JP2013175906A - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部装置から取得されるデータを、要求元に対して適時にしかも迅速に返信することのできる通信装置、及び通信方法を提供する。
【解決手段】通信装置は、通信メッセージに含まれているメッセージIDによって当該メッセージに含まれている通信内容が規定される通信メッセージを送信受信する。通信装置は、外部に設けられているセンサ151により検出される検出値を取得するセンサポート21と、受信した要求メッセージM1のメッセージIDを該メッセージIDと比較するために設定されている即時応答用IDと比較するセンサ情報制御回路23とを備え、センサ情報制御回路23による比較結果の一致/不一致に基づいて、センサポート21が取得した検出値と即時応答用IDに対応する応答用ID(即時応答用ID)とを含む送信用の応答メッセージM2の生成/非生成を切り換える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ネットワーク等にあって通信メッセージを送信受信する通信装置、及び通信方法に関する。
周知のように、車両に搭載された複数の電子制御装置(ECU)にあっては、各装置に設けられている通信装置を介して、それぞれがネットワーク接続されることによってそれら電子制御装置の有する情報を相互に通信可能とする通信システムを構成していることが多い。そして、このような通信システムの一つにコントローラエリアネットワーク(CAN)がある。
また、車両には多数のセンサが設けられているものの、それらセンサの位置と当該センサの検出値を制御等に用いるECUの位置とが物理的に離れていることも多い。そして、そのように位置が離れている場合、センサを距離的により近いECUに接続するとともに、該センサの検出値をネットワーク経由で他のECUに伝達する技術が知られている。そして従来、例えば特許文献1には、センサの検出値をネットワーク経由で送信受信する通信システムの一例が記載されている。
特許文献1に記載のシステムは車両に設けられているシステムであって、同システムには、車両のステアリングの回転角を検出する舵角センサと、舵角センサが接続された上程でCANネットワーク(CAN経路)に接続される送信ユニットと、同じくCANネットワークに接続される受信ユニットとが設けられている。これら送信ユニット及び受信ユニットは、各種演算処理を実行するCPU、演算処理用のプログラムなどが保持されるROM、演算処理中のワークエリアとして用いられるRAMなどを有して構成されている。このうち、送信ユニットは、舵角センサから得られる舵角データをCPUによって処理して所定のデータを生成するとともに、該生成したデータをデータ・フレームに格納した送信用のメッセージをフレーム生成部で生成する。そして、送信ユニットは、この生成したメッセージをフレーム送信部からCANネットワークに所定の制御周期で送信する。他方、受信ユニットは、CANネットワークを介して受信した送信ユニットからのメッセージを所要の処理ユニットへ伝達する。これにより、舵角センサに接続されていない処理ユニットであれ、CANネットワークを介して舵角データに基づくデータを取得できるようになる。
特開2010−134562号公報
ところで、車両のECUは、各種センサにより検出された各種制御対象の動きなどに基づいてそれら制御対象に対する制御を行っている。こうした制御、例えばフィードバック制御等にあっては、センサの検出値を迅速に取得することが制御対象に対する制御性能や制御精度の向上につながるため、検出値をネットワーク経由で伝達する場合であれ、検出値の取得にかかる時間遅れを最小限に留めることが求められる。しかしながら、特許文献1に記載のシステムなどでは、送信用のメッセージを生成して送信するまでの処理周期が、データ(検出値)取得にかかる時間遅れを生じさせる一因となる。その一方、ネットワークの通信負荷等を考慮すると、メッセージ送信にかかる処理周期の時間短縮も容易ではない。さらに、送信ユニットのCPUなどによって行われるデータ処理など、送信ユニットにて行われるメッセージ生成以前の各種処理に要する時間に起因する時間遅れも無視できない。
なお、こうした課題は、車両に搭載された通信装置のみならず、センサの検出値を通信により伝達させようとする各種の通信装置においても概ね共通した課題となっている。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、外部装置から取得されるデータを、要求元に対して適時にしかも迅速に返信することのできる通信装置、及び通信方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果を記載する。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、通信メッセージに含まれているメッセージIDによって当該メッセージに含まれている通信内容が規定される通信メッセージを送信受信する通信装置であって、外部に設けられている検出装置により検出される検出値を取得する取得部と、受信した通信メッセージのメッセージIDを該メッセージIDと比較するために設定されている判定用IDと比較する比較部とを備え、前記比較部による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記取得部が取得した検出値と前記判定用IDに対応する応答用IDとを含む送信用の通信メッセージの生成/非生成を切り換えることを要旨とする。
上記目的を達成するために請求項10に記載の発明は、通信メッセージに含まれているメッセージIDによって当該メッセージに含まれている通信内容が規定される通信メッセージを送信受信する通信装置に適用される通信方法であって、外部に設けられている検出装置により検出される検出値を取得する取得工程と、受信した通信メッセージのメッセージIDを該メッセージIDと比較するために設定されている判定用IDと比較する比較工程と、前記比較工程における比較結果の一致/不一致に基づいて、前記取得した検出値と前記判定用IDに対応する応答用IDとを含む送信用の通信メッセージの生成/非生成を切り換える生成工程とを備える、ことを要旨とする。
従来、通信装置は、受信した通信メッセージを解析して得られた通信内容などを制御装置等に提供するとともに、制御装置等から指示された通信内容に基づいて送信用の通信メッセージを生成する。このため、制御装置などに入力される外部の検出装置などにより検出された検出値は、それを送信するか否かについて制御装置によって判断された後、同制御装置から通信装置に与えられる。
これに対し、上記構成もしくは方法によれば、受信した通信メッセージのメッセージIDと判定用IDとの一致/不一致が通信装置の比較部にて判定されるとともに、この判定結果に基づいて検出装置の検出値を含む送信用の通信メッセージが生成され、送信できるようになる。つまり、受信した通信メッセージに適時にしかも迅速に反応することができるようになるため、受信した通信メッセージを受信してから、当該受信した通信メッセージに対応する送信用の通信メッセージを送信するまでに要する時間の短縮が図られる。また、検出装置により検出される検出値を含む送信用の通信メッセージの送信に関する処理が通信装置のみで完結されるようになるため、受信した通信メッセージに対応する送信用の通信メッセージの生成及び送信が迅速に行われるようにもなる。これにより、この通信装置は、外部装置から取得される検出値などのデータを、要求元に対して適時にしかも迅速に返信することができるようになる。
