JP2013163137A - コア・シェル型触媒、電極及び燃料電池 - Google Patents

コア・シェル型触媒、電極及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】より効果的にリガンド効果に基づくCO被毒の低減を達成し得る構成、構造を有するコア・シェル型触媒を提供する。
【解決手段】コア・シェル型触媒は、第1の遷移金属から成るコア粒子11、及び、第1の遷移金属とは異なる第2の遷移金属から成り、コア粒子11を被覆するシェル層12から構成され、コア粒子11を構成する原子Aとシェル層12を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DAB、及び、シェル層12を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBと、コア粒子11を構成する原子Aとシェル層12を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層12を構成する原子Bの金属結合半径rBBとは、1×10-2≦(rAB−DAB)/rAB≦1×10-1,1×10-2≦(rBB−DBB)/rBB≦1×10-1なる関係を満足する。
【選択図】 図1

Description

本開示は、コア・シェル型触媒、電極及び燃料電池に関する。
水素やメタノール等の燃料を酸素又は空気を用いて電気化学的に酸化して、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すことができる、DMFC(直接型メタノール燃料電池,Direct Methanol Fuel Cell)、PEFC(固体高分子電解質型燃料電池)等の燃料電池は、高いエネルギー効率を有し、環境負荷が少なく、注目されている。
燃料電池は、一般に、アノード電極(燃料極、負極)及びカソード電極(酸化剤極、正極)によってプロトン伝導性の高分子電解質膜を挟み、接合して成る膜・電極接合体(Membrane Electrode Assembly,MEA)を、燃料ガス又は酸化剤ガスのガス流路を有するセパレータで挟んだ構造を有する。
燃料電池の電極に使用される触媒には、白金(Pt)等の遷移金属、貴金属の微粒子が用いられる。そして、白金等の貴金属は高価な材料であるために、燃料電池の製造コストに占める触媒コストの割合が大きく、燃料電池の低コスト化が進まず、燃料電池の普及の妨げとなっている。従って、触媒における貴金属の使用量の低減が重要な技術課題の1つとされ、研究開発が進められている。ここで、触媒作用に寄与する原子は触媒微粒子の最表面に露出している原子のみであり、触媒微粒子の内部の原子は触媒作用に寄与しない。従って、燃料電池の製造コスト低減のために、白金等から構成されたシェル層によってコア粒子を被覆するコア・シェル型触媒が、例えば、特開2006−231266や特開2010−274235、特開2011−072981から周知である。
ところで、アノード電極における酸化触媒においては、白金の表面に中間生成物である一酸化炭素(CO)が付着し易い。このような現象は「CO被毒」と呼ばれている。そして、コア粒子を、例えば、ルテニウム(Ru)等から構成することでCO被毒の低減を図ることができるが、そのメカニズムは2つあると考えられる。即ち、第1のメカニズムは、二元機能機構(バイファンクショナルメカニズム,bi-functional mechanism)であり、第2のメカニズムは、コア粒子を構成する原子(便宜上、『原子a』と呼ぶ)とシェル層を構成する原子(便宜上、『原子b』と呼ぶ)との接触がもたらすリガンド効果(ligand effect)である。
ここで、二元機能機構に基づきCO被毒の低減を図る場合には、シェル層でコア粒子を完全に被覆するのではなく、コア粒子の一部を露出させる必要がある。しかしながら、このような構造を採用すると、燃料電池の作動時、コア粒子を構成するルテニウム等が溶出する結果、触媒の耐久性等に問題が生じ易い。
リガンド効果に基づく酸化触媒のCO被毒の低減にあっては、原子aと原子bとの結合が、シェル層表面の原子bの電子状態に強い影響を与える結果、シェル層表面の活性点における一酸化炭素の吸着が抑制される。
特開2006−231266 特開2010−274235 特開2011−072981
R.Stamenkovic et al. Science 315, 493(2007) R.Stamenkovic et al. Angew. Chem. 45, 2897(2006)
リガンド効果に基づくCO被毒の低減にあっては、シェル層でコア粒子を完全に被覆するので、二元機能機構に基づくCO被毒の低減とは異なり、触媒の耐久性等に問題が生じ難い。ところで、特に粒形の小さい数nmサイズの触媒にあっては、最表面のシェル層を構成する原子の隣接原子数(配位数)が平均的に低い。それ故、低配位数の状態において単純にシェル層によってコア粒子を被覆するのでは、後述するように、第一原理計算の結果からは、dバンドセンター(d-band center)の値が高いサイトの比率が高いため、リガンド効果に基づくCO被毒の低減に改善の余地があることが判明した。上述した特許公開公報には、このようなリガンド効果に基づくCO被毒の低減を一層向上させる具体的な技術に関して、言及がされていない。また、カソードにおける酸素還元触媒においても、コアシェル化による表面吸着力の制御による特性向上について、次の文献にて報告されている。この場合、制御の対象となる吸着子はCOではなく、主にOHやO2である。即ち、非特許文献1(R.Stamenkovic et al. Science 315, 493(2007))あるいは非特許文献2(R.Stamenkovic et al. Angew. Chem. 45, 2897(2006))に示されているように、酸素還元反応の場合、CO酸化反応とは異なり、吸着子と触媒表面の相互作用を単純に弱める方向が良いというわけではないと考えられているが、基本的には、dバンドセンターの値の低下は、単体白金(Pt)と比較して、活性を向上させる効果をもたらす。OHの吸着による表面被覆は酸素還元反応の妨害要素になるが、表面への吸着を弱めすぎるとO2の解裂やO2への電子供与、プロトン付加反応の発生も抑制されてしまうためである。よって、dバンドセンターの値を適切に制御することによって、OH吸着による表面被覆を防止するが、O2の解裂やプロトン付加反応は十分起きるという状況を作り出すことが可能になる。
従って、本開示の目的は、より効果的にリガンド効果に基づく酸化触媒におけるCO被毒の低減を達成し得る、若しくは、酸素還元触媒におけるOHの吸着力を最適化する構成、構造を有するコア・シェル型触媒、係るコア・シェル型触媒を備えた電極及び燃料電池を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示のコア・シェル型触媒は、
第1の遷移金属から成るコア粒子、及び、第1の遷移金属とは異なる第2の遷移金属から成り、コア粒子を被覆するシェル層から構成され、
コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DAB、及び、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBと、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBBとは、
