JP2013164302A - 喘息の検査方法、検査装置およびプログラム - Google Patents

喘息の検査方法、検査装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】喘息への罹患の有無、及びその重症度を判断するための検査方法、並びに検査に使用される検査装置を提供する。
【解決手段】被験者から採取された各白血球の走化性因子に対する遊走速度の平均値についての分布を取り、当該分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値から、喘息の有無、及び重症度を判断する喘息の検査方法。所定のパーセント点は、サンプルデータとして、予め複数の喘息患者及び健常者のグループから採取した白血球の走化性因子に対する遊走動態を測定しておくことで得られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、喘息の検査方法、検査装置およびプログラムに関する。
喘息(Asthma)は、気道(気管支)過敏性の炎症が慢性化することで粘液の過剰分泌や気道狭窄が引き起こされる呼吸器疾患である。喘息患者にはその特徴として、発作性の喘鳴、息切れ、咳、および呼吸困難等の症状が現れる。また、その患者数は世界で一億人以上にものぼると言われる。
ところが、喘息は要因や症状が複合的に絡み合うことが多く、その診断は難しいことが知られている。そのため、国際指針のGINA(Global Initiative for Asthma)を始めとして、各国においても診断や治療のためのガイドラインが提案されている。
しかしながらこのようなガイドラインは、あくまでも症状等に頼った診断基準を提供するものであり、これを用いたからといって必ずしも確定的な診断を下せるわけではない。例えばGINAでは、発作頻度等の自覚症状による定性的な基準や、気管支拡張薬投与後の測定値(気道過敏性および気道可逆性試験)等の定量的な基準に沿って、喘息への罹患の有無や程度(重症度)を判断するものである。このような診断基準を用いる場合、典型的な症状が現れていない患者に対しては診断をくだし難い。そのため、患者が早期に適切な診断や治療を受けられない恐れがある。また、喘息は重症度によって治療方針が異なるため、曖昧な分類を用いれば患者の負担やリスクが大きくなる。しかしながら喘息は未だ決定的な診断基準の確立には至っておらず、実際の診断および重症度の判断はこのようなガイドラインに頼っているのが現状である。
そこで近年、遺伝子レベルのアプローチによる診断方法が開発されてきている。例えば、引用文献1には、気道上皮細胞の杯細胞(goblet cell)への分化・増殖に関連する指標遺伝子の発現レベルを測定する方法が開示されている。
特開2004−121218号公報
ところで、気管支喘息に似た症状を呈する病気として、慢性閉塞性肺疾患(COPD;chronic obstructive pulmonary disease)がある。そもそもCOPDは、慢性気管支炎、肺気腫または両者の併発により引き起こされる気流閉塞と定義されており、気管支喘息とCOPDは単に気道閉塞が非可逆性であるか否かで分類される。ところが、両者の合併によりしばしば患者の病像が複雑化するためにその判断は困難を極め、上記のような方法でも、気管支喘息とCOPDを明確に分けることはできない。
このように、喘息への罹患の有無、及びその重症度を判断するための明確な指針となる優れた検査方法の開発が望まれている。
そこで、本発明は、喘息への罹患の有無、及びその重症度を判断する検査方法を提供すること目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特に喘息患者に特徴的な白血球の遊走動態を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本願に係る喘息の検査方法は、喘息診断の指標を得るための喘息の検査方法であって、被験者から採取された各白血球の走化性因子に対する遊走速度の平均値を測定する工程、前記遊走速度の平均値についての分布を取る工程、前記分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値を検出する工程を含む。
喘息への罹患の有無、及びその重症度を判断する検査方法を提供できる。
検査システム1の概略構成図である。 シリコンウエハ112の斜視図である。 細胞情報テーブル2220の概略説明図である。 基準情報2230の概略説明図である。 検査装置20の制御部21の処理の流れを示すフローチャートである。 インドメタシンに対する各患者及び健常者ごとの好酸球の遊走動態を示すグラフである。 各GINAステップの罹患グループ、及び健常者グループの好酸球の遊走動態の近似曲線を示すグラフである。 プロスタグランジンに対する各患者及び健常者ごとの好酸球の遊走動態を示すグラフである。 検査装置20の電気的な構成を示すブロック図である。
