JP2013151867A - 内燃機関の測定装置及び内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも簡便にシリンダの内壁への燃料付着の有無を判定することが可能な、内燃機関の測定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の測定装置10は、燃料を噴射する噴射弁11と、前記噴射弁11から離間して設けられた衝突板12と、前記噴射弁11から噴射され前記衝突板12に付着した前記燃料の付着量に応じて、前記噴射弁11から内燃機関26の気筒内に前記燃料を噴射した場合の前記気筒の内壁面28に付着する前記燃料の付着量を算出する演算部14と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の測定装置及び内燃機関に関する。
従来から、内燃機関のシリンダ(気筒)内に燃料を噴射する、筒内噴射式の内燃機関が知られている。
筒内噴射式の内燃機関では、燃料の噴射状態によっては、シリンダの内壁に燃料が付着する場合がある。付着燃料はシリンダ内で気化され難くなり、その結果、燃料が完全燃焼されずに排気中に未燃成分が含まれるおそれがある。未燃成分には排出規制の対象物質であるハイドロカーボン(HC)等が含まれていることから、未燃成分の発生を抑制する必要がある。
そこで、例えば特許文献1から3では、シリンダの内壁への燃料付着を抑制するために、燃料噴射のタイミング、吸気弁のリフト量またはスロットルバルブの開閉タイミング等を調整し、筒内の気体の流動性を高めることでシリンダ内壁への燃料付着を抑制している。
特開2002−327665号公報 特開2009−62946号公報 特開2009−174345号公報
ところで、シリンダの内壁への燃料付着の有無を確認する場合、従来は、内燃機関を実際に作動させる必要がある。更に、作動後の内燃機関を冷却し、その後に内燃機関のエンジンオイルを抜き取り、エンジンオイル中に取り込まれた燃料量を計測することによってシリンダ内壁への燃料付着の有無を確認する。加えて、確認作業を再び行う際には、前回の確認作業に用いたエンジンオイルを全て新しいエンジンオイルに入れ替えなければならない。または、シリンダ内の直接観察によって燃料付着の有無を確認する場合には、例えば可視化用の窓を設けた実験用エンジンを用意する必要がある。このように、従来は、シリンダの内壁への燃料付着の有無を確認する過程で煩雑な作業を行う必要があった。
本発明の一つの態様は、内燃機関の測定装置に関するものである。当該測定装置は、燃料を噴射する噴射弁と、前記噴射弁から離間して設けられた衝突板と、を備える。さらに、前記噴射弁から噴射され前記衝突板に付着した前記燃料の付着量に応じて、前記噴射弁から内燃機関の気筒内に前記燃料を噴射した場合の前記気筒の内壁面に付着する前記燃料の付着量を算出する演算部を備える。
また、上記発明において、20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記衝突板に前記燃料が噴射されることが好適である。
また、本発明の一つの態様は、内燃機関に関する。当該内燃機関は、燃料を噴射する噴射弁と、前記燃料が噴射される気筒と、を備える。さらに、20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する前記気筒の内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記気筒の内壁面までの離間距離と等しくなるように前記噴射弁から離間させた衝突板に対して、前記噴射弁から前記燃料を噴射させた場合に、噴射する全燃料に対する前記衝突板に付着する燃料の割合が15%以下となるような前記噴射弁の噴射条件と同一の噴射条件で、前記噴射弁から前記気筒内に前記燃料を噴射させる制御部を備える。
また、本発明の一つの態様は、内燃機関に関する。当該内燃機関は、燃料を噴射する噴射弁と、前記燃料が噴射される気筒と、を備える。さらに、20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する前記気筒の内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記気筒の内壁面までの離間距離と等しくなるように前記噴射弁から離間させた衝突板に対して、前記噴射弁から前記燃料を噴射させた場合に、以下の数式(1)を満たすような前記噴射弁の噴射条件と同一の噴射条件で、前記噴射弁から前記気筒内に前記燃料を噴射させる制御部を備える。
