JP2013155103A - 二酸化炭素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高反応性揮発性有機化合物を除去した二酸化炭素を製造する方法を提供する。
【解決手段】プロピレンオキサイドの製造プロセスから、高反応性揮発性有機化合物を実質的に含まない少なくとも1つの二酸化炭素流を製造する方法であって、(1)炭酸塩フラッシュ塔と二酸化炭素放散塔との間に分離した付加的なフラッシュ塔を設置して、前記付加的なフラッシュ塔を、炭酸水素塩が炭酸塩及び二酸化炭素に変換するのに適した条件で運転して、前記付加的なフラッシュ塔から高反応性揮発性有機化合物を含む最初の二酸化炭素流を取り除き、それによって、高反応性揮発性有機化合物が減少した高濃度炭酸塩濃縮液を前記二酸化炭素放散塔の処理のために生成する工程、及び(2)前記二酸化炭素放散塔の少なくとも3段下の棚から、高反応性揮発性有機化合物を含まない二酸化炭素側流を抜き出す工程、のうち少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、高反応性揮発性有機化合物を実質的に含まない二酸化炭素の製造方法に関する。特に、本発明は、製造された二酸化炭素の少なくとも一部が高反応性揮発性有機化合物を実質的に含まない、プロピレンオキサイド製造プラントからの二酸化炭素の製造方法に関する。
プロピレンオキサイドは、例えば金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させることで製造される。プロピレンオキサイド生成物は気体であり、未反応のプロピレン、二酸化炭素等の副生物等が含まれる。プロピレンオキサイドは、水洗浄塔(プロピレンオキサイド吸収塔)でプロピレン及び副生物から分離され、水は再循環される。水洗浄塔で、プロピレン及び副生物は吸収されずに、プロピレンオキサイドの大部分が水に吸収される。プロピレンオキサイド水溶液は、次いで水蒸気で放散され、分留(熱蒸留)によって精製される。プロピレン及び副生物から、プロピレンが分離され、反応器に再循環されて、プロピレンオキサイドが生成される。少量のプロピレンを含み、二酸化炭素を主成分とする副生物は、回収され、続いて他の処理がなされる。
プロピレンオキサイド製造プラントからは、大量の二酸化炭素が副生物として生じる。この二酸化炭素は環境に影響を与えずに廃棄しなければならないが、プロピレン、プロピレンオキサイド、メタン等の高反応性揮発性有機化合物をppmオーダーで微量含んでいる。二酸化炭素の一部は回収され、二酸化炭素ベンダーに販売される。その場合、二酸化炭素には高反応性揮発性有機化合物は含まれるべきではない。
特許文献1には、エチレンオキサイド製造プラントからの二酸化炭素の製造方法が記載されている。
US2005/0277778
プロピレンオキサイド製造プラントで生成される二酸化炭素から、本質的にすべての高反応性揮発性有機化合物を除去できることが非常に望ましい。従って、本発明の課題は、高反応性揮発性有機化合物を除去した二酸化炭素を製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段について検討した結果、プラントプロセスの戦略的な位置で付加的なフラッシュ塔を用いるか、プラントの既存の二酸化炭素放散塔の特定の位置から側流を抜き出すか、またはこれらの両方を行うことによって、本発明の課題が解決されることを見出した。本発明によって、廃棄する前に高反応性揮発性有機化合物が除去されるように処理して、プロピレンオキサイド製造プラントの二酸化炭素を分離する方法が提供される。具体的には、本発明は以下の通りである。
[1] プロピレンオキサイドの製造プロセスから、高反応性揮発性有機化合物を実質的に含まない少なくとも1つの二酸化炭素流を製造する方法であって、
前記プロピレンオキサイドの製造プロセスは、プロピレンと酸素との反応を用いて、プロピレンオキサイド、水、二酸化炭素及びプロピレンを含む反応生成物が生成され、
前記反応生成物からプロピレンオキサイド及び水の混合物が分離されて、二酸化炭素、プロピレン及びプロピレンオキサイドを含む再循環流が残され、
前記再循環流が二酸化炭素吸収塔で炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物で処理されて、二酸化炭素が炭酸水素塩に変換され、高濃度炭酸塩流が生成され、
前記高濃度炭酸流が炭酸塩フラッシュ塔で処理され、含まれていたプロピレンとプロピレンオキサイドのほとんどがメタンを用いて除去されて、高濃度炭酸塩濃縮液が生成され、
前記高濃度炭酸塩濃縮液は二酸化炭素放散塔で処理されて、炭酸水素塩が炭酸塩と二酸化炭素に変換され、
前記二酸化炭素放散塔は7段を超える棚を有しており、前記の高濃度炭酸塩濃縮液が1段目の棚から続けて棚を移動するにつれて、炭酸水素塩が徐々に炭酸塩に変換する方法において、
