JP2013183469A - 同期モータの制御装置及び制御方法 - Google Patents

同期モータの制御装置及び制御方法 Download PDF

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裕二 秋田
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隆 太田
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Abstract

【課題】ロータの位相を検出するホールセンサの異常検出の精度を向上させる。
【解決手段】制御装置10は、同期モータ31のステータコイルに生じる誘起電圧に応じて、ホールセンサ80の出力信号の位相補正量を算出する補正量算出部46と、基準値が記憶された記憶部90と、補正量算出部46によって算出された位相補正量と基準値との差分が所定値以上の場合に、ホールセンサが故障であると検出する故障検出部50と、記憶部90に記憶された位相補正量によって補正されたロータの検出位置に基づいて同期モータ31を制御する制御部47と、補正量算出部46による初回補正後に、記憶部90に記憶した基準値を補正量算出部46による位相補正量に基づいて更新する基準値更新部50と、を備える。故障検出部50は、基準値更新部50による基準値の更新が行なわれると、所定値を小さい値に変更する。
【選択図】図3

Description

本明細書で論じられる実施態様は、ロータの電気角を検出するホールセンサを備える同期モータの制御に関する。
ホールセンサによりロータ位置を検出し、検出される位置信号に基づいてモータを駆動するモータの制御装置が知られている。ホールセンサの出力信号に位相誤差が生じると、同期モータのモータ効率低下や回転ムラが生じる場合がある。モータのステータコイルに生じる誘起電圧に基づいてモータに印加する電圧を補正することが知られている。
関連する技術として、モータの逆起電圧に基づいてモータの推定モータ角度を算出する角度推定部と、ホールセンサから出力される位置検出信号の組み合わせに基づいてモータの回転角度を検出するとともに、検出した回転角度と推定モータ角度とを比較する比較演算部と、比較演算部の比較結果に基づいてホールセンサの異常を検出するフェールセーフ演算部とを備える電動式パワーステアリング装置が知られている。
特開2002−111528号公報 特開2005−335591号公報
異常検出を行う際のしきい値は、製品毎の個体差が生じることを考慮して、正常なものを誤って異常と判断してしまわないような値を設定する必要があるが、誤検出を防止するためにこの異常検出のしきい値を甘く設定しすぎると、異常検出が遅れてしまうという課題がある。
また、モータの制御の行い方として、ホールセンサの出力信号の位相誤差を、ステータコイルに生じる誘起電圧とホールセンサの出力信号とに基づいて学習補正する方法が存在するが、この学習補正と異常検出とを連携させることを行っていなかった。
本明細書に記載される装置及び方法は、ロータの位相を検出するホールセンサの異常検出の精度を向上させることを目的とする。
装置の一観点によれば、ホールセンサからの出力信号に応じてロータの位置を検出する同期モータの制御装置が与えられる。制御装置は、同期モータのステータコイルに生じる誘起電圧に応じて、ホールセンサの出力信号の位相補正量を算出する補正量算出部と、基準値が記憶された記憶部と、補正量算出部によって算出された位相補正量と基準値との差分が所定値以上の場合に、ホールセンサが故障であると検出する故障検出部と、記憶部に記憶された位相補正量によって補正されたロータの検出位置に基づいて同期モータを制御する制御部と、補正量算出部による初回補正後に、記憶部に記憶した基準値を補正量算出部による位相補正量に基づいて更新する基準値更新部と、を備える。故障検出部は、基準値更新部による基準値の更新が行なわれると、所定値を小さい値に変更する。
方法の一観点によれば、ホールセンサからの出力信号に応じてロータの位置が検出される同期モータの制御方法が与えられる。制御方法は、同期モータのステータコイルに生じる誘起電圧に応じて、ホールセンサの出力信号の位相補正量を算出し、位相補正量と所定の記憶部に記憶される基準値との差分が所定値以上の場合に、ホールセンサが故障であると検出し、記憶部に記憶された位相補正量によって補正されたロータの検出位置に基づいて同期モータを制御し、位相補正量による初回補正後に、記憶部に記憶した基準値を位相補正量に基づいて更新し、記憶部に記憶した基準値を更新すると前記所定値を小さい値に変更することを含む。
本明細書に記載される装置又は方法によれば、ロータの位相を検出するホールセンサの異常検出の精度を向上させることができる。
電動パワーステアリング装置のハードウエア構成例を示す図である。 (A)及び(B)はホールセンサの構成図である。 制御部の構成例を示す図である。 (A)はステータコイルの端子電圧のタイムチャートの模式図であり、(B)はホールセンサ出力のタイムチャートである。 (A)は回転中のステータコイルの端子電圧の波形の模式図であり、(B)は位相誤差を含むホールセンサ出力の例であり、(C)は補正後のホールセンサ出力の例である。 (A)は正常なホールセンサ出力のタイムチャートであり、(B)及び(C)は異常が生じたホールセンサ出力の例のタイムチャートである。 電動パワーステアリング装置の運用時におけるホールセンサ出力の補正処理の第1例の説明図である。 製造時の電動パワーステアリング装置の検査を行う検査装置のハードウエア構成の例の説明図である。 補正量の許容範囲の一例の説明図である。 製造検査作業の一例の説明図である。 電動パワーステアリング装置の製造時補正処理のうち検査装置側の処理の一例の説明図である。 電動パワーステアリング装置の製造時補正処理のうち制御部側の処理の一例の説明図である。 各相の補正量の経時変化の例を示す図である。 電動パワーステアリング装置の運用時におけるホールセンサ出力の補正処理の第2例の説明図である。
<1.第1実施例>
<1.1.電動油圧パワーステアリング装置のハードウエア構成>
以下、添付する図面を参照して好ましい実施例について説明する。以下の説明では、実施形態による制御装置が、電動油圧パワーステアリング装置に適用される場合について説明する。しかし、実施形態による制御装置は、例えば電動パワーステアリング装置やロータ位置センサ付き電動クーリングファンなどの車載用ロータ位置センサ付きモータ制御製品に広く適用される。また、実施形態による制御装置は、例えば洗濯機やエアコンなどに使用される家電用ロータ位置センサ付きモータ制御製品に広く適用される。実施形態による制御装置は、同期モータのロータ位置を測定する測定センサを使用する様々な装置に適用することが可能である。
図1は、電動パワーステアリング装置のハードウエア構成例を示す図である。参照符号4は、車両の前輪を示す。参照符号2、3、5及び6は、それぞれ前輪4の転舵機構のステアリングホイール、コラムシャフト、ラック及びピニオンを示す。また、参照符号23〜25及び30は、それぞれ車速センサ、エンジン制御装置(EFI−ECU:Electric Fuel Injection - Electronic Control Unit)、警報出力部及び電源を示す。
