JP2013151788A - セグメント桁、塩害対応外ケーブル桁橋の構築およびその施工法 - Google Patents

セグメント桁、塩害対応外ケーブル桁橋の構築およびその施工法 Download PDF

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謙二 竹本
Suguru Tokumitsu
卓 徳光
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守 正木
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英宏 内野
Mitsuhide Yoshida
光秀 吉田
Akihiko Sugaya
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Abstract

【課題】メンテナンスが容易な構造であるとともに、塩分の付着が少なく、塩分のコンクリート中への浸入が少なくかつ、施工期間の短い、経済的な、セグメント桁の製作および塩害対応外ケーブル桁橋の施工法を提供する。
【解決手段】複数のセグメントブロックを外ケーブルで緊張して構成したセグメント桁であって、前記セグメントブロックのウエブは薄くかつ構造的に弱点とならない位置に点検用のマンホールを有し、セグメントブロックごとに使用材料の選定が可能となり、セグメントブロックの断面形状は、主桁断面を分割した下側が凹凸の少ない箱形断面であるので、メンテナンスが容易な構造であるとともに、塩分の付着、浸入が少なくなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、海岸付近や凍結防止剤を多量に使用するなどの塩害に対する厳しい環境においても劣化の進行速度が遅く、耐久性能に優れた塩害対応外ケーブル桁橋を短期間に構築できる施工法に関するものである。
コンクリート橋の長期間の使用に関わる耐久性能や通行する荷重に対する抵抗力に関わる耐荷性能はコンクリート中の鉄筋やPC鋼材の健全性に依存している。一般に、海岸線付近の厳しい環境においてコンクリート橋は、海岸から飛来する塩化物がコンクリート表面から内部に浸透し、鉄筋やPC鋼材を腐食させコンクリート橋の性能が低下する塩害が問題となっている。また、凍結防止剤を多量に使用する橋梁の橋桁端部や排水枡取り付け位置周辺では、凍結防止剤に含まれる塩化物がコンクリート中に浸透して、同様の問題が生じている。
コンクリート橋のコンクリート表面と鉄筋との間は、「かぶり」と呼ばれるコンクリートのみが充填されている区間がある。初期のコンクリート橋では海岸付近の厳しい環境でも、かぶりの厚さは一般の環境と変わらないものであった。
昭和の50年代以降は粉塵などの環境問題からスパイクタイヤの使用が禁止され、降雪地帯では道路に散布する凍結防止材の量も増加した。
また、昭和の50年頃以降になると、塩化物によるコンクリート中の鋼材腐食が問題となり、調査・研究が進められ、海岸付近の厳しい環境ではかぶり厚さを厚くすることが規定された。
更に、現在では、厳しい塩害環境に建設されるコンクリート橋では、かぶりの増し厚の他、様々な対策が施されている橋梁もある。ただ、塩害の問題が顕在化する前に建設されたコンクリート橋では、特に塩害に対する対策が取られていないコンクリート橋も多数存在し、根本的な対策が取られていない橋梁も多い。また、根本的な補修・補強対策を施す事が困難な橋梁では架替えが検討されるコンクリート橋もある。
橋梁の架替えを行う場合は架設の仮橋を設置したり、迂回路を利用する事となり、安全性や利便性から橋梁の架替え工事期間の短縮が望まれている。近年は、初期の建設費用のみに着目するのではなく、橋梁の建設費や供用期間の維持管理費用および供用期間終了後の撤去費用まで含めたライフサイクルコストが考慮されるようになっている。
