JP2013145179A - 粒子状物質検出装置 - Google Patents

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厚男 近藤
Takayuki Sakurai
隆行 櫻井
Hitoshi Nishikawa
斎 西川
Masanobu Miki
雅信 三木
Keizo Iwama
恵三 岩間
Tatsuya Okayama
竜也 岡山
Shinichi Kikuchi
伸一 菊池
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Abstract

【課題】高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことが可能な粒子状物質検出装置を提供する。
【解決手段】一方の端部に、貫通孔32が形成された一方向に長い検出装置本体31と、貫通孔32を形成する一方の壁の内部に埋設され、誘電体で覆われた少なくとも一対の計測電極12a,12bと、一方の壁と前記貫通孔を挟んで対向配置された他方の壁の内部に埋設された、集塵電極41と、集塵電極に電圧を印加する集塵電極用電源50と、粒子状物質の量を求める粒子状物質量算出手段60と、を備え、貫通孔32を形成する一方の壁33から他方の壁34までの間隙G(mm)と、集塵電極41に印加する電圧V(kV)との関係が、下記式(1)を満たす粒子状物質検出装置100。
V>0.5G+0.025 ・・・ (1)
(但し、上記式(1)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
【選択図】図1

Description

本発明は、粒子状物質検出装置に関する。更に詳しくは、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことが可能な粒子状物質検出装置に関する。
煙道排ガスやディーゼルエンジン排ガスには、煤等の粒子状物質が含まれている。以下、このような粒子状物質を、「PM」ということがある。PMは、「Particulate Matter」の略である。このような粒子状物質は、大気汚染の原因となっている。このため、排ガス中の粒子状物質を除去するために、セラミック等で作製されたフィルタが広く用いられている。このようなフィルタは、「ディーゼルパティキュレートフィルタ」、又は「DPF」と称されることがある。このDPFが、排ガス中の粒子状物質を除去する排ガス浄化装置として使用されている。
セラミック製のDPFは、長期間の使用が可能である。一方、セラミック製のDPFは、熱劣化等により、クラックや溶損等の欠陥が発生することがある。このような欠陥が発生した場合に、微量ではあるが粒子状物質がDPFから漏れる可能性がある。そのため、DPFに欠陥が発生した場合には、その欠陥の発生を即座に検知し、排ガス浄化装置の異常を認識することが、大気汚染防止の観点から極めて重要である。
このような欠陥の発生を検知する方法として、DPFの下流側に粒子状物質検出装置を設ける方法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、一方の端部に一の貫通孔が形成された一方向に長い検出装置本体と、この貫通孔を形成する壁の内部に埋設され、誘電体で覆われた少なくとも一対の電極とを備えた粒子状物質検出装置が開示されている。また、特許文献2には、一の面が誘電体で被覆をされた板状を呈する一の電極、その一の電極の一の面の側に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介して配設をされた二の電極を備えた粒子状物質検出装置が開示されている。
特許文献1に記載された粒子状物質検出装置においては、流体中に含まれる粒子状物質を、検出装置本体の貫通孔の壁面に電気的に吸着させる。そして、特許文献1に記載された粒子状物質検出装置においては、粒子状物質を吸着させた上記壁の電気的な特性の変化を測定することにより、粒子状物質の質量を検出する。
特開2009−186278号公報 特開2010−32488号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された従来の粒子状物質検出装置においては、十分な検出感度が得られず、更に高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことが可能な粒子状物質検出装置の開発が要望されていた。
具体的には、排ガス中に含まれる煤等の粒子状物質は、排ガス中のその他のガス成分と比較して、排ガス中における濃度分布の偏りを発生し易いものである。そのため、従来の粒子状物質検出装置においては、粒子状物質を検出するためのセンサが配置される面に到達する粒子状物質の量と、実際の排ガス中の粒子状物質の濃度との相関性が十分に得られないという問題があった。また、上述したような、濃度分布の偏りを発生し易い粒子状物質を、センサが配置される面に安定的に供給することも困難であるという問題があった。
即ち、従来の粒子状物質検出装置は、固体の粒子状物質の堆積状態を電気的に検知して、その粒子状物質の量を測定するものである。このため、粒子状物質の堆積状態が変化すると、検知する電気的状態が変化して、出力精度の悪化に繋がることとなる。
また、従来の粒子状物質検出装置においては、排ガスの流量の変化に対して、検出値(換言すれば、測定値)と、実際の排ガス中の濃度との相関性が得られ難く、高精度の測定が極めて困難であるという問題もあった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことが可能な粒子状物質検出装置を提供する。
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。なお、当該知見は、その一方の端部に貫通孔が形成された検出装置本体を備えた粒子状物質検出装置に関するものである。上記粒子状物質検出装置においては、上記貫通孔を形成する一方の壁から他方の壁までの間隙の大きさと、集塵電極に印加する電圧との関係が、粒子状物質を検出する感度及び精度に極めて大きな影響を与える。特に、従来の粒子状物質検出装置において、集塵電極に印加する電圧は、単に、粒子状物質を吸着させることができれば良いとされていた。
上記知見より、貫通孔を形成する一方の壁から他方の壁までの間隙の大きさと、集塵電極に印加する電圧との関係を規定することで、高感度で、且つ排ガス中の粒子状物質の濃度との相関性の高い検出を行うことができることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の粒子状物質検出装置が提供される。
