[第1実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について図1〜図16を参照して説明する。
図1には、遊技に関する制御を行うパチンコ遊技機10と、該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11とが略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の図示しない中枠が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠の前面側には、中央部に窓口14を有するとともに、該窓口14の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した前枠16が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠16の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。また、前枠16には、窓口14のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する枠用ランプ部17が配置されている。枠用ランプ部17は、前枠16の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17aで覆って構成されている。
前枠16には、窓口14の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ20が配置されている。スピーカ20は、前枠16の裏面に装着されており、該前枠16の前面であってスピーカ20の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠の前面側であって前枠16の下部には、上皿15から溢れ出て機内部に形成される溢れ球通路22を流下した遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口15aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の図示しない貯留通路が連設されており、さらに右方側に貯留通路内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路により前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、機内に装備された発射ユニット83(図6に示す)によって遊技盤YBに向けて発射される。なお、遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。
上皿15の上面15dには、貸し球(遊技球)の貸し受けに関しての各種操作を行うための操作部としての球貸し操作部26が装備されている。球貸し操作部26には、図2に示すように、カードユニット装置11にプリペイドカードを投入した状態で遊技者が遊技球の貸し受けを指示する球貸ボタン26aと、カードユニット装置11に投入したプリペイドカードの返却を指示する返却ボタン26bとが設けられている。また、球貸し操作部26には、カードユニット装置11に投入したプリペイドカードの残金(遊技球と交換可能な有効金額)を表示する度数表示器26cと、球貸しが可能な状態であるか否かを報知する球貸し可能表示LED26dとが設けられている。度数表示器26cは、例えば7セグメントLEDからなり、残金(例えば、500円、1000円)を数字にて発光表示する形態とされている。球貸し操作部26には、プリペイドカードの投入時に該カードの残金が表示され、球貸ボタン26aを操作する毎に払出された貸し球の数に応じて投入時の残金が書き替えられることにより書き換え後の残金が表示される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、球貸し可能な状態においてカードユニット装置11にプリペイドカードを投入し、球貸し操作部26を操作することにより、投入したプリペイドカードの有効金額内における一定額単位(本実施形態では100円単位)に対して所定球数(100円の場合に25球)の遊技球を貸し受けることができる。
図1に示すように、上皿15の前面15eには、上皿球抜きボタン27が設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、上皿15と下皿23とが溢れ球通路22とは別に設けた図示しない球抜き通路で接続されている。そして、上皿球抜きボタン27が押下操作されると、上皿15の貯留通路内の遊技球が前記球抜き通路を介して下皿23に流下案内されるようになっている。
下皿23には、溢れ球通路22を流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。また、下皿23には、貯留部23b内の遊技球を下皿23から外部に排出するための図示しない切換機構が設置されている。切換機構は、下皿23の下部に配置された下皿球抜きボタン28と、貯留部23bの底部の一部を貫通するように形成された図示しない球抜き孔と、該球抜き孔を開放及び閉鎖するための蓋体と、下皿球抜きボタン28の操作状態に連動させて蓋体を開放状態又は閉鎖状態に作動させる作動部材とから構成されている。このような切換機構により下皿23は、蓋体の閉鎖状態にあって球抜き孔が閉鎖されている場合に遊技球を貯留部23bで貯留可能な貯留状態とされる一方で、下皿球抜きボタン28が押下操作されて蓋体が開放状態に作動し、球抜き孔が開放されている場合に遊技球を外部に排出する貯留解除状態とされる。また、下皿23には、前記球抜き通路を介して上皿15から流下案内された遊技球を貯留部23bに排出する図示しない球抜き口が設けられている。
また、前枠16の右方には、未払出し状態にある賞球の総数を示す未払出球数を表示する表示手段としての賞球残数表示装置48が設けられている。この賞球残数表示装置48は、遊技者や遊技場の係員等により特定可能なように未払出球数を表示する。また、本実施形態の賞球残数表示装置48は、3つの7セグメントLED(図示しない)を横並び形態で配置し、3桁の数字(000〜999)又は3桁のアルファベット(例えば、「FFF」)を発光表示可能な構成とされている。例えば、賞球残数表示装置48に「048」の3桁の数字が表示された場合には、遊技球の未払出球数が「48球」であることを報知している。
次に、遊技盤YBの構成について図3を参照して詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール30が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール30によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路30aが形成されるとともに、誘導レール30の内側に遊技領域H1が形成される。誘導路30aの下方には、中枠に装着されるとともに、発射ユニット83(図6に示す)の作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール30の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1には、演出表示装置33、特別図柄表示装置34及び普通図柄表示装置35などの各種表示装置が装着されている。
本実施形態の演出表示装置33は、液晶表示部33aを備えており、該液晶表示部33aが遊技領域H1の中央に配置される。演出表示装置33には、複数種類の図柄を変動させて複数列の図柄からなる図柄組み合わせを導出する図柄変動ゲームなどの表示演出の画像が表示されるようになっている。演出表示装置33の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
本実施形態の特別図柄表示装置34は、発光体(LEDやランプなど)を内蔵し、その発光体をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では7個)の特図発光部を備えている。この特別図柄表示装置34は、7個の特図発光部が演出表示装置33の左下方部において並列配置されるように表示枠体32に装着されている。そして、特別図柄表示装置34では、複数個の特図発光部の中から所定の特図発光部を点灯させて、その点灯した特図発光部の位置と個数によって区別される組み合わせを導出する図柄変動ゲームが表示されるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームで点灯又は消灯する特図発光部を特別図柄として扱っている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
演出表示装置33と特別図柄表示装置34では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、演出表示装置33では各列の飾り図柄の変動が開始する一方で、特別図柄表示装置34では各特図発光部が点滅することで特別図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置33と特別図柄表示装置34には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定的に停止表示される。このとき、演出表示装置33と特別図柄表示装置34では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定的に停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものである。本実施形態において演出表示装置33の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成されるとともに、例えば、大当り図柄は全列が同一種類の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一種類の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。一方、本実施形態において特別図柄表示装置34の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、特図発光部において発光した特図発光部の組み合わせによって構成される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置33の表示領域を特別図柄表示装置34の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置33を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置34よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置33の表示内容に注目し、該演出表示装置33の図柄変動ゲームで導出されて確定的に停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
本実施形態の普通図柄表示装置35は、発光体(LEDやランプなど)を内蔵し、その発光体をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普図発光部を備えている。この普通図柄表示装置35は、2個の普図発光部が演出表示装置33の右下方部において並列配置されるように表示枠体32に装着されている。そして、普通図柄表示装置35では、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普通当りか否か(後述する開閉羽根38の開動作により下始動口39を開放するか否か)の内部抽選(普通当り抽選)の抽選結果を表示する普通図柄変動ゲームが行われる。そして、本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として一方の普図発光部を点灯させるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで他方の普図発光部を点灯させる。このため、遊技者は、普通図柄表示装置35の図柄変動ゲームで確定的に一方の普図発光部が点灯することにより当りを認識できるとともに、図柄変動ゲームで確定的に他方の普図発光部が点灯することによりはずれを認識できる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通図柄変動ゲームで点灯及び消灯する普図発光部を普通図柄として扱っている。
遊技盤YBの遊技領域H1であって演出表示装置33の下方には、遊技球の入球を契機に大当り抽選の抽選条件及び所定球数の賞球としての遊技球の払出条件を付与する始動入賞口装置36が配設されている。本実施形態では、賞球として払出される遊技球が景品としての景品用遊技媒体となる。そして、本実施形態の始動入賞口装置36は、演出表示装置33の直下に位置する上始動口37と、開閉動作可能な開閉羽根38を有する普通電動役物が装備された下始動口39とから構成されている。本実施形態の始動入賞口装置36は、上始動口37において常時遊技球の入球を許容する一方で、下始動口39において開閉羽根38が開放した時に遊技球の入球を許容するようになっている。そして、上始動口37に遊技球が入球した場合には、前記大当り抽選の抽選条件と賞球として3球の遊技球を払出す払出条件が付与されるとともに、下始動口39に遊技球が入球した場合も、前記大当り抽選の抽選条件と賞球として3球の遊技球を払出す払出条件が付与される。
開閉羽根38は、前述した普通図柄変動ゲームで当り図柄が導出されることにより予め定めた開放態様(開放時間や開放回数で規定される態様)で開動作し、下始動口39を開放する。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10において当り抽選の抽選条件は、表示枠体32(画像表示装置33)の左方に配置した普通図柄作動ゲート40への遊技球の入球を契機に付与される。普通図柄作動ゲート40は、遊技球が通過する構成とされており、遊技球が通過した場合には当り抽選の抽選条件のみを付与し、賞球の払出条件を付与しない。
遊技盤YBの遊技領域H1であって始動入賞口装置36の下方(下始動口39の直下)には、下大入賞口装置(特別電動役物、第1特別電動役物)41が配設されている。また、演出表示装置33の左上方には、特定の大当り遊技ではない非特定の大当り遊技中に開放される上大入賞口装置(特別電動役物、第2特別電動役物)43が配設されている。また、大当り遊技の種類によって、下大入賞口装置41、上大入賞口装置43の何れか一方が開放される。
下大入賞口装置41には、開閉動作可能な開閉扉42が装備されている。開閉扉42は、特定の大当り遊技中に予め定めた開放態様(開放時間や開放回数で規定される態様)で開動作し、遊技球の入球を許容するように下大入賞口装置41を開放する。そして、下大入賞口装置41には、該下大入賞口装置41へ入球した遊技球の入球口(図示しない)が設けられており、該入球口へ遊技球が入球したことを契機に所定球数(本実施形態では13球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与するようになっている。
また、演出表示装置33の左上方には、特定の大当り遊技ではない非特定の大当り遊技中に開放される上大入賞口装置(特別電動役物)43が配設されている。上大入賞口装置43には、開閉動作可能な開閉羽根44が装備されている。開閉羽根44は、大当り遊技中に予め定めた開放態様(開放時間や開放回数で規定される態様)で開動作し、遊技球の入球を許容するように上大入賞口装置43を開放する。そして、上大入賞口装置43には、該上大入賞口装置43へ入球した遊技球の入球口(図示しない)が設けられており、該入球口へ遊技球が入球したことを契機に所定球数(本実施形態では15球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与するようになっている。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定的に停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。また、大当り遊技には、複数種類の遊技が規定されており、大当り抽選で大当りを決定した後に、大当り遊技の種類を決定する。なお、本実施形態においては、下大入賞口装置41が開放される特定の大当り遊技と、上大入賞口装置43が開放される非特定の大当り遊技とに区別される。
特定の大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、開閉扉42の開動作により下大入賞口装置41が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、16回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、開閉扉42の開動作により下大入賞口装置41が開放されてから開閉扉42の閉動作により下大入賞口装置41が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に下大入賞口装置41は、規定入球数(例えば、9球)の遊技球が入球する迄の間、又は規定時間(1ラウンドは25秒)が経過する迄の間、開放される。そして、特定の大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
その一方で、非特定の大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、開閉羽根44の開動作により上大入賞口装置43が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、8回又は16回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、開閉羽根44の開動作により上大入賞口装置43が2回開放されてから開閉羽根44の閉動作により上大入賞口装置43が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に上大入賞口装置43は、規定入球数(例えば、9球)の遊技球が入球する迄の間、又は規定時間(1ラウンドは5.348秒)が経過する迄の間、開放される。そして、非特定の大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
遊技盤YBの遊技領域H1であって下大入賞口装置41の左方には、左下外入賞口装置45aと、左下中入賞口装置45bと、左下内入賞口装置45cとが、遊技盤YBの左右方向に並列し、かつ上下方向に高さを異ならせて配設されている。また、遊技盤YBの遊技領域H1であって下大入賞口装置41の右方には、右下入賞口装置45dが配設されている。これらの各入賞口装置45a〜45dは、遊技球の入球を契機に所定球数(本実施形態では8球)の賞球としての遊技球の払出条件を付与するようになっている。また、遊技盤YBの遊技領域H1であって下大入賞口装置41の下方には、遊技領域H1に発射されて該遊技領域H1を流下した遊技球のうち、アウト球となった遊技球が入球するアウト球口47が配設されている。アウト球とは、遊技領域H1に配設された各種入賞口装置36,41,43,45a〜45dの何れにも入球しなかった遊技球である。
遊技盤YBにおける右下方の非遊技領域H2には、未払出し状態にある賞球の総数を示す未払出球数を表示する賞球残数表示装置48が装着されている。