例えば、特許文献1には、コンクリート表面から塩化物を浸透させない「高耐久性コンクリート組成物及びその製造方法」が開示されており、早強ポルトランドセメントとセメント以外の微粉末との混合割合等を限定して、緻密なコンクリートを製造する技術が開示されている。
また、特許文献2には、橋梁用外ケーブル中の鋼材を腐食させない方法が開示されており、鋼材が腐食環境に曝されないように、鋼材表面を被覆して錆びの発生を抑制するとともに被覆材を透明にして目視点検を可能とする方法が開示されている。
また、特許文献3には、「箱桁橋構造及びその構築方法」が開示されており、プレストレスが導入されたH形の桁を複数使用して、桁の間の床版となる部分にコンクリートを打設する箱桁橋構造およびその構築方法。そして、H形桁の自重に対するプレストレスはコンクリート内部のPC鋼材を使用して導入し、橋面荷重や活荷重には外ケーブルを介してプレストレスを導入する箱桁橋構造およびその構築方法が開示されている。
特開2010−6662号公報 特開2010−174423号公報 特許第3737475号公報
1)耐荷性能の確認が可能な構造:外ケーブルに関する課題
プレストレストコンクリート(PC)橋の通行する車両や自重などの荷重に対する抵抗力に関わる耐荷性能はPC鋼材の健全性に依存しているが、塩害劣化が生じている古い橋ではPC鋼材がコンクリート中に埋設されていることから、そのPC鋼材健全性を目視で確認する事が困難である。確認するためには、コンクリートをはつるなど、既設の構造物に損傷を与えなければならなかった。
2)メンテナンスが可能な構造:点検・作業空間に関する課題
橋桁端部には外気温の変化に伴う橋桁の伸縮や橋梁を通行する車両等による橋桁の回転を吸収するために隙間が設けてあり、その部分には車両等が通行できるように伸縮装置が設けられている。この伸縮装置は車両等の通行性確保の他に雨水などが橋桁端部から漏れないように止水措置が施されているが、経年の劣化により伸縮装置の止水性能が低下し雨水の漏れが発生する。海岸付近の橋梁では、この漏水に塩化物が含まれる可能性も高くなり、塩化物が含まれた雨水が橋桁端部に漏水すると桁端部が塩害による損傷も急激に進行する。中小規模の橋梁では橋桁端部の隙間は狭く止水性能の回復などの措置が不可能であることが多い。また点検や維持補修のための作業空間が確保されていなかった。
3)塩化物の付着が少ない構造:閉断面とした主桁形状の課題
PC橋では、これまでの施工実績などにより橋梁の橋脚の間隔(支間)により経済的な橋桁断面や構造がある程度決まっている。支間が25m以下程度の橋梁では工場で製作するプレテンション桁と呼ばれるT形やロ形のプレキャスト桁の使用が多い。支間が25m以上では、現場でコンクリートを打設するポストテンション方式や桁を運搬可能なブロックに分割し架設現場で接合する構造となる。桁の断面形状は箱形やT形となる。
また、PC橋の塩害の原因となる海岸から飛来する塩化物は橋桁の断面に凹凸が多いほど付着しやすいとされている。T桁橋のように橋桁下面に凹凸が多く表面積が広い断面形状は断面が箱形の桁橋に比べ断面の凹凸が多く塩害に対しては不利な形状とされている。
4)塩分が浸入しても劣化しにくい構造:錆びにくい材料またはコンクリートの性能に関する課題
コンクリート橋の表面に付着した塩化物は徐々にコンクリート中に浸透していく。コンクリートに浸透する塩化物の量や時間はコンクリートの品質により異なり、コンクリート強度が高く緻密なコンクリートほど浸透する量は少なく長い時間を要するとされている。コンクリート中に浸透した塩化物が鋼材付近に到達し、その濃度が高くなると化学反応により鋼材表面に錆が発生し構造物全体としての性能が低下する劣化が始まる。劣化が進行すると橋桁コンクリートの剥離や鉄筋やPC鋼材などの鋼材断面積が減少するなどの損傷が表れる。
