JP2013154474A - Method of manufacturing frame - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、枠体の製造方法に関する。具体的には、上方から板状部品が嵌め込まれる開口を有し、当該開口の周縁と板状部品の外周縁との間に隙間がなく、かつ外表面に加飾が施されている枠体をインモールド成形技術によって製造する方法に関する。 The present invention relates to a method for manufacturing a frame. Specifically, the frame has an opening into which a plate-like component is fitted from above, has no gap between the periphery of the opening and the outer periphery of the plate-like component, and is decorated on the outer surface. The present invention relates to a method for manufacturing the product by an in-mold molding technique.
枠体に板状部品が嵌め込まれた製品や部品の一例として、スマートフォンと呼ばれる前面のほぼ全領域が表示装置、あるいは表示装置と入力装置とを兼ねたタッチパネルなどの表示パネルで構成されている多機能携帯電話機の前面カバーがある。図1にこの前面カバー1aの一例を示した。図1(A)は、当該前面カバー1aの外観を示す斜視図であり、(B)は(A)におけるa−a矢視断面図である。また、図2に前面カバー1aを構成部品ごとに分解した斜視図を示した。前面カバー1aは、スマートフォンの内部回路を収納するための外装ケースのおもて側を構成する底が浅い略矩形皿状の部品である。このような前面カバー1aは、板状のガラス(ガラス板)20を板状部品として、そのガラス板20が、樹脂の一体成形品からなる枠体10aの皿の底に相当する領域に形成されている開口15の内方に配置された構造となっている。このような前面カバー1aでは、ガラス板20が外方に面している方向を上方とすると、ガラス板20は、下面22側に配置された表示パネルの表示を上面11側に透過させつつ、当該表示パネルを保護する機能を担っている。
As an example of a product or part in which a plate-like component is fitted in a frame body, almost the entire area of the front surface called a smartphone is composed of a display panel such as a display device or a touch panel that serves as both a display device and an input device. There is a front cover of the functional mobile phone. FIG. 1 shows an example of the
そして、前面カバー1aは、枠体10aの上面11とガラス板20の上面21との間に高低差が無く、多くの場合、面一となっている。そして、図1(B)に示したように、枠体10aの内周には、上方から下方に向かってガラス板20の厚さで切り欠いて薄肉にした縁部13が形成され、この縁部13の上面14がガラス板20の下面22の周縁を下方から支持している。また、このような前面カバー1aは、普通、枠体10aのみを射出成形によって製造しておき、その枠体10aの内周にガラス板20を嵌め込むことで組み立てられる。すなわち、枠体10aの縁部13を下支えとして、ガラス板20を上方から枠体10の開口15の内方に嵌め込む。なお、縁部13の上面14とそれに接するガラス板20の下面22とは接着剤などを用いて固着させる。
The
ところで、スマートフォンの前面カバー1aを構成する枠体10aは、その枠体10aの上面11や側壁18の外側の面など、外装ケースとして外方に露出する面(以下、外表面)に加飾が施されることがある。加飾としては、製品のロゴなど、枠体10aの外表面の一部に限定的に施される場合もあるし、他の材質(金属など)を模倣して外表面の全領域に施される模様である場合もある。そして、このような加飾には、周知のインモールド成形技術が用いられている。インモールド成形技術は、基材となるフィルム(以下、基材フィルム)に加飾となる図案や文字、あるいは他の材質を模した模様など(以下、装飾図案)が形成されたフィルム(加飾用フィルム)を積層した転写フィルムを射出成形機の金型内に挟み込んだ状態で溶融樹脂を射出し、その溶融樹脂の熱により加飾用フィルムを樹脂に転写するものである。なお、インモールド成形技術のより具体的な内容については、以下の特許文献1,2などに記載されている。
By the way, the
上記特許文献1、2に記載の技術も含め、従来のインモールド成形技術を本発明が対象とする枠体に適用すると種々の問題が発生する。当該問題について、図1、2に示したスマートフォンの前面カバー1aを例に挙げて具体的に説明すると、前面カバー1aは、ガラス板20を枠体10aに嵌め込んだ状態で、そのガラス板20の上面21が枠体10aの外表面に滑らかに連続するように形成される。しかも、ガラス板20の外周縁23と枠体10aの開口周縁16との間には隙間がないことが理想である。これは、ゴミなどがその隙間に入り込んだり、枠体10aの外表面からガラス板20の上面21をなぞる指が引っ掛かって一体的で滑らかな触感が阻害されたり、不連続性によって意匠性が損なわれたりしないようにするためである。
When the conventional in-mold molding technique including the techniques described in