Figure 2013151867
ここで、V[m/s]は前記衝突板への衝突時における前記燃料の、前記衝突板に対して垂直方向の平均速度、d[m]は前記衝突板における前記燃料の平均粒径、A[m]は前記衝突板における噴霧断面積、Qdot[m/s]は前記噴射弁から噴射される前記燃料の噴射率である。
また、本発明の一つの態様は、内燃機関に関する。当該内燃機関は、燃料を噴射する噴射弁と、前記燃料が噴射されるとともに、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記内壁面までの離間距離が86mm以上となるように配置された気筒と、を備える。さらに、噴射圧が80MPa以上、噴射間隔が0秒以上、及び噴射率が40mm/ms以下となるように前記噴射弁の噴射条件を制御する制御部を備える。
本発明によれば、従来よりも簡便にシリンダの内壁への燃料付着の有無を判定することができる。また、上記判定手法を利用した制御により駆動される内燃機関を提供することが可能となる。
本発明の一実施における、内燃機関の測定装置の模式図である。 内燃機関の断面図である。 内燃機関の断面図である。 衝突板への燃料付着率とシリンダ内壁面への燃料付着率との相関を示すグラフである。 液滴測定装置の模式図である。 本発明の一実施形態における、噴射パラメータに関する理論式と、衝突板への燃料付着率との相関を示すグラフである。
本実施の形態に係る内燃機関の測定装置を、図1に例示する。測定装置10は、噴射弁11、衝突板12、及び演算部14を含んで構成される。
噴射弁11は、燃料タンク16の燃料を噴射可能な噴射手段である。噴射弁11は、例えば、ニードルを移動させることによって噴口を開閉させるニードル弁であってよい。また、燃料は測定対象となる内燃機関に用いられる燃料や、これに近い物性(密度、表面張力等)を持つ液体であってよく、例えば、ノルマルヘプタンや軽油であってよい。
また、燃料タンク16内の燃料を噴射弁11まで送るための手段として、燃料ポンプ20及びプレッシャレギュレータ22を設けてもよい。燃料ポンプ20は、燃料タンク16から燃料を引き込んで昇圧させる。また、プレッシャレギュレータ22は、燃料ポンプ20と噴射弁11との間に設けられ、プレッシャレギュレータ22と噴射弁11間を所定の圧力に調整する機構を備えている。燃料ポンプ20によって所定の圧力まで昇圧された燃料は、プレッシャレギュレータ22を経由して、噴射弁11まで供給される。
衝突板12は、噴射弁11と対向して配置される。衝突板12は、例えば平板であってよく、噴射弁11の噴射軸線Cに対して衝突面24が垂直となるように配置されてよい。また、噴射弁11と衝突板12は離間して配置される。例えば、噴射弁11と衝突板12との離間距離Lは、測定対象となる内燃機関における、噴射弁11とシリンダ(気筒)の内壁面との離間距離を考慮して定めてよい。
離間距離について、図2及び図3を用いて説明する。図2には、測定対象となる内燃機関26の断面図が例示されている。内燃機関26には、測定装置10における噴射弁11と同一の噴射弁11が搭載されている。この場合において、噴射弁11と対向するシリンダ内壁面28までの、シリンダ内壁面28から噴射弁11に向かって降ろした垂線の足の長さLを離間距離とする。
また、噴射弁11が内壁面と対向しない場合がある。例えば、図3のように、シリンダ内壁面28と噴射弁11の噴射軸線Cとが平行となるように噴射弁11を配置した場合がこれに該当する。この場合には、噴射軸線Cとシリンダ内壁面28までの距離Lを離間距離とする。例えば、離間距離LまたはLは、40mm以上の値であってよい。また、噴射弁11と衝突板12との離間距離Lは、測定対象となる内燃機関26における離間距離LまたはLと等しくすると好適である。
図1に戻り、演算部14は、衝突板12における燃料の付着状態を算出するとともに、当該付着状態に基づいて、測定対象の内燃機関におけるシリンダ内壁面28への燃料付着量を算出する。演算部14は、これらの演算処理や判定処理が可能な機器であればよく、例えば、マイクロコンピュータユニットを含んで構成されてよい。
また、演算部14は、燃料の噴射圧(燃圧)や噴射弁11の噴射期間、噴射間隔等を制御可能となっている。噴射間隔とは、1サイクルの中で所定量の燃料を複数回に分けて分割噴射する場合の、各分割噴射間の時間間隔を表している。また、単位時間当たりの燃料噴射量を示す噴射率は、燃料噴射ノズルの流量係数、噴射圧、雰囲気圧、及び燃料密度によって決定される。