また、遊技盤YBにおいて、始動入賞口装置36や、下大入賞口装置41、上大入賞口装置43の近傍には、磁気を検知する磁気センサ49と、電波を検知する誘導磁界検知センサ50(ともに図7に示す)とが配設されている。
次に、パチンコ遊技機10の機裏側の構成について図4及び図5を参照して以下に説明する。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の機裏側には、図4に示すように、遊技場の遊技機設置設備から供給される遊技球を貯留可能な貯留部材としての球タンク51が装着されている。また、遊技場の遊技機設置設備は、図示しないパチンコ遊技機に対して遊技球を供給する機構と、パチンコ遊技機から排出された遊技球(各種入賞口へ入球した後に排出された遊技球とアウト球となった遊技球)を回収する機構とからなる遊技球循環機構を装備し、該遊技球循環機構により遊技球を供給するとともに回収して循環させるようになっている。
また、球タンク51内の遊技球を上皿15に向けて払出す際に遊技球を案内する通路が形成された樋部材52が装着されている。樋部材52は、球タンク51の下方に連設されるとともに、上下方向に延設されている。
球タンク51は、遊技球を貯留するとともに図4において左側から右側に斜状をなす底部51aを有する貯留部51bと、図4において貯留部51bの右方に連設されるとともに遊技球を1列に整流させる整流機構を装備した整流樋51cとを一体化した構成とされている。したがって、遊技場の遊技機設置設備から供給される遊技球は、球タンク51の貯留部51bで貯留されて順次整流樋51cへ誘導され、該整流樋51cで整流された後に整流樋51cの排出口51dから球タンク51外へ1球ずつ排出される。排出口51dは、球タンク51において遊技球を排出する口となる。
樋部材52には、整流樋51cの排出口51dに整合させて配置される球入口60aを有する1本の案内通路としての遊技球補給通路60が形成されている。遊技球補給通路60は、球入口60aから左右の方向に順にカーブを描く形状(蛇行した形状)で成形されているとともに、パチンコ遊技機10の下方に向かって延設されている。また、樋部材52には、遊技球補給通路60の球出口60bに連設して1台の払出手段としての払出ユニット61が装着されている。払出ユニット61は、球タンク51に貯留された遊技球を機外(上皿15又は下皿23)に払出す払出動作を行う装置である。
払出ユニット61の構成について図5を参照して以下に詳しく説明する。なお、図5(a)は、払出動作停止時の払出ユニット61を示し、図5(b)は、払出動作開始時の払出ユニット61を示し、図5(c)は、払出動作中の払出ユニット61を示し、図5(d)は、払出動作終了時の払出ユニット61を示す。
払出ユニット61には、遊技球補給通路60から流下供給される遊技球を払出ユニット61内に取り込むための取込口61aを上流側とするとともに、装置内に取り込んだ前記遊技球を払出ユニット61外に払出すための払出口61bを下流側とし、取込口61aと払出口61bとを連通させる球通路61cが形成されている。また、払出ユニット61の球通路61cの途中には、該球通路61c内に臨むようにして外周部に球送り部61dが凹設される爪車式の媒体払出手段としての球送りスプロケット61eが回転可能に支持されている。球通路61cは、球送りスプロケット61eを境界とし、該球送りスプロケット61eの上流側(すなわち、取込口61a側)が媒体通路としての上流側通路部61fになるとともに、下流側(すなわち、払出口61b側)が下流側通路部61gとなる。
球通路61cの上流側通路部61fには、球送りスプロケット61eの作動によって払出される次払出し段階で停留されている遊技球の存在の有無を検出する払出制御センサ61hが配設されている。払出制御センサ61hは、上流側通路部61fにおいて1球の遊技球を検出し得る位置に設けられている。球通路61cの下流側通路部61gには、球送りスプロケット61eの作動によって払出された遊技球(次払出し段階で停留されていた遊技球)を検出する払出計数センサ61iが配設されている。
払出ユニット61には、球送りスプロケット61eの球送り部61dに対して係合状態と非係合状態を取り得るストッパ61jが設けられているとともに、該ストッパ61jの上端には、付勢ばね61kが連結されている。ストッパ61jは、付勢ばね61kにより図5において時計回り方向へ回動付勢されている。また、払出ユニット61には、払出制御基板56からの制御信号を受けて励磁(オン)又は消磁(オフ)されるストッパ61jの作動部材となる電磁ソレノイドとしての払出ソレノイド61lが設けられている。ストッパ61jは、払出ソレノイド61lの励磁又は消磁により揺動し、該動作に応じて係合状態又は非係合状態へ切換ることによって球送りスプロケット61eを回転させたり、その回転を規制したりする。
図5(a)の状態では、球送りスプロケット61eにストッパ61jが係合することによって該球送りスプロケット61eの回転が規制されているため、遊技球の払出しは行われない。また、図5(a)の状態で払出制御センサ61hは、次払出し段階で待機状態にある1球の遊技球を検出する。図5(b)の状態では、払出ソレノイド61lのオンにより球送りスプロケット61eの規制状態が解除されるとともにストッパ61jが非係合状態となるため、次払出し段階で待機している遊技球の重さにより球送りスプロケット61eが回転して遊技球が払出される。図5(b)の状態で払出計数センサ61iは、球送りスプロケット61eの回転によって払出された遊技球を検出する。
図5(c)の状態では、払出ソレノイド61lが所定時間経過後にオフされることにより、ストッパ61jが球送りスプロケット61eに係合して係合状態となる。その結果、球送りスプロケット61eは、図5(d)の状態で回転が停止し、図5(a)の状態と同じ状態となる。そして、図5(a)の状態から図5(d)の状態になると、1球の遊技球の払出しが完了する。本実施形態では、図5(b)に示すように払出ソレノイド61lがオンされた状態が1球の遊技球の払出しを許容する払出許容状態となる。また、本実施形態では、図5(a)又は(図5(d)に示すように払出ソレノイド61lがオフされた状態が1球の遊技球の払出しを規制する払出規制状態となる。
ここで説明を戻し、図4に示すように、該樋部材52において払出ユニット61の下方には、該払出ユニット61から払出された遊技球を受け入れて案内する球排出通路62が形成されている。また、樋部材52において球排出通路62の下方には、球排出通路62を案内された遊技球を受け入れる球受け部63が形成されている。球受け部63には、球排出通路62の球出口62aの直下に配置される球受け台64と、払出ユニット61から払出された遊技球を上皿15へ向けて払出すための樋部材52の出口となる遊技球内部払出口上65と、前記遊技球を下皿23へ向けて払出すための樋部材52の出口となる遊技球内部払出口下66とが設けられている。
球受け台64は、球排出通路62から落下した遊技球を受け止める面となる底面64aを有し、該底面64aには、図4において右側に所定高さに形成された規制壁64bが立設されている。遊技球内部払出口上65は、その開口下端が球受け台64の底面64aに整合されるように配置されているとともに、上皿15の払出口15aに接続されている。その一方で、遊技球内部払出口下66は、球受け台64の下部に配置されているとともに、下皿23に遊技球を導く溢れ球通路22に接続されている。したがって、払出ユニット61から払出された遊技球は、球排出通路62により球受け台64へ向けて落下し、球受け台64から遊技球内部払出口上65をとおって上皿15の払出口15aへ導かれる。このとき、上皿15の貯留通路15bが遊技球で一杯の状態であって、かつ遊技球が球受け台64の底面64aまで到達するほど一杯の状態になっている場合には、球排出通路62から落下した遊技球が溢れ球となって規制壁64bを乗り越え、遊技球内部払出口下66へ導かれる。そして、溢れ球となった遊技球は、遊技球内部払出口下66をとおって溢れ球通路22から下皿23へ導かれる。
樋部材52において遊技球補給通路60には、その通路途中に該通路の側壁の一部を構成する球抜きレバー67が設けられている。また、樋部材52には、球抜きレバー67の操作によって該球抜きレバー67よりも上流側に貯留される遊技球を遊技機設置設備に装備されたアウト球タンクに排出する球抜き通路68が形成されているとともに、球抜き通路68の下流側には、球抜き通路68を流下した遊技球を排出する樋排出口68aが形成されている。
図4(a)に示すように、球タンク51内に貯留される遊技球は、該球タンク51の整流樋51cによって1列に整流された後に該整流樋51cの排出口51dから遊技球補給通路60へ移り、該遊技球補給通路60に沿って左右方向へカーブを描くように案内されながら払出ユニット61へ案内される。そして、払出ユニット61からは、球送りスプロケット61eの回転により送り出された遊技球が下流側通路部61gにおいて払出計数センサ61iにより検出された後、球排出通路62を介して球受け部63の球受け台64へ排出される。その後、遊技球は、球受け台64から遊技球内部払出口上65と払出口15aを介して上皿15へ排出される。また、上皿15が遊技球で満杯になった場合には、図4(b)に示すように球受け部63に排出された遊技球が溢れ球となり、遊技球内部払出口下66から溢れ球通路22へ排出される。そして、溢れ球通路22に排出された遊技球は、出口23aを介して下皿23へ排出される。なお、貸し球としての遊技球及び賞球としての遊技球は、いずれも同じ経路を辿るようにして払出される。また、球抜きレバー67が操作された場合には、図4(c)に示すように、遊技球補給通路60内の遊技球が球抜き通路68を流下し、樋排出口68aから遊技機設置設備に設置されたアウト球タンクに排出される。
また、パチンコ遊技機10の機裏側には、中枠に外部端子板53(図6に示す)が装着されている。外部端子板53は、遊技場に設置された各パチンコ遊技機の動作状態を管理するために遊技場の管理室などに設置される外部装置としてのホールコンピュータHC(図6に示す)に接続する基板である。なお、外部端子板53が遊技盤YBに装着されず、中枠に装着されることによって、遊技盤YBに装着される場合よりも、外部端子板53を装着する領域が確保し易くなり、ホールコンピュータHCに出力する信号線を増加させ易い構成となっている。
また、パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御基板54と、電源基板55と、払出制御基板56と、発射制御基板57と(ともに図6に示す)が、保護ケースにより覆われるように配置されており、更には、主制御中継端子板58と遊技球等貸出装置接続端子板59と(ともに図6に示す)が装着されている。
主制御基板54は、遊技の進行を制御する第1制御手段(制御手段)として機能し、パチンコ遊技機10全体を制御する。電源基板55は、電源スイッチと、遊技機設置設備の電源に接続される電源コードとを有し、パチンコ遊技機10の各種制御基板や各種演出装置に対して電源を供給する。さらに、電源基板55には、パチンコ遊技機10の電源投入時に操作することにより、バックアップデータをクリアするRWMクリアスイッチRCS(図6に示す)が設けられている。払出制御基板56は、遊技球を払出す払出ユニット61(図6に示す)の払出動作を制御する第2制御手段(制御手段)として機能し、賞球又は貸し球として払出す遊技球の払出しに関する払出制御を実行する。発射制御基板57は、発射ハンドル24の操作状態を検知し、その検知結果に応じて遊技球の発射間隔や発射強度などの発射制御を実行する。主制御中継端子板58は、主制御基板54と払出制御基板56との間に接続される基板である。遊技球等貸出装置接続端子板59は、カードユニット装置11と球貸し操作部26とを払出制御基板56に接続する基板である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、機種毎に専用部品となる主制御基板54を遊技盤YBに装着し、機種に関係なく流用可能な共通部品となる電源基板55、払出制御基板56及び発射制御基板57を中枠に装着している。この構成により、遊技盤YBを交換し、その他の部材をそのまま流用して機種変更を行う場合(盤代えによる機種変更)において、主制御基板54などの遊技盤YBに装着される専用部品は交換対象の部品となり、払出制御基板56などの中枠に装着される共通部品は非交換対象の部品となる。
また、遊技盤YBの裏面側には、サブ統括制御基板70と、音声・ランプ制御基板71と、演出表示装置33と、演出表示制御基板72と(ともに図6に示す)が配設されている。サブ統括制御基板70と音声・ランプ制御基板71とは一体形成されている。サブ統括制御基板70は、主制御基板54が出力する制御信号を入力し、演出表示装置33、枠用ランプ部17、及び各スピーカ20などの報知を行う報知手段を統括的に制御する報知制御手段として機能し、このような制御を行うための制御信号を音声・ランプ制御基板71及び演出表示制御基板72に出力する。音声・ランプ制御基板71は、枠用ランプ部17の発光態様と、スピーカ20の音声出力態様とを専門的に制御するサブ基板である。演出表示制御基板72は、演出表示装置33の表示態様を専門的に制御するサブ基板である。
また、遊技盤YBの裏面側には、始動入賞口装置36の上始動口37へ入球した遊技球を検知する上始動口スイッチ73が装着されているとともに、始動入賞口装置36の下始動口39へ入球した遊技球を検知する下始動口スイッチ74(ともに図7に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、下大入賞口装置41へ入球した遊技球を検知する下カウントスイッチ76(図7に示す)が装着され、遊技盤YBの裏面側には、上大入賞口装置43へ入球した遊技球を検知する上カウントスイッチ75(図7に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、各入賞口装置45a〜45cへ入球した遊技球を検知する左下入賞口スイッチ77(図6に示す)が装着されているとともに、右下入賞口装置45dへ入球した遊技球を検知する右下入賞口スイッチ78(図6に示す)が装着されている。本実施形態において左下外入賞口装置45a、左下中入賞口装置45b及び左下内入賞口装置45cへ入球した遊技球は、図示しない集合樋で集められて1つの左下入賞口スイッチ77を用いて検知される。また、遊技盤YBの裏面側であって普通図柄作動ゲート40に対応する位置には、該普通図柄作動ゲート40を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチ79が装着されている。なお、本実施形態において、上始動口37、下始動口39、上大入賞口装置43、下大入賞口装置41、及び各入賞口装置45a〜45dが入賞手段に相当し、上始動口スイッチ73、下始動口スイッチ74、上カウントスイッチ75、下カウントスイッチ76、左下入賞口スイッチ77、及び右下入賞口スイッチ78が入賞検知手段に相当する。
遊技盤YBの裏面側には、下始動口39に装備した開閉羽根38と対応する位置に、該開閉羽根38を開閉動作させる普通電動役物ソレノイド80(図6に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、下大入賞口装置41に装備した開閉扉42と対応する位置に、該開閉扉42を開閉動作させる下大入賞口ソレノイド81(図6に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、上大入賞口装置43に装備した開閉羽根44と対応する位置に、該開閉羽根44を開閉動作させる上大入賞口ソレノイド82(図6に示す)が装着されている。なお、遊技盤YBに装着されるサブ統括制御基板70、音声・ランプ制御基板71、演出表示制御基板72、演出表示装置33、各スイッチ73〜79、及び各ソレノイド80〜82も、主制御基板54と同様に交換対象の部品となる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を図6及び図7を参照して以下に説明する。
図6に示すように、電源基板55には、遊技機設置設備の電源が接続されているとともに、払出制御基板56が接続されている。払出制御基板56には、主制御中継端子板58が接続されている。主制御中継端子板58には、主制御基板54が接続されている。主制御基板54には、サブ統括制御基板70が接続されている。
なお、本実施形態においては、電源基板55から供給される電源は、符号Vの矢印で示すように、主に払出制御基板56、主制御中継端子板58、主制御基板54、サブ統括制御基板70等の各種制御基板や各種装置に供給される。また、電源基板55から供給されるバックアップ電源は、符号VBBの点線矢印で示すように、払出制御基板56及び主制御基板54に供給される。なお、本実施形態における電源基板55は、主制御基板54及び払出制御基板56に対して、各種情報のバックアップを行うためのバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給手段として機能する。
また、電源基板55には、オン設定、オフ設定に切替操作が可能なRWMクリアスイッチRCSが配設されている。電源基板55からは、RWMクリアスイッチRCSの操作に応じて、RWMクリア信号が払出制御基板56に出力され、払出制御基板56及び主制御中継端子板58を介して、主制御基板54にも出力される。また、電源基板55からは、RWMクリア信号以外にも、電源断信号、リセット信号等が払出制御基板56に出力され、払出制御基板56及び主制御中継端子板58を介して、主制御基板54にも出力される。なお、本実施形態においては、主制御基板54からは、リセット信号がサブ統括制御基板70に出力される。また、本実施形態においては、電源基板55からの電源断信号、リセット信号、RWMクリア信号は、払出制御基板56と主制御基板54とに対して同じように入力されることとなり、何れか一方のみに入力されるようには構成されていない。
また、払出制御基板56と主制御中継端子板58との間、及び主制御基板54と主制御中継端子板58との間は、それぞれ互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。
主制御基板54には、図柄表示基板86が接続されている。図柄表示基板86には、特別図柄表示装置34と普通図柄表示装置35が接続されており、主制御基板54が出力する制御信号を入力することにより特別図柄表示装置34及び普通図柄表示装置35の表示内容を制御する。そして、図柄表示基板86は、特別図柄表示装置34及び普通図柄表示装置35と対応する位置に装着されている。
主制御基板54には、磁気センサ49、誘導磁界検知センサ50、上始動口スイッチ73、下始動口スイッチ74、上カウントスイッチ75、下カウントスイッチ76、左下入賞口スイッチ77、右下入賞口スイッチ78、及び普通図柄変動スイッチ79などの各種のスイッチ・センサが接続されている。また、主制御基板54には、普通電動役物ソレノイド80、下大入賞口ソレノイド81及び上大入賞口ソレノイド82などの各種の可動体作動用のソレノイドが接続されている。
サブ統括制御基板70には、演出表示制御基板72と音声・ランプ制御基板71とが接続されている。演出表示制御基板72には、演出表示装置33が接続されている。音声・ランプ制御基板71には、枠用ランプ部17と、スピーカ20とが接続されている。
次に、払出制御基板56には、発射制御基板57がそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。発射制御基板57には発射ユニット83が接続されている。発射ユニット83は、図示しない発射ソレノイドと該発射ソレノイドに連結される図示しない打球杆から構成される。そして、上皿15から機内に取り込んだ遊技球は、発射制御基板57による発射ソレノイドのオン/オフ制御に応じて打球杆が作動することにより遊技盤YBへ向けて打球される。
