JP2013166122A - 光触媒構造体、これを用いた光触媒機能製品及び抗ウイルス性機能製品 - Google Patents

光触媒構造体、これを用いた光触媒機能製品及び抗ウイルス性機能製品 Download PDF

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仁 高見
Kohei Sogabe
康平 曽我部
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能彰 酒谷
Shigeyuki Nishikawa
重幸 西川
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Abstract

【課題】樹脂基材に含まれる可塑剤の移行が抑制されて、且つ高い光触媒活性を示す光触媒構造体、これを用いた光触媒機能製品および抗ウイルス性機能製品を提供する。
【解決手段】樹脂基材と、下地層と、光触媒層とを含む光触媒構造体であって、分子量700以上の可塑剤を樹脂基材100質量部に対して1〜100質量部含有する樹脂基材の表面に下地層が直接積層され、この下地層の表面に光触媒層が直接積層されてなり、かつ前記樹脂基材の樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である。
【選択図】なし

Description

本発明は、光触媒構造体、これを用いた光触媒機能製品及び抗ウイルス性機能製品に関する。
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起され、価電子帯に正孔が生成する。このようにして生成した正孔は強い酸化力を有し、励起した電子は強い還元力を有することから、半導体に接触した物質に酸化還元作用を及ぼす。この酸化還元作用は光触媒作用と呼ばれており、かかる光触媒作用を示し得る半導体は光触媒体と呼ばれている。このような光触媒体として酸化チタンや酸化タングステンが知られている。
光触媒体を樹脂基材等に塗布させた光触媒構造体において、樹脂基材が可塑剤を含む軟質塩化ビニル樹脂からなる場合、光触媒体を塩化ビニル樹脂基材表面に直接塗布して、光触媒体から構成される光触媒層を樹脂基材表面に形成すると、樹脂基材の内部から光触媒層に向かって拡散する可塑剤成分の影響で、光触媒構造体は十分な光触媒活性を発現しないという問題があった。
そこで、特許文献1には、光触媒層と塩化ビニル樹脂基材の間に、ポリエチレンテレフタレート等からなる硬質透明合成樹脂層を設けて、塩化ビニル樹脂に含まれる可塑剤の光触媒層への移行を抑制した光触媒構造体が開示されている。
特開2000−189804号公報
しかしながら、特許文献1に開示のような可塑剤移行防止技術では、硬質透明合成樹脂層を設けるためにコストが高くなり、コストに見合った光触媒機能が得られなかった。
そこで、本発明は、樹脂基材に含まれる可塑剤の移行が抑制されて、且つ高い光触媒活性を示す光触媒構造体、これを用いた光触媒機能製品および抗ウイルス性機能製品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の分子量の可塑剤を含む樹脂基材を用い、さらに樹脂基材の面に積層された下地層を設置することにより、上記課題を解決した光触媒構造体を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)樹脂基材と、下地層と、光触媒層とを含む光触媒構造体であって、分子量700以上の可塑剤を含有する樹脂基材の表面に下地層が直接積層され、この下地層の表面に光触媒層が直接積層されてなる光触媒構造体。
(2)樹脂基材中の可塑剤の含有量が、樹脂100質量部に対して1〜100質量部である前記(1)に記載の光触媒構造体。
(3)樹脂基材の樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である前記(1)または(2)に記載の光触媒構造体。
(4)前記光触媒層が光触媒体から構成される前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒構造体。
(5)前記光触媒体が酸化チタン粒子および酸化タングステン粒子から選ばれる少なくとも1種である前記(4)に記載の光触媒構造体。
(6)前記光触媒体に、貴金属が担持されている前記(4)または(5)に記載の光触媒構造体。
(7)前記貴金属がCu、Pt、Au、Pd、Ag、Ru、Ir及びRhから選ばれる少なくとも1種である前記(6)に記載の光触媒構造体。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光触媒構造体を用いた光触媒機能製品。
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光触媒構造体を用いた抗ウイルス性機能製品。
本発明によれば、樹脂基材に含まれる可塑剤の光触媒層への移行を抑え、優れた光触媒作用を維持する光触媒構造体を低コストで製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の光触媒構造体は、所定の分子量を有する可塑剤を含有する樹脂基材と、この樹脂基材の表面に直接積層された下地層と、この下地層の表面に直接積層された光触媒層とを含むものである。なお、直接積層されたとは、接着剤層などの層を介さずに積層されたことをいう。
[光触媒体]
本発明における光触媒層は、光触媒体から構成されるのが好ましい。光触媒体としては、例えば、紫外線や可視光線の照射により光触媒作用を発現する半導体であり、具体的には、X線分析法などで特定の結晶構造を決定できる、金属元素と酸素、窒素、硫黄、フッ素との化合物などが挙げられる。
金属元素としては、例えば、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceなどが挙げられる。
その化合物としては、これら金属の1種類または2種類以上の酸化物、窒化物、硫化物、酸窒化物、酸硫化物、窒弗化物、酸弗化物、酸窒弗化物などが挙げられる。なかでも、TiやWの酸化物が好ましく、とりわけ可視光線の照射で高い光触媒活性を示すことからWの酸化物が好ましい。TiやWの酸化物としては、酸化チタン粒子や酸化タングステン粒子であることが好ましい。
光触媒体は粒子状であることが好ましく、酸化チタン粒子および酸化タングステン粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。なお、光触媒体は単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
酸化チタン粒子は、光触媒作用を示す粒子状の酸化チタンであれば、特に制限はされないが、例えば、メタチタン酸粒子、結晶型がアナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型などである二酸化チタン〔TiO2〕粒子などが挙げられる。なお、酸化チタン粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタチタン酸粒子は、例えば、硫酸チタニルの水溶液を加熱して加水分解させる方法により得ることができる。