1×10-2≦(rAB−DAB)/rAB≦1×10-1
1×10-2≦(rBB−DBB)/rBB≦1×10-1
なる関係を満足する。
上記の目的を達成するための本開示の電極は、本開示のコア・シェル型触媒を備えている。
上記の目的を達成するための本開示の燃料電池は、対向する一対の電極を少なくとも備え、少なくとも一方の電極は、本開示のコア・シェル型触媒を備えた電極から成る。
本開示のコア・シェル型触媒、本開示の電極あるいは燃料電池におけるコア・シェル型触媒にあっては、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DABとコア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rABとの関係、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBBとの関係が規定され、シェル層に格子歪みが導入されている。その結果、従来のコア・シェル型触媒と異なり、低配位数の状態においても、シェル層を構成する原子の全サイトにおいてdバンドセンターの値を低減させることができ、従来のコア・シェル型触媒よりも、一層効果的にリガンド効果に基づく酸化触媒におけるCO被毒の低減及び酸素還元触媒におけるOH吸着力の最適化を達成することができ、活性の高いコア・シェル型触媒を提供することができる。
図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1のコア・シェル型触媒の概念図、及び、担体に担持されたコア・シェル型触媒の概念図である。 図2は、実施例1のコア・シェル型触媒の原子配列を示す図である。 図3の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1のコア・シェル型触媒の高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡像、及び、電子線回折像である。 図4は、実施例1において、Pt/Ruの比を、種々、変えたコア・シェル型触媒を試作し、最近接原子間距離を測定した結果を示すグラフである。 図5は、各種モデルにおける第一原理計算結果を示すグラフである。 図6は、各種触媒試料の触媒活性の測定結果を示すグラフである。 図7は、各種触媒試料のCO吸着エネルギーの測定結果を示すグラフである。 図8は、実施例2のコア・シェル型触媒の酸素還元特性を測定した結果を示すグラフである。 図9は、実施例3の燃料電池の模式的な断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示のコア・シェル型触媒、電極及び燃料電池、全般に関する説明
2.実施例1(本開示のコア・シェル型触媒)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(本開示の電極及び燃料電池)、その他
[本開示のコア・シェル型触媒、電極及び燃料電池、全般に関する説明]
本開示の燃料電池において、一方の電極は負極(アノード電極、燃料極)を構成する形態とすることができるし、また、このような好ましい形態を含む本開示の燃料電池から直接型メタノール燃料電池を構成する形態とすることができる。
本開示のコア・シェル型触媒、本開示の電極におけるコア・シェル型触媒、上記の好ましい形態を含む本開示の燃料電池におけるコア・シェル型触媒(以下、これらを総称して、『本開示のコア・シェル型触媒等』と呼ぶ)において、シェル層はコア粒子に対してエピタキシャル的に成長していることが好ましく、この場合、全体として面心立方格子状の最密充填構造を有し、コア・シェル型触媒の表面は{111}面及び{002}面を有する形態であることが望ましい。このような形態にあっては、コア・シェル型触媒は立方八面体的な形状であり、高い結晶性を有するクラスターとなっていると予想される。ここで、『シェル層はコア粒子に対してエピタキシャル的に成長している』とは、電子線回折パターンにおいてスポットが認められる程度に、シェル層がコア粒子に対してエピタキシャル成長している状態を意味する。シェル層がコア粒子のファセットに対してエピタキシャル的に成長している状態を得るためには、下地であるコア粒子の結晶性を高め、且つ、シェル層の成長速度を適切に制御すればよい。
上記の好ましい形態を含む本開示のコア・シェル型触媒等において、第1の遷移金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、オスミウム(Os)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)から成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属であることが好ましい。尚、常温、常圧下のバルク状態において、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)は面心立方(FCC)格子構造を有し、ルテニウム(Ru)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、オスミウム(Os)は六方最密(HCP)格子構造を有し、鉄(Fe)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)は体心立方(BCC)格子構造を有する。コア粒子は合金から構成されていてもよい。また、このような構成、形態を含む本開示のコア・シェル型触媒等において、第2の遷移金属は、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)及び金(Au)から成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属であることが好ましい。尚、コア粒子を微粒子から構成することで、コア粒子を形成する全原子数の内、コア粒子表面に存在する原子数の割合が大きくなる。その結果、コア粒子の凝集エネルギーに対して、表面エネルギーを最小にしようとする効果が大きくなり、上述した遷移金属の結晶構造は、一層表面積の小さい結晶構造に変化する。即ち、体心立方(BCC)格子構造や六方最密(HCP)格子構造よりも単位体積当たりの原子密度が高い最密結晶構造である面心立方(FCC)格子構造に変化する。
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本開示のコア・シェル型触媒等において、第1の遷移金属はルテニウム(Ru)であり、第2の遷移金属は白金(Pt)である構成とすることができるし、また、第1の遷移金属はニッケル(Ni)であり、第2の遷移金属は白金(Pt)である構成とすることができる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示のコア・シェル型触媒にあっては、COを酸化するCO酸化触媒として使用することができるし、あるいは又、O2を還元する酸素還元触媒として使用することもできる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示のコア・シェル型触媒等において、コア粒子の平均直径として、限定するものではないが、1nm乃至10nm、好ましくは1.5nm乃至5nm、より好ましくは2nm乃至3nmを例示することができるし、シェル層の平均厚さとして、0.2nm乃至2.0nm、好ましくは0.2nm乃至1.0nmを例示することができる。