電動油圧パワーステアリング装置1は、制御部10と、トルクセンサ21と、舵角センサ22と、モータ31と、ポンプ32と、パワーシリンダ33と、ホールセンサ80を備える。
トルクセンサ21及び舵角センサ22は、それぞれステアリングホイール2の操舵力及び操舵角を検出する。車速センサ23は、車両の速度を検出する。また、エンジン制御装置24は、車両に設けられたエンジンを制御する電子制御装置であって、エンジンの制御を行う際にエンジン回転速度を検出する。
制御部10はマイコンを備えた電子回路であり、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23及びエンジン制御装置24によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度及びエンジン回転速度にしたがって、モータ31を駆動する。また、制御部10には、エンジン制御装置24からイグニッションスイッチの状態も送られてくる。
モータ31は、ポンプ32に動力を供給する三相同期モータ(直流ブラシレスモータ)である。ポンプ32は、パワーシリンダ33の油室に油圧を供給することによって、前輪4の転舵機構のラック5に、運転者の操舵力を補助する補助力を加える。
制御部10は、処理部40と、プリドライバ60と、パワー部70と、増幅器81と、端子電圧検出部82と、メモリ90と、インタフェース(I/F)回路91と、リレー100を備える。処理部40は、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23及びエンジン制御装置24によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度及びエンジン回転速度にしたがって、モータ31の制御信号を生成する。
ホールセンサ80は、モータ31のロータ位置を検出する。図2の(A)は、モータ31の回転軸の直角方向から見たホールセンサ80の模式図であり、(B)は回転軸方向から見たホールセンサ80の構成図である。ホールセンサ80は、センサマグネット83と、ホール素子84u、84v及び84wと、支持部85を備える。
センサマグネット83は、モータ31のロータ磁石34に固定される。センサマグネット83のS極83s及びN極83nの向きは、ロータ磁石34のS極及びN極の向きと揃えられていてよい。ホール素子84u、84v及び84wは、センサマグネット83の磁極の向きを検出する。ホール素子84u、84v及び84wは、S極83sに近接すると「H」レベルを出力し、N極83nに近接すると「L」レベルを出力する。このため、モータ31が回転中のホールセンサ80の出力は、各相のホール素子84u、84v及び84wの出力が「H」レベルと「L」レベルの間を交番する信号となる。
ホール素子84u、84v及び84wが支持部85に固定されることで、ホール素子84u、84v及び84wとモータ31の各相のステータコイルとのの間の相対位置が固定される。ホール素子84uは、U相のステータコイルに対向するロータ磁石34の磁極がN極からS極へ変わった後に角度差θdだけ遅れてから、ホール素子84uに対向するセンサマグネット83の磁極がN極83nからS極83sへ変わる位置に取り付けられる。ホール素子84v及び84wも同様に、それぞれV相及びW相のステータコイルに対向するロータ磁石34の磁極が変わった後に角度θdだけ遅れてから、ホール素子84v及び84wに対向するセンサマグネット83の磁極が変わる位置に取り付けられる。角度θdの値は実際のハードウエア構成に応じて様々であるが、ある実施例において角度θdは30度である。
図1を参照する。処理部40は、モータ31の各相コイルへ流れる相電流を制御するスイッチング素子をオンオフする相電流制御信号を出力する。プリドライバ60は、処理部40から出力される相電流制御信号を増幅してパワー部70に供給する。パワー部70は、増幅された相電流制御信号に従って、電源30からモータ31の各相コイルへ流れる相電流を制御するスイッチング素子を駆動する。端子電圧検出部82はモータ31の各相コイルの端子電圧を検出する。
メモリ90には、処理部40の処理に用いられるデータが格納される。I/F回路91は、電動油圧パワーステアリング装置1の製造時の検査を行う検査装置200と有線及び/又は無線により接続され、制御部10と検査装置200との通信インタフェースとして機能する。
また、処理部40は、120度通電制御によりモータ31を回転する期間に、端子電圧検出部82により検出される各相コイルの誘起電圧に基づいてモータ31のロータ位置を検出する。120度通電制御は、イグニッションスイッチのオン直後や無操舵時などのアイドリング中に行われる。処理部40は、誘起電圧に基づいて検出したロータ位置に基づいて、ホールセンサ80の出力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの位相に対する補正量を決定する。
処理部40は、決定した補正量の学習処理を行う。学習処理において処理部40は、決定した補正量が所定の許容範囲内にあればメモリ90に格納する。その際に以前に学習した補正量がメモリ90に格納されていれば、新たに決定した補正量でメモリ90の記憶内容を更新する。処理部40は、メモリ90に格納された補正量で補正されたホールセンサ80の出力信号に基づいて通電する相コイルを決定する。
以下の説明においてホールセンサ80の出力信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを総称して「エッジ」と表記する事がある。また、誘起電圧に基づいて検出したロータ位置に基づいて定められるホールセンサ80の出力信号の立ち上がりエッジの位相に対する補正量を「立ち上がりエッジに対する補正量」と表記することがある。また、誘起電圧に基づいて検出したロータ位置に基づいて定められるホールセンサ80の出力信号の立ち下がりエッジの位相に対する補正量を「立ち下がりエッジに対する補正量」と表記することがある。「立ち上がりエッジに対する補正量」及び「立ち下がりエッジに対する補正量」を総称して「エッジに対する補正量」と表記することがある。
処理部40は、パワー部70にて検出される温度信号、モータ31の各相電流、すなわち駆動電流の検出値を示す電流検出信号、及び電源30の電圧に従って、電動油圧パワーステアリング装置1の異常を検出する。増幅器81は、電流検出信号を増幅して処理部40へ供給する。
また、処理部40は、ホールセンサの出力信号の順序に基づいて、ホールセンサ80の異常を検出する。また、処理部40は、各相コイル毎に求めた立ち上がりエッジに対する補正量に基づいてホールセンサ80の異常を検出する。
処理部40は、リレー100を駆動するリレー駆動信号を生成する。処理部40は、所定の異常を検出した場合、リレー100を制御して電源30からパワー部70への電流の供給を停止する。