二酸化チタン粒子は、例えば、(i)硫酸チタニルまたは塩化チタンの水溶液を加熱することなく、これに塩基を加えることにより沈殿物を得、この沈殿物を焼成する方法、(ii)チタンアルコキシドに水、酸の水溶液または塩基の水溶液を加えて沈殿物を得、この沈殿物を焼成する方法、(iii)メタチタン酸を焼成する方法などによって得ることができる。これらの方法で得られる二酸化チタン粒子は、焼成する際の焼成温度や焼成時間を調整することにより、アナターゼ型、ブルッカイト型またはルチル型など、所望の結晶型にすることができる。
酸化チタン粒子としては、前記の他にも、特開2001−72419号公報、特開2001−190953号公報、特開2001−316116号公報、特開2001−322816号公報、特開2002−29749号公報、特開2002−97019号公報、国際公開第01/10552号、特開2001−212457号公報、特開2002−239395号公報、国際公開第03/080244号、国際公開第02/053501号、特開2007−69093号公報、Chemistry Letters, Vol.32, No.2, P.196−197(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.4, P.364−365(2003)、Chemistry Letters, Vol.32, No.8, P.772−773(2003)、Chem. Mater. , 17, P.1548−1552(2005)などに記載の酸化チタン粒子を用いてもよい。また、特開2001−278625号公報、特開2001−278626号公報、特開2001−278627号公報、特開2001−302241号公報、特開2001−335321号公報、特開2001−354422号公報、特開2002−29750号公報、特開2002−47012号公報、特開2002−60221号公報、特開2002−193618号公報、特開2002−249319号公報などに記載の方法により得られる酸化チタン粒子を用いることもできる。
酸化チタン粒子の粒子径は、特に制限されないが、光触媒作用の観点から、平均分散粒子径で、通常20〜150nm、好ましくは40〜100nmである。
酸化チタン粒子のBET比表面積は、特に制限されないが、光触媒作用の観点から、通常100〜500m2/g、好ましくは300〜400m2/gである。
なお、平均分散粒子径およびBET比表面積は、例えば、実施例に記載の測定方法によって測定することができる。
酸化タングステン粒子は、光触媒作用を示す粒子状の酸化タングステンであれば、特に制限はされないが、例えば、三酸化タングステン〔WO3〕粒子などが挙げられる。なお、酸化タングステン粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
三酸化タングステン粒子は、例えば、(i)タングステン酸塩の水溶液に酸を加えることにより、沈殿物としてタングステン酸を得、このタングステン酸を焼成する方法、(ii)メタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウムを加熱することにより熱分解する方法、(iii)金属状のタングステン粒子を焼成する方法などによって得ることができる。
酸化タングステン粒子の粒子径は、特に制限されないが、光触媒作用の観点から、平均分散粒子径で、通常50〜200nm、好ましくは80〜130nmである。
前記酸化タングステン粒子のBET比表面積は、特に制限されないが、光触媒作用の観点から、通常5〜100m2/g、好ましくは20〜50m2/gである。
なお、平均分散粒子径およびBET比表面積は、例えば、実施例に記載の測定方法によって測定することができる。
(貴金属の前駆体)
前記光触媒体は、貴金属が担持されているのが好ましい。
貴金属の前駆体としては、分散媒中に溶解し得るものが使用される。かかる前駆体が溶解すると、これを構成する貴金属元素は通常、プラスの電荷を帯びた貴金属イオンとなって、分散媒中に存在する。そして、この貴金属イオンが、光の照射により0価の貴金属に還元されて、光触媒体の表面に担持される。
貴金属としては、特に限定されないが、Cu、Pt、Au、Pd、Ag、Ru、IrおよびRhから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。その前駆体としては、これら貴金属の水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが挙げられる。これらの中でも高い抗ウイルス活性を得る点から、貴金属は、Cu、Pt、Au、Pdが好ましく、これらの中でも特にPtが好ましい。
Cuの前駆体としては、例えば、硝酸銅(Cu(NO3)2)、硫酸銅(CuSO4)、塩化銅(CuCl2、CuCl)、臭化銅(CuBr2,CuBr)、沃化銅(CuI)、沃素酸銅(CuI26)、塩化アンモニウム銅(Cu(NH4)2Cl4)、オキシ塩化銅(Cu2Cl(OH)3)、酢酸銅(CH3COOCu、(CH3COO)2Cu)、蟻酸銅((HCOO)2Cu)、炭酸銅(CuCO3)、蓚酸銅(CuC24)、クエン酸銅(Cu2647)、リン酸銅(CuPO4)などが挙げられる。
Ptの前駆体としては、例えば、塩化白金(PtCl2、PtCl4)、臭化白金(PtBr2、PtBr4)、沃化白金(PtI2、PtI4)、テトラクロロ白金酸カリウム(K2PtCl4)、ヘキサクロロ白金酸カリウム(K2PtCl6)、ヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)、亜硫酸白金(H3Pt(SO3)2OH)、塩化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4Cl2)、炭酸水素テトラアンミン白金(C21446Pt)、テトラアンミン白金リン酸水素(Pt(NH3)4HPO4)、水酸化テトラアンミン白金(Pt(NH3)4(OH)2)、硝酸テトラアンミン白金(Pt(NO3)2(NH3)4)、テトラアンミン白金テトラクロロ白金((Pt(NH3)4)(PtCl4))、ジニトロジアミン白金(Pt(NO2)2(NH32)などが挙げられる。
Auの前駆体としては、例えば、塩化金(AuCl)、臭化金(AuBr)、沃化金(AuI)、水酸化金(Au(OH)2)、テトラクロロ金酸(HAuCl4)、テトラクロロ金酸カリウム(KAuCl4)、テトラブロモ金酸カリウム(KAuBr4)などが挙げられる。
Pdの前駆体としては、例えば、酢酸パラジウム((CH3COO)2Pd)、塩化パラジウム(PdCl2)、臭化パラジウム(PdBr2)、沃化パラジウム(PdI2)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2)、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)、硫酸パラジウム(PdSO4)、テトラクロロパラジウム酸カリウム(K2(PdCl4))、テトラブロモパラジウム酸カリウム(K2(PdBr4))、テトラアンミンパラジウム塩化物(Pd(NH34Cl2)、テトラアンミンパラジウム臭化物(Pd(NH34Br2)、テトラアンミンパラジウム硝酸塩(Pd(NH34(NO32)、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラジウム酸((Pd(NH34)(PdCl4))、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム((NH42PdCl4)などが挙げられる。