コア粒子の直径は、コア粒子を電子顕微鏡で観察することで求めることができるし、シェル層の厚さは、コア・シェル型触媒を電子顕微鏡で観察してコア・シェル型触媒の直径を求め、コア粒子の直径を減じることで求めることができる。具体的には、コア・シェル型触媒のシェル層の平均厚さは、コア粒子の平均直径とコア・シェル型触媒の平均直径(シェル層の外側直径に等しい。)をそれぞれSEM像(Scanning Electron Microscopy image)、又は、TEM像(Transmission Electron Microscopy image)により評価し、コア粒子及びコア・シェル型触媒の平均粒子径(平均直径)を求め、コア粒子の平均粒子径(平均直径)R1とコア・シェル型触媒の平均粒子径(平均直径)R2の差[(R2−R1)/2]から求めることができる。シェル層における原子層の積層数は、シェル層の平均厚さを原子Bの面間隔(例えば、白金の場合、d111=0.2265nm)で除することにより求めることができる。コア粒子とコア・シェル型触媒のそれぞれの平均粒子径(平均直径)は、これらの短径及び長径の各方向について求めた粒子径の平均値とする。コア粒子及びコア・シェル型触媒の粒径方向において、TEM−EDX(Transmission Electron Microscopy-Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:透過型電子顕微鏡エネルギー分散型X線分析法)によるライン分析を行うことによって、コア粒子及びコア・シェル型触媒のそれぞれの平均粒子径(平均直径)を求めることができる。
実施例1は、本開示のコア・シェル型触媒に関する。実施例1のコア・シェル型触媒の概念図を図1の(A)に示し、担体に担持されたコア・シェル型触媒の概念図を図1の(B)に示し、実施例1のコア・シェル型触媒の原子配列を図2に示す。
実施例1のコア・シェル型触媒、あるいは、実施例1の電極におけるコア・シェル型触媒は、第1の遷移金属から成るコア粒子11、及び、第1の遷移金属とは異なる第2の遷移金属から成り、コア粒子を被覆するシェル層12から構成されている。そして、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DAB、及び、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBと、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBBとは、
1×10-2≦(rAB−DAB)/rAB≦1×10-1
1×10-2≦(rBB−DBB)/rBB≦1×10-1
なる関係を満足する。
ここで、実施例1にあっては、第1の遷移金属をルテニウム(Ru)とし、第2の遷移金属を白金(Pt)とした。尚、Pt、Ruの原子半径、Pt−Pt、Pt−Ru、Ru−Ruの金属結合半径は、以下の表1のとおりである。ここで、原子半径は単体における最近接原子間距離の(1/2)で定義するが,概ね金属結合半径と等しい。また、以下の説明では、白金単体の格子定数をa0=0.39231nmとし、1層の白金原子層の厚さは、a0/√3=0.2265nm(=d111)とする。
[表1]
Ptの原子半径 :1.387Å
Ruの原子半径 :1.348Å
Pt−Ruの金属結合半径rAB:2.735Å
Ru−Ruの金属結合半径rAA:2.696Å
Pt−Ptの金属結合半径rBB:2.774Å
実施例1のコア・シェル型触媒にあっては、図3の(A)の高分解能HAADF−STEM(High Angle Annular Dark Field Scanning Transmission Electron Microscope、高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡、高角度環状暗視野走査透過電子顕微鏡)像、及び、図3の(B)の電子線回折像に示すように、シェル層はコア粒子に対してエピタキシャル的に成長しており、全体として面心立方格子状の最密充填構造を有し、コア・シェル型触媒の表面は{111}面及び{002}面を有する。即ち、実施例1のコア・シェル型触媒は立方八面体的な形状であり、高い結晶性を有するクラスターとなっていると予想される。
以下、実施例1のコア・シェル型触媒の製造方法を説明する。
塩化ルテニウム(III)(RuCl3)等のルテニウム塩をエチレングリコールに溶解し、ルテニウム(III)イオンのエチレングリコール溶液を調製する。次に、この溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、よく撹拌しながら、170゜Cまで昇温させ、その後、170゜Cに保つ。このとき、ルテニウム(III)イオンがエチレングリコールによって還元され、ルテニウム・ナノ粒子の分散液が得られる。次いで、この分散液をマイクロ波加熱装置等によって1分乃至40分間で120゜C乃至170゜Cまで昇温することによって、平均粒子径(平均直径)1.4nm乃至4.6nmのルテニウム・ナノ粒子を合成することができる。例えば、15分間で170゜Cまで昇温することによって、平均粒子径(平均直径)1.9nmのルテニウム・ナノ粒子を合成することができる。
具体的には、塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3・nH2O)をエチレングリコールに溶解し、ルテニウム(III)イオンが0.1モル/リットルの濃度で存在する溶液190ミリリットルを調製した。そして、この溶液に、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液10ミリリットルを加え、よく撹拌しながら、マイクロ波加熱装置を用いて1分間で170゜Cまで昇温させ、その後、1時間、170゜Cに保持したところ、ルテニウム(III)イオンがエチレングリコールによって還元され、濃い茶色のルテニウム・ナノ粒子の分散液を得ることができた。
次に、ルテニウム・ナノ粒子の合成反応後の反応液に、カーボンブラック等の導電性炭素材料等から成る担体を混合し、担体にルテニウム・ナノ粒子を吸着させる。次いで、担体に担持されたルテニウム・ナノ粒子を反応液から遠心分離器によって分離し、取り出し、イオン交換水等で洗浄する。
具体的には、上記の分散液に担体としてカーボンブラック2.88グラムを加え、よく撹拌して分散させた後、0.5モル/リットルの硫酸100ミリリットルを加えてよく撹拌した。次に、遠心分離器を用いて、この分散液からルテニウム・ナノ粒子とカーボンブラックの混合物を沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子を得た。そして、このカーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子を50ミリリットルのイオン交換水に加え、よく撹拌して分散させた後、遠心分離器を用いて沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子を洗浄した。この洗浄処理を合計5回繰返すことにより、カーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子を精製した。最後に、カーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子に窒素気流をあてて乾燥させた。TEM観察像から求めたルテニウム・ナノ粒子の平均粒子径(平均直径)は1.4nm(標準偏差は±0.3nm)であった。また、このルテニウム・ナノ粒子の結晶構造は、面心立方(FCC)格子構造であった。
