JP2013162079A - 波長掃引光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリゴンミラーを用いた従来技術の波長掃引光源では、発振波長は、時間に対してやや上に凸で概ね線形的に変化する。一方、SS−OCTの波長掃引光源では、時間軸上で、波数(波長の逆数)が直線的に変化するように、波長変化することが求められる。従来技術の波長掃引光源ではこのような波長変化を実現できず、得られるOCTイメージに非線形な歪が生じ、点像をシャープに保つことができない問題があった。
【解決手段】本発明は、ポリゴンミラーを利用した波長掃引光源において、リトマン配置で端面鏡および回折格子を配置して波長フィルタを構成し、回折格子として凹面形状の凹面回折格子を使用する。凹面回折格子を使用することによって、波数が時間に対して直線的に変化するような波長変化を生じさせることが可能となる。凹面回折格子の入射角度および出射角度を逆符合として、さらにポリゴンミラーの反射面の位置と凹面回折格子の位置関係を最適化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学機器や電子機器等に使用可能な光源に関する。より詳細には、波長掃引した光を利用したイメージングに使用可能な波長掃引光源に関する。
光学機器を使ったイメージング技術は、カメラやプリンタ、ファクシミリなどの民生用の電子機器だけでなく、医療分野にも広がっている。生体内部の断層を非侵襲的にイメージングするために、既に、X線を使用したX線撮影や超音波を使用した診断が広く利用されている。X線を使用した方法は、被爆の問題のため使用頻度や使用部位に大幅な制限があり、また、その分解能はフィルムの等倍撮影の分解能に制限される。超音波を使用した方法は、被爆の問題がないためX線のような使用の制限は無いが、分解能は通常1cm程度に過ぎない。したがって、細胞レベルサイズでのイメージングは不可能である。
医療現場では、生体表皮下の断層イメージをミクロンオーダーの分解能で生成することのできる新たな技術が望まれていた。これを実現する技術として、1990年代から開発が進められてきた光コヒーレントトモグラフィー(Optical Coherence Tomography:以下OCTと呼ぶ)が知られている。
OCTは、マイケルソン干渉計の原理を利用しており、低コヒーレンスな光を光源として使用して、この低コヒーレンス光を生体へ照射する。参照光と生体からの反射光との干渉光に基づいて、生体表皮下のイメージが得られる。OCTは、網膜の診断のために眼科の必須の診断機器として実用化されている。
図3は、OCTの基本原理を説明する図である(非特許文献1)。以下、簡単に基本原理の概要のみを述べる。低コヒーレンス光源1からは、コヒーレンス長ΔlCを持つ低コヒーレンスな光が、生体4への入射光として供給される。光源1からの出射光6は、ビームスプリッタ2に入射して2等分される。2等分された光の一方の光7は可能ミラー3へ進み、可動ミラー3において反射して、再び参照光8としてビームスプリッタ2へ向かう。2等分された光のもう一方の光9は、生体4の内部の異なる深さの反射面A、BまたはCにおいて反射を受け、それぞれ信号光11a、11b、11cが得られる。各信号光は、ビームスプリッタ2を経て、参照光10と干渉する。この干渉によって、生体中の余分な散乱によって波面が歪んだ反射光は取り除かれ、元の平面波を維持した反射光のみが選択的に検出される。
ここで、反射面Aで反射する光が干渉を生じるのは可動ミラー3がA´の位置にある場合である。このときビームスプリッタ2の中心と可動ミラー3との距離をLR、ビームスプリッタ2の中心と反射面Aとの距離をLSとすると、次式の関係を満たすときに、参照光と信号光とが干渉して、光検出器5から電気信号が得られる。
|LR―LS|<ΔlC 式(1)
