの冷却構造。
  5. 板状に形成された前記シール部材のうち少なくとも前記冷却媒体の流れ方向下流側に位置する角部のうち少なくとも一つが丸みを帯びていることを特徴とする請求項4に記載のタービンの冷却構造。
  6. 前記シール部材が、弾性変形可能な弾性体によって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のタービンの冷却構造。
  7. 前記環状ノズル部材が、その周方向に配列されて前記冷却媒体に前記旋回流を付与する複数の翼形部を備え、
    一の翼形部が、前記二つのノズル分割体に分割して形成され、
    前記供給流路から前記隙間に流れ込む前記冷却媒体の流れ方向に沿う前記一の翼形部の厚みが最も厚くなる部分において、前記一の翼形部が分割されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のタービンの冷却構造。
  8. 空気を吸入して圧縮する圧縮部と、圧縮された空気および外部から供給された燃料からなる混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼部と、生成された燃焼ガスから回転駆動力を抽出するタービン部と、を備え、
    前記タービン部に、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のタービンの冷却構造が設けられていることを特徴とするガスタービン。
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