JP2013173128A - 部位選択的に助触媒金属が担持された多孔質金属酸化物の製造方法 - Google Patents

部位選択的に助触媒金属が担持された多孔質金属酸化物の製造方法 Download PDF

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健 堤
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Abstract

【課題】本発明は、金属担持量が多くかつ触媒能の高い多孔質金属酸化物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の製造方法であって、溶媒中で助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合する工程、金属塩を添加する工程、および得られた固体から界面活性剤および錯体配位子を除去する工程を含む前記方法、ならびに該方法によって得られた助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、部位選択的に助触媒金属が担持された多孔質金属酸化物の製造方法、および細孔内に選択的に配置された助触媒金属を含む、メソポーラス金属酸化物に関する。
近年、経済活動によるエネルギー枯渇や気候変動問題が深刻化する中、エネルギー供給、環境保全の同時早期解決が求められている。その対応策として、水素エネルギー利用システムの導入に大きな期待が集められている。現在、世界の水素精製の97%が天然ガス(メタン)やナフサなどの化石燃料から製造されている。そしてその主な製造方法は、水蒸気改質法である。この水蒸気改質法は、天然ガスやナフサなどの軽質な炭化水素に用いられ、高温、触媒存在下で原料と水蒸気を反応させることにより、水素の存在比が高い改質ガスを得ることを可能にするものである。しかし、高温条件下で行うため、エネルギー損失が多い。また、化石燃料からの水素精製は、化石資源の枯渇問題や二酸化炭素量増加の問題を抱えている。そうした中、化石燃料を用いない水素製造には、水の電気分解や熱化学分解、光分解などがある。水の光分解は、光触媒を用いて太陽光エネルギーにより、水を分解し水素を得る方法である。しかしこの方法は、現状ではエネルギー効率が低いという問題があった。
光触媒のうち、特に酸化チタン(TiO2)は適切なバンドポテンシャルを有し、光反応過程で安定であること、安価かつ無毒であることから、水素生成光触媒として産学会において精力的に研究が進められている。酸化チタンの触媒活性向上法としては、金属担持が一般的に知られている。これは、高い仕事関数を有する金属の電子受容能を利用したものある。つまり、光励起により生じた伝導バンド(CB)の電子が担持金属に移動することで、価電子バンド(VB)の正孔との再結合が抑えられ、活性な電化分離状態が長寿命化することに起因する。特に白金を担持させた場合に水素生成量収率が最も高いことが報告されている(非特許文献1:Arakawa, H. Chem. Phys. Lett., 371, 360 (2003))。しかし担持金属量が多くなると、触媒表面が金属に覆われることにより光が遮蔽され、触媒単位量当たりの吸収光子量が減少してしまう欠点がある。また担持金属は還元生成物(水素)、酸化生成物(酸素)の逆反応の触媒としても働くことから、金属担持量の過度の増加は水素生成量の低下を招く。従って金属担持量は、触媒に対し1wt%が上限とされている。
従来から多孔質金属酸化物は、ガス浄化材料、吸着剤、分離剤、および触媒等の様々な用途に用いられてきた。このような多孔質金属酸化物としては、より高い吸着、触媒性能を発揮させるという観点から、一次元チャンネル構造のものに比べて三次元チャンネル構造を有するものの方が有利であると考えられている。そのため、種々の三次元チャンネル構造を有する多孔質金属酸化物が研究され、その製造方法が開示されてきた。
メソポーラス酸化チタン触媒は、界面活性剤が溶媒中で形成する液晶を鋳型としてチタンアルコキシドのゾル・ゲル反応により合成されることが報告されている(非特許文献2:L. Wang, Chem. Lett., 1414 (2000))。Yoshikawaらはゾル・ゲル反応過程で担持用試薬として一般に使用されているH2PtCl6を加えることによる白金担持法を報告している(非特許文献3:S. Yoshikawa, Int. J. Hydrogen Energy, 31, 786 (2006))。また、界面活性剤の濃厚溶液中でシリカを重合することにより得られるメソポーラスシリカ(MCM-41)が知られている(非特許文献4:C. t. Kresge, Nature, 359, 710 (1992))。しかし、このような従来の方法では部位選択的に金属を担持させることは困難である。
Arakawa, H. Chem. Phys. Lett., 371, 360 (2003) L. Wang, Chem. Lett., 1414 (2000) S. Yoshikawa, Int. J. Hydrogen Energy, 31, 786 (2006) C. t. Kresge, Nature, 359, 710 (1992)
本発明は、金属担持量が多くかつ触媒能の高い金属担持多孔質金属酸化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、メソポーラス金属酸化物を調製する際に鋳型として使用される界面活性剤に助触媒金属の錯体を加えて混合組織化させ鋳型とすることで、多孔質金属酸化物の細孔内部に選択的に助触媒金属を担持できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の製造方法であって、
溶媒中で助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合する工程、
金属塩を添加する工程、および
得られた固体から界面活性剤および錯体配位子を除去する工程
を含む、前記方法。
(2)助触媒金属の錯体が、界面活性剤と組織化するものである、(1)記載の方法。
(3)金属酸化物が酸化チタンであり、金属塩がテトラアルコキシチタンであり、界面活性剤が長鎖アルキルアミンまたはアルキルアンモニウム塩であり、助触媒金属の錯体が長鎖アルカンチオールと白金との錯体である、(1)または(2)記載の方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の方法によって製造された、助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物。