また、演算部14は、気圧センサ30、温度センサ32と接続されていてもよい。気圧センサ30は、燃料が噴射される際の雰囲気の圧力を測定可能なセンサである。また、温度センサ32は、燃料が噴射される際の雰囲気の温度を測定可能なセンサである。
また、測定装置10は、衝突板12における燃料の付着状態を算出するための手段として、衝突板12の質量変化を測定可能な計量手段34を備えていてもよい。例えば、計量手段34は、電子天秤であってよい。計量手段34は、衝突板12を支持している。衝突板12に燃料が付着すると、その分重量が増加する。計量手段34は、演算部14に接続されており、演算部14は、重量の増分に基づいて、衝突板12への燃料付着量を算出することができる。なお、精度の高い測定を行うために、計量手段34の計測値が変動しないような、静止場の雰囲気で測定を行うことが好適である。静止場とは、例えば無風状態であり、計量手段の最小計測値が5秒以上変動しない状態であってよい。
次に、測定装置10による測定工程について説明する。燃料ポンプ20及びプレッシャレギュレータ22によって、予め設定された圧力まで燃料が昇圧され、当該燃料は噴射弁11まで送られる。演算部14は、予め設定された噴射率、噴射間隔で燃料が噴射されるように、噴射弁11に対して開弁指令を送る。これによって噴射弁11から衝突板12に対して燃料が噴射される。演算部14は、燃料噴射後の計量手段34の重量変化、燃料噴射時の雰囲気の温度及び圧力を取得する。これらの値と、噴射弁11と衝突板12との離間距離Lとに基づいて、演算部14は、上記の噴射圧、噴射率、噴射間隔と同一の噴射条件で噴射弁11からシリンダ内に燃料を噴射した際の、シリンダ内壁面28への燃料付着量を算出する。
図4には、衝突板12への燃料付着率と、シリンダ内壁面28への燃料付着率との関係が示されている。ここで、噴射弁11と衝突板12との離間距離Lは、図2に示した離間距離Lと等しいものとしている。また、噴射弁11から衝突板12への燃料噴射に当たり、雰囲気温度は20℃以上30℃以下の室温であり、また、気圧は標準大気圧を含む、980hPa以上1040hPa以下であった。
また、内燃機関26に関して、排気量が2リットルの4気筒エンジンを使用した。各気筒(シリンダ)の内径は86mmであった。この内燃機関26に対して、1200rpm、負荷40%の運転状態にて燃料噴射を行った。さらに、噴射後にシリンダ内壁面28に塗布されたエンジンオイルの燃料による希釈率を求め、当該希釈率からシリンダ内壁面28への燃料付着率を算出した。
図4では、噴射弁11A及び11Bとして、燃料噴射速度が異なる2種類のスリットノズルを使用した。また、噴射弁11Aのプロットを、40A、42A、44Aで示し、噴射弁11Bのプロットを、40B、42B、44Bで示す。それぞれの噴射弁11A、11Bの噴射条件は、以下のように設定した。すなわち、いずれのプロットにおいても、離間距離L=L=86mmとした。また、プロット40A、40Bにおける噴射圧は20MPaとし、噴射率は10mm/ms以上20mm/ms以下とした。また、プロット42A、42Bにおける噴射圧は40MPaとし、噴射率は14mm/ms以上28mm/ms以下とした。また、プロット44A、44Bにおける噴射圧は80MPaとし、噴射率は20mm/ms以上40mm/ms以下とした。さらに、いずれの噴射時においても、噴射間隔は0秒(連続噴射)とした。
図4に明らかなように、衝突板12への燃料付着率と、シリンダ内壁面28への燃料付着率には相関が見られる。したがって、衝突板12への燃料付着率を測定することで、シリンダ内壁面28への燃料付着率を算出することが可能となる。さらに、噴射弁11の燃料噴射量と、上記燃料付着率に基づいて、噴射された全燃料に対する、シリンダ内壁面28への燃料付着量を求めることが可能となる。
このように、本実施形態においては、内燃機関26を実際に作動させることなく、シリンダ内壁面28への燃料付着量を求めることが可能となる。その上、室温、大気圧での解析を行う、いわゆるコールドモデルを用いて、シリンダ内壁面28への燃料の付着状態を判定することが可能となる。したがって、実際の内燃機関26のような高温、高圧での環境を整える必要がなく、簡便な雰囲気調整にて測定を行うことが可能となる。
また、図4より、衝突板12への燃料付着率が15%以下になると、シリンダ内壁面28への燃料付着率が0%となる。このことから、衝突板12への燃料付着率が15%以下となるような噴射弁11の噴射条件を測定装置10にて求めてもよい。求められた噴射条件と同一の噴射条件で内燃機関26の噴射弁11の噴射を制御することで、シリンダ内壁面28に燃料を付着させずに燃料を噴射することが可能となる。例えば、測定装置10で求めた噴射条件を、内燃機関26の噴射弁11を制御する制御部(図示せず)に記憶させるとともに、当該噴射条件に基づいて噴射弁11の制御を行うようにしてもよい。
