JP2013165140A - 電子部品ユニットの封止構造及び製造方法 - Google Patents

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Junko Itai
順子 板井
Kotaro Yoshida
浩太郎 吉田
Shinzo Urushiya
真三 漆谷
Susumu Akutsu
進 阿久津
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Abstract

【課題】ポッティング材の使用量を減らして軽量化できる電子部品ユニットの封止構造及び製造方法を提供する。
【解決手段】マスター基板23及びスレーブ基板25は、ケース31内に上下に間隔を空けて配置され、マスター基板23の外縁部とケース31との間がシールされ、基板23で仕切られたケース31内の上下の空間RA,RBにポッティング材を各々注入する開口孔33K,35Kが設けられ、各開口孔33K,35Kから注入されたポッティング材で基板23,25を封止する封止層LA,LBを形成するとともに、この封止層LA,LBとケース31の上下面との間を、ポッティング材が充填されない空間MA,MBとした。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットの封止構造及び製造方法に関する。
電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットにおいては、ケース内にポッティング材を充填し、絶縁対策や防水対策等を図ることが行われている。この種の封止構造には、ケースの内部に基板をネジで仮組実装した後、ポッティング材をケースの底面と基板との間の空洞部分に1次注入し、次にネジを取り外した後、ポッティング材を基板とケースの開口面との間の空洞部分に2次注入するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、上記のようにネジを取り外すことで、ポッティング剤で封止される基板に対し、ポッティング剤の熱膨張及び熱収縮の影響による熱ストレスを緩和することができる。
特許第3813950号公報
しかし、従来の構成は、ケース内の全体にポッティング材を充填するので、ポッティング材の使用量が多く、重くなってしまうデメリットがあり、特に軽量化が要求される自動二輪車等の小型車両には採用し難い。また、従来の構成では、ポッティング剤による熱ストレスを緩和するためにネジを取り外す作業を行うため、作業工程が増えてしまい、コストアップの要因となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ポッティング材の使用量を減らして軽量化できる電子部品ユニットの封止構造及び製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットの封止構造において、前記基板は、前記ケースとの間がシールされて前記ケース内を上下に仕切る仕切り基板を備え、この仕切り基板で仕切られた前記ケース内の上下の空間にポッティング材を各々注入する注入口が設けられ、各注入口から注入されたポッティング材で前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース上下面との間を、ポッティング材が充填されない空間としたことを特徴とする。この構成によれば、ケース全体にポッティング材を充填する構成に比して、ポッティングによる電気的絶縁、防振、固定、保護等の各種効果を十分に得ながら、ポッティング材の使用量を低減して軽量化することができる。
上記構成において、前記基板は、前記ケース内に上下に間隔を空けて配置され、最も上の前記基板は、電子部品の実装面を前記ケース内の上の空間に向けて配置され、最も下の前記基板は、電子部品の実装面を前記ケース内の下の空間に向けて配置されるようにしても良い。この構成によれば、各基板の実装面を確実に封止し、電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿等を効率よく行いつつ、軽量化が可能である。また、各基板をケースに取り付けるネジ(締結部材)を取り外す作業を行わなくても、ポッティング材の熱膨張や熱収縮によって基板に作用する熱ストレスを緩和できる。
また、上記構成において、前記仕切り基板の外縁部と前記ケースとの間をシールするシール部材は、前記ケースの内周に沿って無端状に延在するようにしても良い。この構成によれば、仕切り基板とケースとの間を確実にシールすることができる。
