JP2013177569A - 多糖類固体の表面修飾方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 省エネルギーかつ低コストであり、強酸や有機試薬を排水中に混入させることなく環境負荷の少ない多糖類固体の表面修飾方法を提供する。
【解決手段】 修飾試薬の分子をシリカゲルなどの粗粒な固体粒子の表面に担持させて、これを多糖類固体と溶液中で攪拌混合することにより多糖類固体の表面に官能基を導入する。使用された修飾試薬担持固体触媒は、遠心分離等の手段によって固体粒子ごと回収し、その後再使用することが可能になる。
【選択図】図2

Description

本発明は、新規な方法による多糖類固体の表面修飾方法に関する。具体的には、触媒的な役割を果たす修飾試薬の分子を含む複合体を固体触媒として利用し、多糖類固体の表面修飾を行う方法に関する。
セルロースは、地球上で最も豊富な天然高分子物質であり、今日の我々の生活において、多くの方面で利用されている有用な生物資源である。特に、これらセルロースを微小なサイズ(幅2〜20nm、長さ100nm〜10μm)に切り出した結晶性棒状粒子はセルロースナノウィスカーと呼ばれ、ナノコンポジットマテリアルの補強繊維として用いる研究が近年盛んに行われている(非特許文献1)。
セルロースナノウィスカーは、一般的に天然のセルロースを硫酸などの無機酸で加水分解することによって得ることができる(非特許文献2)。しかし、この方法によりセルロースナノウィスカーを大量に生産することは、環境負荷や製造装置の耐食性等の観点から多くの問題があると指摘されており、強酸に代わる代替技術による調製方法がこれまで研究されている。
上記の代替技術を用いたセルロースナノウィスカーでは、表面に荷電基が導入されないため分散安定性が悪く、これを改善するための表面荷電基の導入技術について数例の報告がある(非特許文献3、4)。特に、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル(以下、TEMPOという。)を触媒的酸化剤として用いて、セルロースナノウィスカーの表面にカルボキシル基を導入する方法は、セルロースナノウィスカーの表面に存在する一級水酸基のみに位置選択的に反応させることが可能であり、表面改質された良分散セルロースナノウィスカーを高効率に得られる手法として報告されている(特許文献1、非特許文献5)。
国際公開第2009/107637号
Biomacromolecules,(米),2005,Vol.6,p.612-626 Cellulose Communications,2000,Vol.7,p.111-116 Journal of Wood Science,1999,Vol.45,p.258-261 Araki.J、外3名,Physical Chemistry and Industrial Application of Gels,(米),2000,Part1,p.283-288 Langmuir,(米),2001,Vol.17,p.21-27
上記の方法では、溶液中にセルロースを分散させ、そこへ規定量のTEMPO試薬と、臭化ナトリウムなどの臭化物と、例えば次亜塩素酸塩などの酸化剤を添加し攪拌することによって、セルロース表面にカルボキシル基を導入している。この際、TEMPO試薬を含む、反応に使用された溶液は、セルロースの回収・精製の段階で取り除かれ、廃棄処分されている。TEMPO試薬は、本来、触媒的に繰り返し使用することが可能なものであるため、これらを一度の反応で廃棄してしまうのは経済的に著しく不利である。また、TEMPO試薬の廃棄によって、排水中に微量な有機試薬が混入することとなり、環境負荷を高める恐れがある。
本発明は、上記課題に対応するためなされたものであり、反応後に容易に回収、再利用することが可能な多糖類固体の表面修飾方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、多糖類固体の表面に官能基を導入する表面修飾方法であって、多糖類固体を溶媒中に懸濁させる懸濁液調製工程と、前記懸濁液調製工程で調製された懸濁液を、固体粒子の表面に修飾試薬の分子が担持された修飾試薬担持固体触媒により反応させる反応工程と、を備えることを特徴とする。