図3にこの隙間についての説明図を示した。なお図3は、図1(B)における円100内に対応する拡大図である。枠体10aの開口周縁16とガラス板20の外周縁23との間に隙間がない、ということは、この図3に示したように、枠体10aの開口周縁16が、枠体10aの上面11を水平面として、枠体10aの上面11から直角に下方に向かって屈曲して上下方向に垂直な壁面17が形成されているとともに、その壁面17が下端で開口15の内方に屈曲して、ガラス板20を下支えする縁部13に連続するように形成されていることである。すなわち、枠体10aの上面11から開口周縁16の壁面17を経て縁部13に至る形状が階段状となっていることである。それによって、枠体10aの開口15の上面形状に一致する平面形状を有するガラス板20をその開口15に嵌め込むと、そのガラス板20の外周縁23を形成する面と枠体10aの開口15の内方壁面17とを隙間無く対面することになる。
FIG. 3 shows an explanatory diagram of this gap. FIG. 3 is an enlarged view corresponding to the
しかしながら、枠体10aの外表面にインモールド成形によって加飾を施す場合では、開口15の周縁16が、図3に示したように階段状になっていると、インモールド成形に際して転写フィルムが破断したり、枠体10aに転写された加飾フィルムに皺が寄ったりする、という問題がある。図4は、この問題を説明するための図であり、枠体10aをインモールド成形するための金型(41a,42a)を概略的に示している。この図では、金型(41a,42a)を閉じた状態が断面図によって示されており、図4(A)は、その金型(41a,42a)の全体図であり、(B)は(A)における円101内の拡大図である。また、金型(41a,42a)の上下方向については図1〜図3に示した枠体10aにおける上下方向に基づいて規定している。
However, in the case where the outer surface of the
この図4に示したように、金型(41a,42a)を閉じたときのキャビティ43には、枠体10aにおける開口周縁16の階段形状の屈曲した部分に対応するエッジ44が形成されることになる。転写フィルム60は、この階段形状に沿って金型(41a,42a)に架け渡されることになる。この状態でインモールド成形すると、転写フィルム60がこのエッジ44によって切断されてしまう可能性がある。転写フィルム60が切断されれば、金型(41a,42a)内のその転写フィルム60の切断片などのゴミが残存することになり、インモールド成形を実施するごとに金型(41a,42a)内のゴミを除去する必要があり、金型(41a,42a)の保守費用が嵩む。
As shown in FIG. 4, the
また、転写フィルム60が切断されなくても、枠体10aの開口周縁16から下方に向かう階段状断面の各角部に対応する上記エッジ44の位置で急激に転写フィルム60が屈曲させられるため、転写フィルム60に皺が寄り易い。それによって転写フィルム60から剥離した加飾用フィルムが枠体10aを構成する樹脂に正常に転写されずに加飾不良となる可能性も高い。
Further, even if the
確かに、スライド機構を備えた金型を用いて枠体の開口周縁の階段形状を形成することも考えられる。図5は、当該スライド機構を備えた金型40bの一例についての一部拡大断面図である。この図は、図4(A)に示した矩形領域102に対応しており、図示した例では、縁部13をオーバーハング部として形成するために、上下に分割する金型(41b,42b)に加え、左右に移動するスライドコア44が示されている。このように、金型40bにスライドコア44を移動させるためのスライド機構を設ければ、インモールド成形に際して転写フィルム60が屈曲することがなく、転写フィルム60の破断などを防止することができる。しかしながら、スライド機構を備えた金型40bは複雑で高価であり、枠体10aの製造コストが増加する。
Certainly, it is conceivable to form a staircase shape at the periphery of the opening of the frame using a mold having a slide mechanism. FIG. 5 is a partially enlarged cross-sectional view of an example of a
このように、従来のインモールド成形技術では、安価に枠体の開口周縁を階段状に成形することは難しく、実際には、枠体の開口縁部はなだらかなR形状となっている。図6に、実際の枠体10bを例示した。この図では、枠体10bの開口15にはガラス板20を嵌め込まれてなる前面カバー1bの一部を拡大した断面が示されており、その拡大部位は、図3に示した断面図と同じ位置に対応している。図示したように、実際の枠体10bは、開口周縁16が階段状ではなく、上面11から縁部13の上面14に向かってなだらかな曲線状となっている。それによって、インモールド成形時の転写フィルムの破断や加飾不良を防止している。しかし、その枠体10bは、開口縁部16とガラス板20の外周縁23との間に隙間dが発生することになる。
Thus, with the conventional in-mold molding technique, it is difficult to form the opening periphery of the frame body in a stepped manner at a low cost, and in fact, the opening edge of the frame body has a gentle R shape. FIG. 6 illustrates an
そこで本発明は、開口周縁が階段状となっている枠体を、インモールド成形技術を用いつつ、より安価に製造するための方法を提供することを目的としている。 Therefore, an object of the present invention is to provide a method for manufacturing a frame having a stepped peripheral edge at a lower cost while using an in-mold forming technique.