その後、ルテニウム・ナノ粒子(コア粒子)の表面を被覆するように白金から成るシェル層を形成する。具体的には、ルテニウム・ナノ粒子の分散液に、塩化白金酸等の白金塩含有液と、テトラヒドロホウ酸ナトリウム等の還元剤含有液とを滴下することによって、ルテニウム・ナノ粒子の表面全体を被覆するように白金から成るシェル層を形成する。この方法によれば、白金塩含有液、還元剤含有液の滴下速度を制御することによって、ルテニウム・ナノ粒子の表面への白金の析出速度を最適に制御することができ、(rAB−DAB)/rABの値、及び、(rBB−DBB)/rBBの値を制御することができる。
具体的には、カーボンブラックに担持されたルテニウム・ナノ粒子を200ミリリットルのイオン交換水に分散させ、これにテトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH4)の6.6モル/リットル水溶液と塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)の0.97モル/リットル水溶液とを滴下し(滴下速度:1ミリリットル/時)、白金(IV)イオンを還元して、ルテニウム・ナノ粒子の表面上に白金から成るシェル層を形成した。滴下は、白金とルテニウムのモル比が、調製しようとするコア・シェル型触媒におけるモル比の設定値(仕込みのモル比)3:2になるまで行った。そして、カーボンブラックに担持されたコア・シェル型触媒を、遠心分離によって反応液から分離した。このカーボンブラックに担持されたコア・シェル型触媒を、洗浄処理を5回繰返すことによって精製した。最後に、カーボンブラックに担持されたコア・シェル型触媒に窒素気流をあてて乾燥させた。
尚、調製されたコア・シェル型触媒を構成するPtのRuに対するモル比(Pt/Ru)に関して、ICP(誘導結合プラズマ)分析による組成分析を行ったところ、仕込みのモル比に一致していることが確認され、原料中の金属は何れもほぼ100%が調製されたコア・シェル型触媒に含まれていることが確認された。
白金塩含有液及び還元剤含有液の滴下速度は、例えば、白金塩含有液及び還元剤含有液を、それぞれ、シリンジに入れ、シリンジをシリンジポンプによって動作させることで制御することができる。滴下速度が早すぎると、白金がルテニウム・ナノ粒子上に析出せず、単独で析出する。このような現象は電子顕微鏡で確認することができるので、予め、白金がルテニウム・ナノ粒子表面に析出し、単独で析出しないような滴下速度の範囲を確認することができる。また、滴下速度を最適化しないと、白金がルテニウム・ナノ粒子上でエピタキシャル的に成長しない。このような現象は電子線回折像で確認することができるので、予め、白金がルテニウム・ナノ粒子表面でエピタキシャル成長するように滴下速度の最適化を図る必要がある。
以上のようにして、担体に担持されたコア・シェル型触媒を逐次還元法によって作製することができるが、同時還元法によってコア・シェル型触媒を作製することもできる。
作製されたコア・シェル型触媒をTEM像により評価し、コア・シェル型触媒の平均粒子径(平均直径)R2を求め、先に求められているルテニウム・ナノ粒子の平均粒子径(平均直径)R1と平均粒子径(平均直径)R2の差[(R2−R1)/2]から、コア・シェル型触媒のシェル層の厚さを求めた。原子Bの積層数は、シェル層(白金層)の厚さを白金の面間隔(d111=0.2265nm)で除することにより求めた。コア・シェル型触媒の平均粒子径(平均直径)はR2=1.9nm(標準偏差は±0.4nm)であった。このコア・シェル型触媒の平均粒子径(平均直径)と、先に求めたルテニウム・ナノ粒子の平均粒子径(平均直径)R1=1.4nmから、白金層の平均厚さは0.25nm(=[1.9−1.4]/2)となり、この白金層の平均厚さは1.1層(=0.25/0.2265)の白金原子層に対応する。即ち、シェル層は平均1層程度の原子層で構成されていることが判った。
尚、以上の説明は、コア粒子がRu微粒子から成る場合のコア・シェル型触媒の製造方法であるが、コア粒子がルテニウム(Ru)以外の材料から成る場合であっても、コア粒子を合成するために使用する反応物質、溶媒及び反応条件を変更するだけで、同様にして、コア・シェル型触媒を製造することができる。
例えば、タングステン(W)から成るコア粒子は、次のようにして調製することができる。即ち、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)0.28グラムを50゜Cのオレイルアミンに溶解した。そして、これをよく撹拌しながら、マイクロ波加熱装置を用いて1分間で170゜Cまで昇温させ、その後、1時間、170゜Cに保持したところ、タングステンヘキサカルボニルが分解され、濃い茶色のタングステン・ナノ粒子の分散液を得ることができた。そして、この分散液に担体としてカーボンブラック0.15グラムを加え、よく撹拌して分散させた後、遠心分離器を用いて、この分散液からタングステン・ナノ粒子とカーボンブラックの混合物を沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたタングステン・ナノ粒子を得た。このカーボンブラックに担持されたタングステン・ナノ粒子を50ミリリットルのアセトンに加え、よく撹拌して分散させた後、遠心分離器を用いて沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたタングステン・ナノ粒子を洗浄した。洗浄処理を合計5回繰返すことにより、カーボンブラックに担持されたタングステン・ナノ粒子を精製した。最後に、カーボンブラックに担持されたタングステン・ナノ粒子に窒素気流をあてて乾燥させた。TEM観察像から求めたタングステン・ナノ粒子の平均粒子径(平均直径)は1.4nm(標準偏差は±0.3nm)であった。また、このタングステン・ナノ粒子の結晶構造は、面心立方(FCC)格子構造であった。
また、モリブデン(Mo)から成るコア粒子は、次のようにして調製することができる。即ち。モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)0.21グラムを50゜Cのオレイルアミンに溶解した。そして、これをよく撹拌しながら、マイクロ波加熱装置を用いて1分間で170゜Cまで昇温させ、その後、1時間、170゜Cに保持したところ、モリブデンヘキサカルボニルが分解され、濃い茶色のタングステン・ナノ粒子の分散液を得ることができた。そして、この分散液に担体としてカーボンブラック0.15グラムを加え、よく撹拌して分散させた後、遠心分離器を用いて、この分散液からモリブデン・ナノ粒子とカーボンブラックの混合物を沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたモリブデン・ナノ粒子を得た。このカーボンブラックに担持されたモリブデン・ナノ粒子を50ミリリットルのアセトンに加え、よく撹拌して分散させた後、遠心分離器を用いて沈降させ、上澄み液を除去し、カーボンブラックに担持されたモリブデン・ナノ粒子を洗浄した。洗浄処理を合計5回繰返すことにより、カーボンブラックに担持されたモリブデン・ナノ粒子を精製した。最後に、カーボンブラックに担持されたモリブデン・ナノ粒子に窒素気流をあてて乾燥させた。TEM観察像から求めたモリブデン・ナノ粒子の平均粒子径(平均直径)は1.8nm(標準偏差は±0.3nm)であった。また、このモリブデン・ナノ粒子の結晶構造は、面心立方(FCC)格子構造であった。
