JP2013145183A - 荷電粒子線装置および試料表面計測方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および試料表面計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】他の計測装置を用いることなく、しかも、計測対象の薄膜を破壊したり膜質を劣化させたりすることなく、薄膜の膜厚や材質を計測することを可能にする。
【解決手段】制御コンピュータは、膜厚や材質が既知の薄膜が形成された試料に対し、リターディング電圧電源の減速電圧Vrを一次電子線の加速電圧の逆極性の電圧(−Va)からその電圧よりも高い電圧V2までスイープして、減速電圧−輝度特性データを生成するスイープ処理を実行して、第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、第1の特徴量を取得しておき、膜厚または材質が未知の薄膜が形成された計測対象試料に対し、前記同様のスイープ処理を実行して、第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、第2の特徴量を取得し、第1の特徴量と第2の特徴量とを比較することによって、計測対象試料に形成された薄膜の膜厚または材質を推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、試料に荷電粒子線を照射して試料表面に形成された薄膜の膜厚または材質を推定する荷電粒子線装置および試料表面計測方法に関する。
半導体ウエハなどの試料の表面を観察する装置として荷電粒子線装置がある。荷電粒子線装置は、観察対象の試料に一次荷電粒子線を照射し、その照射により試料から発生する二次荷電粒子を検出し、その検出信号を画像化して表示する装置である。ここで、一次荷電粒子線が電子線(電子ビーム)である場合は、その荷電粒子線装置は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope:以下、単にSEMという)と呼ばれる。
ところで、半導体デバイスの製造工程では、半導体ウエハに配線や絶縁膜など様々な薄膜が形成されるが、このような薄膜は、半導体デバイスの機能や性能に大きな影響を与える。そこで、薄膜形成工程の後には、しばしば、薄膜の欠陥や膜厚などを検査する工程が組み込まれている。そして、薄膜の欠陥が見つかり、その欠陥を観察するような場合には、通常、SEMが用いられ、また、薄膜の膜厚を計測する場合には、X線干渉などを利用した膜厚計測装置が用いられる。
ここで、もし、SEMで薄膜の膜厚を計測することができるなら、薄膜の欠陥の解析も薄膜の膜厚の計測もSEMだけで行うことが可能になる。従って、薄膜の欠陥の解析に要する期間や工数が低減され、また、他の膜厚計測装置が不要となるので、装置の導入費用や維持管理費用も低減されることになる。
特許文献1には、SEMを用いて、その一次電子ビームの加速電圧を様々に変化させて、試料から放出される反射電子の検出信号強度の一次電子ビームの強度に対する強度比を求め、その強度比の加速電圧に対する特性データから薄膜の膜厚を計測する方法が開示されている。
特開2008−267895号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている薄膜の膜厚を計測する方法では、一次電子ビームが計測対象の薄膜を貫通する加速電圧を検出することによって、その薄膜の膜厚が計測される。そのため、計測対象の薄膜は、その高エネルギの一次電子ビームにより、照射部分が破壊されたり、膜質が劣化したりする恐れがある。従って、半導体デバイスの製品を製造する製造工程内では、そのような方法によって、薄膜の膜厚などの表面状態情報を取得することはできない。
そこで、本発明は、計測対象試料表面の観察画像取得時に、他の計測装置を用いることなく、しかも、計測対象の試料表面の薄膜を破壊したりその膜質を劣化させたりすることなく、試料表面の状態情報を取得することが可能な荷電粒子線装置および試料表面計測方法を提供することを目的とする。
本発明に係る荷電粒子線装置は、試料表面に照射する一次荷電粒子線を放出する荷電粒子源、前記一次荷電粒子線を細く集束させる複数の電子レンズ、前記試料表面に前記一次荷電粒子線が到達するときの速度を減速させる減速電圧を印加する減速電圧電源、前記試料表面から放出される二次荷電粒子を検出する検出器を含んでなる電子光学系装置と、前記検出器から出力される検出信号に基づき、表示装置に表示する前記試料表面の観察画像の各画素の輝度を生成する画像信号処理装置と、前記電子光学系装置および前記画像信号処理装置を制御して、前記試料表面の観察画像を取得して表示装置に表示する制御コンピュータと、を含んでなる荷電粒子線装置であって、前記制御コンピュータは、(1)前記減速電圧電源の減速電圧として、前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性電圧とほぼ同じ第1の電圧から前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性の電圧よりも高い第2の電圧まで所定の電圧刻みで変化させながら、前記電圧刻みの各減速電圧を前記減速電圧電源に設定したときには、前記検出器から出力される検出信号に基づき前記画像信号処理装置によって生成される前記観察画像の各画素の平均輝度を取得し、前記減速電圧と前記平均輝度との対応関係を表した減速電圧−輝度特性データを生成する第1の処理と、(2)表面状態情報が既知の薄膜が形成された参考試料に対し、前記第1の処理を実行して、第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第1の減速電圧−輝度特性データからその第1の減速電圧−輝度特性データが有する第1の特徴量を取得し、前記取得した第1の特徴量を記憶装置に保存する第2の処理と、(3)表面状態情報が未知の薄膜が形成された計測対象試料に対し、前記第1の処理を実行して、第2の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第2の減速電圧−輝度特性データからその第2の減速電圧−輝度特性データが有する第2の特徴量を取得する第3の処理と、(4)前記記憶装置に保存した第1の特徴量と前記取得した前記第2の特徴量とを比較して、その差分量に基づき、前記計測対象試料の表面に形成された薄膜の表面状態情報を推定する第4の処理と、を実行することを特徴とする。