上記目的を達成するための本発明は、樹脂で一体成形された枠体の製造方法であって、
前記枠体は、表裏一方の面を上面として、上方から板状部品が嵌め込まれる開口を有し、当該開口の周縁に当該板状部品の下面周縁を下支えする縁部を備えるとともに、前記開口の周縁上面と当該縁部の上面とが階段状となるように形成され、
前記枠体の上下方向に一致する方向に開閉する上方と下方の金型を用い、
基材フィルムの下面側に加飾用フィルムが積層されたインモールド成形用の転写フィルムを前記金型に架け渡す転写フィルム架設ステップと、
前記開口の上面形状に一致する平面形状を有するとともに、上下方向の厚さが前記開口周縁の上面から前記縁部の上面までの段差に相当する厚さの板状遊離部材を、前記転写フィルムの前記加飾用フィルムの表面に対面させつつ、前記下方の金型内に配置する遊離部材配置ステップと、
閉じた状態の前記金型内に溶融した前記樹脂を射出し、前記加飾用フィルムを当該樹脂に転写させつつ、前記枠体を成形するインモールド成形ステップと、
前記インモールド成形ステップ後に前記枠体の前記開口内方に配置された状態の前記遊離部材を取り外す遊離部材除去ステップと、
を含む枠体の製造方法としている。
The present invention for achieving the above object is a method for producing a frame integrally formed of resin,
The frame body has an opening into which a plate-shaped component is fitted from above, with one of the front and back surfaces as an upper surface, and has an edge portion that supports the lower surface periphery of the plate-shaped component at the periphery of the opening. The peripheral upper surface and the upper surface of the edge are formed in a stepped shape,
Using upper and lower molds that open and close in a direction that matches the vertical direction of the frame,
A transfer film erection step for bridging the mold with a transfer film for in-mold molding in which a decorative film is laminated on the lower surface side of the base film;
A plate-like free member having a planar shape that matches the upper surface shape of the opening and having a thickness corresponding to a step from the upper surface of the peripheral edge of the opening to the upper surface of the edge portion is formed on the transfer film. A free member placement step for placing in the lower mold while facing the surface of the decorative film,
An in-mold molding step of molding the frame while injecting the molten resin into the mold in a closed state and transferring the decorative film to the resin;
A free member removing step of removing the free member in a state of being arranged inside the opening of the frame after the in-mold forming step;
It is set as the manufacturing method of the frame containing.
前記遊離部材は、板状のガラスであったり、板状の鋼材であったりしてもよく、板状の鋼材である場合は、前記遊離部材の上面に前記加飾用フィルムとの接着性を抑制するための表面処理が施されていればより好ましい。 The release member may be a plate-like glass or a plate-like steel material. When the release member is a plate-like steel material, the upper surface of the release member has an adhesive property with the decorative film. It is more preferable that a surface treatment for suppression is performed.
上記いずれかの枠体の製造方法において、前記遊離部材の下面と、前記下方の金型の内面との間に係合構造が構成されていることとしてもよい。 In any one of the above-described frame body manufacturing methods, an engagement structure may be configured between the lower surface of the release member and the inner surface of the lower mold.
前記遊離部材が板状のガラスである場合、当該遊離部材は、前記遊離部材除去ステップにより取り外された後、前記インモールド成形ステップにより成形された前記枠体に嵌め込まれる前記板状部品として使用されるものであってもよい。 When the free member is a plate-like glass, the free member is used as the plate-like component fitted into the frame formed by the in-mold forming step after being removed by the free member removing step. It may be a thing.