[1] 一方の端部に、貫通孔が形成された一方向に長い検出装置本体と、前記貫通孔を形成する一方の壁の内部に埋設され、誘電体で覆われた少なくとも一対の計測電極と、前記一方の壁と前記貫通孔を挟んで対向配置された他方の壁の内部に埋設された、集塵電極と、前記集塵電極に電圧を印加して、前記貫通孔内に、前記集塵電極から前記一対の計測電極側に向けて電界を発生させるための集塵電極用電源と、前記貫通孔を通過する測定対象ガスに含まれる粒子状物質を、前記電界によって前記貫通孔を形成する壁の表面に集塵させ、前記一対の計測電極の間の電気的特性の変化を測定して、集塵された前記粒子状物質の量を求める粒子状物質量算出手段と、を備え、前記貫通孔を形成する前記一方の壁から前記他方の壁までの間隙G(mm)と、前記集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、下記式(1)を満たす粒子状物質検出装置。
V>0.5G+0.025 ・・・ (1)
(但し、上記式(1)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
[2] 前記間隙G(mm)と、前記電圧V(kV)との関係が、更に、下記式(2)を満たす前記[1]に記載の粒子状物質検出装置。
V<1.1G+0.175 ・・・ (2)
(但し、上記式(2)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
[3] 前記検出装置本体が、アルミナを含むセラミック材料からなるものである前記[1]又は[2]に記載の粒子状物質検出装置。
[4] 前記貫通孔を形成する前記一方の壁の内部に、接地用の接地電極を更に備えた前記[1]〜[3]のいずれかに記載の粒子状物質検出装置。
本願の請求項1に係る発明の粒子状物質検出装置は、検出装置本体と、少なくとも一対の計測電極と、集塵電極と、集塵電極に電圧を印加する集塵電極用電源と、粒子状物質量算出手段と、を備えた粒子状物質検出装置である。検出装置本体は、一方の端部に、貫通孔が形成された一方向に長い、検出装置の本体を構成するものである。一対の計測電極は、貫通孔を形成する一方の壁の内部に埋設され、誘電体で覆われたものである。集塵電極は、一方の壁と貫通孔を挟んで対向配置された他方の壁の内部に埋設されたものである。集塵電極用電源は、貫通孔内に、集塵電極から一対の計測電極側に向けて電界を発生させるための電源である。粒子状物質量算出手段は、一対の計測電極の間の電気的特性の変化を測定して、粒子状物質の量を求めるものである。この粒子状物質検出装置においては、貫通孔を通過する測定対象ガスに含まれる粒子状物質を、集塵電極により発生させた電界によって、貫通孔を形成する壁の表面に集塵させる。
本願の請求項1に係る発明の粒子状物質検出装置においては、貫通孔を形成する上記一方の壁から他方の壁までの間隙G(mm)と、集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、上記式(1)を満たすものである。
本願の請求項1に係る発明の粒子状物質検出装置においては、上記式(1)を満たすことにより、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことができる。即ち、高感度で、且つ測定対象ガス中の粒子状物質の濃度との相関性の高い検出を行うことができる。また、上記式(1)を満たすことにより、粒子状物質の検出において、ガス流量等の影響を受け難く、安定的に粒子状物質を貫通孔内に取り込むことができる。
また、本願の請求項1に係る発明の粒子状物質検出装置は、自動車等の内燃機関等に適合する小型化を実現し、粒子状物質検出装置の製造コスト削減を実現することができる。また、上記式(1)を満たすことにより、装置の耐久性を向上させることができる。本願の請求項1に係る発明の粒子状物質検出装置は、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことができるため、DPF等の排ガス処理装置の下流側に設置して、上記装置の自己故障診断(OBD)を行う場合に極めて有効である。即ち、測定対象ガスとしては、煙道排ガスやディーゼルエンジン排ガス等の内燃機関から排出された排ガスが、DPF等によって一旦浄化された後の、浄化済みの排ガスであることが好ましい。
なお、間隙G(mm)と、電圧V(kV)との関係が、V≦0.5G+0.025であると、検知面となる一方の壁側に、粒子状物質を集塵することができない。また、間隙Gが、0.15mm以下であると、貫通孔内に流入する粒子状物質の量が低下して、高感度の検出が極めて困難になる。間隙Gが、1.0mmを超えて大きくなっても、粒子状物質の流入量に対しての影響がほとんどなく、粒子状物質の集塵効率が悪くなる。また、間隙Gが、1.0mmを超えると、粒子状物質検出装置が大型化して、製造コストが増加し、また、耐久性も低下してしまう。例えば、貫通孔を形成した検出装置本体に歪み等を生じてしまう。また、自動車の内燃機関の排気系への設置も困難となる。更に、十分な検出感度を得るためには、集塵電極に印加する電圧を大きくしなければならず、電圧を印加した際に、粒子状物質検出装置が破損することもある。また、電圧V(kV)が1.0kV以上であると、装置内の絶縁性を確保することが困難になる。このため、粒子状物質検出装置、特に、検出装置本体の長さを長くする必要が生じ、製造コストや耐久性において問題となる。
本願の請求項2に係る発明の粒子状物質検出装置は、上記間隙G(mm)と、上記電圧V(kV)との関係が、更に、上記式(2)を満たすものである。このように、電圧V(kV)の上限値を更に限定することにより、高感度を実現しつつ、電圧Vをより低減することで、粒子状物質検出装置の絶縁性を良好に確保することができる。
本願の請求項3に係る発明の粒子状物質検出装置は、検出装置本体が、アルミナを含むセラミック材料からなるものである。本願の請求項3に係る発明の粒子状物質検出装置は、電圧V(kV)が比較的高い場合においても、絶縁性を良好に確保することができる。特に、設置スペースに制限がある場合に、粒子状物質検出装置の小型化を実現しつつ、絶縁性を良好に確保することができる。検出装置本体を構成するセラミック材料は、アルミナを主成分とするものであることが更に好ましい。上記セラミック材料には、ジルコニアが含まれていてもよい。このようなセラミック材料によって検出装置本体を構成することにより、上記式(1)を満たす粒子状物質検出装置において、良好な絶縁性を確保することができる。