上式は、反射面Aおよび可能ミラーの位置A´、反射面Bおよび可能ミラーの位置B´、反射面Cおよび可能ミラーの位置C´に、それぞれ一対一に対応して成り立つ。従って、可動ミラー3を連続的に一定速度vで移動させることによって、生体4内に光軸(z軸)方向に沿った生体表皮下の反射光強度分布を、ΔlCの空間分解能で測定することができる。スキャンミラーなどによって生体への入射光をx方向にスキャンすることによって、x−z面内の生体表皮下の反射光強度分布が得られ、これが最終的なOCTイメージとなる。図3におけるマイケルソン干渉計の構成は、光ファイバカップラーを利用することができるため、臨床現場にも十分利用可能な検査機器が実現されている。
図3に示した構成のOCTでは、可動ミラーを移動させてイメージデータを時系列に取得するため、時間領域(Time Domain:TD)OCT(以下TD−OCT)と呼ばれる。TD−OCTでは、質量を持つ可動ミラーを移動する必要があるため、スキャン速度に限界がある。診断の状況によって生体自体を完全に固定するのが難しいことが多く、できるだけ短時間でスキャンを行なって必要なイメージデータを得るのが好ましい。また、生体内で血管が存在する深さの部分までスキャンを行うと、血管内を移動する赤血球による散乱のためにイメージ取得に困難が生じる。このため、OCTでは、できるだけ速く深さ方向の情報を取得したい要請があった。
そこで、干渉信号をフーリエ変換して光軸に沿った反射光強度を求めるフーリエ領域(Fourier Domain:FD)−OCT(以下FD−OCT)が提案された。FD−OCTでは、図3の光検出器5の前に、生体からの信号光を各波長の光に分解する分光器を配置して、干渉スペクトルを光検出器の検出器要素アレイで検出する。すなわち各波長に対応した、多数の検出器要素素子が配置された並列ディテクタによって、干渉スペクトルを求める。並列ディテクタで検出したスペクトルをフーリエ変換して、光軸に沿った反射光強度部分布が得られる。しかしながら、FD−OCTにおいては、多数の検出器要素素子を持った並列ディテクタが必要となる。多い場合には1000個を越える検出器要素素子において、同時に、各波長の信号を検出する必要がある。このような並列ディテクタは、1.1μm以下の波長帯域でシリコンCCDによるものが実現されているだけであって、より長い波長においては並列ディテクタの入手が難しい。
従って現時点でFD−OCTは、可視光が利用可能な網膜診断などには適用可能であるが、より長波長領域での動作を必要とする皮膚等の組織に対するOCTには適用できない。また、血管の断層イメージングなどに適用するにあたっては、赤血球のヘモグロビンによる散乱のために1.3μm程度まで長波長側の光を使用しないと、ヘモグロビンによる吸収が無視できない。一方で、光源の波長が1.5μm近傍にまで至ると、今度は水による吸収が顕著となる。1.6μmを越えると、光検出器の入手に困難が生じる。これらの理由のため、皮膚等に対してOCTを利用するためには、1.3μm帯の光源を使用したい要請があった。
そこで新たに注目されているのが、FD−OCTを変形して、光源の周波数の掃引を行う掃引光源(Swept Source:SS)―OCT(以下SS−OCT)である。SS−OCTでは、FD−OCTのようにコヒーレンス光源からの光を生体に照射して得られた信号光を分光器によって分光して、一度に多数に波長の信号を生成するのでなく、光源波長を規則正しく掃引する。光源からの光の波長掃引を行うことによって、1つの検出器を使用して、時分割で各波長の信号を検出できる。すなわち、FD−OCTでは分光器によって空間的な位置によって波長分割していたのに対して、SS−OCTでは時間によって波長分割を行って、検出器を1つで済ませることができる。多数の検出器要素素子を持った並列ディテクタが不要となり、検出器の選択の制限が無くなるため、1.3μm帯域の光源も使用できる。
図4は、SS−OCTの原理を説明するための模式的に示した図である(非特許文献1)。SS−OCTでは、生体24に対して、光周波数(波長)掃引光源21から、時間に対して直線的にその光周波数を掃引した光信号26を供給する。光周波数掃引光源21は、例えば、波長可変レーザが使用される。図4に示したSS−OCTにおいては、ミラー23はその位置を固定されている。ビームスプリッタ22の中心とミラー23の距離をLR、ビームスプリッタ22の中心と生体表面31との距離をLSとすると、LR=LSとなるように各要素が配置されている。