また処理部40は、警報出力部25を経由して異常を知らせる警報を運転者に出力する。警報出力部25は、車両のメータでもよくナビゲーション装置でもよい。処理部40は、警報出力部25を経由して、例えばホールセンサ80の異常を知らせる警報を出力してよい。
図3は、制御部10の構成例を示す図である。処理部40は、流量指令値演算部41と、回転速度指令値演算部42と、減算部43と、フィードバック(FB)制御部44と、デューティ演算部45を備える。また、処理部40は、補正量算出部46と、駆動素子決定部47と、回転速度演算部48と、ホールセンサ故障検出部49と、判定部50を備える。処理部40のこれら構成要素41〜50の動作は、例えば制御部10が備えるマイコンによって実行される。
パワー部70は、スイッチング素子Q1〜Q6と、電流センサ86と、温度センサ87を備える。
流量指令値演算部41は、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度にしたがって、ポンプ32から吐出される作動油の流量の指令値を算出する。流量指令値演算部41は、操舵力や操舵角によって検出するステアリングホイール2の操舵状態に基づいて流量の基本量を算出し、この算出した流量を車速に基づいて、車速が高くなるほど流量が小さくなるように補正することで作動油の流量の指令値を算出する。
また、流量指令値演算部41は、エンジン制御装置24から送られてくるエンジン回転速度から判断したエンジンの駆動状態に基づいて、ポンプ32を駆動させることによる操舵補助制御の実施可否を判断する。詳細には、エンジンが駆動していない状態にあると判断した場合、ポンプ32を駆動する電力を供給する電源30への充電を行う、図示しないオルタネータが発電していない状態にあると判断し、電源30の充電率低下を防ぐため操舵補助制御を行わないようにする。なお、作動油の流量の指令値を生成する際に、ステアリングホイール2の操作状態を検出するためのセンサとしては、トルクセンサ21と舵角センサ22の一方のみを用いる構成でもよい。
回転速度指令値演算部42は、流量指令値演算部41により算出される作動油の流量の指令値に従って、モータ31の回転速度の指令値である回転速度指令値を算出する。減算部43は、回転速度指令値と、回転速度演算部48により算出されたモータ31の現在の回転速度との差分を算出する。フィードバック制御部44は、差分に応じてモータ31の回転速度の操作量を決定する。デューティ演算部45は、フィードバック制御部44により決定された操作量に応じてモータ31を駆動する駆動電力のデューティ比を算出する。
補正量算出部46は、駆動電力のデューティ比に基づきモータ31の120度通電制御が行われているか否かを判断する。補正量算出部46は、120度通電制御が行われている期間に、立ち上がりエッジに対する補正量Cr及び立ち下がりエッジに対する補正量Cfを各相コイル毎に算出する。以下、図4の(A)及び図4の(B)及び図5の(A)〜図5の(C)を参照して補正量Cr及びCfの算出処理について説明する。
図4の(A)はステータコイルの端子電圧Vtのタイムチャートの模式図である。補正量算出部46は、端子電圧検出部82により120度通電中にコイル端子の端子電圧Vtを測定する。イグニッションスイッチのオン直後は、補正量算出部46は、120度通電制御を行うための補正量として、以前に算出して記憶した値をメモリ90から読み出して、駆動素子決定部47及び回転速度演算部48に与えてもよい。
補正量算出部46は、無通電時のコイル端子に現れる誘起電圧Viがモータ31の駆動電圧Vdのゼロクロス電圧Vzに等しくなる周期ΔT1を測定する。図4の(A)のタイムチャートでは、時刻T1は、無通電時の誘起電圧Viが上昇中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるタイミングである。時刻T3は、無通電時の誘起電圧Viが下降中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるタイミングである。
補正量算出部46は、ゼロクロス電圧Vzとみなせる下限値Vzdよりも誘起電圧Viが大きく、ゼロクロス電圧Vzとみなせる上限値Vzuよりも誘起電圧Viが小さい場合に、誘起電圧Viがゼロクロス電圧Vzであると判断してよい。補正量算出部46は、無通電時の誘起電圧Viが上昇中及び下降中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるそれぞれのタイミングT1とT3の間の期間を、周期ΔT1として測定する。
次に、補正量算出部46は、無通電時の誘起電圧Viが上昇中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるタイミングT1から、ホールセンサ80の出力信号の立ち上がりタイミングT2までの期間ΔT2を測定する。また、補正量算出部46は、無通電時の誘起電圧Viが下降中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるタイミングT3から、ホールセンサ80の出力信号の立ち下がりタイミングT4までの期間ΔT2’を測定する。
図4の(B)はホールセンサ出力のタイムチャートである。時刻T2及びT4は、それぞれホールセンサ80の出力信号の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングである。
ホールセンサ80が完全に設計通りにモータ31に取り付けられている場合、無通電時の誘起電圧Viが上昇中にゼロクロス電圧Vzに等しくなるロータ位置と、ホールセンサ80の出力信号が立ち上がるロータ位置との位相差は上述の角度差θdとなる。補正量算出部46は、ホールセンサ80の出力信号の立ち上がりタイミングの位相誤差e=(ΔT2/(ΔT1/180度)−θd)を立ち上がりエッジに対する補正量Crとして算出する。同様に補正量算出部46は、ホールセンサ80の出力信号の下がりタイミングの位相誤差e=(ΔT2’/(ΔT1/180度)−θd)を立ち下がりエッジに対する補正量Cfとして算出する。
図5の(A)及び図5の(B)を参照して補正量Cr及びCfと、誘起電圧Vi及びホールセンサ出力との関係を説明する。図5の(A)は回転中のステータコイルの端子電圧の波形の模式図であり、図5の(B)は位相誤差を含むホールセンサ出力波形の例である。補正量Crは、誘起電圧Viが上昇中にゼロクロス電圧Vzに等しくなる位相θvrから角度差θdだけ遅れた位相と、立ち上がりエッジが生じる位相θerとの間の差である。補正量Cfは、誘起電圧Viが下降中にゼロクロス電圧Vzに等しくなる位相θvfから角度差θdだけ遅れた位相と、立ち下がりエッジが生じる位相θefとの間の差である。
図3を参照する。補正量算出部46は、算出した補正量Cr及びCfを、駆動素子決定部47、回転速度演算部48及び判定部50へ出力する。駆動素子決定部47は、補正量Cr及びCfにより補正されるホールセンサ80の出力信号と、デューティ演算部45が算出したデューティ比に応じて、スイッチング素子Q1〜Q6をオンオフさせる相電流制御信号を生成する。