5)工期短縮、安全性の確保の課題
コンクリート橋のコンクリートが剥離した場合は、断面修復などの補修が実施されるが、塩化物が多量に浸透しているものは補修後十数年ほどのサイクルで再劣化が生じることが知られている。損傷が軽微な時は補修を行い橋梁の延命をはかるが、補修が度重なると最終的には橋梁の架替えとなる。既に利用されている橋の架け替えでは、仮橋や迂回路による規制により工事が行われる。これらの規制により、安全性や経済性が損なわれることから、工事期間の短縮が望まれている。
特許文献1に開示された「高耐久性コンクリート組成物及びその製造方法」では、緻密なコンクリートを製造することはできますが、セグメント桁、外ケーブルなどの桁橋の構造について、塩害対策及び点検、補修についての開示がない。
また、特許文献2に開示された「点検可能ポリエチレン被覆エポキシストランド」では、外ケーブルの表面を被覆して錆びの発生を抑制するとともに被覆材を透明にして点検可能としておりますが、橋梁全体としての塩害対策は図られていない。
特許文献3に開示された「箱桁橋構造及びその構築方法」では、橋面荷重や活荷重には外ケーブルを介してプレストレスを導入する箱桁橋構造およびその構築方法ですが、橋梁全体としての塩害対策は開示されていない。
更に、橋桁の構築方法についても橋桁を構成する部材を分割してプレキャスト部材を使用するなど類似する方法が提案されていますが断面の形状が異なり、塩害に強い橋梁の構築を目的とした工法はまだ存在しない。
この発明は、メンテナンスが容易な構造であるとともに、塩分の付着、浸入が困難でかつ、施工期間の短いセグメント桁を用いた、塩害対応外ケーブル桁橋及びその施工法を提供するものである。
この発明は、以下のような内容である。
(1)本発明の塩害対応外ケーブル桁橋は、複数のセグメント桁から成る。セグメント桁は複数のセグメントブロックから成る。前記セグメントブロックのウエブはPC鋼材を全て断面の外に配置することにより薄くでき、かつ構造的に弱点とならない位置のセグメントブロックに点検用のマンホールを有する。前記セグメントブロックの断面形状は箱形をした角筒型、ロ形の何れか1であり下側が凹凸の少ない箱形であることを特徴とする。
(2)(1)に記載のセグメント桁において、前記セグメントブロックの目地構造は、接合面に接着剤、コンクリート、モルタルの何れか1を充填したことを特徴とする。セグメント桁に使用するコンクリートは一部のセグメントブロックもしくは全てのセグメントブロックに塩化物の浸透に対して抵抗性の高い高性能コンクリートを選択可能であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載のセグメント桁はコンクリート断面外の箱形の内部空間を挿通した外ケーブルで長手方向に緊張して構成したことを特徴とする。
(4)(1)〜(3)に記載のセグメント桁を複数使用した塩害対応外ケーブル桁橋において、前記塩害対応外ケーブル桁橋の端部と橋台パラペットとの間に点検用空間を配置したことを特徴とする。
(5)(1)〜(3)に記載の複数のセグメント桁はセグメントブロックの橋桁端部や橋桁中間付近に構築されるコンクリート横桁とPC鋼材によって一体化し桁橋とする。横桁の構造は横桁断面の内部にPC鋼材を配置する内ケーブル構造、横桁断面の外部にPC鋼材を配置する外ケーブル構造から、各種条件を考慮して選定出来ることを特徴とする。
(6)本発明の塩害対応外ケーブル桁橋の施工法は、複数のセグメントブロックを長手方向に配置した外ケーブル(PC鋼材)で緊張してセグメント桁を製造するセグメント桁製造工程と、前記セグメント桁製造工程で製造したセグメント桁を橋台間に架設する架設工程と、架設したセグメント桁を一体化するセグメント桁横締め工程と、前記横締め工程で架設した塩害対応外ケーブル桁橋の上面側部に地覆・壁高欄を設置する地覆・壁高欄設置工程と、塩害対応外ケーブル桁橋の上面に防水・舗装施工する舗装工程とから成ることを特徴とする。