このとき、参照光28と、生体内の反射面32および反射面33からのそれぞれの反射光29b、29cとの光周波数の差は、時間に関係なく一定となる。これらの光周波数の差をf2およびf3とすれば、参照光28と反射光29b、29cとの干渉によって、反射面32および反射面33に対応したビート周波数f2、f3が混在した信号光が得られる。この信号光をフーリエ変換すると、ビート周波数f2、f3における反射光強度が得られる。光源21からの光周波数が直線的に掃引されれば、ビート周波数f2、f3と、深さd2、深さd3は正比例する。生体内では、各所から反射光が生じるため、干渉光をフーリエ変換することによって、光軸(z軸)方向に沿った、反射光強度の分布を得ることができる。x軸方向にもビームスキャンを行えば、x−z面内でのOCTイメージが得られる。
SS−OCTでは、光検出器25は、異なるビート周波数の干渉光が混在した信号光を単一の検出素子で検出すれば良いので、従来のFD−OCTのように並列ディテクタが不要となる。皮膚等の診断に好適な1.3μm帯域の掃引光源を使用することが可能となる。SS−OCTは、光ファイバカプラを使用した安定な構成、可動ミラーが不要なことによる高速イメージ取得、および多様な光検出器の利用容易性から、眼科診療以外の領域においてもさらに実用化が進められている。
国際公開公報WO2006/137408 明細書
春名正光 「光コヒーレンストモグラフィーの進展」、応用物理 第77巻 第9号、p1085−1092、2008年
上述のSS−OCTにおいては掃引、光波長掃引光源が重要な構成要素の一つとなる。従来技術における光波長掃引光源としては、例えば、ポリゴンミラーを用いたものが用いられていた。
図5は、従来技術のポリゴンミラーを用いた波長掃引光源の構成を示した図である。この波長掃引光源100は、ポリゴンミラー120と、リトロー構成で配置された回折格子106および利得媒質101などからなるレーザ発振器とから構成される。レーザ発振器は、利得媒質101の両端に集光レンズ102、111を備え、出力結合鏡112から出力光113が得られる。利得媒質101からの入射光はポリゴンミラー120の反射面Aにおいて反射して、次の回折格子方程式の条件を満たす入射角θ(110)で回折格子106に入射する。
2Λsinθ=mλ 式(2)
上式で、Λは回折格子のピッチであり、λは発振波長、mは回折次数である。
発振光は、回折格子106において入射角と同じ出射角θで反射して、回折格子106と出力結合鏡112との間の光路を往復する。ポリゴンミラー120は、一定速度で方向121の向きに回転するため、ポリゴンミラー120の反射面Aにおける発振光の入射・反射角が回転と共に周期的に変化する。従って、回折格子106への入射角θによって、回転とともに、式(2)によって決まる発振波長λが変化する。ポリゴンミラー120は、一定回転速度で回転するため、回折格子106への入射(反射)角θは、等速に変化する。従って、波長掃引光源100の発振波長λは時間に対して概ね直線的に変化する。
図6は、ポリゴンミラーを用いた従来技術の波長掃引光源によって得られる発振波長の時間変化を示した図である。実線40で示したように発振波長は、横軸の時間tに対してやや上に凸であって概ね線形的(直線的)に変化している。しかしながら、SS−OCTに対して求められる波長の時間変化のプロファイルは、ポリゴンミラーを用いた波長掃引光源によって得られるような、発振波長が線形に変化するような時間変化とは異なるものであった。
ここで、再び図3で説明したOCTの基本原理を参照する。OCTにおいては、生体内部を光軸(z軸)方向に直線性良く線形的にスキャンするためには、参照光7、8の遅延時間が線形的に変化する必要がある。言い換えると、可動ミラー3の位置が、可動範囲の全域においてA´からC´に向かって等速に移動することによって、生体内も等速にスキャンされる。このような動作が、OCTイメージの線形性の観点から、最も理想的となる。ミラーが等速に移動しないと、結果として得られるOCTイメージは、光軸(z軸)方向について非線形で歪曲したものとなる。