(5)メソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物の細孔内に選択的に配置された助触媒金属とを含む、助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物。
(6)助触媒金属が白金であり、金属酸化物が酸化チタンである、(5)記載の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物。
本発明により、金属担持量が多くかつ触媒能の高い金属担持多孔質金属酸化物が提供される。
部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒の合成スキームを示す。 触媒の水素生成能力を表すガスクロマトグラフィー(GC)の結果を示す。 実施例1で合成したPt担持メソポーラスチタニア触媒に対する、XRD(X線回折)分析および比表面積分析の結果を示す。 実施例1で合成したPt担持メソポーラスチタニア触媒に対する、XRD(X線回折)分析および比表面積分析の結果を示す。 Pt担持メソポーラスチタニア触媒に対し透過型電子顕微鏡でTEM分析を行った結果を示す。 Pt担持メソポーラスチタニア触媒のNMRスペクトルを示す。 Pt担持メソポーラスチタニア触媒のNMRスペクトルを示す。 部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒の合成スキームを示す。 触媒の水素生成能力を表すガスクロマトグラフィー(GC)の結果を示す。 部位選択的Pt/RuO2担持メソポーラスチタニア触媒の合成スキームを示す。 触媒の水素生成能力を表すガスクロマトグラフィー(GC)の結果を示す。 本発明の部位選択的Pt担持チタニア触媒と既知の方法で合成したPt担持チタニア触媒に対するX線回折分析の結果を示す。
本発明の助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の製造方法は、溶媒中で金属錯体と界面活性剤を混合する工程を含む。界面活性剤としては、メソポーラス金属酸化物の調製において使用されるものが好ましい。メソポーラス金属酸化物の調製において界面活性剤は、反応系の均一分散とメソ細孔の形成のための鋳型として用いられる。例えば、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、およびアニオン界面活性剤を使用できる。界面活性剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。
非イオン界面活性剤としては、長鎖有機アミン、好ましくは長鎖脂肪族アミンが挙げられる。長鎖脂肪族アミンとしては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の脂肪族基、好ましくは炭化水素基を有する長鎖脂肪族アミン、例えば長鎖アルキルアミン、長鎖アルケニルアミン、および長鎖アルキニルアミンが挙げられる。このような脂肪族基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状のものが好ましい。また、長鎖有機アミンは、第1級アミンであっても、第2級アミンであっても、第3級アミンであってもよい。
長鎖アルキルアミン、特に炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルキルアミンが好ましく用いられる。長鎖アルキルアミンの具体例としては、ヘキシルアミン、メチルペンチルアミン、ジメチルブチルアミン、ヘプチルアミン、メチルヘキシルアミン、ジメチルペンチルアミン、トリメチルブチルアミン、オクチルアミン、メチルヘプチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、トリメチルペンチルアミン、イソプロピルペンチルアミン、ノニルアミン、メチルオクチルアミン、エチルヘプチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、N,N'-ジメチル-n-へキシルアミン、N,N’-ジメチル-n-オクチルアミン、N,N'-ジメチル-n-デシルアミン、N,N’-ジメチル-n-ドデシルアミン、N,N’-ジメチル-n-テトラデシルアミン、N,N’-ジメチル-n-パルミチルアミンなどが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム型界面活性剤が挙げられる。第四級アンモニウム型界面活性剤としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の脂肪族基、好ましくは炭化水素基、特に長鎖アルキル基、例えば炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルキル基を有するアルキルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩およびジアルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウムクロリド、アンモニウムブロミド、アンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。長鎖アルキル基を有するアルキルアンモニウム塩の具体例としては、ヘキシルアンモニウムクロリド、オクチルアンモニウムクロリド、デシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムクロリド、テトラデシルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ステアリルアンモニウムクロリド、ヘキシルアンモニウムブロミド、オクチルアンモニウムブロミド、デシルアンモニウムブロミド、ドデシルアンモニウムブロミド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルアンモニウムブロミド、ステアリルアンモニウムブロミド、ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、オクチルアンモニウムヒドロキシド、デシルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩の具体例としては、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。