(1)前記炭酸塩フラッシュ塔と前記二酸化炭素放散塔との間に分離した付加的なフラッシュ塔を設置して、前記付加的なフラッシュ塔を、炭酸水素塩が炭酸塩及び二酸化炭素に変換するのに適した条件で運転して、前記付加的なフラッシュ塔からプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含む最初の二酸化炭素流を取り除き、それによって、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンが減少するものの、実質的に存在しないとまでは言えない高濃度炭酸塩濃縮液を前記二酸化炭素放散塔の処理のために生成する工程、及び
(2)前記二酸化炭素放散塔の少なくとも3段下の棚から、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない二酸化炭素側流を抜き出す工程、
のうち少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする方法。
[2] 前記二酸化炭素放散塔からの前記側流の抜き出しをせずに、前記付加的なフラッシュ塔のみを用いる、[1]記載の方法であって、
前記最初の二酸化炭素流が、前記高濃度炭酸塩濃縮液に存在するプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含み、前記付加的なフラッシュ塔から前記二酸化炭素放散塔に送られる前記高濃度炭酸塩濃縮液がプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まず、従って第2の二酸化炭素流がプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない、方法。
[3] 前記付加的なフラッシュ塔を用いずに、前記二酸化炭素放散塔からの前記側流の抜き出しのみを行う、[1]記載の方法であって、
前記高濃度炭酸塩濃縮液に存在するプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含む前記第2の二酸化炭素流として、二酸化炭素を前記二酸化炭素放散塔から回収し、
プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない前記二酸化炭素側流を回収する、方法。
[4] 炭酸塩及び炭酸水素塩の前記混合物が炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムを含む、[1]記載の方法。
[5] 前記二酸化炭素吸収塔中で前記再循環流が炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物で処理されて、前記再循環流中のすべての二酸化炭素が炭酸水素カリウムに変換され、また炭酸カリウムと炭酸水素カリウムの混合物を実質的に含有し、炭酸水素カリウムを豊富に含み、二酸化炭素を実質的に含まず、未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを少量含む高濃度炭酸塩流が生成され、
前記炭酸塩フラッシュ塔中で未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンのほとんどを取り除くフラッシュ条件で前記高濃度炭酸塩流が処理されて、それによって炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物が濃縮され、依然として未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを少量含む高濃度炭酸塩濃縮液が生成され、
前記二酸化炭素放散塔中で前記高濃度炭酸塩濃縮液が二酸化炭素放散条件で処理されて、炭酸水素カリウムが炭酸カリウムに変換され、二酸化炭素がフリー化され、低濃度の炭酸塩流が生成され、前記低濃度の炭酸塩流は前記二酸化炭素吸収塔に再循環される、[4]記載の方法。
[6] 前記高濃度炭酸塩濃縮液が内部に入る前記二酸化炭素放散塔の塔頂から3段目〜7段目の棚の位置から側流を抜き出す、[1]記載の方法。
[7] 前記プロピレンと酸素との反応が、金属触媒存在下で行われる、[1]〜[6]のいずれか記載の方法。
[8] 前記金属触媒が、金属酸化物を含有する、[7]記載の方法。
[9] 前記金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する、[7]記載の方法。
本発明の方法によれば、プロピレンオキサイド製造プラントで生成される二酸化炭素から、本質的にすべての高反応性揮発性有機化合物を除去できる。
従来のプロピレンオキサイド製造プラントにおける、プロピレンオキサイド反応器、プロピレンオキサイド吸収塔、及び二酸化炭素含有再循環流ループを含むそれらの関係を示すブロック図である。 本発明の1つの実施態様を示すブロック図である。特に、付加的なフラッシュ塔と本発明の側流の抜き出しの両方を含む本発明の実施態様を示す。
