JP2013179705A - 周波数領域多重信号受信方法及び周波数領域多重信号受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周波数領域に多重された受信信号を復号する周波数領域多重信号受信方法は、周波数領域に多重された受信信号からデジタル信号を取得するデジタル信号取得ステップと、前記得られたデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャネル数に分岐する分岐ステップと、前記分岐された各信号系列に対し、相関の低い異なる係数を初期ウエイトとして記憶する初期係数記憶ステップと、前記分岐された各信号系列に対し、前記異なる係数で等化を行う等化ステップと、前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号ステップと、を有する。
【選択図】図10
Description
また、本発明は、周波数領域に多重された受信信号を、離散フーリエ変換を行わずに等化する周波数領域多重信号受信方法及び周波数領域多重信号受信装置に関する。
本願は、2009年7月17日に日本に出願された特願2009−169460号、及び、2009年7月17日に日本に出願された特願2009−169455号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
OFDMでは、受信信号を離散化するアナログデジタル変換器(ADC:Analog Digital Converter)におけるサンプリング周波数が、受信信号のBaud rate(ボーレート)の2倍の周波数より低い周波数に設定できる利点がある。このため、例えば、IEEE802.11aに適用される無線LAN(Local Area Network)では、信号帯域20MHz(メガヘルツ)のうち、16.6MHz程度の帯域をデータ信号として用いることが知られている。
の周波数より低い周波数に設定できる利点は、特にADCのサンプリング周波数によって適用限界が制限される光通信や、高周波の無線通信においては、低いサンプリング周波数のADCによって効率的に信号を伝送可能となることである。
さらに、OFDMにおいて、周波数チャネル数を増やすほど、ガードインターバルの設定が容易となり、各周波数チャネルにおいてフラットフェージングを仮定できる。このため、実用されている無線システムでは64〜1024程度の周波数チャネル数が選ばれている。また、一般にOFDMシステムでは、受信装置における周波数が「0」、つまり直流成分に対応する周波数チャネルを有する。この直流成分に対応する周波数チャネルでは、信号間干渉や雑音の影響で特性が劣化する。そのため、これらに対応する周波数チャネルは、一般に用いられていない。
受信装置において、送信信号のPeak to average power ratio (PAPR)が通信品質に大きな影響をもたらす場合などは、多数の周波数チャネル数を設定できない。又は、フィルタを用いてOFDMの一部を分離した場合においても、受信信号の周波数帯域に含まれるOFDMの周波数チャネル数は、フィルタの影響によって少なくなる。
このような場合において、ガードインターバルを用いずとも、受信側で各周波数チャネルに対し、等化処理を行うことで復号することも可能である。ただし、サブキャリア数が少なくなるため、IEEE802.11aのように直流成分を中心とする周波数チャネルを有し、かつこの周波数チャネルが雑音や信号間干渉の影響を受けるためデータ信号の伝送に用いないと、通信速度における損失が大きくなる。
送信信号を生成した送信装置と、送信された信号を受信信号として受信を行う受信装置は、それぞれ異なる基準信号発生装置に接続される。それぞれの基準信号発生装置の周波数には、通常周波数ずれが存在する。そのため、受信装置は、送信装置の周波数に同期して送信された受信信号から、フィルタで特定の周波数領域を切り出す場合や、フーリエ変換を行う場合に、受信信号との周波数ずれを精度よく補償する必要がある。受信装置では、その周波数がずれると、隣接周波数チャネルの信号がもれ込むことにより、信号品質が劣化する。特に同期検波を行う光通信においては、送信に用いるレーザ光と、受信に用いるレーザ光の間に生じる周波数ずれが大きく、このような問題が生じやすい。
本発明の実施形態の第1の目的は、受信信号の周波数帯域の2倍の周波数より低い周波数で標本化できる周波数領域多重信号受信方法と周波数領域多重信号受信装置を提供することである。
本発明の実施形態の第2の目的は、フーリエ変換を独立して行うことなく、復号を行う周波数領域多重信号受信方法及び周波数領域多重信号受信装置を提供することである。
これにより、少ない周波数チャネルを受信する場合において、フーリエ変換を用いて受信信号を周波数領域の信号に変換しても、送信した信号に対応する周波数チャネルを適切に選択できる。また、フーリエ変換を用いて信号位置を取得するためのADCのサンプリング周波数を低下させることができる。
これにより、離散フーリエ変換を行うことなく、直交周波数分割多重方式で送信された信号を復号することができる。