本願の請求項4に係る発明の粒子状物質検出装置は、貫通孔を形成する一方の壁の内部に、接地用の接地電極を更に備えたものである。このように構成することによって、集塵電極に、上記式(1)を満たすような条件にて、電圧を印加した際に、貫通孔の内部に良好に電界を生じさせることができる。これにより、より高感度及び高精度の粒子状物質の検出が可能となる。なお、本発明の粒子状物質検出装置においては、一方の壁の内部に埋設された一対の計測電極を、接地用の電極とすることもできる。本願の請求項1〜4に係る発明は、上記[1]〜[4]に記載された発明である。
本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す模式図である。 本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す正面図である。 図2Aに示す粒子状物質検出装置の一方の側面を示す側面図である。 図2Aに示す粒子状物質検出装置の他方の側面を示す側面図である。 図2Aに示す粒子状物質検出装置の背面図である。 図2BのA−A’断面を示す模式図である。 図3のB−B’断面を示す模式図である。 図3のC−C’断面を示す模式図である。 図3のD−D’断面を示す模式図である。 図3のE−E’断面を示す模式図である。 図3のF−F’断面を示す模式図である。 貫通孔の間隙Gと、集塵電圧Vとの関係を示すグラフである。 粒子状物質検出装置の製造方法の一例を示す模式図である。 粒子状物質検出装置の製造方法の他の例を示す模式図である。 実施例における粒子状物質の測定方法を模式的に示す説明図である。 実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係を示すグラフである。 比較例1及び2の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。 実施例1、2及び比較例3の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。 実施例3、4及び比較例4の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。 実施例5、6及び比較例5の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。 実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、空間電界(kV/mm)と、△C(pF)との関係を示すグラフである。 実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、貫通孔の間隙G(mm)と、△C(pF)との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)粒子状物質検出装置:
本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態は、図1、図2A〜図2D、及び図3〜図8に示すような粒子状物質検出装置100である。粒子状物質検出装置100は、検出装置本体31と、少なくとも一対の計測電極12a,12bと、集塵電極41と、集塵電極用電源50と、粒子状物質量算出手段60と、を備えたものである。
ここで、図1は、本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す模式図である。図2Aは、本発明の粒子状物質検出装置の一の実施形態を模式的に示す正面図である。図2Bは、図2Aに示す粒子状物質検出装置の一方の側面を示す側面図である。図2Cは、図2Aに示す粒子状物質検出装置の他方の側面を示す側面図である。図2Dは、図2Aに示す粒子状物質検出装置の背面図である。また、図3は、図2BのA−A’断面を示す模式図である。図4は、図3のB−B’断面を示す模式図である。図5は、図3のC−C’断面を示す模式図である。図6は、図3のD−D’断面を示す模式図である。図7は、図3のE−E’断面を示す模式図である。図8は、図3のF−F’断面を示す模式図である。
図2A〜図2Dに示すように、検出装置本体31は、一方の端部31aに、貫通孔32が形成された一方向に長い粒子状物質検出装置100の検出部分における本体を構成するものである。一対の計測電極12a,12bは、検出装置本体31の貫通孔32を形成する一方の壁33の内部に埋設され、誘電体で覆われたものである。集塵電極41は、上記一方の壁33と貫通孔32を挟んで対向配置された他方の壁34の内部に埋設されたものである。即ち、集塵電極41と一対の計測電極12a,12bとは、貫通孔32を挟んで反対側に壁に配置されている。
図1に示すように、集塵電極用電源50は、集塵電極41に電圧を印加するための電源である。この集塵電極用電源50は、検出装置本体31の貫通孔32内に、集塵電極41から一対の計測電極12a,12b側に向けて電界を発生させるため電源である。即ち、集塵電極用電源50によって集塵電極41に電圧を印加すると、上記電界が発生する。
粒子状物質量算出手段60は、本実施形態の粒子状物質検出装置100において、粒子状物質の量を求めるための算出手段である。本実施形態の粒子状物質検出装置100における、粒子状物質の量を求める方法は、以下の通りである。まず、貫通孔32を通過する測定対象ガスに含まれる粒子状物質を、上記電界によって、検出装置本体31の貫通孔32を形成する壁の表面に集塵させる。そして、一対の計測電極12a,12bの間の電気的特性の変化を測定する。測定された「電気的特性の変化」から、壁の表面に集塵された粒子状物質の量を求める。粒子状物質量算出手段60は、特性測定部61、及び粒子状物質量算出部62を備える。特性測定部61は、一対の計測電極12a,12bの間の電気的特性の変化を測定するものである。粒子状物質量算出部62は、電気的特性の変化から、壁の表面に集塵された粒子状物質の量を求めるものである。本実施形態の粒子状物質検出装置100においては、粒子状物質量算出手段60が、求められた粒子状物質の量から、測定対象ガス中の粒子状物質の濃度を算出する粒子状物質濃度算出部63を更に備えていてもよい。
本実施形態の粒子状物質検出装置100においては、検出装置本体31の貫通孔32を形成する一方の壁33から他方の壁34までの間隙G(mm)と、集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、下記式(1)を満たす。なお、「貫通孔32を形成する一方の壁33から他方の壁34までの間隙G」を、以下、「貫通孔32の間隙G」、又は、単に「間隙G」ということがある。また、「集塵電極に印加する電圧V」を、「集塵電圧V」又は、単に「電圧V」ということがある。また、図9は、貫通孔の間隙Gと、集塵電圧Vとの関係を示すグラフである。図9においては、横軸が、貫通孔の間隙Gを示し、縦軸が、集塵電圧Vを示す。図9における斜線で示される範囲が、下記式(1)を満たす範囲となる。