Pt/Ruの比を、種々、変えたコア・シェル型触媒を試作し、X線吸収微細構造(XAFS,X-ray Absorption Fine Structure)法に基づき最近接原子間距離の平均値DABを測定した結果を、図4に「AB」にて示す。併せて、コア・シェル型触媒試作品におけるRu−Ruの最近接原子間距離の平均値DAAの測定結果を「AA」で示し、Pt−Ptの最近接原子間距離の平均値DBBの測定結果を「BB」で示す。最近接原子間距離の平均値DAB,DBBは、Pt/Ru比が3に達するまでは、ほぼ単調に増加し、Pt/Ru比が3を超えると、一定値に収束する傾向を示している。このことから、最近接原子間距離の平均値DAB,DBBの短縮効果は、主にPt組成比が小さい場合に顕著であると考えられる。尚、図4において、水平に延びる点線「a」は、Pt−PtにおけるDBBの値がrBBの値の99%(即ち、最近接原子間距離の平均値DBBが1%短縮した状態であり、2.747Å)を示し、水平に延びる点線「b」は、Pt−RuにおけるDABの値がrABの値の99%(即ち、最近接原子間距離の平均値DABが1%短縮した状態であり、2.708Å)を示す。また、垂直に延びる点線「c」は、Pt−Ru比3.0を示す。
XAFSの実験は、SPring−8の産業用専用ビームラインBL16B2において実施した。BrフリーのテープにArガス雰囲気下で試料粉末を薄く均一に塗布し、複数枚重ねたまま、プラスチック製のパックに真空封止し、重ねて実験に供した。検出器としてGe 19素子の半導体検出器(Solid State Detector,SSD)を用い、PtのLIII端、RuのK端に対して蛍光法のXAFS測定を実施した。そして、それぞれのスペクトルに対して振動成分k3・χ(k)を抽出し、波数k:3乃至12Å-1の範囲でk3・χ(k)をフーリエ変換し、動径構造関数を抽出した。Pt周りの動径構造関数にはPt−Pt及びPt−Ruの2つの散乱パスを、Ru周りの動径構造関数にはRu−Ru及びRu−Ptの2つのパスを仮定して、理論計算によるカーブフィッティングを実施した。Pt−Ru及びRu−Ptの原子間距離が等しくなるように、また、2つの散乱パスの比が原子組成比に等しくなるように束縛しながら解析を実施した。
その後、金属単体の結晶構造を基に、プログラムFEFFを用いて各散乱パスに対応する散乱振幅、位相因子等を計算し、フィッティングを実行した。Ru−Ruパス、Pt−Ptのパスは、それぞれ、単体の結晶構造を基にしてFEFFを実行し、最近接のパスを用いた。Ru−Ptパスは、Pt単体の構造において中心Pt原子をRuで置換し、Pt−Ruパスは、Ru単体の構造において中心Ru原子をPtで置換して、FEFFを実行し、それぞれ最近接のパスをフィッティングに用いた。
これら4つのパスを用いて、Ru周りとPt周りの動径構造関数を以下の束縛条件で同時にフィッティングした。フィッティングはr空間上で行い、Ru周りの動径構造関数のフィット領域は1.7Å<r<2.8Å、Pt周りの動径構造関数に関してはフィット領域を1.8Å<r<3.2Åとし、第一近接の金属ピークのみ含むように設定した。
原子状態の計算にあたっては、平面波を基底とし、擬ポテンシャル法の一般勾配近似(General Gradient Approximation,GGA)を用いたDFT計算とした。GGA汎関数は、Perdew−Burke−Ernzerh 96 typeを用いた。計算するナノ粒子の構造モデルとして、FCC構造を切り出した立方八面体モデルを用いた。ナノ粒子の構造は、TEM格子像より、面心立方構造の{002}ファセット及び{111}ファセットを有することが判る(図3の(A)及び(B)参照)。Ruコアを3原子層(55原子)のクラスターとし、Ptシェル層の厚さを1原子層とした、Ru55Pt92のモデル(Ru原子が55個、Pt原子が92個のモデル)でコア・シェルクラスターの計算を実施した。同じサイズのPt単体クラスターであるPt147(Pt原子が147個のモデル)についても価電子帯の電子状態を計算し、結果を比較した。計算コードとして、Advance/PHASEを用いた。また、計算モデルとして、立方八面体のモデルを用いた。平面波基底のカットオフエネルギーを20ハートリー(Hartree)とし、クラスター間の相互作用を無視するため、立方八面体クラスターを、クラスター間の最近接原子間距離が十分大きくなるように、一辺2.4nmの単純立方格子の原点に配置して、Γ点近似で計算を実行した。このとき、最近接の原子面の距離は0.8nmであり、クラスター間の相互作用はほぼ無視することができる。価電子帯の形状を議論する際には、表面の各PtサイトからPtの原子半径1.39Å内の原子局在状態密度(Atomic Local Density of States,ALDOS)を計算して議論した。表面のサイトの代表として、図2に示した各サイトを考慮した。上述したとおり、XAFSで得られる最近接原子間距離はPt/Ru比が3に達するまではほぼ単調に増加し、その後、一定値に収束する傾向を示す。このことから、原子間距離の短縮効果は主にPt組成比が小さい場合に顕著であると考え、第一原理計算中での構造最適化を実施した。ここで、構造最適化とは、系の全エネルギーが最小になるように、原子間に働く力の方向に少しずつ全原子を変位させていき、到達した構造を意味する。安定化エネルギーについては構造最適化を実施せず、単体のPt FCCベースのPt147の中心3層をRu置換したRu55Pt92モデルで計算を行い、その後、構造最適化したRu55Pt92モデルで計算を行った。両者の差を原子数147で除したものを安定化エネルギーとした。安定化エネルギーは0.08eV/原子であり、常温のkB・T(=0.02eV)よりは大きく、実際に原子間距離の短縮が観測され得るものと考えられる。具体的には、
AB=2.69Å(1.6%のPt−Ru原子間距離の短縮)
BB=2.69Å(3.0%のPt−Pt原子間距離の短縮)
である。尚、原子間距離を全てPt−Pt、2.774Åとして固定したモデルと、原子間距離をエネルギーが最小になるように最適化したモデルで計算すると、最適化した方が原子間距離が短縮し、系の全エネルギーが大凡11.2eV減少する。従って、(11.2/147)の値は、概ね0.08eVとなる。
図5に第一原理計算結果を示す。即ち、第一で原理計算に基づきコア・シェル型触媒の表面のPtの5dのd状態密度D(E)を計算し、立方八面体型のコア・シェル型触媒のdバンドセンターの変化を予測した。図5に示す結果は、[111]ファセットサイトのPt5dバンドの電子状態を示す。尚、図5における3つの曲線が重ならないように、縦軸方向に「1.5」ずらして表示している。また、「A」は、単体のPt FCCベースのPt147モデル(便宜上、『Ptモデル』と呼ぶ)の第一原理計算結果を示し、「B」は、単体のPt FCCベースのPt147の中心3層をRu置換したRu55Pt92モデル(便宜上、『Pt−Ruモデル』と呼ぶ)の第一原理計算結果を示し、「C」は、構造最適化したRu55Pt92モデル(便宜上、『構造最適化Pt−Ruモデル』と呼ぶ)の第一原理計算結果を示す。また、dバンドセンターの値を以下の表2に示す。尚、計算は、立方八面体で実施したが、{111}面のみで囲まれる正二十面体型に基づき計算を行ってもよい。