本発明に係る枠体の製造方法によれば、インモールド成形によって枠体の外表面に加飾を施しつつ、製造コストや金型の保守コストを増加させることなく、枠体の開口縁部を階段状に成形することができる。そのため、枠体に板状部品を嵌め込んでなる製品は、枠体の開口縁部と板状部品の外周縁との間に隙間が無く、枠体の開口部にゴミが混入せず、触感や美観にも優れたものとなる。また、その製品を安価に提供することができる。 According to the method for manufacturing a frame according to the present invention, the opening edge of the frame is increased without increasing the manufacturing cost and the maintenance cost of the mold while decorating the outer surface of the frame by in-mold molding. It can be shaped like a staircase. For this reason, a product made by fitting a plate-like part into the frame has no gap between the opening edge of the frame and the outer peripheral edge of the plate-like part, so that no dust is mixed into the opening of the frame and tactile sensation. And aesthetics. In addition, the product can be provided at low cost.
本発明の方法によって製造される枠体の一例として、スマートフォンの前面カバー用の枠体を挙げる。そして、その前面カバー用の枠体の製造方法を本発明の実施例として説明する。 As an example of the frame manufactured by the method of the present invention, a frame for a front cover of a smartphone is given. And the manufacturing method of the frame for the front cover is demonstrated as an Example of this invention.
===実施例===
<枠体の外観と構造>
図7は、本実施例に係る方法により製造された枠体10の概略図である。この図では、枠体10にガラス板20を嵌め込んで前面カバー1cにした状態が示されている。そして、ここでも、枠体10の上下関係を図1、図2に示したように規定しており、図7(A)は、前面カバー1cを上方から見たときの斜視図であり、(B)は、それを下方から見たときの斜視図である。図8は枠体10の断面図であり、図8(A)に、図7(A)のb−b矢視断面を示し、図8(B)に、図8(A)の円103内の拡大図を示した。当該枠体10は、図1に示した枠体10aと同様に、底が浅い略矩形皿状で、その皿の底面に相当する部分に開口15を有している。そして、その開口15にガラス板20が配置されて前面カバー1cが形成されている。
=== Example ===
<Appearance and structure of frame>
FIG. 7 is a schematic view of the
図7に示したように、本実施例に係る方法で製造された枠体10の外観は、図1に示した一般的な前面カバー1aを構成する枠体10aなどとほぼ同様の外観を有している。また、図8に示したように、枠体10の縁部13の上面14によってガラス板20の下面22を下支えする構造も同様である。構造上異なる点は、枠体10は、樹脂の成形品からなる枠本体10cの外表面全域に加飾図案が形成されたフィルムからなる加飾層50が接着された構造となっている点である。なお、図8では、枠体10の細部の構造が分かりやすいように、加飾層50の厚さ誇張している。
As shown in FIG. 7, the outer appearance of the
しかし、本実施例に係る製造方法は、製造後の枠体10の構造に特徴があるのではなく、スライド機構を備えた高価な金型を用いずに、枠体10の開口縁部16を階段状に成形しつつ、インモールド成形技術を用いて枠本体10cの外表面に精度よく加飾を施すことができる点を特徴としている。以下、この枠体10の製造方法を本発明の実施例として説明する。
However, the manufacturing method according to the present embodiment is not characterized in the structure of the
<転写フィルム>
本実施例は、枠本体10cの外表面に加飾を施すために、インモールド成形技術を利用している。周知のごとく、インモールド成形技術は、金型内に転写フィルムを配置しながら射出成形を行うことで、樹脂の一体成形と加飾とを同時に行える。図9に、そのインモールド成形に用いられる一般的な転写フィルム60の一部破断斜視図を示した。転写フィルム60は、基材フィルム61に加飾用フィルム62を積層した構造を基本とし、基材フィルム61は、PETフィルムなどのフィルム素材からなる基材本体63と、加飾用フィルム62のみが正しく基材フィルム61から剥離されるようにするための離型層64とを積層した構造となっている。一方、加飾用フィルム62は、印刷や蒸着などによって装飾図案が形成された加飾層66を、基材フィルム61側に配置された保護層65と、外方に面して溶融樹脂との相溶性を有する接着層67とで挟み込んだ構造となっている。そして、インモールド成形に際しては、離型層64と保護層65との境界で剥離するようになっている。