本発明が適用できるプロピレンの製造プロセスとしては、例えば、金属酸化物等を含有するような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法等が挙げられる。このような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法については、例えば、WO2011/075458、WO2011/075459、WO2012/005822、WO2012/005823、WO2012/005824、WO2012/005825、WO2012/005831、WO2012/005832、WO2012/005835、WO2012/005837、WO2012/009054、WO2012/009059、WO2012/009058、WO2012/009053、WO2012/009057、WO2012/009055、WO2012/009052、WO2012/009056等に記載されている。その製法において用いる触媒としては、下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む触媒が挙げられる。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(j)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
図1は、典型的なプロピレンオキサイド製造プラント1の初めの2つの装置を示す。1番目の装置はプロピレンオキサイド反応器2であり、プロピレンと酸素とがそれぞれ供給され、反応して、前記の副生物の生成を伴ってプロピレンオキサイドが生成される。反応器2で、新たに生成されたプロピレンオキサイド、二酸化炭素及び未反応のプロピレンを含む、最初の気体の反応生成物流3が生成される。
図1における2番目の装置は、プロピレンオキサイド吸収塔4であり、溶媒吸収装置として通常の方法で運転して、反応生成物流3からプロピレンオキサイドを吸収させて、プロピレンオキサイド水溶液流5を生成する水洗浄吸収塔である。プロピレンオキサイド水溶液流5は、通常、1.5MPaの圧力で25℃〜40℃の温度であり、3重量%〜5重量%のプロピレンオキサイドを含む水溶液流である。図1に記載していないが、その後、水溶液流5からプロピレンオキサイド及び/又はその誘導体のグリコール等が精製される。
プロピレンオキサイド吸収塔4は、プラント再循環ガスループの一部となる通常は気体である副生物流6を生成する。副生物流6は、プロピレンオキサイド反応器2で未反応のプロピレンを再使用するために、プラント再循環ガスループを経由してプロピレンオキサイド反応器2に再循環される。しかし、そうするのであれば、再循環流6のすべて又は大部分に二酸化炭素の除去処理を施すことができる。これは、図2に示すように、本発明の一実施態様で達成される。
以下、本発明をさらに詳しく述べるために、図面に基づいて具体的な実施態様を説明する。しかし本発明はこの実施態様のみによって本発明の範囲を規制するものでない。
図2において、二酸化炭素吸収塔8、炭酸塩フラッシュ塔11及び二酸化炭素放散塔18に、従来のプロピレンオキサイド製造プラントの用語を用いれば、プロピレンオキサイド再循環ループ6が備わっている。二酸化炭素放散塔11から、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタン(高反応性揮発性有機化合物)を少量含有する二酸化炭素19が生成される。この二酸化炭素の一部は、二酸化炭素ベンダーに販売される。二酸化炭素ベンダーが購入せずに残った高反応性揮発性有機化合物を含む二酸化炭素をどう処理するかが、本発明の対象である。
再循環流6は、通常二酸化炭素吸収塔8に送られる。二酸化炭素吸収塔8では、再循環流6は、典型的には、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩の混合物と接触する。炭酸塩の混合物7は、混合物の総重量を基準として、大部分、例えば50重量%以上のアルカリ金属炭酸塩(炭酸塩)と、及び少量、例えば50重量%以下のアルカリ金属炭酸水素塩(炭酸水素塩)とを含む。炭酸塩に比べて炭酸水素塩が少ない混合物を、「低濃度炭酸塩」と呼ぶ。低濃度炭酸塩7は、76重量%〜80重量%の水と、20重量%〜24重量%の前述の炭酸塩及び炭酸水素塩から構成され、二酸化炭素は含まれない。
二酸化炭素吸収塔8は、二酸化炭素を炭酸水素塩に変換するのに適した条件、一般的には2MPa〜2.05MPaの圧力下、90℃〜105℃の温度の条件で運転される。二酸化炭素吸収塔8では、1モルの二酸化炭素が1モルの炭酸塩及び1モルの水と反応して、2モルの炭酸水素塩が生成し、それによって再循環流6から1モルの二酸化炭素が取り除かれると共に、炭酸水素塩が増加して炭酸塩が減少する。このようにして、二酸化炭素吸収塔8に存在するすべての二酸化炭素が最終的に炭酸水素塩に変換され、それによって再循環流6から遊離二酸化炭素が効果的に除去され、二酸化炭素吸収塔8で炭酸塩と炭酸水素塩の相対比が「低濃度」から「高濃度」に変わる。したがって、二酸化炭素吸収塔8から排出される高濃度炭酸塩10は、炭酸塩よりも炭酸水素塩をより多く含み、すなわち多量の炭酸水素塩と少量の炭酸塩を含むことになる。高濃度炭酸塩10は、本質的には炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物であるが、少量のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含む。