シリンダ内壁面28への燃料付着率が0%となる、つまり、衝突板12への燃料付着率を15%以下にする噴射条件とは、例えば、図4に示したプロット44Aと衝突板12への燃料付着率が0%となるまでの範囲に入るような噴射条件である。プロット44Aにおける噴射条件は、噴射圧が80MPa、噴射間隔が0秒、噴射率が40mm/msである。また、噴射弁11とシリンダ内壁面28までの離間距離LまたはLが86mmである。したがって、シリンダ内壁面28への燃料付着率を0%とするためには、噴射圧を80MPa以上、噴射間隔を0秒以上、噴射率を40mm/ms以下とすればよい。さらに、噴射弁11とシリンダ内壁面28までの離間距離LまたはLを、86mm以上とすればよい。
なお、衝突板12への燃料付着率を15%以下にする噴射条件を求めるにあたり、理論式を利用してもよい。噴射弁11から噴射される燃料は、燃料噴流の乱れ及び周囲の空気とのせん断力などにより、微粒化して噴霧を形成する。微粒化された燃料液滴は、周囲の空気から受ける抗力D[m]により周囲の空気と運動量が交換される。運動量の交換により、時間t[s]とともに気液相対速度V[m/s]は緩和されていく。
噴霧は気流とともに衝突板12の衝突面24に向かうが、その際に、気流の進行方向は衝突面24の接線方向に曲げられる。このとき、噴霧液滴の単位質量当たりの抗力Dが十分に大きければ、燃料液滴は衝突面24に衝突する前に気流によって運び去られ、衝突面24には付着しない。
例えば、一様流中に置かれた球形の単一液滴を考えると、単一液滴の受ける単位質量当たりの抗力Dは、下記数式(2)の様に表すことができる。
Figure 2013151867
ここで、ρf[kg/m]は燃料の密度、dp[m]は衝突面24における液滴粒径、Cd(無次元)は抗力係数、ρa[kg/m]は周囲空気の密度、V[m/s]は衝突面24における液滴の、衝突面24に対して垂直方向の速度である。ρf及びρaは既知である。また、レイノルズ数Re(無次元)がAllen域(2<Re<500)にあるとの条件で、下記数式(3)から、抗力係数Cdを求めることができる。
Figure 2013151867
以上から、抗力Dは、衝突面24における液滴の速度Vと液滴粒径dpを変数とする関数と捉えることができる。
また、単一液滴の集合体である燃料噴霧を考慮した場合、燃料噴霧と空気との運動量の交換は、液滴の数密度が小さいほど(疎であるほど)液滴1つ当たりの運動量交換に多くの空気を使うことができる。言い換えると、衝突面24における噴霧断面積A[m]は大きいほど、また、噴射弁11から噴射される燃料の噴射率Qdot[m/s]は小さいほど、噴霧液滴は気流に運び去られ易くなる。
以上の検討から、衝突面24における、液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotを変数とした理論式を導出する。理論式の導入に当たり、実測値をもとにしてもよい。例えば、衝突面24における、液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotをそれぞれ測定する。さらに、衝突面24における燃料付着率を測定する。さらに、各パラメータの関係から理論式を導出する。
衝突面24における、液滴速度、液滴粒径、噴霧断面積の測定は、例えば図5のような液滴測定装置50を用いることによって行うことが可能である。液滴測定装置50は、例えば位相ドップラー測定装置(Phase Doppler Anemometry、PDA)であってよい。位相ドップラー測定装置は、二本のレーザー光源52、複数の検出器54、トラバース機構56、及び、演算部57を含んで構成されている。
トラバース機構56は、レーザー光源52と検出器54を移動させる移動手段である。トラバース機構56は、図5のように、互いに直行する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向にそれぞれ移動可能なステージを有していてもよい。
また、演算部57は、検出器54から出力された信号を受信するとともに、当該信号に基づいて、液滴速度、液滴粒径、噴霧断面積を算出する演算手段である。また、トラバース機構56に対して移動指令を送信可能であってもよい。演算部57は、これらの演算処理や信号送信が可能な機器であればよく、例えば、マイクロコンピュータユニットを含んで構成されてよい。