長鎖アルキル基を有するジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、スルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤およびリン酸エステル型界面活性剤が挙げられる。スルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤およびリン酸エステル型界面活性剤としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の脂肪族基、好ましくは炭化水素基、特に長鎖アルキル基、例えば炭素数6〜26、好ましくは6〜12のアルキル基を有するアルキルスルホン酸塩、硫酸エステル塩、硫酸塩、リン酸塩、リン酸エステル、およびカルボン酸塩が挙げられる。スルホン酸塩としては、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウムなど、硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど、カルボン酸塩としてはカルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム、リン酸塩としてはリン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。スルホン酸塩の具体例としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸三ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルスルホン酸カリウム、オクチルスルホン酸カリウム、デシルスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、テトラデシルスルホン酸カリウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム、ステアリルスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸カリウム、オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸カリウム、ナフタレンジスルホン酸二カリウム、ナフタレントリスルホン酸三カリウム、ブチルナフタレンスルホン酸カリウム等が挙げられる。硫酸エステル塩の具体例としては、ヘキシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸ナトリウム、ヘキシル硫酸カリウム、オクチル硫酸カリウム、デシル硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、テトラデシル硫酸カリウム、ヘキサデシル硫酸カリウム、ステアリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸カリウムなどが挙げられる。カルボン酸塩の具体例としては、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、オクタン酸カリウム、デカン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ペルフルオロノナン酸カリウム、N-ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルグルタミン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸塩の具体例としては、ヘキシルリン酸ナトリウム、オクチルリン酸ナトリウム、デシルリン酸ナトリウム、ドデシルリン酸ナトリウム、テトラデシルリン酸ナトリウム、ヘキサデシルリン酸ナトリウム、ヘキシルリン酸カリウム、オクチルリン酸カリウム、デシルリン酸カリウム、ドデシルリン酸カリウム、テトラデシルリン酸カリウム、ヘキサデシルリン酸カリウムなどが挙げられる。
助触媒金属の錯体は、用いる界面活性剤と親和性を有するものが好ましい。例えば、官能基を有する長鎖脂肪族化合物と助触媒金属化合物とを反応させて得られる金属錯体を使用できる。金属錯体は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。ここで、官能基を有する長鎖脂肪族化合物は、配位子として機能する。官能基は、使用する助触媒金属化合物と錯体形成し易いものを選択することが好ましい。官能基の具体例としては、チオール基、アミノ基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィンオキシド基、ニトリル基、スルホン酸基およびチオシアネート基が挙げられる。長鎖脂肪族化合物としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の脂肪族化合物、特に直鎖状脂肪族化合物が挙げられる。脂肪族化合物には、アルカン、アルケン、アルキンおよびポリエーテルが含まれる。官能基はこれらの脂肪族化合物の水素原子と置換される。官能基は、長鎖脂肪族化合物の末端に存在することが好ましい。脂肪族化合物の鎖長は、界面活性剤の鎖長に近いものが好ましい。例えば、脂肪族化合物の主鎖の原子数が、界面活性剤の主鎖の原子数と等しいか1〜3個多いか少ないものが好ましい。界面活性剤として長鎖アルキルアミンまたはアルキルアンモニウム塩を用いる場合、これらの界面活性剤におけるアルキル基における炭素数と等しいか1〜3個多いか少ない炭素数を有する直鎖アルカンチオールが好ましく用いられる。
本発明において助触媒金属は、触媒に加えることによって触媒性能を向上させる機能を有する。本発明では、光触媒において助触媒となる一般的な金属化合物、例えば、周期表2A族元素(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)、遷移金属化合物や、ホウ素化合物などのように周期表3B族元素(ホウ素B、アルミニウムAlなど)を含む化合物を使用できる。助触媒となる金属化合物は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。金属酸化物に助触媒となる金属を担持させることで、水素添加還元反応が効率よく進むと考えられる。本発明においては仕事関数の大きな金属を用いることが好ましい。仕事関数とは、フェルミ準位にある金属内電子を固体外部の真空へ移すのに必要な仕事のことを言う。通常電子ボルト(eV)単位で表され、仕事関数の大きさは、固体内における電子の結合エネルギーと固体表面に形成される電気二重層を電子が通過するのに要するエネルギーに大きく左右される。また、固体内における電子相関による影響を受ける。その値は熱電子放出(thermionic:TE)、光電子放出 (photo emission:PE )、接触電位差(contact potential difference:CP)または電界放出(field emission:FE)より得られる。