これにより、周波数領域に多重された受信信号を、離散フーリエ変換を行うことなく等化することで、復号する周波数チャネルの独立した離散フーリエ変換部を省き、受信装置構成を簡易化することが可能となる。
図1は、本発明のB1実施形態による受信装置の構成を示す構成図である。
この図に示される、受信装置210は、デジタル信号取得回路2101、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102、及び、復号回路2103を備える。
デジタル信号取得回路2101は、受信した信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、受信したアナログ信号に応じて変換されたデジタル信号に、後述するオフセット離散フーリエ変換を行い、受信した信号に対応する周波数チャネルを出力する。復号回路2103は、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102によって変換された各周波数チャネルの受信信号から、送信された信号の復号を行う。
n個の複素数列X0, …, Xn-1に対して離散フーリエ変換を行うと、n個の複素数列Y0, …, Yn-1が得られる。k番目の周波数チャネルの信号Ykを、式(B1)に示す。
図2は、信号の中心周波数の基準信号で同期検波した際の信号の強度分布を示す模式図である。図2において、符号Qは、本実施形態における3つの周波数チャネルが対応する周波数帯域を示している。
例えば、5Gbaud(ギガボー)の信号からなる、2つの周波数帯に対応する2キャリアOFDM信号を受信する場合を仮定する。隣接する周波数チャネルの間隔Iは、5GHz(ギガヘルツ)になる。
図2は、ベースバンドにおける信号のスペクトラムを表しているため、直流成分(周波数0)以下のマイナスの周波数が定義されている。ADCが15GHzである場合は、−7.5GHz〜0GHzは、7.5GHz〜15GHzと等価である。
一般に、OFDMで周波数領域に多重される周波数チャネルの数は偶数であり(非特許文献2参照)、1又は偶数個の周波数チャネルごとに扱う方が、データの信号処理を行いやすい。このため、偶数の周波数チャネルの信号を、低いサンプリングレートのADCで取得するためには、離散フーリエ変換のポイント数を奇数とすることが有効となる。この場合には、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、中央の偶数個の周波数チャネルの結果を、復号回路2103に出力する。
ブロック毎に行う場合は、受信系列Xkに対し、(Xd, … , Xd+(n-1)), (Xd+G, … , Xd+(G+n-1)), (Xd+2G, … , Xd+(2G+n-1))… とGシンボル毎にオフセット離散フーリエ変換を行う。ここでdは信号の先頭位置である。畳み込み演算を行う場合には、式(B2)においてXiに乗算している係数を受信信号に畳み込み演算することができる。また、G=1としてブロック演算を行っても同様である。
図3は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
受信装置210は、受信信号を受信すると、デジタル信号取得回路2101は、受信した受信信号に応じてデジタル信号に変換する(ステップS11)。奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、奇数ポイント数のオフセット離散フーリエ変換を行う(ステップS12)。
復号回路2103は、得られた信号に対応する各周波数チャネルの信号を復号する(ステップS13)。
以上の処理手順にしたがった受信方法では、サンプリングクロック周波数を周波数帯域の2倍の周波数より低下させたADCを用いた場合でも、所望の受信信号を復号することが可能になる。上記ステップにおいて、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、変換されたデジタル信号の周波数ずれを示す周波数ずれ情報に応じて周波数ずれを補償することもできる。また、復号回路2103は、推定された周波数ずれ信号を、周波数ずれ補償回路2102にフィードバックすることもできる。
図4は、本発明の第B2実施形態による受信装置の構成を示す構成図である。
この図に示される、受信装置220は、デジタル信号取得回路2201、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2202、復号回路2203、及び、周波数ずれ補償回路2204を備える。
デジタル信号取得回路2201は、受信した信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
周波数ずれ補償回路2204は、送信信号に挿入された検定信号に対応する受信信号、送信された信号の変調方式の特徴、他受信回路ブロックから入力された周波数ずれ情報、のいずれかを用いて受信信号に生じている周波数ずれを補償する。受信信号に生じている周波数ずれは、送信信号を生成した周波数と、受信装置220が基準とする周波数との周波数偏差を示す。