また、本発明は、電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットの製造方法において、前記基板として、前記ケースとの間がシールされて前記ケース内を上下に仕切る仕切り基板を配置し、この基板で仕切られた前記ケース内の上下の空間に設けられた各注入口のうち、上方に位置する注入口からポッティング材を注入して前記ケース内の前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース上面との間を、ポッティング材が充填されない空間にする第1注型・硬化工程と、前記ポッティング材の硬化後に、当該電子部品ユニットの上下を反転し、上方に位置する注入口からポッティング材を注入して前記ケース内の前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース下面との間を、ポッティング材が充填されない空間にする第2注型・硬化工程とことを特徴とする。
この構成によれば、ケース全体にポッティング材を充填する構成に比して、ポッティングによる電気的絶縁、防振、固定、保護等の各種効果を十分に得ながら、ポッティング材の使用量を低減して軽量化することができる。
本発明では、ポッティングによる電気的絶縁、防振、固定、保護等の各種効果を十分に得ながら、ポッティング材の使用量を低減して軽量化することができる。
本発明の実施形態に係るパワードライブユニットを斜め上方から見た斜視図である。 パワードライブユニットを斜め下方から見た斜視図である。 (A)は、ケースに収容される基板の斜視図であり、(B)は側面図である。 基板をケースに組んだ状態を示す側断面図である。 パワードライブユニットの製造方法を説明する図である。 変形例の説明に供する図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るパワードライブユニット(Power Drive Unit:PDU)10を斜め上方から見た斜視図であり、図2は斜め下方から見た斜視図である。
パワードライブユニット10は、電気自動車或いはハイブリッド自動車等の車両に搭載された直流電源の直流電流を交流電流に変換し、当該車両の駆動源として機能する車両駆動用モータ(三相誘導モータ)に供給して駆動する車載の電子部品ユニットであり、電子部品11を配置した基板21と、基板21を収容するケース31とを備えている。なお、本実施形態のパワードライブユニット10は、車両に搭載された二次電池を充電する充電機能も備えている。
ケース31は、上下分割可能なケースであり、内部へのゴミや塵の進入を防止する箱形の密閉ケースとして機能する。このケース31は、上方に向かって開口する箱形の下ケース33と、下方に向かって開口する箱形の上ケース35とを互いに向かい合わせ、各ケース33,35の開口縁から外側に張り出すフランジ部33F,35Fの4隅等をボルト等の締結部材51で互いに連結することによって一体に連結される。
下ケース33は、耐熱性及び絶縁性を有する樹脂材で形成され、底板部33A(図2参照)と、底板部33Aの周囲から矩形枠状に立設する側壁部33Bと、側壁部33Bの上端部から外側に張り出すフランジ部33Fとを一体に備えている。
上ケース35も、耐熱性及び絶縁性を有する樹脂材で形成され、天板部35Aと、天板部35Aの周囲から矩形枠状に立ち下がる側壁部35Bと、側壁部35Bの下端部から外側に張り出すフランジ部35Fとを一体に備えている。この上ケース35には、配線接続用の接続端子12が並ぶ凹部35Gが設けられており、この凹部35Gの底面には、上ケース35の下方から接続端子12を通すための開口部35Hが設けられている。なお、各ケース33、35を樹脂以外の材料、例えば、金属材料で形成しても良い。
接続端子12は、ケース31内の基板21に設けられており、この接続端子12を介してケース31内の基板21が、車両が具備する制御装置や車両駆動用モータといった外部機器と配線接続される。なお、図1中、符号13は、接続端子12に接続される配線と異なる配線が通るゴム製の配線通し部であり、ケース31内の基板21は、複数本の配線を介して外部機器と接続されるようになっている。
また、上ケース35の天板部35Aには、ケース31内にポッティング材を注入する注入口となる開口孔35Kが形成され、この開口孔35Kは、通常時(車両への設置時)には、ゴム製の栓部材36で閉塞されるようになっている。また、下ケース33の底板部33Aにも、図2に示すように、ケース31内にポッティング材を注入する注入口となる開口孔33Kが形成され、この開口孔33Kについても、通常時(車両への設置時)には、ゴム製の栓部材37で閉塞されるようになっている。