その結果、特に、通信メッセージを介してフィードバック制御に用いる値を取得する制御装置等においては、フィードバック値の取得にかかる時間が短縮されるため、制御の応答性が向上することから制御性能や制御精度の向上が期待されるようになる。
また、送信用の通信メッセージの生成の要否の判断が通信装置にて行われるため、通信装置を使用している制御装置における処理負荷を低減させることができるようになる。
なお、検出装置としてはセンサを含む種々のものが採用可能である。例えば、この通信装置を車両に搭載した場合、検出装置としては、速度センサ、加速度センサ、ペダル操作量検出センサなどが挙げられるとともに、GPSなどの位置検出装置や、照度計や、気温湿度などの気象観測装置、及び、地上設備との情報通信機器等も挙げることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信装置において、前記比較部は、論理回路により構成されており、前記受信した通信メッセージのメッセージIDを構成するビット信号と前記判定用IDを構成するビット信号とをビット演算により比較して、前記メッセージIDと前記判定用IDとの一致/不一致を判定することを要旨とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の通信方法において、前記比較工程では、前記受信した通信メッセージのメッセージIDを構成するビット信号と前記判定用IDを構成するビット信号とを論理回路によるビット演算により比較して、前記メッセージIDと前記判定用IDとの一致/不一致を判定することを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、比較部は、メッセージIDと判定用IDとの一致/不一致の判定を論理回路により行うため、メッセージIDと判定用IDとの一致/不一致の判定に要する時間を短くすることができる。論理回路を用いれば、例えば、2つのビットの一致/不一致を否定排他的論理和(XNOR)などを用いて判定できるとともに、判定に要する時間を数クロック程度にすることも可能である。これにより、受信した通信メッセージに対応する送信用の通信メッセージが生成されるまでに要する時間が短縮されることとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の通信装置において、前記通信メッセージがCANプロトコルに基づくメッセージであることを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の通信方法において、前記通信メッセージとしてCANプロトコルに基づくメッセージを用いることを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、通信ネットワークとしてCANプロトコルが適用される通信システムに対してこの通信装置を適用することができるようになる。ところで、CANプロトコルは、センサなどの検出装置が多く用いられる車両や生産設備の通信ネットワークに利用されることの多いプロトコルである。つまり、車両や生産設備にこの通信装置を適用することにより、通信メッセージを介しての検出値の送信受信に要する時間の短縮が図られ、車両や生産設備の制御性能や制御精度が向上するようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信装置において、前記応答用IDと前記判定用IDとが同一のIDからなることを要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10〜12のいずれか一項に記載の通信方法において、前記応答用IDと前記判定用IDとを同一のIDとすることを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、応答用IDと判定用IDとが同一のIDであるため、IDの管理が容易になる。特に、CANプロトコルであれば、データをリクエストする通信メッセージを構成するリモート・フレームに格納されるメッセージIDと、当該リクエストに応答してデータを返信する通信メッセージを構成するデータ・フレームに格納されるメッセージIDとが同一になるため、とりわけCANへの適用が容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信装置において、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを格納する受信ボックスを備え、前記比較部は、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを前記受信ボックスから取得することを要旨とする。
請求項14に記載の発明は、請求項10〜13のいずれか一項に記載の通信方法において、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを受信ボックスに格納する工程を更に備え、前記比較工程では、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを前記受信ボックスから取得することを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、受信ボックスのメッセージIDが比較部に取得される。受信ボックスにはプロトコルに基づいて解析処理された受信した通信メッセージから抽出されたメッセージIDが格納されるため、比較部によるメッセージIDの取得が容易になる。特に、通信メッセージがCANプロトコルであれば、解析された通信メッセージの各種内容を格納する受信ボックスが通信装置に設けられるため、通信装置へのこのような構成の適用が容易である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の通信装置において、前記比較部は、前記受信ボックスを構成する集積回路と一体に形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、受信したメッセージIDと判定用IDとの比較までに要する時間を極めて短くすることができるようになる。これにより、受信した通信メッセージに対する応答をより迅速にすることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信装置において、前記検出値と前記応答用IDとを含む送信用の通信メッセージが格納される送信ボックスを備え、前記生成される送信用の通信メッセージは前記送信ボックスに生成され、この生成された送信用の通信メッセージが同送信ボックスから送信されることを要旨とする。