衝突面24における、液滴速度、液滴粒径、噴霧断面積の測定にあたり、まず、噴射弁11と二本のレーザービームの交差領域(測定体積)58との間隔を、測定装置10における噴射弁11と衝突板12との離間距離Lと等しくする。例えば、噴射弁11を固定するとともに、トラバース機構56をZ軸方向に移動させて、噴射弁11と交差領域58との離間距離をLとする。
さらに、上述したような、静止場、室温、大気圧(計量手段の最小計測値が5秒以上変動しない状態、20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下)の雰囲気下で燃料を噴射する。交差領域58では、当該領域を通過する液滴によって、各々の光線が散乱し、その散乱光によって干渉縞が形成される。干渉縞は検出器54によって検出される。交差領域58における液滴は動いているので、干渉縞は粒子速度に比例したドップラー周波数で動く。この干渉縞を離れた2点で観測すると、各々の位置でのドップラーバースト信号は相対的な位相のずれを生じる。この位相ずれは、液滴粒径に比例することが知られている。したがって、演算部57が、それぞれの検出器のドップラーバースト信号の位相ずれを求めることで、液滴粒径を測定することができる。
また、交差領域58を通過した液滴から反射されるレーザー光の周波数は、液滴の速度に比例して変調することが知られている。このことから、変調周波数を計測することで、液滴の速度を測定することができる。
上述のように、噴射弁11と交差領域58との間隔は噴射弁11と衝突板12との離間距離Lと等しいことから、交差領域58における液滴速度及び液滴粒径を求めることで、衝突板12における液滴速度V及び液滴直径dpを得ることが可能となる。なお、演算負荷の軽減のため、また、各液滴の個体差を平均化するため、噴霧断面全体のザウター平均粒径及び平均流速を求め、これを液滴粒径dp及び液滴速度Vとすることが好適である。
衝突板12における噴霧断面積Aは、交差領域58をXY平面上で移動させた際の、噴霧断面の粒子数分布から、既知の図形処理プログラム等によって噴霧断面の輪郭を抽出することで得ることができる。
なお、液滴粒径は、位相ドップラー測定装置の他にも、レーザー光散乱方式の粒度分布測定装置(Laser Diffraction Sizing Analyzer,LDSA)を用いても計測することが可能である。また、液滴速度は、噴霧の連続写真撮影や粒子像流速計(Particle Image Velocimetry,PIV)によっても計測することが可能である。また、噴霧断面積Aは、レーザーシート光による噴霧断面の散乱光を写真撮影することによっても計測することが可能である。
また、噴射弁11の噴射率Qdotは、燃料噴射ノズルの流量係数、噴射圧、及び燃料密度を用いて算出することが可能である。また、所定の噴射期間における噴射燃料をすべて容器で受け止めて、その重量を計測することで求めることもできる。
さらに、衝突板12への燃料付着率は、上記液滴測定装置50と同一の、噴射弁11の噴射条件、噴射弁11と衝突板12との離間距離L、雰囲気条件にて燃料噴射を行うことによって得ることができる。
所定の噴射条件にて燃料を噴射した際の、液滴測定装置50にて測定された液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotの実測値と、同一条件にて燃料を噴射した場合の、衝突板12への燃料付着率の実測値から、これらの相関を示す理論式を導くことができる。発明者らは、種々の解析の結果、液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotを変数とする、下記数式(4)を見出した。
Figure 2013151867
図6には、数式(4)で得られる値を横軸、衝突板12における燃料付着率を縦軸にしたグラフが示されている。×または+の記号は、所定の噴射条件にて取得した、液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotの実測値を数式(4)に代入して得られる値に対する、上記所定の条件と同一の噴射条件にて取得した、衝突板12における燃料付着率をプロットしたものである。また、実線は、これらのプロットから得られる近似曲線であり、破線は、近似曲線の誤差10%の範囲を示す曲線である。