遷移金属の元素としては、例えば、周期表3A族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、サマリウムSmなどのランタノイド元素、アクチニウムAcなどのアクチノイド元素)、周期表4A族元素(ジルコニウムZr、ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6A族元素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWなど)、7A族元素(マンガンMn、テクネチウムTc、レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウムOs、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr、ニッケルNi、パラジウムPd、白金Ptなど)、1B族元素(銅Cu、銀Ag、金Auなど)、2B族元素(亜鉛Zn、カドミウムCdなど)などが挙げられる。
助触媒は、前記元素を含み、かつ酸化能を有する限り特に制限されず、金属単体、水酸化物などであってもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物(複酸化物または酸素酸塩)、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物やヘテロポリ酸(特にイソポリ酸)またはその塩などである場合が多い。
また、ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラン、テトラボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガンなど)、B2O3などのホウ素酸化物、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミドなどの窒素化合物、BF3、BCl3、テトラフルオロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げられる。
水酸化物には、例えば、Mn(OH)2、MnO(OH)、Fe(OH)2、Fe(OH)3などが含まれる。金属酸化物には、例えば、Sm2O3、ZrO2、V2O3、V2O5、CrO、Cr2O3、MoO3、MnO、Mn3O4、Mn2O3、MnO2、Mn2O7、FeO、Fe2O3、Fe3O4、RuO2、RuO4、CoO、CoO2、Co2O3、RhO2、Rh2O3、Cu2O3などが含まれ、複酸化物または酸素酸塩としては、例えば、MnAl2O4、MnTiO3、LaMnO3、K2Mn2O5、CaO・xMnO2(x=0.5、1、2、3、5)、マンガン酸塩[例えば、Na3MnO4、Ba3(MnO4)2などのマンガン(V)酸塩、K2MnO4、Na2MnO4、BaMnO4などのマンガン(VI)酸塩、KMnO4、NaMnO4、LiMnO4、NH4MnO4、CsMnO4、AgMnO4、Ca(MnO4)2、Zn(MnO4)2、Ba(MnO4)2、Mg(MnO4)2、Cd(MnO4)2などの過マンガン酸塩]が含まれる。
有機酸塩としては、例えば、酢酸コバルト、酢酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸マンガンなどのC2-20脂肪酸塩、チオシアン酸マンガンや対応するCe塩、Zr塩、V塩、Cr塩、Mo塩、Fe塩、Ru塩、Ni塩、Pd塩、Cu塩、Zn塩などが例示され、無機酸塩としては、例えば、硝酸コバルト、硝酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸銅などの硝酸塩やこれらに対応する硫酸塩、リン酸塩および炭酸塩(例えば、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン酸コバルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸鉄、炭酸マンガン、過塩素酸鉄など)が挙げられる。また、ハロゲン化物としては、例えば、PtCl2、SmCl3、SmI2、ZrCl2、ZrOCl2、VCl3、VOCl2、MnCl2、MnCl3、FeCl2、FeCl3、RuCl3、CoCl2、RhCl2、RhCl3、NiCl2、PdCl2、CuCl、CuCl2などの塩化物や、これらに対応するフッ化物、臭化物やヨウ化物(例えば、PtF2、PtBr2、PtI2、MnBr2、MnF3、FeF2、FeF3、FeBr2、FeBr3、FeI2、CuBr、CuBr2など)などのハロゲン化物、M1MnCl3、M12MnCl4、M12MnCl5、M12MnCl6(M1は一価金属を示す)などの複ハロゲン化物などが挙げられる。
本発明においては、Pt、Pd、Ni、Rh、Ru、CuおよびAgから選択される元素を含む金属化合物、特にPtを含む金属化合物が好ましい。Ptの塩、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物などのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、およびアルコキシドなどが挙げられる。
金属化合物としてPtCl2を用いる場合、金属錯体の形成に用いる長鎖脂肪族化合物は、官能基としてチオール基を有するものが好ましく、特に長鎖アルカンチオールを用いるのが好ましい。具体的には、炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルカンチオールが好ましく用いられる。
金属錯体は、通常、上記金属化合物と上記長鎖脂肪族化合物とを溶媒中で反応させることにより生成させることができる。溶媒は、特に制限されないが、例えば、水、塩化メチレン、トリクロロエチレン、およびテトラクロロエチレンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエンなどの芳香族系溶媒またはこれらの混合物を使用できる。