請求項15に記載の発明は、請求項10〜14のいずれか一項に記載の通信方法において、前記生成工程では、前記検出値と前記応答用IDとを含む送信用の通信メッセージが格納される送信ボックスに前記生成される送信用の通信メッセージを生成し、前記生成した送信用の通信メッセージを同送信用ボックスから送信することを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、送信ボックスから送信用の通信メッセージが送信される。特に、通信メッセージがCANプロトコルであれば、送信用の通信メッセージは送信ボックスに設定された内容に基づいて作成されるため、この通信装置の適用が容易である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信装置において、前記取得部は、前記比較部による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記検出値の取得の可否を切り換えることを要旨とする。
請求項16に記載の発明は、請求項10〜15のいずれか一項に記載の通信方法において、前記取得工程では、前記比較工程による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記検出値の取得の可否を切り換えることを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、取得部による検出値の取得の可否の切換えタイミングを、送信用の通信メッセージの生成/非生成の切換えタイミングに合わせることができるようになる。これによっても、送信用の通信メッセージを適時に生成することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の通信装置において、当該通信装置が車載された制御装置に設けられたものであることを要旨とする。
請求項17に記載の発明は、請求項10〜16のいずれか一項に記載の通信方法において、当該通信方法を車載された制御装置に設けられた通信装置での通信に用いることを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、車両における運転や走行にかかる各種の制御に対する制御性能や制御精度の向上が図られるとともに、車両に分散配置されている各種センサの検出値を同車両に設けられている各種ECUが取得することが容易になる。これにより、車両の制御性能を維持向上させつつ、省配線化が促進されるようにもなる。
本発明に係る通信装置を有する通信システムを具体化した一実施形態について、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態におけるセンサECUについて、その概略構成を示すブロック図。 同実施形態におけるセンサECUの回路構成について、その概略構成を示すブロック図。
本発明に係る通信システムを具体化した一実施形態について、図に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、通信システムとしての車載ネットワークシステムを備えている。車載ネットワークシステムは、統合電子制御装置(統合ECU)10と、複数のセンサ用電子制御装置(センサECU)11,12と、統合ECU10及び各センサECU11,12が接続される通信用バス13とを備えている。また、統合ECU10及び各センサECU11,12は、通信用バス13を介して相互通信できるようになっている。なお、車載ネットワークシステムは、通信プロトコルとしてCAN(Control Area Network)プロトコルの適用されるCANネットワークとして構成されている。
各センサECU11,12には、検出装置としての複数のセンサ151〜153,161〜163が接続されるとともに、それらセンサ151〜153,161〜163にて検出された検出値が対応するセンサECU11,12にそれぞれ入力される。つまり、各センサECU11,12は、接続された各センサ151〜153,161〜163の検出値をそれぞれ取得する。また、各センサECU11,12は、取得した検出値を通信用バス13を介して統合ECU10に伝達することができる。
各センサ151〜153,161〜163は、車両1の車両状態や車両環境などを検出するセンサである。車両状態を検出するセンサとしては、速度センサ、加速度センサ、回転数センサ、水温センサ、ペダル操作量センサ及び方向指示器用センサなどが挙げられる。また、車両環境を検出するセンサとしては、GPSなどの位置センサ、車間距離センサ、照度センサ及び気温センサなどが挙げられる。また、車両環境を検出するセンサとしては、道路情報取得装置や車車間通信装置などが含まれてもよい。なお、本実施形態では、センサ151は、車両1の速度を検出するセンサであって、検出した速度に対応する速度信号をセンサECU11へ出力するセンサである。つまり、統合ECU10は、センサ151が出力する速度信号を、その速度信号が入力されるセンサECU11、及び、その速度信号を含む応答メッセージM2が送信される通信用バス13を介して取得することができる。なお、その他のセンサ152,153,161〜163の検出値を、統合ECU10が通信用バス13を介して取得する場合については、センサ151の検出値を取得する場合と同様であるため、説明の便宜上、それらについての説明を割愛する。
統合ECU10は、車両1に対する各種制御に用いられる制御装置であって、例えば、駆動系や、走行系や、車体系や、情報機器系等を制御対象にするECUである。例えば、駆動系を制御対象とするECUとしては、エンジン用ECUが挙げられ、走行系を制御対象とするECUとしては、ステアリング用ECUやブレーキ用ECUが挙げられ、車体系を制御するECUとしては、ライト用ECUやウィンドウ用ECUが挙げられ、情報機器系を制御対象とするECUとしては、カーナビゲーション用ECUが挙げられる。
すなわち、統合ECU10は、所定の制御機能を提供するプログラムを実行処理することによって当該所定の制御機能を提供する。統合ECU10は、記憶装置などに保持されているプログラムやパラメーラなどに基づいてプログラムの実行処理を行うが、同プログラムの実行処理には、各種センサにより検出された検出値等も必要とする。例えば、統合ECU10は、プログラムの実行処理に、センサECU11に接続されているセンサ151が検出する速度信号を必要としている。そこで、統合ECU10は、センサECU11に速度信号を要求することによって、速度信号をセンサECU11から通信用バス13を介して取得する。
詳述すると、統合ECU10は、速度信号を要求する要求メッセージM1を通信用バス13に送信する。また、統合ECU10は、通信用バス13から要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2を受信することによって当該応答メッセージM2に格納された速度信号を取得する。要求メッセージM1は、CANプロトコルにおいて要求(リクエスト)に用いられるリモート・フレームに基づいて生成された通信メッセージである。応答メッセージM2は、CANプロトコルにおいてリモート・フレームへの応答に用いられるデータ・フレームに基づいて生成された通信メッセージ、つまり要求メッセージM1に対応する通信メッセージである。
なお、統合ECU10からの要求によらず、例えば、センサECU11が通信用バス13へ速度信号を含む通信メッセージを周期的に送信することも考えられる。しかしながらその場合、送信周期の間隔が長いと統合ECU10が速度信号を取得するタイミングと使うタイミングとの時間間隔が長くなったり、ばらついたりするおそれがあるが、その一方、送信周期が短いと通信用バス13の通信負荷を増加させるおそれがある。