これら貴金属の前駆体は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
貴金属の前駆体の使用量は、貴金属原子に換算して、光触媒体粒子の使用量100質量部に対して、光触媒作用の向上効果が十分に得られる点で通常0.01質量部以上、コストに見合った効果が得られる点で通常1質量部以下であり、好ましくは0.05質量部〜0.6質量部であり、さらには、0.05〜0.2質量部使用するのが特に好ましい。
本発明における光触媒層は、例えば、光触媒体を分散媒に分散させた光触媒分散液または光触媒分散液に後述する光触媒用バインダ成分を添加した光触媒コーティング液を用いて形成することができる。
光触媒分散液を構成する分散媒としては、特に制限はなく、通常は、水を主成分とする水性溶媒が用いられる。具体的には、分散媒は、水単独であってもよいし、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には、水の含有量が50質量%以上であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの水溶性アルコール溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。なお、分散媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光触媒分散液において、分散媒の含有量は、光触媒体の合計量100質量部に対して、通常2〜200質量倍、好ましくは4〜100質量倍である。分散媒が光触媒体の合計量100質量部に対して、2質量倍未満であると、光触媒体が沈降し易くなり、一方、200質量倍を超えると、容積効率の点で不利となるので、いずれも好ましくない。
光触媒分散液は、その水素イオン濃度が、通常pH2.0〜pH7.0、好ましくはpH2.5〜pH6.0である。水素イオン濃度がpH2.0未満であると、酸性が強すぎて取扱いが面倒であり、一方、pH7.0を超えると、例えば、光触媒体に酸化タングステン粒子が含まれる場合、酸化タングステン粒子が溶解するおそれがあるので、いずれも好ましくない。
光触媒分散液の水素イオン濃度は、通常、酸やアルカリを加えることにより調整すればよい。
水素イオン濃度の調整に用いることのできる酸としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、蓚酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
光触媒分散液を用いて下地層に直接積層して光触媒層を形成する際に、光触媒体をより強固に下地層の面に保持させるために、光触媒分散液に光触媒層用バインダ成分を含有させて、光触媒コーティング液としてもよい。
光触媒層用バインダ成分としては、例えば、蟻酸ジルコニウム、グリコール酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;水酸錫、酸化錫などの錫化合物;水酸化二オブ、酸化二オブなどの二オブ化合物;テトラエトキシシラン(ケイ酸エチル)、ケイ酸メチル(テトラメトキシシラン)、メチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどのシリコンアルコキシド;コロイダルシリカ、酸化ケイ素などのシリコン化合物などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。さらに、例えば、特開平8−67835号公報、特開平9−25437号公報、特開平10―183061号公報、特開平10―183062号公報、特開平10―168349号公報、特開平10―225658号公報、特開平11―1620号公報、特開平11―1661号公報、特開2004―059686号公報、特開2004―107381号公報、特開2004―256590号公報、特開2004―359902号公報、特開2005―113028号公報、特開2005―230661号公報、特開2007―161824号公報、国際公開第97/000134号、国際公開第98/15600号などに記載されている公知の光触媒層用バインダを用いてもよい。
光触媒分散液の製造方法は、特に制限されるものではなく、前述した各成分を分散媒中に適宜、添加、混合することにより光触媒分散液が得られる。以下、各成分の混合順序や混合方法などについて、その一実施態様を述べる。
光触媒体として、例えば、酸化チタン粒子と酸化タングステン粒子とを用いる場合、酸化チタン粒子と酸化タングステン粒子の混合は、酸化チタン粒子を分散媒中に添加して分散させた酸化チタン粒子分散液を調製し、これに、酸化タングステン粒子、もしくは酸化タングステン粒子を分散媒中に分散させた酸化タングステン粒子分散液を添加して、混合する態様が好ましい。より好ましくは、酸化チタン粒子分散液と酸化タングステン粒子分散液とを混合する態様である。酸化チタン粒子分散液または酸化タングステン粒子分散液を調製する際には、各粒子と分散媒とを混合した後、例えば、媒体撹拌式分散機を用いるなど、従来公知の分散処理を施すことが好ましい。
貴金属またはその前駆体を光触媒分散液に含有させる場合、例えば、それらをそのままの状態で混合してもよいし、別途、光触媒分散液を構成する分散媒と同じ分散媒に溶解または分散させた後に、これを光触媒分散液と混合してもよい。
貴金属の前駆体を光触媒分散液に添加する場合には、その添加後に光照射を光触媒分散液に行うことが好ましい。
照射する光としては、光触媒体のバンドギャップ以上のエネルギーを有する光であれば特に制限はなく、可視光線でもよいし、紫外線でもよい。光触媒分散液に光照射を行うことにより、光励起によって生成した電子によって貴金属前駆体が還元されて貴金属となり、光触媒体に担持される。なお、貴金属前駆体を光触媒分散液に添加する場合に、たとえ光触媒分散液に光照射を行なわなくても、得られた光触媒分散液により形成された光触媒層に光が照射された時点で貴金属へ還元されるので、その光触媒能が損なわれることはない。光照射は、貴金属前駆体を光触媒分散液に添加後であれば、どの段階で行なってもよい。
また、貴金属前駆体を光触媒分散液に添加する場合には、より効率よく貴金属前駆体を貴金属に還元する目的で、光照射の前に、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜、メタノールやエタノールや蓚酸などを光触媒分散液に加えてもよい。
光触媒層用バインダ成分を光触媒分散液に含有させる場合は、光触媒層用バインダ成分の添加はどの段階で行なってもよく、これにより光触媒コーティング液を得ることができる。
[下地層]