本発明の喘息の検査方法は、被験者から採取された各白血球の走化性因子に対する遊走速度の平均値を測定する工程、前記遊走速度の平均値についての分布を取る工程、前記分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値を検出する工程、を含む。
また上記工程に加え、さらに、検出された前記所定のパーセント点における遊走速度の平均値が、被験者の喘息の罹患の有無に応じて定められた所定の範囲に含まれるか否かを判定する工程を含む。
上記所定のパーセント点、及び所定の範囲は、予め複数の喘息患者のグループ、及び健常者のグループから採取した白血球の走化性因子に対する遊走動態を、対照サンプルデータとして測定しておくことで決定することができる。本発明では、GINAを基に重症度が評価された各ステップの喘息患者のグループ、及び健常者のグループに由来する白血球を用いることで、これらを導き出した。また本発明では、少なくとも上記所定のパーセント点を設定した後で、被験者から採取された白血球について本発明の検査方法を実施することができる。
上記所定の範囲(以下、基準範囲と称する)は、喘息の有無及び重症度の判断に使用される白血球の遊走速度の範囲である。すなわち、本発明の検査方法において重症度は、白血球の遊走速度に基づいて定量的に判断される。
本明細書において、重症度に分類された喘息患者とは、GINA(改訂版)に定義されるいわゆるGINAステップにおいて評価を受けた喘息患者である。GINAステップによれば、喘息患者の重症度は、「軽症間欠型(ステップ1)」、「軽症持続型(ステップ2)」、「中等症持続型(ステップ3)」、「重症持続型(ステップ4)」の4つに分類される。
GINAステップ1の間欠型喘息では、症状が出るのは通常1週間に1回未満である。一般に、GINAステップ1の喘息患者には毎日投薬する必要はなく、血中・喀痰中に好酸球増加のあるときに限り、喘息症状がやや多いとき(たとえば月に1〜2回)、血中・喀痰中に好酸球増加のあるときには、吸入ステロイド薬(低用量)、テオフィリン徐放製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、DSCG、抗アレルギー薬剤の何れか1剤の投与が考慮される。
GINAステップ2の軽症持続型喘息では、1週間に1回から1日に1回程度症状が現れる。推奨される主な薬物療法は、吸入ステロイド薬(低用量)の連用による治療である。これで不十分な場合に、テオフィリン徐放製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用性β2刺激薬、DSCG、抗アレルギー薬剤の何れか1剤の併用が考慮される。
GINAステップ3の中等症持続型喘息では、毎日症状が現れる。推奨される主な薬物療法は、中用量の吸入ステロイド薬の連用と、テオフィリン徐放製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用性吸入β2刺激薬の何れか1剤、あるいは複数の併用である。
GINAステップ4の重症持続型喘息は、毎日症状が現れ、治療下にあってもしばしば増悪する。推奨される主な薬物療法としては、高用量の吸入ステロイド薬の連用と、テオフィリン徐放製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用性吸入β2刺激薬、Th2サイトカイン阻害薬の何れか1剤、あるいは複数の併用である。これでも管理不良の場合には、経口ステロイド薬が追加される。
本明細書において、走化性(chemotaxis)とは、白血球、特に好酸球が走化性因子の濃度勾配に従って一定方向に移動する現象をいう。白血球の移動には、白血球走化性因子の分泌が必須である。多くの場合、白血球はレセプターを介して因子の濃度を認識して濃い方向に遊走し、炎症部位に集結する。
本明細書において、遊走(migration)とは、白血球、特に好酸球の移動をいう。
本明細書において、好酸球(Eosinophil)とは、末梢血内の白血球の約5%以下を占める、顆好酸性顆粒が細胞質に充満した顆粒球をいう。好酸球は一般的に、遊走、貪食能力を持ち、アレルギー反応の制御を行う。
<第1の実施形態>
以下、本願に係る白血球の走化性因子に対する遊走速度の測定方法を説明する。
本発明ではまず、検査システム1を用いて、GINAステップあるいは他の喘息ガイドラインによる各重症度の喘息患者グループ、及び健常者のグループによる測定を行う。そして、被験者の検査に必要なパーセント点、階級及び基準範囲を設定する。
(試料の調整)
まず、GINAステップ、あるいは他の喘息ガイドラインによる各重症度の喘息患者のグループ、及び健常者のグループから生体試料を採取する。生体試料は、全血、喀痰、鼻汁、唾液、脊髄液等の体液や他の組織等、白血球が採取可能な試料であれば、その種類や採取方法は問わない。