また、別の本発明は、前記多糖類固体の大きさと前記修飾試薬担持固体触媒の大きさに、少なくとも100倍の差があることを特徴とする。
また、別の本発明は、前記修飾試薬担持固体触媒は、前記修飾試薬の分子と前記固体粒子とを溶媒中で攪拌することにより該固体粒子の表面に担持させる担持工程によって調製されていることを特徴とする。
また、別の本発明は、前記多糖類固体が、幅2〜20nm、長さ100nm〜10μmの繊維状セルロース粒子であることを特徴とする。
また、別の本発明は、前記修飾試薬がN−オキシル化合物であることを特徴とする。
また、別の本発明は、前記反応工程により作られた反応液を、遠心分離後、透析を行って表面修飾された多糖類固体を回収する回収工程と、をさらに備えることを特徴とする。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法は、例えばTEMPO等の修飾試薬を、例えばシリカゲル、あるいは金属微粒子、磁性粒子のような固体粒子上に結合した固体触媒である「修飾試薬担持固体触媒」を用いて、多糖類固体の表面に官能基を導入するものである。触媒として使用する修飾試薬担持固体触媒は、反応させた後の懸濁液から例えば遠心分離や濾過、または電力・磁力などを用いた分離等で回収することが可能である。
TEMPO試薬をシリカゲル上に担持させたTEMPO担持固体触媒についてはこれまでに報告されており(例えばThe Journal of Organic Chemistry,2001,Vol.66,p.8154-8159)、既に産業利用のために実用化されている(例えばSiliaCat(登録商標))。しかし、これらの例ではいずれも、TEMPO担持固体触媒は低分子アルコールの酸化にのみ用いられており、本発明のように、固体表面の反応についてはいまだ検討例がない。固体触媒は、その表面上で反応物と接触反応することにより効果を発揮するため、通常は固体―液体、または固体―気体のような不均一系の触媒反応にのみ用いるのが一般的であるため、接触の機会が制限された固体―固体の反応では、十分な反応速度が得られないと考えられるためである。
発明者らは、鋭意研究を進めた結果、TEMPO等の修飾試薬が担持された固体触媒を、特定条件で固体表面の修飾反応に用いることで、特異的に不均一系触媒反応と同様の触媒反応が認められることを見出した。本発明は、こうした修飾試薬担持固体触媒が有する上記の特性を、セルロースナノウィスカー等の多糖類固体の表面への官能基導入に適用することで、従来例のない、固体触媒による固体の表面修飾を実現する点で新規である。
本発明が、効果を奏する理由については、様々な理由が考えられるが、その一つには、本発明においては、多糖類固体と修飾試薬の大きさに極めて大きな差が設けられていることにより、小さい方の物質が、反応時に大きい方の物質の周囲を取り囲み、即ち液体的に振る舞うことによって、大きな方の物質の表面に広く作用しているためと考えられる。また、本発明における反応が、一般的な表面反応でない可能性や、本発明に係るTEMPO担持固体触媒がセルロース繊維に対する特異的に強い相互作用を有している可能性が考えられる。また、例えば、本発明による表面改質が、TEMPO担持固体触媒と懸濁液との反応によって生じた新規なイオンの作用である可能性や、TEMPOの周囲で生成されたフリーラジカルの作用である可能性も考えられる。
本発明以外に、TEMPOの繰り返し使用による酸化多糖類の製造方法として、例えば特願2009−275888号公報や、特願2009−82232が挙げられる。これらの技術は、本発明とは全く異質な手法により高効率なTEMPOの回収を可能にしているが、その実施の際には、反応液の蒸留のための熱エネルギーや、超臨界二酸化炭素を利用するための高圧環境を作り出すエネルギーが必要となるものと考えられる。本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法は、修飾試薬担持固体触媒と多糖類固体の懸濁液とを室温環境下で攪拌混合するのみの簡易な手法であり、実施に必要なエネルギーが上記の技術と比較して極めて低い点で優位である。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法において、固体粒子に担持させる修飾試薬の種類としては特に制限はなく、TEMPOのほか、一般的な有機試薬の酸化剤または還元剤、触媒の適用が可能である。