本発明における下地層は、変性シリコーンや変成シリコーンポリマーを含む下地層形成用コート液を樹脂基材表面に塗布することにより得ることができる。変性シリコーンや変成シリコーンポリマーとは、シリコーンの骨格構造であるポリシロキサンの側鎖、末端に有機基を導入したものである。導入する有機基によって、アクリル変性シリコーン、アラルキル変成シリコーン、フェニル変成シリコーン、フェノール変成シリコーン、ポリエーテル変成シリコーン、カルビノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、モノアミン変性シリコーン、ジアミン変性シリコーン、ハイドロジェン変成シリコーンなどがあり、いずれも下地層形成用コート液として使える。
このような下地層形成用コート液として、例えば、ビストレイターNRC−350A(日本曹達(株)製)、ビストレイターNRC−300(日本曹達(株)製)、ビストレイターNRC−300A(日本曹達(株)製)、ビストレイターNDC−150AおよびビストレイターNDC−155A(日本曹達(株)製)、X-12−2224(信越化学工業(株)製)、X−12−2226(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明における樹脂基材に直接積層して形成される下地層は、層厚が50〜1000nm、好ましくは150〜700nmである。層厚が50nm未満である場合、樹脂基材から可塑剤などの有機物が光触媒層へ移行するのを十分には阻止できない為、光触媒性能が劣化する。一方、層厚が1000nmを越えると、層厚に見合うだけの十分な下地層の機能が得られず、製造コストの観点から好ましくない。
[樹脂基材]
本発明における樹脂基材に使用される樹脂としては、可塑剤と相溶性のあるものであれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)系樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体(AES)系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたは完全非晶性ポリエステル系樹脂等が挙げられ、中でも、汎用性が有り、可塑剤との相溶性、加工性、二次加工性および成形性の点からポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、重合度700〜1500が好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂単独重合体の他に共重合体も使用できる。また、ポリ塩化ビニル系樹脂には、可塑剤の他に必要に応じて、安定剤、改質剤、充填剤、着色剤等を配合することができる。
樹脂基材の成形は、公知の方法によって形成することができる。その例としては、カレンダー法、押出法、ゾル法、キャスト法等が挙げられる。
樹脂基材の厚さは50〜300μmが好ましく、さらに好ましくは70〜200μmである。厚さが50μm未満の場合、機械的強度が劣り、300μmを超えると、二次加工性および成形性に劣る結果となる。
[可塑剤]
本発明における可塑剤としては、分子量が700以上のものであり、例えば、フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、バシン酸エステル系、リン酸エステル系、トリメリット酸エステル系、ピロメリット酸エステル系、高分子ポリエステル系などが挙げられる。この中でも移行しにくい高分子ポリエステル系が最も好ましい。
高分子ポリエステル系可塑剤としては、例えば、二塩基酸とグリコールとを共重合させて得られたものなどが挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
本発明における可塑剤の分子量は700以上であり、より好ましくは800〜3000であり、特に好ましくは1800〜3000である。分子量を700以上とすることで可塑剤の移行を防止できる。分子量が大きくなりすぎると粘度が高くなり、加工性が低下するので好ましくない。
樹脂基材中の可塑剤の含有量は、要求される樹脂特性に応じて適宜決定すれば良いが、樹脂100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。
[光触媒構造体]
本発明の一実施形態に係る光触媒構造体は、樹脂基材に所定層厚の下地層を直接積層させ、さらに下地層に所定層厚の光触媒層を直接積層させることにより得られる。
光触媒構造体の形状は、特に限定されず、要求される機能、使用される用途に応じた形状で用いられる。例えば、フィルムやシートなどの板状、棒状、繊維状、球状、三次元構造体状などである。なお、光触媒層は、どの部分に形成されていてもよいが、例えば、光(可視光線など)が照射される面であって、かつ悪臭物質が発生する箇所や病原菌やウイルスが存在する箇所と連続または断続して空間的につながる面となるような形状であるのが好ましい。
下地層および光触媒層の形成方法としては、例えば、下地層であれば、下地形成用コーティング液を樹脂基材に、光触媒層であれば、光触媒分散液または光触媒コーティング液を下地層に、例えば、グラビアコーティング、リバースコーティング、刷毛ロールコーティング、スプレーコーティング、キスコーティング、ダイコーティング、ディッピング、バーコーティングなどの公知の方法で直接塗布する方法が挙げられる。
光触媒分散液、光触媒コーティング液または下地形成用コーティング液を乾燥する方法としては、特に限定されず、通常実施される方法を採用すればよい。
光触媒分散液、光触媒コーティング液または下地形成用コーティング液の分散媒の除去時の圧力や温度は、これらの分散媒により適宜調整すればよく、例えば、分散媒が水である場合は、常圧下、25℃〜140℃で分散媒の除去が可能である。
光触媒層の層厚は、200〜1000nmが好ましく、300〜800nmであるのがより好ましい。光触媒層の層厚が200nm未満である場合、光触媒構造体が十分な光触媒性能を発現せず、一方、光触媒層の層厚が1000nmを越える場合、層厚に見合うだけの十分な光触媒性能が得られず、製造コストの観点から好ましくない。
[光触媒機能製品]
本発明の光触媒機能製品は、上記のようにして得られた光触媒構造体を、例えば、天井材、タイル、ガラス、壁紙、壁材、床等の建築資材、自動車内装材(自動車インストルメントパネル、自動車用シート、自動車用天井材)、冷蔵庫やエアコン等の家電製品、タッチパネル、電車のつり革、エレベーターのボタン等、不特定多数の人が接触する基材表面などに利用したものである。
光触媒構造体は、屋外においては勿論のこと、蛍光灯やナトリウムランプ、および発光ダイオードのような可視光源からの光しか受けない屋内環境においても、光照射によって高い光触媒作用を示すことから、本発明の光触媒機能製品は、屋内照明による光照射によって、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機物、アルデヒド類、メルカプタン類、アンモニアなどの悪臭物質、窒素酸化物の濃度を低減させ、黄色ブドウ球菌、大腸菌、炭疽菌、結核菌、コレラ菌、ジフテリア菌、破傷風菌、ペスト菌、赤痢菌、ボツリヌス菌、およびレジオネラ菌等の病原菌等を死滅、分解、除去することができ、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することができる。また、本発明の光触媒機能製品は、可視光線を照射すれば、充分な親水性を発揮し、防曇性を発現するだけでなく、汚れに水をかけるだけで容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