V>0.5G+0.025 ・・・ (1)
(但し、上記式(1)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
図1〜図8に示すような本実施形態の粒子状物質検出装置100によれば、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことができる。即ち、高感度で、且つ測定対象ガス中の粒子状物質の濃度との相関性の高い検出を行うことができる。また、上記式(1)を満たすことにより、粒子状物質の検出において、ガス流量等の影響を受け難く、安定的に粒子状物質を貫通孔32内に取り込むことができる。
また、本実施形態の粒子状物質検出装置100は、自動車等の内燃機関等に適合する小型化を実現し、粒子状物質検出装置100の製造コスト削減を実現することができる。また、上記式(1)を満たすことにより、粒子状物質検出装置100の耐久性を向上させることができる。本実施形態の粒子状物質検出装置100は、高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことができるため、DPF等の排ガス処理装置の下流側に設置して、上記装置の自己故障診断(OBD)を行う場合に極めて有効である。即ち、測定対象ガスとしては、煙道排ガスやディーゼルエンジン排ガス等の内燃機関から排出された排ガスが、DPF等によって一旦浄化された後の、浄化済みの排ガスであることが好ましい。
貫通孔の間隙Gは、貫通孔を形成する一方の壁から他方の壁までの最短距離のことをいう。本実施形態の粒子状物質検出装置においては、貫通孔を形成する2つの壁が、平行に配置されていることが好ましい。貫通孔を形成する2つの壁が平行に配置されていると、貫通孔の間隙Gが、検出装置本体の長さ方向において一定となる。貫通孔の間隙Gは、検出装置本体の長さ方向において、±0.02mmの範囲にあることが好ましい。
上記式(1)を満たさない場合、検知面となる一方の壁33側に、粒子状物質を集塵することができない。上記式(1)を満たさない場合とは、間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係が、V≦0.5G+0.025の場合のことである。
また、間隙Gが、0.15mm以下であると、貫通孔32内に流入する粒子状物質の量が低下して、粒子状物質の検出が極めて困難になる。即ち、間隙Gが、0.15mm以下の場合には、例えば、電圧Vの大きさを大きくして、貫通孔32内に発生する電界を強くしても、粒子状物質を貫通孔32の壁に集塵することができず、所望の検出感度を得ることができない。
一方、間隙Gが、1.0mmを超えて大きくなっても、粒子状物質の流入量に対しての影響がほとんどなく、粒子状物質の集塵効率が悪くなる。また、間隙Gが、1.0mmを超えると、粒子状物質検出装置100が大型化して、製造コストが増加する。また、粒子状物質検出装置100の耐久性も低下してしまう。例えば、貫通孔32を形成した検出装置本体31に歪み等を生じてしまう。特に、粒子状物質検出装置100が大型化した場合には、粒子状物質検出装置100を排気系に安定的に保持することが困難になる。また、電気的な信号を授受するための端子の接続が困難になったり、排気系に設置した際のシール性が低下したりすることがある。
また、間隙Gが、1.0mmを超えると、自動車の内燃機関の排気系への設置自体が困難になることがある。即ち、一般的な自動車の排気系に粒子状物質検出装置100を設置する場合には、検出装置本体が、M18〜22のネジ径に適合する大きさに構成されたものであることが好ましい。貫通孔31の間隙Gが、1.0mmを超えると、上述した範囲のネジ径に適合する大きさに、検出装置本体の大きさを収めることが極めて困難となる。なお、上記検出装置本体の大きさとは、検出装置本体の長手方向に垂直な断面における、検出装置本体の大きさのことである。
また、集塵電圧V(kV)が1.0kV以上であると、粒子状物質検出装置内の絶縁性を確保することが困難になる。このため、粒子状物質検出装置の大きさ、特に、検出装置本体の長さを長くする必要が生じ、製造コストや耐久性において問題となる。
従来の粒子状物質検出装置において、集塵電極に印加する電圧は、単に、粒子状物質を貫通孔の壁に集塵することができるような大きさであれば良いとされていた。特に、従来においては、印加する電圧を高くしさえすれば、単純に電界が強まり、集塵効率が向上すると考えられていた。例えば、従来の粒子状物質検出装置においては、この集塵電極に印加する電圧は、高電圧とされており、通常、1.0kVを超えるものと考えられていた。しかしながら、種々の検討により、集塵電極に印加する集塵電圧Vのみの調整では、良好な集塵効率が得られず、また、単に集塵電圧Vを高くしても、それに比例するように集塵効率が必ずしも増加するものではないということが判明した。また、従来の粒子状物質検出装置においては、貫通孔の間隙Gと、集塵電極に印加する集塵電圧Vとの関係については、全く考慮されていなかった。
また、浄化済みの排ガス中の粒子状物質を検出するための粒子状物質検出装置は、極めて微小の静電容量等の変化を検出して、粒子状物質の検出を行うものである。粒子状物質の検出を行う際には、測定対象ガスに粒子状物質が含まれていないこともある。即ち、粒子状物質検出装置は、測定対象ガスに粒子状物質が含まれていない場合には、当該測定対象ガスに粒子状物質が含まれていないことを適切に検知することができるものでなければならない。また、粒子状物質検出装置は、測定対象ガスに極めて少ない量の粒子状物質が含まれている場合には、その少ない量の粒子状物質を適切に検出することができるものでなければならない。このような粒子状物質検出装置においては、所望とする感度及び精度を得ることが極めて重要な課題とされていた。本実施形態の粒子状物質検出装置においては、貫通孔の間隙Gと、集塵電極に印加する集塵電圧Vとの関係を規定することにより、極めて高感度及び高精度の粒子状物質の検出が実現される。
また、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係が、更に、下記式(2)を満たすものであることが好ましい。
V<1.1G+0.175 ・・・ (2)
(但し、上記式(2)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