また、発射ユニット83には、前枠16の開放時に該前枠16の開放を検知する扉開放検知スイッチ85が装着されており、発射制御基板57に接続されている。扉開放検知スイッチ85によって前枠16の開放が検知されると、発射制御基板57を介して払出制御基板56に制御信号が入力される。
また、払出制御基板56には、賞球残数表示基板87が接続されている。賞球残数表示基板87には、未払出球数を表示する賞球残数表示装置48が装着されている。払出制御基板56は、賞球としての遊技球の払出が完了していない未払出球数を計数し、その未払出球数を示す未払出球数信号を、賞球残数表示装置48に出力することにより、賞球残数表示装置48に未払出球数が表示される。また、この賞球残数表示基板87は、遊技盤YBにおける右下方の非遊技領域H2に対応する位置に装着されている。
また、払出制御基板56には、払出ユニット61と遊技球等貸出装置接続端子板59とがそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。そして、遊技球等貸出装置接続端子板59には、カードユニット装置11と球貸し操作基板88とがそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。球貸し操作基板88は、上皿15の内部であって球貸し操作部26と対応する位置に装着されている。カードユニット装置11と遊技球等貸出装置接続端子板59は、互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板59と球貸し操作基板88は、互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。
払出制御基板56は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11に対しEXS信号(台端末貸出完了信号)とPRDY信号(台READY信号)を出力する。EXS信号は、球貸しに係る1単位(本実施形態では1度数分の25球)に該当する貸し球としての遊技球の払出しが完了した旨を指示する信号である。PRDY信号は、パチンコ遊技機10において遊技球の払出しが可能であることを指示する信号である。一方、払出制御基板56は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11が出力するVL信号(カードユニット接続確認信号)と、BRDY信号(カードユニットREADY信号)と、BRQ信号(貸出し要求信号としての台端末貸出要求完了確認信号)を入力する。VL信号は、カードユニット装置11が接続されていることを指示する信号である。BRDY信号は、球貸しに係る処理中であることを指示する信号である。BRQ信号は、球貸しに係る1単位(本実施形態では1度数分の25球)に該当する貸し球としての遊技球の払出しを要求する信号である。
球貸し操作基板88には、球貸ボタン26aと、返却ボタン26bと、度数表示器26cと、球貸し可能表示LED26dとを有する球貸し操作部26が装着されている。そして、球貸し操作基板88は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11に対し球貸し操作信号と返却操作信号を出力する。球貸し操作信号は、球貸ボタン26aの操作状態を指示する信号であるとともに、返却操作信号は、返却ボタン26bの操作状態を指示する信号である。一方、球貸し操作基板88は、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11が出力する度数表示信号と球貸し表示信号を入力する。度数表示信号は、カードユニット装置11に投入されているプリペイドカードの有効度数の表示を指示する信号である。球貸し表示信号は、遊技球の貸出しが可能な状態であるか否かを指示する信号である。なお、本実施形態における遊技球等貸出装置接続端子板59、カードユニット装置11及び球貸し操作基板88は、払出制御基板56に対して遊技球の貸出に関する払出制御(貸出制御)を指示する貸出指示装置として機能する。
また、払出制御基板56には、外部端子板53が接続されているとともに、該外部端子板53にはホールコンピュータHCが接続されるようになっている。払出制御基板56は、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して、パチンコ遊技機10の動作状態等の遊技情報を出力可能である。
また、払出制御基板56には、満杯スイッチ89が接続されている。満杯スイッチ89は、上皿15と下皿23を連結する溢れ球通路22の途中に設置されている。そして、満杯スイッチ89は、下皿23における遊技球の貯留量が該遊技球の外部排出(すなわち、下皿球抜きボタン28の操作などにより下皿23内の遊技球を取り出すこと)を遊技者に促す貯留量に達したか否かを検出する。なお、パチンコ遊技機10では、上皿15の貯留量が満杯状態になると遊技球を溢れ球通路22によって下皿23へ導くようになっている。このため、下皿23の貯留量が満杯状態となり、該満杯状態を解消させない場合には、遊技球の払出しに伴って溢れ球通路22や樋部材52の球受け部63も遊技球で満杯状態となり、やがて払出ユニット61まで達し、該払出ユニット61の動作を妨げることとなる。したがって、パチンコ遊技機10は、下皿23の満杯状態を満杯スイッチ89で検出し、遊技者に遊技球の外部排出を促す制御(満杯状態の報知など)を実行するように構成されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における外部端子板53、主制御基板54、払出制御基板56、発射制御基板57、払出ユニット61、及びサブ統括制御基板70等の接続態様及び送受信される制御信号の種類について図7を参照してさらに詳しく説明する。なお、図7においては、主制御基板54と払出制御基板56との間に介在する主制御中継端子板58をはじめ、各種構成要素等が省略されている。
主制御基板54には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU(Central Processing Unit)54aと、主制御用CPU54aの制御プログラムを格納する主制御用ROM(Read Only Memory)54bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RWM(Read Write Memory)54cなどが設けられている。主制御用CPU54aは、大当り判定用乱数などの各種乱数値を所定の周期毎にカウントし、発生させる。
払出制御基板56には、制御動作を所定の手順で実行することができる払出制御用CPU56aと、払出制御用CPU56aの制御プログラムを格納する払出制御用ROM56bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる払出制御用RWM56cとが設けられている。さらに、払出制御基板56には、該払出制御基板56側で検出した各種のエラー状態を表示する状態表示装置56dが設けられている。状態表示装置56dは、7セグメントLEDから構成されており、本実施形態ではエラー状態に応じて予め定めた1桁の数字を発光表示可能な構成とされている。なお、本実施形態におけるエラー状態(エラー)とは、正常な動作が行われていない状態に限らず、正常な動作が行われている状態であっても、パチンコ遊技機10のセキュリティに関する脅威が存在するおそれのある状態も含まれる。
サブ統括制御基板70には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU70aと、統括制御用CPU70aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM70bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RWM70cとが設けられている。
払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54に対して、電源基板55により出力された電源断信号と、リセット信号と、RWMクリア信号とを入力する。主制御基板54と払出制御基板56とにおいては、それら信号に基づいて、電断時処理や初期化処理を行う。特に、主制御基板54と払出制御基板56とでは、RWMクリアスイッチRCSからのRWMクリア信号が入力された状態において、リセット信号が入力した場合には、バックアップデータがクリアされる。その一方で、主制御基板54と払出制御基板56とでは、RWMクリアスイッチRCSからのRWMクリア信号が入力されていない状態において、リセット信号が入力した場合には、バックアップデータがクリアされない。
本実施形態において払出制御基板56の払出制御用CPU56aは、6種類のエラー状態を検出するように構成されている。具体的に言えば、払出制御用CPU56aは、払出停止中エラーと、満杯エラーと、払出ユニットエラーと、払出ユニット球詰まりエラーと、払出ユニット球切れエラーと、遊技球等貸出装置未接続エラーを検出する。払出停止中エラーは、遊技球の払出しが停止状態のときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「0」が表示される。満杯エラーは、下皿23が満杯状態のときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「1」が表示される。払出ユニットエラーは、払出ユニット61を構成する払出制御センサ61hや払出計数センサ61iなど、払出ユニット61自体に故障が発生しているときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「3」が表示される。払出ユニット球詰まりエラーは、払出ユニット61の作動によって払出される遊技球が該払出ユニット61から排出されずに払出計数センサ61iの検知範囲内で滞留しているときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「4」が表示される。払出ユニット球切れエラーは、次払出し段階の遊技球が存在しておらず、払出制御センサ61hが遊技球を検知できないときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「5」が表示される。遊技球等貸出装置未接続エラーは、パチンコ遊技機10とカードユニット装置11が未接続のときのエラー状態であり、本実施形態において状態表示装置56dには「6」が表示される。なお、状態表示装置56dには、払出制御用CPU56aがこれらのエラー状態を何れも検出していない場合、「−」が表示される。
払出制御基板56は、満杯スイッチ89が出力する満杯スイッチ信号を入力する。この満杯スイッチ信号は、下皿23における遊技球の貯留量が該遊技球の外部排出を遊技者に促す貯留量に達したか否かの検出結果を示す信号である。この満杯スイッチ信号は、満杯スイッチ89が前記貯留量に達した旨を検出した場合にオンとなり、前記貯留量に達した旨を検出していない場合にオフとなる。
払出制御基板56は、払出ユニット61に払出ソレノイド信号を出力するとともに、該払出ユニット61は、払出制御基板56に払出計数センサ信号(払出検出信号)と払出制御センサ信号を出力する。払出ソレノイド信号は、払出ユニット61の払出ソレノイド61lに対し、オン作動及びオフ作動を指示する信号である。払出計数センサ信号は、払出計数センサ61iによる遊技球の検出結果を示す信号であり、払出計数センサ61iから出力される。この払出計数センサ信号は、払出計数センサ61iが遊技球を検出した場合にオンとなり、遊技球を検出していない場合にオフとなる。払出制御センサ信号は、払出制御センサ61hによる遊技球の検出結果を示す信号であり、払出制御センサ61hから出力される。この払出制御センサ信号は、払出制御センサ61hが遊技球を検出した場合にオンとなり、遊技球を検出していない場合にオフとなる。
払出制御基板56は、発射制御基板57を介して扉開放検知スイッチ85が出力する扉開放スイッチ信号を入力する。この扉開放スイッチ信号は、前枠16が開放されたか否かの検知結果を示す信号である。この扉開放スイッチ信号は、前枠16が開放されたと検知した場合にオンとなり、前枠16が開放されていないと検知した場合にオフとなる。
また、払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54に対して、エラー1信号とエラー2信号と扉開放検知信号とを出力する。エラー1信号は、払出制御基板56の払出制御用CPU56aが検出する各種のエラー状態のうち、満杯エラーが発生している場合に該エラー状態を指示する信号である。エラー2信号は、払出制御基板56の払出制御用CPU56aが検出する各種のエラー状態のうち、払出ユニット球切れエラーが発生している場合に該エラー状態を指示する信号である。これらのエラー1信号とエラー2信号は、満杯エラーを検出した場合にエラー1信号がオンになるとともに、払出ユニット球切れエラーを検出した場合にエラー2信号がオンになる一方で、これらのエラーを検出していない場合に何れの信号(エラー1信号とエラー2信号)もオフとなる。扉開放検知信号は、前枠16が開放されたと検知したことを指示する信号である。
払出制御基板56は、発射制御基板57に対し発射停止信号を出力する。発射停止信号は、遊技球の発射を強制的に停止させる旨を指示する信号である。本実施形態において払出制御基板56は、遊技球等貸出装置未接続エラーが発生している場合に発射停止信号を出力する。
主制御基板54は、各種のスイッチ・センサと接続されており、その中でも、磁気センサ49、誘導磁界検知センサ50、上始動口スイッチ73、下始動口スイッチ74、上カウントスイッチ75、下カウントスイッチ76と接続されている。
主制御基板54は、磁気センサ49が出力する磁気検知信号を入力する。この磁気検知信号は、磁気センサ49によって所定の強さ以上の磁気が検知されたことを示す信号である。この磁気検知信号は、所定の強さ以上の磁気が検知された場合にオンとなり、所定の強さ以上の磁気が検知されていない場合にオフとなる。
主制御基板54は、誘導磁界検知センサ50が出力する電波検知信号を入力する。この電波検知信号は、誘導磁界検知センサ50によって特定の周波数帯の電波が検知されたことを示す信号である。なお、本実施形態において、特定の周波数帯としては、遊技球の入球や通過を検知する各種スイッチ73〜79などに悪影響を及ぼすおそれのある周波数帯である。この電波検知信号は、特定の周波数帯の電波が検知された場合にオンとなり、特定の周波数帯の電波が検知されていない場合にオフとなる。
主制御基板54は、上始動口スイッチ73、下始動口スイッチ74、上カウントスイッチ75及び下カウントスイッチ76が出力する入賞検知信号のそれぞれを入力する。この入賞検知信号のそれぞれは、上始動口37、下始動口39、下大入賞口装置41、及び上大入賞口装置43の何れかによって遊技球が入賞されたことを示す信号である。この入賞検知信号は、各入賞口に遊技球が入賞した場合にオンとなり、各入賞口に遊技球が入賞しなかった場合にオフとなる。
本実施形態において主制御基板54の主制御用CPU54aは、図8に示す主なエラー状態を検出するように構成されている。具体的に言えば、主制御用CPU54aは、RWMクリアと、磁気エラーと、誘導磁界検知エラーと、下大入賞口不正入賞エラーと、上大入賞口不正入賞エラーと、普通電動役物不正入賞エラーと、役物内球詰まりエラーと、扉開放と、満杯エラーと、賞球エラーとを検出する。RWMクリアは、バックアップデータが初期化されることを示す状態であり、電源基板55から出力されるRWMクリア信号がオンとなった状態で、リセット信号がオンとなったときに検出される。磁気エラーは、磁気センサ49により所定の強さ以上の磁気が検知されたときのエラー状態であり、磁気センサ49からの磁気検知信号がオンとなったときに検出される。誘導磁界検知エラーは、誘導磁界検知センサ50により特定の周波数帯の電波が検知されたときのエラー状態であり、誘導磁界検知センサ50からの磁気検知信号がオンとなったときに検出される。下大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技ではない遊技において、大当り遊技が終了してから一定時間が経過した後に下大入賞口装置41に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、大当り遊技ではない遊技において下カウントスイッチ76からの入賞信号がオンとなったときに検出される。上大入賞口不正入賞エラーは、大当り遊技ではない遊技において、大当り遊技が終了してから一定時間が経過した後に上大入賞口装置43に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、大当り遊技ではない遊技において上カウントスイッチ75からの入賞信号がオンとなったときに検出される。普通電動役物不正入賞エラーは、開閉羽根38が閉鎖しており、下始動口39に遊技球が入賞すべきでないタイミングに、下始動口39に遊技球が入賞したときのエラー状態であり、開閉羽根38が閉鎖しており、開閉羽根38の閉鎖動作から一定時間が経過した後に下始動口スイッチ74からの入賞信号がオンとなったときに検出される。役物内球詰まりエラーは、各入賞口装置に遊技球が残存しているエラー状態であり、各入賞口装置におけるスイッチ73〜76のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなったときに検出され、特に、所謂、糸釣りゴトや大玉ゴトが検知可能である。糸釣りゴトとは、糸などの一端を付着させた遊技球を発射させ、各種入賞口に入賞させて、入賞口内に残存させる。そして、物理的に変位させたり、電波により各種スイッチを誤動作させることで、恰も多くの遊技球が入賞したと検知させ、多くの遊技球を払出させる不正である。また、大玉ゴトとは、通常用いられる遊技球よりも僅かに大きいサイズの遊技球を発射させ、各種入賞口に入賞させて、入賞口内に残存させる。そして、電波により各種スイッチを誤動作させることで、恰も多くの遊技球が入賞したと検知させ、多くの遊技球を払出させる不正である。扉開放は、前枠16が開放された状態であり、払出制御基板56からの扉開放信号がオンとなったときに検出される。満杯エラーは、下皿23が満杯状態のときのエラー状態であり、払出制御基板56からのエラー1信号がオンとなったときに検出される。賞球エラーは、上記払出ユニット球切れエラーと同じエラー内容であり、次払出し段階の遊技球が存在しておらず、払出制御センサ61hが遊技球を検知できないときのエラー状態であり、払出制御基板56からのエラー2信号がオンとなったときに検出される。