二酸化炭素吸収塔8で処理した後、再循環流6には二酸化炭素が枯渇している。再循環ガスは、その後、流れ9として二酸化炭素吸収塔8から排出され、プロピレンオキサイド反応器2に送るための再循環ガスループに戻される。高濃度炭酸塩10は炭酸塩フラッシュ塔11に送られ、そこで主に0.03MPa〜0.07MPaのメタンでフラッシュされて流れ10からプロピレン及びプロピレンオキサイドが除去される。炭酸塩フラッシュ塔は、炭酸塩はフラッシュせずに、炭酸塩フラッシュ塔11から塔頂流12として排出される主にプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンをフラッシュする。極微量の二酸化炭素もフラッシュされるが、その量は最小限に留めるように注意すべきである。というのも、フラッシュされた材料流12は続いて残留ガスの吸収及び圧縮工程に常に流されるため、二酸化炭素によって圧縮の負荷を上げないためである。炭酸塩フラッシュ塔12は、通常、0.07MPa〜0.1MPaの圧力で90℃〜100℃の温度で運転される。
プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンが減少しているが、無くなってはいない高濃度炭酸塩濃縮液が、流れ13として排出される。通常であれば、流れ13は、続いて二酸化炭素放散塔18に直接送られ、そこで、炭酸水素塩が炭酸塩に変換されるのに適した条件で処理され、結果として遊離二酸化炭素が放出される。すなわち、2モルの炭酸水素塩から1モルの二酸化炭素、1モルの炭酸塩、1モルの水が生じる。二酸化炭素放散塔18は、0.03MPa〜0.07MPaの圧力で107℃〜110℃の温度で運転される。二酸化炭素放散塔18は、実質的な距離を持って離れた多数の棚を有する多段塔であり、処理される材料は二酸化炭素放散塔18の内部に入ると1番目の棚から反対側の端まで棚から棚へ移動する。このように移動する間に、より多くの炭酸水素塩が炭酸塩に変化する。一般に、二酸化炭素放散塔18は少なくとも約16段の棚を有し、常に7段以上の棚を有する。
本発明を用いなければ、二酸化炭素放散塔18は、通常、二酸化炭素塔頂流19を0.03MPa〜0.05MPaの圧力で生成し、二酸化炭素塔頂流19は本質的に二酸化炭素と水から構成されているが、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを非常に微量(ppm)含む。二酸化炭素塔頂流19は、通常、110℃〜113℃の温度で、水と二酸化炭素の重量比は2:1である。水を除外すれば、二酸化炭素の純度は99.9%である。二酸化炭素塔頂流19は、その後、1つ又はそれ以上の冷却器に送られて、大部分の水が凝縮され、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタン等をppmオーダー、例えば合わせて200ppm〜2500ppmで含むものの、ほぼ純粋な二酸化炭素が生成される。この二酸化炭素は、二酸化炭素ベンダーに販売される。
二酸化炭素放散塔18の塔底物20は、大気圧又はわずかに減圧下でフラッシュすることで、わずかに残る二酸化炭素を除去した後、主に炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物となる。この混合物は、多量の炭酸塩と少量の炭酸水素塩を含み、低濃度炭酸塩に当たるため、二酸化炭素吸収塔8に戻して再使用される。
本発明では、装置及び操作の2つの改良の少なくとも1つが用いられる。簡潔にするために、図2にはその両方が共に記載されているが、本発明においては両方を同時に用いる必要はなく、その一方のみを用いるものも本発明に含まれる。
2つの改良のうちの第1のものは、付加的な分離した水蒸気フラッシュ塔14の使用である。この改良では、高純度炭酸塩濃縮液13のすべて又は一部が、付加的なフラッシュ塔14に送られ、水蒸気15を用いて、高反応性揮発性有機化合物を含み、二酸化炭素ベンダーに販売される最初の分離した二酸化炭素流16として二酸化炭素がフラッシュされる。付加的なフラッシュ塔14は、高濃度炭酸塩濃縮液13から、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンのすべてを二酸化炭素と共に流れ16に除去するのに適した条件で処理される。この処理によって、高反応性揮発性有機化合物が少なくとも実質的に枯渇し、又は存在しない高濃度炭酸塩濃縮液流17が残される。従って、もし、例えば、流れ17が、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンが無くなるように付加的なフラッシュ塔14で処理されれば、流れ17が、配管27を通って二酸化炭素放散塔18に送られ、二酸化炭素放散塔18で処理された後、高反応性揮発性有機化合物が存在せず、環境に安全に廃棄できる第2の分離した二酸化炭素流19が得られる。付加的なフラッシュ塔14は、−0.08MPa〜0MPaの圧力で90℃〜110℃の温度で運転され、高反応性揮発性有機化合物がほぼ枯渇するか、又は全く存在しなくなる。