[抗ウイルス性機能製品]
さらに、本発明の抗ウイルス性機能製品は、光触媒機能製品と同様に光触媒構造体を、例えば、天井材、タイル、ガラス、壁紙、壁材、床等の建築資材、自動車内装材(自動車インストルメントパネル、自動車用シート、自動車用天井材)、冷蔵庫やエアコン等の家電製品、タッチパネル、電車のつり革、エレベーターのボタン等、不特定多数の人が接触する基材表面などに利用したものである。
本発明の抗ウイルス性機能製品は、屋外においては勿論のこと、蛍光灯やナトリウムランプや発光ダイオードのような可視光源からの光しか受けない屋内環境においても、光照射によって高い抗ウイルス活性を示す。したがって、本発明の抗ウイルス性機能製品は、例えば、天井材、タイル、ガラス、壁紙、壁材、フィルム、床等の建築資材、自動車内装材(自動車インストルメントパネル、自動車用シート、自動車用天井材)、冷蔵庫、エアコン、パソコン、プリンター、コピー機、ファックス、電話、ストーブ等の家電製品、机、椅子、テーブル、箪笥、収納棚等の家具などに好適に利用される。
本発明の抗ウイルス性機能製品は、屋内照明による光照射によって、七面鳥ヘルペスウイルス、マレック病ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、鶏脳脊髄炎ウイルス、鶏貧血ウイルス、鶏痘ウイルス、鳥類レオウイルス、鳥類白血病ウイルス、細網内皮症ウイルス、鳥類アデノウイルス及び出血性腸炎ウイルス、ヘルペスウイルス、天然痘ウイルス、牛痘ウイルス、麻疹ウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、カリシウイルス、レトロウイルス、コロナウイルス、鳥インフルエンザウイルス、ヒトインフルエンザウイルス、豚インフルエンザウイルス、ノロウイルス、口蹄疫ウイルス及びその組換え体等を無害化することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各物性の測定および光触媒活性の評価については、以下の方法で行った。
(結晶型)
X線回折装置((株)リガク製の「RINT2000/PC」)を用いてX線回折スペクトルを測定し、そのスペクトルから結晶型を決定した。
(BET比表面積)
比表面積測定装置(湯浅アイオニクス(株)製の「モノソーブ」)を用いて窒素吸着法により測定した。
(平均分散粒子径)
サブミクロン粒度分布測定装置(コールター(株)製の「N4Plus」)を用いて粒度分布を測定し、この装置に付属のソフトにより自動的に単分散モード解析して得られた結果を、平均分散粒子径(nm)とした。
(光触媒活性の評価−アセトアルデヒド分解性能)
測定対象の光触媒構造体を5cm×10cmに切り出し、紫外線強度が2mW/cm2((株)トプコン製の紫外線強度計「UVR−2」に同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定)となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、これを光触媒活性測定用試料とした。
次に、この光触媒活性測定用試料をガスバッグ(内容積1L)の中に入れて密閉し、次いで、このガスバッグ内を真空にした後、酸素と窒素との体積比が1:4である混合ガス469mLを封入し、さらにその中に1容量%でアセトアルデヒドを含む窒素ガスを、ガスバック内のアセトアルデヒドの濃度が20ppmとなるように封入して、暗所で室温下で1時間保持した。
その後、市販の白色蛍光灯を光源とし、光触媒活性測定用試料近傍での照度が6000ルクス(コニカミノルタセンシング(株)製の照度計「T−10」で測定)になるようにガスバッグを設置し、アセトアルデヒドの分解反応を行った。光触媒活性測定用試料近傍の紫外光の強度は40μW/cm2((株)トプコン製の紫外線強度計「UVR−2」に、同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定)であった。
ガスバッグ内のガスを、蛍光灯で光照射を開始してから1.5時間毎にサンプリングして、アセトアルデヒドの濃度をガスクロマトグラフ((株)島津製作所製の「GC−14A」)にて測定し、蛍光灯での光照射開始時から3.0時間経過時までの照射時間に対するアセトアルデヒドの濃度から一次反応速度定数を算出し、これをアセトアルデヒドの分解能とした。一次反応速度定数が大きいほど、アセトアルデヒドの分解能は大きい。
さらに、蛍光灯で光照射を開始してから6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度をガスクロマトグラフ(同上)にて測定した。
(光触媒活性の評価−抗ウイルス性能)
抗ウイルス性能は、蛍光灯の可視光の照射によるインフルエンザウイルスのウイルス力価を測定することにより評価した。すなわち、光触媒構造体に紫外線強度が2mW/cm2((株)トプコン製の紫外線強度計「UVR−2」に同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定)となるようにブラックライトからの紫外線を16時間照射して、これを抗ウイルス性活性測定用試料とした。
次に、この抗ウイルス性活性測定用試料を用いて、日本工業規格JIS R1702:2006「ファインセラミックス―光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌試験方法・抗菌効果」の「10 フィルム密着法」に基づく方法で評価を行った。
(インフルエンザウイルス)
インフルエンザウイルスにはA/Northern pintail/Miyagi/1472/08(H1N1)を用いた。すなわち、光触媒層にウイルスを含む試験液を接種し、被覆フィルムをのせて密着させ、これを室温(25±5℃)、可視光照射下または遮光下で6時間保存し、試料検体1個当たりのウイルス力価を、MDCK細胞(Madin-Darby canine kidney cell,イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞株)を用いた、50%組織培養感染量の対数値(LogTCID50/ml)で求めた。ウイルスを含む試験液やMDCK細胞は、下記に示す維持培地(以下、MMという場合がある)、あるいは増殖培地(以下、GMという場合がある)で調製した。
ウイルス調製あるいは細胞培養用の培地は、Eagle's minimum essential medium(日水製薬(株)製)培地9.4g、Tryptose Phosphate Broth(TPB:Difco laboratories, Detroit, MI, USA)3.0gを蒸留水1,000mlに溶解し、高圧蒸気滅菌後、7%NaHCO3、200mM L−glutamin、ペニシリンおよびストレプトマイシンを、最終濃度がそれぞれ2%、1%、100units/ml、100μg/mlとなるように加え、MMとし、MMにウシ胎児血清(Fetal Calf Serum:以下FCS)を5%加えGMとした。MDCK細胞(1.0×105cells/ml)を96穴組織培養プレートに200μlずつ播種し、37℃、炭酸ガスふ卵器で培養した。