図3(A)は、ケース31に収容される基板21の斜視図であり、図3(B)は側面図である。
基板21は、ケース31内に上下に間隔を空けて配置されるマスター基板23と、スレーブ基板25とで構成される。これら基板23,25は、電子部品11が実装される部品実装面とは反対側の面(非実装面)を向かい合わせ、その間に複数のスペーサ41を介挿して上下に隙間を空けた状態でボルト等の締結部材53によって一体に連結される。スペーサ41を介してスペースを空けることによって、車体振動が大きい自動二輪車等に搭載しても、各基板23,25を離した状態に保持することができる。
また、マスター基板23とスレーブ基板25とを積層するため、電子部品11の実装面積を広く確保できるとともに、同面積の一枚の基板を用いる場合に比して小型化でき、これにより、部品スペースが制約される自動二輪車等に適した構成となっている。
マスター基板23は、スレーブ基板25の下方に位置してスレーブ基板25よりも大型に形成された基板である。このマスター基板23は、プリント配線板で形成された基板本体24の下面(実装面)に複数の電子部品11を実装して形成される。電子部品11としては、トランス13、不図示のコイル、トランジスタ、ダイオード等が配置されている。これらの電子部品11によって、マスター基板23は、車両に搭載された二次電池を充電する充電回路を形成している。
スレーブ基板25は、プリント配線板で形成された基板本体26の上面(実装面)に電子部品11を実装して形成され、電子部品11としては、パワー素子15、コンデンサ16、不図示のダイオード等が配置されている。パワー素子15には、絶縁ゲート型トランジスタ(IGBT)等のスイッチングトランジスタ(スイッチング素子)が用いられ、これらの電子部品11によって、スレーブ基板25は、直流電流を交流電流に変換し、車両駆動用モータを駆動する駆動回路を形成している。
図3(A)(B)に示すように、マスター基板23は、スレーブ基板25よりも長辺が長く、短辺が略同じ長さに形成されている。なお、図3中、マスター基板23の長辺を符号23X,スレーブ基板25の長辺を符号25Xを付して示し、マスター基板23の短辺を符号23Y,スレーブ基板25の短辺を符号25Yを付して示している。
これら基板23,25は、一方の短辺23Y,25Y及び両長辺23X,25Xを上面視で重なるように揃えて連結され、マスター基板23の他方の短辺23Yがスレーブ基板25よりも外側(図3(B)中、右斜め下方)に張り出す。そして、この張り出した部分に、上方に突出するように接続端子12が設けられている。
図4は、マスター基板23及びスレーブ基板25からなる基板21をケース31に組んだ状態を示している。
下ケース33内には、マスター基板23を下方から支持する支持部(不図示)が設けられ、この支持部によって、マスター基板23は、下ケース33の底板部33Aと略平行の姿勢で、底板部33Aとの間に上下に間隔を空けて下ケース33内に支持される。また、マスター基板23の外縁部とケース31との間には、絶縁性を有する環状のシーリングゴム43が介挿される。
同図4に示すように、このシーリングゴム43は、下ケース33と上ケース35との上下合わせ部分である合わせ部45近傍の内側に沿って無端状に延在している。すなわち、このシーリングゴム43は、マスター基板23とケース31との間を絶縁する絶縁シール部材であって、マスター基板23の外縁部とケース31内周面との間の隙間を埋めるシール部材として機能している。
この構成により、マスター基板23及びシーリングゴム43によって、ケース31の内部空間が上下に仕切られる。また、スレーブ基板25は、上ケース35内に位置し、上ケース35内の下方開口部を略覆うように配置される。
ここで、マスター基板23には、基板の設計上、一又は複数のスルーホール(不図示)が空いており、これらスルーホールを通じてマスター基板23を空気が流通可能である。また、このシーリングゴム43の装着方法は、基板21の装着前に、ケース31に予め取り付けておき、このシーリングゴム43の内側にマスター基板23を装着する方法、若しくは、シーリングゴム43をマスター基板23に予め取り付けておき、基板21と一体的にケース31に装着する方法等を適用すれば良い。また、このシーリングゴム43は、ゴム製に限らず、公知のシール材料を広く適用可能である。