ただし、本発明においては、TEMPOを使用することで、セルロース微細繊維の表面の一級水酸基のみを位置選択的にカルボキシル化できる点で特に好適である。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法において、修飾試薬を担持する担体の種類に特に制限はなく、シリカのほか、炭化ケイ素、アルミナ、チタニア、ニオビア、ジルコニア、鉄、金、銀、酸化鉄の微粒子などが適用可能である。ただし、入手性の良さ、及び表面への修飾試薬の分子導入の容易さからシリカが好適であり、酸化鉄などの磁性粒子は、多糖類固体に対する修飾性の良さと、磁力を利用して回収できる回収性と繰り返し利用性が良いという利点がある。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法において、修飾試薬を担持する担体の大きさに特に制限はなく、適宜選択可能である。ただし、本発明による効果をより高めるためには、表面修飾を行う多糖類固体の大きさに対して、100倍以上、もしくは1/100倍以下であると好適である。本発明は、大きさの差が大きければ効果を奏すると考えられるため、その大きさの差の上限値については特に設ける必要がないが、100万倍あるいは1/100万倍の大きさであっても効果を奏するものと考えられる。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法において、表面修飾に使用する多糖類固体の種類は特に制限されず、木材パルプやコットンリンター等の植物セルロース、藻類セルロース、原索動物由来セルロース、バクテリアセルロース、再生セルロース、キチン、キトサン、などいずれも適用可能である。また、表面修飾される多糖類固体の形状は特に制限されず、直径、長さ、アスペクト比はいずれであっても適用可能である。だだし、反応によって修飾される表面積を広く確保するためには、幅2〜20nm、長さ100nm〜数μm程度の繊維状であることが望ましい。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法において、使用する共酸化剤の種類に特に制限はなく、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物のいずれも適用可能であるが、入手性が良い点、反応効率がよい点、及び、反応後に塩のみを残す点で、次亜塩素酸ナトリウムが特に好適である。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法は、高価な修飾試薬を繰り返し使用可能にすることで、優れた経済性を有する方法として利用可能である。また、本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法によって処理された多糖類固体、特に多糖類粒子は、優れた分散性を有しており、これを利用した複合材のフィラー等として適用することが可能である。
本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法によれば、省エネルギー低コストで、かつ環境負荷を抑えたプロセスによって多糖類固体の表面修飾を行うことを可能にする。
シリカゲル担持TEMPO触媒による処理後のセルロースナノウィスカーの伝導度滴定の結果のグラフである。 シリカゲルのSEM画像(図2(a)は倍率200倍、図2(b)は倍率1500倍)である。 シリカゲル担持TEMPO触媒(酸化工程前)のSEM画像(図3(a)は倍率200倍、図3(b)は倍率1500倍)である。 酸化工程後に回収した再生シリカゲル担持TEMPO触媒のSEM画像(図4(a)は倍率200倍、図4(b)は倍率1500倍)である。 次亜塩素酸ナトリウムの添加量とセルロースナノウィスカーに導入された表面カルボキシル基量との関係を示すグラフである。 未処理のセルロースナノウィスカーの伝導度滴定の結果のグラフである。 未処理のセルロースナノウィスカー(左)、及びシリカゲル担持TEMPO触媒処理したセルロースナノウィスカー(右)の0.05%(w/w)懸濁液に、それぞれ1MのNaClを5滴添加し、混合して30分静置した後の外観を示す写真である。 磁性粒子担持TEMPO触媒を用いてセルロースナノウィスカーを酸化処理した後の試料容器の外面にネオジウム磁石を配置した状態の写真である。 磁性粒子担持TEMPO触媒のTEM画像(a)、酸化処理前のセルロースナノウィスカーのTEM画像(b)、酸化処理後のセルロースナノウィスカーのTEM画像(c)である。