この発明の塩害対外ケーブル桁橋によれば、複数のセグメントブロックを外ケーブルで緊張して構成したセグメント桁であって、前記セグメント桁のウエブは、薄くかつ構造的に弱点とならない位置に点検用のマンホールを有し、重量の軽量化を実現できるとともに、マンホールから桁内部の経緯方向に進入して点検することができ、維持管理が容易となり桁橋の寿命を延長することができる。
また、セグメントブロックの断面形状は、角筒型、ロ形の何れか1であるので下側が凹凸の少ない箱形断面であり、塩分が付着し難く、塩害の影響を低減できる。更に、セグメントブロックの継ぎ目部分へプレストレスが導入され一体化されるため、水密性が向上する。
また、セグメントブロックに使用するコンクリートを塩化物の浸透に対して抵抗性の高い高性能コンクリートと普通コンクリートから選択可能となるため、経済的で耐久性を確保した桁橋とすることができる。
また、本発明の塩害対応外ケーブル桁橋は、上記セグメントブロックを使用し、桁の内部空間に挿通した外ケーブルで長手方向に緊張してセグメント桁とするので、ケーブルの点検、取替えが容易であり桁橋の寿命を延長することができる。
また、前記塩害対応外ケーブル桁橋の端部と橋台パラペットとの間に点検用空間を確保するので、点検、補修作業を容易に実施することができる。
また、複数のセグメント桁を桁端部や支間部の横桁で一体化する。横桁にはPC鋼材を配置して緊張するが、PC鋼材を横桁のコンクリート断面内に配置する内ケーブル配置とコンクリート断面外に配置する外ケーブル配置を選択できる。外ケーブル配置を選択した場合はPC鋼材の点検と維持管理が容易となり桁橋の寿命を延長することができる。
また、本発明の塩害対応外ケーブル桁橋の施工法は、複数のセグメントブロックを縦締めPC鋼材で緊張してセグメント桁を製造するセグメント桁製造工程と、前記セグメント桁製造工程で製造したセグメント桁橋を橋台間に架設する架設工程と、架設したセグメント桁を一体化するセグメント桁横締め工程と、前記横締め工程で架設した塩害対応外ケーブル桁橋の上面側部に地覆・壁高欄を設置する地覆・壁高欄設置工程と、外ケーブル桁橋の上面に防水・舗装施工する舗装工程とから成るので、従来の同程度規模の場所打ち施工方法と比べると短期間で桁橋を構築することができ、交通に与える影響を少なくできる。
図1(a)は、本発明の一実施の形態である塩害対応外ケーブル桁橋の一部を切り欠いた全体斜視図、(b)は橋台部と橋桁端部との関係を示す断面図である。 図2は、縦締めPC鋼材の配置位置と桁断面のウエブ厚さとの関係をを示す説明図である。(a)は外ケーブル方式、(b)は内ケーブル方式の概念を示す図である。 図3は、主桁を構成するセグメント桁のウエブに点検用のマンホールを設た場合の説明図である。 図4は、各種橋桁に使用されるセグメントブロックの断面図であり、(a)は角筒形断面、(b)はロ形断面を示す断面図である。 図5は、プレキャストセグメント目地部の処理方法を示すもので、(a)は桁側面にコンクリートを充填する場合、(b)は接合面に接着剤を塗布する場合、(c)は下面に漏れ防止シール材を貼付しコンクリートもしくはモルタルを打設する場合を示す説明図である。 図6はセグメント桁の製造工程を説明する図、(a)は、運搬してきたセグメントブロックを卸している状態の説明図、(b)は、セグメントブロックを接合してセグメント桁を製造する工程の説明図である。 図7は架設工程の一例を説明する図、(a)はセグメント桁を架設する工程を示す平面図、(b)はその側面図である。 図8はセグメント桁横締め工程を説明する図、(a)は端支点横桁部の横締めPC鋼材の配置の一例を示す説明図、(b)は中間横桁のコンクリート断面内に配置した内ケーブル方式の横締めPC鋼材の配置の一例、(c)は中間横桁のコンクリート断面外に配置した外ケーブル方式の横締めPC鋼材の配置の一例を示す説明図である。 図9は、地覆・壁高欄工程の工期を短縮するためにプレキャスト地覆・壁高欄を使用した例を示す説明図である。 図10は、最外側セグメント桁ウエブ・張出床版部の構築方法を示すもので、(a)は鉛直ウエブとする場合の説明図、(b)は張出床版を設ける場合の説明図である。