上記したように、このケース31には、ポッティング材(注型封止材とも言う)を注入する注入口となる上下一対の開口孔35K、33Kが設けられている。ポッティング材は、液体又はゲル状のシリコン系の熱硬化性樹脂が用いられ、ケース31内に注入され、硬化することによって、電子部品11等を封止し、電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿を行う。ポッティング材は、シリコン系に限らず、ウレタン系、エポキシ系等の他の材料を適用することが可能である。
次にこのパワードライブユニット10を組み立て、ポッティング材で封止して製造する製造方法を説明する。図5は、この場合の各工程を時系列に示す図である。
まず、マスター基板23とスレーブ基板25とからなる基板21を組み立て、下ケース33にシーリングゴム43を介して基板21を取り付け、その後、上ケース35を下ケース33に取り付ける(ステップS1;組立工程)。この場合、基板21とケース31、及び、上下のケース35,33は、互いにボルト等の締結部材を用いて連結される。
次いで、マスター基板23をスレーブ基板25よりも上にした状態、つまり、下ケース33を上方、上ケース35を下方にした状態(設置時と上下反対の姿勢)で、下ケース33の開口孔33Kからポッティング材を注入する(ステップS2;第1の注型・硬化工程)。この場合、ケース31内はマスター基板23及びシーリングゴム43によって上下に仕切られているため、ポッティング材は、マスター基板23と下ケース33との間の空間RAに充填され、その状態で硬化される。
このとき、ポッティング材は、ケース31下面(底板部33A)との間に所定の隙間を空ける高さH1(図5参照)まで注入され、その状態で硬化される。このため、マスター基板23の実装面から高さH1の空間が、ポッティング材が充填された第1封止層LAとなり、この第1封止層LAとケース31下面(底板部33A)との間が、ポッティング材が充填されない空間MAとなる。この第1封止層LAは、少なくとも電子部品11の足部(マスター基板23との接続部)が浸かる位置まで形成されており、ポッティング材が充填されない空間MAを形成しても、電子部品11の電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿等のポッティングの効果を得ることができる。
ここで、マスター基板23には、スルーホールが空いているため、このスルーホールを通じてポッティング材がマスター基板23の裏面(非実装面)へも流れることになる。
本構成では、マスター基板23の裏面(非実装面)へのポッティング供給をできるだけ避けるべく、スルーホール径を小径(直径0.5mm以下)にするとともに、樹脂の粘度を調整している。このため、ステップS2の工程では、マスター基板23の裏面(非実装面)の空間RCには、ポッティング材が殆ど入らず、マスター基板23と下ケース33との間の空間RAへ集中してポッティング材を注入することができる。なお、スルーホール径や樹脂の粘度の調整により、マスター基板23の裏面(非実装面)を薄く覆う程度にポッティング材を供給するようにしても良い。
続いて、ポッティング材を硬化させた後に、ケース31の上下を反転してスレーブ基板25をマスター基板23よりも上にした状態(上ケース35を上方、下ケース33を下方にした状態)にし、上ケース35の開口孔35Kからポッティング材を注入する(ステップS3;第2の注型・硬化工程)。
この場合、ポッティング材は、スレーブ基板25とケース31との間の隙間を通って、マスター基板23の非実装面上に溜まっていき、マスター基板23の裏面(非実装面)の空間RCに充填された後に、ケース31上面(天板部35A)との間に所定の隙間を開ける高さH2まで注入され、その状態で硬化される。のため、スレーブ基板25から高さH2(図5参照)までの空間が、ポッティング材が充填された第2封止層LBとなり、この第2封止層LBとケース31上面(天板部35A)との間が、ポッティング材が充填されない空間MBとなる。この第2封止層LBは、少なくとも電子部品11の足部(マスター基板23との接続部)が浸かる位置まで形成されており、ポッティング材が充填されない空間MBを形成しても、電子部品11の電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿等のポッティングの効果を得ることができる。