奇数オフセット離散フーリエ変換回路2202は、受信したアナログ信号に応じて変換され、周波数ずれ補償回路2204が周波数ずれを補償したデジタル信号に、後述するオフセット離散フーリエ変換を行い、受信した信号に対応する周波数チャネルを出力する。
復号回路2203は、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2202によって変換された各周波数チャネルの受信信号から、送信された信号の復号を行う。
周波数ずれ補償回路2204において、式(B4)に示す周波数変換を予め行うこともできる。
Δfとして、復号回路2203において推定された周波数ずれ信号をフィードバックしてもよい。
図5は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
受信装置220は、受信信号を受信すると、デジタル信号取得回路2201は、受信した受信信号に応じてデジタル信号に変換する(ステップS21)。周波数ずれ補償回路2204は、変換されたデジタル信号の周波数ずれを示す周波数ずれ情報に応じて周波数ずれを補償する(ステップS22)。奇数オフセット離散フーリエ変換回路2202は、奇数ポイント数のオフセット離散フーリエ変換を行う(ステップS23)。
復号回路2203は、得られた信号に対応する各周波数チャネルの信号を復号する。また、復号回路2203は、推定された周波数ずれ信号を、周波数ずれ補償回路2204にフィードバックする(ステップS24)。
ステップS24で記録された周波数ずれ情報は、繰り返し行われる演算処理によって導かれ、周波数ずれ補償回路2204における参照情報として利用される。
以上の処理手順にしたがった受信方法では、サンプリングクロック周波数を周波数帯域の2倍の周波数より低下させたADCを用いた場合でも、所望の受信信号を復号することが可能になる。
図6は、本発明の第B3実施形態による受信装置の構成を示す構成図である。
この図に示される、受信装置230は、デジタル信号取得回路2301、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302、復号回路2303、及び、周波数ずれ推定回路2304を備える。
デジタル信号取得回路2301は、受信した信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。周波数ずれ推定回路2304は、送信信号に挿入された検定信号に対応する受信信号、送信された信号の変調方式の特徴、他受信回路ブロックから入力された周波数ずれ情報、のいずれかを用いて受信信号に生じている周波数ずれを補償する。受信信号に生じている周波数ずれは、送信信号を生成した周波数と、受信装置230が基準とする周波数との周波数偏差を示す。
奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302は、受信したアナログ信号に応じて変換され、周波数ずれを考慮した奇数オフセット離散フーリエ変換を行い、受信した信号に対応する周波数チャネルを出力する。
周波数ずれ推定回路2304は、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302から出力された周波数チャネルのデジタル信号を用いて、残留する周波数ずれ情報を推定し、オフセットフーリエ変換回路2302に出力する。また、周波数ずれ推定回路2304は、デジタル信号を復号回路2303へ出力する。
復号回路2303は、周波数ずれ推定回路2304が出力したデジタル信号であって、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302によって変換された各周波数チャネルの受信信号から、送信された信号の復号を行う。
又は、このように周波数ずれを補償する機能を奇数オフセット離散フーリエ変換回路が有することで、各周波数チャネルにおける残留周波数ずれが個別に補償できる。よって、周波数ずれ推定回路2304は、各周波数チャネルに対して周波数ずれを推定し、周波数ずれ情報をそれぞれ奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302に出力し、各周波数チャネルにおいて周波数ずれを補償することもできる。また、復号回路2303は、各周波数チャネルの周波数ずれを推定し、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302に出力することもできる。この場合式(B5)におけるΔfは各周波数チャネルに異なり、Δfkをk番目の周波数チャネルの周波数ずれとして用いることができる。
図7は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