[表2] dバンドセンターの値
サイト位置 バーテックス エッジ
Ptモデル −1.98eV −2.33eV
Pt−Ruモデル −2.01eV −2.44eV
構造最適化Pt−Ruモデル −2.31eV −2.62eV

サイト位置 (111)ファセット (100)ファセット
Ptモデル −2.75eV −2.57eV
Pt−Ruモデル −2.78eV −2.77eV
構造最適化Pt−Ruモデル −2.83eV −2.98eV

加重平均
Ptモデル −2.38eV
Pt−Ruモデル −2.50eV
構造最適化Pt−Ruモデル −2.69eV
表2から、Ptモデルに比べて、Pt−Ruモデルの方がdバンドセンターの値が低くなり、構造最適化Pt−Ruモデルの方がdバンドセンターの値が更に低くなることが判る。尚、「dバンドセンター」と呼ばれるdバンドを占有している電子の平均束縛エネルギーと触媒活性との間には良い相関があることが、実験的及び理論的に知られている。
また、XAFSによって、Pt/Ru比と配位数との関係を調べたところ、Pt/Ru比が高くなるに従い、Ru−Pt配位数は増加し、
Pt/Ru=1.5
で一定量に達することが判った。即ち、Pt/Ru=1.5において、コア粒子はシェル層で完全に被覆されていると推定される。また、特にバーテックスやエッジにおいては、コアシェル化するだけではdバンドセンターの値があまり下がらないが、構造最適化後のように歪みが入ることで、大きくdバンドセンターの値を下げることができる。
次に、図6に触媒活性の測定結果を示す。
触媒活性測定方法は、以下のとおりである。即ち、白金板を対極、可逆水素電極(Reversible Hydrogen Electrode,RHE)を参照電極とした、一般的な3端子法で測定を行った。測定温度を298Kとした。測定電位は、同温のRHEと比較、参照しながら、ポテンショスタット(Autolab社製、PGSTAT100, Eco Chemie)でコントロールした。尚、図6あるいは後述する図7の横軸の電位は、対RHEで換算した値であり、縦軸は電流密度(単位:マイクロアンペア/cm2)である。作用極となる触媒電極を、以下のように作製した。即ち、アルミナ懸濁液によりグラッシーカーボンディスク(GCD)を鏡面研磨する。そして、3.3ミリグラムの触媒試料を15ミリリットルのエタノールに分散させた後、1時間放置し、その懸濁液をGCDに滴下し、乾燥させる。乾燥により層状の触媒を得た後、0.05質量%のナフィオンエタノール溶液を滴下し、同様の方法で乾燥させて、ナフィオンのコート膜を形成した。ポテンショスタットへの接続の前に、353Kで1時間乾燥させた。触媒活性、即ち、メタノール酸化(MOR)活性の測定は、アルゴン雰囲気下で0.1モルのHClO4と1.0モルのエタノールの混合水溶液中で、掃引速度10ミリボルト/秒で実施した。
図6から、CO酸化反応が始まる0.5ボルト以降の直線領域(Tafel領域)同士で比較すると、Pt組成比が比較的小さいRu1.0Pt2.1組成で最大の出力が得られ、この組成で活性が最も高くなると考えられる。また、Ru1.0Pt2.9組成でも高い触媒活性を示している。即ち、実施例1のコア・シェル型触媒は、効果的にCOを酸化することができる。即ち、図4から、DBBの値がrBBの値の98.5%(即ち、最近接原子間距離の平均値DBBが1.5%短縮した状態)であり、DABの値がrABの値の98%(即ち、最近接原子間距離の平均値DABが2%短縮した状態)であるとき、触媒活性が最も高いことが判る。
以上の結果から、コア粒子を構成する原子A1つ当たりに対するシェル層を構成する原子Bの数は2乃至3であることが好ましいことが判る。また、上述したとおり、コア粒子を構成する原子A1つ当たりに対するシェル層を構成する原子Bの数が1.5以上であれば、コア粒子はシェル層で完全に被覆されていると推定される。
次に、図7にCO吸着エネルギーの測定結果を示す。
CO吸着エネルギーの測定、即ち、COストリッピングボルタンメトリー(CO Srtipping Voltammogram)の測定は、文献:Kishi, A.; Inoue, M.; Umeda, M.; "Scanning Electrochemical Microscopy Study of H2O2 Byproduct during O2 Reduction at Pt/C-Nafion Composite Cathode", J. Phys Chem C 2010, 114, 1110-1116 に示された方法と同様に、マイクロ電極を用いた方法で実施した。0.5モルの硫酸水溶液下で、作用極として空孔に触媒を充填したマイクロ電極、参照電極としてHg/Hg2SO4電極、対極として白金を用いた3電極セルで測定した。印加電圧は、参照電極と可逆水素電極(RHE)の電圧差を別途測定することで、対RHEの値に換算した。先ず、対RHEで0.1ボルトの電圧を印加し、20分保持して表面にCOを飽和吸着させた。その後、20分のアルゴンガスバブリングによって溶液中のCOを除去した後、50ミリボルト/秒の掃引速度で電圧を変化させて酸化電流を測定した。
測定結果を図7に示す。Ru1.0Pt2.3の実施例1のコア・シェル型触媒(図7の「A」参照)、及び、Ru1.0Pt9.0、の実施例1のコア・シェル型触媒(図7の「B」参照)は、バルクの白金(図7の「D」参照)、白金微粒子(図7の「C」参照)よりも、COの酸化開始電位が低い。即ち、実施例1のコア・シェル型触媒はCO吸着エネルギーが低いことを示している。
実施例1のコア・シェル型触媒にあっては、遷移金属から成るコア粒子の結晶性を高め、シェル層の成長速度を調整することにより、シェル層がコア粒子の結晶面(ファセット)に対してエピタキシャル的に成長する。その結果、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBB、及び、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの間の最近接原子間距離の平均値DABを、原子半径の単純和(コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBB)より小さくするような格子歪みを、シェル層に導入することができる。それ故、従来の合金系やコア・シェル型の触媒と異なり、低配位数のサイトを含むシュル層の全サイトに対してdバンドセンターの値を下げることができる結果、シェル層を構成する原子Bに対するCO結合を弱める効果をもたらし、シェル層のCO吸着エネルギーを低減することができ、一層効果的にリガンド効果に基づくCO被毒の低減を達成することができる。しかも、コア粒子はシェル層で被覆されているので、コア粒子を構成する材料の溶出を防ぐことができる。そして、以上の結果として、従来の触媒微粒子より被毒耐性が高く、高い活性、耐久性を有し、経時劣化が生じ難いコア・シェル型触媒を得ることができる。尚、単原子層完全被覆の場合が最も活性が高いと考えられる。
実施例2は実施例1の変形である。実施例2のコア・シェル型触媒にあっては、第1の遷移金属はニッケル(Ni)であり、第2の遷移金属は白金(Pt)である。実施例2のコア・シェル型触媒は、以下に説明する方法で製造することができる。