各センサECU11,12は、接続された複数のセンサ151〜153,161〜163からそれぞれ検出値を取得するとともに、当該検出値を統合ECU10からの要求に応じて通信用バス13へ送信する。なお、センサECU11とセンサECU12とは同様の構成をしているため、以下では、センサECU11について詳細に説明し、説明の便宜上、センサECU12についての詳細な説明を割愛する。
図2に示すように、センサECU11には、センサ情報の取得制御や各情報処理などを行う制御装置としての情報処理装置20と、情報処理装置20に接続されるとともに、センサ151が接続される通信装置を構成する取得部としてのセンサポート21とが設けられている。
情報処理装置20は、マイクロコンピュータを含み構成されており、各種処理を行う演算装置や、演算結果や各種制御機能を提供するプログラムなどを保持する記憶装置を有している。例えば、情報処理装置20では、速度信号に所要の処理を施すプログラムが演算装置で実行処理されることによってセンサポート21から入力された速度信号に所要の処理が施されたりする。センサポート21は、センサ151から速度信号が入力されるとともに、同入力された速度信号を情報処理装置20への入力可能な信号に変換して同情報処理装置20へ出力する。
図2及び図3に示すように、本実施形態の通信装置には、即時応答機能が設けられている。即時応答機能とは、CANプロトコルに基づく特定の要求メッセージM1を受信した場合、当該要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2を、最小限の処理時間で送信する機能である。そこで以下では、この通信装置について、即時応答機能の詳細を含めて説明する。
センサECU11には、情報処理装置20に対して情報伝達可能に内部バスなどで接続されているとともに、通信用バス13に対して通信メッセージを送信受信可能に接続されている通信装置を構成するCANコントローラ22が設けられている。さらに、センサECU11には、センサポート21とCANコントローラ22とに信号伝達可能に接続されている通信装置を構成する比較部としてのセンサ情報制御回路23と、CANコントローラ22とセンサ情報制御回路23とに信号伝達可能に接続されている通信装置を構成するIDメモリ領域26とが設けられている。なお、本実施形態では、CANコントローラ22、センサ情報制御回路23及びIDメモリ領域26の各回路等は、同一の集積回路27に一体に形成されている。つまり、CANコントローラ22、センサ情報制御回路23及びIDメモリ領域26の各回路等の間での信号伝達が最小限の時間で行えるようになっている。なお、各回路等は、集積回路の製造時に固定的に形成されていてもよいし、集積回路の製造後に任意に書き換えることができてもよい。回路を任意に書き換えることができる集積回路としては、プログラマブルロジックデバイス(PLD)や、CPLDや、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAなどが挙げられる。
図3に示すように、上述のセンサポート21には、センサ151から入力された速度信号を2進数のビット信号に変換するとともに、変換されたビット信号を2進数のパラレル信号として出力するビット信号出力回路210が設けられている。ビット信号出力回路210には、ビット信号の数に対応する複数(例えば8個)の論理積回路(AND回路)211,212,…が設けられているとともに、各論理積回路211,212,…には対応するビット信号が入力される。なお、説明の便宜上、図には、論理積回路を2つだけ図示するとともに、以下では、論理積回路が2つの場合について説明する。また、各論理積回路211,212にはセンサ情報制御回路23の出力信号が併せて入力される。これにより、ビット信号出力回路210は、センサ151から入力された検出値をビット信号として出力するか否かが、換言すれば検出値を取得するか否かが、センサ情報制御回路23からの出力信号に応じて切り換えられるようになっている。つまり、ビット信号出力回路210は、センサ情報制御回路23からの出力信号が「真」(「1」)である場合、センサ151から入力された検出値をビット信号として出力する一方、同出力信号が「偽」(「0」)である場合、センサ151から入力された検出値ではなく、「0」(「偽」)のみからなるビット信号を出力する。よって、ビット信号出力回路210からのビット信号の出力が、最小限の時間で切り換えられるようになっている。なお、センサポート21には、センサ151からの検出値がアナログ信号やデジタル信号など種々の態様の信号で入力される可能性がある。しかしながら、いずれの態様の信号が入力された場合であれ、センサポート21は、その信号を情報処理装置20に入力可能なデジタル信号や、CANコントローラ22に入力可能であるパラレルな2進数のビット信号に変換する。
IDメモリ領域26は、判定用IDとしての即時応答用ID261を格納しておくためのメモリ領域であって、情報処理装置20からの書き込みが可能になっており、センサECU11の起動時に情報処理装置20から即時応答用の所定のメッセージIDが2進数で書き込まれている。また、IDメモリ領域26は、2進数で書き込まれているメッセージIDが、センサ情報制御回路23やCANコントローラ22に入力される。なお、即時応答用ID261は、CANプロトコルのメッセージIDに対応する仕様で設定されているため、CANコントローラ22に受信されたメッセージのメッセージIDと容易に比較できる。
CANコントローラ22は、いわゆるCANプロトコルに基づく通信メッセージの送信及び受信を制御するコントローラであって、通信用バス13に接続されている。CANコントローラ22は、通信用バス13に送信されている通信メッセージを受信するとともに、受信した通信メッセージを解析し、当該通信メッセージに含まれる各種データを取得する。また、CANコントローラ22は、情報処理装置20などから入力された各種データに基づいて当該各種データに対応する送信用の通信メッセージを生成して、当該生成した送信用の通信メッセージを通信用バス13に送信する。
CANコントローラ22には、受信した通信メッセージとしての受信メッセージ31を解析して格納する受信ボックスとしての受信メッセージボックス30と、送信用の通信メッセージとしての送信メッセージ41を生成して送信する送信ボックスとしての送信メッセージボックス40とが設けられている。
受信メッセージボックス30は、受信メッセージ31を解析するとともに、同受信メッセージ31に含まれている、メッセージID32や、ユーザデータや、CRC等の各種データを当該受信メッセージボックス30内のメモリ領域に格納する。このメモリ領域は情報処理装置20から読み出しが可能になっているため、当該受信メッセージボックス30に格納された各種データは情報処理装置20が読み出すことができる。
また、本実施形態では、受信メッセージボックス30は、即時応答に対応するため、メッセージID32を2進数のビット信号として出力することができるとともに、出力した2進数のビット信号をセンサ情報制御回路23へ入力させる。
送信メッセージボックス40は、CANプロトコルに基づく各種データを含む送信メッセージ41を生成して送信する。送信メッセージボックス40には、情報処理装置20から書き込み可能なメモリ領域が設けられており、当該メモリ領域に送信メッセージ41に含めるメッセージID43、及びユーザデータ42等の各種データが格納される。つまり、情報処理装置20から設定されたメッセージID43、及びユーザデータ42等に基づいて送信メッセージ41が生成される。