さらに、上記の可動ミラーの等速移動の理想動作を、図4のSS−OCTの構成へ適合する場合を考える。ミラーの位置をフーリエ変換すると、位置の逆数となる。位置の逆数は、すなわち波数に相当する。したがって、時間とともに、波数(波長の逆数)が直線的に変化するように、波長が変化するような波長掃引光源が理想的となる。そうでないと、生体内の一つの反射面に対応するビート周波数が単一でなくなり、その結果、OCTイメージの尖鋭度が損なわれる。
図6には、波数が時間に対して直線的に変化する場合の波長変化を、破線41によって、望ましい波長変化として同時に示してある。ポリゴンミラーを用いた従来技術の波長掃引光源の場合の波高変化と見比べて、下に凸に湾曲し、発振波長が長波長側(図6の縦軸の上方側)となるほど変化率が増えるような波長変化プロファイルが適切である。
しかしながら、ポリゴンミラーを用いている場合、ポリゴンミラーは大きな慣性モーメントを持っているため、一定回転速度以外の方法で回転速度を制御することは極めて困難である。また、図6に示したポリゴンミラーを使用した従来技術による、上に凸であって概ね直線状の波長変化は、式(2)の回折格子方程式のsin項によって規定される形状であって、通常の手段を用いてもこの湾曲の向きを変えることは出来ない。
上述のように、従来技術の波長掃引光源では、SS−OCTに適合した波長変化を実現することができず、尖鋭なOCTイメージが得られない問題があった。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、OCTイメージの深さ方向の線形性のひずみを排除し、尖鋭なOCTイメージを得ることが可能であって、SS−OCTに適用可能な波長掃引光源を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、利得媒質と、前記利得媒質の一端からの光が入射する回折格子と、前記回折格子への前記入射光の回折光が直入射する端面鏡を含み、前記回折格子を介して前記利得媒質と前記端面鏡を包含する共振器を備えた波長可変光源において、前記回折格子と前記利得媒質との間の光路上に配置され、回転軸に対して複数の反射面を有する回転多面体であって、前記複数の反射面の内の少なくとも1つの反射面における反射によって、前記回折格子と前記利得媒質とを光学的に結合する回転多面体を備え、前記回折格子の回折面は、半径Rを有する円弧面によって定義される凹面形状をしており、前記回折格子への前記回転多面体の前記反射面からの光入射角θと、前記回折格子への前記端面鏡側からの光入射角φとは逆の符合の関係にあることを特徴とする波長可変光源である。
請求項2に係る発明は、請求項1の波長可変光源において、前記波長可変光源の中心波長において、前記回転多面体からの光入射角をθ、前記回折格子への前記端面鏡側からの光入射角をφとして、前記回転多面体の1つの反射面上の反射中心の位置をC、前記回折格子の前記凹面上における光入射点をOとするとき、前記光入射点Oを接点として含む半径R/2の円と線分OCの延長線との交点をSとして、内分比gを
Figure 2013162079
とするとき、反射中心Cの位置が
Figure 2013162079
を満たすように前記回転多面体が配置されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明は、SS−OCTに適合した波長変化を実現する波長掃引光源を提供することができる。時間軸上の波長変化が、波数について直線的に変化するプロファイルを持つ波長掃引を実現することで、OCTイメージの線形性を大幅に改善し尖鋭なOCTイメージを得ることができる。