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態である塩害対応外ケーブル桁橋の一部を切り欠いた全体斜視図、(b)は橋台部と橋桁端部との関係を示す断面図、図2は縦締めPC鋼材の配置位置と桁断面のウエブ厚さの関係を示す説明図、図3は、主桁を構成するセグメント桁のウエブに点検用のマンホールを設けた場合の説明図である。ここで、本発明の塩害対応外ケーブル桁橋セグメント桁10は、複数のセグメントブロック11を外ケーブル29で緊張して構成したものであって、前記セグメントブロック11のウエブ13は外ケーブルを採用することから薄く、かつ構造的に弱点とならない位置に点検用のマンホール14を有し、前記セグメント桁10の断面形状は、主桁断面を分割した下側の面が凹凸の少ない箱形断面から構成されている。
セグメントブロック11の断面の形状は下側が凹凸の少ない箱形断面を採用する。セグメントブロック11は品質管理が可能な場所で製作し、その形状寸法は橋梁の幅員と桁架設時の機材の能力を考慮して決定する。橋梁の橋脚や橋台などの下部構造物を建設する間にセグメントブロック11を製造することも可能となり橋桁の架設現場での施工工期を短縮することも可能となる。本発明ではブロックの緯断面内にPC鋼材を配置しないため、ウエブ13の構造は施工時および完成時の断面力を考慮して決定するが通常の箱桁より薄くできる。また、箱桁内部の点検のために、ウエブ13にはマンホール14を設ける。セグメントブロック11には、図3に示すように構造的に弱点とならない位置に点検用のマンホール14を設置し、容易に箱桁内部を移動してPC鋼材12やコンクリート性状を点検できる構造とする。
また、セグメントブロック11に使用するコンクリートの種別や性能および鉄筋の防錆方法は、橋梁の建設される環境や供用期間、経済性(ライフサイクルコスト)を考慮し選定する。本発明ではセグメントブロックの材料の組み合せは、普通コンクリートと防錆鉄筋の組み合わせ、高性能なコンクリートと普通鉄筋の組み合わせ、普通コンクリートと普通鉄筋の組み合わせ、高性能なコンクリートと防錆鉄筋の組み合わせをから選定する。また、セグメントブロックごとに材料の選定が可能であるため、セグメント桁の両端部の劣化が著しく進行する可能性が懸念される際は、両端部のセグメントブロックのみに高耐久性の材料を選定することも可能となる。セグメント桁の耐久性を細かく設定できることから、高耐久で経済的な桁橋の建設が可能となる。
図4は、各種橋桁に使用されるセグメントブロックの断面図を説明するものである。(a)に示すセグメントブロック11−1は、角筒型の場合、(b)に示すセグメントブロック11−2はロ形の場合を示す断面図である。
図4(a)、(b)に示すいずれの断面形状においても桁橋の下側は凹凸の少ない平面となり海岸から飛来する塩化物が付着しにくい形状となる。また、図に示す例では、外ケーブルの偏向部させる隔壁16、21を備えている。
図4(a)に示す角筒型の場合は、両側端に突出部20を有しており、セグメント桁を横方向に接続する際、この突出部20に接着剤を塗布した後、PC鋼材12を緊張することで接続する。
図4(b)に示すロ形の場合は、突出部が少ない箱型をしており両側に目地コンクリート充填用の凹溝15を有している。セグメント桁を横方向に接続する際、凹溝15にコンクリート充填した後、横桁部に配置したPC鋼材を緊張することで接続する。