上記式(2)のように、集塵電圧V(kV)の上限値を更に限定することにより、高感度を実現しつつ、集塵電圧Vをより低減することができる。これにより、粒子状物質検出装置の絶縁性を良好に確保することができる。即ち、最適な電圧を集塵電極に印加することで、検出装置本体に負担を与えずに、貫通孔内に良好な電界を発生させることができる。
また、貫通孔の間隙Gは、0.2mm以上であることが好ましい。このように構成することにより、貫通孔内に流入する粒子状物質の量を良好に確保することができる。貫通孔の間隙Gは、0.8mm以下であることが好ましい。このように構成することにより、検出装置本体の歪み等を有効に防止し、高精度の測定を実現することができる。
また、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係が、下記式(3)を満たすものであることが更に好ましい。
V≧0.72G+0.054 ・・・ (3)
(但し、上記式(3)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係が、上記式(3)を満たすことにより、より高感度及び高精度に粒子状物質の検出を行うことができる。特に、上記式(3)を満たすことにより、貫通孔を形成する壁に、粒子状物質を良好に集塵することが可能となる。このため、測定対象ガスに含まれる粒子状物質が微量であっても、一対の計測電極が埋設された壁に、当該粒子状物質を集塵して、より高感度の検出を行うことができる。
集塵電圧の最大値は、上記式(1)を満たす範囲において、1.0kV以下であればよい。但し、粒子状物質検出装置の耐久性の観点から、集塵電圧の最大値は、0.7kV以下であることがより好ましい。
以下、本実施形態の粒子状物質検出装置について、図1〜図8に示す粒子状物質検出装置100を例に、更に詳細に説明する。
(2)粒子状物質検出装置の構成:
本実施形態の粒子状物質検出装置100は、検出装置本体31と、少なくとも一対の計測電極12a,12bと、集塵電極41と、集塵電極用電源50と、粒子状物質量算出手段60と、を備えたものである。
(2−1)検出装置本体:
検出装置本体31は、一方の端部31aに、貫通孔32が形成された一方向に長い粒子状物質検出装置100の本体を構成するものである。少なくとも検出装置本体31の貫通孔32が形成された一方の端部31aは、誘電体により構成されている。貫通孔32を形成する一方の壁33の内部には、少なくとも一対の計測電極12a,12bが埋設されている。また、貫通孔32を形成する他方の壁34の内部には、集塵電極41が埋設されている。
検出装置本体は、一方向に長く構成された板状のものであることが好ましい。更に、この一方向に長い板状の検出装置本体の一方の端部に、上記貫通孔が形成されていることがより好ましい。このように構成することによって、粒子状物質検出装置を、自動車の排気系等に挿入したときに、測定対象ガス中の粒子状物質を効率よくサンプリングすることができる。
検出装置本体は、誘電体からなるものであることが好ましい。このような誘電体からなる検出装置本体の内部に集塵電極を埋設することにより、誘電体に覆われた集塵電極を形成することが可能となる。ここで、「誘電体」とは、導電性よりも誘電性が優位である物質で、直流電圧に対して絶縁体として振舞う物質のことをいう。
検出装置本体は、アルミナを含むセラミック材料からなるものであることが好ましい。このようなセラミック材料からなる検出装置本体によれば、上記式(1)の関係を満たす場合に、貫通孔内に粒子状物質を良好に集塵可能な電界を発生させることができる。アルミナを含むセラミック材料には、ジルコニアが含まれていてもよい。即ち、検出装置本体を構成するセラミック材料は、アルミナ、又はアルミナとジルコニアを主成分とするものであることが好ましい。ここで、主成分とは、その構成成分中の質量比率が、92質量%以上のことをいう。このため、検出装置本体を構成するセラミック材料は、アルミナとジルコニア以外の成分が、8質量%未満であることが好ましい。
検出装置本体の一方の端部には、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、検出装置本体の長手方向に垂直な方向に、検出装置本体の正面から背面に延びるように形成されている。貫通孔の間隙Gは、これまでに説明したような上記式(1)を満たすような大きさに形成される。
検出装置本体の厚さについては特に制限はない。検出装置本体の厚さは、「検出装置本体の長手方向」及び「貫通孔の延びる方向」の両方に垂直な方向における長さのことである。即ち、検出装置本体の厚さとは、貫通孔の間隙Gの方向における検出装置本体の長さのことを意味する。貫通孔を形成する一方の壁及び他方の壁の厚さについても特に制限はない。各壁には、一対の計測電極や集塵電極等の粒子状物質の検出に用いるための電極が埋設される。このため、このような電極を良好に埋設することができるような厚さであることが好ましい。なお、上述したように、本実施形態の粒子状物質検出装置は、M18〜22のネジ径に適合する大きさに構成されたものであることが好ましい。このため、検出装置本体の厚さ、及び貫通孔を形成する壁の厚さについては、上記ネジ径に適合する大きさに収まるようなものであることが好ましい。
検出装置本体の幅についても特に制限はない。検出装置本体の幅は、検出装置本体の長手方向と厚さ方向とに直交する方向の長さのことである。即ち、検出装置本体の幅とは、貫通孔の延びる方向のことを意味する。なお、検出装置本体の幅は、上記ネジ径に適合する大きさに収まるようなものであることが好ましい。
貫通孔の長さについては特に制限はない。貫通孔の長さとは、検出装置本体の長手方向における長さのことを意味する。貫通孔は、検出装置本体の一方の端部に形成されている。「検出装置本体の一方の端部」というときは、図2A〜図2Dに示すように、検出装置本体31の一方の先端部分31cから、検出装置本体31の全長の50%の長さに相当する位置までの範囲をいう。なお、検出装置本体31の一方の端部は、好ましくは、検出装置本体31の一方の先端部分31cから、検出装置本体31の全長の40%の長さに相当する位置までの範囲であり、更に好ましくは、30%の長さに相当する範囲である。なお、「検出装置本体の他方の端部」というときは、検出装置本体31の他方の先端部分31dから、検出装置本体31の全長の50%の長さに相当する位置までの範囲をいう。検出装置本体の他方の端部は、好ましくは、検出装置本体の他方の先端部分31dから、検出装置本体31の全長の40%の長さに相当する位置までの範囲であり、更に好ましくは、30%の長さに相当する範囲である。
