JP2013146401A - 垂直荷重からcopを計測する重心計を用いて身体重心に作用する力と身体重心位置の近似値を求める方法とそのシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の重心計を用いて身体重心位置の近似値を求める方法は、人間モデルからCOGの床面からの高さlと軸(足関節)の粘性摩擦係数及び慣性モーメントを参照し、立位状態を振り子モデルとして演算する手段と、振り子の式からθの値を算出し、極座標(l,θ)からCOGの空間の座標値x、y、zを求める手段とからなるものとした。
【選択図】図1
Description
そこで立位状態において重心計を使い簡便に身体重心位置とFz、Fx、Fyを計測可能にする方法を開発することを指向した。重心計は安価であり病院に普及しているので重心計でFz、Fx、Fy及び身体重心が計測できれば多くの患者に有益になると考えられるからである。
図6の様に点Pの荷重Wにより、支点A、BにWA、WBの荷重がかかる場合、点Pを中心とするモーメント(回転力)は、P、A間の距離をxとしA、B間の距離をLとすると
x・WA=(L−x)・WB
の関係となるから、xは次式(1)で表せる。
x=L・WB/(WA+WB) ‥‥‥‥‥‥‥‥(1)
従って、点A、Bでのそれぞれの垂直荷重を検出すれば、A、B間の距離Lを用いて支点Pの位置を示すxを求めることができる。
ただし、重心計の算出する点Pの位置は身体の重心(COG:Center Of Gravity)の位置ではなく、プレート上の力の作用点であるCOPの位置であり、このCOPと身体重心の位置は近似するが一致しない。
本発明の目的は重心計を用いて重心に作用する仮想の力Fx、Fyを求める方法と、本来は、三次元位置計測装置と人間モデル(年齢、性別、身長、体重と各体節の重心位置及び質量と慣性モーメント等のデータベース)を基に演算する身体重心の近似値を垂直荷重からCOPを計測する重心計を用いて求める方法を提供することにある。
また、左右の足をそれぞれに載せる二枚のプレートからなる重心計を用いて身体重心に作用する力を求める方法は、左足を載せるプレートL、右足を載せるプレートRに対して先の方法によってそれぞれ仮想床反力を求めるステップと、左右のプレートP,L上の力の作用点(COP)PLとPRを結ぶ線分を左右のプレートの荷重比で内分して合成COPを算出するステップと、前記求めた左右の仮想床反力を前記の線分に対する合成COPの位置比率でX,Y成分ごとに算出するステップとからなる重心計を用いて身体重心に作用する力を求めるものとした。
W・x=m(W1−W2) ‥‥‥‥‥‥‥‥(3)
W・y=n2・W3−n1(W1+W2) ‥‥‥‥‥‥‥‥(4)
となる。点Pの座標(x,y)は、次式(5)(6)によって求めることができる。すなわち、
x=m(W1−W2)/W ‥‥‥‥‥‥‥‥(5)
y={n2W3−n1(W1−W2)}/W ‥‥‥‥‥‥‥‥(6)
ここで、mはP1、P2の中間点をQとしたときP1、Q間の長さ、n1はC点からQ点までの距離、n2はC点からP3点までの距離を示している。
X=(XL・WL−XR・WR)/W ‥‥‥‥‥‥‥‥(7)
Y=(YL・WL−YR・WR)/W ‥‥‥‥‥‥‥‥(8)
そして荷重Wは左右の荷重の和(W= WL+WR)となる。
また、プレートが四角形でも同様に荷重比でCOPを求められることは容易に理解されよう。
まず、プレート一枚の場合(図1参照)をベクトルによる床反力演算手法によって解析する。現在の時刻tの重心位置をCOPt 、荷重をFt とし、時刻t−Δt の重心位置をCOPt−Δt、荷重をFt−Δt とすると、重心位置の移動量ΔCOP は以下の式で表される。
ΔCOP=COPt−COPt−Δt
=(COPt・x−COPt−Δt・x,COPt・y−COPt−Δt・y)‥‥(9)
この時の重心位置移動速度VCOP と重心移動加速度αCOPは、以下の式(10)(11)で表される。
VCOP=ΔCOP/Δt ‥‥‥‥‥‥‥‥(10)
αCOP=ΔVCOP/Δt ‥‥‥‥‥‥‥‥(11)
これにより、質量m の物体が、COPt−ΔtからCOPtまで移動するのに必要な力fCOPは、以下の式(13)で表すことができる。
この力fCOPをプレートにかかるx、y 方向の力とすると、仮想床反力f は以下の式(14)で表すことができる。
FL=(FLxt ×RatioL1,FLyt ×RatioL2,FLzt ×Ratio)
FR=(FRxt ×RatioR1,FRyt ×RatioR2,FRzt ×Ratio)
と置く。
RatioL1,RatioL2,RatioR1,RatioR2は、図8の点PLと点PRで構成する直線を内分する点Pの比率で成分X,Yごとに求める。図2に示すように点PLと点P間の距離のX成分をRxm、Y成分をRxm、点PRと点P間の距離のX成分をRxn、Y成分をRxnとすると次のようになる。