空間RB内のポッティング材を硬化させた後、ケース31の開口孔33K,35Kが栓部材36,37で閉じられる(ステップS4;栓取り付け工程)。これらの工程によって、パワードライブユニット10が製造される。なお、上記のステップS3の工程前に、開口孔33Kを栓部材37で閉じても、ステップS3の工程に支障がない場合には、この工程前に開口孔33Kを栓部材37で閉じるようにしても良い。
以上説明したように、本実施のパワードライブユニット10では、マスター基板23及びスレーブ基板25は、ケース31内に上下に間隔を空けて配置され、マスター基板23がケース31との間がシールされてケース31内を上下に仕切る仕切り基板として機能し、このマスター基板23で仕切られたケース31内の上下の空間RA,RBにポッティング材を各々注入する注入口となる開口孔33K,35Kが設けられ、各開口孔33K,35Kから注入されたポッティング材で各基板23,25を封止する封止層LA,LBを形成するとともに、各封止層LA,LBとケース31上下面との間を、ポッティング材が充填されない空間LA,LBとするので、ケース31全体にポッティング材を充填する構成に比して、ポッティングによる電気的絶縁、防振、固定、保護等の各種効果を十分に得ながら、ポッティング材の使用量を低減して軽量化することができる。
ところで、従来の構成では、ポッティング材の熱膨張や熱収縮によって基板に作用する熱ストレス(熱応力)を緩和するため、基板のネジ固定部からネジを取り外しており、発明者らが検討したところ、この熱ストレスは、基板とケース上下面間が深いことが支配的であった。
本構成では、上記したように、基板21を、上下に間隔を空けたマスター基板23及びスレーブ基板25とし、ケース31内の上下の空間RA,RBにポッティング材を各々注入して封止層を形成しているので、図5のステップS5に示すポッティング工程(第2の注型・硬化工程)の場合でも、スレーブ基板25と、ポッティング剤が溜まる底面(スレーブ基板25表面)との間の距離X(図5参照)が小さく、各基板23,25をケース31に取り付けるネジ(締結部材)を取り外さなくても、基板に伝わる熱ストレスを十分に低減することができる。すなわち、本構成では、ネジを取り外す作業を行わなくても熱ストレスを十分に緩和できる。このように本構成では、ポッティング材の使用量を減らし、且つ、ネジを取り外す作業工程も不要にできるので、コストダウンに有利である。
また、最も上に配置されるスレーブ基板25は、電子部品11の実装面をケース31内の上の空間RBに向けて配置され、最も下に配置されるマスター基板23は、電子部品11の実装面をケース31内の下の空間RAに向けて配置されるので、各基板25,23の実装面を確実に封止し、電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿等を効率よく行いつつ、軽量化が可能である。
さらに、マスター基板23の外縁部とケース31との間をシールするシーリングゴム43は、ケース31の内周に沿って無端状に延在するので、マスター基板23のケース31との間を確実にシールすることができる。
また、本実施形態では、シーリングゴム43をケース31の合わせ部45の隙間を覆うように無端状に延在させており、これにより、ケース31の合わせ部45からケース31内への水等の浸入をより確実に防止することが可能である。なお、シーリングゴム43をケース31の合わせ部45以外の位置に配置しても良い。
また、本構成のケース31は、上方が開口する箱形の下ケース33と、下方が開口する箱形の上ケース35とを連結した閉構造であるため、一面が開口する開口構造を用いる場合に比して剛性が高く、車体取付時や車体振動等でケース31が歪んで内部部品に応力が作用してしまう事態を避けることができる。
このようにして本実施形態では、軽量で、電気的絶縁、防振、固定、保護、防水・防湿等の各種効果を有するパワードライブユニット10を得ることができるので、軽量化が要求され、且つ、部品が外観に露出し易い自動二輪車等の小型車両に好適なパワードライブユニットを得ることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、上述の実施形態では、マスター基板23の外縁部とケース31との間をシーリングゴム43でシールする場合を説明したが、更に、スレーブ基板25の外縁部とケース31との間をシーリングゴム等のシール部材を用いてシールするようにしても良い。
また、上述の実施形態では、二枚の基板23,25をケース31内に上下配置する場合を説明したが、これに限らず、三枚以上の基板21を上下に間隔を空けて配置しても良い。この場合も、最も上に配置される基板21は、電子部品11の実装面をケース31内の上の空間RBに向けて配置され、最も下に配置される基板21は、電子部品11の実装面をケース31内の下の空間RAに向けて配置されるようにすることが好ましい。