また、送信メッセージボックス40には、即時応答に対応するため、メッセージID生成部45と、ユーザデータ生成部44とが設けられている。
メッセージID生成部45は、IDメモリ領域26に接続されている。メッセージID生成部45には、IDメモリ領域26から即時応答用ID261が入力される。メッセージID生成部45は、入力された即時応答用ID261をメッセージID43に設定可能な応答用IDに変換するとともに、当該変換された応答用IDを送信メッセージ41のメッセージID43に設定する。よって、メッセージID生成部45によるメッセージID43への即時応答用ID261に基づく応答用IDの設定を最小限の時間で設定することができるようになっている。なお、送信メッセージの生成等に用いられるメモリ領域が複数のメッセージで共用されるような場合、メッセージID生成部45によるメッセージID43の設定を、センサ情報制御回路23からの出力信号が「真」(「1」)であるときに実行させるようにしてもよい。
ユーザデータ生成部44は、センサポート21とセンサ情報制御回路23とが接続されている。ユーザデータ生成部44には、センサポート21から検出値が2進数のビット信号として入力されるとともに、センサ情報制御回路23から判定結果が入力される。ユーザデータ生成部44には、ビット信号の数に対応する複数(例えば8個)の論理積回路(AND回路)441,442,…が設けられているとともに、各論理積回路441,442,…には対応するビット信号が入力されている。なお、説明の便宜上、図には、論理積回路を2つだけ図示するとともに、以下では、論理積回路が2つの場合について説明する。また、各論理積回路441,442にはセンサ情報制御回路23の判定結果が併せて入力されている。これにより、センサポート21から入力された検出値をビット信号として出力して送信メッセージ41にユーザデータ42として設定するか否かが、センサ情報制御回路23の出力信号に応じて切り換えられるようになっている。つまり、ユーザデータ生成部44は、センサ情報制御回路23からの出力信号が「真」(「1」)である場合、センサポート21からのビット信号をユーザデータ42に設定する一方、同出力信号が「偽」(「0」)である場合、センサポート21からのビット信号をユーザデータ42に設定しない。よって、ユーザデータ生成部44によるユーザデータ42へのセンサポート21からのビット信号、すなわちセンサ151の検出値の設定を最小限の時間で設定することができるようになっている。また、センサ情報制御回路23からの出力信号に基づくことで、メッセージID生成部45によるメッセージID43の設定と、及びユーザデータ生成部44によるユーザデータ42の設定との同期がとれるため、メッセージID43とユーザデータ42とを含む送信メッセージ41の生成が容易である。
センサ情報制御回路23は、その入力側にCANコントローラ22の受信メッセージボックス30とIDメモリ領域26とが接続されているとともに、その出力側に送信メッセージボックス40とセンサポート21とが接続されている。そして、センサ情報制御回路23には、受信メッセージボックス30から受信メッセージ31のメッセージID32が入力されるとともに、IDメモリ領域26から即時応答用ID261とが入力される。例えば、受信メッセージ31が要求メッセージM1である場合、センサ情報制御回路23には、要求メッセージM1のメッセージID32と即時応答用ID261とが入力される。センサ情報制御回路23は、入力されたメッセージID32と即時応答用ID261とを比較して、メッセージID32と即時応答用ID261との一致/不一致を判定するととともに、判定結果を1ビットの信号で出力する。すなわち、センサ情報制御回路23は、メッセージID32と即時応答用ID261とが一致すると判定した場合、判定結果として「真」(「1」)を示す信号を出力する一方、メッセージID32と即時応答用ID261とが不一致であると判定した場合、判定結果として「偽」(「0」)を示す信号を出力する。
詳述すると、センサ情報制御回路23は、受信メッセージボックス30のメッセージID32に対応するビット信号毎にそれぞれ対応する否定排他的論理和回路(XNOR回路)241〜244が設けられているとともに、各ビット信号が対応する否定排他的論理和回路241〜244に入力されている。ところで、CANプロトコルにおけるメッセージIDは、標準フレームで11ビットであり、拡張フレームでさらに18ビットが追加される。しかし本実施形態では、説明の便宜上、図には、4ビットに対応する論理回路を例示するとともに、以下では、4ビットを例に説明する。
また、各否定排他的論理和回路241〜244には、メッセージID32のビット信号に対応するように、IDメモリ領域26の即時応答用ID261のビット信号が入力される。つまり、否定排他的論理和回路241〜244は、メッセージID32のビット信号が「0」であるとともに即時応答用ID261のビット信号が「0」であるとき、及び、メッセージID32のビット信号が「1」であるとともに即時応答用ID261のビット信号が「1」であるとき、「真」(「1」)を出力する。一方、否定排他的論理和回路241〜244は、メッセージID32のビット信号が「0」であるとともに即時応答用ID261のビット信号が「1」であるとき、及び、メッセージID32のビット信号が「1」であるとともに即時応答用ID261のビット信号が「0」であるとき、「偽」(「0」)を出力する。これにより、否定排他的論理和回路241〜244は、メッセージID32のビット信号と、IDメモリ領域26からの即時応答用ID261のビット信号との値が同じであるとき「真」(「1」)を出力する一方、値が異なるとき「偽」(「0」)を出力する。例えば、メッセージID32が2進数で「0011」であるとともに、即時応答用ID261が2進数で「0011」であるとき、否定排他的論理和回路241〜244はそれぞれ「真」(「1」)を出力する。一方、メッセージID32が2進数で「1100」である一方、即時応答用ID261のビット信号が「0011」であるとき、否定排他的論理和回路241〜244はそれぞれ「偽」(「0」)を出力する。さらに、メッセージID32が2進数で「0101」である一方、即時応答用ID261のビット信号が「0011」であるとき、否定排他的論理和回路241,244はそれぞれ「真」(「1」)を出力する一方、否定排他的論理和回路242,243はそれぞれ「偽」(「0」)を出力する。
各否定排他的論理和回路241〜244の出力はそれぞれ、1つの論理積回路(AND回路)25に入力されている。つまり1つの論理積回路(AND回路)25は、入力される否定排他的論理和回路241〜244のそれぞれの出力が全て「真」(「1」)であることを条件に「真」(「1」)を出力する一方、それ以外のときは「偽」(「0」)を出力する。
つまり、センサ情報制御回路23は、入力されたメッセージID32と即時応答用ID261との一致/不一致の判定を、否定排他的論理和回路241〜244と論理積回路25とからなる回路構成により、最小限の時間で実行することができる。
続いて、本実施形態の送信装置の作用について、図3を参照して説明する。