上述したように、衝突板12への燃料付着率が15%以下であるときに、シリンダ内壁面28への燃料付着率が0%となる。このことから、近似曲線の誤差を考慮して、数式(4)の値が、マイナス側の誤差を表す曲線60の、縦軸の値が15%のときの横軸の値である0.000095以下であれば、シリンダ内壁面28への燃料付着率が0%となり得る。つまり、下記数式(5)の条件が満たされるような、液滴速度V、液滴粒径dp、噴霧断面積A、及び、噴射弁11の噴射率Qdotとなる噴射条件であればよい。
Figure 2013151867
液滴測定装置50を用いて、数式(5)を満たす噴射条件を求めるとともに、当該噴射条件を、内燃機関26の噴射弁11に適用することによって、シリンダ内壁面28への燃料付着率を0%にすることが可能となる。
また、数式(5)の右辺の値を0.000095にする代わりに、より厳しい値を設けてもよい。例えば、プラス側の誤差を表す曲線61の、縦軸の値が15%のときの横軸の値である0.000027を、数式(5)の右辺の値に設定してもよい。
10 測定装置、11 噴射弁、12 衝突板、14 演算部、16 燃料タンク、20 燃料ポンプ、22 プレッシャレギュレータ、24 衝突面、26 内燃機関、28 シリンダ内壁面、30 気圧センサ、32 温度センサ、34 計量手段、50 液滴測定装置、52 レーザー光源、54 検出器、56 トラバース機構、57 液滴測定装置の演算部、58 交差領域。

Claims (5)

  1. 燃料を噴射する噴射弁と、
    前記噴射弁から離間して設けられた衝突板と、
    前記噴射弁から噴射され前記衝突板に付着した前記燃料の付着量に応じて、前記噴射弁から内燃機関の気筒内に前記燃料を噴射した場合の前記気筒の内壁面に付着する前記燃料の付着量を算出する演算部と、
    を備えることを特徴とする、内燃機関の測定装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の測定装置であって、
    20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記衝突板に前記燃料が噴射されることを特徴とする、内燃機関の測定装置。
  3. 燃料を噴射する噴射弁と、
    前記燃料が噴射される気筒と、
    20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する前記気筒の内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記気筒の内壁面までの離間距離と等しくなるように前記噴射弁から離間させた衝突板に対して、前記噴射弁から前記燃料を噴射させた場合に、噴射する全燃料に対する前記衝突板に付着する燃料の割合が15%以下となるような前記噴射弁の噴射条件と同一の噴射条件で、前記噴射弁から前記気筒内に前記燃料を噴射させる制御部と、
    を備えることを特徴とする、内燃機関。
  4. 燃料を噴射する噴射弁と、
    前記燃料が噴射される気筒と、
    20℃以上30℃以下、980hPa以上1040hPa以下、及び静止場の雰囲気で、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する前記気筒の内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記気筒の内壁面までの離間距離と等しくなるように前記噴射弁から離間させた衝突板に対して、前記噴射弁から前記燃料を噴射させた場合に、以下の数式(1)を満たすような前記噴射弁の噴射条件と同一の噴射条件で、前記噴射弁から前記気筒内に前記燃料を噴射させる制御部と、
    を備えることを特徴とする、内燃機関。
    Figure 2013151867
    ここで、V[m/s]は前記衝突板への衝突時における前記燃料の、前記衝突板に対して垂直方向の平均速度、d[m]は前記衝突板における前記燃料の平均粒径、A[m]は前記衝突板における噴霧断面積、Qdot[m/s]は前記噴射弁から噴射される前記燃料の噴射率である。
  5. 燃料を噴射する噴射弁と、
    前記燃料が噴射されるとともに、前記噴射弁から前記噴射弁に対向する内壁面までの離間距離または前記噴射弁の噴射軸線から前記内壁面までの離間距離が86mm以上となるように配置された気筒と、
    噴射圧が80MPa以上、噴射間隔が0秒以上、及び噴射率が40mm/ms以下となるように前記噴射弁の噴射条件を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする、内燃機関。
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