次に、上記採取した生体試料から、好酸球をそれぞれ分離する。これらの試料中から好酸球を抽出する方法は、当該技術分野において知られているどのような方法を用いてもよい。例えば、生体試料が全血である場合は、試料から遠心分離により赤血球を沈殿させて、白血球分画を取り出す。さらに、遠心分離により白血球分画から顆粒球(好塩基球、好中球、好酸球)成分を分離し、残った赤血球を低張溶解して洗浄した上で赤血球膜を取り除く。その後、市販の抽出キットを用いれば、不要な細胞を取り除き容易に好酸球のみを抽出することができる。もちろん上記限らず、その他どのような方法で好酸球を抽出してもよい。
走化性因子としては、例えばインドメタシンやプロスタグランジンであり、タンパク質・ペプチド性走化性因子や、脂質性走化性因子から選択される。
このように調整された試料について、好酸球の走化性因子に対する遊走動態を下記のような検査システムを用いてそれぞれ測定する。
(走化性の測定)
図1に、検査システム1の概略構成図を示す。検査システム1は、細胞を観察するための観察装置10と、該観察装置10で観察された画像から、細胞の遊走動態を解析するための検査装置20と、を有している。
観察装置10は、試料を収容するためのホルダ11と、細胞の遊走動態を測定するための撮像装置12と、試料注入器13と、からなる。
ホルダ11は、仕切り11a及び仕切り11bで区切られた方形の試料収容空間111を構成する。試料収容空間111底部には、シリコンウエハ112と、ガラス板113と、を着脱可能に隙間無く嵌め込むことができる。また、ホルダ11の底面には、撮像装置12がガラス板113を直接観察できるようにする孔が設けられている。
ここで、シリコンウエハ112について、詳細に説明する。図2に、シリコンウエハ112の斜視図を示す。
シリコンウエハ112には、長方形の溝112aが形成されている。観察時には、溝112aの開口側にガラス板113を被せ、ガラス板113側を下にしてシリコンウエハ112をホルダ111にセットする(図1参照)。
溝112aの中心には、これを短手方向に区切るテラス112bが設けられている。なお、テラス112bは、その高さが溝112aの縁よりも低く(例えば、20μm程度)、溝112aに満たされた試料が、テラス112b上を移動できるようにされている。また、テラス112b上には、溝112aの縁までの高さ(すなわち、20μm程度)を有する微小なブロック112cが複数並べられており、シリコンウエハ112にガラス板113を被せることで、テラス112bとガラス板113との間にチャネル(流路)が形成されるようになっている。チャネルの形状はこれに限らず、テラス112bの高さと幅、そして、ブロック112cの大きさと位置を変化させることによって、観察対象の細胞に最も適した大きさと形状のチャネルを自由に形成してよい。
テラス112bを挟んだ溝112aの両側の底面には、貫通孔であるウェル112dが形成される。ウェル112dは、ホルダ11にセットされた場合、試料収容空間111と連通する。なお、図2では12穴ウェルを有するシリコンウエハを記載しているが、いくつのウェルを備える構成としてもよい。
撮像装置12は、顕微鏡121が取り付けられたカメラ122であり、ガラス板113を介して、ホルダ11にセットされたシリコンウエハ112のテラス112bを所定のタイミング毎に撮像する。撮像間隔は利用者が自由に設定することが可能である。なお、撮像装置12が撮像した画像は、検査装置20へと出力される。
試料注入器13は、ウェル112dに試料を注入する。試料とは、例えば、観察対象の細胞を含む溶液や、走化性因子を含む溶液である。
このような観察装置10によれば、細胞収容空間111及びシリコンウエハ112内を細胞走化性に影響を与えない液体(例えば、緩衝液等)で満たしてから、一方のウェルに試料注入器13で走化性因子を注入することで、チャネル(流路)に走化性因子の濃度勾配を形成することができる。その後、走化性因子を注入したウェルと対となる他方のウェルに細胞を注入し、所定の時間、撮像装置12でチャネル(流路)をタイムラプス撮像することで、細胞の走化性因子に対する走化性の遊走動態を観察することができる。
なお、観察装置10は、利用者が後述の検査装置20の入力部24を介して任意の温度を設定することで、ホルダ11内の温度を設定値に保つことを可能とする温度調節機能を有している。また、利用者が設定した位置にホルダ11、及び撮像装置12を移動させるための位置調節機能も備えているものとする。
(遊走動態の解析)
検査装置20は、タイムラプス観察でえられた一連の画像から、喘息の有無、及びその重症度を判断する。
検査装置20は、検査装置20を制御する制御部21と、撮像画像および処理に要する情報を記憶する記憶部22と、利用者に情報を表示するための表示部23と、利用者から各種設定を受け付けるための入力部24と、情報の入出力を可能にする入出力インターフェース部(以下、I/F部と称する)25と、を備えている。
表示部23は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の標示デバイスであり、供給される画像信号に基づいて画像を表示する。