2つの改良のうちの第2のものは、二酸化炭素流19に加えて、二酸化炭素放散塔18からの二酸化炭素側流21を回収することである。この側流による改良は、付加的な二酸化炭素フラッシュ塔14を全く用いることなく、単独で用いることができ、その場合、流れ13は、配管25及び27を通って、直接二酸化炭素放散塔18に送られる。側流21に高反応性揮発性有機化合物が完全には無いわけではない場合、この側流の改良は、付加的な二酸化炭素フラッシュ塔14と組み合わせて用いてもよい。
この第2の改良において、二酸化炭素放散塔18の内部から、1段目の棚から少なくとも3段下で、側流21が抜き出される。本発明に従って抜き出された二酸化炭素側流21は、本質的に純粋な二酸化炭素及び水であり、高反応性揮発性有機化合物を含まず、環境への廃棄に適している。本発明に従って、側流21は、流れ27の入口から二酸化炭素放散塔18の全長に沿って下方で、二酸化炭素放散塔18に入った1段目の棚を含んで3段目〜7段目の棚から抜き出される。側流21は、多量の水を含み、少なくとも1つの冷却器22に送られ、水23が除去され、水を含まず、高反応性揮発性有機化合物も含まない本質的に純粋な二酸化炭素である第3の分離した二酸化炭素流が生成される。冷却器22として、二酸化炭素流19の冷却及び脱水のために用いられる空冷熱交換器を1つ以上用いてもよい。
図2は、ほぼ垂直に直立する二酸化炭素放散塔18の上半分にある、一番目から5つの棚(棚30〜棚34)を示す。棚30は、流れ27が二酸化炭素放散塔18の内部に矢印29に従って入って遭遇する1段目の棚である。棚31〜棚34は、最初の棚30の下で相互に離れている。棚31は、2段下であり、1段目の棚30に続く2段目の棚である。図2では、4段下の位置で側流21が抜き出されることを示している。これは、1段目の棚30の3つ下の棚である。
本発明では、側流21を用いずに、付加的な二酸化炭素フラシュ塔14のみを用いることもできる。又は、付加的なフラシュ塔14を用いずに、側流21のみを用いることができる。あるいは、図2に示すように、その両方を組み合わせて用いることもできる。側流21を全く用いずに、付加的な二酸化炭素フラシュ塔14のみを用いる場合、最初の分離した二酸化炭素流16は流れ13に含まれていたすべての高反応性揮発性有機化合物を含有して、第2の分離した二酸化炭素流19には高反応性揮発性有機化合物が含まれない。もし、付加的な二酸化炭素フラシュ塔14が配管16を通してすべての高反応性揮発性有機化合物を除去していなければ、側流21を、付加的な二酸化炭素フラッシュ塔14に組み合わせて用いて、高反応性揮発性有機化合物を含有しない二酸化炭素流21を製造することができる。その場合、流れ19には微量の高反応性揮発性有機化合物が含まれていることになる。
もし、図1のプロピレンオキサイド製造プラントが23kg/時の二酸化炭素を生成する場合、例えばそのうちの14kg/時は二酸化炭素ベンダーに販売され、残る9kg/時がその他の処分を行う必要が生ずる。もし、本発明に従って付加的な二酸化炭素フラッシュ塔14のみを用いるのであれば、すべての高反応性揮発性有機化合物が含まれる流れ16を14kg/時になるように運転することになる。これにより、高反応性揮発性有機化合物が含まれない流れ19の量は9kg/時となる。もし、本発明に従って側流21のみを用いるのであれば、流れ13に含まれるすべての高反応性揮発性有機化合物が含まれる流れ19の量を14kg/時になるように運転して、高反応性揮発性有機化合物が含まれない側流21の量は9kg/時となる。
高反応性揮発性有機化合物を除去した二酸化炭素を製造する方法が提供される。

Claims (9)

  1. プロピレンオキサイドの製造プロセスから、高反応性揮発性有機化合物を実質的に含まない少なくとも1つの二酸化炭素流を製造する方法であって、
    前記プロピレンオキサイドの製造プロセスは、プロピレンと酸素との反応を用いて、プロピレンオキサイド、水、二酸化炭素及びプロピレンを含む反応生成物が生成され、
    前記反応生成物からプロピレンオキサイド及び水の混合物が分離されて、二酸化炭素、プロピレン及びプロピレンオキサイドを含む再循環流が残され、
    前記再循環流が二酸化炭素吸収塔で炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物で処理されて、二酸化炭素が炭酸水素塩に変換され、高濃度炭酸塩流が生成され、
    前記高濃度炭酸流が炭酸塩フラッシュ塔で処理され、含まれていたプロピレンとプロピレンオキサイドのほとんどがメタンを用いて除去されて、高濃度炭酸塩濃縮液が生成され、