受信装置230は、受信信号を受信すると、デジタル信号取得回路2301は、受信した受信信号に応じてデジタル信号に変換する(ステップS31)。奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302は、変換されたデジタル信号の周波数ずれを示す周波数ずれ情報に応じて周波数ずれを補償し、奇数ポイント数のオフセット離散フーリエ変換を行う(ステップS32)。
周波数ずれ推定回路2304は、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302から出力された周波数チャネルのデジタル信号を用いて、残留する周波数ずれ情報を推定し、オフセットフーリエ変換回路2302に出力する。奇数オフセット離散フーリエ変換回路2302は、推定された周波数ずれ情報を内部の記憶部に記録する(ステップS33)。
周波数ずれ推定回路2304は、デジタル信号を復号回路2303へ出力する。
復号回路2303は、得られた信号に対応する各周波数チャネルの信号を復号する(ステップS34)。
ステップS34で記録された周波数ずれ情報は、周波数ずれ推定回路2304によって繰り返し行われる演算処理によって導かれ、更新される。
以上の処理手順にしたがった受信方法では、サンプリングクロック周波数が低いADCを用いた場合でも、所望の受信信号を復号することが可能になる。
図8A〜8Cは、周波数チャネルの配置とオフセット離散フーリエ変換のポイント数を示す図である。図8Aは、オフセット離散フーリエ変換回路2302が、図2に示したように2つの周波数チャネルを3ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行う場合の例を示す。
特に図2に示したように2つの周波数チャネルを3ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行う場合では、1.5倍のオーバサンプルで信号を復号できるため、2倍のオーバサンプルを必要とする場合に比べ、ADCのクロックを25%低く設定することができ、特に有効にオフセット離散フーリエ変換を活用できる。
図8Bでは、4つの周波数チャネルを受信し、7ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行う場合を示す。その場合の受信信号の変換に用いるADCのサンプリング周波数は、1つの周波数チャネルの帯域幅の1.75倍となり、ADCのクロックを12.5%低く設定できる。
図8Cでは、同じく4つの周波数チャネルを受信し、5ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行う場合を示す。その場合の受信信号の変換に用いるADCのサンプリング周波数は、1つの周波数チャネルの帯域幅の1.25倍となる。この場合、ADCのクロックを37.5%低く設定できるが、オーバサンプルが低いため、特性の劣化が生じる可能性がある。
また、7ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行う場合では、6つの周波数チャネルを受信することができ、さらに、7ポイント、9ポイント、11ポイントのオフセット離散フーリエ変換を行うこともできる。
以上に示した本発明の実施形態によれば、少数の周波数チャネルを含んだ受信信号を、フーリエ変換を用いて周波数変換する際に、変換位置をフーリエ変換の位置とずらすことで、送信信号を適切に分離することができ、ADCの動作クロックを低く設定することができる。
図9は、偏波を多重して送信した信号の受信結果を示す図である。
この図の縦軸は、Qファクター(factor)(dB(デシベル))を示し、横軸は、光信号対雑音比(OSNR)(dB)を示す。
この図に示す受信結果は、偏波を多重して送信した111Gb/s(ギガビット/秒)のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)−2キャリアOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を用いた通信における受信信号を測定したものである。
図7において、4ポイントオフセット離散フーリエ変換の結果として、50GS/sで受信した信号を55.5GS/sにリサンプルして復号した結果(グラフ2Sb)を示し、それに対し本実施形態による結果として、46.1GS/sの受信信号に、3ポイントオフセット離散フーリエ変換を用いた場合のQ-factorをOSNRに対して算出した結果(グラフ2Sa)を示す。図に示されるように、本実施形態(グラフ2Sa)では、ADCのサンプリングクロックの周波数を大きく低下させているにもかかわらず、55.5GS/sのデータを用いた4ポイントオフセット離散フーリエ変換の結果(グラフ2Sb)とほぼ同等の特性が得られていることが確認できる。
これにより、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、少ない周波数チャネルを受信する場合において、フーリエ変換を用いて受信信号を周波数領域の信号に変換しても、送信した信号に対応する周波数チャネルを適切に選択できる。また、デジタル信号取得回路2101は、フーリエ変換を用いて信号位置を取得するためのADCのサンプリング周波数を低下させることができる。
