JP2013158442A - 歩行補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度でセンサ情報を取得し、バッテリの残量推定の誤推定の発生を低減する。
【解決手段】歩行補助装置1は、使用者が膝関節を伸長状態とすることでロック状態となるリンク機構10と、所定のセンサ112と、を有する歩行補助装置であって、リンク機構10の膝軸を駆動するアクチュエータ14と、膝軸の角度を計測する膝軸角度センサ111と、膝軸角度センサ111により取得された値に基づいて立脚状態か遊脚状態かを判定する判定装置12と、膝軸角度センサ111により取得された値に基づいてアクチュエータ14に駆動指令を与えるコントローラ13と、電力を供給するバッテリ15と、を備える。判定装置12が、遊脚状態または立脚状態から遊脚状態への遷移状態であると判定した場合には、バッテリ15の残量推定と、所定のセンサ112からの情報取得のうち少なくとも一方を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、歩行補助装置に関する。
歩行が困難な老齢者などの足の力が弱い人に装着し、股関節や膝関節の動作を補助し、歩行をアシストする歩行補助装置が開発されている。歩行補助装置は、股関節や膝関節に設けられたアクチュエータの回転運動により、下股の動作を補助する。
特許文献1には、人体の腰部に装着される腰部装具と、脹脛部に装着される下腿部装具と、前記腰部装具と下腿部装具との間に介装される連結バーとを備える歩行補助装置が開示されている。特許文献1にかかる歩行補助装置は、人体の関節位置と、アクチュエータの装着位置のずれを吸収し、下腿部における装置のずれの発生を抑制することができる。
特許文献2には、モータ駆動などの大きな負荷の動作を検出したときに、バッテリ電圧監視を停止する電池残量警告制御装置が開示されている。
特許文献3には、使用者の遊脚状態の終了のタイミングを誤判断無く決定し、使用者の歩行状態にあわせて適切に制御を切り替える歩行補助装置が開示されている。
特開2004−344306号公報 特開2006−203989号公報 特開2010−148637号公報
セルフロック機能が無い歩行補助装置では、立脚保持時には常時大出力の保持トルクが必要となる。またセルフロック機能がある歩行補助装置であっても、セルフロック状態ではない状態で着地すると、膝関節屈曲防止のために保持トルクが必要となる。したがって、歩行補助装置の膝関節部には、身体を支えるための大トルクを発生するアクチュエータを備えているが、アクチュエータにより立脚接地時に体重を支えるための大きなトルク出力を発生させる場合には、アクチュエータに大電流を流す必要がある。ここで、アクチュエータを動作させるための大電流は、システムを構成する繊細なセンサに対してノイズ源となり、精確なセンサ情報の取得の障害となる。また、歩行補助装置への大電流が引かれる状況では、バッテリの残量推定において、局所的な電圧降下により誤推定の可能性がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ノイズの影響を受けやすいセンサについて高精度でセンサ情報を取得し、バッテリの残量推定について誤推定の発生を低減する歩行補助装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる歩行補助装置は、使用者が膝関節を伸長状態とすることでロック状態となるリンク機構と、所定のセンサと、を有する歩行補助装置であって、前記リンク機構の膝軸を駆動するアクチュエータと、前記膝軸の角度を計測する膝軸角度センサと、前記膝軸角度センサにより取得された値に基づいて立脚状態か遊脚状態かを判定する判定装置と、前記膝軸角度センサにより取得された値に基づいて前記アクチュエータに駆動指令を与えるコントローラと、電力を供給するバッテリと、を備え、前記判定装置が、遊脚状態または立脚状態から遊脚状態への遷移状態であると判定した場合には、前記バッテリの残量推定と、前記所定のセンサからの情報取得のうち少なくとも一方を停止する。
これにより、アクチュエータを駆動するために大電流を用いている場合には、大電流がノイズ源となるセンサでの値の取得を停止することで、精度が低下した情報を取得しないよう制御する。
高精度でセンサ情報を取得し、バッテリの残量推定の誤推定の発生を低減することができる。