入力部24は、例えば、キーボードやマウス等のユーザインターフェースであり、利用者からの各種設定や指示を受け付ける。
I/F(入出力インターフェース)部25は、制御部21と、他の機能部や装置及びネットワークとを、データの送受信可能に接続する。
記憶部22は、画像情報記憶領域221と、細胞情報記憶領域222と、判断基準情報記憶領域223と、からなる。
画像情報記憶領域221は、撮像装置12が所定のタイミング毎に撮像するフレーム画像を、時系列順に記憶する。
細胞情報記憶領域222は、図3に示すような細胞情報テーブル2220を記憶する。細胞情報テーブル2220は、一連のタイムラプス画像を構成するフレーム画像上に存在する各細胞を識別するための識別子が格納される細胞ID格納領域2221と、各フレーム画像を識別するための識別子が格納されるフレーム画像ID格納領域2222と、各細胞の各フレーム画像中における重心の座標位置が格納される細胞座標位置格納領域2223と、を有している。このような細胞情報テーブル2220から、どの細胞が、どのフレーム画像中で、どの座標に位置しているのかを把握することができる。
判断基準情報記憶領域223は、喘息への罹患の有無、及びその重症度を判断するための基準となる、図4に示すような基準情報2230を記憶する。これは、後述する細胞の分布において基準となるパーセント点を表すパーセント点格納領域2231と、喘息への罹患の有無及び重症度の階級、及び該階級に応じた好酸球の遊走速度の範囲を表す基準範囲が対応付けられて格納される判断テーブル2232と、有するものである。なお、図4では参考上、階級がどのGINAステップに相当するかを例示しているが、必ずしも各階級がGINAステップと対応しているわけではなく、その必要もない。詳細については、後述する。
制御部21は、フレーム画像を解析して画像中の各細胞を追跡する画像解析部211と、細胞の遊走速度に関する分布を導き出す統計処理部212と、サンプルデータからパーセント点、階級及び基準範囲を設定する解析処理部213と、被験者の喘息の有無、および重症度を判定する判定処理部214と、からなる。
画像解析部211は、撮像装置12から一定時間、所定のタイミング毎に出力される1〜f個のフレーム画像を取得して記憶部22に記憶させると共に、各細胞を認識して、細胞の輪郭、重心等を検出し、細胞情報テーブル2220を作成する。
具体的に、画像解析部211は、フレーム画像を受け付けると、まず、各フレーム画像中から各細胞に対応する画像領域を抽出する細胞認識処理を行う。細胞認識処理には、どのような方法を用いても良い。一例としては、まず画像を断続的に変化する閾値で2値化して、各々の段階でエッジを抽出する。次に、このようなエッジを重ね合わせることで細胞の等高線画像を作成し、この等高線画像から細胞の輪郭を抽出して画像中の細胞(1〜m個)を特定する。他の方法としては、例えば、画像を所定のメッシュで区切って各メッシュ値を所定の閾値で二値化した後、所定の階調が連続する領域を検出することで、各細胞領域を検出する方法がある。
次に、画像解析部211は、各細胞領域の重心の位置を検出する。重心の位置は、例えば、細胞領域の輪郭上の座標を所定の間隔で複数点抽出し、その座標平均値を取る事で算出可能である。
そして、画像解析部211は、該フレーム画像が最初のフレーム画像(1フレーム目)である場合、各細胞に一意の細胞IDを付す。そして、該細胞IDを識別するための細胞ID格納領域2221と、観察時間に撮像されるフレーム数1〜f個を識別するためのフレーム画像IDを格納するフレーム画像ID格納領域2222と、各細胞の核フレーム画像中における重心の座標が格納される細胞座標位置格納領域2223と、を有する新たな細胞情報テーブル2220を作成し、記憶部22の細胞情報記憶領域222に記憶させる(図3参照)。
一方、フレーム画像が最初のフレーム画像でない(2〜fフレーム目)場合、画像解析部211は、該フレームが属するタイムラプス画像の細胞情報テーブル2220に、重心の値を入力する。
具体的に、まず、画像解析部211は、該フレーム画像中における各細胞が前フレーム画像中のどの細胞が移動したものであるのかを判断する。例えば、画像解析部211は、該フレーム画像中における各細胞の重心座標と、前フレーム画像中における各細胞の重心座標と、をそれぞれ比較し、最も近い(差分の小さい)重心座標を有する細胞どうしを同じ細胞と見なし、該当レコードの細胞座標位置格納領域2223に、各細胞の重心の座標を格納する。
そして、画像解析部211は、最後のフレーム画像(fフレーム目)まで上記処理が終了すると、統計処理部212に解析要求を出力する。
統計処理部212は、上記作成された細胞情報テーブル2220を用いて、所定の連続するフレーム中における各細胞の移動量TD、及び平均速度Vを算出する。具体的に、まず、統計処理部212は、各フレーム間における各細胞の縦(Y)方向移動量Δyと、横(X)方向移動量Δxとを重心座標の変位量から求め、各細胞の縦及び横方向へのフレーム毎の平均移動量を算出する(下記数式(1),(3)参照)。