これにより、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、周波数ずれを補償したデジタル信号をオフセット離散フーリエ変換できることから、オフセット離散フーリエ変換の精度を高めることができる。
これにより、周波数ずれ推定回路2304は、演算結果に基づいて周波数ずれを推定し、推定された周波数ずれ情報に基づいて補償したデジタル信号をオフセット離散フーリエ変換できることから、オフセット離散フーリエ変換の精度をさらに高めることができる。
これにより、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、送信された信号に対応する周波数チャネルの情報を、畳み込み演算を用いて行うことにより、直流成分などに影響されることなく必要な情報を分離することができる。
これにより、奇数オフセット離散フーリエ変換回路2102は、1つの周波数チャネルに直流成分などの不要な情報を集約することができ、取得する2つの周波数チャネルの情報の品質を上げることができる。また、周波数帯域の2倍の周波数以下のサンプリングクロック周波数によってADCがデジタル信号に変換することができる。
これにより、各周波数チャネルに独立して検出された周波数ずれを補償することにより、それぞれの周波数チャネルに適した周波数で必要な情報を変換することができる。
図10は、本発明のA1実施形態による受信装置の構成を示す構成図である。
この図に示される、受信装置110は、デジタル信号取得回路1101、分岐回路1102、等化回路1103、復号回路1104、及び、初期係数記憶回路1105を備える。
デジタル信号取得回路1101は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する。
分岐回路1102は、デジタル信号取得回路1101が受信した受信信号に含まれる周波数チャネルであって、復号を行う周波数チャネルのチャネル数(L系列)に、デジタル信号取得回路1101が変換したデジタル信号を複製し分岐する。
k番目の周波数チャネルの信号に対する等化は、等化ウエイトwk,iを用いて、以下の式(A1)で表すことができる。
送信において偏波多重を行った場合には、2つの直交する偏波に対する信号SX,k,iとSY,k,iはそれぞれ以下の式(A2)で得ることができる。
初期ウエイトとしては、離散フーリエ変換で対応する周波数チャネルを抜き出すための係数を選ぶことができる。離散フーリエ変換は、以下の式で与えられる。n個の複素数列X0,…,Xn-1に対して離散フーリエ変換を行うと、k番目の周波数チャネルの信号Ykは、式(A3)に示される。
偏波多重を用いて、送信においてX偏波とY偏波に異なる信号を送信する場合の初期ウエイトとしては、wXX,k = [wXX,k,1, wXX,k,2, …, wXX,k,M]T とwYX,k= [wYX,k,1, wYX,k,2, …, wYX,k,M]Tの初期値として、[0, 0, …, 0, ak,0, ak,1, …, ak,n-1, 0, 0, …0]Tと[0, 0, ..., 0]Tを設定し、wXY,k = [wXY,k,1, wXY,k,2, …, wXY,k,M]T とwYY,k= [wYY,k,1, wYY,k,2, …, wYY,k,M]Tを [0, 0, ..., 0]Tと[0, 0, …, 0, ak,0, ak,1, …, ak,n-1, 0, 0, …0] Tとなるように設定することで同じ周波数チャネルに対応する等化ウエイトとしながら、直交するように設定できる。または、直交条件を満たすような関係を偏波間に与えることもできる。例えば2×2のウォルシュの直交符号を用いる場合には、wXX,k とwYX,kの初期値として、[0, 0, …, 0, ak,0, ak,1, …, ak,n-1, 0, 0, …0]Tと[0, 0, …, 0, ak,0, ak,1, …, ak,n-1, 0, 0, …0] Tを設定し、wXY,kとwYY,k Tを [0, 0, …, 0, ak,0, ak,1, …, ak,n-1, 0, 0, …0] Tと[0, 0, …, 0, -ak,0, -ak,1, …, -ak,n-1, 0, 0, …0] Tとなるように設定することで同じ周波数チャネルに対応する等化ウエイトとしながら、直交するように設定できる。
つまり、wXX,k= [0, 0, …, 0, bxxak,0, bxxak,1, …, bxxak,n-1, 0, 0, …0]T、wYX,k = [0, 0, …, 0, byxak,0, byxak,1, …, byxak,n-1, 0, 0, …0]T、wXY,k = [0, 0, …, 0, bxyak,0, bxyak,1, …, bxyak,n-1, 0, 0, …0]T、wYY,k= [0, 0, …, 0, byyak,0, byyak,1, …, byyak,n-1, 0, 0, …0]T、とした際に、bxxbxy+byxbyyが0もしくは0に近似できる小さい値になるように、bxx、byx、bxy、byyを設定することができる。また、bxx、byx、bxy、byyは各周波数チャネルで独立に設定することもできる。