なお、ここでは、統合ECU10は制御に速度信号を必要とするものとする。そのため、統合ECU10は、速度信号をリクエストする要求メッセージM1を通信用バス13に送信するものとする。また、通信用バス13から要求メッセージM1を受信したセンサECU11が要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2を通信用バス13に送信するものとする。
統合ECU10は、例えばエンジン制御において車両1の速度が必要になったとき、速度信号を要求する要求メッセージM1を通信用バス13に送信する。なお、このとき要求メッセージM1はリモート・フレームで構成され、同リモート・フレームには、速度信号の要求を意味するメッセージID「0011」が設定される。
一方、センサECU11には、即時応答用ID261として、速度信号の要求を意味するメッセージID「0011」と同じ、「0011」が設定されている。センサECU11は、CANコントローラ22によって、通信用バス13に送信されている要求メッセージM1を受信するとともに、受信メッセージボックス30において当該要求メッセージM1からメッセージID32を抽出してセンサ情報制御回路23にビット信号として出力する。
センサ情報制御回路23は、CANコントローラ22から出力されたメッセージID32と即時応答用ID261とを比較する(比較工程)。
センサ情報制御回路23は、要求メッセージM1以外から抽出されたメッセージID32が入力された場合、つまりメッセージID32が「0011」以外である場合、「0011」以外の値であるメッセージID32と、即時応答用ID261「0011」とを比較して不一致であると判定し、「偽」(「0」)を示す信号を出力する。センサ情報制御回路23から「偽」(「0」)を示す信号が出力されることにより、センサECU11は即時応答を行わない。すなわち、センサポート21から送信メッセージボックス40へ、すべて「偽」(「0」)のビット信号が出力される。また、センサ情報制御回路23の出力(判定結果)が「偽」(「0」)であるため、ユーザデータ生成部44は、センサ151の検出値に基づくユーザデータを送信メッセージ41のユーザデータ42に設定しない。さらに、メッセージID生成部45も、即時応答用ID261に基づくIDを送信メッセージ41のメッセージID43に設定しない。
一方、センサ情報制御回路23は、要求メッセージM1から抽出されたメッセージID「0011」が入力された場合、メッセージID32の「0011」と即時応答用ID261の「0011」とを比較して一致すると判定し、「真」(「1」)を示す信号を出力する。センサ情報制御回路23から「真(1)」が出力されることにより、センサECU11では要求メッセージM1への即時応答が行われる。
センサポート21は、ビット信号出力回路210にセンサ情報制御回路23から「真」(「1」)が入力され、ビット信号に変換したセンサ151の検出値を送信メッセージボックス40へ出力する(取得工程)。
送信メッセージボックス40は、センサ情報制御回路23の出力(判定結果)が「真」(「1」)であることに基づいて、ユーザデータ生成部44を介してセンサ151の検出値に基づく値を送信メッセージ41のユーザデータ42に設定する。また、メッセージID生成部45を介して即時応答用ID261の「0011」に基づくIDを送信メッセージ41のメッセージID43に設定する。そして、送信メッセージボックス40は、メッセージID43(「0011」)とユーザデータ42とを含む送信メッセージ41を生成する(生成工程)。そして、送信メッセージボックス40は、この生成した送信メッセージ41を応答メッセージM2として通信用バス13に送信する。
通信用バス13に送信された応答メッセージM2は、統合ECU10に受信される。
統合ECU10は、受信した応答メッセージM2を解析することにより、メッセージID43とユーザデータ42とを取得する。統合ECU10では、メッセージID43が、送信した要求メッセージM1のメッセージIDに対応する「0011」であることから、当該ユーザデータ42は速度信号であること判断するとともに、その取得した速度信号をエンジン制御に用いる。
これにより、統合ECU10は、要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2を最小限の時間で取得することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態に係る通信装置は、以下に列記する効果を有する。
(1)従来、通信装置は、受信した通信メッセージを解析して得られた通信内容などを制御装置等に提供するとともに、制御装置等から指示された通信内容に基づいて送信用の通信メッセージを生成する。このため、制御装置などに入力される外部の検出装置などにより検出された検出値は、それを送信するか否かについて制御装置によって判断された後、同制御装置から通信装置に与えられる。
これに対し、本実施形態によれば、受信メッセージ31のメッセージID32と即時応答用ID261との一致/不一致がセンサ情報制御回路23にて判定されるとともに、CANコントローラ22が、この判定結果に基づいてセンサ151の検出値を含む送信メッセージ41を生成して、応答メッセージM2として送信するようになる。つまり、受信メッセージ31、特に要求メッセージM1に適時にしかも迅速に反応することができるようになるため、要求メッセージM1を受信してから、当該要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2を送信するまでに要する時間の短縮が図られる。また、センサ151により検出される検出値を含む応答メッセージM2の送信に関する処理が、情報処理装置20を含まない、センサ情報制御回路23やCANコントローラ22などのみで完結されるようになるため、要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2の生成及び送信が迅速に行われるようにもなる。これにより、この通信装置は、センサ151から取得される検出値などのデータを、要求元である統合ECU10に対して適時にしかも迅速に返信することができるようになる。
その結果、特に、通信メッセージを介してフィードバック制御に用いる値を取得する制御装置等においては、フィードバック値の取得にかかる時間が短縮されるため、制御の応答性が向上することから制御性能や制御精度の向上が期待されるようになる。
また、応答メッセージM2の生成の要否の判断がCANコントローラ22などで行われるため、CANコントローラ22を使用している情報処理装置20における処理負荷を低減させることができるようになる。
(2)センサ情報制御回路23は、メッセージID32と即時応答用ID261との一致/不一致の判定を論理回路により行うため、メッセージID32と即時応答用ID261との一致/不一致の判定に要する時間を短くすることができる。論理回路を用いれば、例えば、2つのビットの一致/不一致を否定排他的論理和回路241〜244などを用いて判定できるとともに、判定に要する時間を数クロック程度にすることも可能である。これにより、要求メッセージM1に対応する応答メッセージM2が生成されるまでに要する時間が短縮される。
