JP2013170630A - 緩み防止ナット - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止するためのナットで、分解する必要が生じた時に取り外しも容易であるという相反する要望を解決するものであり、確実で信頼性が高く取扱上利便性が高い緩み防止ナットを提供するものである。
【解決手段】
ナットの中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝を複数個等間隔に設け、板状部材の外周に該溝の数と一致しない複数の突起を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材の中央の穴に内向き突起を設け、前記ナットと該板状部材を組み合わせた構造の緩み防止ナットを提供する。
【選択図】図1
本発明は、摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止するためのナットで、分解する必要が生じた時に取り外しも容易であるという相反する要望を解決するものであり、確実で信頼性が高く取扱上利便性が高い緩み防止ナットを提供するものである。
【解決手段】
ナットの中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝を複数個等間隔に設け、板状部材の外周に該溝の数と一致しない複数の突起を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材の中央の穴に内向き突起を設け、前記ナットと該板状部材を組み合わせた構造の緩み防止ナットを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、機械及び建築などに広く利用されるネジの緩みを防止するためのナットに関するものであり、特に摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止するためのナットに関するものである。
従来、ネジの緩み防止の方法としては溝付きのナットと穴のついたボルトを割りピンで固定する方法や、部分的に偏芯した突起を有するナットを他のナットの凹部と組み合わせて摩擦力を高める方式などがある。
しかるに、割ピンを用いる方法では固定できる角度が一般に60°トビとなり充分な締め付け力を得られないことが多く、締め付け後に穴加工を行う場合は極めて作業能率が悪い。また、偏芯した突起を利用する方式のものはあくまでも摩擦力に依存するものであるために完全なゆるみ止め効果を保証できるものではない。
特にベアリングなどの固定においては偏芯荷重によって固定部に偏った応力を発生させるので回転性能を損なう可能性があり使用できない。
本来、摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止するためのナットが望まれる一方、保守などの理由で分解する必要が生じた時に取り外しも容易であることが強く望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、この様に相反する要望を解決するものであり、摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止し、しかも保守などの理由で、分解する必要が生じた時に取り外しも容易な緩み防止ナットを提供するものである。
本発明の上記課題を解決するための手段は、ナットの中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝を複数個等間隔に設け、板状部材の外周に該溝の数と一致しない複数の突起を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材の中央の穴に内向き突起を設け、前記ナットと該板状部材を組み合わせた構造のネジの緩み防止ナットを提供することである。
本発明の第1の効果は、板状部材の中央の穴に設けた内向き突起を雄ネジ部材に設けた溝に係合せしめ、板状部材の外周部に設けた突起のうちの1個を外周側に開いてナットの溝に係合せしめることによりネジの緩みを防止することが出来ることである。
本発明の第2の効果は、板状部材の外周部に設けた突起の数はナットの溝の数と異なる為、両者の数の差によって生じる角度差を利用すれば、板状部材の外周部に設けた突起のどれかがナットの溝のどれかに合うようにネジ絞め具合を調整することは容易であり、それによるネジ絞め量の不足はきわめて小さいことである。
本発明の第3の効果は、板状部材の外周部に設けた突起はナットの溝との係合によって完全にネジの緩みを防止できる一方、何らかの理由で緩めたい時は該突起を曲げ戻して溝との係合を外すことによって容易にナットを緩めることが出来ることである。
本発明の緩み防止ナットをその性能を損なわない範囲で簡略化して実現するための実施形態を示す。
図1は、本発明の緩み防止ナットの1実施形態を示した側断面図であり、図2はその平面図である。
図1及び図2において、ナット1の中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起2を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝3を複数個等間隔に設け、該円筒状突起2の内部に設けた板状部材4の外周に、該溝の数と一致しない複数の突起5を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材4の中央の穴6に内向き突起7を設け、前記ナット1と該板状部材4を組み合わせた構造のネジの緩み防止ナットを形成している。8は雄ネジ部材であり、該雄ネジ部材8には溝9が設けられ、板状部材4の中央の内向き突起7と係合している。10は被締め付け部材であり11はバネ性を有するスプリングワッシャーである。本発明の緩み防止ナット1と組み合わせる場合、傘状のスプリングワッシャーであることが望ましい。
[作用]
図1及び図2において、ナット1の中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起2を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝3を複数個等間隔に設け、該円筒状突起2の内部に設けた板状部材4の外周に、該溝の数と一致しない複数の突起5を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材4の中央の穴6に内向き突起7を設け、前記ナット1と該板状部材4を組み合わせた構造のネジの緩み防止ナットを形成している。8は雄ネジ部材であり、該雄ネジ部材8には溝9が設けられ、板状部材4の中央の内向き突起7と係合している。10は被締め付け部材であり11はバネ性を有するスプリングワッシャーである。本発明の緩み防止ナット1と組み合わせる場合、傘状のスプリングワッシャーであることが望ましい。