次に、統計処理部212は、上記平均移動量から各細胞の総移動量TDを算出し、総移動量TDとフレーム単位時間Tから各細胞の平均速度Vを算出する(下記数式(5),(6)参照)。
また、縦方向分散Vyと、横方向分散Vxと、を算出しても良い(下記数式(2),(4)参照)。
Figure 2013164302
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そして、統計処理部212は、縦軸に平均速度TDを、横軸に各細胞を昇順にソートして0から1の範囲に正規化した分布を取り、遊走動態の分布を示すグラフを作成して表示部23に表示させる。遊走動態の分布を示すグラフとは、ここでは例えば、図6及び7に示すような散布図である。
次に、解析処理部213は、遊走動態の分布から、パーセント点、階級及び基準範囲を設定する。すなわち、当該処理は、サンプルデータから基準情報2230(図4参照)を作成するために行われるものである。従って、被験者の試料を測定する際には実行されず、その場合には判定処理部214の実行する判定処理のみが行われる。
なお、パーセント点、階級及び基準範囲の設定は、解析処理部213が自動で設定してもよく、また、利用者に任意に設定させる設定画面を表示部23に表示してもよい。その場合、利用者は、過去に蓄積されたデータや医学的所見、経験等からこれらを自由に設定することができる。設定内容は、図4に示す基準情報2230として判断基準情報記憶領域223に記憶される。
本発明の検査方法は、図7に示すように、重症度の異なる患者及び健常者の間に見られる遊走速度の平均値の差分を利用するものである。従ってパーセント点には、差分が顕著に表れている分布点を選択することが望ましい(具体的な例については、実施例1に示す)。
このようなパーセント点は、サンプルとして試料を得た各グループの定義や、階級によって最適な点が異なる。従って、上記差分を利用可能な点であれば、どのような分布点をパーセント点として設定してもよい。
例えば、サンプルグループ、及び階級が罹患と非罹患のみである場合、平均速度Vの差分が両グループで最も大きくなるパーセント点を罹患と非罹患の分類に適したパーセント点として設定できる。この場合、当該パーセント点における健常者の平均速度Vの平均を標準値として、±2S.D.の範囲(あるいは、+2S.D.以下)を許容範囲として、喘息の有無を判断することができる。
一方、罹患したサンプルグループがGINAのように症状によって複数に分類されており、また、階級についても各重症度で分類する場合では、各グループ間での平均速度の差分が一定以上なければ、両者を判別することはできない。従って、例えばグループ間での平均速度の差分が一定の閾値以上で、かつ、グループ間の差分が最も大きくなる点をパーセント点として設定することができる。また、各グループ間の差分の偏りについても、一定の閾値以下となるような値を設定してもよい。
このように、解析処理部213は、各グループの定義、及び階級に応じて、予め定められた計算方法を用いてパーセント点を計算する。
階級とは、図4に示すように、パーセント点における好酸球の平均速度の値を範囲ごとに階級に分けたものであり、ここから罹患の有無、及び重症度が判断される。すなわち、階級はあくまでも平均速度の程度を表すものであるため、一意に決定されるものではない。利用者は、医学的所見や経験、累積データから、これを任意で設定可能である。もちろん、記憶部22に予め定められた階級の組み合わせを記憶させておき、解析処理部213はこれを利用者に選ばせてもよい。
基準範囲は、好酸球の平均速度の値を上記階級に分けるための数値範囲である。例えば、解析処理部213は、所定のパーセント点における各グループ間の平均速度を中間値で分け、これを基準範囲として設定することができる(具体的な例については、実施例1に示す)。もちろん、他のどのような方法で設定されてもよく、また、利用者が任意で設定してもよい。
判定処理部214は、被験者の試料を測定する際にのみ実行される処理を行う。具体的には、判断情報記憶領域223に記憶されているパーセント点格納領域2231から設定されたパーセント点を読み出して、該パーセント点における平均速度Vを分布から抽出し、表示部23に表示させる。また、該平均速度Vが、判断テーブル2232のどの基準範囲に属しているかを検出して該範囲に応じた階級を読み出す。そして、喘息の罹患の有無、及び重症度を示す階級の内容を表示部23に表示させる。
このようにして、検査システム1は、好酸球の刺激因子に対する遊走速度の平均値から、被験者の喘息罹患の有無、及び罹患している場合にはその重症度を判断する。
ここで、検査装置20のハードウェア構成について説明する。図9は、検査装置20の電気的な構成を示すブロック図である。
図9に示すように、検査装置20は、プログラムが動作する一般的なコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータや、ワークステーションである。