本発明では、試料表面に印加する減速電圧(いわゆる、リターディング電圧)を変化させることにより得られる減速電圧−輝度特性データに基づき、薄膜の表面状態情報、例えば、薄膜の膜厚や材質などを推定する。従って、一時荷電粒子線が試料表面に到達するときの速度は、当該荷電粒子装置で試料表面を観察するときと同程度、または、それ以下である。そのため、一時荷電粒子線により、試料表面が破壊されたりすることはない。また、X線干渉などを利用した膜厚計測装置などを用いることなく、膜厚などを計測(推定)することが可能になる
本発明によれば、計測対象試料表面の観察画像取得時に、他の計測装置を用いることなく、しかも、計測対象の試料表面の薄膜を破壊したりその膜質を劣化させたりすることなく、試料表面の状態情報を取得することが可能な荷電粒子線装置および試料表面計測方法が提供される。
本発明の実施形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略構成の例を示した図。 一次電子線の加速電圧とリターディング電圧(減速電圧)との大小関係による一次電子線および二次電子の振る舞い、および、減速電圧−輝度特性データの例を示した図。 減速電圧−輝度特性データを用いて試料表面に形成された薄膜の膜厚を計測する原理の例を模式的に示した図。 減速電圧−輝度特性データを用いて試料表面に形成された薄膜の膜厚を計測する原理の第2の例を模式的に示した図。 制御コンピュータが実行する減速電圧−輝度特性データ生成処理の処理フローの例を示した図。 制御コンピュータが実行する膜厚推定処理の処理フローの例を示した図。 減速電圧−輝度特性データを用いて試料表面に形成された薄膜の材質を計測する原理の例を模式的に示した図。 制御コンピュータが実行する材質推定処理の処理フローの例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る走査型電子顕微鏡(SEM)の概略構成の例を示した図である。図1に示すように、走査型電子顕微鏡100は、電子光学系装置10、制御系装置20、搬送系装置30などによって構成されている。
電子光学系装置10において、電子源2から引き出し電極3により引き出され、放出される一次電子線15は、コンデンサレンズ4、対物レンズ7などで細く集束させられ、試料9に照射される。そして、試料9表面の一次電子線15が照射された箇所から放出される二次電子16は、直接または反射板5で反射されて、検出器14で検出される。
また、電子光学系装置10において、走査コイル6は、一次電子線15を予め設定された周期でXY方向に偏向させる。その結果、試料9表面上の一次電子線15の照射点は、XY方向に走査する。また、リターディング電圧電源8は、試料9に負電圧を印加する。その結果、一次電子線15は、試料9表面の照射点での速度が減速する。
さらに、図1に示すように、制御系装置20は、画像信号処理装置21、表示装置22、制御コンピュータ23などを含んで構成される。また、搬送系装置30は、試料9を電子光学系内に搬入する搬送装置31、試料9を収納するウエハカセット32などを含んで構成される。
画像信号処理装置21は、検出器14の検出信号を入力し、増幅するとともに、その増幅した検出信号を、走査コイル6のXY方向の偏向信号に同期させて輝度変調し、表示装置22の表示用の観察画像信号を生成する。また、その観察画像信号の生成に際しては、各画素の輝度のデータを求め、内蔵する画像メモリに記憶する。
表示装置22は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって構成され、画像信号処理装置21から出力される観察画像信号を受けて、試料9表面の観察画像を表示する。また、表示装置22は、制御コンピュータ23に接続され、必要に応じて、制御コンピュータ23が出力する各種情報を表示する。
制御コンピュータ23は、演算処理装置24および記憶装置25を少なくとも備えた一般的なコンピュータによって構成されるが、本実施形態では、その他に、電子光学系装置10内の電子源2、コンデンサレンズ4、走査コイル6、対物レンズ7、リターディング電圧電源8などを制御するための制御インターフェース(図示省略)を含む。また、制御コンピュータ23は、画像信号処理装置21、表示装置22、搬送装置31とも接続されている。
ウエハカセット32は、試料9である半導体ウエハを収納する搬送用のケースである。また、搬送装置31は、計測対象の試料9をウエハカセット32から取り出して、電子光学系装置10内に設けられた試料ステージ(図示省略)に載置するとともに、計測が終了した試料9を試料ステージから取り出してウエハカセット32へ戻す。なお、搬送系装置30としては、この他に、試料9である半導体ウエハが試料ステージに載置されるときの方向を調整するためのアライナなどが含まれる。
後記するように、本実施形態では、試料9に印加するリターディング電圧(以下、減速電圧という)が大きな役割を担う。しかしながら、リターディング電圧は、もともと試料9表面に照射される一次電子線15の照射エネルギを減殺して、一次電子線15が試料9表面に与えるダメージを防止するものであり、必ずしも、本実施形態に特有のものではない。また、近年の走査型電子顕微鏡100の多くには、オートフォーカス機能が搭載されおり、リターディング電圧は、そのオートフォーカスを行うときにも用いられている。