ウイルスを10日齢の発育鶏卵に尿膜腔内接種し、3日後に漿尿液を回収した。回収した感染漿尿液を25000rpmで90分間4℃で超遠心し、得られたペレットを初期の漿尿液の100分の1量の燐酸緩衝食塩水(PBS)に再浮遊した。このウイルスをPBSで100倍希釈し、抗ウイルス性活性測定用試料に100μl滴下し、フィルム密着法により、抗ウイルス活性を測定した。一定時間経過後、抗ウイルス性活性評価用試料とフィルムとをビニール袋に入れ、MMを1ml加えて、ウイルスを回収した。マイクロチューブに回収ウイルス液を移し、遠心分離機にて15000rpmで3分間処理し、その上清について、残存ウイルスの力価を測定した。
ウイルス力価の測定は、MMで10倍階段希釈したウイルス液を各希釈について4ウェルずつ96穴組織培養プレートに接種した。なお、接種前に、MDCK細胞を200μlのPBSで3回洗浄し、2μg/mlになるようトリプシンをMMに添加して、各ウェルに100μlずつ加え、そこに希釈ウイルス液を100μl接種した。
抗ウイルス性の評価は、3つの抗ウイルス性活性測定用試料を用いて同時に行い、これら3つのウイルス力価の対数値の平均値で評価を行った。可視光の照射は、市販の白色蛍光灯(20W,2本)を光源とし、アクリル樹脂板(日東樹脂工業(株)製の「N113」)を通して、被覆フィルムを載せた光触媒層の上から蛍光灯に含まれる可視光が照射されるようにして行った。このとき、塗膜近傍での照射が1000ルクス(コニカミノルタセンシング(株)製の照度計「T−10」で測定)となるようにした。可視光照射2時間または6時間後のインフルエンザウイルスのウイルス力価が小さいものほど、インフルエンザウイルスの抗ウイルス性、すなわち光触媒活性が高いと言える。なお、ウイルス力価の対数値の測定限界は1.5であった。
(製造例1)
(光触媒分散液)
分散媒としてイオン交換水4kgに、酸化タングステン粒子1kgを加えて混合して混合物を得た。この混合物を湿式媒体撹拌ミル(コトブキ技研工業(株)製の「ウルトラアペックスミル UAM−1」)を用いて分散処理して酸化タングステン粒子分散液を得た。
得られた酸化タングステン粒子分散液における酸化タングステン粒子の平均粒子径は118nmであった。また、この分散液の一部を真空乾燥して固形分を得たところ、得られた固形分のBET比表面積は40m2/gであった。なお、分散処理前の混合物についても同様に真空乾燥して固形分を得、分散処理前の混合物の固形分と分散処理後の固形分について、X線回折スペクトルをそれぞれ測定して比較したところ、同じピーク形状であり、分散処理による結晶型の変化は見られなかった。この時点で、得られた分散液を20℃で24時間保持したところ、保管中に固液分離は見られなかった。
この酸化タングステン粒子分散液にヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6)の水溶液をヘキサクロロ白金酸が白金原子換算で酸化タングステン粒子の使用量100質量部に対して0.12質量部になるように加え、原料分散液としてヘキサクロロ白金酸含有酸化タングステン粒子分散液を得た。この分散液100質量部中に含まれる固形分(酸化タングステン粒子の量)は、17.6質量部(固形分濃度17.6質量%)であった。この分散液のpHは2.0であった。
次いで、pH電極とこのpH電極に接続され、0.1質量%のアンモニア水を供給してpHを一定に調整する制御機構を有するpHコントローラ(pH=3に設定)とを備え、水中殺菌灯(三共電気(株)製の「GLD15MQ」)を設置したガラス管(内径37mm、高さ360mm)からなる光照射装置で、ヘキサクロロ白金酸含有酸化タングステン粒子分散液500gを毎分1Lの速度で循環させ、光照射(紫外線)を行いながら、pHコントローラーによりアンモニア水を加えてヘキサクロロ白金酸含有酸化タングステン粒子分散液のpHを3.0にした。この分散液に光照射を行った時間は1.5時間であった。
その後、引き続き循環させながら、更に50質量%のメタノール水溶液を15g加えて、この分散液に光(紫外線)を1.5時間照射した。光照射中、pHコントローラーによりアンモニア水が加えられ、この分散液のpHは3.0に維持された。光照射前および光照射中に消費したアンモニア水の合計量は71.6gであった。
得られた白金担持酸化タングステン粒子分散液を20℃で24時間保管したところ、保管後に固液分離は見られなかった。またこの分散液中の固形分濃度は15質量%であった。
得られた白金担持酸化タングステン粒子分散液に水を入れて固形分濃度を7.1質量%に希釈し、この液420gにエタノールを180g加えて光触媒分散液を得た。この光触媒分散液の固形分濃度は5質量%であった。
(製造例2)
(光触媒コーティング液)
高純度ケイ酸エチル1.7g(多摩化学工業(株)製)とエタノール6.0gを混合し、次に水9.8gを添加して混合して攪拌した。次にコロイダルシリカ(ST-OS,日産化学工業(株)製)2.5gを混合、攪拌して光触媒用バインダ成分を得た。
次に、このバインダ成分20gと製造例1で得られた光触媒分散液80gを混合して光触媒コーティング液を得た。
(製造例3)
(光触媒コーティング液)
蓚酸二水和物0.252gと水3.75gを混合して攪拌した。得られた蓚酸水溶液3gを水18.1gとエタノール12gと混合し、さらに高純度ケイ酸エチル6.9g(多摩化学工業(株)製)6.9gを混合、攪拌して光触媒用バインダ成分を得た。
次に、このバインダ成分10gと製造例1で得られた光触媒分散液90gを混合、攪拌して光触媒コーティング液を得た。
(実施例1)
樹脂基材としてポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製の「PN−1430」、分子量:1800)を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(重合度:1050、厚み:100μm)を用いた。なお、ポリエステル系可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム100質量部に対して21質量部であった。
このフィルムの表面にコロナ処理を施した後、下地形成用コーティング液(日本曹達(株)製の商品名「NRC−350A」)をバーコーター(3番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、フィルムの表面上に下地層を形成した。この下地層の層厚は680nmであった。
次に、得られた下地層の表面にコロナ処理を施した後、製造例2で得られた光触媒コーティング液をバーコーター(14番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、下地層の上に光触媒層を形成して光触媒構造体を得た。この光触媒構造体の光触媒層の層厚は260nmであった。