[作用]
上記実施形態に示す本発明の緩み防止ナットの作用について説明する。本発明の緩み防止ナットを使用する場合は、通常のナットと同様に雄ネジ部材8の溝9に板状部材4の内向き突起7を係合させて状態で絞めこんでゆく。このとき板状部材4はナット1との間で自由に回転することが出来る。スプリングワッシャー11が充分に撓んで締め付け力が得られた時、板状部材4の突起5のうち、ナット1の溝3に合った位置のものを外側に開き曲げて該溝3と係合させる。この場合、仮にナット1の溝3の数が60度ごとの6個であり、板状部材4の突起5の数が51.4度ごとの7個であったとすれば、円周中のどこかで両者の角度の誤差は8.6度以下となるはずである。この誤差であればナット1の締め具合の調整で突起5と溝3の角度位置を合わせても前述のスプリングワッシャー11の効果で締め付け力が不足することはない。特にベアリングなどの精密な組合せにおいては、ナット1の溝3の数と板状部材4の突起5を夫々12個と13個とすることも可能であり、この場合の両者の角度は30度と27.7度であり、その差は2.3である。このような組合せでは極めて正確な締め付け固定が可能となることは自明のことである。その上、偏芯部材の利用に頼ることはないので、締付力の偏りによる不具合を発生することがない。スプリングワッシャー11に傘状のものを推奨する理由はナットの緩み防止機能が確実である為にスプリングワッシャーは回り止めの機能は不要であり、締め付け力の安定性を高める機能のみに徹することが出来るからである。
ナット1と板状部材4の脱落は円周の状突起2の先端部12を内周方向に曲げてその内径を板状部材4の外周に設けた複数の突起5が形成する外径よりも小さく形成することで防止することが出来る。これはナット1と板状部材4の組合せ時に機械的な行程で行うことが出来るが、板状部材4の突起5をナット1の溝3に合わせて外側に開き曲げる時に行っても良い。この場合は先端部12の内のいくつかを曲げれば良く、全てを曲げる必要はない。この行程を容易にするためには円周状の突起2の先端部12は肉の薄い形状としておくことが望ましい。
もし、保守その他の何らかの理由で取り外す必要が生じた場合は、開き曲げた突起5を元の状態に曲げ戻せばよいので特別な機械加工などは必要なく極めて容易である。
上記構造のネジ緩み防止ナットは、摩擦力に頼らず機械的な部材の係合によって確実にネジの緩みを防止し、しかも保守などの理由で分解する必要が生じた時に、取り外しも容易な緩み防止ナットを提供するものである。その信頼性はきわめて高く、精密機械及び振動、撓みを受ける重機から橋梁その他の保守作業の困難な建築設備にも広く利用することが出来、その産業状の効果は極めて著しい。
1 ナット
2 円筒状の突起
3 半径方向の溝
4 板状部材
5 突起
6 穴
7 内向き突起
8 雄ネジ部材
9 溝
10 被締め付け部材
11 スプリングワッシャー
12 先端部
2 円筒状の突起
3 半径方向の溝
4 板状部材
5 突起
6 穴
7 内向き突起
8 雄ネジ部材
9 溝
10 被締め付け部材
11 スプリングワッシャー
12 先端部
Claims (2)
- ナットの中心軸と直角な片面の外周部付近に中心軸と同心の円筒状突起を設け、該円筒状突起に軸方向に並行な半径方向の溝を複数個等間隔に設け、該円筒状突起2の内部に設けた板状部材の外周に、該溝の数と一致しない複数の突起を軸方向に折り曲げて等間隔に設け、該板状部材の中央の穴に内向き突起を設け、前記ナットと該板状部材を組み合わせた構造としたことを特徴とする緩み防止ナット。
- 円筒の状突起の先端部を肉の薄い形状として内周方向に曲げその内径を、板状部材の外周に設けた複数の突起が形成する外径よりも小さく形成したことを特徴とする請求項1記載の緩み防止ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012034972A JP2013170630A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 緩み防止ナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012034972A JP2013170630A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 緩み防止ナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013170630A true JP2013170630A (ja) | 2013-09-02 |
Family
ID=49264709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012034972A Pending JP2013170630A (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 緩み防止ナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013170630A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015075649A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | パナソニック デバイスSunx竜野株式会社 | 表示装置の取付具 |
-
2012
- 2012-02-21 JP JP2012034972A patent/JP2013170630A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015075649A (ja) * | 2013-10-09 | 2015-04-20 | パナソニック デバイスSunx竜野株式会社 | 表示装置の取付具 |
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