なお、図1において、電子源2の代わりにイオン源を用い、イオン源からは1次電子線15でなくイオンビームが放出されるような荷電粒子線装置は、イオンビーム走査型顕微鏡と呼ばれることがある。以下、実施形態では、図1に示した走査型電子顕微鏡100を対象に説明するが、その説明は、イオンビーム走査型顕微鏡にもほぼ同様に適用可能である。なお、両者の主たる相違は、走査型電子顕微鏡100における1次電子線15がマイナス電荷であるのに対し、イオンビーム走査型顕微鏡におけるイオンビームは、プラス電荷であることである。
本実施形態では、リターディング電圧電源8を介して試料9に印加するリターディング電圧(減速電圧)を、試料9表面に形成された薄膜の膜厚計測や薄膜の材質推定に利用する。まず、図2および図3を参照して膜厚計測の原理について説明する。
図2は、一次電子線15の加速電圧とリターディング電圧(減速電圧)との大小関係による一次電子線15および二次電子16の振る舞い、および、減速電圧−輝度特性データの例を示した図である。なお、図2において、記号Vaは、一次電子線15の加速電圧、記号Vrは、リターディング電圧(減速電圧)を表す。
まず、Vr<−Vaの状態(図2(a)参照)、すなわち、試料9表面に逆極性の加速電圧(−Va)よりも低い減速電圧Vrが印加された場合には、一次電子線15は、試料9表面に到達できず、試料9表面の直上部で跳ね戻され、反射板5に衝突して、反射板5から二次電子16を放出する。従って、検出器14は、その二次電子16を検出する。この場合、一次電子線15は、反射板5を通過するときの速度と同程度の速度で反射板5に戻ってくるため、反射板5で発生する二次電子16の量、すなわち、検出器14の出力信号は、減速電圧Vrによらずほぼ一定となる。
次に、Vr≒−Vaの状態(図2(b)参照)になると、一次電子線15を加速させる加速電圧Vaの大きさと、減速させる減速電圧Vrの大きさがほぼ同じになるため、一次電子線15のエネルギは試料9表面上でほぼ0になる。この場合、試料9からは二次電子16が放出されないか、放出されても、その量はわずかである。その結果、検出器14の出力信号は小さくなる。
さらに、Vr>−Vaの状態(図2(c)参照)になると、一次電子線15は、試料9表面に到達し、試料9表面から二次電子16が放出される。この場合には、減速電圧Vrが変化すると、試料9へ到達する一次電子線15のエネルギが変化するので、そのエネルギに応じて試料9から放出される二次電子16も変化する。従って、検出器14の出力信号は、減速電圧Vrに依存して変化する。
ここで、リターディング電圧すなわち減速電圧Vrを、予め設定された第1の電圧V1から第2の電圧V2まで、所定の電圧刻みΔvで変化させながら試料9の観察画像を取得して表示装置22に表示する処理のことを、以下、減速電圧Vrのスイープ処理という。
そこで、減速電圧Vrを、逆極性の加速電圧(−Va)よりも低い第1の電圧V1から、逆極性の加速電圧(−Va)よりも高い第2の電圧V2までスイープ処理をして、各電圧刻みの減速電圧Vrが印加されたときに得られる試料9の観察画像を表示装置22に表示するときの表示画像の各画素の輝度の平均を求める。そして、例えば、図2(d)に示すような減速電圧−輝度特性データを得る。
検出器14の出力信号は、観察画像の各画素の輝度に反映されているので、図2(d)に示した減速電圧−輝度特性データには、図2(a)〜(c)で説明した検出器14の出力信号の様子がそのまま反映されている。すなわち、表示画像から得られる平均輝度は、Vr<−Vaの領域では、減速電圧Vrによらずほぼ一定であり、Vr≒−Vaの領域では、大きく低下し、Vr>−Vaの領域では、減速電圧Vrとともに次第に大きくなっている。
ここで、Vr>−Vaの領域における平均輝度は、図2(c)に示すように、試料9の表面から放出される二次電子の量を反映したものであるから、その平均輝度は、試料9の表面の材質や構造を反映したものといえる。そこで、本実施形態では、Vr>−Vaの領域の減速電圧−輝度特性データを取得し、その取得された減速電圧−輝度特性データに基づいて、試料9の表面の材質や構造(膜厚)を計測(推定)する。
以下、本実施形態では、減速電圧Vrのスイープ処理は、−Va>Vr>V2を満たす範囲で行うものとする。ちなみに、加速電圧Vaが1500Vである場合、上限の減速電圧Vrとしては、例えば、V2=−1200V〜−1000V程度を設定する。
図3は、減速電圧−輝度特性データを用いて試料9表面に形成された薄膜の膜厚を計測する原理の例を模式的に示した図である。図3において、試料a,b,c,xのそれぞれの表面には、同様に製造された同種の薄膜が形成されているものとし、試料a,b,cの膜厚は既知、試料xの膜厚は未知であるとする。
まず、膜厚が既知の試料a,b,cに対して、減速電圧Vrのスイープ処理を適用し、それぞれの減速電圧−輝度特性データを取得する(図3(a)参照)。そして、それぞれの減速電圧−輝度特性データを特徴付ける特徴量を取得する。この例では、その特徴量として、それぞれの減速電圧−輝度特性データが表す平均輝度の平均値を算出する。なお、この例の場合、試料aの膜厚は、試料cの膜厚より厚く、試料bの膜厚より薄いものとしている。
次に、図3(b)に示すように、試料a,b,cの減速電圧−輝度特性データから取得した特徴量(平均輝度の平均値)と、その既知の膜厚との関係を表した特徴量−膜厚特性データ(図3(b)で×印のデータ)を得る。さらに、この特徴量−膜厚特性データからは、最小二乗法などを用いることにより、特徴量−膜厚特性データが表す近似直線の式を得ることができる。なお、このとき、膜厚が既知の試料は、最低でも2つ必要であるが、その数は多ければ多いほど、より精度の高い近似直線を得ることができる。また、特徴量−膜厚特性データが直線近似に乗らない場合には、多項式近似を用いてもよい。