図1は、本発明の波長掃引光源の構成を示した図である。 図2は、本発明の波長掃引光源における共振器の幾何学モデルを示す図である。 図3は、OCTの基本原理を説明する図である。 図4は、SS−OCTの原理を模式的に示した図である。 図5は、従来技術のポリゴンミラーを用いた波長掃引光源の構成を示した図である。 図6は、従来技術のポリゴンミラーを用いた波長掃引光源によって得られる発振波長の時間変化を示した図である。
本発明は、ポリゴンミラーを利用した波長掃引光源において、リトマン配置で回折格子とポリゴンミラーの反射面を配置するとともに、回折格子として凹面形状の凹面回折格子を使用することを特徴とする。凹面回折格子を使用することによって、波数が時間に対して直線的に変化するような波長変化を生じさせることが可能となる。以下、最初に本発明の波長掃引光源の構成について詳細に説明する。さらに、波数が時間に対して直線的に変化するような波長変化を生じさせるためのポリゴンミラー反射面の最適な位置について説明する。
図1は、本発明の波長掃引光源の構成を示した図である。図5に示した従来技術の構成のポリゴンミラーを含む波長掃引光源がリトロー配置の構成であったのに対し、本発明の波長掃引光源200は、端面鏡210、凹面回折格子209および利得媒質201などがリトマン配置で構成されている。
利得媒質201は、第1の集光レンズ212および第2の集光レンズ202の間に配置されている。利得媒質201は、第2の集光レンズ202を経て、凹面回折格子209および直入射する端面鏡210から構成される波長フィルタに結合されている。第1の集光レンズ211は、出力結合鏡212に相対しており、このようにして出力結合鏡212と端面鏡210を両端とする光共振器が構成される。出力結合鏡212から、この光共振器によるレーザ作用による出力光213が得られる。
利得媒質201と、凹面回折格子209との間の光路上には、回転軸に並行な複数の反射面を有する回転体であるポリゴンミラー220が配置されている。利得媒質201と、凹面回折格子209とは、ポリゴンミラーの1つの反射面Aを介して光学的に結合されている。図1では、凹面回折格子209は、模式的に描いており、端面鏡210、ポリゴンミラー220との相対的な大小関係や、凹面回折格子209の大きさとグレーティングのピッチとの関係は、実際の構成とは異なる。また、ポリゴンミラー220は、12面体構成として記載されているが、この構成に限定されないし、必ずしも12の反射面のうちのすべての反射面が利用される必要はない。また、利得媒質201および凹面回折格子209が、反射面における反射により光学的に結合されれば、回転軸に対して反射面が傾斜していても構わない。
上述の波長フィルタにおいて、凹面回折格子210へのポリゴンミラー220の反射面Aに面する側からの入射角θの絶対値は、通常、端面鏡210に面する側からの入射角φの絶対値と比較して、大きく設定される。その結果、回折格子209への回折格子入射光束207と比べて、回折格子出射光束208が伸張され、太く広がり角の小さい光束として端面鏡210で反射される。このため、波長フィルタの選択波長幅を狭窄化することができる。選択波長の掃引は、ポリゴンミラー221の回転とともに、ポリゴンミラー220の1つの反射面における発振光の入射角度および反射角度が変化して、回折格子206への入射角φを変えることによって行われる。
ポリゴンミラー220が回転方向221で回転するのに従って、反射面Aにおける発振光の入射角度および反射角度は最大偏向角の範囲で周期的に変動する。図1では、各角度が周期的変動の中心にある状態(初期入射状態)のときの反射点の位置を反射中心Cとしている。凹面回折格子209への入射角θの変動の挙動は、凹面回折格子209と、反射中心Cすなわちポリゴンミラーとの位置関係によって決まる。凹面回折格子209と反射中心Cとの位置関係を最適に設定することで、ポリゴンミラーが等速回転をして凹面回折格子209への入射角θが等速に変化しても、時間軸上の発振波長の変化が、波数について直線的に変化するプロファイルを持つような波長掃引を実現できる。以下、幾何学モデルに基づいて、凹面回折格子を利用した場合の発振波長の掃引動作を検討し、時間軸上の波長の変化が、波数について直線的に変化するプロファイルを持つ波長掃引を実現するための条件を求める。