<実施例1>
以下に本発明に係る多糖類固体の表面修飾方法を実施するための形態について説明する。
(試料準備)
セルロース原料は針葉樹クラフトパルプを用いた。担体は、表面アミノプロピル化シリカゲル(粒径35-65μm、表面アミノ基量2.3mmol/g silica gel)(関東化学株式会社社製)を用いた。触媒は4-oxo-TEMPO(株式会社ワコーケミカル社製)を用いた。4-oxo-TEMPOを担持させる際に用いるメタノールは、マグネシウムで処理した後に蒸留した。
(修飾試薬担持固体触媒の調製)
修飾試薬担持固体触媒(本実施例ではシリカゲル担持TEMPO触媒)の調製(担持工程)は公知の方法による。具体的には、アミノプロピル化シリカゲル2.00g(2mmol)へ脱水メタノールを10mL及び4-oxo-TEMPOと1.02g(6mmol)の混合液を加え攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)を1.25g(20mmol)を加え、3日間攪拌した。反応後、シリカゲルをろ紙上でメタノール及び脱イオン水を用いて繰り返し洗浄した。最後にソックスレー抽出により3日間メタノールを用いて洗浄し、真空乾燥後、回収した。
(塩酸加水分解による多糖類粒子の調製)
不溶体多糖類(本実施例では表面に水酸基のみを持つセルロースナノウィスカー)の調製は公知の方法に従って行った。具体的には、木材パルプ5.00gに、2.5M塩酸150mLを加え、105℃の油浴中において1〜4時間攪拌し、加水分解した。加水分解後、約150mLの脱イオン水で希釈し、冷却した後、ろ紙上で中性になるまで脱イオン水で洗浄した。加水分解残渣をWaring型ブレンダーで30分粉砕した後、3000rpmで5分間の遠心分離を行い、上澄み液を回収し、脱イオン水で透析して精製した。
(多糖類粒子の酸化実験)
はじめに、水にセルロースナノウィスカーを分散させ、濃度が0.146wt%になるよう、懸濁液を調製した(懸濁液調製工程)。その後、調製したセルロースナノウィスカーの懸濁液300mLへ、シリカゲル担持TEMPO触媒1g、及び臭化ナトリウム0.60gを加えた後、セルロースナノウィスカーの重量に等しい重量の次亜塩素酸ナトリウム(11.54w/v%水溶液、3.78mL)を加え、pHを10〜11に保ちながら4時間攪拌した(反応工程)。
(処理後の多糖類粒子の伝導度滴定)
シリカゲル担持TEMPO触媒による処理後のセルロースナノウィスカーの表面に導入されたカルボキシル基の量を測定するため、伝導度滴定により定量を行った。処理後のセルロースナノウィスカー約100mg(実際の量は測定ごとに異なるので、そのつど精秤した)を含む懸濁液に、0.1Mの塩酸を1mL添加し、よく攪拌しながら0.01Mの水酸化ナトリウム水溶液を1mL/30秒の速度で滴下して、その際のpHと伝導度を測定した。
図1は、シリカゲル担持TEMPO触媒による処理後のセルロースナノウィスカーの伝導度滴定の結果のグラフを示す。図から、滴定曲線のうち、弱酸性基に相当する位置に、pH曲線の傾きが極大を示す2点の間に一致する箇所が存在することから、セルロースナノウィスカー表面にカルボキシル基が導入されていることが認められる。この滴定曲線から計算によりカルボキシル量を求めた結果は、0.790mmol/gであった。
(シリカゲル担持TEMPO触媒の回収及び繰り返し使用実験)
セルロースナノウィスカーの表面修飾を行った後の反応液からシリカゲル担持TEMPO触媒を回収し、繰り返し使用した際に、セルロースナノウィスカー表面に導入されるカルボキシル量がどのように変化するか測定し、本実施例に係るシリカゲル担持TEMPO触媒が使用後に回収可能なこと、及び繰り返し使用可能なことを確認した。繰り返し使用するためのシリカゲル担持TEMPO触媒は、セルロースナノウィスカーの表面修飾を行った反応液を遠心分離し、沈降させて回収した。