(3)通信ネットワークとしてCANプロトコルが適用される通信システムに対してこの通信装置を適用した。ところで、CANプロトコルは、複数のセンサ151〜153,161〜163,…が用いられる車両1の通信ネットワークに利用されることの多いプロトコルである。つまり、車両1にこの通信装置を適用することにより、通信メッセージを介しての検出値の送信受信に要する時間の短縮が図られ、車両1の制御性能や制御精度が向上するようになる。
(4)応答メッセージM2に含める応答用IDと即時応答用ID261とが同一のIDであるため、IDの管理が容易になる。特に、CANプロトコルであれば、データをリクエストする通信メッセージを構成するリモート・フレームに格納されるメッセージID(32)と、当該リクエストに応答してデータを返信する通信メッセージを構成するデータ・フレームに格納されるメッセージID(43)とが同一になるため、とりわけCANへの適用が容易となる。
(5)受信メッセージボックス30のメッセージID32がセンサ情報制御回路23に取得される。受信メッセージボックス30にはCANプロトコルに基づいて解析処理された受信メッセージ31から抽出されたメッセージID32が格納されるため、センサ情報制御回路23によるメッセージID32の取得が容易になる。特に、受信メッセージ31がCANプロトコルであれば、解析された受信メッセージ31の各種内容をメモリ領域に格納する受信メッセージボックス30がCANコントローラ22に設けられるため、このような構成の適用が容易である。
(6)受信したメッセージID32と即時応答用ID261との比較が同一の集積回路27内で行われるため、同比較に要する時間を極めて短くすることができるようになる。これにより、受信メッセージ31(要求メッセージM1)に対する応答をより迅速にすることができるようになる。
(7)送信メッセージボックス40から送信メッセージ41(応答メッセージM2)が送信される。特に、通信メッセージがCANプロトコルであれば、送信メッセージ41は送信メッセージボックス40に設定された内容に基づいて作成されるため、この構成の適用が容易である。
(8)センサポート21によるセンサ151の検出値の取得、つまり送信メッセージボックス40への出力の可否の切換えタイミングを、送信メッセージ41の生成/非生成のタイミングに合わせることができるようになる。これによっても、送信メッセージ、つまり応答メッセージM2を適時に生成することができるようになる。
(9)この通信装置を車両1に適用することによって、車両1における運転や走行にかかる各種の制御に対する制御性能や制御精度の向上が図られる。また、車両1に分散配置されている各種センサ151〜153,161〜163,…の検出値を同車両1に設けられている統合ECU10などの各種ECUが取得することが容易になる。これにより、車両1の制御性能を維持向上させつつ、省配線化が促進されるようにもなる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記実施形態では、統合ECU10が1つだけの場合について例示したが、これに限らず、各種制御に必要とする数だけの統合ECUが設けられていてもよい。
・上記実施形態では、センサECU11,12が2つだけの場合について例示したが、これに限らず、センサの検出値の取得に必要とする数だけのセンサECUが設けられていてもよい。
・上記実施形態では、統合ECU10と各センサECU11,12とが別々に設けられている場合について例示したが、これに限らず、1つのECUが統合ECUとセンサECUに共用されてもよい。
・上記実施形態では、通信用バス13には接続されるECUの数は、3つに限られず、2つであっても、4つ以上であってもよい。
・上記実施形態では、センサポート21にセンサ情報制御回路23の出力が入力される場合について例示した。しかしこれに限らず、センサポートにセンサ情報制御回路の出力が入力されなくてもよい。この場合、センサポートからの出力がメッセージ作成部に常時入力されることとなるが、メッセージ作成部はセンサ情報制御回路の出力に応じて送信メッセージへのユーザデータの設定を切り換えるため、応答メッセージの作成を適切に行うことができる。これにより、通信装置の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、情報処理装置20が集積回路27に含まれていない場合について例示したが、これに限らず、情報処理装置が集積回路に含まれていてもよい。これにより、このような通信装置を有するセンサECUの構成を簡単にすることができることも期待できるようになる。
・上記実施形態では、センサポート21が集積回路27に含まれていない場合について例示したが、これに限らず、センサポートが集積回路に含まれていてもよい。これにより、センサからの検出値の伝達に要する時間の短縮が期待されるようになる。
・上記実施形態では、同一の集積回路にCANコントローラ22、センサ情報制御回路23及びIDメモリ領域26の各回路が形成されている場合について例示した。しかしこれに限らず、CANコントローラ、センサ情報制御回路及び応答用IDメモリの各回路は、少なくとも1つが異なる集積回路に形成されていてもよい。形成されている集積回路が異なっていたとしても、各回路間での情報伝達が可能であればデータの授受を適切に行うことができるとともに、各集積回路がバス接続などにより接続されていれば情報伝達に要する時間も短時間にすることができる。これにより、通信装置の構成の自由度が高められ、適用可能性の向上が図られる。
・上記実施形態では、センサ情報制御回路23と送信メッセージボックス40とに同一の即時応答用ID261を与える場合について例示した。しかしこれに限らず、センサ情報制御回路と、送信メッセージボックスとに与えられる即時応答用IDがそれぞれ異なるIDであってもよい。つまり、センサ情報制御回路に与えるIDを格納するメモリ領域と、送信メッセージボックスに与えられるIDを格納するメモリ領域とを各別に設けてそれぞれのメモリ領域に別々のIDを格納するようにすることができる。これにより、CANプロトコルのデータ・フレームを要求メッセージに用いるような場合、その要求メッセージに対応する応答メッセージには要求メッセージのメッセージIDと異なるメッセージIDを付して送信することができる。これにより、CANプロトコルによる通信に柔軟に対応させることができるようになり、通信装置の適用可能性を向上させることができるようになる。
・上記実施形態では、IDメモリ領域26には、センサECU11の起動時に情報処理装置20から所定のメッセージIDが書き込まれる場合について例示した。しかしこれに限らず、応答用IDメモリとして不揮発性のメモリ領域を用いることでメッセージIDを予め設定しておくようにしてもよいし、変更不可能なメモリ領域に予め書き込んであってもよい。これにより、通信装置の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、通信システムがCANプロトコルに基づくシステムである場合について例示した。しかしこれに限らず、通信システムは、通信内容を規定するメッセージIDなどの識別記号を通信メッセージに含む通信プロトコルに適用することができる。これにより、このような通信装置の適用可能性の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、センサ情報制御回路23、センサポート21のビット信号出力回路210、ユーザデータ生成部44に論理回路を用いる場合について例示した。しかしこれに限らず、センサECUの情報処理装置が処理に要する時間よりも処理時間を短くすることができるのであれば、センサ情報制御回路や、センサポートのビット信号出力回路や、ユーザデータ生成部やの一部、もしくは全部に演算処理などの処理が含まれてもよい。これにより、通信装置の設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、通信システムが車両1に搭載されている場合について例示した。しかしこれに限らず、通信システムの一部もしくは全部が車両以外に設けられていてもよい。これにより、通信装置の適用可能性の向上が図られるようになる。