また、図6に示すように、ケース31内の基板21を一枚とし、この基板21でケース31との間をシールし(組立工程)、ケース31の上下の注入口33K,35Kのうち、上方に位置する注入口33Kからポッティング材を注入してケース31内の基板21の一方の面を封止する封止層LAを形成するとともに、この封止層LAとケース31上面(図6では底板部33A)との間を、ポッティング材が充填されない空間MAにし(第1注型・硬化工程)、ポッティング材の硬化後に、ケース31の上下を反転し、上方に位置する注入口35Kからポッティング材を注入してケース31内の基板21の他方の面を封止する封止層LBを形成するとともに、この封止層LBとケース31下面(図6では天板部35A)との間を、ポッティング材が充填されない空間MBにする(第2注型・硬化工程)ようにしても良い。また、ケース31は閉構造のケースに限らず、片側はリブ等による変形抑制構造を設けて、ケース31自体の変形を防止するようにしても良い。
さらに、上述の実施形態では、パワードライブユニット10に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らず、電子部品を配置した複数の基板をケース内に収容する電子部品ユニットに本発明を広く適用することが可能である。
10 パワードライブユニット(電子部品ユニット)
11 電子部品
21 基板
23 マスター基板(仕切り基板)
25 スレーブ基板
31 ケース
33 下ケース
33A 底板部
33K,35K 開口孔(注入口)
35 上ケース
35A 天板部
36,37 栓部材
43 シーリングゴム(シール部材)
45 合わせ部
LA 第1封止層
LB 第2封止層

Claims (4)

  1. 電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットの封止構造において、
    前記基板は、前記ケースとの間がシールされて前記ケース内を上下に仕切る仕切り基板を備え、この仕切り基板で仕切られた前記ケース内の上下の空間にポッティング材を各々注入する注入口が設けられ、各注入口から注入されたポッティング材で前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース上下面との間を、ポッティング材が充填されない空間としたことを特徴とする電子部品ユニットの封止構造。
  2. 前記基板は、前記ケース内に上下に間隔を空けて配置され、最も上の前記基板は、電子部品の実装面を前記ケース内の上の空間に向けて配置され、最も下の前記基板は、電子部品の実装面を前記ケース内の下の空間に向けて配置されることを特徴とする請求項1に記載の電子部品ユニットの封止構造。
  3. 前記仕切り基板の外縁部と前記ケースとの間をシールするシール部材は、前記ケースの内周に沿って無端状に延在することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品ユニットの封止構造。
  4. 電子部品を配置した基板をケース内に収容する電子部品ユニットの製造方法において、
    前記基板として、前記ケースとの間がシールされて前記ケース内を上下に仕切る仕切り基板を配置し、この基板で仕切られた前記ケース内の上下の空間に設けられた各注入口のうち、上方に位置する注入口からポッティング材を注入して前記ケース内の前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース上面との間を、ポッティング材が充填されない空間にする第1注型・硬化工程と、
    前記ポッティング材の硬化後に、当該電子部品ユニットの上下を反転し、上方に位置する注入口からポッティング材を注入して前記ケース内の前記基板を封止する封止層を形成するとともに、この封止層と前記ケース下面との間を、ポッティング材が充填されない空間にする第2注型・硬化工程と、
    を実行することを特徴とする電子部品ユニットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59146954U (ja) * 1983-03-22 1984-10-01 三洋電機株式会社 混成集積回路の封止構造
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