表1は、セルロースナノウィスカーの表面修飾を行った後の反応液から回収したシリカゲル担持TEMPO触媒の回収率及び、回収されたシリカゲル担持TEMPO触媒を用いて繰り返しセルロースナノウィスカーを表面修飾した際のセルロース表面に導入されたカルボキシル基の量を示す。図から、反応液の遠心分離によって約75%〜85%のシリカゲル担持TEMPO触媒が回収できたことが認められる。また、シリカゲル担持TEMPO触媒を繰り返し使用してもセルロースナノウィスカー表面にカルボキシル基を導入できることが認められる。一方、導入されるカルボキシル量は触媒の繰り返し使用によって減少していることが認められた。これは、シリカゲル担持TEMPO触媒の反応中に、シリカゲル上のTEMPO分子が部分的に脱離していること、反応によってシリカゲル担持TEMPO触媒に夾雑物が付着し、触媒活性を低下させていることが原因と考えられる。
(シリカゲル担持TEMPO触媒による酸化実験とSEM観察)
シリカゲル担持TEMPO触媒による作用を検証するために、以下の実験を行った。実験方法は下記のとおりである。
セルロースナノウィスカー懸濁液(1.00wt%)100mLへ、シリカゲル担持TEMPO触媒1.00g及び臭化ナトリウム600mgを加えた後、次亜塩素酸ナトリウムをセルロースナノウィスカーの重量に対し0.5等量(13.9w/v%、3.61mL)、0.34等量(2.45mL)、1等量(7.22mL)、2等量(14.4
mL)加え、pH10−11に保ちながら4時間撹拌した(酸化工程)。
酸化工程後、懸濁液へエタノール 5.00mL(2等量の場合のみ10.0 mL)を加え、懸濁液の色が黄から白へ落ち着いた後、遠心分離を行った。上澄みは、HCl水溶液によりpHを2以下に調節し、4 日間脱イオン水に対して透析した後、ポリエチレングリコール(PEG)20,000溶液に漬けて200−300mLに濃縮して回収した。沈殿物は、ろ過し、脱イオン水及びメタノールを用いて洗浄した後、真空乾燥して回収した(再生シリカゲル担持TEMPO触媒の回収工程)。
図2はアミノプロピル基を有する市販のシリカゲルのSEM画像、図3は、このシリカゲルにTEMPOを担持させたシリカゲル担持TEMPO触媒(酸化工程前)のSEM画像、図4は酸化工程後(1回使用)に回収した再生シリカゲル担持TEMPO触媒のSEM画像である(図2(a)、3(a)、4(a)は倍率200倍、図2(b)、3(b)、4(b)は倍率1500倍)。
TEMPOを担持する前のシリカゲルは真球状であり、シリカゲル担持TEMPO触媒ではやや壊れているものが観察される程度であるのに対して、再生シリカゲル担持TEMPO触媒では砕けているものがほとんどであり、球状に近いものであっても、シリカゲルやシリカTEMPOの球サイズに比べて一回り小さくなっている(図4)。
これまでの実験では、マグネチックスターラを用いた撹拌による酸化反応後に、遠心分離を用いてシリカゲル担持TEMPO触媒を分離してセルロースナノウィスカー懸濁液を回収していた。この分離後のセルロースナノウィスカー懸濁液を1週間ほど静置させると、橙色の凝集・沈殿がわずかに見られていた。
前述した、再生シリカゲル担持TEMPO触媒を再使用した場合の酸化度低下、再生シリカゲル担持TEMPO触媒の窒素含量及びTEMPO基含量の低下等の現象は、懸濁液に見られた凝集・沈殿の現象とともに、撹拌子で撹拌した際のシリカゲルの物理的破損による表面剥離でシリカゲルが失われているためである可能性が示唆される。したがって、シリカゲル担持TEMPO触媒を使用する酸化工程においては、シリカゲルをできるだけ破損させないように操作することにより、シリカゲル担持TEMPO触媒の繰り返し使用による効率を向上させることができる。
本実験においては、上述した実験方法に示すように、セルロースナノウィスカー懸濁液に共酸化剤として加える次亜塩素酸ナトリウムの量が、シリカゲル担持TEMPO触媒によるセルロースナノウィスカーの表面修飾にどのように寄与するかを調べた。
図5は、シリカゲル担持TEMPO触媒の初回使用時と、2回目の使用(再生シリカゲル担持TEMPO触媒)について、次亜塩素酸ナトリウムの添加量によってセルロースナノウィスカーの表面カルボキシル基量の変化を示したものである。セルロースナノウィスカーの表面カルボキシル基量は、前述した方法と同様に、伝導度滴定曲線から算出した。