また、このような通信装置を有する通信システムを、生産設備など車両以外に用いてもよい。これにより、車両以外で用いられる通信システムにもこの通信装置の適用範囲の拡大が図れるとともに、適用された通信システムにおいて信号の伝達に要する時間の短縮を図ることができるようになる。
1…車両、10…統合ECU(統合電子制御装置)、11,12…センサECU(センサ用電子制御装置)、13…通信用バス、20…情報処理装置、21…センサポート、22…CANコントローラ、23…センサ情報制御回路、25…論理積回路、26…IDメモリ領域、27…集積回路、30…受信メッセージボックス、31…受信メッセージ、40…送信メッセージボックス、41…送信メッセージ、42…ユーザデータ、44…ユーザデータ生成部、45…メッセージID生成部、151〜153,161〜163…センサ、210…ビット信号出力回路、211,212…論理積回路、241〜244…否定排他的論理和回路、441,442…論理積回路、M1…要求メッセージ、M2…応答メッセージ。

Claims (17)

  1. 通信メッセージに含まれているメッセージIDによって当該メッセージに含まれている通信内容が規定される通信メッセージを送信受信する通信装置であって、
    外部に設けられている検出装置により検出される検出値を取得する取得部と、受信した通信メッセージのメッセージIDを該メッセージIDと比較するために設定されている判定用IDと比較する比較部とを備え、
    前記比較部による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記取得部が取得した検出値と前記判定用IDに対応する応答用IDとを含む送信用の通信メッセージの生成/非生成を切り換える
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 前記比較部は、論理回路により構成されており、前記受信した通信メッセージのメッセージIDを構成するビット信号と前記判定用IDを構成するビット信号とをビット演算により比較して、前記メッセージIDと前記判定用IDとの一致/不一致を判定する
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記通信メッセージがCANプロトコルに基づくメッセージである
    請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 前記応答用IDと前記判定用IDとが同一のIDからなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信装置。
  5. 前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを格納する受信ボックスを備え、
    前記比較部は、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを前記受信ボックスから取得する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信装置。
  6. 前記比較部は、前記受信ボックスを構成する集積回路と一体に形成されている
    請求項5に記載の通信装置。
  7. 前記検出値と前記応答用IDとを含む送信用の通信メッセージが格納される送信ボックスを備え、
    前記生成される送信用の通信メッセージは前記送信ボックスに生成され、この生成された送信用の通信メッセージが同送信ボックスから送信される
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信装置。
  8. 前記取得部は、前記比較部による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記検出値の取得の可否を切り換える
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の通信装置において、
    当該通信装置が車載された制御装置に設けられたものである
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 通信メッセージに含まれているメッセージIDによって当該メッセージに含まれている通信内容が規定される通信メッセージを送信受信する通信装置に適用される通信方法であって、
    外部に設けられている検出装置により検出される検出値を取得する取得工程と、
    受信した通信メッセージのメッセージIDを該メッセージIDと比較するために設定されている判定用IDと比較する比較工程と、
    前記比較工程における比較結果の一致/不一致に基づいて、前記取得した検出値と前記判定用IDに対応する応答用IDとを含む送信用の通信メッセージの生成/非生成を切り換える生成工程とを備える、
    ことを特徴とする通信方法。
  11. 前記比較工程では、前記受信した通信メッセージのメッセージIDを構成するビット信号と前記判定用IDを構成するビット信号とを論理回路によるビット演算により比較して、前記メッセージIDと前記判定用IDとの一致/不一致を判定する
    請求項10に記載の通信方法。
  12. 前記通信メッセージとしてCANプロトコルに基づくメッセージを用いる
    請求項10又は11に記載の通信方法。
  13. 前記応答用IDと前記判定用IDとを同一のIDとする
    請求項10〜12のいずれか一項に記載の通信方法。
  14. 前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを受信ボックスに格納する工程を更に備え、
    前記比較工程では、前記受信した通信メッセージに含まれるメッセージIDを前記受信ボックスから取得する
    請求項10〜13のいずれか一項に記載の通信方法。
  15. 前記生成工程では、前記検出値と前記応答用IDとを含む送信用の通信メッセージが格納される送信ボックスに前記生成される送信用の通信メッセージを生成し、
    前記生成した送信用の通信メッセージを同送信用ボックスから送信する
    請求項10〜14のいずれか一項に記載の通信方法。
  16. 前記取得工程では、前記比較工程による比較結果の一致/不一致に基づいて、前記検出値の取得の可否を切り換える
    請求項10〜15のいずれか一項に記載の通信方法。
  17. 請求項10〜16のいずれか一項に記載の通信方法において、
    当該通信方法を車載された制御装置に設けられた通信装置での通信に用いる
    ことを特徴とする通信方法。
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