検出装置本体31は、一方向に長く構成され、その一方の端部に貫通孔を形成することが可能なものであれば、その全体形状については特に制限ない。例えば、図2A〜図2Dに示すように、検出装置本体31の形状は、長手方向に直交する断面形状が長方形の板状であってもよい。また、図示は省略するが、当該断面形状が半円形、半楕円形等の棒状であってもよい。
検出装置本体31は、複数のテープ状セラミックが積層されてなるものであることが好ましい。このように構成することによって、複数のテープ状セラミックの間に、各電極、配線等を挟みながら積層して検出装置本体を作製することができる。このため、粒子状物質検出装置を効率的に製造することが可能となる。テープ状セラミックは、セラミックシートと称されることがある。
(2−2)計測電極:
計測電極は、貫通孔を形成する一方の壁の内部に、少なくとも一対配置されたものである。一対の計測電極は、上記一方の壁の電気的特性を計測するための電極である。上記一方の壁の表面に粒子状物質が電気的に吸着されると、この一方の壁の電気的特性が変化する。本実施形態の粒子状物質検出装置においては、この電気的特性の変化を測定して、粒子状物質の検出を行う。
一対の計測電極は、貫通孔を形成する一方の壁の内部に埋設され、誘電体によって覆われている。例えば、貫通孔を形成する壁の貫通孔側の表面に一対の計測電極が配置され、更に、一対の計測電極の表面を覆うように、誘電体からなる薄膜が配置されることによって、上記一方の壁が形成された態様を好適例として挙げることができる。誘電体からなる薄膜としては、アルミナ、又はアルミナ及びジルコニアを主成分とするものであることが好ましい。
本実施形態の粒子状物質検出装置100に用いられる一対の計測電極12a,12bは、間隔を空けて対向配置された一対の電極であれば特に制限はない。図6に示すように、平面的に配列された複数の櫛歯部13と、各計測電極12a,12bの複数の櫛歯部13をその一端で連結する櫛骨部14とを有する櫛歯状の電極を好適例として挙げることができる。このような櫛歯状の計測電極は、それぞれの計測電極12a,12bの櫛歯部13が、隙間を空けて相互にかみ合わされるように配置されている。このように構成することによって、これまでに説明した本実施形態の粒子状物質検出装置の効果に加え、更に粒子状物質検出装置の感度を向上させることができる。即ち、このような櫛歯状の電極を用いることによって、電極間の間隔を狭く、且つより均一して、粒子状物質検出装置の感度を向上させることができる。
計測電極の厚さについては特に制限はない。計測電極の厚さとしては、例えば、5〜30μmであることが好ましい。また、計測電極の材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。
以下、計測電極が、櫛歯状の電極である場合のより好ましい態様について説明する。計測電極を構成する櫛歯部の幅については特に制限はないが、例えば、30〜400μmであることが好ましく、50〜300μmであることが更に好ましく、80〜250μmであることが特に好ましい。また、各計測電極に配置される櫛歯部の本数についても制限はないが、例えば、少なくとも各3本以上であることが好ましく、3〜20本であることが更に好ましく、4〜8本であることが特に好ましい。このように構成することによって、より高精度に粒子状物質の検出を行うことができる。
隣接する一方の計測電極の櫛歯部と、他方の計測電極の櫛歯部との間隔は、例えば、30〜400μmであることが好ましく、50〜300μmであることが更に好ましく、80〜250μmであることが特に好ましい。「隣接する一方の計測電極の櫛歯部と、他方の計測電極の櫛歯部との間隔」とは、櫛歯部が相互にかみ合わされるように配置される際の、櫛歯部の相互の間隔のことである。
粒子状物質検出装置100の一対の計測電極12a,12bは、計測配線16a,16bと電気的に接続されている。また、計測配線16a,16bは、検出装置本体31の他方の端部31bに配置された計測電極取出端子17a,17bと、電気的に接続されている。この計測電極取出端子17a,17bは、粒子状物質量算出手段と電気的に接続されている。特に、計測電極取出端子17a,17bは、粒子状物質量算出手段60(図1参照)の特性測定部61(図1参照)と電気的に接続されている。
計測電極取出端子17a,17bを、検出装置本体31の他方の端部31bに配設することにより、貫通孔32と計測電極取出端子17a,17bとの間隔を大きくとることができる。このため、検出装置本体31の一方の端部31aだけを高温の排ガスが流通する排気系に挿入することができる。即ち、計測電極取出端子17a,17bが配設されている他方の端部31b側を、排気系から外に出した状態にすることが可能となる。計測電極取出端子17a,17bを高温にすると、粒子状物質の検出精度が低下し、安定した検出が行い難くなることがある。また、長期にわたって粒子状物質検出装置を使用した場合に、計測電極取出端子と外部への接続を行うためのハーネスとの接点不良が発生して測定不能になることがある。
計測電極取出端子17a,17bは、図2Bに示すように、検出装置本体31の他方の端部31bの側面に、長手方向に延びるように配置されていることが好ましい。なお、図2Bにおいては、検出装置本体31の他方の端部31bは、幅が狭くなっているが、他方の端部31bの幅は、このように狭くなっていてもよいし、狭くなっていなくてもよい。計測配線16a,16bの材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。計測電極取出端子17a,17bの材質としては、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等を挙げることができる。
(2−3)集塵電極:
集塵電極は、貫通孔を形成する壁のうち、一対の計測電極が埋設された壁とは反対側の壁の内部に埋設されたものである。即ち、集塵電極も、検出装置本体を構成する誘電体で覆われた電極である。図1に示すように、集塵電極41と一対の計測電極12a,12b間に電圧を印加することにより、一対の計測電極がアースとなり、一対の計測電極12a,12bに向けて電界が発生する。なお、後述するが、集塵電極41に対するアースとしては、上記一対の計測電極の他に、更に、接地用の電極(接地電極)を別途設けてもよい。
集塵電極41は、一対の計測電極12a,12bに向けて、貫通孔32内に電界を発生させることができるものであれば、その形状については特に制限はない。集塵電極の材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。