<Transfer film>
In the present embodiment, an in-mold molding technique is used to decorate the outer surface of the
<製造方法>
図10(A)〜(E)に本実施例に係る製造方法の流れを示した。枠体10を成形するための金型(41,42)は、枠体10の上面11の形状に沿う内面形状を有する金型(以下、上側金型)41と、枠体10の下面12の形状に沿う内面形状を有する金型(以下、下側金型)42とかならなる。なお、ここでも、金型(41,42)の上下方向を枠体10の上下方向に基づいて規定している。
<Manufacturing method>
FIGS. 10A to 10E show the flow of the manufacturing method according to this example. The molds (41, 42) for forming the
まず、転写フィルム60を上側金型41に架け渡しておく(A)。このとき、転写フィルム60において、基材フィルム61側を当該上側金型41の内面43と対面させるように架け渡しておく。つぎに、枠体10の開口15に嵌め込まれるガラス板と同形状、すなわち、枠体10の開口15の上面形状に一致しつつ、開口縁部16の上面11から縁部13の上面14までの段差に相当する厚さを有する部材(遊離部材)50を、転写フィルム60に対して下側金型42側に配置する(B)。すなわち、遊離部材70の上面71側と、転写フィルム60の加飾用フィルム62側とを対面させる。なお、本実施例では、前面カバー1cの状態で枠本体10cに実際に嵌め込まれているガラス板20と同じものを遊離部材70として使用している。また、ここに示した上下両側の金型(41,42)において、下側金型42には外部と連通する吸着部45が形成されており、当該下側金型42の吸着部45のエアを外部に導出することで、遊離部材70が下型金型42の内面に吸着された状態となり、位置決めされた状態で保持されるようになっている。もちろん、遊離部材70を金型(41,42)内で保持できるのであれば、吸着部45は必須ではない。下側金型42を文字通り鉛直下方側に配置するのであれば、遊離部材70は、その下側金型42の内面上に「置く」こともできる。
First, the
つぎに、金型(41,42)を閉じ、型締めする。それによって、最終的に枠体10となる溶融樹脂110が充填されるキャビティ43が形成される(C)。そして、溶融樹脂110をゲート部46を介してキャビティ43内に射出する(D)。このとき、転写フィルム60の加飾用フィルム62側が溶融樹脂110と接触してその接触面が相溶状態となる。このとき、転写フィルム60は、上側金型41の内面と遊離部材70の上面71とに滑らかに沿うように上下両側の金型(41,42)に挟持され、角を有して屈曲することがない。
Next, the molds (41, 42) are closed and clamped. Thereby, the
溶融樹脂110が冷却すると、枠本体10cが成形されるともに、加飾用フィルム62が基材フィルム61から剥離し、その枠本体10cの外表面に加飾用フィルム62が接着され装飾図案が転写され枠体10が成形される。その一方で、遊離部材70の加飾フィルム62に接する面は溶融樹脂110と接しておらず、加飾用フィルム62が基材フィルム61から剥離しない。すなわち、遊離部材70の上面21には装飾図案が転写されない。また、ガラスは、加飾用フィルム62との接着性が低く、基本的に加飾図案が転写されにくい、という性質を有する。すなわち、枠本体10cの外表面のみに選択的に装飾図案を精度良く転写することが可能となる。
When the
また、キャビティ43内では、溶融樹脂110が板状の遊離部材70の外周縁の矩形形状に沿って充填されるため、開口周縁16が直角に屈曲しながら縁部13に向かう階段状に形成される。そして、上述したように、金型(41,42)内では、遊離部材70によって、転写フィルム60が鋭利な状態で屈曲することがない。そのため、インモールド成形に際して転写フィルム60が破断したり、加飾用フィルム62に皺が寄ったり、加飾用フィルム62が金型(41,42)内に残存したりすることがない。したがって、高精度で枠本体10cの開口周縁16の階段形状を極めて安価に形成することができる。最後に、金型(41,42)を開いて成形体である枠体10を取り出すとともに、その枠体10の開口15の内方に嵌め込まれた状態にある遊離部材70を取り外す(E)。
Further, in the
以上のようにして製造された枠体10にガラス板20を嵌め込んで図7に示した前面カバー1cに組み立てると、枠体10とガラス板20の双方の上面(11,21)が連続面を形成しつつ、枠体10の開口周縁16とガラス板20の外周縁23との間に隙間が生じず、枠体10の開口周縁16にゴミなどが侵入することがない。また、当該枠体10は、上記の隙間が無いため、触感と意匠性にも優れたものとなる。さらに、遊離部材70は、再利用可能である。譬え、摩耗や破損が生じたとしても容易に交換可能であるとともに、金型を構成する部品(スライドコアなど)とは異なり極めて安価である。したがって、遊離部材70を交換したとしても大きなコストアップには繋がらない。また、遊離部材70が前面カバー1cに採用されるガラス板20そのものであれば、ガラス板を遊離部材70として使用して枠体10を形成した後、その遊離部材70を製造後の枠体10に嵌め込んで、前面カバー1cに組み立てる、という前面カバーの製造方法も成立し、この場合は、遊離部材70自体が前面カバー1cの部品となるため、前面カバー1cやその前面カバー1cを含む最終製品(スマートフォンなど)のコストダウンも期待できる。