助触媒金属の錯体において、官能基を有する長鎖脂肪族化合物(金属錯体の配位子)は、金属化合物に対し、通常0.5〜2当量で、好ましくは0.8〜1.5当量で使用される。また、界面活性剤は、金属化合物に対し、通常100〜400当量で、好ましくは200〜300当量で使用される。このようなモル比とすることにより、界面活性剤と金属錯体が効率よく組織化するとともに、金属錯体が界面活性剤液晶中で高分散される。
金属酸化物は、界面活性剤を使用したゾル−ゲル鋳型法で合成されるものであれば特に制限されないが、例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、SnO2、Fe2O3およびWO3等が挙げられる。本発明においては、酸化チタン(TiO2)が好ましく、酸化チタンはチタニアとも称される。
本発明の助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物は、界面活性剤に助触媒金属の錯体を混合することを除き、従来の金属担持多孔質金属酸化物、特に金属担持メソポーラス金属酸化物の製造方法に従って製造することができる(L. Wang, Chem. Lett., 1414 (2000); S. Yoshikawa, Int. J. Hydrogen Energy, 31, 786 (2006)など)。
まず得られた金属錯体を、溶媒中で界面活性剤と混合する。このとき使用する溶媒は、特に制限されないが、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)またはこれらの混合物などを使用できる。金属錯体と界面活性剤は、組織化して金属錯体−界面活性剤液晶を形成すると考えられる。金属錯体と界面活性剤が組織化した後、溶媒を留去などにより除去してもよい。
続いて、金属錯体と界面活性剤の混合物に、金属塩を添加する。金属塩は、金属酸化物に対応するものであり、例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、SnO2、Fe2O3およびWO3に対して、Ti、Si、Al、Nb、Ta、Zr、Sn、FeおよびWの塩をそれぞれ添加する。金属塩としての複数のものを使用してもよく、その場合は複数の金属酸化物の混合体が得られることになる。金属塩としては、前記金属の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(塩化物、フッ化物等)、有機塩等が挙げられ、塩の除去(例えば硝酸イオン、塩化物イオン等の除去)の容易さ、安全性等の観点から、有機塩がより好ましい。また、このような有機塩としては、酢酸塩、アルコキシド等が挙げられ、前記アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。金属酸化物として酸化チタンを調製する場合は、チタン(Ti)の塩、特にテトラアルコキシチタンを用いるのが好ましい。金属塩を添加することにより、金属錯体-界面活性剤液晶を鋳型として多孔質金属酸化物が形成される。金属塩の添加は、溶媒の存在下、攪拌しながら行うことが好ましい。ここで使用する溶媒は、特に制限されないが、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)またはこれらの混合物などが挙げられる。
テトラアルコキシチタンの具体例としては、テトライソプロピルオキシチタンTi(OiPr)4、テトラエトキシチタンTi(OEt)4、テトラn-ブチルオキシチタンTi(OnBt)4、テトライソブチルオキシチタンTi(OiBt)4等が挙げられる。テトラアルコキシチタンとともに、安定剤を添加することが好ましい場合もある。その場合、テトラアルコキシチタンは、あらかじめ安定剤と混合してから加えてもよく、安定剤と一緒に添加してもよい。安定剤としては、例えば、アセチルアセトンCH3COCH2COCH3が挙げられる。
金属塩を添加後、例えば、大気圧下で静置して沈殿物を採取することにより、あるいは30〜100℃の温度で加熱後、溶媒を留去することにより、助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の前駆体としての固体を得ることができる。
続いて得られた固体から、界面活性剤および金属錯体の配位子(官能基を有する長鎖脂肪族化合物)を除去することにより、助触媒金属が多孔質金属酸化物の細孔内に選択的に担持させることができる。界面活性剤および配位子の除去は、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、加熱する方法、有機溶媒または水で処理する方法などが挙げられる。加熱は、有機物を除去可能な条件であれば特に制限されないが、一般的な焼成工程と同様に実施することができる。例えば、300〜700℃で3〜8時間、好ましくは400〜600℃で4〜6時間で加熱処理を実施する。有機溶媒または水で処理する方法としては、用いた界面活性剤および配位子に対する溶解度が高い溶媒中に浸漬して抽出する方法が挙げられる。このような有機溶媒は特に制限されないが、例えば、メタノールおよびエタノールなどのアルコール、ならびにアセトンなどが挙げられる。
本発明では、このようにして得られた助触媒金属が細孔内に選択的に担持された多孔質金属酸化物に、さらに別の助触媒金属を担持させてもよい。さらなる助触媒金属の担持は、例えば、助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物に、溶媒存在下で、上記のような金属化合物のうち別種の金属元素を含む金属化合物を添加して攪拌し、溶媒を除去することにより実施できる。
助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物においては、さらに担持された金属を還元することが好ましい。Ptを担持させた多孔質金属酸化物の場合、例えば、メタノール/脱イオン水混合溶媒中、キセノンランプで光照射することにより、Ptを2価から0価に還元し、Ptとして析出させることができる。