この光触媒構造体の光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.76h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0.2ppmであった。次に、この光触媒構造体を暗所大気下で1週間放置したのち、反応前のブラックライトを用いた紫外線照射を行わずに光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.75h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0.0ppmであった。
(比較例1)
可塑剤としてフタル酸ジオクチル(分子量:390)を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(重合度:1050、厚み:100μm)を樹脂基材に用いた以外は、実施例1と同様にして光触媒構造体を得た。
この光触媒構造体の光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.12h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は13.4ppmであった。次に、この光触媒構造体暗所大気下で1週間放置したのち、反応前のブラックライトを用いた紫外線照射を行わずに光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.01h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は18.6ppmであった。
実施例1で得られた光触媒構造体は、暗所で1週間保管しても高い光触媒活性を示し、更に光照射6時間でほぼ完全にアセトアルデヒドを分解できた。一方、比較例1で得られた光触媒構造体は、可塑剤の光触媒層への移行を十分には阻止できておらず、暗所で1週間保管すると光触媒活性は大きく低下した。
(実施例2)
樹脂基材としてポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製の「PN−1430」、分子量:1800)を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(重合度:1050、厚み:100μm)を用いた。なお、ポリエステル系可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム100質量部に対して21質量部であった。
このフィルムの表面にコロナ処理を施した後、下地形成用コーティング液(日本曹達(株)製の「NRC−350A」)をバーコーター(3番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、フィルムの上に下地層を形成した。この下地層の層厚は680nmであった。
次に、得られた下地層の表面にコロナ処理を施した後、製造例3で得られた光触媒コーティング液をバーコーター(32番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、下地層の上に光触媒層を形成して光触媒構造体を得た。この光触媒構造体の光触媒層の層厚は800nmであった。
この光触媒構造体の光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は1.86h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0ppmであった。次に、この光触媒構造体暗所大気下で1週間放置したのち、反応前のブラックライトを用いた紫外線照射を行わずに光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は1.87h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0.1ppmであった。
また、製造例3で得られた光触媒コーティング液から得られる光触媒層について抗ウイルス性の評価を行ったところ、光照射時間が0時間のときに4.6であったインフルエンザウイルスに対するウイルス力価が、光照射2時間で1.5未満(検出限界未満)となった。
(実施例3)
実施例2で、光触媒コーティング液をバーコーター(24番)で塗布した以外は実施例1と同様の方法で光触媒構造体を得た。この光触媒構造体の光触媒層の層厚は350nmであった。
この光触媒構造体の光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.79h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0.1ppmであった。次に、この光触媒構造体暗所大気下で1週間放置したのち、反応前のブラックライトを用いた紫外線照射を行わずに光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.70h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は0.1ppmであった。
また、製造例3で得られた光触媒コーティング液から得られる光触媒層について抗ウイルス性の評価を行ったところ、光照射時間が0時間のときに4.6であったインフルエンザウイルスに対するウイルス力価が、光照射2時間で1.5未満(検出限界未満)となった。
(比較例2)
樹脂基材としてポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製の「PN−1430」、分子量:1800)を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(重合度:1050、厚み:100μm)を用いた。なお、ポリエステル系可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム100質量部に対して21質量部であった。
このフィルムの表面にコロナ処理を施した後、フィルムの表面に製造例3で得られた光触媒コーティング液をバーコーター(32番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、フィルムの表面上に光触媒層を形成して光触媒構造体を得た。この光触媒構造体の光触媒層の層厚は800nmであった。
この光触媒構造体の光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.58h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は2.8ppmであった。次に、この光触媒構造体暗所大気下で1週間放置したのち、反応前のブラックライトを用いた紫外線照射を行わずに光触媒性能を評価したところ、一次反応速度定数は0.54h-1で、光照射6時間後のアセトアルデヒドの残留濃度は2.4ppmであった。
(比較例3)
樹脂基材としてポリエステル系可塑剤((株)ADEKA製の「PN−1430」、分子量:1800)を含有するポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(重合度:1050、厚み:100μm)を用いた。なお、ポリエステル系可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム100質量部に対して21質量部であった。