図5の(C)は補正後のホールセンサ出力を示す。図示の例では、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが生じる位相θer及びθefが、補正量Cr及びCfだけ進めた位相θer’及びθef’に補正される。駆動素子決定部47は、スイッチング素子Q1〜Q6のオンオフを切り替えることにより、電源30からモータ31の各相コイルへ流れる相電流を制御する。
回転速度演算部48は、補正量Cr及びCfにより補正されるホールセンサ80の出力信号に基づきロータ位置を決定し、ロータ位置の変化に従って、モータ31の回転速度を算出する。電流センサ86は、モータ31の全相電流を検出し、検出値を示す電流検出信号を出力する。温度センサ87は、パワー部70の温度を検出し、検出値を示す温度信号を出力する。
ホールセンサ故障検出部49は、ホールセンサの出力信号を受信し、モータの回転方向により定まる順序に従って出力信号が変化しない場合に、ホールセンサの異常を検出する。図6の(A)は正常なホールセンサ出力のタイムチャートであり、図6の(B)は異常が生じたホールセンサ出力の第1例のタイムチャートである。ホール素子84u、84v及び84wの出力は、ロータが180度回転する毎に「H」レベルと「L」レベルを交番する。また、ホール素子84u、84v及び84wの位相は、相間で60度ずつずれており、本実施例では、ホール素子84u、84v及び84wの順序で変化する。
モータが一方向に回転すると、U相、V相及びW相のレベルの組合せは、図6の(A)に示すように(H,L,L)、(H,H,L)、(H,H,H)、(L,H,H)、(L,L,H)、(L,L,L)の順で変化するサイクルを繰り返す。いま、U相、V相及びW相のレベルが(H,L,L)、(H,H,L)、(H,H,H)となる状態の順序をそれぞれ第1番目、第2番目、第3番目とする。また、U相、V相及びW相のレベルが(L,H,H)、(L,L,H)、(L,L,L)となる状態の順序をそれぞれ第4番目、第5番目、第6番目とする。
図6の(B)に示すタイムチャートでは、W相のホール素子84wに異常が生じ、本来の時刻tcよりも早く、時刻twにおいて出力信号が立ち上がっている。このため、第6番目の状態(H,L,L)の直後に第5番目の状態(L,L,H)が出現し、その後に予定されていない状態(H,L,H)が現れる。ホールセンサ故障検出部49は、このようなホールセンサの出力の順序の異常を検出した場合に、異常が生じたホール素子を検出する。
また、ホールセンサ故障検出部49は、いずれかのホール素子の出力信号のレベルに変化がない場合に、ホールセンサの異常を検出する。図6の(C)は異常が生じたホールセンサ出力の第2例のタイムチャートである。本例では、期間TFにおいてW相のホール素子84wの出力が「H」レベルのまま変化しないため、ホールセンサ故障検出部49は、おいてW相のホール素子84wの異常を検出する。ホールセンサ故障検出部49は、異常が発生したホール素子を通知する異常検出信号を、判定部50、駆動素子決定部47及び回転速度演算部48へ出力する。
判定部50は、温度信号、電流検出信号、電源30の電圧、回転速度演算部48により算出されるモータ31の回転速度に従って、電動油圧パワーステアリング装置1に生じた異常を検出する。判定部50は、リレー100を駆動するリレー駆動信号を生成する。判定部50は、所定の異常を検出した場合、リレー100を制御して電源30からパワー部70への電流の供給を停止する。
判定部50は、モータ31の回転を停止させる停止信号及び/又はモータ31の回転を制限する制限信号を生成する。回転速度指令値演算部42は、停止信号及び/又は制限信号に従って、モータ31の回転を停止させ及び/又は制限する。また判定部50は、警報出力部25を経由して異常を知らせる警報を運転者に出力する。
電動油圧パワーステアリング装置1の運用時において、判定部50は、補正量算出部46が算出した補正量Crが、下限閾値Ldarより大きく、上限閾値Luarより小さいか否かを判断する。また、判定部50は、補正量Cfが下限閾値Ldafより大きく、上限閾値Luafより小さいか否かを判断する。
下限閾値Ldar及びLdaf並びに上限閾値Luar及びLuafは、判定部50がホールセンサが異常を判定する際の判定閾値である。Ldar、Ldaf、Luar及びLuafは、例えば、経年変化する補正量Cr及びCfが許容される下限値及び上限値であってよい。判定部50は、メモリ90に格納されるデータに基づいて下限閾値Ldar及びLdaf並びに上限閾値Luar及びLuafを決定する。下限閾値Ldar及びLdaf並びに上限閾値Luar及びLuafを決定するためのデータは、例えば、基準値と、基準値からこれらLdar、Ldaf、Luar及びLuafまでの差分であってよい。立ち下がりエッジに対する補正量Cfの下限閾値Ldaf及び上限閾値Luafは、立ち上がりエッジに対する補正量Crの下限閾値Ldar及び上限閾値Luarと異なる値でもよく、同じ値でもよい。
この基準値は、以前に算出された補正量Cr及びCf、例えば製造時の検査の際にこの電動油圧パワーステアリング装置1において初回に測定された補正量Cr及びCfであってよい。また、基準値は、他の個体で測定された補正量から統計的に求めた値でもよい。また、下限閾値Ldar及びLdaf並びに上限閾値Luar及びLuafを決定するためのデータとして、例えば、これら下限閾値及び上限閾値自体が格納されてよい。
補正量Crが下限閾値Ldarより大きく且つ上限閾値Luarより小さく、補正量Cfが下限閾値Ldafより大きく且つ上限閾値Luafより小さい場合に、判定部50はホールセンサ80の出力が異常でないと判断する。この場合に判定部50は、補正量Cr及びCfの学習を行う。このとき判定部50は、補正量Cr及びCfをメモリ90に格納する。既に学習した補正量がメモリ90に格納されていれば、新たに算出された補正量Cr及びCfでメモリ90の記憶内容を更新する。メモリ90に記憶された補正量Cr及びCfは、補正量算出部46による補正量の算出が行われる120度通電中でない期間に補正量算出部46により読み出されて、駆動素子決定部47及び回転速度演算部48に与えられる。
判定部50は、補正量Crが、下限閾値Ldar以下であるか、上限閾値Luar以上の場合にホールセンサが異常であると判断する。また、判定部50は、補正量Cfが、下限閾値Ldaf以下であるか、上限閾値Luaf以上の場合にホールセンサが異常であると判断する。この場合に判定部50は、補正量Cr及びCfの学習を停止する。判定部50は、異常が発生したホール素子を通知する異常検出信号を、駆動素子決定部47及び回転速度演算部48へ出力する。