本発明の方法により得られた助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物においては、上記界面活性剤−金属錯体複合体を鋳型としたメソポーラス構造が形成される。すなわち、本発明の助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物は、換言すれば助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物である。メソポーラス構造は、通常2〜50 nmの細孔径を有する多孔質構造をさす。本発明の助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の比表面積は、特に制限されないが、通常3〜100 m2/g、好ましくは15〜100 m2/gである。
本発明において金属酸化物として酸化チタンを調製する場合、多孔質構造中にある酸化チタンはアナターゼ型またはルチル型であり、好ましくはアナターゼ型である。酸化チタンの結晶構造には、アナターゼ型、ルチル型、ブルサイト型があり、アナターゼ型の酸化チタンを900 ℃以上で加熱するとルチル型に転移し、ブルサイト型を650 ℃以上で加熱するとルチル型に転移する。ルチル型は最安定構造であり、ルチル型に転移すると低温に戻してもルチル型を維持する。光触媒としてはアナターゼ型のほうが3.2 eVとバンドギャップが大きく、一般的に光触媒の活性は高い。
本発明の助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物は、助触媒金属が細孔内に選択的に配置/担持されていることを特徴とする。担持された助触媒金属の70wt%以上、好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上、さらに好ましくは95wt%以上が多孔質金属酸化物の細孔内に配置/担持される。最も好ましくは助触媒金属は、多孔質金属酸化物の細孔内にのみ選択的に配置/担持される。助触媒となる金属が細孔内に選択的に配置/担持されていることは、例えば、X線回折分析により、金属のピークの大きさを比較することにより確認できる。金属が細孔内に配置/担持されている場合、X線回折分析において金属のピークは通常小さくなる。
助触媒金属の担持量は、金属酸化物に対して、通常0.2〜5wt%、好ましくは0.5〜3wt%、さらに好ましくは0.8〜2.5wt%である。本発明では、助触媒金属を、細孔内に選択的に担持させることが可能になるため、例えば多孔質酸化チタンにおいて金属担持量を増加させても水素生成量が低下することがないため、高い金属担持量が可能になり、優れた触媒活性を達成することができる。
例えば、本発明で得られる助触媒金属を担持した多孔質酸化チタンは、太陽光エネルギーにより水を分解して水素を生成する反応において、光触媒として機能する。本発明の金属担持多孔質酸化チタンを光触媒として用いた場合、光励起により生じた伝導バンドの電子は細孔内に担持されたに金属に移動するため、細孔内が還元部位となり、この細孔内で水素が生成する。細孔外の酸化チタン表面が酸化部位となり、ここで酸素が発生する。本発明の金属担持多孔質酸化チタン触媒では、メソポーラス構造に基づく比表面積の増大に加え、(1)細孔外表面に金属は担持されていないので光が遮蔽されない、(2)水素と酸素が細孔内外の別の反応部位で発生するため、逆反応が抑えられる、(3)金属による光の遮蔽、逆反応を考慮することなく金属担持量を増やすことが可能となり、電子、正孔の再結合を効果的に抑制できる、などの優れた特性が付与される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒(1wt%Pt/TiO 2 )の合成
部位選択的に白金(Pt)をメソポーラス触媒のメソ細孔内に担持させるために、メソポーラス触媒合成用界面活性剤と組織化/液晶形成する長鎖メチレン白金錯体を調製し、これを白金源とした。調製した長鎖メチレン白金錯体と界面活性剤(ドデシルアミン)を混合組織化させ、形成された白金錯体−界面活性剤液晶を鋳型とすることで、部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒を合成した。既知合成法(Wang L., Suzuki M. et al. Chem. Lett. (2000), 1414)との比較のために、既知の方法に従い、無機白金試薬(PtCl2)を白金源に用いて、比較用触媒を合成した。
各種長鎖メチレン化合物(ドデカン-1-チオール C12H25SH、ヘキサン-1-チオール C6H13SH、ドデカンニトリル C11H23CN)に塩化白金PtCl2(2.7 mg, 0.010 mmol)を塩化メチレンCH2Cl2(4.0 mL)中で反応させた(24 h)。ドデシルアミン C12H25NH2、MeOH(2.0 mL)を加え、撹拌しながら溶媒留去した。得られた固体を1-プロパノール 1-PrOH(20 mL)に加え、さらにTi(OiPr)4 (0.73 mL, 2.5 mmol)を撹拌しながら滴下した。15分後、撹拌を止め、大気中で静置した(48 h)。沈殿した固体をデカンテーションで得、エタノール、脱イオン水で洗浄後、酸素気流下で焼成(500 ℃, 5 h)した。メタノール/脱イオン水混合溶媒中、固体をキセノンランプで光照射し、光析出法にてPtを2価から0価に還元し、1wt% Pt/TiO2触媒を得た(図1)。
Figure 2013173128
実施例2 光触媒反応による水素生成の検討
実施例1で合成した触媒(1wt%Pt/TiO2-X)の活性を比較するために、それぞれの触媒の水素生成能を調べた。
パイレックスガラス製反応管に合成したPt/TiO2-X触媒(150 mg)、脱イオン水(25 ml)、メタノール(25 ml)を入れ、閉鎖循環反応装置に取り付けた。反応液を減圧下で脱気後、Arガスで反応容器を置換(約70kPa)した。キセノンランプで光照射した。水素生成量は、ガスクロマトグラフィー(検知器: TCD)により検出した。ガスクロマトグラフィー (GC)の条件は以下のとおりである。
装置 :島津GC-8A
カラム :SHINCARBON ST(50-80 mesh, 1.5 m)
キャリヤーガス:アルゴン
検出 :熱伝導型検出器(TCD: Thermal Conductivity Detector)
結果を以下の表2及び図2に示す。
Figure 2013173128
長鎖メチレン化合物を用いて合成した触媒は、用いないものと比べ高い水素生成能を示すことが明らかとなった。長鎖メチレン化合物においては、特にドデカン-1-チオール C12H25SHが触媒活性向上に有効であった。塩化白金PtCl2(0.010 mmol)に対し、ドデカン-1-チオール C12H25SHを1.2等量(0.012 mmol)、ドデシルアミンC12H25NH2を270等量(2.7 mmol)用いて合成した触媒が特に高い水素生成能を示した。