検出装置本体の厚さ方向における、貫通孔から集塵電極までの距離については特に制限はない。なお、電界強度の観点からは、集塵電極から貫通孔までの距離は、0.1〜0.5mmであることが好ましく、0.1〜0.25mmであることが更に好ましい。このように構成することによって、貫通孔内に、粒子状物質を集塵するための電界を良好に発生させることができる。
図4に示すように、集塵電極41には、検出装置本体31の長手方向に延びる集塵配線41bが接続されている。また、集塵配線41bは、検出装置本体31の他方の端部31bに配置された集塵電極取出端子41aと電気的に接続されている。集塵配線41bの材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。集塵電極取取出端子41aの材質としては、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ステンレス、コバール等を挙げることができる。
なお、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、上記式(1)によって、貫通孔の間隙Gと集塵電圧Vとの関係を規定している。このため、従来の粒子状物質検出装置に比して、集塵電圧Vの値を小さくしつつ、高感度及び高精度を実現することができる。そして、集塵電圧Vの値を小さくすることにより、集塵電極取出端子を、検出装置本体の他方の端部に配設することができる。即ち、従来の粒子状物質検出装置においては、集塵電圧Vの値が大きいために、検出装置本体の表面に沿面放電が生じるという問題があった。このため、従来の粒子状物質検出装置においては、集塵電極取出端子を、検出装置本体の他方の端部から離して、検出装置本体の一方の端部と他方の端部との間の位置に配設することが行われていた。本実施形態の粒子状物質検出装置においては、集塵電極取出端子を、検出装置本体の他方の端部に配設することができるため、検出装置本体の他方の端部にて、各取出端子に対する電気的接続を一括して行うことができる。各取出端子とは、計測電極取出端子や集塵電極取出端子等の本実施形態の粒子状物質検出装置において用いられる取出端子の総称を意味する。
(2−4)集塵電極用電源:
本実施形態の粒子状物質検出装置は、集塵電極に電圧を印加するための集塵電極用電源を備えている。集塵電極用電源により集塵電極に電圧を印加することにより、貫通孔内に、集塵電極から一対の計測電極側に向けて電界を発生させることができる。集塵電極用電源は、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係が上記式(1)を満たすような電圧を印加するものである。
集塵用電源は、貫通孔内に電界を発生させ得る安定した直流電圧又は交流電圧を供給するものである。集塵用電源として、例えば、フライバック方式による電源回路等を用いた電源を採用することができる。これは、入力側の電源からトランスにエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーを出力側に放出することによって直流電圧を供給することができるものである。フライバック方式による電源回路においては、トランスへのエネルギーの蓄積と放出は、トランジスタ等により制御され、出力側の電流はダイオードにより整流される。
(2−5)接地電極:
本実施形態の粒子状物質検出装置は、貫通孔を形成する一方の壁の内部に、接地用の接地電極を更に備えたものであってもよい。なお、上述したように、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、集塵電極に電圧を印加した場合に、一対の計測電極のうちの少なくとも一方をアースとして用いることもできる。このような接地電極を更に備えた粒子状物質検出装置は、より高精度及び高感度の粒子状物質の検出が可能となる。
図2A〜図2Dにおいては、貫通孔32を形成する一方の壁33の内部に、接地用の接地電極42を更に備えた場合の例を示す。一方の壁33の内部には、壁33の厚さ方向の貫通孔32側寄りに、一対の計測電極12a,12bが配置されている。更に、一対の計測電極12a,12bの配置位置から、壁33の厚さ方向に離れた箇所に、接地電極42が配置されている。この接地電極42が、集塵電極41に対するアースの役割を果たす。
接地電極42には、検出装置本体31の長手方向に延びる接地配線42bが接続されている。また、接地配線42bは、接地電極42に接続されていない側の先端で、接地電極取出端子42aに接続されている。
また、接地電極の材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。また、接地配線及び接地電極取出端子の材質としては、集塵配線及び集塵電極取出端子の材質と同様ものを挙げることができる。
接地電極は、必要に応じて配設される接地用の電極であり、その大きさについては特に制限はない。但し、接地電極は、貫通孔の延びる方向において、少なくとも貫通孔の幅全域を覆うことができる大きさのものであることが好ましい。
(2−6)粒子状物質量算出手段:
本実施形態の粒子状物質検出装置は、一対の計測電極の間の電気的特性の変化を測定して、粒子状物質の量を求める粒子状物質量算出手段を備えている。即ち、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、これまでに説明したように、貫通孔を通過する測定対象ガスに含まれる粒子状物質を、電界によって貫通孔を形成する壁の表面に集塵させる。上記電界は、集塵電極によって発生させたものである。そして、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、一対の計測電極の間の電気的特性の変化を測定し、その電気的特性の変化から、集塵させた粒子状物質の量を求める。
粒子状物質量算出手段としては、上述した方法によって粒子状物質の量を求めることができるものであれば、特に制限はない。例えば、粒子状物質量算出手段としては、特性測定部、及び粒子状物質量算出部を備えるものを挙げることができる。また、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、求められた粒子状物質の量から、測定対象ガス中の粒子状物質の濃度を算出する粒子状物質濃度算出部を更に備えていてもよい。