図2は、本発明の波長掃引光源における共振器の幾何学モデルを示す図である。図2において、共振器は出力結合鏡512、凹面回折格子506および端面鏡510から構成される。図2の幾何学モデルでは、入射角θ、φなどに影響を与えない波長掃引光源の構成要素は省略している。また、ポリゴンミラーの反射中心Cよりも出力結合鏡512側においては、発振光が直進するものとしてモデルを簡略化している。すなわち、出力結合鏡512、凹面回折格子506、端面鏡510上で、発振光のそれぞれに対応する入射点P、O、Qを結んだ折れ線が、中心波長に対する共振器内光路を表す。このP、O、Qを結んだ折れ線の状態を、簡単のため初期入射状態と呼ぶ。
凹面回折格子506への出力結合鏡側(ポリゴンミラー)からの入射角をθ、直入射端面鏡510側からの入射角をφとする。凹面回折格子506の曲率半径をRとするとき、凹面回折格子506の溝が形成される凹面は、回折格子曲率中心K514を中心とする円弧520によって表されている。
最適な反射中心C、すなわちポリゴンミラーの位置を決定するために、ここで、凹面回折格子の凹面の底Oにおいて接する半径R/2の補助円530を作図する。この補助円530と、反射中心Cからの入射方向との交点をSとして、ポリゴンミラーの反射中心CのOからの距離l2を、弦OSの長さで規格化してgと表す。弦OSの長さは量Rcosθであるから、g=l2/(Rcosθ)の関係が成り立つ。さらに、共振器の残余の光路長をl1とする。
ポリゴンミラーの回転によって生じる反射角の変化δによって、凹面回折格子506への入射角θはθ―(1−g)δに変じ、またこのとき、入射角φにもφ+gδへの変化が生じる。これらに伴って発振波長λが、次式の回折格子公式に従って変化する。
Figure 2013162079
式(3)において、Λは凹面回折格子のピッチを、mは回折次数をそれぞれ表す。凹面回折格子の場合、初期入射状態から入射点の位置が変化すると、凹面回折格子の曲率中心K514の周りに入射法線も変化する。入射法線の変化角度は、補助円530上の交点SからO〜O´への入射点変化を見込む角γに等しく、また小さい角についてγ=gδ が良い近似で成り立つため、式(3)の回折格子公式が得られる。
ポリゴンミラーの回転による入射角θおよびφの変化と同時に、発振器内の光路は、共振器内光路をP、C、O´、Q´を結んだ折れ線へと変化する。ここで、新たな光路と、中心波長に対する元の光路との間の長さの差Δlを求めると、次式を得る。
Figure 2013162079
式(4)の中で、右辺第1項はCO´、 第2項はO´Q´に関る変化分である。正の偏向角 に対して第1項は常に負であるが、第2項はφの符号によって負にも正にもなり得る。
図6の波形40で示したように、従来技術のポリゴンミラーを用いた波長掃引光源では、時間軸上での発振波長の変化は、横軸の時間tに対してやや上に凸の形状であって概ね線形的(直線的)に変化していた。時間軸上で、発振波長が波数に対して直線的に変化するためには、ポリゴンミラーの一定角速度の回転にともなって、波形41で示したように、逆に下に凸の形状の波長変化を生じなければならない。
ここで、本発明の波長掃引光源における式(3)に注目すると、出射角度φの符合が入射角度θの符合と異なれば、λの時間変化は下に凸の形状で変化することが実現できる。λのδについての2次の微係数は、δ=0において、−(g−1)2 sinθ−g2 sinφに比例する。これら三角関数につく係数は常に正であるが、sinθとsinφの符号は、角θ、φの正負に応じて変化し得る。従来の平面回折格子は、曲率半径が無限大と見なせるので、回転中心の位置によらず、g=0であり、第1項のみに留まっていた。このため、この微係数は常に負で、発振波長の時間変化は上に凸に限られた。