When the
===その他の実施例===
上記実施例では、遊離部材70の素材はガラスであった。また、この遊離部材70は、前面カバー1cを構成するガラス板20と同等のものであった。前面カバー1cにおいて枠体10に実際に嵌め込まれるガラス板20には、強化被膜や反射防止膜の形成など、各種表面処理が施されている場合が多く、表面処理が施されていないガラス板と比較すると、インモールド成形時における加飾用フィルム62の転写防止性が極めて優れている反面、高価である。したがって、枠体10の製造に際しては、形状のみが一致するガラス板を遊離部材70として使用するのが現実的である。
=== Other Embodiments ===
In the said Example, the raw material of the
もちろん、形状が一致していれば、ガラス板に限らず、例えば、より安価な板状の鋼材(ステンレス板など)などを遊離部材70として採用することができる。板状の鋼材とした場合、ガラス板よりも耐久性やコストの点で有利である。その一方で、転写フィルム60における加飾用フィルム62との接着性がガラスより高いので、インモールド成形に際して加飾用フィルム62がこの鋼材からなる遊離部材70に転写される可能性がある。そこで、板状の鋼材からなる遊離部材70では、転写フィルム60と接する面に加飾用フィルム62の転写を防止するための表面処理(例えば、フッ素樹脂を塗布するなど)を施しておいてもよい。いずれにしても、遊離部材70の素材や表面処理は、製造コストや保守コストなどを勘案して適宜に決定すればよい。
Of course, as long as the shapes coincide with each other, not only the glass plate but also, for example, a cheaper plate-shaped steel material (stainless steel plate or the like) can be used as the
上記実施例では、遊離部材70は単純な板状であったが、金型(41,42)内に配置する際に、容易に位置合わせができるように、下側金型42との間に係合構造を構成してもよい。例えば、図11に示したように、遊離部材170の下側金型142と接触する面171に突起172を設けるとともに、下側金型142にその突起172に対応する凹部47を設けてもよい。もちろん、下側金型に突起を設けてもよい。なお、この場合は、突起の高さを板状の遊離部材の厚さ以下にする必要がある。また、遊離部材170の突起172と下側金型142の凹部47とが嵌め合い状態で係合するのであれば、吸着部45など、遊離部材170を保持する構成や構造を別途設けなくてもよい。
In the above embodiment, the
当然のことながら、本発明の実施例としては、スマートフォンの前面カバーを構成する枠体の製造方法に限らず、携帯電話器、携帯型音楽端末、あるいは車載型ナビゲーションシステムなどが備えるフラットパネルディスプレイが嵌め込まれる枠体、デジタルカメラのファインダーやディスプレイ用の枠体など、その対象は多岐に亘っている。もちろん、枠体に嵌め込まれる板状の部材もガラス板やフラットパネルディスプレイに限るものではない。また、枠体の開口形状、すなわち枠体に嵌め込まれる板状部品の形状も略矩形に限るものではなく、多角形や円形など、適宜な形状とすることができる。そして、板状部材がどんなに複雑な上面形状であっても、本発明の製造方法を適用することができる。 As a matter of course, the embodiment of the present invention is not limited to the manufacturing method of the frame constituting the front cover of the smartphone, but a flat panel display provided in a mobile phone, a portable music terminal, an in-vehicle navigation system, or the like. There are a wide variety of objects such as frames to be fitted, digital camera viewfinders and display frames. Of course, the plate-like member fitted in the frame is not limited to the glass plate or the flat panel display. Further, the opening shape of the frame, that is, the shape of the plate-like component fitted into the frame is not limited to a substantially rectangular shape, and may be an appropriate shape such as a polygon or a circle. The manufacturing method of the present invention can be applied no matter how complicated the top surface shape of the plate member is.