図5から、シリカゲル担持TEMPO触媒を使用する場合も、再生シリカゲル担持TEMPO触媒を使用する場合も、次亜塩素酸ナトリウムの添加量の増加とともに表面カルボキシル基量が増加すること、すなわち、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を調節することによって、導入するカルボキシル基量を制御できることがわかる。
<比較例1>
(TEMPO溶液によるセルロースナノウィスカーの表面修飾実験)
公知技術であるTEMPO水溶液によるセルロースナノウィスカーの表面修飾が、前記実施例に係るシリカゲル担持TEMPO触媒による表面修飾とどの程度異なる効果を奏するか検証を行うため、比較例として、TEMPO水溶液によるセルロースナノウィスカーの表面修飾実験を行った。具体的は、セルロース微結晶懸濁液(0.146wt%)100mLへTEMPO100mgを加え、攪拌し、溶解後臭化ナトリウム500mg、及びセルロース微結晶の重量に対し0.5当量の次亜塩素酸ナトリウム(11.54w/v%)0.630mLを加えpH10-11に保ちながら4時間攪拌した。
前記実施例の同様の方法により、伝導度滴定によりセルロースナノウィスカーの表面に導入されたカルボキシル基の定量を行った結果、反応させた後のセルロースナノウィスカーの表面に導入されたカルボキシル基の量は、1.67mmol/%であり、前記実施例に係る表面修飾方法の結果と比較して、より多くのカルボキシル基が導入されていることが認められた。しかし、両者の数値の差は比較しうる程度の差にとどまっており、前記実施例に係る表面修飾方法に用いるシリカゲル担持TEMPO触媒が、簡易な方法で回収可能な点、及び、前記実施例に係る表面修飾方法によれば、反応の際に共酸化剤として添加する次亜塩素酸ナトリウムの量を調節することで、導入されるカルボキシル基の量を増減できる点に鑑みると、前記実施例に係る表面修飾方法には、その実施する意義は十分に認められる。
<比較例2>
(未処理のセルロースナノウィスカーの伝導度滴定)
本実施例における方法の効果を確認するため、シリカゲル担持TEMPO触媒による表面修飾を行っていないセルロースナノウィスカーについて、伝導度滴定を行い、表面のカルボキシル基の定量を行った。セルロースナノウィスカーの調製方法と、伝導度滴定の方法、条件は前述の実施例と同様である。
図6は、未処理のセルロースナノウィスカーの伝導度滴定の結果のグラフを示す。図から、セルロースナノウィスカー表面にカルボキシル基が微量に存在していることが認められる。この滴定曲線から計算によりカルボキシル量を求めた結果は、0.162mmol/gであった。
<実施例2>
(処理後の多糖類粒子の分散安定性評価)
シリカゲル担持TEMPO触媒による処理後のセルロースナノウィスカーの分散性の評価を行うために、電解質を添加した沈殿試験を行った。シリカゲル担持TEMPO触媒により処理したナノウィスカー0.05%(w/w)を含む水懸濁液5mLを調製し、1MのNaCl水溶液を5滴滴下してすぐによく震盪により混合し、静置して沈殿形成の様子を観察した。またその際、未処理のセルロースナノウィスカーの分散性の評価を同時に行って比較した。セルロースウィスカーの濃度、NaCl濃度、及び観察条件はシリカゲル担持TEMPO触媒処理ナノウィスカーの実施例と同様である。
図7は、1MのNaCl水溶液を5滴含む懸濁液を30分静置した後の外観を示す。左は未処理のセルロースナノウィスカー、右は、シリカゲル担持TEMPO触媒による処理後のセルロースナノウィスカーである。図から、未処理のナノウィスカーは明らかに凝集を形成して沈殿しているが、シリカゲル担持TEMPO触媒により処理したセルロースナノウィスカーは凝集を形成せず、良好に分散している様子が認められる。また、これらのNaClを含む懸濁液を直交偏光子の間で観察した際に、未処理のナノウィスカーは不定形凝集を形成しているために流動複屈折を示さなかったが、シリカゲル担持TEMPO触媒により処理したセルロースナノウィスカーは顕著な流動複屈折を示し、棒状分子が分散していることが示された。これらの結果から、セルロースナノウィスカーが溶液中で良好に分散するためには、本実施例による表面修飾処理が必須であることが認められる。
<実施例3>
(磁性粒子担持TEMPO触媒)
TEMPOを担持させる固体粒子として磁性粒子を使用し、磁性粒子にTEMPOを担持した磁性粒子担持TEMPOの作用について検証した。