    前記高濃度炭酸塩濃縮液は二酸化炭素放散塔で処理されて、炭酸水素塩が炭酸塩と二酸化炭素に変換され、
    前記二酸化炭素放散塔は7段を超える棚を有しており、前記の高濃度炭酸塩濃縮液が1段目の棚から続けて棚を移動するにつれて、炭酸水素塩が徐々に炭酸塩に変換する方法において、
    (1)前記炭酸塩フラッシュ塔と前記二酸化炭素放散塔との間に分離した付加的なフラッシュ塔を設置して、前記付加的なフラッシュ塔を、炭酸水素塩が炭酸塩及び二酸化炭素に変換するのに適した条件で運転して、前記付加的なフラッシュ塔からプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含む最初の二酸化炭素流を取り除き、それによって、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンが減少するものの、実質的に存在しないとまでは言えない高濃度炭酸塩濃縮液を前記二酸化炭素放散塔の処理のために生成する工程、及び
    (2)前記二酸化炭素放散塔の少なくとも3段下の棚から、プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない二酸化炭素側流を抜き出す工程、
    のうち少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記二酸化炭素放散塔からの前記側流の抜き出しをせずに、前記付加的なフラッシュ塔のみを用いる、請求項1記載の方法であって、
    前記最初の二酸化炭素流が、前記高濃度炭酸塩濃縮液に存在するプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含み、前記付加的なフラッシュ塔から前記二酸化炭素放散塔に送られる前記高濃度炭酸塩濃縮液がプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まず、従って第2の二酸化炭素流がプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない、方法。
  3. 前記付加的なフラッシュ塔を用いずに、前記二酸化炭素放散塔からの前記側流の抜き出しのみを行う、請求項1記載の方法であって、
    前記高濃度炭酸塩濃縮液に存在するプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含む前記第2の二酸化炭素流として、二酸化炭素を前記二酸化炭素放散塔から回収し、
    プロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを含まない前記二酸化炭素側流を回収する、方法。
  4. 炭酸塩及び炭酸水素塩の前記混合物が炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムで構成されている、請求項1記載の方法。
  5. 前記二酸化炭素吸収塔中で前記再循環流が炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物で処理されて、前記再循環流中のすべての二酸化炭素が炭酸水素カリウムに変換され、また炭酸カリウムと炭酸水素カリウムの混合物を実質的に含有し、炭酸水素カリウムを豊富に含み、二酸化炭素を実質的に含まず、未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを少量含む高濃度炭酸塩流が生成され、
    前記炭酸塩フラッシュ塔中で未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンのほとんどを取り除くフラッシュ条件で前記高濃度炭酸塩流が処理されて、それによって炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物が濃縮され、依然として未反応のプロピレン、プロピレンオキサイド及びメタンを少量含む高濃度炭酸塩濃縮液が生成され、
    前記二酸化炭素放散塔中で前記高濃度炭酸塩濃縮液が二酸化炭素放散条件で処理されて、炭酸水素カリウムが炭酸カリウムに変換され、二酸化炭素がフリー化され、低濃度の炭酸塩流が生成され、前記低濃度の炭酸塩流は前記二酸化炭素吸収塔に再循環される、請求項4記載の方法。
  6. 前記高濃度炭酸塩濃縮液が内部に入る前記二酸化炭素放散塔の塔頂から3段目〜7段目の棚の位置から側流を抜き出す、請求項1記載の方法。
  7. 前記プロピレンと酸素との反応が、金属触媒存在下で行われる、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
  8. 前記金属触媒が、金属酸化物を含有する、請求項7記載の方法。
  9. 前記金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する、請求項7記載の方法。
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