即ち、アセチルアセトン酸ニッケル0.173グラムとオレイルアミン0.542グラムを100゜Cでよく混合し、ニッケル−オレイルアミン錯体を調製した。そして、トリブチルホスフィン20グラムにケッチェンブラック(カーボンブラック)0.15グラムをよく分散させた分散液を220゜Cまで加熱し、ニッケル−オレイルアミン錯体を一気に加えてよく混合し、200゜Cで1時間保持した。得られたカーボンブラック担持ニッケル・ナノ粒子を、遠心分離で回収後、テトラヒドロフランでよく洗浄した。得られたニッケル・ナノ粒子(コア粒子)の平均粒径は2.5nmであった。また、このニッケル・ナノ粒子の結晶構造は、面心立方(FCC)格子構造であった。
次いで、カーボンブラックに担持されたニッケル・ナノ粒子を50ミリリットルのイオン交換水に超音波を用いて分散させ、これにテトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH4)の6.6モル/リットル水溶液と塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)の0.97モル/リットル水溶液とを非常にゆっくりと(いずれも1ミリリットル/時で)滴下し、白金(IV)イオンを還元して、ニッケル・ナノ粒子の表面上に白金から成るシェル層を形成した。滴下は、白金とニッケルのモル比が、調製しようとするコア・シェル型触媒におけるモル比の設定値(仕込みのモル比)1:1になるまで行った。尚、得られたシェル層の厚さは1.5原子層であった。シェル層の厚さは、モル比を変化させることで制御することができる。
実施例2のコア・シェル型触媒を、O2を還元する触媒として使用した。図8に活性比(Specific Activity)を測定した結果を示すが、実施例2のコア・シェル型触媒は、白金・ナノ粒子と比較して、高い活性比を有していることが判った。尚、O2の還元は、以下の反応に基づいている。また、図8の縦軸は電流密度(単位:マイクロアンペア/cm2)である。
2 + 4H+ + 4e- → 2H2
実施例3は、本開示の電極及び燃料電池に関する。実施例3の燃料電池の模式的な断面図を図9に示す。ここで、実施例3の燃料電池は、DMFC(直接型メタノール燃料電池)である。実施例3の燃料電池は、対向する一対の電極を少なくとも備え、少なくとも一方の電極(具体的には負極、アノード電極、燃料極)は、実施例1あるいは実施例2において説明したコア・シェル型触媒を含有する電極から成る。ここで、電極(負極、アノード電極、燃料極)は、具体的には、カーボンブラックに担持されたコア・シェル型触媒から成る。
燃料電池は、正極(触媒電極)22a、負極(触媒電極)22b、及び、高分子電解質膜23を備えている。具体的には、燃料電池は、膜・電極接合体(MEA)40、及び、膜・電極接合体40を挟むセパレータ50,60から構成されている。そして、膜・電極接合体40は、導電性のガス拡散層24a、正極22a、プロトン伝導性複合電解質から成る高分子電解質膜23、負極22b、及び、導電性のガス拡散層24bを接合することで作製されている。高分子電解質膜23は、正極22a及び負極22bによって挟まれている。また、正極22aはガス拡散層24aによって保持されており、負極22bはガス拡散層24bによって保持されている。更には、正極22a及びガス拡散層24aによってアノード20が構成され、負極22b及びガス拡散層24bによってカソード30が構成される。燃料供給部(セパレータ50)には、入口26a、通路(流路)27a、出口28aが設けられており、酸素供給部(セパレータ60)には、入口26b、通路(流路)27b、出口28bが設けられている。
そして、燃料25としてのメタノール水溶液が、燃料供給部(セパレータ50)の入口26aから流路27aへと流され、ガス拡散層24aを通過して、ガス拡散層24aによって保持された正極22aに到達する。正極22aでは、以下に示すアノード反応に従って、正極22a上でメタノールと水とが反応し、水素イオン、電子、二酸化炭素が生成され、二酸化炭素を含む排ガス29aが出口28aから排出される。
生成された水素イオンは、高分子電解質膜23中を通過して負極22bに達する。一方、生成された電子は、ガス拡散層24a、外部回路70、ガス拡散層24bを経由して、負極22bに到達する。
一方、空気又は酸素35が、酸素供給部(セパレータ60)の入口26bから流路27bへと流され、ガス拡散層24bを通過して負極22bに到達し、カソード反応に従って、負極22b上で水素イオン、電子、酸素が反応し、水が生成され、水を含む排ガス29bが出口28bから排出される。
全反応は、メタノールと酸素から電気エネルギーを取り出して、水と二酸化炭素を排出するという、メタノールの燃焼反応となる。
[アノード反応]
CH3OH + H2 → CO2 + 6H+ + 6e-
[カソード反応]
(3/2)O2 + 6H+ + 6e- → 3H2
[全反応]
CH3OH + (3/2)O2 → CO2 + 2H2
高分子電解質膜23によって、アノード20とカソード30とが隔てられており、高分子電解質膜23を通して水素イオンや水分子が移動する。高分子電解質膜23は、水素イオンの伝導性が高い膜であり、化学的に安定であって、機械的強度が高いことが好ましい。
正極22a、負極22bは、ガス拡散層24a、24b上に密着して形成されている。ガス拡散層24a、24bは、ガスや溶液に対して透過性を有し、集電体である導電性の基体を構成する。ガス拡散層24a、24bは、例えば、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属等の多孔性材料から作製されている。燃料電池の駆動によって生じる水によるガス拡散効率の低下を防止するために、ガス拡散層24a、24bはフッ素樹脂等で撥水処理されている。
正極22a、負極22bは、実施例1あるいは実施例2において説明したコア・シェル型触媒が担持された担体から成り、担体は、プロトン伝導性高分子電解質によって結着されることで、形成されている。担体は、例えば、アセチレンブラック、黒鉛のような炭素、アルミナ、シリカ等の無機物微粒子から構成されている。プロトン伝導性高分子電解質を溶解させた有機溶剤に無機物微粒子(実施例1あるいは実施例2において説明したコア・シェル型触媒を担持したカーボンブラック)が分散された溶液を、ガス拡散層24a、24bに塗布し、有機溶剤を蒸発させる。こうして、プロトン伝導性高分子電解質によって結着された膜状の正極22a、負極22bを形成することができる。
高分子電解質膜23は、ガス拡散層24a、24b上に密着して形成された正極22a、負極22bによって挟持されており、膜・電極接合体(MEA)40が形成される。正極22a、負極22bと高分子電解質膜23は接合され、接合界面で水素イオンの高い伝導性が保持され、電気抵抗が低く保持される。
尚、図9に示した例では、燃料25の入口26a、排ガス29aの出口28a、空気又は酸素(O2)35の入口26b、排ガス29bの出口28bの各開口部が、高分子電解質膜23、正極22a、負極22bの面に垂直に配置されているが、これらの各開口部が、高分子電解質膜23、正極22a、負極22bの面に平行に配置されている構成とすることもでき、これらの各開口部の配置に関して種々の変形が可能である。