本実施例では磁性粒子として酸化鉄粒子(ナノ粒子)を使用し、酸化鉄粒子にTEMPOを担持させた磁性粒子担持TEMPO触媒を用いてセルロースナノウィスカーを酸化する処理を行った。セルロースナノウィスカーは、漂白クラフトパルプの4M塩酸加水分解(80℃、4時間)、及びWaring型ブレンダーを用いた機械的せん断により調製した。
(磁性粒子担持TEMPO触媒の調製)
磁性粒子担持TEMPO触媒は、以下の方法により調製した。
まず、FeCl2・4H2O(5.4g)及びFeCl3(2.0g)を2M塩酸(25mL)に溶解し、室温において、28%アンモニア水(40mL)を20分以上かけて滴下した。さらに室温で30分撹拌した。生成した褐色粒子を磁力または遠心分離により回収した後、水、エタノールで順次洗浄し、真空乾燥して磁性微粒子を調製した。収量2.36g(磁性粒子の調製工程)。
次に、上記磁性微粒子(2.0g)をエタノール/水混合溶媒(35mL/6mL)に分散懸濁させ、テトラエチルオルソシリケート(TEOS、1.5mL)を加えて10分間超音波処理を施した。1.4mLの10%アンモニア水を10分以上かけて添加した後、40℃のウォーターバス中で12〜18時間加熱した。磁力を用いて褐色粒子を回収し、エタノールで洗浄後、真空乾燥してシリカコーティングされた磁性微粒子(silica-coated magnetic nanoparticles, SMNP)を得た。収量2.27 g(SMNPの調製工程)。
次いで、得られたSMNP(2.0g)を40mLのトルエン中に分散させ、撹拌しながら3-アミノプロピルトリエトキシシラン(0.5mL)を加えた。混合物を105℃オイルバス中で20時間撹拌し、褐色粒子を磁力で回収した後、メタノールあるいはエタノールで洗浄して真空乾燥し、アミノプロピル化磁性微粒子(aminopropylated magnetic nanoparticles, AMNP)を得た。収量1.99 g(AMNPの調製工程)。
得られたAMNP(1.50g)を50mLのメタノールに分散させ、4-オキソ-TEMPO(0.75
mmol、0.127g)を加え、さらにNaCNBH3(1.0mmol、0.063 g)を、3時間後、24時間後、48時間後の3回に分けてそれぞれ添加した。混合物を室温において3日間撹拌した後、磁力を用いて回収した褐色粒子をメタノールまたはエタノールで洗浄し、真空乾燥して磁性微粒子担持TEMPO触媒(magnetic nanoparticles supported
TEMPO、MNST)を得た。収量1.40 g(磁性粒子担持TEMPO触媒の調製工程)。なお、上記各調製工程においては、撹拌モータ及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のプロペラを使用した。
(セルロースナノウィスカーの酸化実験)
セルロースナノウィスカーの水懸濁液(100g、濃度1%、固形分量1g)にNaBr(0.5g)及び磁性粒子担持TEMPO触媒(0.428g、推定TEMPO量20mg)を混合した。この混合物にNaClO(9.21mL、濃度10.86%、NaClO重量1g)を加え、超音波処理により磁性微粒子担持TEMPO触媒をよく分散した。この時点ではセルロースナノウィスカーは顕著に凝集していた。
この状態から、系のpHを10−12に保ち、室温で4時間撹拌した。反応終了後、過剰のNaClOをエタノールで分解し、水で約1Lまで希釈した後、磁性微粒子担持TEMPO触媒を磁石(マグネチックスターラ内蔵のネオジム磁石、12000G)により一晩かけて回収した。デカンテーションで得た懸濁液を透析し、酸化セルロースナノウィスカーを得た(収量644 mg)。
図8は、磁性粒子担持TEMPO触媒を用いてセルロースナノウィスカーの表面酸化(カルボキシル化)処理を行った後、試料を希釈し、容器の外面にネオジウム磁石を配置した状態を示す。写真で黒く見えている部分が、磁石に吸着された磁性粒子担持TEMPOである。磁石を用いることにより、ほぼ完全に磁性粒子担持TEMPO触媒を回収することができ、セルロースナノウィスカーと分離することができた。磁力による吸着方法によれば、磁性粒子担持TEMPO触媒の回収率を向上させることができ、回収時に破損が生じないことから、再生磁性粒子担持TEMPO触媒の繰り返し使用時の効率維持が可能であるという利点がある。