ホールセンサの異常が検出された場合には、判定部50は、警報出力部25を経由してホールセンサの異常を知らせる警報を運転者に出力する。また、処理部40は、ホールセンサの異常が検出された場合には、延命制御と呼ばれる通常制御とは異なる制御方法でモータ31を回転させる。延命制御では、駆動素子決定部47は、異常が生じた相のホールセンサ80の出力信号を用いずに、他の相のホールセンサ80の出力信号に基づいて相電流制御信号を生成する。また、回転速度演算部48は、異常が生じた相のホールセンサ80の出力信号を用いずに、他の相のホールセンサ80の出力信号に基づいてモータ31の回転速度を算出する。
なお、電動油圧パワーステアリング装置1の製造検査時における判定部50の動作については後述の「1.3.検査装置のハードウエア構成」及び「1.6.製造時補正処理における処理部の動作」で説明する。
<1.2.運用時の処理部の動作>
続いて、図7を参照して電動油圧パワーステアリング装置1の運用時における処理部40によるホールセンサ出力の補正処理について説明する。なお、以下、図7を参照して説明する一連の動作は複数の手順を含む方法と解釈してよい。この場合に「オペレーション」を「ステップ」と読み替えてもよい。図10〜図12及び図14を参照して説明する動作の場合も同様である。
オペレーションAAにおいて補正量算出部46は、モータ31の120度通電制御が行われているか否かを判断する。120度通電制御が行われている場合(オペレーションAA:Y)に処理はオペレーションABへ進む。120度通電制御が行われていない場合(オペレーションAA:N)に処理は終了する。オペレーションABにおいて補正量算出部46は、端子電圧検出部82を起動することによりステータコイルの端子電圧Vtの測定を開始する。オペレーションACにおいて補正量算出部46は、無通電時の誘起電圧Viがゼロクロス電圧Vzに等しくなるタイミングや、ホールセンサの立ち上がりタイミングを測定するためのタイマを起動する。
オペレーションADにおいて補正量算出部46は、上昇中の無通電時の誘起電圧Viが、ゼロクロス電圧Vzとみなせる下限値Vzdよりも大きく、ゼロクロス電圧Vzとみなせる上限値Vzuよりも小さいか否かを判断する。下限値Vzd<上昇中の無通電時の誘起電圧Vi<上限値Vzuの場合(オペレーションAD:Y)に処理はオペレーションAEに進む。下限値Vzd<上昇中の無通電時の誘起電圧Vi<上限値Vzuでない場合(オペレーションAD:N)に処理はオペレーションADを繰り返す。オペレーションAEにおいて補正量算出部46は、現時刻を時刻T1として取得する。
オペレーションAFにおいて補正量算出部46はホールセンサの出力が立ち上がるか否かを判断する。ホールセンサの出力が立ち上がる場合(オペレーションAF:Y)に処理はオペレーションAGへ進む。ホールセンサの出力が立ち上がらない場合(オペレーションAF:N)に処理はオペレーションAFを繰り返す。オペレーションAGにおいて補正量算出部46は、現時刻を時刻T2として取得する。
オペレーションAHにおいて補正量算出部46は、下降中の無通電時の誘起電圧Viが、下限値Vzdよりも大きく上限値Vzuよりも小さいか否かを判断する。下限値Vzd<下降中の無通電時の誘起電圧Vi<上限値Vzuの場合(オペレーションAH:Y)に処理はオペレーションAIに進む。下限値Vzd<下降中の無通電時の誘起電圧Vi<上限値Vzuでない場合(オペレーションAH:N)に処理はオペレーションAHを繰り返す。オペレーションAIにおいて補正量算出部46は、現時刻を時刻T3として取得する。
オペレーションAJにおいて補正量算出部46はホールセンサの出力が立ち下がるか否かを判断する。ホールセンサの出力が立ち下がる場合(オペレーションAJ:Y)に処理はオペレーションAKへ進む。ホールセンサの出力が立ち下がらない場合(オペレーションAJ:N)に処理はオペレーションAJを繰り返す。オペレーションAKにおいて補正量算出部46は、現時刻を時刻T4として取得する。
オペレーションALにおいて補正量算出部46は、立ち上がりエッジに対する補正量Cr=(ΔT2/(ΔT1/180度)−θd)を算出する。ΔT1は時刻T1とT3の間の期間であり、ΔT2は時刻T1とT2の間の期間である。また、補正量算出部46は、立ち下がりエッジに対する補正量Cf=(ΔT2’/(ΔT1/180度)−θd)を算出する。ΔT2’は時刻T3とT4の間の期間である。
オペレーションAMにおいて判定部50は、立ち上がりエッジに対する補正量Crが、下限閾値Ldarより大きく、上限閾値Luarより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldar<補正量Cr<上限閾値Luarの場合(オペレーションAM:Y)に処理はオペレーションANに進む。下限閾値Ldar<補正量Cr<上限閾値Luarでない場合(オペレーションAM:N)の場合に処理は終了する。
オペレーションANにおいて判定部50は、立ち下がりエッジに対する補正量Cfが、下限閾値Ldafより大きく、上限閾値Luafより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldaf<補正量Cf<上限閾値Luafの場合(オペレーションAN:Y)に処理はオペレーションAOに進む。下限閾値Ldaf<補正量Cf<上限閾値Luafでない場合(オペレーションAN:N)の場合に、判定部50はホールセンサ80の出力が異常であると判断して処理を終了する。
オペレーションAOにおいて判定部50は、補正量Cr及びCfをメモリ90に格納する。この結果、120度通電中でない期間に駆動素子決定部47及び回転速度演算部48に与えられて、位相補正に使用される補正量が補正量Cr及びCfに更新される。その後処理は終了する。
<1.3.検査装置のハードウエア構成>
続いて、電動油圧パワーステアリング装置1の製造時の検査作業について説明する。電動油圧パワーステアリング装置1の運用時に使用される異常判定閾値である下限閾値Ldar及びLdaf、並びに上限閾値Luar及びLuafは、製造時の検査作業に測定したエッジに対する補正量Cpr及びCpfに基づいて定められる。
図8に、製造時の電動油圧パワーステアリング装置1の検査を行う検査装置のハードウエア構成例を示す。検査装置200は、CPU(Central Processing Unit: 中央処理ユニット)201と、補助記憶装置202と、メモリ203と、入力部204と、出力部205と、インタフェース(I/F)回路206を備える。CPU201は、補助記憶装置202に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、以下に説明する製造時補正処理を実行する。補助記憶装置202は、コンピュータプログラムを記憶するための、不揮発性記憶装置や、読み出し専用メモリ(ROM: Read Only Memory)やハードディスクなどを含んでいてもよい。