また、図7に示すように、主制御基板54は、主制御中継端子板58を介して払出制御基板56に対して、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号(エラー関連情報)と、賞球制御信号(払出制御コマンド)とを出力する。これらの各信号は、別々の信号線を用いて出力される。情報1信号〜情報7信号は、ホールコンピュータHCに対し、パチンコ遊技機10の遊技に関する情報を出力する信号である。例えば、これらの情報としては、大当り遊技などの遊技状態を示す情報、始動入賞口装置36(上始動口37と下始動口39)へ遊技球が入球したことを示す情報や、図柄変動ゲーム及び普通図柄変動ゲームが終了したことを示す情報などである。扉開放情報信号は、前枠16が開放されたこと、すなわち扉開放検知スイッチ85が扉の開放を検出したことを出力する信号である。セキュリティ情報信号は、複数種類のエラー状態のうち、特定のエラー状態の少なくとも何れかが検知されたことを出力する信号である。なお、本実施形態において、この特定のエラー状態としては、図8に示すように、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、下大入賞口不正入賞エラー、上大入賞口不正入賞エラー及び普通電動役物不正入賞エラーが該当する。その一方で、役物内球詰まりエラー、扉開放、満杯エラー及び賞球エラーは、特定のエラー状態に該当せずに、非特定のエラー状態に該当する。この特定のエラー状態として規定されたエラー状態は、主に不正防止に関わるエラー状態であり、非特定のエラー状態として規定されたエラー状態は、必ずしも不正防止に関わるというエラー状態ではない。具体的な一例としては、扉開放については、不正に前枠16を開放させる以外にも、遊技盤YBの障害釘の間に挟まった遊技球を排除する等、前枠16が開放されることは稀ではなく、その場合には、扉開放情報信号として出力される。この扉開放情報信号とは異なり、特定のエラー状態が検知されることは頻繁にはなく、扉開放情報信号とは別にセキュリティ情報信号を出力するように構成されている。また、前枠16が開放される時間としては、特定のエラー状態と比べると連続性があり、長時間検知されるという特徴があるため、扉開放情報信号とは別にセキュリティ情報信号を出力可能にすることによって、扉開放と特定のエラー状態との重複を防止することができる。賞球制御信号は、各入賞口装置36,41,43,45a〜45dへの遊技球の入球により賞球としての遊技球の払出条件が成立した場合に、該払出条件に応じた数の賞球の払出しを指示する信号である。
ここで、セキュリティ情報信号の出力態様の具体的な一例について図9を参照して以下に説明する。
主制御基板54には、図9に示すように、払出制御基板56から基本パルスが入力されている。この基本パルスは、払出制御基板56により生成されており、予め定められた規定周期T(本実施形態では0.056秒)でオン設定、オフ設定が切り替わる信号である。なお、本実施形態において、払出制御基板56は、予め定められた規定周期Tで基本パルスを生成する基本パルス生成手段として機能する。そして、主制御基板54に対して、RWMクリア信号がオンの状態で、リセット信号が入力され、符号T1に示すタイミングで、リセット信号がオンからオフになったときには、RWMクリアが検出され、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報出力カウンタが「0」から「1」になる。
そして、主制御基板54の初期設定が終了した後、符号T2に示すタイミングで、払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力される。そして、セキュリティ情報信号がオンとして出力されたことに応じてセキュリティ情報出力カウンタが「1」から「0」になる。また、このセキュリティ情報信号は、基本パルスの規定周期Tがオンとなっている時間だけオンとなり、基本パルスの規定周期Tがオフとなる符合T3に示すタイミングでオフとなる。
また、符号T4に示すタイミングで磁気エラー、誘導磁界検知エラー、下大入賞口不正入賞エラー、及び普通電動役物不正入賞エラーが同じタイミングで検出された場合には、セキュリティ情報出力カウンタが「0」から「1」になる。このように複数のエラー状態が検出された場合には、エラー状態が検出されたことが特定可能であり、1回のエラー状態の検出として計数される。また、セキュリティ情報出力カウンタが「1」になってから基本パルスがオフからオンになる前であり、各エラーが検出されなくなり、符号T5に示すタイミングで、再度、磁気エラー及び誘導磁界検知エラーが同時に検出された場合には、セキュリティ情報出力カウンタが「1」から「2」になる。
そして、符号T6に示すタイミングで払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報出力カウンタが「2」から「1」になる。続いて、符号T8に示すタイミングで払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報信号が主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報出力カウンタが「1」から「0」になる。この場合も、セキュリティ情報信号は、基本パルスの規定周期Tがオンとなっている時間だけオンとなり、基本パルスの規定周期Tがオフとなる符合T7や符号T9に示すタイミングでオフとなる。
ここで説明を戻し、主制御用CPU54aは、図8に示すエラー状態を検出すると、そのエラー状態の報知を指示するエラー指定コマンドを選択し、図7に示すように、該エラー指定コマンドをサブ統括制御基板70に出力する。なお、本実施形態におけるエラー指示コマンドは、エラー状態毎に異なるコマンドである。
また、主制御用CPU54aは、エラー状態の検出が終了すると、そのエラー状態の報知の解除を指示するエラー解除指定コマンドを選択し、該エラー解除指定コマンドをサブ統括制御基板70に出力する。なお、本実施形態におけるエラー終了指示コマンドは、エラー状態毎に異なるコマンドである。
その一方で、サブ統括制御基板70の統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応するエラー報知を実行させる。具体的に言えば、統括制御用CPU70aは、演出表示制御基板72に演出表示装置33において画像によるエラー報知を実行させ、音声・ランプ制御基板71に対してエラー報知の実行を指示し、スピーカ20からのエラー音によるエラー報知を実行させる。また、サブ統括制御基板70のCPUは、エラー解除指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応するエラー報知を終了させる。なお、本実施形態においては、図8に示すように、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラーについては、画像、音声及びランプを用いてエラー報知が行われる。また、下大入賞口不正入賞エラー、上大入賞口不正入賞エラー、役物内球詰まりエラー、扉開放については、音声及びランプを用いてエラー報知が行われる。また、普通電動役物不正入賞エラーについては、ランプを用いてエラー報知が行われる。また、満杯エラーについては、画像及び音声を用いてエラー報知が行われる。また、賞球エラーについては、ランプを用いてエラー報知が行われる。また、これらのようなエラー報知としては、それぞれのエラー状態が特定可能なように、エラー状態毎に異なる報知態様で行われる。具体的な一例としては、磁気エラーが検出された場合には、枠用ランプ部17が紫色で点灯するが、誘導磁界検知エラーが検出された場合には、枠用ランプ部17が緑色で点灯する。
また、統括制御用ROM70bには、エラー状態毎に優先順位が記憶されている。具体的には、優先順位の高い順に、RWMクリア、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、下大入賞口不正入賞エラー、上大入賞口不正入賞エラー、普通電動役物不正入賞エラー、役物内球詰まりエラー、扉開放、満杯エラー、賞球エラーとして優先順位が規定されている。なお、本実施形態において、このような統括制御用ROM70bは、複数種類のエラー毎に優先順位が記憶された優先順位記憶手段として機能する。
そして、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合には、検知されている複数のエラーに関するエラー報知を重複させて実行させることはなく、複数のエラーの優先順位を統括制御用ROM70bから読み出し、優先順位の最も高い1種類のエラー状態に関するエラー報知を実行させるように制御する。また、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合において、優先順位が最も高いエラー状態を指定するエラー解除指定コマンドを入力したときには、エラー解除指定コマンドにより指定されたエラー状態を除いて、優先順位が最も高いエラー状態に関するエラー報知を実行させるように制御する。
次に、払出制御基板56は、主制御中継端子板58を介して主制御基板54から出力された各種信号を入力すると、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号と、賞球予定情報信号(払出予定信号)と、賞球情報信号とを外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力する。これらの各信号は、別々の信号線を用いて出力される。なお、情報1信号〜情報7信号と、扉開放情報信号と、セキュリティ情報信号とは、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aは各信号を用いた制御を実行しない。このように払出制御用CPU56aが制御に用いない各信号の信号線も払出制御基板56に接続することで、各信号の信号線を主制御中継端子板58と外部端子板53との間に特別に配設する必要がなく、賞球制御信号の信号線とまとめたコネクタを使って信号を送ることができる。また、賞球予定情報信号と賞球情報信号とを払出制御基板56経由で外部端子板53に送信する構成により、払出制御用CPU56aが外部端子板53に出力する情報1信号などの信号線とまとめたコネクタを使って賞球予定情報信号と賞球情報信号とを送ることもできる。したがって、信号線の取り回し形態の簡素化や、部品点数の削減を図ることができる。
特に、払出制御基板56は、賞球制御信号を入力した場合には、各出力条件の成立により、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して、賞球予定情報信号や賞球情報信号を出力することとなる。賞球予定情報信号は、払出ユニット61により遊技球の払出動作が行われたか否かに拘わらず、予め定めた一定数単位(本実施形態では10球)の賞球としての遊技球を払出す予定がある旨を指示する信号である。この賞球予定情報信号は、賞球制御信号の入力を契機に計数された賞球予定球数(払出予定球数)が一定数(規定数)以上となった場合にオンとなり、その賞球予定球数が一定数未満となった場合にオフとなる。その一方で、賞球情報信号は、予め定めた一定数単位(本実施形態では10球)の賞球としての遊技球の払出した旨を指示する信号である。この賞球情報信号は、一定数単位の賞球としての遊技球の払出しが完了した場合にオンとなり、払出しが完了していない場合にオフとなる。また、これら賞球予定情報信号、賞球情報信号は、貸出指示に伴う賞球数を含まずに、各種の入賞口への入賞に伴う賞球数を示す信号である。
ここで、賞球予定情報信号の出力態様について図10を参照して以下に説明する。
主制御基板54において各種入賞口への遊技球の入賞が検知された場合には、主制御用CPU54aから払出制御用CPU56aに対して、その入賞に対応する賞球数を指定する賞球制御信号が入力される。具体的には、上始動口37及び下始動口39の何れかに遊技球が入賞した場合には、3球を示す賞球制御信号が払出制御用CPU56aに対して入力される。また、下大入賞口装置41に遊技球が入賞した場合には、13球を示す賞球制御信号が、上大入賞口装置43に遊技球が入賞した場合には、15球を示す賞球制御信号が、各入賞口装置45a〜45dに遊技球が入賞した場合には、8球を示す賞球制御信号が、それぞれ払出制御用CPU56aに対して入力される。
払出制御用CPU56aに賞球制御信号が入力されると、図10に示すように、賞球制御信号により指定された賞球数が賞球予定球数として計数される。具体的な一例としては、賞球予定球数が0球である場合において、賞球数が3球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が3球として計数される。この場合、賞球予定球数が規定数(本実施形態においては10球)以上ではないため、賞球予定情報信号が出力されない。
そして、賞球予定球数が3球である場合において、賞球数が8球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が11球として計数される。この場合、賞球予定球数が規定数以上であるため、払出制御基板56において生成された基本パルスがオンとして入力されると、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球予定情報信号がオンとして出力される。また、この賞球予定情報信号は、基本パルスの規定周期Tがオンとなっている時間だけオンとなり、基本パルスの規定周期Tがオフとなるとオフとなる。また、賞球予定情報信号が出力されると、賞球予定球数から規定数が減算される。具体的には、賞球予定球数が11球である場合において、賞球予定情報信号が出力されたときには、10球が減算され、賞球予定球数が1球として算出される。
同じように、賞球予定球数が1球である場合において、賞球数が3球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が4球として計数される。そして、賞球予定球数が4球である場合において、賞球数が8球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が12球として計数される。この場合、賞球予定球数が規定数以上であるため、払出制御基板56において生成された基本パルスがオンとして入力されると、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球予定情報信号がオンとして出力され、賞球予定球数が2球として算出される。また、賞球予定球数が2球である場合において、賞球数が13球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が15球として計数される。この場合、賞球予定球数が規定数以上であるため、払出制御基板56において生成された基本パルスがオンとして入力されると、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球予定情報信号がオンとして出力され、賞球予定球数が5球として算出される。また、賞球予定球数が5球である場合において、賞球数が3球である賞球制御信号が入力されたときには、賞球予定球数が8球として計数される。
また、この賞球予定情報信号は、規定数以上の遊技球の払出動作が完了したか否かに拘わらず、各種入賞口への遊技球の入賞(賞球制御信号の入力)を契機に、規定数以上の遊技球の払出動作の予定が確定したことを条件として出力される。従来においては、エラー状態の発生や近年の大当り遊技の短時間化等に伴って、各種の入賞口に対する遊技球の入賞タイミングから、遊技球の払出動作が遅れてしまい、ホールコンピュータHCに対する遊技情報の出力が遅れるおそれがあった。しかし、本実施形態においては、払出ユニット61による払出動作が行なわれていない(完了していない)場合であっても、遊技球の入賞が検知されて賞球制御信号が入力されてから、遊技球の払出動作が行われるまでに、払出予定情報信号(賞球予定情報信号)をホールコンピュータHCに出力可能となる。
その一方で、賞球予定球数以外にも、遊技球の払出動作が完了した賞球数が計数され、規定数(本実施形態においては10球)以上の遊技球の払出動作が完了したときに、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球情報信号が出力される。この賞球情報信号は、規定数以上の遊技球の払出動作が完了したことを条件として出力される。このため、エラー等により規定数以上の遊技球の払出動作が完了していないときには賞球情報信号が出力されない。
以下、本実施形態において主制御基板54の主制御用CPU54aや払出制御基板56の払出制御用CPU56a等が実行する制御内容を図11〜図16のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、図11〜図16のフローチャートには、各種CPUが実行する制御内容の中でも、遊技球の払出しに係る制御及びエラー報知に係る制御に関連する制御内容を示しており、これらの処理を中心に説明する。
まず、メイン処理について以下に説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、電源の投入に伴って、主制御用CPU54aは、リセット信号が入力されると、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、CPU内蔵のRWMのアクセスを許可し、さらにCPU周辺デバイスとウォッチドッグタイマの初期設定を行い、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、主制御用CPU54aは、RWMクリアスイッチRCSの設定に応じて初期化を行うか否かと、正常にバックアップが行われているか否かとを判定する。主制御用CPU54aは、初期化を行う、又は、正常にバックアップが行われていないと判定した場合、主制御用RWM54cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づき初期化時の処理を行う。その一方で、主制御用CPU54aは、初期化を行わず、正常にバックアップが行われていると判定した場合、バックアップデータの設定値に基づき復電時の処理を行う。
その一方で、払出制御基板56においても同じように、電源の投入に伴って、払出制御用CPU56aは、リセット信号が入力されると、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、CPU内蔵のRWMのアクセスを許可し、さらにCPU周辺デバイスとウォッチドッグタイマの初期設定を行い、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、払出制御用CPU56aは、RWMクリアスイッチRCSの設定に応じて初期化を行うか否かと、正常にバックアップが行われているか否かとを判定する。払出制御用CPU56aは、初期化を行う、又は、正常にバックアップが行われていないと判定した場合、払出制御用RWM56cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づき初期化時の処理を行う。その一方で、払出制御用CPU56aは、初期化を行わず、正常にバックアップが行われていると判定した場合、バックアップデータの設定値に基づき復電時の処理を行う。
次に、主制御用CPU54aによって実行されるエラー検知時処理について図11を参照して以下に説明する。このエラー検知時処理は、エラーに関連する検知を行ったときに実行される処理であり、主制御用CPU54aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