図5は、プレキャストセグメント目地部の処理方法を示すもので、(a)はセグメントブロック11−2の側面の凹溝15に現場で目地コンクリートを打設して充填する場合である。
図5(b)に示す角筒形11−1の場合は、両側端に突出部20を有しており、セグメントブロックを横方向に接続する際、この突出部20に接着剤を塗布した後、PC鋼材12を緊張することで接続する。
図5(c)は、角筒形の突出部20に目地溝22を有しており、目地溝22の接合部下面に漏れ防止シール材23を貼付し数cm〜数十cmの場所打ちコンクリートもしくはモルタルを打設して接合する。
図6(a)はセグメント桁を製造する方法を示すもので、運搬してきたプレキャストセグメント(セグメントブロック)をトレーラー26からクレーン27を使って卸している状態の説明図である。セグメントブロック11を台車28の上に一列に並べて整列させる。
セグメントブロック11は、架設現場の工程に影響を与えないような場所で製作する。製作したセグメントブロック11を一般道を使用してトレーラー等で運搬するために制限値を超える重量や形状とならないようにする。
図6(b)は、プレキャストセグメント11を接合してセグメント桁とする工程を示す説明図である。台車28上に整列されたセグメントブロック11は、長手方向に並べられ、外ケーブル29を挿通した後、両端部に緊張ジャッキ30を設置して緊張してセグメント桁10を製造する。
1径間の箱桁橋を複数のセグメント桁10に分割し、さらに、そのセグメント桁をセグメントブロック11に分割し現場での施工工程を短縮するところ、外ケーブルのみでセグメントブロックを連結するところに本工法の特徴がある。連結時の外ケーブル29の本数は、諸条件を考慮して橋梁の設計計算により決定するが、セグメントブロック連結時には最低限でも梁の自重と架設時に作用する荷重に抵抗するだけのプレストレスを導入する。
図7は、本発明のセグメント桁を架設する工程を示す平面図、(b)はその側面図である。外ケーブル29を挿通した後に緊張ジャッキ30で緊張して製造したセグメント桁10をクレーン27で吊り上げ、橋台31上に載置する。工期の短縮を極力図りたい場合は、クレーン架設が有利となる。現場の条件によっては、使用可能なクレーンの能力が制限されることもある。このような制限下でクレーン架設を採用する場合は、設計計算により箱桁断面の分割方法を変更し対応することも可能である。図7はセグメント桁の架設方法の一例を示すもので、この他にセグメント桁10の架設には、プレストレストコンクリート桁の様々な架設方法が適用できる。
図8はセグメント桁横締め工程を示すもので、(a)は端支点横桁部の横締めPC鋼材の配置の一例を示す説明図、(b)は中間横桁のコンクリート断面内に横締めPC鋼材を配置した場合の一例を示す説明図である。(c)は中間横桁のコンクリート断面外に横締めPC鋼材を配置した場合の一例を示す説明図である。中間横桁の(b)か(c)は塩害対応外ケーブル桁橋の建設される環境や条件等を考慮して選定する。
図9は、地覆・壁高欄工にプレキャスト地覆・壁高欄を使用した例を示す説明図である。所定のセグメントブロックに鋼材33を埋め込んでおき、プレキャスト地覆・壁高欄を固定する。現場での工期を短縮したい時は図9に示すようなプレキャスト地覆・壁高欄の採用が有利である。本工法の地覆・高欄には、一般の橋梁に採用されている方法の適用が可能である。コンクリート製の地覆や壁高欄をプレキャスト化することにより工期を短縮することが可能となる。プレキャストの地覆・壁高欄を採用する場合、鋼材33の箇所は橋面の雨水の水みちとなり易いため、プレキャスト部材と箱桁を連結する鋼材33は防錆処理を施すことを標準とする。