この発明は、スマートフォンのタッチパネルなどの表示パネルを保護する前面カバーなどの製造方法に好適である。 The present invention is suitable for a manufacturing method of a front cover or the like that protects a display panel such as a touch panel of a smartphone.
1a〜1c,前面カバー、10,10a,10b 枠体、10c,枠本体、
13 縁部、14 縁部の上面、15 枠体の開口、16 枠体の開口縁部、
20 板状部品(ガラス板)、21 ガラス板の上面、22 ガラス板の下面、
40b,41,41a,41b,42,42a,42b,142 金型、
44 スライドコア、43 キャビティ、46 ゲート部、47 金型の凹部、
50 枠体の加飾層、60 転写フィルム、62 転写フィルムの加飾用フィルム、
70,170 遊離部材、110 溶融樹脂、172 遊離部材の突起
1a-1c, front cover, 10, 10a, 10b frame, 10c, frame body,
13 edge, 14 upper surface of edge, 15 opening of frame, 16 opening edge of frame,
20 plate-like parts (glass plate), 21 upper surface of glass plate, 22 lower surface of glass plate,
40b, 41, 41a, 41b, 42, 42a, 42b, 142 mold,
44 Slide core, 43 cavity, 46 gate part, 47 concave part of mold,
50 decorative layer of frame, 60 transfer film, 62 film for decorating transfer film,
70,170 Free member, 110 Molten resin, 172 Free member protrusion
Claims (6)
前記枠体は、表裏一方の面を上面として、上方から板状部品が嵌め込まれる開口を有し、当該開口の周縁に当該板状部品の下面周縁を下支えする縁部を備えるとともに、前記開口の周縁上面と当該縁部の上面とが階段状となるように形成され、
前記枠体の上下方向に一致する方向に開閉する上方と下方の金型を用い、
基材フィルムの下面側に加飾用フィルムが積層されたインモールド成形用の転写フィルムを前記金型に架け渡す転写フィルム架設ステップと、
前記開口の上面形状に一致する平面形状を有するとともに、上下方向の厚さが前記開口周縁の上面から前記縁部の上面までの段差に相当する厚さの板状遊離部材を、前記転写フィルムの前記加飾用フィルムの表面に対面させつつ、前記下方の金型内に配置する遊離部材配置ステップと、
閉じた状態の前記金型内に溶融した前記樹脂を射出し、前記加飾用フィルムを当該樹脂に転写させつつ、前記枠体を成形するインモールド成形ステップと、
前記インモールド成形ステップ後に前記枠体の前記開口内方に配置された状態の前記遊離部材を取り外す遊離部材除去ステップと、
を含む、
ことを特徴とする枠体の製造方法。 A method of manufacturing a frame integrally molded with resin,
The frame body has an opening into which a plate-shaped component is fitted from above, with one of the front and back surfaces as an upper surface, and has an edge portion that supports the lower surface periphery of the plate-shaped component at the periphery of the opening. The peripheral upper surface and the upper surface of the edge are formed in a stepped shape,
Using upper and lower molds that open and close in a direction that matches the vertical direction of the frame,
A transfer film erection step for bridging the mold with a transfer film for in-mold molding in which a decorative film is laminated on the lower surface side of the base film;
A plate-like free member having a planar shape that matches the upper surface shape of the opening and having a thickness corresponding to a step from the upper surface of the peripheral edge of the opening to the upper surface of the edge portion is formed on the transfer film. A free member placement step for placing in the lower mold while facing the surface of the decorative film,
An in-mold molding step of molding the frame while injecting the molten resin into the mold in a closed state and transferring the decorative film to the resin;
A free member removing step of removing the free member in a state of being arranged inside the opening of the frame after the in-mold forming step;
including,
A manufacturing method of a frame body characterized by the above.
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