最初に、主制御用CPU54aは、図11に示すように、各種信号の入力に基づいて、エラー状態を検知したか否かを判定する(ステップS101)。具体的な一例としては、主制御用CPU54aは、主制御中継端子板58を介して入力される電源基板55からのRWMクリア信号がオンとなった状態で、リセット信号がオンとなったときには、RWMクリアを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、磁気センサ49により所定の強さ以上の磁気が検知され、磁気センサ49からの磁気検知信号がオンとなったときには、磁気エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、大当り遊技中であるか否かを判定し、大当り遊技中ではない通常の遊技中であると判定した場合において、下大入賞口装置41に遊技球が入賞し、下カウントスイッチ76からの入賞信号がオンとなったときには、下大入賞口不正入賞エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、開閉羽根38が閉鎖しており、開閉羽根38の閉鎖動作から一定時間が経過したか否かを判定し、肯定と判定した場合において、下始動口スイッチ74からの入賞信号がオンとなったときには、普通電動役物不正入賞エラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、各入賞口装置におけるスイッチ73〜76のうち何れかからの入賞信号が規定時間を越えて連続してオンとなったときには、役物内球詰まりエラーを検知したと判定する。また、主制御用CPU54aは、主制御中継端子板58を介して入力される払出制御基板56からの扉開放信号がオンとなったときには、扉開放を検知したと判定する。
ステップS101の判定結果が否定の場合(エラー状態を検知していない)、主制御用CPU54aは、ステップS102〜S104、S121を実行することなく、エラー検知時処理を終了する。その一方で、ステップS101の判定結果が肯定の場合(エラー状態を検知した)、主制御用CPU54aは、検知したエラーの種類を特定可能なエラー情報を主制御用RWM54cに記憶し、ステップS102に移行する。なお、本実施形態において、主制御用CPU54aは、エラー情報を重複しないように主制御用RWM54cに記憶することとなる。
ステップS102において、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたエラー情報に基づいて、特定のエラー状態を検知したか否かを判定する。本実施形態において、この特定のエラー状態としては、RWMクリアと、磁気エラーと、誘導磁界検知エラーと、下大入賞口不正入賞エラーと、上大入賞口不正入賞エラーと、普通電動役物不正入賞エラーとが該当し、主なる非特定のエラーとしては、役物内球詰まりエラーと、扉開放と、満杯エラーと、賞球エラーとが該当する。ステップS102の判定結果が否定の場合(特定状態のエラーを検知していない)、主制御用CPU54aは、ステップS103,S104を実行することなく、ステップS121に移行する。その一方で、ステップS102の判定結果が肯定の場合(特定のエラー状態を検知した)、主制御用CPU54aは、ステップS103に移行する。
ステップS103において、主制御用CPU54aは、エラー状態が検知されない状態から検知された状態となったことを示すセキュリティ情報出力回数を計数するセキュリティ情報出力回数計数処理を実行する。そして、主制御用CPU54aは、計数したセキュリティ情報出力回数を、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報出力カウンタに記憶するセキュリティ情報出力回数記憶処理を実行し(ステップS104)、ステップS121に移行する。
ステップS121において、主制御用CPU54aは、遊技機においてエラーに関する報知を行うためのエラー指定コマンド設定処理を実行し、エラー検知時処理を終了する。なお、本実施形態におけるエラー指定コマンドとしては、図8に示すエラー状態の種類を特定可能なコマンドである。
その後、エラー検知時処理とは別の処理において、主制御用CPU54aは、エラー指定コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板70(統括制御用CPU70a)に出力する。これによって、統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドにより指定されるエラー状態の種類に対応する信号を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に出力することによって、エラー状態の種類に対応する報知態様のエラー報知を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に行わせる制御を行うこととなる。
特に、統括制御用CPU70aは、エラー指定コマンドに基づいて、複数種類のエラー状態が検知されているときには、それら複数種類のエラーの優先順位を判定し、優先順位が高くないと判定されたエラーに関する報知を行なわせずに、優先順位が最も高いと判定されたエラーに関する報知を優先して行わせる制御を行うこととなる。
また、主制御用CPU54aは、エラー状態の検知が解除されたときには、エラー解除指定コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板70(統括制御用CPU70a)に出力する。これによって、統括制御用CPU70aは、エラー状態に関する信号を、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33に出力することなく、枠用ランプ部17、スピーカ20、演出表示装置33におけるエラー報知の実行を終了させる制御を行うこととなる。
特に、統括制御用CPU70aは、複数種類のエラー状態が検知されている場合において、最も優先順位の高いエラー状態の検知が解除されたときには、未だに検知されている一種類又は複数種類のエラー状態の優先順位を判定する。そして、統括制御用CPU70aは、優先順位が高くないと判定されたエラーに関する報知を行なわせずに、優先順位が最も高いと判定されたエラーに関する報知を優先して行わせる制御を行うこととなる。なお、本実施形態において、このような処理を実行する統括制御用CPU70aは、優先順位判定手段、報知制御手段に相当する。
次に、主制御用CPU54aによって実行されるセキュリティ情報信号出力処理について図12を参照して以下に説明する。このセキュリティ情報信号出力処理は、払出制御基板56に出力するセキュリティ情報に関する制御を行うための処理である。主制御用CPU54aは、払出制御基板56から供給される基本パルスがオフからオンとなる毎に本処理を実行するようになっている。なお、本実施形態においては、基本パルスのオフとオンとの切替を行う周期としては、0.056秒に規定されている。
最初に、主制御用CPU54aは、図12に示すように、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報出力カウンタから値を読み出し、セキュリティ情報出力回数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS131)。ステップS131の判定結果が否定の場合(セキュリティ情報出力回数が「1」以上ではない)、主制御用CPU54aは、ステップS132,S133を実行することなく、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。その一方で、ステップS131の判定結果が肯定の場合(セキュリティ情報出力回数が「1」以上である)、主制御用CPU54aは、ステップS132に移行する。
ステップS132において、主制御用CPU54aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、払出制御基板56に対してセキュリティ情報信号をオンとして出力する。また、このセキュリティ情報信号は、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aはセキュリティ情報信号を用いた制御を実行しない。そして、セキュリティ情報信号は、払出制御基板56から外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力されることとなる。
そして、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報出力カウンタの値を読み出し、セキュリティ情報出力回数を「1」減算するセキュリティ情報出力回数減算処理を実行し(ステップS133)、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。つまり、この処理において、主制御用CPU54aは、セキュリティ情報出力回数を、セキュリティ情報信号の出力回数分だけ減算する更新を行うこととなる。
このように制御することによって、主制御用CPU54aは、エラー状態が検知されたときには、該エラー状態が検知されたセキュリティ情報出力回数を計数し、セキュリティ情報出力回数が「1」以上であり、エラー状態が検知されたことが記憶されていると判定された場合に、セキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力する。特に、主制御用CPU54aは、賞球予定球数や未払出球数等の記憶内容の初期化を示すリセット信号とRWMクリア信号と(初期化コマンド)が入力されたことを契機に、主制御中継端子板58、払出制御基板56及び外部端子板53を介してホールコンピュータHCにセキュリティ情報信号を出力することとなる。
なお、本実施形態において、主制御用CPU54aと払出制御基板56と各種のスイッチ・センサとが、遊技機におけるエラーに関する検知を行い、複数種類のエラーを検知可能なエラー検知手段に相当する。また、本実施形態において、主制御用CPU54aが、エラー検知回数計数手段、エラー検知回数記憶手段、エラー検知回数判定手段、出力手段、エラー検知回数更新手段に相当する。
次に、主制御用CPU54aによって実行される賞球制御信号出力処理について図13を参照して以下に説明する。この賞球制御信号出力処理は、各入賞口の何れかに対する遊技球の入賞に伴う賞球に関する賞球情報を制御するための処理である。主制御用CPU54aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
最初に、主制御用CPU54aは、図13に示すように、各入賞口の何れかに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS141)。ステップS141の判定結果が否定の場合(各入賞口の何れかに遊技球が入賞していない)、主制御用CPU54aは、ステップS142,S143を実行することなく、賞球制御信号出力処理を終了する。その一方で、ステップS141の判定結果が肯定の場合(各入賞口の何れかに遊技球が入賞した)、主制御用CPU54aは、ステップS142に移行する。
ステップS142において、主制御用CPU54aは、遊技球が入賞した入賞口の種類に対応する賞球数を主制御用ROM54bから読み出し、その賞球数を判定し、その賞球数を示す賞球制御信号(賞球制御コマンド)を主制御用RWM54cに設定し(ステップS143)、賞球制御信号出力処理を終了する。つまり、主制御用CPU54aは、各種の入賞口への遊技球の入賞が検知されたことを契機に、その遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数を判定し、その賞球数の遊技球の払出制御を行わせる賞球制御信号を払出制御用CPU56aに出力する。なお、本実施形態において、このような処理を実行する主制御用CPU54aが賞球種別判定手段に相当する。
その後、賞球制御信号出力処理とは別の処理において、主制御用CPU54aは、賞球制御信号を所定のタイミングで払出制御基板56(払出制御用CPU36a)に出力する。
次に、払出制御用CPU56aによって実行されるカウンタ更新処理について図14を参照して以下に説明する。このカウンタ更新処理は、賞球数に関するカウンタの更新を行うための処理である。払出制御用CPU56aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
最初に、払出制御用CPU56aは、図14に示すように、賞球制御信号を入力したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定結果が否定の場合(賞球制御信号を入力していない)、払出制御用CPU56aは、ステップS202〜S204を実行することなく、カウンタ更新処理を終了する。その一方で、ステップS201の判定結果が肯定の場合(賞球制御信号を入力した)、払出制御用CPU56aは、ステップS202に移行する。
ステップS202において、払出制御用CPU56aは、その賞球制御信号により指定された賞球数を、払出制御用RWM56cに割り当てられた賞球予定球数カウンタに記憶する。この賞球予定球数カウンタは、賞球制御信号に基づいて払出動作が行われる予定である賞球予定球数を計数するためのカウンタであり、賞球制御信号の入力を契機に、その信号により指定された賞球数が加算される。
このように、払出制御用CPU56aは、遊技球の入賞が検知され、賞球制御信号の入力を契機に、その遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、払出ユニット61による払出動作が行われる予定である賞球予定球数を計数し、累積して記憶する。なお、本実施形態において、このような処理を実行する払出制御用CPU56aが払出予定球数計数手段、及び払出予定球数記憶手段に相当する。
そして、払出制御用CPU56aは、その賞球制御信号により指定された賞球数を、払出制御用RWM56cに割り当てられた未払出球数カウンタに記憶する(ステップS203)。未払出球数カウンタは、賞球制御信号に基づいて遊技球の払出動作を行う未払出球数を計数するためのカウンタであり、賞球制御信号の入力を契機に、その信号により指定された賞球数が加算される。
続いて、払出制御用CPU56aは、未払出球数カウンタの値を読み出し、その値を示す未払出球数信号を賞球残数表示基板87に出力し、賞球残数表示基板87における賞球残数表示装置48に未払出球数を表示させる未払出球数の表示制御を行い(ステップS204)、カウンタ更新処理を終了する。
このように、払出制御用CPU56aは、賞球制御信号に基づいて、払出ユニット61による払出動作が行われていない未払出球数を計数し、その未払出球数を累積して記憶する。そして、払出制御用CPU56aは、その未払出球数を賞球残数表示装置48に表示させる制御を行う。なお、本実施形態において、このような処理を実行する払出制御用CPU56aが未払出球数計数手段、未払出球数記憶手段、及び表示制御手段に相当する。
次に、払出制御用CPU56aによって実行される払出制御処理について図15を参照して以下に説明する。この払出制御処理は、払出ユニット61に遊技球の払出動作を行わせるための処理である。払出制御用CPU56aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
最初に、払出制御用CPU56aは、図15に示すように、払出制御用RWM56cに割り当てられた未払出球数カウンタから値を読み出し、未払出球数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS221)。ステップS221の判定結果が否定の場合(未払出球数カウンタが「1」以上ではない)、払出制御用CPU56aは、ステップS222〜S230を実行することなく、払出制御処理を終了する。その一方で、ステップS221の判定結果が肯定の場合(未払出球数カウンタが「1」以上である)、ステップS222に移行する。
ステップS222において、払出制御用CPU56aは、賞球エラーを示すエラー状態であるか否かを判定する。払出制御用CPU56aは、払出制御センサ61hから払出制御センサ信号が入力されない場合、又は、払出ユニット61に対して払出動作を指示したが所定時間内に払出計数センサ61iから払出計数センサ信号が入力されない場合に、賞球エラーを示すエラー状態であると判定する。ステップS222の判定結果が肯定の場合(賞球エラーを示すエラー状態である)、払出制御用CPU56aは、ステップS222〜S230を実行することなく、払出制御処理を終了する。その一方で、ステップS222の判定結果が否定の場合(賞球エラーを示すエラー状態ではない)、払出制御用CPU56aは、遊技球の払出動作を指示する払出信号を払出ユニット61に出力し(ステップS223)、ステップS224に移行する。
ステップS224において、払出制御用CPU56aは、所定時間内に払出計数センサ信号を入力したか否かを判定する。ステップS224の判定結果が肯定の場合(所定時間内に払出計数センサ信号を入力した)、払出制御用CPU56aは、ステップS225に移行する。その一方で、ステップS224の判定結果が否定の場合(所定時間内に払出計数センサ信号を入力していない)、払出制御用CPU56aは、エラーに関する制御を行うエラー処理を実行し(ステップS230)、ステップS229に移行する。
ステップS225において、払出制御用CPU56aは、払出制御用RWM56cに割り当てられた未払出球数カウンタから「1」を減算し、払出制御用RWM56cに割り当てられた賞球数カウンタに「1」を加算する(ステップS226)。この賞球数カウンタは、払出動作が完了した遊技球を計数するためのカウンタである。このように、払出制御用CPU56aは、払出制御用CPU56aは、1球の遊技球の払出動作が完了したことを確認したら、未払出球数を「1」減算するとともに、払出動作が完了した払出球数を「1」増加させることで、遊技球の払出動作が行われた遊技球の払出球数を計数し、記憶することとなる。そして、払出制御用CPU56aは、ステップS204と同じように、未払出球数カウンタの値を読み出し、その値を示す未払出球数信号を賞球残数表示基板87に出力し、賞球残数表示基板87における賞球残数表示装置48に未払出球数を表示させる未払出球数の表示制御を行い(ステップS227)、ステップS228に移行する。なお、本実施形態において、このような処理を実行する払出制御用CPU56aが未払出球数計数手段、未払出球数記憶手段、及び表示制御手段、払出球数計数手段、払出球数記憶手段に相当する。
ステップS228において、払出制御用CPU56aは、ステップS221と同じように、未払出球数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。ステップS228の判定結果が肯定の場合(未払出球数カウンタが「1」以上である)、払出制御用CPU56aは、ステップS224〜S227の実行を繰り返し実行させるために、ステップS224に移行する。その一方で、ステップS228の判定結果が否定の場合(未払出球数カウンタが「1」以上ではない)、払出制御用CPU56aは、ステップS224〜S227の実行を終了し、ステップS229に移行する。
ステップS229において、払出制御用CPU56aは、遊技球の払出動作を指示する払出信号の払出ユニット61への出力を停止し、払出制御処理を終了する。このように、払出制御用CPU56aは、入力した賞球制御信号により指定される賞球数の遊技球の払出動作を払出ユニット61に行わせる払出制御を行うこととなる。なお、払出制御用CPU56aは、エラー状態が検知された場合には、入力した賞球制御信号により指定される賞球数の遊技球の払出動作を中断させる制御を行うこととなる。
次に、払出制御用CPU56aによって実行される信号出力処理について図16を参照して以下に説明する。この信号出力処理は、賞球予定情報信号や賞球情報信号等の各種の賞球に関する情報信号を出力するための処理である。払出制御用CPU56aは、主制御基板54と同じように生成される基本パルスが無効から有効となる毎に本処理を実行するようになっている。なお、本実施形態においては、基本パルスの無効と有効との切替を行う周期としては、0.056秒に規定されている。