こうして、図3(b)に示すような特徴量-膜厚特性データを取得することができた場合には、膜厚が未知の計測対象の試料xに対して、減速電圧Vrのスイープ処理を適用して、減速電圧−輝度特性データを取得する。そして、その減速電圧−輝度特性データから、その特徴量(平均輝度の平均値)を取得し、その取得した特徴量を、先に取得した特徴量−膜厚特性データが表すグラフまたはその近似式に当てはめることにより(図3(b)で丸囲み×印の位置)、試料xの膜厚を計測(推定)することができる。
図4は、減速電圧−輝度特性データを用いて試料9表面に形成された薄膜の膜厚を計測する原理の第2の例を模式的に示した図である。図4でも、試料a,b,c,xのそれぞれの表面には、同様に製造された同種の薄膜が形成されているものとし、試料a,b,cの膜厚は既知、試料xの膜厚は未知であるとする。
薄膜の材質によっては、図4(a)における試料a,b,cの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線のように、そのそれぞれのグラフ曲線の中に極大値や極小値(以下、まとめて極値という)が現れ、その極値の位置(以下、極値点という)が膜厚に応じてシフトすることがある。そこで、この例では、その極値点のシフト量を電圧Vrで計測することにより、膜厚が未知の試料xの膜厚を計測(推定)する。
まず、膜厚が既知の試料a,b,cに対して、減速電圧Vrのスイープ処理を適用し、それぞれの減速電圧−輝度特性データを取得する(図4(a)参照)。そして、それぞれの減速電圧−輝度特性データを特徴付ける特徴量を取得する。この例では、その特徴量として、それぞれの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線に現れる平均輝度が極大になるときの減速電圧Vrをそれぞれ取得する。なお、この例の場合、試料aの膜厚は、試料cの膜厚より厚く、試料bの膜厚より薄いものとしている。
次に、図4(b)に示すように、試料a,b,cの減速電圧−輝度特性データから取得した特徴量(平均輝度が極大になるときの減速電圧Vr)と、その既知の膜厚との関係を表した特徴量−膜厚特性データを得る(図4(b)で×印のデータ)。さらに、この特徴量−膜厚特性データからは、最小二乗法などを用いることにより、特徴量−膜厚特性データが表す近似直線の式を得ることができる。なお、特徴量−膜厚特性データが直線近似に乗らない場合には、多項式近似を用いてもよい。
以下、図3(b)の場合と同様にして、試料xの減速電圧−輝度特性データから取得した特徴量(平均輝度が極大になるときの減速電圧Vr)を、図4(b)に示した特徴量−膜厚特性データが表すグラフまたはその近似式に当てはめることにより(図4(b)で丸囲み×印の位置)、試料xの膜厚を計測(推定)することができる。
図5は、制御コンピュータ23が実行する減速電圧−輝度特性データ生成処理の処理フローの例を示した図である。なお、この処理は、減速電圧Vrのスイープ処理を含んでいる。
図5に示すように、制御コンピュータ23は、まず、操作者が入力装置を介して入力する指示情報を読み取って、試料9が載置された試料ステージを移動させたり、電子光学系装置10を制御して倍率を設定したりすることにより、一次電子線15の照射範囲を初期設定する(ステップS11)。
次に、制御コンピュータ23は、減速電圧Vrのスイープ処理のための減速電圧Vrの範囲を定め、計算処理上の減速電圧Vrに初期値を設定する(ステップS12)。このとき、その初期値としては、簡単には、逆極性の加速電圧(−Va)を設定すればよいが、操作者が入力装置を介して入力する電圧V1を初期値としてもよい。また、試料9表面が、例えば、100Vに帯電していることが分かっている場合、または、予想される場合には、その初期値としては、−Va−100を設定するのが好ましい。
次に、制御コンピュータ23は、設定された減速電圧Vrの下で、試料9の観察画像を取得し(ステップS13)、表示装置22に表示し、表示装置22に表示された観察画像の各画素の平均輝度を算出する(ステップS14)。そして、算出した平均輝度を減速電圧Vrと対応付けて記憶装置に格納しておく。
次に、制御コンピュータ23は、そのときの減速電圧Vrに所定の電圧刻み値Δvを加算して、減速電圧Vrを更新し(ステップS15)、その更新した減速電圧Vrが先に設定したスイープ処理のための減速電圧Vrの範囲の上限である終了電圧を超えたか否かを判定し(ステップS16)、終了電圧を超えていなければ(ステップS16でNo)、再度、ステップS13以下の処理を繰り返して実行する。また、更新した減速電圧Vrが終了電圧を超えた場合には(ステップS16でYes)、制御コンピュータ23は、記憶装置に格納しておいた平均輝度と減速電圧Vrとの対応データにより、減速電圧−輝度特性データを生成する(ステップS17)。
図6は、制御コンピュータ23が実行する膜厚推定処理の処理フローの例を示した図である。この処理フローは、図3および図4で示した膜厚推定(計測)の原理を制御コンピュータ23が実行する処理フローとしてまとめたものである。そして、この処理を実行するに当たっては、膜厚が既知の薄膜が形成された複数の参考用の試料9が用意され、また、膜厚が未知の薄膜が形成された計測対象の試料9が用意されているものとする。また、このとき、複数の参考用の試料9および計測対象の試料9のいずれもが、その薄膜は、同様の工程で形成された同種の薄膜であるとする。
図6に示すように、制御コンピュータ23は、まず、膜厚が既知の複数の参考用の試料9を用いて、減速電圧−輝度特性データを生成する(ステップS21)。なお、この処理の実行には、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理が用いられ、その結果として、例えば、図3(a)および図4(a)に示したような試料a,b,cの減速電圧−輝度特性データのグラフが得られる。