または、分岐回路1102において、各周波数チャネルに対し、それぞれ周波数をシフトさせ、出力することができる。この場合には、k番目の周波数チャネルの復号用として分岐したk番目の受信信号は、以下の演算を行った上で分岐回路102から出力される。
図を参照して本発明の第A2実施形態について説明する。
図11は、本発明の第A2実施形態による受信装置の構成を示す構成図である。
この図に示される、受信装置120は、光電気変換回路1200、デジタル信号取得回路1201、分岐回路1202、等化回路1203、復号回路1204、及び、初期係数記憶回路1205を備える。この受信装置120は、光信号を受信する。
デジタル信号取得回路1201は、光電気変換回路1200が変換した電気信号をデジタル信号に変換する。
分岐回路1202は、デジタル信号取得回路1201が変換した受信信号に含まれる周波数チャネルであって、復号を行う周波数チャネルのチャネル数(L系列)に、デジタル信号取得回路1201が変換したデジタル信号を複製し分岐する。
初期係数記憶回路1205は、式(A3)で示される離散フーリエ変換係数、または離散フーリエ変換係数と高い相関を持つ係数、またはそれらの一部を用いて表せる係数を記憶する。
復号回路1204は、等化回路1203が取り出した特定の周波数チャネルの信号を復号する。同期検波を行う光通信では、特に送信装置と受信装置でのレーザ間の波長ずれが大きいため、フーリエ変換のための周波数ずれ補償機能を必要としないことで、回路規模を小さくすることができる。
分岐回路1202は、式(A4)と同様に、分岐後の信号の周波数をそれぞれシフトさせ、出力することができる。
光通信における周波数ずれの最大値は周波数チャネルの帯域幅より大きくなることも考えられるため、分岐回路1202は、受信信号に含まれる既知信号や、スペクトラムの分布から、周波数ずれについて粗推定を行い、全系列に対して式(A4)を用いて周波数をシフトさせ、分岐後の信号の伝送品質を向上することができる。
図12は、偏波を多重して送信した信号の受信結果を示す図である。
この図の縦軸は、Qファクター(factor)(dB)を示し、横軸は、光信号対雑音比(OSNR)(dB)を示す。
この図に示す受信結果は、偏波を多重して送信した111Gb/s(ギガビット/秒)のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)−2キャリアOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を用いた通信における受信信号を測定したものである。
本実施形態に示す方法では、周波数ずれが大きくなるほど、その効果が大きくなる。また、本実施形態に示す受信装置では、フーリエ変換のために消費するチャネルを設けることにより、偏波モード分散に対する耐力の低下が生じる場合があるが、等化のためのタップ数を多くすることにより、その耐力の低下を容易に回避することができる。
これにより、離散フーリエ変換を行うことなく、直交周波数分割多重方式で送信された信号を復号することができる。復号回路1104では、離散フーリエ変換の周波数ずれ推定と補償を不要とすることができる。
これにより、等化回路1103が、各周波数チャネルの中心周波数を取得する離散フーリエ変換の係数を初期値としてブラインドで等化を行うことにより、等化する周波数チャネルに離散フーリエ変換を行うことなく、直交周波数分割多重方式で送信された信号を復号することができる。
これにより、分岐された信号の周波数が変換され、周波数ずれを補正できることから、等化処理、復号処理の受信品質を確保できることから、離散フーリエ変換を行うことなく、直交周波数分割多重方式で送信された信号を復号することができる。
これにより、等化された信号が同じ信号となることを防いで離散フーリエ変換を行うことなく、直交周波数分割多重方式で送信された信号を復号することができる。
受信装置120についても同様の効果を得ることができる。
1101 デジタル信号取得回路
1102 分岐回路
1103 等化回路
1104 復号回路
1105 初期係数記憶回路
210 受信装置
2101 デジタル信号取得回路
2102 奇数オフセット離散フーリエ変換回路
2103 復号回路
Claims (7)
- 周波数領域に多重された受信信号を復号する周波数領域多重信号受信方法であって、
周波数領域に多重された受信信号からデジタル信号を取得するデジタル信号取得ステップと、
前記得られたデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャネル数に分岐する分岐ステップと、
前記分岐された各信号系列に対し、相関の低い異なる係数を初期ウエイトとして記憶する初期係数記憶ステップと、