最初に、払出制御用CPU56aは、図16に示すように、払出制御用RWM56cに割り当てられた賞球予定球数カウンタが規定数以上であるか否かを判定する(ステップS241)。なお、本実施形態において、この規定数として「10」が規定されている。ステップS241の判定結果が否定の場合(賞球予定球数カウンタが規定数以上ではない)、払出制御用CPU56aは、ステップS242,S243を実行することなく、ステップS244に移行する。その一方で、ステップS241の判定結果が肯定の場合(賞球予定球数カウンタが規定数以上である)、払出制御用CPU56aは、ステップS242に移行する。
ステップS242において、払出制御用CPU56aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球予定情報信号をオンとして出力する。この賞球予定情報信号は、規定数の遊技球の払出動作が行われる予定があることを示す信号である。なお、この賞球予定情報信号は、実際に遊技球が払い出されたか否かに拘わらず、ホールコンピュータHCに出力されることとなる。そして、払出制御用CPU56aは、賞球予定球数カウンタから規定数を減算し(ステップS243)、ステップS244に移行する。
このように、払出制御用CPU56aは、賞球予定球数が予め定められた規定数以上となったことを契機に、払出ユニット61による払出動作が行なわれたか否かに拘わらず、払出予定情報信号をホールコンピュータHCに出力する。特に、払出制御用CPU56aは、主にエラー等の各種の理由により払出ユニット61による払出動作が行なわれていない場合であっても、遊技球の入賞が検知され、賞球制御信号が入力されてから払出動作が行われるまでに、払出予定情報信号をホールコンピュータHCに出力可能である。なお、本実施形態において、このような処理を実行する払出制御用CPU56aが出力手段に相当する。
ステップS244において、払出制御用CPU56aは、払出制御用RWM56cに割り当てられた賞球数カウンタが規定数以上であるか否かを判定する。なお、本実施形態において、この規定数として「10」が規定されている。ステップS244の判定結果が否定の場合(賞球数カウンタが規定数以上ではない)、払出制御用CPU56aは、ステップS244,S245を実行することなく、信号出力処理を終了する。その一方で、ステップS244の判定結果が肯定の場合(賞球数カウンタが規定数以上である)、払出制御用CPU56aは、ステップS245に移行する。
ステップS245において、払出制御用CPU56aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して賞球情報信号をオンとして出力する。つまり、払出制御用CPU56aは、遊技球の払出球数が規定数となったときに、賞球情報信号を出力することとなる。この賞球情報信号は、規定数の遊技球の払出動作が完了したことを示す信号である。なお、この賞球情報信号は、実際に規定数以上の遊技球が払い出された場合に限り、ホールコンピュータHCに出力されることとなる。そして、払出制御用CPU56aは、賞球数カウンタから規定数を減算し(ステップS246)、信号出力処理を終了する。
このように、払出制御用CPU56aは、賞球数が予め定められた規定数以上となったことを契機に、払出ユニット61による払出動作が行なわれたことを条件として、払出情報信号をホールコンピュータHCに出力する。特に、払出制御用CPU56aは、主にエラー等の各種の理由により払出ユニット61による払出動作が行なわれていない場合には、遊技球の入賞が検知され、賞球制御信号が入力されても、規定数以上の遊技球の払出動作が完了するまで、払出情報信号をホールコンピュータHCに出力しない。
また、各種処理とは別の処理において、払出制御用CPU56aは、遊技球等貸出装置接続端子板59を介してカードユニット装置11から出力される信号を入力した場合には、賞球制御信号を入力したときと同じように遊技球の払出制御を行う。具体的に、払出制御用CPU56aは、カードユニット装置11から遊技球の貸出に伴う払出制御の指示に基づいて、払出制御用RWM56cに割り当てられた未貸出球数カウンタを、所定数(本実施形態では25球)増加させる。この未貸出球数カウンタは、貸出指示があったが未だ貸出に対応する払出動作が行われていない遊技球の数を示すカウンタである。そして、払出制御用CPU56aは、未貸出球数カウンタが「1」以上ある場合には、各種の入賞口への入賞に対応する賞球よりも優先して、遊技球の払出動作を行わせる払出制御を行い、未貸出球数カウンタを「1」減算する。これによって、払出制御用CPU56aは、遊技球の貸出指示に伴う払出動作を制御することとなる。また、払出制御用CPU56aは、各種の入賞口への入賞に伴う払出動作よりも遊技球の貸出指示に伴う払出動作よりも優先して制御するため、各種の入賞口への入賞に伴う払出動作の完了が遅れることがあるが、その払出動作が完了するか否かに拘わらず、賞球予定情報信号を出力可能である。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)各種の入賞口への遊技球の入賞が検知されたことを契機に、その入賞に伴う払出動作が行なわれたか否かに拘わらず、その遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、遊技球の払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報信号をホールコンピュータHCに出力する。従来においては、払出動作が行われたことを契機に、賞球情報信号を出力することとなるが、球詰まり等により払出動作自体が行われていない場合には、その払出動作が行われるまで賞球情報信号が出力されず、有用な遊技情報を外部装置に出力しているとはいい難かった。そこで、本実施形態のように構成することで、球詰まり等により払出動作自体が行われていない場合であっても、その払出動作が行われたか否かに拘わらず、実際に遊技球の入賞が検知されたことを契機に賞球予定情報信号を出力することができる。つまり、遊技球の入賞が検知されてからタイムラグを大きく開けることなく、賞球に関する情報を出力することができ、有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。そして、この払出予定情報信号は、ホールコンピュータHCに入力されると、ホールコンピュータHCにおいて管理される。このように、払出予定情報信号は、遊技場の管理者等によって遊技場のデータ管理を行なうために有用かつ必要な信号である。例えば、従来においては、大当り遊技中に球詰まり等により賞球に関する情報信号がホールコンピュータHCに遅れて入力されることがあり、何を契機として遊技球の払出が行なわれるかが特定し難くなってしまう。そこで、本実施形態のように構成することによって、大当り遊技中に払出予定情報信号が入力されると、球詰まり等があっても、その大当り遊技中に遊技球が払出されていると容易に特定可能である。また、パチンコ遊技機10の故障等が原因で球詰まりとなる場合もあるものの、近年では、下皿23に遊技球が満杯となった場合であっても、遊技者がその満杯を気づかない場合や遊技者が意図する場合に、球抜き操作を行なわずに、そのまま遊技を進行させるケースも多く見受けられる。このような場合であっても、賞球予定情報信号という有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
(2)遊技球の入賞が検知されてから払出動作が行われるまでに、その遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、賞球予定情報信号を、遊技に関する遊技情報を管理するホールコンピュータHCに出力可能とする。このため、球詰まり等により払出動作自体が行われていない場合であっても、その払出動作が行われたか否かに拘わらず、実際に遊技球の入賞が検知されたことを契機に賞球予定情報信号を出力することができ、有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
(3)特に、払出制御基板56は、遊技球の入賞が検知されたことを契機に主制御基板54から出力される賞球制御信号を入力し、その後に、払出動作が行われたか否かに拘わらず、ホールコンピュータHCに賞球予定情報信号を出力する。このため、払出動作を行う前に、実際に払出動作が行われたか否かに拘わらず、賞球予定情報信号を出力することができ、有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
(4)また、バックアップ電源が供給される払出制御基板56において、遊技球の入賞が検知され、賞球制御信号が入力したことを契機に、遊技球の払出動作が行われる予定の賞球予定球数を計数し、記憶することができる。このため、電源電圧が低下又は供給されない状態であっても、復電後であっても、正確に賞球予定球数の管理を行うことができ、実際の遊技機における賞球予定球数と、ホールコンピュータHCに出力される賞球予定情報信号により指定される賞球予定球数との整合性を取ることができる。
(5)また、直接的に払出制御を行う払出制御基板56において、賞球予定球数のバックアップが可能であり、賞球予定情報信号の出力や賞球予定球数の管理を容易に行うことができる。
(6)賞球予定球数が規定数以上となった場合に、賞球予定情報信号を出力することができ、設計者の意図する賞球予定球数を示す賞球予定情報信号を出力することができる。例えば、賞球予定情報信号の出力頻度が多くなり過ぎず、賞球予定情報信号を示す賞球予定球数が少なくなり過ぎないように、設計者の意図するように賞球予定情報信号を出力することができる。
(7)賞球予定球数の初期化を示すリセット信号及びRWMクリア信号(初期化コマンド)が入力された場合にも、それらの信号をホールコンピュータHCに出力することで、RWMクリア(リセット信号及びRWMクリア信号)と賞球予定情報信号との関係性を特定することができる有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
(8)払出制御基板56は、遊技球の払出制御を行うとともに、遊技球の貸出指示に伴う払出制御を行うこともできる。また、貸出指示に伴う遊技球の払出制御を、各種の入賞口への遊技球の入賞に伴う遊技球の払出制御よりも優先させる。このため、遊技球の貸出を待たせることなく遊技を進める機会を遊技者に提供することができるとともに、遊技球の貸出に伴う払出動作が優先され、遊技球の入賞に伴う払出動作が遅延する場合であっても、遊技球の入賞に伴う払出動作が完了するまでに出力可能な賞球予定情報信号という有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
(9)記憶内容のバックアップを行うためのバックアップ電源を入力する払出制御基板56は、未払出球数を計数し、計数された未払出球数を累積して記憶し、記憶された未払出球数を表示させる制御を行う。このため、バックアップ電源が入力される払出制御基板56において、未払出球数の計数、記憶、及び表示制御が行われることによって、未払出球数のバックアップを可能とするとともに、主制御基板54における制御負荷を軽減することができる。
(10)賞球残数表示装置48が装着された賞球残数表示基板87が払出制御基板56に接続されるように構成する。従来においては、主制御基板54において、払出動作を行ったか否かの管理が行われていたが、遊技の進行に関する制御等、各種の制御負荷が掛かるため、主制御基板54における制御負荷を軽減することが望まれている。そこで、本実施形態のように構成することで、別の基板を介するように構成する場合よりも、未払出球数の表示制御に対する制御負荷を軽減することができる。なお、この賞球残数表示装置48は、パチンコ遊技機10において以前に賞球残数があったことを表示するものとは異なり、実際に払出が行なわれていない賞球残数を表示するものである。このため、遊技者は、正確に賞球残数を把握することができるとともに、パチンコ遊技機10における払出状況を確認することができ、賞球残数があると特定できた場合には、遊技場の係員等を呼ぶ等の適切な対応を迅速に行なうことができるとともに、不安の解消が可能である。また、下皿23に遊技球が満杯となった場合であっても、遊技者がその満杯を気づかない場合や遊技者が意図する場合に、球抜き操作を行なわないときに、実際に払出が行われていない賞球残数を表示することによって、球抜き操作を促すこともあり、このような状況下においても有用な情報を表示させることができる。
(11)エラー状態が検知されたときには、該エラー状態が検知されたセキュリティ情報出力回数を計数し、所定期間毎にセキュリティ情報出力回数に基づいてエラー状態が検知されていたか否かを判定し、そのセキュリティ情報出力回数だけ、セキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力する。従来においては、遊技場の係員等により特定可能となるように各種報知装置によってエラー報知が実行されるものの、遊技機自体で報知が行われるため、エラーの検知後にその分析を行う等の管理を行うことは容易なことではなかった。そこで、本実施形態のように構成することで、エラーの検知に伴って容易にエラーの管理を行うことができるように有用な遊技情報を出力することができる。
(12)特に、従来においては、エラーの発生が検知されたか否かを、所定期間毎に判定するように制御されていた。この場合、所定期間内に複数回のエラーが発生したときには、1回のエラーが発生したと判定されることとなり、どのような態様でエラーが発生したのか等、エラーの検知後にその分析を行う等の管理を行うことは容易なことではなかった。そこで、本実施形態のように構成することで、所定期間内に複数回のエラー状態が検知された場合であっても、そのセキュリティ情報出力回数を計数し、記憶する。これによって、そのセキュリティ情報出力回数分のセキュリティ情報信号を出力することができ、セキュリティ情報出力回数を特定可能な有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができるとともに、所定期間毎にセキュリティ情報信号の出力周期を制御することができる。
(13)規定周期内に複数回のエラー状態が検知された場合であっても、そのセキュリティ情報出力回数を計数し、記憶する。これによって、そのセキュリティ情報出力回数分のセキュリティ情報信号を出力することができ、セキュリティ情報出力回数を特定可能な有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができるとともに、設計者の所望とする規定周期でセキュリティ情報信号の出力周期を制御することができる。例えば、セキュリティ情報信号を出力する間隔よりも短い時間に、各種のスイッチ・センサを何回も誤動作させる不正が行われることがあり、その場合に本発明を適用することは好適である。
(14)セキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力する以外にも、エラー状態に関するエラー報知を行うとともに、複数種類のエラー毎に規定された優先順位が高いエラー状態を優先して報知を行う。このため、複数種類のエラー状態が検知された場合であってもより優先順位の高いエラー状態を報知することができ、エラー状態に関する報知の複雑化を抑制することができる。
(15)特に、エラー報知に関しては、複数種類のエラー状態を検知したことよりも、優先順位の高いエラー状態を検知したことが遊技場の係員等によって特定可能であったほうが好ましく、エラー状態に関する報知の複雑化を抑制するとともに、より一層、有用な遊技情報を報知することができる。
(16)また、複数種類のエラーを検知した場合であっても、1回の要因より複数種類のエラー状態が発生することもあるため、1回のセキュリティ情報出力回数として計数することによって、エラー状態に関する報知の複雑化を抑制することができる。
(17)払出制御用CPU56aが制御に用いないセキュリティ情報信号の出力が払出制御基板56を介して行われる。このため、各信号の信号線を主制御基板54と外部端子板53との間に特別に配設する必要がなく、賞球制御信号の信号線とまとめたコネクタを使って信号を送ることができる。また、払出制御用CPU56aによって制御される賞球予定情報信号と賞球情報信号とをまとめたコネクタを使ってセキュリティ情報信号を送ることもできる。したがって、信号線の取り回し形態の簡素化や、部品点数の削減を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図17〜図20を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第1実施形態では、ホールコンピュータHCに対して1種類のセキュリティ情報信号を出力可能とした。それに対して、第2実施形態では、ホールコンピュータHCに対して2種類のセキュリティ情報信号を出力可能とした。
具体的に、図17に示すように、セキュリティ情報としては、セキュリティ情報1信号(第1エラー関連情報)とセキュリティ情報2信号(第2エラー関連情報)とに分類されている。セキュリティ情報1信号は、特定のエラー状態のうち、第1エラー状態の少なくとも何れかが検知されたことを出力する信号である。その一方で、セキュリティ情報2信号は、特定のエラー状態のうち、第2エラー状態の少なくとも何れかが検知されたことを出力する信号である。第1エラー状態としては、図8に示す優先順位が最も高く規定されているRWMクリアが該当し、第2エラー状態としては、第1エラー状態とは異なり、第1エラー状態よりも優先順位が低く規定されている磁気エラー、誘導磁界検知エラー、下大入賞口不正入賞エラー、上大入賞口不正入賞エラー及び普通電動役物不正入賞エラーが該当する。つまり、主制御用ROM54bには、第1エラー状態と第2エラー状態とを少なくとも含む複数種類のエラー状態毎に優先順位が記憶されており、第1エラー状態と第2エラー状態とに優先順位が記憶されることとなる。また、本実施形態においては、図17に示すように、主制御基板54からは、払出制御基板56や外部端子板53等を介してホールコンピュータHCに対して情報1信号〜情報6信号が出力され、情報7信号が出力されない。
また、主制御基板54の主制御用RWM54cには、セキュリティ情報1信号の出力回数(セキュリティ情報1出力回数)を計数するためのセキュリティ情報1出力カウンタと、セキュリティ情報2信号の出力回数(セキュリティ情報2出力回数)を計数するためのセキュリティ情報2出力カウンタとが割り当てられている。
このような構成とすることによって、図18に示すように、符号T1に示すタイミングで、セキュリティ情報1出力カウンタが「0」から「1」になる。そして、主制御基板54の初期設定が終了した後、符号T2に示すタイミングで、払出制御基板56から主制御基板54に基本パルスがオンとして入力されると、セキュリティ情報1信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力される。そして、セキュリティ情報1信号がオンとして出力されたことに応じてセキュリティ情報1出力カウンタが「1」から「0」になる。
また、符号T4に示すタイミングで、セキュリティ情報2出力カウンタが「0」から「1」になる。また、セキュリティ情報2出力カウンタが「1」になってから基本パルスがオフからオンになる前であり、各エラーが検出されなくなり、符号T5に示すタイミングで、再度、磁気エラー及び誘導磁界検知エラーが同時に検出された場合には、セキュリティ情報2出力カウンタが「1」から「2」になる。そして、符号T6に示すタイミングで、セキュリティ情報2信号がオンとして主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報2出力カウンタが「2」から「1」になる。続いて、符号T8に示すタイミングで、セキュリティ情報2信号が主制御基板54から払出制御基板56に出力され、セキュリティ情報2出力カウンタが「1」から「0」になる。