次に、制御コンピュータ23は、ステップS21で取得した複数の参考用の試料9についてのそれぞれの減速電圧−輝度特性データから、それぞれの特徴量を取得する(ステップS22)。ここで、特徴量は、図3の例では、それぞれの減速電圧−輝度特性データから得られる平均輝度であり、図4の例では、それぞれの減速電圧−輝度特性データで平均輝度が極大になるときの減速電圧Vrの値である。なお、何を特徴量とするかについては、薄膜の種別やその形成工程の種別ごとに予め定められているものとする。
次に、制御コンピュータ23は、複数の参考用の試料9のそれぞれの既知の膜厚と、そのそれぞれの減速電圧−輝度特性データから取得した特徴量と、を対応付けた膜厚−特徴量特性データを生成し(ステップS23)、その生成した膜厚−特徴量特性データを記憶装置25に保存する(ステップS24)。なお、図3(b)および図4(b)に示された直線は、ここで生成される膜厚−特徴量特性データを近似する直線の例である。
次に、制御コンピュータ23は、膜厚が未知の複数の計測対象の試料9を用いて、減速電圧−輝度特性データを生成する(ステップS25)。なお、この処理の実行にも、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理が用いられる。次に、制御コンピュータ23は、ステップS25で生成した計測対象の試料9についての減速電圧−輝度特性データから、特徴量を取得し、第2の特徴量とする(ステップS26)。
次に、制御コンピュータ23は、ステップS24で保存しておいた膜厚−特徴量特性データに第2の特徴量を当てはめて膜厚を推定する(ステップS27)。なお、膜厚−特徴量特性データに第2の特徴量を当てはめるとは、制御コンピュータ23がステップS23で、膜厚−特徴量特性データを表す近似式を求めておき、ステップS27で、その近似式に第2の特徴量を代入して、膜厚を求めることをいう。
なお、図6では、ステップS21からステップS27まで連続して実行される処理として、これらを同じ処理フローの中に記載したが、一般には、ステップS24までの処理と、ステップS25以降の処理とは、切り離されて実行されることになると考えられる。すなわち、ステップS24までの処理で、膜厚が既知の複数の参考用の試料9について膜厚−特徴量特性データを生成し、その膜厚−特徴量特性データを記憶装置25に保存しておけば、参考用の試料9に形成された薄膜と同じように形成された同種の薄膜については、その後いつでも、ステップS25以降の処理により、その膜厚を計測(推定)することが可能になる。
続いて、図7および図8を参照して、試料9の表面に形成された薄膜の材質を推定する実施形態について説明する。図7は、減速電圧−輝度特性データを用いて試料9表面に形成された薄膜の材質を計測する原理の例を模式的に示した図である。図7において、試料a,b,c,xのそれぞれの表面には、同様に製造された同種の薄膜が形成されているものとし、試料a,b,cの材質は既知、試料xの材質は未知であるとする。
まず、膜厚が既知の試料a,b,cに対して、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理を適用し、図7(a)に示すような試料a,b,cについての減速電圧−輝度特性データを取得する。そして、それぞれの減速電圧−輝度特性データを特徴付ける特徴量を取得する。ここで、その特徴量とは、それぞれの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状の特徴を表す情報であり、例えば、それぞれのグラフ曲線に現れる極値点の数、各極値点における減速電圧Vrの値、または、その両方である。あるいは、減速電圧−輝度特性データそのものを特徴量としてもよい。なお、図7には、特徴量を(極値の数,極値点における減速電圧Vrの値)で表した場合の例が示されている。
次に、膜厚が既知の試料xに対して、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理を適用し、図7(b)に示すような試料xについての減速電圧−輝度特性データを取得し、その減速電圧−輝度特性データの形状が表すグラフ曲線の特徴量を取得する。そして、試料xについての特徴量を、すでに取得されている試料a,b,cの特徴量と比較する。例えば、図7の例では、試料xの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状の特徴量は、試料cの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状の特徴量とほとんど同じと判断されるので、試料xに形成されている薄膜の材質Xは、試料cに形成されている薄膜の材質Cと同じであると推定する。
なお、2つの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状の特徴量が同じであるか否かについては、具体的には、2つの特徴量の差分量が予め定められた閾値よりも小さいか否かで判定する。あるいは、減速電圧−輝度特性データそのものを特徴量とする場合には、画像認識や文字認識マッチングの技術を適用して、2つの減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線が同じであると見なせるか否かを判定する。
図8は、制御コンピュータ23が実行する材質推定処理の処理フローの例を示した図である。この処理フローは、図7で示した材質推定(計測)の原理を制御コンピュータ23が実行する処理フローとしてまとめたものである。そして、この処理を実行するに当たっては、材質が既知の薄膜が形成された複数の参考用の試料9が用意され、また、材質が未知の薄膜が形成された計測対象の試料9が用意されているものとする。また、このとき、複数の参考用の試料9および計測対象の試料9のいずれもが、その薄膜は、同様の工程で形成された同種の薄膜であるとする。