前記分岐された各信号系列に対し、前記異なる係数で等化を行う等化ステップと、
前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号ステップと、
を有する周波数領域多重信号受信方法。 - 周波数領域に多重された受信信号を復号する周波数領域多重信号受信方法であって、
周波数領域に多重された受信信号からデジタル信号を取得するデジタル信号取得ステップと、
前記得られたデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャネル数に分岐する分岐ステップと、
前記分岐された各信号系列に対し、各周波数チャネルに対応する離散フーリエ変換の係数と高い相関を有する係数、またはその少なくとも一部を含む係数を初期ウエイトとして記憶する初期係数記憶ステップと、
前記初期係数記憶ステップにおいて記憶された係数を前記初期ウエイトとして等化を行う等化ステップと、
前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号ステップと、を有する周波数領域多重信号受信方法。 - 前記分岐ステップは、
前記デジタル信号を分岐する際に、前記各周波数チャネルの中心周波数が特定の周波数成分付近となるように周波数変換を行ってから分岐を行い、
前記初期係数記憶ステップは、
離散フーリエ変換において前記特定の周波数成分に対応する離散フーリエ変換の係数と高い相関を有する係数、またはその少なくとも一部を含む係数を前記初期ウエイトとして記憶する
請求項2に記載の周波数領域多重信号受信方法。 - 前記等化ステップにおいて前記等化された各信号系列が同じ信号を示す信号系列に収束しないように、等化係数を調整する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の周波数領域多重信号受信方法。 - 周波数領域に多重された受信信号を復号する周波数領域多重信号受信方法であって、
周波数領域に多重された受信信号を、異なる偏波成分に対して2つ取得し、それぞれからデジタル信号を取得するデジタル信号取得ステップと、
前記得られた2つのデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャンネル数にそれぞれ分岐する分岐ステップと、
前記分岐された各信号系列のうち、k番目の周波数チャネルに対応する2つの信号系列に対し、nポイントの離散フーリエ変換の係数ak,0, ak,1, …, ak,n-1,を用い、2つの偏波成分の信号系列の初期ウエイトとして、一つの偏波に対応する信号の復号のために、[0, …, 0, bxxak,0, bxxak,1, …, bxxak,n-1, 0, … 0]と[0, …, 0, byxak,0, byxak,1, …, byxak,n-1, 0, … 0]を、異なる偏波に対応する信号の復号のために、[0, …, 0, bxyak,0, bxyak,1, …, bxyak,n-1, 0, … 0]と[0, …, 0, byyak,0, byyak,1, …, byyak,n-1, 0, …0]を、それぞれ、bxxbxy+byxbyy=0を満たすように記憶する初期係数記憶ステップと、
前記初期係数記憶ステップにおいて記憶された係数を、2つの偏波成分に対する受信信号に対し前記初期ウエイトとして用い、等化を行う等化ステップと、
前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号ステップと、
を有する周波数領域多重信号受信方法。 - 周波数領域に多重された受信信号を復号する周波数領域信号受信装置であって、
周波数領域に多重された受信信号からデジタル信号を取得するデジタル信号取得部と、
前記得られたデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャネル数に分岐する分岐部と、
前記各周波数チャネルの信号の等化に用いる初期ウエイトを記憶する初期係数記憶部と、
前記分岐された各信号系列に対し、前記初期係数記憶部から入力された係数で等化を行う等化部と、
前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号部と、
を有する周波数領域多重信号受信装置。 - 周波数領域に多重された光信号を復号する周波数領域信号受信装置であって、
前記光信号を電気信号に変換する光電気変換部と、
前記電気信号からデジタル信号を取得するデジタル信号取得部と、
前記得られたデジタル信号に対して、前記復号を行う周波数チャネル数に分岐する分岐部と、
前記各周波数チャネルの信号の等化に用いる初期ウエイトを記憶する初期係数記憶部と、
前記分岐された各信号系列に対し、前記初期係数記憶部から入力された係数で等化を行う等化部と、
前記等化された各信号系列に対し、復号を行う復号部と、
を有する周波数領域多重信号受信装置。
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