実施例3 XRD分析、比表面積分析および透過型電子顕微鏡TEM分析
実施例1で合成した触媒(1wt%Pt/TiO2-X)に対し、XRD(X線回折)分析および比表面積分析を行った。分析条件は以下のとおりである。結果を図3に示す。
XRD(X線回折)分析:
装置:試料水平型多目的X線回折装置 RINT2000/PC(理化学電気株式会社)
測定方法:連続、X線:Cu−Kα線、管電圧:40kV、管電流:40mA、測定角度:3.0〜50.0°、サンプリング幅(2θ):0.020°、走査速度:4°/minl、発散スリット:1°、錯乱スリット:1°、受光スリット:0.3mm
比表面積分析:
装置:SHIMADZU micromeritics FlowSorb III
使用ガス:窒素
XRD分析より、得られた触媒は全てアナターゼ型TiO2結晶であることがわかった。XRDパターンはいずれも同じであることから、本合成法でも触媒の結晶性にはほとんど影響がないと考えられる。Pt/TiO2-C12H25SHが最も比表面積が大きかった。一方、他の触媒はPt/TiO2と比べ比表面積が小さくなったことから、細孔割合が低くなっていると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(JEM-2010MX ELECTRON MICROSCOPE(JEOL日本電子))でTEM分析を行った(200V)。結果を図4に示す。TiO2の結晶像が確認された。
実施例4 長鎖メチレン化合物とPtCl 2 の反応
実施例1における長鎖メチレン白金錯体の生成を確認するために、長鎖メチレン化合物(C12H25SH)と塩化白金との反応を核磁気共鳴装置(NMR)による分析で追跡した。
NMRチューブに、C12H25SH (4.56 mg, 0.0225 mmol)、CDCl3(0.6 mL) を加えた。さらにPtCl2(5.45 mg, 0.0205 mmol) を入れ、振り混ぜた。1H NMR分析により、反応の経時変化を調べた。NMR測定条件及び反応式を以下に示す。また、結果を図5に示す。
装置 :ブルカーAC250P、400 MHz
溶媒 :重クロロホルム
基準物質:TMS
[式]
Figure 2013173128
1 時間後には、2.52 ppm あたりのC12H25SH のカルテットシグナルが減少し、新たに、3.83 ppm トリプレットシグナル、2.95 ppm ブロードシングレットシグナルが出現した。5 時間後には、2.52 ppm あたりのC12H25SH のカルテットシグナルがさらに減少し、3.83 ppm トリプレットシグナル、2.95 ppm ブロードシングレットシグナルの強度が増加した。23 時間後には2.52 ppm のシグナルは他のシグナルと比べ、相対的にかなり小さくなった。シグナルの分裂パターンから、3.83 ppm トリプレットシグナルは錯体B に、2.95 ppmブロードシングレットシグナルは錯体A に帰属された。また、白金サテライトシグナルも観測された。
錯体A: 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ2.95 (brs, 2H)
錯体B: 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ3.83 (t, dHH = 8.0 Hz, dPtH = 69.0 Hz, 2H)
実施例5 部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒(2wt%Pt/TiO 2 )の合成
メソポーラスチタニア触媒の合成において、界面活性剤としてドデシルアンモニウムクロリドC12H25NH2・HCl を用いた方法が報告されている(Yoshikawa S. et al. Int. J. Hydrogen Energy 31, (2006), 786.)。そこでこの既知方法と比較するために、長鎖メチレン化合物を用いた合成方法を適用し、部位選択的金属担持メソポーラス触媒を合成した。
長鎖メチレン化合物ドデカン-1-チオール C12H25SH(4.9 mg, 0.024 mmol)に塩化白金PtCl2(5.4 mg, 0.020 mmol)を脱イオン水(6.2 mL)中、反応させた(1.5 h)。ドデシルアンモニウムクロリドC12H25NH2・HCl(136.4 mg, 0.615 mmol)、脱イオン水(1.0 mL)を加え、撹拌した(24 h)。別途、アセチルアセトンACA(0.25 mL, 2.5 mmol)とTi(OiPr)4 (0.73 mL, 2.5 mmol)を混合し、(ACA) Ti(OiPr)3 を調製した(1 h)。(ACA) Ti(OiPr)3 を(C12H25SH)PtCl2-C12H25NH2・HCl 反応液に加え、撹拌した(0.5 h)。反応容器を密閉し、40℃で加熱撹拌した(15 h)。続いて80℃で加熱した(7 day)。反応容器を開放し、80℃で加熱しながら溶媒留去した(24 h)。残存した固体を酸素気流下で焼成(500 ℃, 4 h)した。メタノール/脱イオン水混合溶媒中、固体をキセノンランプで光照射し、光析出法にてPtを2価から0価に還元し、2wt% Pt/TiO2触媒を得た。既知法との比較のために、白金源として塩化白金酸(H2PtCl6)を使用して2wt% Pt/TiO2触媒を合成した(図6)。
実施例6 光触媒反応による水素生成の検討
実施例5で合成した触媒(2wt%Pt/TiO2)の活性を比較するために、それぞれの触媒の水素生成能を調べた。
パイレックスガラス製反応管に合成した触媒(150 mg)、脱イオン水(25 ml)、メタノール(25 ml)を入れ、閉鎖循環反応装置に取り付けた。反応液を減圧下で脱気後、Arガスで反応容器を置換(約70kPa)した。キセノンランプで光照射した。水素生成量は、ガスクロマトグラフィー(検知器: TCD)により検出した。ガスクロマトグラフィー (GC)の条件は実施例2と同じである。結果を図7に示す。
本実施例で長鎖メチレン化合物ドデカン-1-チオール C12H25SHを用いて合成した触媒(新合成法2)は、用いないもの(Yoshikawa法)と比べ高い水素生成能を示すことが明らかとなった。従って、界面活性剤にドデシルアンモニウムクロリドC12H25NH2・HClを用いた場合でも、本方法は有効であることが明らかとなった。本実施例で合成した2wt%Pt/TiO2は、実施例1で合成した1wt%Pt/TiO2(新合成法1)と比べ高い水素生成能を示した。