図8に示すように、制御コンピュータ23は、まず、材質が既知の複数の参考用の試料9を用いて、減速電圧−輝度特性データを生成する(ステップS31)。なお、この処理の実行には、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理が用いられ、その結果として、例えば、図7(a)に示したような試料a,b,cの減速電圧−輝度特性データのグラフが得られる。
次に、制御コンピュータ23は、ステップS31で取得した複数の参考用の試料9についてのそれぞれの減速電圧−輝度特性データから、それぞれの特徴量を取得し(ステップS32)、それぞれの参考用の試料9について、既知の材質とステップS32で得られた特徴量とを対応付けた材質−特徴量対応データを生成する(ステップS33)。そして、その生成した材質−特徴量対応データを記憶装置に保存しておく(ステップS34)。
次に、制御コンピュータ23は、材質が未知の複数の計測対象の試料9を用いて、減速電圧−輝度特性データを生成する(ステップS35)。なお、この処理の実行にも、図5に示した減速電圧−輝度特性データ生成処理が用いられる。次に、制御コンピュータ23は、ステップS35で生成した計測対象の試料9についての減速電圧−輝度特性データから、特徴量を取得し、第2の特徴量とする(ステップS36)。
次に、制御コンピュータ23は、ステップS36で取得した第2の特徴量を、ステップS24で保存しておいた材質−特徴量対応データのそれぞれに含まれる各特徴量と比較し、その差分量を算出し(ステップS37)、その算出した差分量があらかじめ設定しておいた閾値より小さくなる特徴量を含んだ材質−特徴量対応データがあるか否かを判定する(ステップS38)。
そして、その判定で差分量があらかじめ設定しておいた閾値より小さくなる特徴量を含んだ材質−特徴量対応データがあった場合には(ステップS38でYes)、該当する材質−特徴量対応データの中で、差分量が最小になる材質-特徴量対応データに含まれる薄膜の材質を、計測対象の試料9の材質であると推定する(ステップS39)。また、差分量があらかじめ設定しておいた閾値より小さくなる特徴量を含んだ材質−特徴量対応データがなかった場合には(ステップS38でNo)、計測対象の試料9の材質を推定せずに処理を終了する。
なお、図7に示したように、材質−特徴量対応データの特徴量を、材質−特徴量対応データが表すグラフ曲線における極値点の数と各極値点における減速電圧Vrの値とした場合には、極値点の数が相違すれば、差分量は、最初から閾値よりも大きな値になるような差分量の計算式を設定するものとする。また、極値点の数が同じである場合には、差分量は、対応する極値点における減速電圧Vrの差分量の絶対値の総和であるとする。例えば、図7の試料cと試料xの特徴量の差分量は、│Vd−Vf│+│Ve−Vg│で表される。
以上、本実施形態によれば、計測対象の試料9のリターディング電圧電源8の電圧すなわち減速電圧Vrのスイープ処理により減速電圧−輝度特性データを取得し、さらに、その減速電圧−輝度特性データの特徴量を取得し、その取得した特徴を、膜厚や材質が既知の試料から同様にして取得された特徴量と比較することによって、計測対象の試料9の表面に形成された薄膜の膜厚や材質を推定(計測)することが可能になる。
半導体デバイスの製造工程などにおいては、しばしば、SEMすなわち走査型電子顕微鏡100を用いて欠陥箇所の観察などが行われるが、本実施形態によれば、欠陥箇所の観察とその近傍の薄膜の膜厚計測や材質計測とを同じ走査型電子顕微鏡100を用いて行うことができるようになる。従って、膜厚計測や材質計測のために他の計測装置を導入する必要がなくなり、また、試料9を他の計測装置へ入れ直す必要もなくなる。従って、半導体デバイスの製造工程における欠陥検査や欠陥解析などの工程の効率を向上させることができ、そのコスト低減を図ることができる。
なお、以上に説明した実施形態では、試料9表面に形成された薄膜の膜厚または材質を計測するものとしたが、試料9表面の帯電状態に影響を及ぼす薄膜の物理量であれば、膜厚や材質に限定されず、例えば、薄膜の誘電率、薄膜の積層構造、薄膜内部の欠陥の有無などを本実施形態で示した方法と同様の方法で計測することができる。これは、減速電圧Vrが逆極性の加速電圧(−Va)よりも高い領域(Vr>−Va)において、観察画像の輝度(すなわち、試料9の表面から放出される二次電子16の量)が減速電圧Vrに応じて変動する現象が、試料9の表面における帯電のし易さが変動する現象に基づくものであるからに他ならない。
しかしながら、以上に説明した実施形態と、試料9の表面の帯電により、減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線に変化が生じることとは、同じ現象ではない。帯電によるグラフ曲線の変化は、一次電子線15の速度がゼロとなって試料9の表面に到達するとき(図2(b)参照)の減速電圧Vr(=Va)のシフトとして現れる。それに対して、膜厚の変化に応じた減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線のシフトでは、前記減速電圧Vr(=Va)のシフトではなく、グラフ曲線そのものがシフトする現象である。さらに、薄膜の材質を計測する場合には、減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状を比較するため、試料9の表面における帯電については考慮する必要がない。
2 電子源(荷電粒子源)
3 引き出し電極
4 コンデンサレンズ(電子レンズ)
5 反射板
6 走査コイル
7 対物レンズ(電子レンズ)
8 リターディング電圧電源(減速電圧電源)
9 試料
10 電子光学系装置