メモリ203には、CPU201が現在実行しているプログラムや、このプログラムによって一時的に使用されるデータが記憶される。メモリ203は、ランダムアクセスメモリ(RAM: Random Access Memory)を含んでいてよい。入力部204は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置である。入力部204は、例えば、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等であってよい。出力部205は、検査装置200によって処理された信号を出力する出力装置である。例えば、出力部205は、液晶ディプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示装置であってよい。
I/F回路206は、電動油圧パワーステアリング装置1の制御部10側のI/F回路91と有線及び/又は無線により接続され、制御部10と検査装置200との通信インタフェースとして機能する。
検査装置200は、電動油圧パワーステアリング装置1の製造時において、ホールセンサの出力信号が示すロータ位置の補正や、制御部10が行うその他の制御の補正パラメータの決定を要求する補正要求信号を、I/F回路206を介して制御部10へ送信する。補正要求信号を受信すると、制御部10は、エッジに対する補正量を算出する。
制御部10は、算出した補正量が、製造バラツキによる補正量の個体差の許容範囲の下限と上限の間にあるか否かを判断する。制御部10は、算出した補正量が許容範囲の下限と上限の間にない場合には、製造時の補正量の状態が異常であり、ホールセンサ80の出力が異常であると判断する。
一方で、補正量が許容範囲の下限と上限の間にある場合に、制御部10は、補正量の状態が正常であると判断して、製造時の補正量Cpr及びCpfとしてメモリ90に記憶する。製造時の補正量Cpr及びCpfよりも所定幅分だけ減じた値を運用時の補正量の下限閾値Ldar及びLdafとすることにより、異常判定の判定閾値が変更される。また、製造時の補正量Cpr及びCpfに所定の許容幅分を加えた値を、運用時の補正量の上限閾値Luar及びLuafとすることにより、異常判定の判定閾値が変更される。制御部10は、補正量の状態を示すステータスを検査装置200に通知する。
図9に、電動油圧パワーステアリング装置1の製造時と運用時において、異常判定のための補正量の上限閾値と下限閾値の一例を示す。制御部10は、製造時に測定した立ち上がりタイミングに対する補正量Cprが、製造バラツキに起因する補正量の製造個体差の許容範囲Rpr内にあるか否かを判断する。許容範囲Rprの下限閾値Ldprは、典型的な立ち上がりタイミングの補正量の基準値であるCrrよりΔdprだけ小さい値である。また許容範囲Rprの上限閾値Luprは、基準値CrrよりΔuprだけ大きい値である。制御部10は、下限閾値Ldpr<補正量Cpr<上限閾値Luprである場合に、補正量Cprを製造時の立ち上がりエッジに対する補正量としてメモリ90に記憶する。制御部10は、補正量Cprが下限閾値Ldpr以下であるか、上限閾値Lupr以上である場合に、ホールセンサ80の出力が異常であると判断する。
電動油圧パワーステアリング装置1の運用時においてホールセンサ80の出力の異常判定に使用される許容範囲Rarの下限閾値Ldar及び上限閾値Luarは、製造時の補正量Cprに基準にして決定される。許容範囲Rarの幅は、例えば補正値の経年変化の許容値に応じて定めてよい。下限閾値Ldarは、製造時の補正量CprよりΔdarだけ小さい値であり、上限閾値Luarは、製造時の補正量CprよりΔuarだけ大きい値である。このように、電動油圧パワーステアリング装置1の運用時に使用される異常判定閾値は、製造時に使用する値Lupr及びLdprから、Luar及びLdarへ変更される。なお、図9に示す例では、運用時の許容範囲Rarは製造時の許容範囲Rprよりも小さい。
電動油圧パワーステアリング装置1の運用中に制御部10は、下限閾値Ldar<補正量Cr<上限閾値Luarである場合には、制御部10はホールセンサ80の出力が正常であると判断する。このとき制御部10は、メモリ90に記憶されて運用時に使用される立ち上がりエッジに対する補正量を、新たに算出された補正量で更新する。補正量Crが下限閾値Ldar以下であるか、上限閾値Luar以上である場合に制御部10は、制御部10はホールセンサ80の出力が異常であると判断する。ホールセンサ80の出力が異常である場合には、制御部10は補正量Crの学習を停止する。立ち下がりエッジに対する補正量Cfに関しても同様の処理が行われる。
<1.4.製造検査作業>
図10は、製造検査作業の一例の説明図である。オペレーションBAにおいて、制御部10の組み立てが行われる。オペレーションBBにおいて、制御部10の組み立てが正常に完了した否かが判断される。制御部10の組み立てが正常に完了した場合(オペレーションBB:Y)に処理はオペレーションBCへ進む。制御部10の組み立てが正常に完了しなかった場合(オペレーションBB:N)に処理はオペレーションBKへ進む。
オペレーションBCにおいて検査装置200は、制御部10単体の単品検査を行う。オペレーションBDにおいて、検査装置200は、制御部10の単品検査の結果が全て正常か否かを判断する。制御部10の単品検査の結果が全て正常の場合(オペレーションBD:Y)に処理はオペレーションBEへ進む。制御部10の単品検査のいずれかの結果が正常でない場合(オペレーションBD:N)に処理はオペレーションBKへ進む。
オペレーションBEにおいて、制御部10とモータ31の合体作業が行われる。オペレーションBFにおいて、制御部10とモータ31の合体が正常に行われたか否かが判断される。合体が正常に行われた場合(オペレーションBF:Y)に処理はオペレーションBGへ進む。合体が正常に行われなかった場合(オペレーションBF:N)に処理はオペレーションBKへ進む。
オペレーションBGにおいて検査装置200及び制御部10は、ホールセンサの出力信号が示すロータ位置の補正や、制御部10が行うその他の制御の補正を行う製造時補正処理を行う。製造時補正処理については後述する。オペレーションBHにおいて検査装置200は、製造時補正処理において判定されたエッジに対する補正量の状態を示す補正ステータスが正常であるか否かを判断する。補正ステータスが正常である場合(オペレーションBH:Y)に処理はオペレーションBIへ進む。補正ステータスが正常でない場合(オペレーションBH:N)に処理はオペレーションBKへ進む。
オペレーションBIにおいて検査装置200は、制御部10の入出力特性検査を行う。オペレーションBJにおいて検査装置200は、制御部10の入出力特性検査の結果が全て正常か否かを判断する。制御部10の入出力特性検査の結果が全て正常の場合(オペレーションBJ:Y)に処理は終了する。制御部10の入出力特性検査のいずれかの結果が正常でない場合(オペレーションBJ:N)に処理はオペレーションBKへ進む。オペレーションBKにおいて、制御部10に関する異常時処置が行われる。異常時処置では、対象の制御部10は、例えば修理若しくは再検査され、又は製造ラインから除外される。
<1.5.製造時補正処理における検査装置の動作>