図9に示すように、検査装置20は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)901と、各種データを書換え可能に記憶するメモリ902と、各種のプログラム、プログラムの生成するデータ等を格納する外部記憶装置903と、表示装置904と、これらを接続するバス905と、を備える。検査装置20は、例えば、外部記憶装置903に記憶されている所定のプログラムを、メモリ902に読み込み、CPU901で実行することにより実現可能である。
なお、上記した各構成要素は、検査装置20の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。その名称によって、本願発明が制限されることはない。検査装置20が行う処理は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各機能部は、ハードウエア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
以上のような検査装置20の処理について、図5を用いて説明する。図5は、検査装置20の制御部21の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、制御部21が被験者の喘息罹患への有無、及びその重症度を判断する際の処理について説明する。本フローは、入力部24が利用者からの指示を受け付けることで開始される。
画像解析部211は、撮像装置12から、一定時間、所定のタイミング毎に出力されるフレーム画像を取得して記憶部22に記憶させる(ステップS11)。
次に、画像解析部211は、画像内に存在する各細胞を認識し(ステップS13)、重心の座標を検出する(ステップS13)。そして、該画像が、最初のフレーム画像(1フレーム目)であるか否かを判断する(ステップS14)。最初のフレーム画像であった場合は(YES)、ステップS15へ、最初のフレーム画像でなかった場合には(NO)、ステップS16へ進む。
最初のフレーム画像であった場合(ステップS14でYES)、画像解析部211は、細胞情報テーブル2220を新たに作成し(ステップS15)、ステップS11へと戻る。
最初のフレーム画像でなかった場合(ステップS14でNO)、画像解析部211は、該フレーム画像中における各細胞が、前フレーム画像中のどの細胞が移動したものであるのかを追跡し、細胞情報テーブル2220に各細胞の重心の座標を書き込む(ステップS16)。
そして、画像解析部211は、該画像が最後(fフレーム目)のフレーム画像であるか否かを判断する(ステップS17)。最後のフレーム画像であった場合は(YES)、画像解析部211は、統計処理部212に解析要求を出力し、ステップS18へと進む。最後のフレーム画像でなかった場合には(NO)、ステップS11からの処理を繰り返す。
最後のフレーム画像であった場合(ステップS17でYES)、解析要求を受けた統計処理部212は、上記作成された細胞情報テーブル2220を用いて、所定の連続するフレーム中における各細胞の移動量TD、及び平均速度Vを算出する(ステップS18)。
次に、統計処理部212は、縦軸に平均速度TDを、横軸に各細胞を昇順にソートして0から1の範囲に正規化した分布を取り、遊走動態の分布を示すグラフを作成して表示部23に表示させる(ステップS19)。
判定処理部214は、判断情報記憶領域223に記憶されている予め定められたパーセント点2231における平均速度Vの値を抽出すると共に、該平均速度Vの属する階級を判断する。そして、喘息の罹患の有無、及び重症度を示す階級の内容を表示部23に表示させて(ステップS20)、処理を終了する。
上記したフローの各処理単位は、検査装置20の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。検査装置20の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分割することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
なお、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。
次に、GINAステップを利用した各重症度の喘息患者、及び健常者のグループに対して、上記のようなシステムを用いてパーセント点、階級及び基準範囲の設定する際の実施例を示す。
各グループに対する走化性の測定および遊走動態の解析についての実施例1を、以下に示す。
<実施例1>
(試料の調整)
本実施例では、培地として、RPMI(Roswell Park Memorial Institute)1640培地(Sigma−Aldorich社製)を、走化性因子としてインドメタシン(Sigma−Aldorich社製)を使用した。
また、他に以下の試薬を準備した。