実施例7 部位選択的Pt/RuO 2 担持メソポーラスチタニア触媒(1wt%Pt/TiO 2 / 1wt%RuO 2 )の合成
実施例5の合成法を応用すれば、白金に加えルテニウム(酸化ルテニウム)を担持した異種金属担持メソポーラス酸化チタン触媒が合成可能と考えられる。焼成処理まで実施例5と同様に行った後、RuO4を反応液中に加えて触媒に担持させることで、白金とルテニウムの2種の金属が担持された部位選択的Pt/RuO2担持メソポーラス酸化チタン合成を行った。
長鎖メチレン化合物ドデカン-1-チオール C12H25SH(4.9 mg, 0.024 mmol)に塩化白金PtCl2(5.4 mg, 0.020 mmol)を脱イオン水(6.2 mL)中、反応させた(1.5 h)。ドデシルアンモニウムクロリドC12H25NH2・HCl(136.4 mg, 0.615 mmol)、脱イオン水(1.0 mL)を加え、撹拌した(24 h)。別途、アセチルアセトンACA(0.25 mL, 2.5 mmol)とTi(OiPr)4 (0.73 mL, 2.5 mmol)を混合し、(ACA) Ti(OiPr)3を調製した(1 h)。(ACA) Ti(OiPr)3を(C12H25SH)PtCl2-C12H25NH2・HCl反応液に加え、撹拌した(0.5 h)。反応容器を密閉し、40℃で加熱撹拌した(15 h)。続いて80℃で加熱した(7 day)。反応容器を開放し、80℃で加熱しながら溶媒留去した(24 h)。残存した固体を酸素気流下で焼成(500 ℃, 4 h)した。得られた固体を脱イオン水(7.0 mL)/2-プロパノール2-PrOH (0.7 mL)混合溶媒に入れ、さらにRuO4 aq(5 g/L, 488 μL, 0.0148 mmol)を加えて撹拌した(0.5 h)。溶媒を減圧留去して除き、さらに窒素ガス気流下、110 ℃で乾燥させた(6 h)。メタノール/脱イオン水混合溶媒中、固体をキセノンランプで光照射し、光析出法にてPtを2価から0価に還元し、1wt%Pt/TiO2/1wt%RuO2触媒を得た(図8)。
実施例8 光触媒反応による水素生成の検討
実施例7で合成した触媒(1wt%Pt/TiO2/ 1wt%RuO2)の活性を比較するために触媒の水素生成能を調べた。
パイレックスガラス製反応管に合成した触媒(150 mg)、脱イオン水(25 ml)、メタノール(25 ml)を入れ、閉鎖循環反応装置に取り付けた。反応液を減圧下で脱気後、Arガスで反応容器を置換(約70kPa)した。キセノンランプで光照射した。水素生成量は、ガスクロマトグラフィー(検知器: TCD)により検出した。ガスクロマトグラフィー (GC)の条件は実施例2と同じである。結果を図9に示す。
1wt%Pt/TiO2/1wt%RuO2触媒は2wt%Pt/TiO2触媒と比べ、水素生成効率はほとんど同じであった。しかし、前者はPt担持量が後者の半分であるため、RuO2の担持が同等の触媒性能を発現した要因であると考えられる。
実施例9 XRD(X線回折)分析
実施例5で合成した触媒(2wt%Pt/TiO2)と、既知法で合成した2wt%Pt/TiO2触媒(Yoshikawa S. et al. Int. J. Hydrogen Energy 31, (2006), 786)に対し、XRD(X線回折)分析を実施した。測定条件は以下のとおりである。結果を図10に示す。
装置:試料水平型多目的X線回折装置 RINT2000/PC(理化学電気株式会社)
測定方法:連続、X線:Cu−Kα線、管電圧:40kV、管電流:40mA、測定角度:3.0〜50.0°、サンプリング幅(2θ):0.020°、走査速度:4°/min、発散スリット:1°、錯乱スリット:1°、受光スリット:0.3mm
2wt%Pt/TiO2において、本発明の方法で合成した部位選択的Pt担持メソポーラスチタニア触媒と、既知法で合成したもの(Yoshikawa S. et al. Int. J. Hydrogen Energy 31, (2006), 786)のXRD分析結果を比較したところ、前者はPt回折ピークの強度が低下していた。既知法はPtの担持場所が制御されずに触媒表面にもPtが表出しているのに対し、本発明法では細孔内部選択的にPtが担持されるため、細孔内部にPtが分散され、XRDのPt回折ピーク強度が低下したと考えられる。
化石燃料を用いない水素製造には、水の電気分解、熱化学分解、光分解などがあり、水の光分解は、光触媒を用いて太陽光エネルギーにより水を分解し水素を得る方法として注目されている。一方で、この方法はエネルギー効率が低いという問題があったが、本発明により、水の光分解のエネルギー効率を上げることが可能になる。したがって、本発明は、脱化石燃料およびクリーンエネルギーの実現に寄与しうるものである。

Claims (6)

  1. 助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物の製造方法であって、
    溶媒中で助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合する工程、
    金属塩を添加する工程、および
    得られた固体から界面活性剤および錯体配位子を除去する工程
    を含む、前記方法。
  2. 助触媒金属の錯体が、界面活性剤と組織化するものである、請求項1記載の方法。
  3. 金属酸化物が酸化チタンであり、金属塩がテトラアルコキシチタンであり、界面活性剤が長鎖アルキルアミンまたはアルキルアンモニウム塩であり、助触媒金属の錯体が長鎖アルカンチオールと白金との錯体である、請求項1または2記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって製造された、助触媒金属を担持した多孔質金属酸化物。
  5. メソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物の細孔内に選択的に配置された助触媒金属とを含む、助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物。
  6. 助触媒金属が白金であり、金属酸化物が酸化チタンである、請求項5記載の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物。
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