続いて、図10に示す製造時補正処理について説明する。図11は、電動油圧パワーステアリング装置1の製造時補正処理のうち検査装置200側の処理の一例の説明図である。オペレーションCAにおいて検査装置200は、補正要求信号を制御部10へ送信する。オペレーションCBにおいて検査装置200は、補正要求信号に対して制御部10から送信される補正ステータスの受信のタイムアウト時間が経過するか否かを判断する。タイムアウト時間が経過した場合(オペレーションCB:Y)に処理はオペレーションCGへ進む。タイムアウト時間が経過していなければ(オペレーションCB:N)処理はオペレーションCCへ進む。
オペレーションCCにおいて検査装置200は、制御部10から補正ステータスを受信したか否かを判断する。補正ステータスが受信された場合(オペレーションCC:Y)に処理はオペレーションCDへ進む。補正ステータスが受信されていない場合(オペレーションCC:N)に処理はオペレーションCBへ戻る。
オペレーションCDにおいて検査装置200は、制御部10から受信した補正ステータスが正常であるか否かを判断する。受信した補正ステータスが正常である場合(オペレーションCD:Y)に処理はオペレーションCEへ進む。受信した補正ステータスが正常でない場合(オペレーションCD:N)に処理はオペレーションCGへ進む。オペレーションCEにおいて検査装置200は、エッジに対する補正量の補正ステータスが正常であると判断する。その後処理はオペレーションCFへ進む。
オペレーションCFにおいて検査装置200は、その他の制御項目に関する補正処理を行い、処理を終了する。オペレーションCGにおいて検査装置200は、エッジに対する補正量の補正ステータスが異常であると判断する。その後に処理は終了する。
<1.6.製造時補正処理における処理部の動作>
図12は、電動パワーステアリング装置の製造時におけるホールセンサ出力の補正処理のうち制御部側の処理の一例の説明図である。オペレーションDAにおいて補正量算出部46は、検査装置200から補正要求信号を受信したか否かを判断する。補正要求信号が受信された場合(オペレーションDA:Y)に処理はオペレーションDBへ進む。補正要求信号が受信されない場合(オペレーションDA:N)に処理はオペレーションDAへ戻る。
オペレーションDBにおいて補正量算出部46は、端子電圧検出部82を起動する。オペレーションDCにおいて駆動素子決定部47及び回転速度演算部48は、モータ31の120度通電制御を開始する。オペレーションDD〜DMの処理は、図7のオペレーションAC〜ALと同様である。
オペレーションDNにおいて判定部50は、立ち上がりエッジに対する補正量Crが、製造時の下限閾値Ldprより大きく、上限閾値Luprより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldpr<補正量Cr<上限閾値Luprの場合(オペレーションDN:Y)に処理はオペレーションDOに進む。下限閾値Ldpr<補正量Cr<上限閾値Luprでない場合(オペレーションDN:N)の場合に処理はオペレーションDQに進む。
オペレーションDOにおいて判定部50は、立ち下がりエッジに対する補正量Cfが、製造時の下限閾値Ldpfより大きく、上限閾値Lupfより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldpf<補正量Cf<上限閾値Lupfの場合(オペレーションDO:Y)に処理はオペレーションDPに進む。下限閾値Ldpf<補正量Cf<上限閾値Lupfでない場合(オペレーションDO:N)の場合に処理はオペレーションDQに進む。
オペレーションDPにおいて判定部50は、エッジに対する補正量の補正ステータスの値を「正常」に設定する。その後処理はオペレーションDRへ進む。オペレーションDQにおいて判定部50は、補正ステータスの値を「異常」に設定する。その後処理はオペレーションDRへ進む。オペレーションDRにおいて判定部50は、補正ステータスを検査装置200へ送信する。オペレーションDSにおいて判定部50は、算出されたCr及びCfを、製造時の立ち下がりエッジ及び立ち下がりエッジに対する補正量Cpr及びCpfとしてメモリ90に記憶する。その後に処理は終了する。
<1.7.実施例の効果>
本実施例によれば、ステータコイルの誘起電圧とホールセンサ出力とに基づいて算出した補正量Cr及びCfに応じてホールセンサ出力の異常を判定することにより、ホールセンサ出力の異常に起因する補正量Cr及びCfの誤学習を低減することができる。
モータへのホールセンサの取付けには製造バラツキがあるため、補正量Cr及びCfには、製造時に許容された幅の製造時個体差がある。このため、ホールセンサ出力の異常検出感度を高く設定すると、補正量Cr及びCfの製造個体差が比較的大きいモータでは微量の補正量Cr及びCfの経年変化でも異常と検出され、補正量の学習を行えなくなる恐れがある。また、一方で異常検出感度を低く設定すると異常検出が遅れてしまう。
本実施例では、製造時の検査の際には、補正量が製造個体差の許容範囲内であればこの補正量による補正を実行する。一方、運用時にホールセンサ出力の異常判定に使用する判定閾値としては、製造個体差の許容範囲とは別に、製造時に測定された補正量を基準に判定閾値が定められる。運用時には、この運用時の閾値に基づきホールセンサ出力の異常か否かを判断し、補正量が閾値を超えなければ補正を実行する。したがって、製造個体差の大小に関わらず製造後に生じた補正量の経年変化のみを判断できる判定閾値を設定することができる。
このため、運用時の異常検出に使用される判断閾値を、製造個体差の許容範囲に関わらず任意に設定することができる。したがって、ホールセンサ出力の異常の検出感度を高め、補正量の誤学習をより低減することが可能となる。例えば、図9の許容範囲の例のように、製造時の許容範囲Rprに比べて狭い許容範囲Rarの上限閾値及び下限閾値を運用時の異常判定に使用することにより、製造バラツキが比較的大きくてもホールセンサ出力の異常の検出感度を高めることができる。また、例えば、図9の許容範囲の一例のように、製造バラツキの範囲Rpr内であっても、補正量が運用時の補正量の許容範囲Rarを超えた場合にホールセンサ出力の異常を検出することができる。
<1.8.変形例>
続いて、実施例の変形例について述べる。上記実施例では、補正量算出部46は、モータ31の120度通電制御が行われている期間に補正量Cr及びCfを算出した。他の実施例では、120度通電期間以外であっても、1通電期間が180度よりも小さく各相にオフ期間が生じる方式で通電制御される期間に補正量Cr及びCfを算出してもよい。
また、上記実施例では、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジについてそれぞれ補正量Cr及びCfを決定して、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの位相の補正を行った。他の実施例では、補正量Cr及びCfのいずれか一方のみを算出して、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両方の位相の補正に使用してもよい。