このフィルムの表面にコロナ処理を施した後、下地形成用コーティング液(日本曹達(株)製の「NRC−350A」)をバーコーター(3番)で塗布し、40℃で10分間乾燥して、フィルムの上に下地層を形成した。この下地層の層厚は680nmであった。
この下地層が形成されたフィルムを用いて抗ウイルス性の評価を行ったところ、光照射時間が0時間のときに4.6であったインフルエンザウイルスに対するウイルス力価が、光照射2時間で4.7となった。
実施例2,3および比較例2を比較すると、樹脂基材に含有される可塑剤の分子量が700以上であっても、下地層を形成しない場合は光触媒活性が低くなることが示された。また、実施例2,3および比較例3を比較すると、下地層を形成しても光触媒層を形成しない場合は触媒活性を発現しないことが示された。
(参考例1)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、天井を構成する天井材の表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、天井材の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例2)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、屋内の壁面に施工されたタイルの表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、タイルの表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例3)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、窓ガラスの屋内側の表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、窓ガラスの屋内側の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例4)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、壁紙の表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、壁紙の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例5)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、屋内の床面の表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、屋内の床面の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例6)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、自動車用インストルメントパネル、自動車用シート、自動車の天井材などの自動車内装材の表面に用いることにより、車内照明による光照射により車内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、自動車内装材の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例7)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、エアコンの表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、エアコンの表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例8)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、冷蔵庫の庫内の表面に用いることにより、屋内照明や冷蔵庫内の光源による光照射により冷蔵庫内における揮発性有機物(例えば、エチレン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、冷蔵庫の庫内の表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。
(参考例9)
実施例1〜3のいずれかで得られた光触媒構造体を、タッチパネル、電車のつり革、エレベーターのボタン等、不特定多数の人が接触する基材表面に用いることにより、屋内照明による光照射により屋内空間における揮発性有機物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、トルエン等)や悪臭物質の濃度を低減することができ、さらには、黄色ブドウ球菌や大腸菌等の病原菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスを死滅させることもでき、また、ダニアレルゲンやスギ花粉アレルゲン等のアレルゲンを無害化することもできる。さらに、不特定多数の人が接触する基材表面が親水化し、汚れを容易に拭き取ることができるようになり、さらに帯電をも防止できる。

Claims (9)

  1. 樹脂基材と、下地層と、光触媒層とを含む光触媒構造体であって、
    分子量700以上の可塑剤を含有する樹脂基材の表面に下地層が直接積層され、この下地層の表面に光触媒層が直接積層されてなる光触媒構造体。
  2. 樹脂基材中の可塑剤の含有量が、樹脂100質量部に対して1〜100質量部である請求項1に記載の光触媒構造体。
  3. 樹脂基材の樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である請求項1または2に記載の光触媒構造体。
  4. 前記光触媒層が光触媒体から構成される請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒構造体。
  5. 前記光触媒体が酸化チタン粒子および酸化タングステン粒子から選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の光触媒構造体。
  6. 前記光触媒体に、貴金属が担持されている請求項4または5に記載の光触媒構造体。
  7. 前記貴金属がCu、Pt、Au、Pd、Ag、Ru、Ir及びRhから選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の光触媒構造体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光触媒構造体を用いた光触媒機能製品。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の光触媒構造体を用いた抗ウイルス性機能製品。
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