図9に示す燃料電池の製造は、各種文献において公知の一般的な方法を利用することができるので、製造方法に関する詳細な説明は省略する。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明したコア・シェル型触媒や電極、燃料電池の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができるし、実施例において説明したコア・シェル型触媒の製造条件も例示であり、適宜、変更することができる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[1]《コア・シェル型触媒》
第1の遷移金属から成るコア粒子、及び、第1の遷移金属とは異なる第2の遷移金属から成り、コア粒子を被覆するシェル層から構成され、
コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DAB、及び、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBと、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBBとは、
1×10-2≦(rAB−DAB)/rAB≦1×10-1
1×10-2≦(rBB−DBB)/rBB≦1×10-1
なる関係を満足するコア・シェル型触媒。
[2]シェル層はコア粒子に対してエピタキシャル的に成長している[1]に記載のコア・シェル型触媒。
[3]全体として面心立方格子状の最密充填構造を有し、コア・シェル型触媒の表面は{111}面及び{002}面を有する[2]に記載のコア・シェル型触媒。
[4]第1の遷移金属は、ニッケル、銅、パラジウム、銀、金、イリジウム、ルテニウム、チタン、コバルト、オスミウム、鉄、クロム、モリブデン及びタングステンから成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属である[1]又は[3]に記載のコア・シェル型触媒。
[5]第2の遷移金属は、白金、ニッケル、銅、パラジウム、銀及び金から成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属である[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒。
[6]第1の遷移金属はルテニウムであり、第2の遷移金属は白金である[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒。
[7]第1の遷移金属はニッケルであり、第2の遷移金属は白金である[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒。
[8]COを酸化する[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒。
[9]O2を還元する[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒。
[10]《電極》
[1]乃至[6]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒を備えた電極。
[11]《燃料電池》
対向する一対の電極を少なくとも備え、
少なくとも一方の電極は、[1]乃至[7]のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒を備えて電極から成る燃料電池。
[12]一方の電極は負極を構成する[11]に記載の燃料電池。
[13]直接型メタノール燃料電池から成る[11]又は[12]に記載の燃料電池。
11・・・コア粒子、12・・・シェル層、20・・・アノード、22a・・・正極、22b・・・負極、23・・・高分子電解質膜、24a,24b・・・ガス拡散層、25・・・燃料(CH3OH+H2O)、26a,26b・・・26a,26b、27a,27b・・・通路(流路)、28a,28b・・・出口、29a,29b・・・排ガス、30・・・カソード、35・・・空気(O2)、40・・・膜・電極接合体(MEA)、50・・・セパレータ(燃料供給部)、60・・・セパレータ(酸素供給部)、70・・・外部回路

Claims (13)

  1. 第1の遷移金属から成るコア粒子、及び、第1の遷移金属とは異なる第2の遷移金属から成り、コア粒子を被覆するシェル層から構成され、
    コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの最近接原子間距離の平均値DAB、及び、シェル層を構成する原子B間の最近接原子間距離の平均値DBBと、コア粒子を構成する原子Aとシェル層を構成する原子Bの金属結合半径rAB、及び、シェル層を構成する原子Bの金属結合半径rBBとは、
    1×10-2≦(rAB−DAB)/rAB≦1×10-1
    1×10-2≦(rBB−DBB)/rBB≦1×10-1
    なる関係を満足するコア・シェル型触媒。
  2. シェル層はコア粒子に対してエピタキシャル的に成長している請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  3. 全体として面心立方格子状の最密充填構造を有し、コア・シェル型触媒の表面は{111}面及び{002}面を有する請求項2に記載のコア・シェル型触媒。
  4. 第1の遷移金属は、ニッケル、銅、パラジウム、銀、金、イリジウム、ルテニウム、チタン、コバルト、オスミウム、鉄、クロム、モリブデン及びタングステンから成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属である請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  5. 第2の遷移金属は、白金、ニッケル、銅、パラジウム、銀及び金から成る群から選択された少なくとも1種類の遷移金属である請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  6. 第1の遷移金属はルテニウムであり、第2の遷移金属は白金である請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  7. 第1の遷移金属はニッケルであり、第2の遷移金属は白金である請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  8. COを酸化する請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  9. 2を還元する請求項1に記載のコア・シェル型触媒。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒を備えた電極。
  11. 対向する一対の電極を少なくとも備え、
    少なくとも一方の電極は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のコア・シェル型触媒を備えて電極から成る燃料電池。
  12. 一方の電極は負極を構成する請求項11に記載の燃料電池。
  13. 直接型メタノール燃料電池から成る請求項11に記載の燃料電池。
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