14 検出器
15 一次電子線(荷電粒子線)
16 二次電子
20 制御系装置
21 画像信号処理装置
22 表示装置
23 制御コンピュータ
24 演算処理装置
25 記憶装置
30 搬送系装置
31 搬送装置
32 ウエハカセット
100 走査型電子顕微鏡(荷電粒子装置)

Claims (12)

  1. 試料表面に照射する一次荷電粒子線を放出する荷電粒子源、前記一次荷電粒子線を細く集束させる複数の電子レンズ、前記試料表面に前記一次荷電粒子線が到達するときの速度を減速させる減速電圧を印加する減速電圧電源、前記試料表面から放出される二次荷電粒子を検出する検出器を含んでなる電子光学系装置と、前記検出器から出力される検出信号に基づき、表示装置に表示する前記試料表面の観察画像の各画素の輝度を生成する画像信号処理装置と、前記電子光学系装置および前記画像信号処理装置を制御して、前記試料表面の観察画像を取得して表示装置に表示する制御コンピュータと、を含んでなる荷電粒子線装置であって、
    前記制御コンピュータは、
    前記減速電圧電源の減速電圧として、前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性電圧とほぼ同じ第1の電圧から前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性の電圧よりも高い第2の電圧まで所定の電圧刻みで変化させながら、前記電圧刻みの各減速電圧を前記減速電圧電源に設定したときには、前記検出器から出力される検出信号に基づき前記画像信号処理装置によって生成される前記観察画像の各画素の平均輝度を取得し、前記減速電圧と前記平均輝度との対応関係を表した減速電圧−輝度特性データを生成する第1の処理と、
    表面状態情報が既知の薄膜が形成された参考試料に対し、前記第1の処理を実行して、第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第1の減速電圧−輝度特性データからその第1の減速電圧−輝度特性データが有する第1の特徴量を取得し、前記取得した第1の特徴量を記憶装置に保存する第2の処理と、
    表面状態情報が未知の薄膜が形成された計測対象試料に対し、前記第1の処理を実行して、第2の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第2の減速電圧−輝度特性データからその第2の減速電圧−輝度特性データが有する第2の特徴量を取得する第3の処理と、
    前記記憶装置に保存した第1の特徴量と前記取得した前記第2の特徴量とを比較して、その差分量に基づき、前記計測対象試料の表面に形成された薄膜の表面状態情報を推定する第4の処理と、
    を実行すること
    を特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の膜厚であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の特徴量として、前記第1の減速電圧−輝度特性データから前記平均輝度の平均値を取得し、
    前記第3の処理では、前記第2の特徴量として、前記第2の減速電圧−輝度特性データから前記平均輝度の平均値を取得すること
    を特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の膜厚であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の特徴量として、前記第1の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線から前記平均輝度が極大になるときの減速電圧値を取得し、
    前記第3の処理では、前記第2の特徴量として、前記第2の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線から前記平均輝度が極大になるときの減速電圧値を取得すること
    を特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、互いに異なる既知の膜厚の薄膜が形成された複数の参考試料それぞれに対し、それぞれの既知の膜厚に対応させた前記第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、そのそれぞれの前記第1の減速電圧−輝度特性データから前記第1の特徴量を取得するとともに、さらに、前記既知の膜厚と前記第1の特徴量との対応関係を表す膜厚−特徴量特性データを生成し、
    前記第4の処理では、前記生成した膜厚−特徴量特性データと前記第2の特徴量とに基づき、前記薄膜の膜厚を推定すること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の材質であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の減速電圧−輝度特性データからその第1の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報を取得して、前記第1の特徴量とし、
    前記第3の処理では、前記第2の減速電圧−輝度特性データからその第2の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報を取得して、前記第2の特徴量とすること
    を特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記第1の減速電圧−輝度特性データおよび前記第2の減速電圧−輝度特性データのそれぞれが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報は、それぞれのグラフ曲線において、前記平均輝度が極大または極小になる極値点の数、および、その極値点における減速電圧の値、または、そのいずれか一方であること