・HEPES(4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid)(Sigma−Aldorich社製)
・ウシ胎児血清(FBS)(Sigma−Aldorich社製)
・ウシ血清アルブミン(BSA)
・ダルベッコリン酸バッファー(DPBS)(Invitrogen社製)
・デキストランT500(GE Healthcare社製)
・フィコールパック液(Ficoll−paque)(登録商標)(GE Healthcare社製)
・StemSep(登録商標)Eosinophils Enrichment kit(Stem Cell Technologies社製)
・EasySep(登録商標)T cell Enrichment kit(Stem Cell Technologies社製)
まず、各重症度の喘息患者グループ、及び健常者のグループから生体試料を採取した。
具体的には、GINAステップ1に該当する喘息患者3人、GINAステップ2に該当する喘息患者3人、GINAステップ3に該当する喘息患者6人、健常者8人の4グループ、合計20人から全血を採血して試料を得た。試料は、血液凝固防止剤としてEDTAの入った真空採血管に採取した。
次に、各試料を次のように調整した。まず、全血試料にデキストランを混和して室温で15分間赤血球を沈殿させ、白血球分画を分離した。これをリン酸バッファー5mlと共に250×gで5分間遠心し、白血球分画をリン酸バッファーに懸濁させた。そして、フィコールパック液(登録商標)を加えて400×gで20分間、24℃で遠心し、顆粒球分画を分離した。このようにして単離された顆粒球分画から、StemSep(登録商標)及びEasySep(登録商標)を用いて、好酸球を磁性ナノビーズによるネガティブセレクション法により分離した。そして、好酸球を、0.1%BSAを含んだHEPESを含むRPMI1640培地に懸濁して、2×10cell/mLの好酸球細胞溶液を調整した。
なお、顆粒球分画に赤血球のコンタミネーションが多い場合には、10倍量の蒸留水による低張性溶血によって破壊した後、リン酸バッファーをさらに加えることで浸透圧を回復させ、生じた赤血球ゴーストをPBSと共に150×gで5分間遠心を二度繰り返すことで除去した。
(走化性の測定)
このように調整した各好酸球細胞溶液について、観察装置10を用いて走化性を測定した。
まず、12穴のウェルを有するシリコンウエハ112を、ガラス板113側を下にしてホルダ11にセットし、細胞収容空間111及びシリコンウエハ112内を、0.1%BSA含有HEPESを含んだRPMI1640培地で満たした。次に、1つのウェルに試料注入器13で走化性因子として1.0Mに調整したインドメタシンを注入し、チャネル(流路)にインドメタシンの濃度勾配を形成した。そして、インドメタシンを注入したウェルと対となるウェルに上記調整した好酸球細胞溶液を注入し、単位時間30秒でタイムラプス観察を行い、タイムラプス画像を得た。
(遊走動態の解析)
上記のようなタイムラプス画像に基づき、検査装置20から次のような結果が得られた。
図6は、各患者及び健常者ごとの好酸球の遊走動態を示すグラフ、図7は、各GINAステップの罹患グループ、及び健常者グループの好酸球の遊走動態の近似曲線を示すグラフである。
図6に示すように、GINAステップによる分類において喘息症状の重症度が深刻な患者の試料ほど、より平均速度の速い細胞が多く含まれていることがわかった。これはすなわち、好酸球の平均速度の値と、喘息症状の重症度との間に相関があることを示している。
また、図7に示すように、各GINAステップ属する複数の患者を纏めて統計を取った近似曲線では、平均速度Vに差があることがより明確となった。パーセント点が75〜95%、特に80%の付近では、各GINAステップ、及び健常者の間で顕著な差がみられた。
よって、予めグループ間で平均速度Vに顕著な差が見られる80%をパーセント点として設定しておくことで、該パーセント点における平均速度Vの値から、喘息の罹患の有無、及び喘息症状の重症度を判断することができる。すなわち、平均速度Vの値が大きいほど、喘息に罹患し、かつ、その症状が重いことが予測される。
また、平均速度Vの基準範囲を設定することで、重症度を階級に分けて捉えることもできる。具体的に、図7では、パーセント点が80%における健常者とGINA1のグループ間の平均速度の中間値が0.18μm/s、GINA1とGINA2との中間値が0.23μm/s、GINA2とGINA3との中間値が0.31μm/s程度である。よって例えば、平均速度の値が0.18未満の被験者を非罹患、0.18以上0.23未満の被験者を軽度の罹患者、0.23以上0.31未満の被験者を中度の罹患者、0.31以上の被験者を重度の罹患者とする階級が考えられる。もちろん、階級はこれに限らず、医学的所見や経験に基づいてどのような階級を設定してもよいものである。