図9(a)は、磁性粒子担持TEMPO触媒のSEM画像で、磁性粒子担持TEMPO触媒が多数個集まっている状態を示している。磁性粒子担持TEMPO触媒は、外径が10nm程度の磁性微粒子(酸化鉄粒子)の表面にTEMPOが担持されたもので、前述したシリカゲル担持TEMPO触媒と比べて、固体粒子の大きさがセルロースナノウィスカーの長さにくらべてかなり小さくなっている。本実験は、セルロースナノウィスカーの大きさと比較してTEMPOを担持する固体粒子が十分に小さい場合にも、TEMPO担持触媒の酸化作用が有効に作用することを示す例である。
図9(b)は酸化処理前のセルロースナノウィスカーのSEM画像、図9(c)は磁性粒子担持TEMPO触媒を用いて酸化処理したセルロースナノウィスカーのSEM画像である。
酸化処理後のセルロースナノウィスカーは、幅3.5nm、長さ150−200nmであり、酸化処理前のセルロースナノウィスカーの形態から大きく変化していない。酸化処理前には顕著に凝集していたセルロースナノウィスカー(図9(b))は、酸化処理後は細かく分散し(図9(c))、磁性粒子担持TEMPO触媒による酸化作用が確実に作用したことを示す。セルロースナノウィスカーは数日間沈殿せず、安定に分散し、分散安定性も良好であった。
伝導度滴定曲線から求めたセルロースナノウィスカーの表面カルボキシル基量は、酸化処理前13μmol/gから、酸化処理後624μmol/gに増大した。この磁性粒子担持TEMPO触媒による酸化処理後の表面カルボキシル基量は、TEMPO水溶液を用いて達成されたセルロースナノウィスカーの表面カルボキシル基量1000−1200μmol/gと比較し得る値であり、磁性粒子担持TEMPO触媒による酸化作用の有効性が認められる。

Claims (8)

  1. 多糖類固体の表面に官能基を導入する表面修飾方法であって、
    多糖類固体を溶媒中に懸濁させる懸濁液調製工程と、
    前記懸濁液調製工程で調製された懸濁液を、固体粒子の表面に修飾試薬の分子が担持された修飾試薬担持固体触媒により反応させる反応工程と、
    を備えることを特徴とする多糖類固体の表面修飾方法。
  2. 前記多糖類固体の大きさと前記修飾試薬担持固体触媒の大きさに、少なくとも100倍の差があることを特徴とする請求項1記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  3. 前記修飾試薬担持固体触媒は、
    前記修飾試薬の分子と前記固体粒子とを溶媒中で攪拌することにより該固体粒子の表面に担持させる担持工程
    によって調製されていることを特徴とする請求項1又は2記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  4. 前記多糖類固体が、幅2〜20nm、長さ100nm〜10μmの繊維状セルロース粒子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  5. 前記修飾試薬がN−オキシル化合物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  6. 前記反応工程により作られた反応液を、遠心分離後、透析を行って表面修飾された多糖類固体を回収する回収工程と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  7. 前記固体粒子としてシリカゲルを用いた修飾試薬担持固体触媒を使用することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の多糖類固体の表面修飾方法。
  8. 前記固体粒子として磁性粒子を用いた修飾試薬担持固体触媒を使用することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の多糖類固体の表面修飾方法。

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LANGMUIR, 2001, VOL.17, P.21-27, JPN6017017365, ISSN: 0003558608 *

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