    を特徴とする請求項5に記載の荷電粒子線装置。
  7. 試料表面に照射する一次荷電粒子線を放出する荷電粒子源、前記一次荷電粒子線を細く集束させる複数の電子レンズ、前記試料表面に前記一次荷電粒子線が到達するときの速度を減速させる減速電圧を印加する減速電圧電源、前記試料表面から放出される二次荷電粒子を検出する検出器を含んでなる電子光学系装置と、前記検出器から出力される検出信号に基づき、表示装置に表示する前記試料表面の観察画像の各画素の輝度を生成する画像信号処理装置と、前記電子光学系装置および前記画像信号処理装置を制御して、前記試料表面の観察画像を取得して表示装置に表示する制御コンピュータと、を含んでなる荷電粒子線装置における試料表面計測方法であって、
    前記制御コンピュータは、
    前記減速電圧電源の減速電圧として、前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性電圧とほぼ同じ第1の電圧から前記一次荷電粒子線の加速電圧の逆極性の電圧よりも高い第2の電圧まで所定の電圧刻みで変化させながら、前記電圧刻みの各減速電圧を前記減速電圧電源に設定したときには、前記検出器から出力される検出信号に基づき前記画像信号処理装置によって生成される前記観察画像の各画素の平均輝度を取得し、前記減速電圧と前記平均輝度との対応関係を表した減速電圧−輝度特性データを生成する第1の処理と、
    表面状態情報が既知の薄膜が形成された参考試料に対し、前記第1の処理を実行して、第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第1の減速電圧−輝度特性データからその第1の減速電圧−輝度特性データが有する第1の特徴量を取得し、前記取得した第1の特徴量を記憶装置に保存する第2の処理と、
    表面状態情報が未知の薄膜が形成された計測対象試料に対し、前記第1の処理を実行して、第2の減速電圧−輝度特性データを生成し、前記生成した第2の減速電圧−輝度特性データからその第2の減速電圧−輝度特性データが有する第2の特徴量を取得する第3の処理と、
    前記記憶装置に保存した第1の特徴量と前記取得した前記第2の特徴量とを比較して、その差分量に基づき、前記計測対象試料の表面に形成された薄膜の表面状態情報を推定する第4の処理と、
    を実行すること
    を特徴とする試料表面計測方法。
  8. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の膜厚であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の特徴量として、前記第1の減速電圧−輝度特性データから前記平均輝度の平均値を取得し、
    前記第3の処理では、前記第2の特徴量として、前記第2の減速電圧−輝度特性データから前記平均輝度の平均値を取得すること
    を特徴とする請求項7に記載の試料表面計測方法。
  9. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の膜厚であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の特徴量として、前記第1の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線から前記平均輝度が極大になるときの減速電圧値を取得し、
    前記第3の処理では、前記第2の特徴量として、前記第2の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線から前記平均輝度が極大になるときの減速電圧値を取得すること
    を特徴とする請求項7に記載の試料表面計測方法。
  10. 前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、互いに異なる既知の膜厚の薄膜が形成された複数の参考試料それぞれに対し、それぞれの既知の膜厚に対応させた前記第1の減速電圧−輝度特性データを生成し、そのそれぞれの前記第1の減速電圧−輝度特性データから前記第1の特徴量を取得するとともに、さらに、前記既知の膜厚と前記第1の特徴量との対応関係を表す膜厚−特徴量特性データを生成し、
    前記第4の処理では、前記生成した膜厚−特徴量特性データと前記第2の特徴量とに基づき、前記薄膜の膜厚を推定すること
    を特徴とする請求項8または請求項9に記載の試料表面計測方法。
  11. 前記表面状態情報は、前記試料表面に形成された薄膜の材質であり、
    前記制御コンピュータは、
    前記第2の処理では、前記第1の減速電圧−輝度特性データからその第1の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報を取得して、前記第1の特徴量とし、
    前記第3の処理では、前記第2の減速電圧−輝度特性データからその第2の減速電圧−輝度特性データが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報を取得して、前記第2の特徴量とすること
    を特徴とする請求項7に記載の試料表面計測方法。
  12. 前記第1の減速電圧−輝度特性データおよび前記第2の減速電圧−輝度特性データのそれぞれが表すグラフ曲線の形状を特徴付ける情報は、それぞれのグラフ曲線において、前記平均輝度が極大または極小になる極値点の数、および、その極値点における減速電圧の値、または、そのいずれか一方であること
    を特徴とする請求項11に記載の試料表面計測方法。
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