このように、サンプルデータからパーセント点を導き出し、該パーセント点における平均速度に任意の階級を与えることで、新たな喘息診断の指標を提供することが可能である。
なお、ここでは分散図の縦軸を平均速度Vとしているが、これを縦方向分散Vyとした場合にも同様の相関がみられるため、測定に縦方向分散Vyを用いてもよい。
<実施例2>
次に、走化性因子としてインドメタシンの代わりにプロスタグランジンD2(PGD2)を用いた実施例について説明する。
(試料の調整)
走化性因子として、プロスタグランジンD2を用意した。
また、本実施例では、GINAステップ1に該当する喘息患者2人、GINAステップ2に該当する喘息患者6人、GINAステップ3に該当する喘息患者10人、健常者5人の合計23人から全血を採血して試料を得た。
(走化性の検査)
プロスタグランジンD2を1.0Mに調整して、観察装置10のチャネル(流路)に濃度勾配を形成した。その他の点については、全て実施例1と同様に実験を行った。
(遊走動態の解析)
上記のようなタイムラプス観察に基づいて、検査装置20から次のような結果が得られた。
図8は、それぞれの試料ごとの細胞の遊走動態を示すグラフである。
図8に示すように、GINAステップによる分類において喘息の重症度が深刻な患者の試料には、より平均速度の高い細胞が含まれている。このように、多様な白血球走化性因子に対する好酸球の遊走動態と、喘息の重症度には相関が見られることがわかった。
以上、本検査システム1を用いた喘息への罹患の有無、及び重症度の検査方法について説明した。上記のように、好酸球の一部における走化性因子に対する遊走動態は、その速度が病態と結びついている。従って、好酸球の速度を指標とすることにより、喘息の検査や、該疾患の治療のための化合物のスクリーニングが可能となる。
また、COPDのみに罹患する被験者の好酸球では喘息に罹患する患者の好酸球に見られるような速度の上昇は見られないため、喘息と慢性閉塞性肺疾患とを区別する新しい臨床診断指標としての有用性が期待できる。
更に、本発明によって提供される喘息の検査方法は、好酸球の遊走動態を数値として解析することができる。また、重症度の程度を表す階級が、好酸球の速度のみに依存するため、定量的、かつ、客観的な診断指標としての運用が可能である。また、生体試料から解析可能であるため、患者への侵襲性が低い上、早く、低価格な検査を可能とする。
1:検査システム、10:観察装置、11:ホルダ、11a・11b:仕切り、12:撮像装置、13:試料注入器、20:検査装置、21:制御部、22:記憶部、23:表示部、24:入力部、25:I/F部、111:試料収容空間、112:シリコンウエハ、113:ガラス板、112a:溝、112b:テラス、112c:ブロック、112d:ウェル。

Claims (8)

  1. 喘息診断の指標を得るための喘息の検査方法であって、
    被験者から採取された各白血球の走化性因子に対する遊走速度の平均値を測定する工程、
    前記遊走速度の平均値についての分布を取る工程、
    前記分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値を検出する工程、
    を含む喘息の検査方法。
  2. 前記分布は、前記白血球を前記遊走速度の平均値の昇順にソートし、0から1の間で正規化したものである、請求項1記載の検査方法。
  3. 検出された前記所定のパーセント点における遊走速度の平均値が、被験者の喘息の罹患の有無に応じて定められた所定の範囲に含まれるか否かを判定する工程、
    を含む請求項1または2記載の検査方法。
  4. 前記所定の範囲が、被験者の喘息の罹患の有無、及び重症度に応じて定められている、請求項3記載の検査方法。
  5. 前記白血球が好酸球である、請求項1から4の何れか一項に記載の検査方法。
  6. 前記走化因子がインドメタシンである、請求項1から5の何れか一項に記載の検査方法。
  7. 喘息診断の指標を得るための喘息の検査装置であって、
    一連の画像中から、走化性因子に対する白血球の動きを追跡して遊走速度の平均値を算出する画像解析手段と、
    前記遊走速度の平均値についての分布を取る統計処理手段と、
    前記分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値を検出する判定処理手段と、
    を有していることを特徴とする喘息の検査装置。
  8. コンピュータを、喘息診断の指標を得るための喘息の検査装置として機能させるプログラムであって、
    前記コンピュータは、
    一連の画像中から、走化性因子に対する白血球の動きを追跡して遊走速度の平均値を算出する画像解析処理と、
    前記遊走速度の平均値についての分布を取る統計処理と、
    前記分布の所定のパーセント点における遊走速度の平均値を検出する判定処理と、
    を行うことを特徴とするプログラム。
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