<3.第2実施例>
続いて、電動油圧パワーステアリング装置1の他の実施例について説明する。ホールセンサの出力のノイズが各相ごとに重畳する場合が想定される。したがってある相のホールセンサ出力だけ他の相の出力と異なり、エッジに対する補正量の経時変化の相コイル間の差分が大きい場合には、ホールセンサ出力にノイズが重畳したと判断できる。
図13は、各相の補正量の経時変化の例を示す図である。実線で示すグラフは、それぞれU相、V相及びW相におけるエッジに対する運用時の補正量の経時変化を示す。点線で示した値Cpu、Cpv及びCpwは、U相、V相及びW相における製造時のエッジに対する補正量を示す。運用時の補正量と製造時の補正量との差が、補正量の経時変化量に相当する。
図13の例では、V相及びW相の補正量の経時変化量に比べて、U相の補正量の経時変化量だけ大きい。このため、U相のホール素子84uの出力にノイズが重畳していると判断できる。そこで、第2実施例は、エッジに対する補正量の経時変化量の相コイル間の差分が閾値より大きくなった場合にもホールセンサ出力が異常であると判断し、エッジに対する補正量の学習を停止する。
判定部50は、次式(1)〜(3)によりエッジに対する補正量の経時変化量の相コイル間の差分ΔC1、ΔC2及びΔC3を算出する。
ΔC1=|U相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量−V相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量| (1)
ΔC2=|V相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量−W相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量| (2)
ΔC3=|W相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量−U相で測定したエッジに対する補正量の経時変化量| (3)
判定部50は、経時変化量の差分ΔC1、ΔC2及びΔC3のいずれかが所定の閾値を超えた場合にホールセンサ出力の異常と判断し、補正量の学習を停止する。
図14は、電動油圧パワーステアリング装置1の運用時におけるホールセンサ出力の補正処理の第3例の説明図である。オペレーションEA〜ELの処理は、図7のオペレーションAA〜ALの処理と同様である。オペレーションEMにおいて判定部50は、立ち上がりエッジに対する補正量Crが、下限閾値Ldarより大きく、上限閾値Luarより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldar<補正量Cr<上限閾値Luarの場合(オペレーションEM:Y)に処理はオペレーションENに進む。下限閾値Ldar<補正量Cr<上限閾値Luarでない場合(オペレーションEM:N)の場合に処理は終了する。
オペレーションENにおいて判定部50は、立ち下がりエッジに対する補正量Cfが、下限閾値Ldafより大きく、上限閾値Luafより小さいか否かを判断する。下限閾値Ldaf<補正量Cf<上限閾値Luafの場合(オペレーションEN:Y)に処理はオペレーションEOに進む。下限閾値Ldaf<補正量Cf<上限閾値Luafでない場合(オペレーションEN:N)の場合に処理は終了する。
オペレーションEOにおいて判定部50は、エッジに対する補正量の経時変化量の相コイル間の差分が閾値より大きいか否かを判断する。差分が閾値より大きい場合(オペレーションEO:Y)に処理は終了する。差分が閾値より大きくない場合(オペレーションEO:N)に処理はオペレーションEPに進む。オペレーションEPの処理は、図7のオペレーションAOの処理と同様である。
本実施例によれば、エッジに対する補正量が運用時における許容範囲を超える前であっても、補正量の経時変化量の相間の差分に基づいて補正量を停止することができる。このため補正量の誤学習をより低減することができる。
1 電動油圧パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 コラムシャフト
4 前輪
5 ラック
6 ピニオン
30 電源
33 パワーシリンダ

Claims (5)

  1. ホールセンサからの出力信号に応じてロータの位置を検出する同期モータの制御装置であって、
    前記同期モータのステータコイルに生じる誘起電圧に応じて、前記ホールセンサの出力信号の位相補正量を算出する補正量算出部と、
    基準値が記憶された記憶部と、
    前記補正量算出部によって算出された位相補正量と前記基準値との差分が所定値以上の場合に、前記ホールセンサが故障であると検出する故障検出部と、
    前記記憶部に記憶された前記位相補正量によって補正された前記ロータの検出位置に基づいて前記同期モータを制御する制御部と、
    前記補正量算出部による初回補正後に、前記記憶部に記憶した基準値を前記補正量算出部による位相補正量に基づいて更新する基準値更新部と、を備え、
    前記故障検出部は、前記基準値更新部による基準値の更新が行なわれると、前記所定値を小さい値に変更することを特徴とする制御装置。
  2. 前記基準値更新部による基準値の更新前に使用される前記所定値は、前記同期モータの製造時に許容される前記位相補正量の個体差であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記補正量算出部によって算出された位相補正量と前記基準値との差分が所定値未満の場合に、前記記憶部に記憶された位相補正量を更新する位相補正量更新部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記位相補正量更新部は、異なる相のステータコイルについてそれぞれ算出した、前記補正量算出部によって算出された位相補正量と前記基準値との差分同士の差に応じて、前記記憶部に記憶された位相補正量を更新するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の異常検出装置。
  5. ホールセンサからの出力信号に応じてロータの位置が検出される同期モータの制御方法であって、
    前記同期モータのステータコイルに生じる誘起電圧に応じて、前記ホールセンサの出力信号の位相補正量を算出し、
    前記位相補正量と所定の記憶部に記憶される前記基準値との差分が所定値以上の場合に、前記ホールセンサが故障であると検出し、
    前記記憶部に記憶された前記位相補正量によって補正された前記ロータの検出位置に基づいて前記同期モータを制御し、
    前記位相補正量による初回補正後に、前記記憶部に記憶した基準値を前記位相補正量に基づいて更新し、
    前記記憶部に記憶した基準値を更新すると前記所定値を小さい値に変更する、
    ことを特徴とする制御方法。
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