RatioL1=Rxn/(Rxm+Rxn)
RatioL2=Ryn/(Rym+Ryn)
RatioR1=Rxm/(Rxm+Rxn)
RatioR2=Rym/(Rym+Ryn)
Ratio は計測対象が立位状態であることから、Ratio=1とする。当然ながら立位状態ではない歩行などの動作の場合は1とはならない。
人間モデルから身体重心(COG)の床面からの高さlと軸(足関節)の粘性摩擦係数C=[kgm2/S] 及び慣性モーメント参照し、図3に示すように立位状態を振り子モデルとして演算する。(立位状態でしか使えない。)
Fxについても同様に解くことができCOGの三次元空間位置(x、y、z)が得られる。
Fz=W−Ft’ ‥‥‥‥‥‥‥‥(17)
この式(17)により立位状態からのしゃがみ込みにも対応し身体重心COGの座標位置が計算できる。
Fxについても同様に解くことができしゃがみ込んだ状態でのCOGの三次元空間位置(x、y、z)が得られる。
左側のメインの表示はプレートの上方からの画面ではなく斜視図形態として身体重心位置を立体感覚で表示されるようにしている。プレート上には左右のCOPの軌跡と合成COPの軌跡及び左右のプレートが検出した身体重心変位角θの瞬時値がベクトル表示される。この左右のベクトル値を合成したものがその時点の身体重心となって、表示されている。画面右側上段のグラフは荷重のデータであり、左右のプレートの検出値が振幅の大きな振動波形として重なり、その上方に合成荷重が示されている。画面右側中段の表示は左右のプレートのCOPの軌跡と合成COPが水平面(XY平面)で表示されている。画面右側下段の表示は計測した基礎データの表表示である。荷重と、COPが総合値、左足、右足情報として表示されている。なお、荷重欄は被検者の体重であるが、直接表示することが個人情報として嫌がられるため、一般にある値を体重で割って%表示することが当業界では慣用されている。
Claims (5)
- Δt間の立位状態における重心計上の力の作用点(COP)の変位量ΔCOPを測定するステップと、重心位置の移動速度(VCOP)をVCOP=ΔCOP/Δtで、重心移動加速度(αCOP)をαCOP=ΔVCOP/Δtで算出するステップと、t時の仮想Fxt,FytとFztを次式で求めるステップとから成る重心計を用いて身体重心に作用する力を求める方法。
- 左足を載せるプレートL、右足を載せるプレートRで請求項1に記載の方法によってそれぞれ仮想床反力を求めるステップと、左右のプレートP,L上の力の作用点(COP)PLとPRを結ぶ線分を左右のプレートの荷重比で内分して合成COPを算出するステップと、前記求めた左右の仮想床反力を前記の線分に対する合成COPの位置比率でX,Y成分ごとに算出するステップとからなる重心計を用いて身体重心に作用する力を求める方法。
- 人間モデルから身体重心(COG)の床面からの高さlと軸(足関節)の粘性摩擦係数C=[kgm2/S] 及び慣性モーメントを参照し、立位状態を振り子モデルとして演算するステップと、体重をW,時刻t の垂直力成分を Ft,時刻t の前後力成分を Fy、左右力成分をFxとして、次の振り子の式からθの値を算出し、極座標(l,θ)からCOGの空間の座標値z、yを求めるステップと、同様の手法でCOGの空間の座標値z、xを求めるステップと、からなる重心計を用いて身体重心位置の近似値を求める方法。
- 人間モデルから身体重心(COG)の床面からの高さlと軸(足関節)の粘性摩擦係数C=[kgm2/S] 及び慣性モーメントを参照し、立位状態からしゃがみ込んだ状態を振り子モデルとして演算するステップと、体重をW,時刻t のしゃがみ込み時にかかる垂直力成分を Ft’,時刻t の前後力成分を Fy、左右力成分をFxとして、次の振り子の式からθの値を算出し、極座標(l,θ)からCOGの空間の座標値z、yを求めるステップと、同様の手法でCOGの空間の座標値z、xを求めるステップと、からなる重心計を用いてしゃがみ込んだ状態でのCOGの三次元空間位置(x、y、z)の近似値を得る方法。
- 左足を載せるプレートLと右足を載せるプレートRを隣接させた重心計と、該重心計が検出したデータを基に人間モデルから身体重心(COG)の床面からの高さlと軸(足関節)の粘性摩擦係数C=[kgm2/S] 及び慣性モーメントを参照し、立位状態を振り子モデルとして演算する手段と、体重をW,時刻t の垂直力成分を Ft,時刻t の前後力成分を Fy、左右力成分をFxとして、次の振り子の式からθの値を算出し、極座標(l,θ)からCOGの空間の座標値z、yを求める手段と、同様の手法でCOGの空間の座標値z、xを求める手段とからなる重心計を用いて身体重心位置の近似値を求めるシステム。
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