これに対し本発明において、第2項が存在し、それの第1項に対する相対的な大きさは、g如何によって変化し得る。もし、このような第2項の符号が第1項と逆であって、かつ絶対値で第1項を上回れば、発振波長の時間変化を下に凸に設定し得る。そのための必要条件は、2つの三角関数の符号が逆であること、すなわちθとφの符号が異なることとなる。すなわち、この条件を満たすとき、λのδについての2次の微係数が正となり、発振波長の時間変化は下に凸の形状の変化が実現できる。
さらに、式(3)において、1/λのδについての2次の微係数をゼロとする条件を求めると、gを次式のように選択すれば良い。
Figure 2013162079
上式における入射角θ、φは、掃引波長の可変範囲内の中心波長で発振している初期入射状態における凹面回折格子への各入射角である。すなわち、初期入射状態における反射中心Cの位置を、凹面回折格子の中心Oと、補助円530の交点Sとによってできる弦OSについて規格化した値である内分比gが、式(5)の値となる位置に反射中心Cを設定すれば良い。すなわち、式(5)で決定するgの位置にポリゴンミラーを配置すれば良い。このとき、時間軸上で、波数について直線的に変化するプロファイルを持つ波長掃引を実現できる。
本発明の波長掃引光源では、式(3)に表されるように、発振波長λが2つのsin項の中の新たなパラメータgにより決定される。また、内分比gについては0<g<1の関係から、式(3)における2つのsin項においてgの符合は逆となっている。したがって、従来技術の構成の波長掃引光源の波長が単純なsin項のみを含む式(2)と比べて、式(3)では、波長変化の時間変化をより適切に最適化が可能となる。
以上詳細に述べたように、本発明により、SS−OCTに適合した波長変化を実現することができる波長掃引光源を提供することができる。波長変化が、波数について直線的に変化するプロファイルを持つ波長掃引電圧を利用することで、OCTイメージの線形性を大幅に改善し尖鋭なOCTイメージを得ることができる。
本発明は、光信号処理装置に使用できる。特に、光コヒーレントトモグラフィーに利用できる。
1 光源
2、22 ビームスプリッタ
3、23、110 ミラー
4、24 生体
5、25 光検出器
21、100、200 波長掃引光源
31、32、33 反射面
101、201 利得媒質
102、111、202、212 集光レンズ
106、209、506 回折格子
112、212、512 出力結合鏡
120、220 ポリゴンミラー
210、510 端面鏡
219、509 反射中心
514 曲率中心

Claims (2)

  1. 利得媒質と、前記利得媒質の一端からの光が入射する回折格子と、前記回折格子への前記入射光の回折光が直入射する端面鏡を含み、前記回折格子を介して前記利得媒質と前記端面鏡を包含する共振器を備えた波長可変光源において、
    前記回折格子と前記利得媒質との間の光路上に配置され、回転軸に対して複数の反射面を有する回転多面体であって、前記複数の反射面の内の少なくとも1つの反射面における反射によって、前記回折格子と前記利得媒質とを光学的に結合する回転多面体を備え、
    前記回折格子の回折面は、半径Rを有する円弧面によって定義される凹面形状をしており、
    前記回折格子への前記回転多面体の前記反射面からの光入射角θと、前記回折格子への前記端面鏡側からの光入射角φとは逆の符合の関係にあること
    を特徴とする波長可変光源。
  2. 前記波長可変光源の中心波長において、
    前記回転多面体からの光入射角をθ、前記回折格子への前記端面鏡側からの光入射角をφとして、前記回転多面体の1つの反射面上の反射中心の位置をC、前記回折格子の前記凹面上における光入射点をOとするとき、前記光入射点Oを接点として含む半径R/2の円と線分OCの延長線との交点をSとして、内分比gを
    Figure 2013162079
    とするとき、反射中心Cの位置が
    Figure 2013162079
    を満たすように前記回転多面体が配置されることを特徴とする請求項1に記載の波長可変光源。
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