実施の形態1にかかる歩行補助装置のブロック図である。 実施の形態1にかかる歩行補助装置の外観を示す図である。 実施の形態1にかかるリンク機構の構造を示す図である。 実施の形態1にかかる歩行補助装置の動作フローチャートである。 実施の形態1にかかる膝軸とアクチュエータ軸の絶対角度の関係を示す図である。 実施の形態2にかかる歩行補助装置のブロック図である。 実施の形態2にかかる歩行補助装置の動作フローチャートである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明にかかる歩行補助装置1の構成図である。図2は、歩行補助装置1の外観を示す図である。
歩行補助装置1は、4節リンク構造を持つ歩行補助装具である。歩行補助装置1は、リンク機構10と、センサ11と、判定装置12と、コントローラ13と、アクチュエータ14と、バッテリ15と、を備える。
リンク機構10は、4本のリンクで構成される4節リンクである。リンク機構10の4本のリンクは、第1のリンク101と、第2のリンク102と、第3のリンク103と、第4のリンク104を備える。図3は、リンク機構10の詳細な構造を示す図である。
第1のリンク101は、一端が第2のリンク102と接続しており、他端が第3のリンク103と接続している。第1のリンク101と第2のリンク102の接続部を膝軸とする。第2のリンク102は、一端が第1のリンク101と接続しており、他端が第4のリンク104と接続している。第3のリンク103は、一端が第1のリンク101と接続しており、他端が第4のリンク104と接続している。第1のリンク104は、一端が第2のリンク102と接続しており、他端が第3のリンク103と接続している。
第1のリンク101と第2のリンク102を加算した長さは、第3のリンク103と第4のリンク104を加算した長さより長い。また、第2のリンク102は、第3のリンク103より長いものとする。第3のリンク103と第4のリンク104を補助リンクとする。
リンク機構10は、装着者の膝関節が伸長状態のときに、補助リンクの相対角が180°となる。これによりリンク機構10は、装着者が膝を伸ばすだけでセルフロックの状態となり、アクチュエータ14を動作させなくても膝折れを防止する。
センサ11は、膝軸角度センサ111と、所定のセンサ112と、を備える。センサ11は、計測により取得した情報を、コントローラ13と判定装置12に出力する。
膝軸角度センサ111は、膝軸角度の計測を行う。より具体的には、膝軸角度センサ111は、使用者の膝の前後に折れ曲がる方向(ピッチ方向)の角度を計測する。
所定のセンサ112は、例えば抵抗値を用いて測定値を算出するものであり、典型的にはロボットの関節角度を取得する際に利用されるポテンショナルメータである。所定のセンサ112はノイズの影響を受けやすいセンサである。以下では、所定のセンサ112を、ノイズに弱いセンサと記載する場合がある。
判定装置12は、現在の膝関節角度に基づいて、膝軸の絶対角度とアクチュエータ軸の絶対角度との関係が、非線形領域であるか線形領域であるかを判定する。この判定は、4リンク機構の特性上、リンクがある形状になることで、減速とその損失係数が変化してトルク出力が変化し、これによりモータへの電流出力の増加、システムへの影響が考えられるために行う。また判定装置12は、歩行補助装置1の状態が立脚状態であるか遊脚状態であるかを判定する。判定装置12は、判定結果に基づいて、所定のセンサ112からのセンサ情報の取得を停止する。また判定装置12は、判定結果に基づいて、バッテリ15の残量推定の停止をコントローラ13に指示する。
なお典型的には、判定装置12は、膝軸の絶対角度とアクチュエータ軸の絶対角度との関係が非線形領域の場合であっても立脚状態とは判定せず、さらに地面に脚が接地しているか等の情報を利用して立脚状態か遊脚状態かを判定する。
コントローラ13は、センサ11の情報をもとに指令値を算出する。コントローラ13は、アクチュエータ14に駆動指令を出力する。また、コントローラ13は、バッテリ15の残量を推定する。コントローラ13は、バッテリ15の残量が少ないと推定した場合には、電源が失われる前に使用者に残量が少ない旨を提示する。また、コントローラ13は、バッテリ15の使用者に残量が少ない場合に、歩行補助装置1が安全な姿勢となるよう制御する。
アクチュエータ14は、コントローラ13からの駆動指令に基づいて膝関節を動作させる、油空圧的装置である。アクチュエータ14は、バッテリ15からの電源供給を受けて駆動する。
バッテリ15は、歩行補助装置1に電力を供給する。より具体的には、バッテリ15は、センサ11と、アクチュエータ14と、コントローラ13と、判定装置12のそれぞれに電力を供給し、それぞれを駆動させる。
次に、歩行補助装置1の動作について説明する。図4は歩行補助装置1を動作させる際のフローチャートである。
歩行補助装置1を待機状態とする(ステップS11)。