エラー検知時処理においては、図19に示すように、ステップS102の判定結果が肯定の場合(特定のエラー状態を検知した)、主制御用CPU54aは、特定のエラー状態のうち、第1エラー状態が検知されたか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111の判定結果が肯定の場合(第1エラー状態が検知された)、主制御用CPU54aは、ステップS112に移行する。その一方で、ステップS111の判定結果が否定の場合(第1エラー状態が検知されていない)、主制御用CPU54aは、特定のエラー状態のうち、第2エラー状態が検知されたと判定し、ステップS114に移行する。
ステップS112において、主制御用CPU54aは、第1エラー状態が検知されない状態から検知された状態となったことを示すセキュリティ情報1出力回数を計数するセキュリティ情報1出力回数計数処理を実行する。そして、主制御用CPU54aは、計数したセキュリティ情報1出力回数を、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報1出力カウンタに記憶するセキュリティ情報1出力回数記憶処理を実行し(ステップS113)、ステップS121に移行する。
その一方で、 ステップS114において、主制御用CPU54aは、第2エラー状態が検知されない状態から検知された状態となったことを示すセキュリティ情報2出力回数を計数するセキュリティ情報2出力回数計数処理を実行する。そして、主制御用CPU54aは、計数したセキュリティ情報2出力回数を、主制御用RWM54cに割り当てられたセキュリティ情報2出力カウンタに記憶するセキュリティ情報2出力回数記憶処理を実行し(ステップS115)、ステップS121に移行する。
このように、主制御用CPU54aは、第1エラー状態が検知されたときには、その第1エラー状態が検知されたセキュリティ情報1出力回数(第1エラー検知回数)を計数し、記憶する。また、主制御用CPU54aは、第2エラー状態が検知されたときには、該第2エラー状態が検知されたセキュリティ情報2出力回数(第2エラー検知回数)を計数し、記憶する。
セキュリティ情報信号出力処理においては、図20に示すように、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報1出力カウンタから値を読み出し、セキュリティ情報1出力回数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS134)。ステップS134の判定結果が否定の場合(セキュリティ情報1出力回数が「1」以上ではない)、主制御用CPU54aは、ステップS135,S136を実行することなく、ステップS137に移行する。その一方で、ステップS134の判定結果が肯定の場合(セキュリティ情報1出力回数が「1」以上である)、主制御用CPU54aは、ステップS135に移行する。
ステップS135において、主制御用CPU54aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、払出制御基板56に対してセキュリティ情報1信号をオンとして出力する。また、このセキュリティ情報1信号は、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aはセキュリティ情報1信号を用いた制御を実行しない。そして、セキュリティ情報1信号は、払出制御基板56から外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力されることとなる。
そして、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報1出力カウンタの値を読み出し、セキュリティ情報1出力回数を「1」減算するセキュリティ情報1出力回数減算処理を実行し(ステップS136)、ステップS137に移行する。つまり、この処理において、主制御用CPU54aは、セキュリティ情報1出力回数を、セキュリティ情報1信号の出力回数分だけ減算する更新を行うこととなる。
ステップS137において、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報2出力カウンタから値を読み出し、セキュリティ情報2出力回数が「1」以上であるか否かを判定する。ステップS137の判定結果が否定の場合(セキュリティ情報2出力回数が「1」以上ではない)、主制御用CPU54aは、ステップS138,S139を実行することなく、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。その一方で、ステップS137の判定結果が肯定の場合(セキュリティ情報2出力回数が「1」以上である)、主制御用CPU54aは、ステップS138に移行する。
ステップS138において、主制御用CPU54aは、基本パルスがオフからオンとなってからオフになるまでの間、払出制御基板56に対してセキュリティ情報2信号をオンとして出力する。また、このセキュリティ情報2信号は、払出制御用CPU56aに入力されず、該払出制御用CPU56aはセキュリティ情報2信号を用いた制御を実行しない。そして、セキュリティ情報2信号は、払出制御基板56から外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力されることとなる。
そして、主制御用CPU54aは、主制御用RWM54cに記憶されたセキュリティ情報2出力カウンタの値を読み出し、セキュリティ情報2出力回数を「1」減算するセキュリティ情報2出力回数減算処理を実行し(ステップS139)、セキュリティ情報信号出力処理を終了する。つまり、この処理において、主制御用CPU54aは、セキュリティ情報2出力回数を、セキュリティ情報2信号の出力回数分だけ減算する更新を行うこととなる。
このように、主制御用CPU54aは、基本パルスが生成されたことを契機として、第1エラー状態が検知されたセキュリティ情報1出力回数が記憶されているか否かを判定し、判定結果が肯定の場合、セキュリティ情報1信号をホールコンピュータHCに出力し、セキュリティ情報1出力回数をセキュリティ情報1信号の出力回数分だけ減算する。同じように、主制御用CPU54aは、基本パルスが生成されたことを契機として、第2エラー状態が検知されたセキュリティ情報2出力回数が記憶されているか否かを判定し、判定結果が肯定の場合、セキュリティ情報2信号をホールコンピュータHCに出力し、セキュリティ情報2出力回数をセキュリティ情報2信号の出力回数分だけ減算する。また、主制御用CPU54aは、セキュリティ情報1信号とセキュリティ情報2信号との両方を同じ時期に出力可能である。
なお、本実施形態において、主制御用CPU54aと各種のスイッチ・センサとが、第1エラー検知手段、第2エラー検知手段に相当する。また、本実施形態において、主制御用CPU54aが、エラー検知回数計数手段、エラー検知回数記憶手段、エラー検知回数判定手段、出力手段、エラー検知回数更新手段に相当する。
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態における(1)〜(17)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(18)第1エラー状態が検知されたときには、第1エラー状態に関するセキュリティ情報1信号を、第2エラー状態が検知されたときには、第2エラー状態に関するセキュリティ情報2信号をホールコンピュータHCに出力する。このため、エラー状態の検知に伴って容易にエラー状態の管理を行うことができるように有用な遊技情報を出力することができる。
(19)特に、従来においては、1種類のエラーに対応する1種類のセキュリティ情報信号が出力される構成であると、多くのエラーを網羅することができない。その一方で、複数種類のエラーに対応する1種類のセキュリティ情報信号が出力される構成であると、発生しているエラーが特定し難く、エラーの検知後にその分析を行う等の管理を行うことは容易なことではなかった。そこで、本実施形態のように構成することで、複数種類のエラー状態が検知可能であり、セキュリティ情報1信号及びセキュリティ情報2信号をホールコンピュータHCに出力する。このため、エラー状態の種類を特定可能なセキュリティ情報信号をホールコンピュータHCに出力することができ、有用な遊技情報を出力することができる。
(20)所定期間内に第1エラー状態、第2エラー状態の少なくともいずれかのエラー状態が複数回検知された場合であっても、セキュリティ1情報出力回数やセキュリティ情報2信号出力回数を計数し、記憶する。これによって、セキュリティ1情報出力回数分のセキュリティ情報1信号、セキュリティ情報2信号出力回数分のセキュリティ情報2信号を出力することができ、セキュリティ情報出力回数を特定可能な有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができるとともに、所定期間毎にセキュリティ情報信号の出力周期を制御することができる。
(21)セキュリティ情報1信号とセキュリティ情報2信号との両方を出力可能であり、同じ時期に第1エラー状態と第2エラー状態とが発生した場合であっても、両方のエラー状態が発生したことが特定可能であり、有用な遊技情報を出力することができる。
(22)最も優先順位が高い第1エラー状態に関するセキュリティ情報1信号を、セキュリティ情報2信号とは別に出力することとなり、セキュリティ情報1信号に基づいて優先順位が最も高いエラーが発生したことを特定可能であり、有用な遊技情報を出力することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明を具体化した第3実施形態について図21を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第2実施形態では、賞球予定球数の計数、記憶、及び賞球予定情報信号の出力を払出制御基板56において行うように構成した。それに対して、第3実施形態では、これらの処理を主制御基板54において行うように構成した。なお、第3実施形態では、第2実施形態と対比させた構成としたが、第1実施形態に対して、これらの処理を主制御基板54において行うように構成してもよい。
具体的に、図21に示すように、主制御用CPU54aは、扉開放情報信号、セキュリティ情報1信号、セキュリティ情報2信号、情報1信号〜情報6信号、賞球予定情報信号を、払出制御基板を介さずに、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して出力する。また、主制御基板54における主制御用RWM54cには、第1実施形態及び第2実施形態における賞球予定球数カウンタが割り当てられている。このため、外部端子板53に対しては、払出制御基板56からの信号線が直接的に接続されず、直接的に主制御基板54からの信号線が接続されることとなる。
その一方で、払出制御用CPU56aは、第1実施形態及び第2実施形態と同じように、賞球制御信号の入力に基づいて、払出ユニット61に遊技球の払出動作を行わせる払出制御を行い、規定数の遊技球の払出動作が完了したことを契機に、主制御基板54及び外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して出力する。
また、払出制御基板56においては、図14に示すカウンタ更新処理におけるステップS202、図16に示す信号出力処理におけるステップS241〜S243が実行されずに、主制御基板54においては、同じような処理が実行される。具体的には、主制御用CPU54aは、図13に示す賞球制御信号処理においてステップS143を実行した後に、図14に示すカウンタ更新処理におけるステップS202と同じような処理を実行し、本処理を終了する。また、主制御用CPU54aは、基本パルスがオフからオンになったことを契機に、図16の信号出力処理におけるステップS241〜S243を実行し、本処理を終了する。なお、本実施形態においては、主制御基板において、賞球予定球数の計数、記憶、及び賞球予定情報信号の出力が行われるため、それらの処理に関する信号が払出制御基板から主制御基板に出力されない。
以上詳述したように、第3実施形態は、第1実施形態における(1)〜(17)、第2実施形態における(18)〜(22)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(23)主制御基板54は、遊技球の入賞が検知されたことを契機に、払出制御基板56に賞球制御信号を出力し、その後に、遊技球の払出動作が行われたか否かに拘わらず、ホールコンピュータHCに賞球予定情報信号を出力する。このため、遊技球の払出動作を迅速に行わせるように賞球制御信号を払出制御基板56に出力するとともに、その後に実際に遊技球の払出動作が行われたか否かに拘わらず、賞球予定情報信号を出力することができ、有用な遊技情報をホールコンピュータHCに出力することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明を具体化した第4実施形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第2実施形態では、セキュリティ情報出力回数の計数、及び記憶を主制御基板54において行うように構成した。それに対して、第4実施形態では、これらの処理を払出制御基板56において行うように構成した。なお、第4実施形態では、第2実施形態と対比させた構成としたが、第1実施形態や第3実施形態に対して、これらの処理を払出制御基板56において行うように構成してもよい。
具体的に、主制御用CPU54aは、各種エラー状態を検知した場合には、サブ統括制御基板70に出力するエラー指定コマンドと同じように、エラー状態の種類が特定可能なエラー指定信号を払出制御基板56に出力する。払出制御用CPU56aは、エラー指定信号を入力すると、図19に示すエラー検知時処理におけるステップS101,S102,S111〜S115と同じように、セキュリティ情報1出力回数、及びセキュリティ情報2出力回数を計数し、記憶する。そして、払出制御用CPU56aは、基本パルスがオフからオンになったことを契機に、図20のセキュリティ情報信号出力処理を実行する。そして、払出制御用CPU56aは、本処理のステップS134〜S139と同じように、セキュリティ情報1出力回数やセキュリティ情報2出力回数が「1」以上であるか否かを判定し、判定結果が肯定のときには、セキュリティ情報1信号やセキュリティ情報2信号を出力する。なお、本実施形態においては、主制御基板54に、払出制御基板56と同じような基本パルスを入力させない構成となっている。
以上詳述したように、第4実施形態は、第1実施形態における(1)〜(17)、第2実施形態における(18)〜(22)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(24)セキュリティ情報1出力回数及びセキュリティ情報2出力回数の計数及び記憶、セキュリティ情報1信号及びセキュリティ情報2信号の出力が払出制御基板56によって行われるため、遊技の進行を制御する主制御基板54の制御負荷を軽減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第2実施形態から第4実施形態において、2系統のセキュリティ情報信号としたが、これに限らず、例えば、3系統以上のセキュリティ情報信号としてもよい。
・第2実施形態から第4実施形態において、2系統のセキュリティ情報を2本の信号線を用いてホールコンピュータHCに出力したが、これに限らず、例えば、2系統のセキュリティ情報を1本又は3本以上の信号線を用いてホールコンピュータHCに出力してもよい。また、2系統のセキュリティ情報を1本の信号線を用いて出力する場合には、例えば、オンとなる時間を、第1エラー状態を示すセキュリティ情報信号と、第2エラー状態を示すセキュリティ情報信号とで異ならせるようにすることで、ホールコンピュータHCも、第1エラー状態と第2エラー状態との何れであるかが特定可能となる。
・第3実施形態においては、主制御基板54において、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、払出制御信号を払出制御基板56に出力した後に、賞球予定球数を計数したが、これに限らず、例えば、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機に、賞球予定球数を計数した後に、払出制御信号を払出制御基板56に出力してもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態においては、賞球予定球数の計数、及び記憶を払出制御基板56で行い、第3実施形態においては、賞球予定球数の計数、及び記憶を主制御基板54で行ったが、これに限らず、例えば、賞球予定球数の計数、及び記憶を払出制御基板56と主制御基板54との両方で行ってもよい。
・上記実施形態においては、賞球数の計数及び記憶を払出制御基板56で行ったが、これに限らず、例えば、払出動作が行われたことを示す信号が主制御基板54に出力されれば、賞球数の計数及び記憶を主制御基板54で行ってもよく、賞球情報信号を払出制御基板56から出力せずに主制御基板54から出力してもよい。また、例えば、賞球数の計数及び記憶を払出制御基板56と主制御基板54との両方で行ってもよい。
・上記実施形態において、未払出球数の計数、記憶、表示制御を払出制御基板56において行ったが、これに限らず、例えば、主制御基板54やサブ統括制御基板70など、他の基板において行ってもよく、例えば、賞球残数表示装置48を備えない構成であっても問題ない。
・上記実施形態において、主制御基板54と払出制御基板56との間で、外部端子板53に出力される信号が入出力される場合に、信号が入力される基板において、その基板におけるCPUに入力されることなく、外部端子板53に出力されるように構成する場合があった。しかし、これに限らず、例えば、CPUに入力させて、RWMに記憶させるように制御してもよく、RWMに記憶されたデータに基づいて、外部端子板53に出力する信号を生成するように制御してもよい。具体的には、第1実施形態及び第2実施形態において、セキュリティ情報信号(セキュリティ情報1信号、セキュリティ情報2信号)が主制御基板54から払出制御基板56に入力された場合、払出制御用CPU56aは、セキュリティ情報信号が入力した場合に、その信号に基づくデータを払出制御用RWM56cに記憶してもよい。また、第3実施形態において、賞球情報信号が払出制御基板56から主制御基板54に入力された場合、主制御用CPU54aは、賞球情報信号が入力した場合に、その信号に基づくデータを主制御用RWM54cに記憶してもよい。なお、この場合において、信号を出力する基板が第2出力手段に相当し、信号を入力し、外部端子板53を介してホールコンピュータHCに出力する基板が出力手段に相当する。
・上記実施形態において、賞球予定球数が規定数(10球)以上となったときに、規定数の賞球予定球数があることを示す賞球予定情報信号を出力したが、これに限らず、例えば、規定数が10球ではなく、9球以下又は11球以上であってもよい。また、例えば、規定数自体が規定されておらず、賞球予定球数が「1」以上である場合に、賞球予定球数があることを示す賞球予定情報信号を出力するような構成であってもよい。また、例えば、遊技球の払出動作が完了したことを示す規定数についても同じように、規定数が10球ではなく、9球以下又は11球以上であってもよい。また、規定数が規定されずに、賞球数が「1」以上である場合に、賞球数があることを示す賞球情報信号を出力するような構成であってもよい。また、例えば、賞球情報信号を出力しないような構成であってもよく、賞球予定情報信号についても同様である。