図10は、箱桁最外側ウエブ・張出床版部の構築方法を示すもので、(a)は鉛直ウエブとする場合の説明図(b)は張出床版を設ける場合の説明図である。幅員は(a)ではセグメント桁10間の目地15の間隔で調整し、(b)ではセグメント桁10間の目地15でと張り出す床版の長さで調整する。(b)の方は幅員調整の自由度は大きくなるが、(a)に比べ塩化物が付着しやすくなるため、環境条件を考慮して構造の選定は行う。
防水・舗装施工する舗装工程において、防水の実施は標準的なものであり、特に材料等の指定はない。箱桁の上床版には防水工の施行を標準とする。防水層を設置するのみでは、舗装と防水層間に雨水が滞留するため、この雨水の滞留を防止するために排水枡の位置や伸縮装置の近傍に排水装置を設置する。特に伸縮付近は舗装天端の高さまでコンクリートを打設して伸縮装置と橋桁を一体化することが一般的に行われているため、雨水が滞留して橋桁に悪影響を与えている。この伸縮装置付近の床版防水工部の排水は確実に行う。
更に、本発明は上述の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の設計変更が可能である。
10 セグメント桁
11 セグメントブロック
12 PC鋼材(内ケーブル)
13 ウエブ
14 マンホール
15 凹溝
16 偏向部隔壁
17 偏向部隔壁
20 突出部
21 偏向部隔壁
22 目地溝
23 漏れ防止シール材
25 目地コンクリート
26 トレーラー
27 クレーン
28 台車
29 PC鋼材(外ケーブル)
30 緊張ジャッキ
31 橋台
32 プレキャスト地覆・壁高欄
33 鋼材

Claims (6)

  1. 複数のセグメントブロックを外ケーブルで緊張して構成したセグメント桁であって、
    前記セグメントブロックのウエブは、薄くかつ構造的に弱点とならない位置に点検用のマンホールを有し、
    前記セグメントブロックの断面形状は、主桁断面を分割した下側が凹凸の少ない箱形断面であることを特徴とし、使用する材料も将来の劣化を想定してセグメントブロックごとに選択可能とするセグメント桁。
  2. 前記セグメントブロックの断面形状は、角筒型、ロ形の何れか1であることを特徴とする請求項1に記載のセグメント桁。
  3. セグメントブロックを、箱形の内部空間を挿通した外ケーブルで長手方向に緊張してセグメント桁を製造したことを特徴とする請求項1または2に記載のセグメントブロックを使用した塩害対応外ケーブル桁橋に使用するセグメント桁。
  4. 前記セグメント桁を橋台間に架設し、複数のセグメント桁を横桁のコンクリート断面内もしくは断面外に配置した横締めPC鋼材で緊張してセグメント桁を連結するセグメント桁横締めすること特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の塩害対応外ケーブル桁橋。
  5. 前記塩害対応外ケーブル桁橋の端部と橋台パラペットとの間に点検用空間を配置したことを特徴とする請求項4に記載の塩害対応外ケーブル桁橋。
  6. 複数のセグメント桁を横桁のコンクリート断面内もしくは断面外に配置した横締めPC鋼材で緊張して箱桁セグメントを製造する箱桁セグメント桁横締め製造工程と、
    前記箱桁セグメントを、箱形の内部空間を挿通した外ケーブルで長手方向に緊張して外ケーブル桁橋を製造する外ケーブル桁橋製造工程と、
    前記外ケーブル桁橋製造工程で製造した外ケーブル桁橋を橋台間に架設する架設工程と、
    前記架設工程で架設した外ケーブル桁橋の塩害対応外ケーブル桁橋の上面側部に地覆・壁高欄を設置する地覆・壁高欄設置工程と、
    桁橋の橋面に防水・舗装施工する舗装工程とから成ることを特徴とする塩害対応外ケーブル桁橋の施工法。
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