膝軸角度センサ111は、膝軸の角度を取得する(ステップS12)。膝軸角度センサ111で取得された情報は、コントローラ13及び判定装置12に出力される。
判定装置12は、歩行補助装置1の状態が、線形領域であるか否かを判定する(ステップS13)。ここで図5は、膝軸とアクチュエータの減速比を示した図である。具体的には、図5は膝角度の遊脚範囲の線形近似を表した図であり、縦軸が膝軸の絶対角度を示し、横軸がアクチュエータ軸の絶対角度を示す。判定装置12が、歩行補助装置1は遊脚状態であると判定した場合には(ステップS13でYes)、ステップS14に進む。判定装置12が、歩行補助装置1は立脚状態であると判定した場合には(ステップS13でNo)、ステップS15に進む。
判定装置12は、コントローラ13に対し、所定のセンサ112によるセンサ情報の取得停止と、バッテリ15の残量推定の停止を指示する(ステップS14)。コントローラ13は、判定装置12から入力した停止信号に基づいて、センサ11による膝関節軸角度の取得を停止させ、バッテリ15の残量推定を停止する。
所定のセンサ112は、センサ情報の取得を行う(ステップS15)。すなわち、コントローラ13は、ノイズに弱いセンサにセンサ情報を取得させる。
コントローラ13は、バッテリ15の電圧を取得し、バッテリ15の残量を推定する(ステップS16)。
コントローラ13は、バッテリ15の残量があらかじめ設定した閾値以下であるか否かを判定する(ステップS17)。ここでバッテリ15の残量の閾値として、第1の閾値と、第2の閾値を設定する。第2の閾値は、第1の閾値より残量が少ない状態とする。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以下であり、第2の閾値以上であれば(ステップS17でYes1)、アラーム警告を発生する(ステップS18)。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以下で、かつ第2の閾値以下であれば(ステップS17でYes2)、アラーム警告を発生し、歩行補助装置1を安全な姿勢に制御後、停止させる(ステップS19)。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以上であれば(ステップS17でNo)、ステップS11に戻り、待機状態となる。
このように歩行補助装置は、立脚状態であるか遊脚状態であるかを判定し、アクチュエータに大電流が流れることで大きなノイズが発生する状態の場合には、バッテリ残量推定やノイズに弱いセンサ情報の取得を停止する。これにより、ノイズに弱いセンサにおけるセンサ情報を高精度に取得し、バッテリ残量の誤推定の発生を低減させることができる。
実施の形態2
図6は、歩行補助装置2の構成図である。実施の形態1に示した歩行補助装置1と同様の機能を有する構成物品については、同一の符号を付し、説明を省略する。
歩行補助装置2は、リンク機構10と、センサ21と、判定装置12と、コントローラ13と、アクチュエータ14と、バッテリ15と、を備える。
センサ21は、膝軸角度センサ111と、所定のセンサ112と、足裏荷重センサ211と、大腿部角度計測センサ212と、を備える。
足裏荷重センサ211は、足裏にかかる荷重を計測する荷重センサである。大腿部角度計測センサ212は、大腿部の関節軸角度を計測する角度センサである。
次に、歩行補助装置2の動作について説明する。図7は歩行補助装置2を動作させる際のフローチャートである。
歩行補助装置2は立脚状態とする(ステップS31)。
コントローラ13は、リンク機構10がセルフロック領域であるか否かを判定する(ステップS32)。セルフロック領域であれば(ステップS32でYes)、ステップS33に進む。セルフロック領域でなければ(ステップS32でNo)、ステップS31に戻る。
コントローラ13は、アクチュエータ14の駆動を停止させる(ステップS33)。
コントローラ13は、バッテリ15のバッテリ電圧を取得し、バッテリ15の残量の推定を行う(ステップS34)。
所定のセンサ112は、センサ情報を取得する(ステップS35)。すなわち、コントローラ13は、ノイズに弱いセンサに、センサ情報を取得させる。
コントローラ13は、バッテリ15の残量があらかじめ設定した閾値以下であるか否かを判定する(ステップS36)。ここでバッテリ15の残量の閾値として、第1の閾値と、第2の閾値を設定する。第2の閾値は、第1の閾値より残量が少ない状態とする。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以下であり、第2の閾値以上であれば(ステップS36でYes1)、アラーム警告を発生する(ステップS37)。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以下で、かつ第2の閾値以下であれば(ステップS36でYes2)、アラーム警告を発生し、歩行補助装置1を安全な姿勢に制御後、停止させる(ステップS38)。