・上記実施形態において、ホールコンピュータHCに対するセキュリティ情報信号の1回の出力毎にセキュリティ情報出力回数を「1」減算したが、これに限らず、例えば、ホールコンピュータHCに対するセキュリティ情報信号の複数回の出力毎にセキュリティ情報出力回数を当該複数回だけ減算するように構成してもよい。
・上記実施形態において、演出に関するランプ演出が実行可能な枠用ランプ部17を用いて、ランプ演出とは異なる態様でエラー報知を行ったが、これに限らず、例えば、演出に関するランプと、エラー報知を行うランプとを別体に構成してもよい。
・上記実施形態において、複数種類のエラー状態に優先順位が規定されており、検知されたエラー状態のうち優先順位が最も高い1種類のエラー状態に関するエラー報知を優先して行う構成としたが、これに限らず、例えば、検知されたエラー状態のうち、優先順位が高い2種類以上(複数種類)のエラー状態に関するエラー報知を行ってもよい。また、例えば、第1エラー状態と第2エラー状態との分類については、優先順位に限らず、エラー状態の種類を問わない。例えば、磁気エラー等の特定エラー状態を第1エラー状態として、それ以外のエラー状態を第2エラー状態として、セキュリティ情報1信号とセキュリティ情報2信号とを出力してもよい。また、例えば、検知されたエラー状態のうち、相対的な優先順位によって、報知態様が異なってもよい。具体的には、複数種類のエラー状態が検知された場合に、それら複数種類のエラー状態のなかで優先順位が最も高いエラー報知はそのまま報知を行うが、それ以外のエラー報知については、通常時よりも認識し難い態様でエラー報知を行うように構成してもよい。また、例えば、優先順位が規定されていなくてもよく、エラー報知を行わない構成であってもよい。
・上記実施形態において、パチンコ遊技機10において、所定の強度以上の振動を検知する振動検知手段を備え、所定の強度以上の振動が検知された場合に、振動エラー状態であると判定し、セキュリティ情報信号として出力してもよく、報知手段により報知させてもよい。また、振動が検知される場合、所定の強度以上の振動が検知された時間や回数によって、振動エラー状態であるか否かを判定してもよい。
・上記実施形態において、下始動口39や各大入賞口41、43に予め規定された期間に遊技球が入賞した場合に、各種エラーであると判定したが、これに限らず、例えば、予め規定された期間ではない場合であっても、下始動口39や各大入賞口41、43に入賞した遊技球の個数が規定個数以上となった場合に、各種エラーであると判定してもよい。また、これらは、その検知時における遊技状態や大当りの種類によって、各種エラーであるか否かを判定してもよい。具体的な一例としては、下始動口39の開放制御が行われる期間において、不正が行われないと入賞しない個数が規定個数として規定されており、その規定個数以上となったときに、普通電動役物不正入賞エラーであると判定される。この場合、下始動口39が短時間開放される遊技状態(例えば、通常状態)と、長時間開放される遊技状態(入球率向上状態)とで異なる規定個数が規定されていてもよい。また、例えば、各大入賞口41、43については、各大入賞口41、43にほとんど入賞しない大当り遊技(短時間開放大当り遊技)と、それよりも多くの遊技球が入賞する大当り遊技(長時間開放大当り遊技)とで、異なる規定個数が規定されていてもよい。
・上記実施形態において、報知手段の異常を検知する報知異常検知手段を備え、報知異常検知手段からの信号に基づいて、報知エラー状態であると判定し、セキュリティ情報信号として出力してもよく、例えば、セキュリティ情報1信号、セキュリティ情報2信号の何れであってもよい。また、このセキュリティ情報信号は、ホールコンピュータHCに出力しても、パチンコ遊技機10の外部に配設される表示装置に出力してもよい。従来においては、エラー状態が検知された場合には、パチンコ遊技機に配設された報知手段でエラー報知を行なわせたが、報知手段までの信号線を断線させるなど、報知手段に異常を発生させた後に、別の不正を行うおそれがあった。例えば、サブ統括制御基板70から枠用ランプ部17やスピーカ20までの信号線、演出表示制御基板72から演出表示装置33までの信号線を断線させて、パチンコ遊技機10におけるエラー報知を行なわせることなく、別の不正を行うようなことある。この断線を検知する報知異常検知手段(断線検知手段)を備え、各種制御基板におけるCPUが、報知エラー状態であると判定するように構成してもよい。この場合、報知異常検知手段の具体的な一例としては、報知手段から所定周期で出力される信号が入力されなくなったことを各種制御基板におけるCPUが検知するように構成してもよい。
・上記実施形態において、エラー状態が検知されたときには、該エラー状態が検知されたことを示すセキュリティ情報出力回数(セキュリティ情報1出力回数、セキュリティ情報2出力回数)を計数し、記憶したが、これに限らず、計数や記憶を行わないように構成してもよい。
・上記実施形態において、電源基板55からの電源断信号、リセット信号、RWMクリア信号が、払出制御基板56と主制御基板54とに対して同じように入力されるが、これに限らず、例えば、これら信号とは別に、各基板毎にリセット信号を入力するように構成してもよい。具体的には、主制御基板54に入力させないが、払出制御基板56に入力可能な払出制御用リセット信号が規定されており、リセットスイッチの操作に応じて払出制御基板56に入力される。払出制御用リセット信号が入力されると、払出制御用CPU56aは、初期化処理を行い、払出制御用RWM56cに割り当てられた賞球予定球数カウンタ、未払出球数カウンタ、賞球数カウンタを初期化する。このように、第2制御初期化手段としての払出制御用CPU56aは、主制御基板54(主制御用RWM54c)の初期化を行わずに、払出制御基板56(払出制御用RWM56c)に割り当てられた未払出球数を初期化することができ、簡便である。特に、主制御基板54が遊技の進行に関する制御を行うので、このような制御の初期化を行わないようにすることによって、遊技者に対して不利益を与えるような機会を減少させることができ、遊技に対する興趣の減退を抑制することができる。
・上記実施形態において、賞球残数表示装置48を含む賞球残数表示基板87を、払出制御基板56に直接的に接続した構成としたが、これに限らず、例えば、賞球残数表示装置48を含む賞球残数表示基板87を、主制御基板54及び主制御中継端子板58を介して、払出制御基板56に間接的に接続した構成としてもよい。また、例えば、賞球残数表示装置48を含む賞球残数表示基板87を、図柄表示基板86等の他の基板と同一基板として設けてもよい。また、例えば、賞球残数表示装置48を含む賞球残数表示基板87を、払出制御基板56と同一基板として設けてもよい。
・上記実施形態において、基本パルスがオンとなっている間に各種の遊技情報をオンとするように構成したが、これに限らず、例えば、基本パルスがオフからオンとなったことを契機に、基本パルスがオンからオフになったか否かに拘わらず、所定時間、各種の遊技情報をオンとするように構成してもよい。また、情報信号の種類によってオンとする時間を異ならせてもよい。また、例えば、エラー状態の種類によってオンとする時間を異ならせてもよい。
・上記実施形態において、払出制御基板56が、予め定められた規定周期で基本パルスを生成したが、これに限らず、例えば、主制御基板54が、基本パルスを生成してもよく、それら以外の基板が基本パルスを生成してもよい。また、同期をとることができるのであれば、1つの基板ではなくても、複数の基板で基本パルスを生成してもよい。
・上記実施形態において、基本パルスがオフからオンになったことを契機に各種信号を外部端子板53を介してホールコンピュータHCに対して出力したが、これに限らず、例えば、基本パルスがオンからオフとなったことを契機としてもよい。また、例えば、基本パルスに拘わらず、各種信号をホールコンピュータHCに出力してもよい。また、例えば、各種信号をホールコンピュータHCに出力する出力処理以外にも、基本パルスがオフからオンになったことを契機として各種処理を実行させたが、出力処理と同じようにこれに限らない。つまり、基本パルスがオンからオフとなったことを契機として各種処理を実行してもよいし、基本パルスに拘わらず、所定期間毎に各種処理を実行してもよい。もちろん、所定期間毎に各種処理を実行しなくてもよい。
・上記実施形態において、電源基板55を複数の基板のそれぞれに対して接続することで、電源やバックアップ電源を供給したが、これに限らず、例えば、電源基板55を複数の基板のうち少なくとも何れかに接続して電源やバックアップ電源を供給する一方で、それら複数の基板間において、電源やバックアップ電源を供給するように構成してもよい。また、バックアップ電源の供給については基板の種類を問わず、バックアップ電源は、上記実施形態において供給されていた基板に対して供給しない構成としても、サブ統括制御基板70等の上記実施形態において供給されていなかった基板に対して供給する構成としてもよい。また、上記実施形態においては、バックアップ電源を供給するために蓄電する蓄電手段を電源基板55に備えるように構成したが、これに限らず、例えば、主制御基板54や払出制御基板56など、他基板に蓄電手段を備えてもよく、一つの基板や複数の基板に備えることは問わない。なお、この蓄電手段としては、ボタン型電池などの一次電池やニッケルカドミウム電池などの二次電池を用いてもよく、ニッケル水素電池や電気二重層コンデンサであってもよい。
・上記実施形態において、電源基板55から払出制御基板56、払出制御基板56から主制御中継端子板58、主制御中継端子板58から主制御基板54というように電源断信号、リセット信号、及びRWMクリア信号を供給したが、これに限らず、例えば、電源基板55から各基板に直接信号を供給してもよい。
・上記実施形態において、外部端子板53が中枠に装着される構成であったが、これに限らず、例えば、遊技盤YBに装着されてもよい。
・上記実施形態において、主制御基板54を第1制御手段、払出制御基板56を第2制御手段として機能させたが、これに限らず、他の基板の組み合わせであってもよい。また、例えば、第1制御手段及び第2制御手段を制御手段として1つの基板としてもよく、第1制御手段及び第2制御手段の何れか一方が配設されない構成であってもよい。
・上記実施形態において、遊技球の入賞に伴い、遊技球の払出動作が行われるまでに、その払出動作の予定を示す賞球予定情報信号を出力可能としたが、必ずしも遊技球の払出動作が行われるまでに賞球予定情報信号を出力しなければならないわけではなく、遊技球の払出動作が行われるまでに出力する場合と出力しない場合とがあってもよい。また、例えば、賞球予定情報信号の出力処理が、必ず賞球情報信号の出力処理よりも先に実行させるように構成してもよい。
・上記実施形態において、未払出球数が「1」以上である場合には、エラー状態が発生しなければ、未払出球数が「0」になるまで、払出ソレノイド61lをオフにしなかった。しかし、これに限らず、例えば、所定個数(例えば25球)の遊技球の払出動作を行った場合に、払出ソレノイド61lを一旦オフとして、その後、未払出球数が「1」以上である場合には、再度、払出ソレノイド61lをオンとしてもよい。
・上記実施形態において、払出ソレノイド61lを用いて払出動作を行ったが、これに限らず、モータ等を用いて払出動作を行ってもよい。
・上記実施形態において、カードユニット装置11を接続しないパチンコ遊技機に本発明を提供してもよい。
・上記実施形態において、2つの大入賞口装置41、43を備えたが、これに限らず、1つ又は3つ以上の大入賞口装置を備えてもよい。
・上記実施形態において、大当り遊技が付与されるように構成したが、これに限らず、例えば、大当り遊技の他にも、小当り遊技が付与される構成であってもよい。この小当り遊技とは、大当り抽選に当選しなかった場合に、小当り抽選を行い、小当り抽選に当選した場合に付与され、大当り遊技ではないが、大入賞口装置が開放可能な遊技である。この場合、大当り遊技及び小当り遊技ではない遊技において、大当り遊技又は小当り遊技が終了してから一定時間が経過した後に下大入賞口装置41や上大入賞口装置43に遊技球が入賞したときには、下大入賞口不正入賞エラーや上大入賞口不正入賞エラーが検知されることとなる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)遊技の進行を制御する第1制御手段と、前記第1制御手段から出力される払出制御コマンドに基づいて、遊技球の払出制御を行う第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に対応する賞球数を判定する賞球種別判定手段を有する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ロ)遊技の進行を制御する第1制御手段と、前記第1制御手段から出力される払出制御コマンドに基づいて、遊技球の払出制御を行う第2制御手段と、を備え、前記第2制御手段は、遊技球の貸出制御を指示する貸出指示装置に接続され、前記貸出指示装置から遊技球の貸出制御の指示に基づいて、所定数の遊技球の貸出制御を行う請求項1〜請求項5、及び(イ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ハ)遊技の進行を制御する第1制御手段と、前記第1制御手段から出力される払出制御コマンドに基づいて、遊技球の払出制御を行う第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記エラー検知回数計数手段と前記エラー検知回数記憶手段と前記エラー検知回数判定手段と前記エラー検知回数更新手段とを有し、前記第2制御手段は、前記出力手段を有し、前記第1制御手段は、前記エラー検知回数判定手段によって前記エラー検知回数記憶手段にエラーが検知されたエラー検知回数が記憶されていると判定された場合に、該エラーの検知を示すエラー検知信号を前記第2制御手段に出力する第2出力手段を有し、前記エラー検知回数更新手段は、前記エラー検知回数判定手段によって前記エラー検知回数記憶手段にエラーが検知されたエラー検知回数が記憶されていると判定された場合に、前記エラー検知回数記憶手段に記憶されているエラー検知回数を、前記第2出力手段によるエラー検知信号の出力回数分だけ減算し、前記出力手段は、前記第2出力手段から出力されたエラー検知信号に基づいて、前記エラー信号を前記外部装置に出力する請求項1〜請求項5、(イ)及び(ロ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ニ)遊技球が入賞可能な入賞手段と、前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御コマンドを出力する第1制御手段と、遊技球の払出動作を行う払出手段と、前記第1制御手段によって出力された払出制御コマンドに基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段と、を備えた遊技機において、前記第1制御手段及び前記第2制御手段の少なくとも何れか一方は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、前記払出手段による払出動作が行なわれたか否かに拘わらず、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定信号を、遊技に関する遊技情報を管理する外部装置に出力する出力手段を有する遊技機。
(ホ)遊技球が入賞可能な入賞手段と、前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、遊技球の払出動作を行う払出手段と、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う制御手段と、を備えた遊技機において、前記制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されてから、該遊技球の入賞に伴う前記払出手段による払出動作が行われるまでに、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定信号を、遊技に関する遊技情報を管理する外部装置に出力可能な出力手段を有する遊技機。
(ヘ)遊技球が入賞可能な入賞手段と、前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御コマンドを出力する第1制御手段と、遊技球の払出動作を行う払出手段と、前記第1制御手段によって出力された払出制御コマンドに基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段と、画像の表示を行う表示手段と、を備えた遊技機において、前記第2制御手段は、前記第1制御手段によって出力された払出制御コマンドに基づいて、前記払出手段による払出動作が行われていない未払出球数を計数する未払出球数計数手段と、前記未払出球数計数手段により計数された未払出球数を累積して記憶する未払出球数記憶手段と、前記未払出球数記憶手段に記憶された未払出球数を前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、を有し、前記第2制御手段に対して前記未払出球数記憶手段に記憶されている未払出球数のバックアップを行うためのバックアップ電源を供給するバックアップ電源供給手段を備えた遊技機。
(ト)前記第2制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段による払出動作が行われる予定である払出予定球数を計数する払出予定球数計数手段と、前記払出予定球数計数手段により計数された払出予定球数を累積して記憶する払出予定球数記憶手段と、を有する(ヘ)に記載の遊技機。
(チ)遊技に関する制御を行う遊技機において、遊技機におけるエラーに関する検知を行うエラー検知手段と、前記エラー検知手段によってエラーが検知されたときには、該エラーが検知されたエラー検知回数を計数するエラー検知回数計数手段と、前記エラー検知回数計数手段によって計数されたエラー検知回数を記憶するエラー検知回数記憶手段と、前記エラー検知回数記憶手段にエラーが検知されたエラー検知回数が記憶されているか否かを所定期間毎に判定するエラー検知回数判定手段と、前記エラー検知回数判定手段によって前記エラー検知回数記憶手段にエラーが検知されたエラー検知回数が記憶されていると判定された場合に、エラーに関するエラー関連情報を、遊技に関する制御情報の管理を行う外部装置に出力する出力手段と、前記エラー検知回数記憶手段に記憶されているエラー検知回数を、前記出力手段によるエラー関連情報の出力回数分だけ減算するエラー検知回数更新手段と、を備えた遊技機。
(リ)遊技に関する制御を行う遊技機において、遊技機における第1エラーに関する検知を行う第1エラー検知手段と、前記第1エラーとは異なる遊技機における第2エラーに関する検知を行う第2エラー検知手段と、前記第1エラー検知手段によって第1エラーが検知されたことを契機に、該第1エラーに関する第1エラー関連情報を、遊技に関する制御情報の管理を行う外部装置に出力し、前記第2エラー検知手段によって第2エラーが検知されたことを契機に、該第2エラーに関する第2エラー関連情報を前記外部装置に出力する出力手段と、を備えた遊技機。
(ヌ)報知を行う報知手段と、前記報知手段の異常を検知する報知異常検知手段と、前記報知異常検知手段によって前記報知手段の異常が検知されたことを契機に、該エラーに関するエラー関連情報を、遊技に関する制御情報の管理を行う外部装置に出力する出力手段とを備えた遊技機。