コントローラ13は、バッテリ15の残量が第1の閾値以上であれば(ステップS36でNo)、ステップS39に進む。
コントローラ13による指示に基づき、膝軸角度センサ111は膝軸角度を取得し、大腿部角度計測センサ212は大腿部の関節角度を取得する(ステップS39)。
コントローラ13は、足首の位置を算出する(ステップS40)。
足裏荷重センサ211は、足裏荷重値を取得する(ステップS41)。
コントローラ13は、歩行補助装置2について遊脚状態が開始されたか否かを判定する(ステップS42)。例えば、足首の位置があらかじめ設定した位置より十分に後方であり、かつ足裏荷重センサ211での計測の結果、足裏荷重が十分に小さい場合に、遊脚状態が開始したものと判定する。
コントローラ13が、歩行補助装置2の遊脚状態が開始したと判定した場合には(ステップS42でYes)、ステップS43に進む。コントローラ13が、歩行補助装置2の遊脚状態が開始しなかったと判定した場合には(ステップS42でNo)、ステップS31に戻り、処理を繰り返し行う。
コントローラ13は、バッテリ15の残量推定を停止し、所定のセンサ112の情報取得を停止させる(ステップS43)。
コントローラ13による指示に基づき、膝軸角度センサ111は膝軸角度を取得し、大腿部角度計測センサ212は大腿部の関節角度を取得する(ステップS44)。
コントローラ13は、足首の位置を算出する(ステップS45)。
足裏荷重センサ211は、足裏荷重値を取得する(ステップS46)。
コントローラ13は、歩行補助装置2について立脚状態が開始されたか否かを判定する(ステップS47)。例えば、足首の位置があらかじめ設定した位置より十分に前方であり、かつ足裏荷重センサ211での計測の結果、足裏荷重が十分に大きい場合に、立脚状態が開始したものと判定する。
コントローラ13が、歩行補助装置2の遊脚状態が開始したと判定した場合には(ステップS47でYes)、ステップS31に戻る。コントローラ13が、歩行補助装置2の立脚状態が開始しなかったと判定した場合には(ステップS47でNo)、ステップS43に戻り、処理を繰り返し行う。
このように歩行補助装置は、立脚状態と遊脚状態の切り替わりを検知し、アクチュエータに大電流が流れることで大きなノイズが発生する状態の場合には、バッテリ残量推定やノイズに弱いセンサ情報の取得を停止する。これにより、ノイズに弱いセンサにおけるセンサ情報を高精度に取得し、バッテリ残量の誤推定の発生を低減させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、1台の所定のセンサ112が歩行補助装置に備えられているものとして説明したが、複数の所定のセンサが歩行補助装置に搭載されていても良い。この場合、歩行補助装置が立脚状態か遊脚状態によって、それぞれの所定のセンサの挙動を制御しても良い。また、リンク機構10は4節リンクであるものとして説明したが、使用者が膝を伸ばしたときにロック状態となる構造であれば、4節リンク構造でなくても良い。
1 歩行補助装置
2 歩行補助装置
10 リンク機構
11 センサ
12 判定装置
13 コントローラ
14 アクチュエータ
15 バッテリ
21 センサ
101 第1のリンク
102 第2のリンク
103 第3のリンク
104 第4のリンク
111 膝軸角度センサ
112 所定のセンサ
211 足裏荷重センサ
212 大腿部角度計測センサ

Claims (1)

  1. 使用者が膝関節を伸長状態とすることでロック状態となるリンク機構と、所定のセンサと、を有する歩行補助装置であって、
    前記リンク機構の膝軸を駆動するアクチュエータと、
    前記膝軸の角度を計測する膝軸角度センサと、
    前記膝軸角度センサにより取得された値に基づいて立脚状態か遊脚状態かを判定する判定装置と、
    前記膝軸角度センサにより取得された値に基づいて前記アクチュエータに駆動指令を与えるコントローラと、
    電力を供給するバッテリと、を備え、
    前記判定装置が、遊脚状態または立脚状態から遊脚状態への遷移状態であると判定した場合には、前記バッテリの残量推定と、前記所定のセンサからの情報取得のうち少なくとも一方を停止する、
    歩行補助装置。
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