以下、本実施形態の粒子状物質検出装置において、粒子状物質の量を検出する原理について説明する。まず、一対の計測電極の間の電気的特性の変化量E1は、粒子状物質の集塵量(別言すれば、粒子状物質の堆積量W1)と一定の関係にある。このため、特性測定部によって、上記電気的特性の変化量E1を知れば、粒子状物質の堆積量W1を求めることができる。粒子状物質量算出部は、電気的特性の変化量E1と粒子状物質の堆積量W1との相関関係を基に、電気的特性の変化量E1から、粒子状物質の堆積量W1を算出する算出機能を有するものである。また、測定対象ガス(例えば、排ガス)の流量を一定とすれば、粒子状物質の堆積量W1は、測定対象ガス中の粒子状物質の量、即ち、粒子状物質の濃度C1と一定の関係にもある。そのため、粒子状物質の堆積量W1が分かれば、測定対象ガス中の粒子状物質の濃度C1を求めることができる。また、測定対象ガスの流量が変わる場合には、流量計等により測定対象ガスの流量を計測し、計測された流量に基づいて、粒子状物質の濃度C1の補正を行うことで、粒子状物質の堆積量W1から、粒子状物質の濃度C1を求めることができる。粒子状物質濃度算出部は、粒子状物質の堆積量W1と粒子状物質の濃度C1との相関関係を基に、粒子状物質の堆積量W1から粒子状物質の濃度C1を算出する算出機能を有するものである。
本実施形態の粒子状物質検出装置においては、粒子状物質量算出手段が、粒子状物質検出装置における制御装置に組み込まれていることが好ましい。その制御装置は、例えば、電気信号入出力機能を備えたシーケンサ等で構成され、粒子状物質量算出手段の他に、装置全体の制御を行うための制御手段を有するものであることが好ましい。制御手段によって行われるその他の制御としては、例えば、集塵電極用電源の制御、後述する加熱部用の電源の制御、測定モードの切換、及び流量計で測定された流量の電気信号の授受等を挙げることができる。
一対の計測電極の間における電気的特性として、インピーダンスを求める場合には、交流電源を用い、抵抗、静電容量、インダクタンスをそれぞれ測定することができる。また、定電流源を使い、一対の計測電極の間の電圧の変化を測定することによって、インピーダンスの変化を測定してもよい。また、定電圧源を使って、一対の計測電極の間に流れる電流の変化や、一対の計測電極の間に蓄積される電荷の変化を測定することによって、一対の計測電極の間のインピーダンスの変化を測定してもよい。特性測定部は、このような電気的特性及びその変化の求め方によって、適切な構成とすることが可能である。
例えば、特性測定部は、一対の計測電極に電圧を印加する交流電源と測定器とで構成することができる。好ましい測定器としては、LCRメータを挙げることができる。具体的には、例えば、測定する電気的特性が静電容量である場合には、アジレント・テクノロジー社製のLCRメータ4263B(商品名)等を用いることができる。
また、粒子状物質量算出部及び粒子状物質濃度算出部については、上述した算出機能を有するものであれば、特に制限はない。例えば、上記算出機能を有する集積回路等を挙げることができる。
(2−7)加熱部:
本実施形態の粒子状物質検出装置100は、検出装置本体の内部に埋設された加熱部43を備えている。この加熱部43によって検出装置本体を加熱することにより、貫通孔を形成する壁に集塵された粒子状物質を加熱酸化させることができる。このようにして、壁に集塵した粒子状物質を焼き払うことにより、粒子状物質検出装置を再生することができる。また、粒子状物質の質量を測定する際において、貫通孔32の内部空間を所望の温度に調節することもできる。このような温度調節により、一対の計測電極間の電気的特性の変化を安定的に測定することができる。
加熱部43は、例えば、加熱部を形成するための導体ペーストを用いて形成することができる。加熱部43は、線状の金属材料からなるものであってもよい(例えば、図8参照)。また、加熱部43は、幅広のフィルム状のものであってもよい。図8においては、検出装置本体31の長手方向において、線状の金属材料が波状に配置された加熱部43の例を示す。また、図8においては、検出装置本体31の長手方向に延びる2つの波状部分が、検出装置本体31の一方の先端部分31cにて連結された場合の例を示す。このような形状にすることにより、貫通孔内部を均一に加熱し、貫通孔32を形成する壁に付着した粒子状物質を除去することができる。加熱部43の材質としては、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を挙げることができる。加熱部を形成する配線の数については特に制限はない。
加熱部43は、貫通孔32の壁面に沿うようにして検出装置本体31の内部に埋設されていてもよい。また、図8に示すように、貫通孔32が配置されている位置だけでなく、更に検出装置本体31の他方の端部31b側に延びるように形成されていてもよい。これにより、貫通孔内部と貫通孔付近との温度差を小さくでき、急加熱しても検出装置本体の破損が起きにくいという利点がある。加熱部により、貫通孔の内部空間の温度を650℃まで上昇できることが好ましい。また、図2A〜図8に示す粒子状物質検出装置100においては、加熱部43が、一対の計測電極12a,12bが埋設された壁33の内部に配設された場合の例を示す。加熱部は、2箇所以上の位置に配設されていてもよい。例えば、集塵電極41が埋設された側の壁34の内部にも、加熱部43が配設されていてもよい。
加熱部43は、加熱配線43bに接続されている。そして、加熱配線43bは、加熱部取出端子43aに接続されている(例えば、図2C参照)。加熱部取出端子43aも、計測電極取出端子17a,17bの場合と同様に、検出装置本体31の他方の端部31bに配設されることが好ましい。これにより、検出装置本体31の一方の端部31a側が加熱されたときの熱の影響を回避することができる。2つの加熱部取出端子43aが、検出装置本体31の他方の側面側に、2本が並ぶように配置されているが、加熱部取出端子43aの配置は、このような配置に限定されるものではない。
(3)粒子状物質検出装置の製造方法:
次に、本実施形態の粒子状物質検出装置の製造方法について、図1〜図8に示す粒子状物質検出装置100を製造する方法を例に説明する。なお、粒子状物質検出装置を製造する方法については、以下の製造方法に限定されるものではない。
(3−1)成形原料の調製:
まず、検出装置本体を製造するための成形原料を調製する。成形原料としては、検出装置本体が誘電体となるような誘電体原料を用いることが好ましい。誘電体原料としては、セラミック原料を挙げることができる。セラミック原料としては、アルミナ、及びジルコニアを好適に用いることができる。成形原料には、上記セラミック原料とは別に、他の成分が更に含まれていてもよい。セラミック原料と、成形原料として使用する他の成分とを混合し、スラリー状の成形原料を調製する。他の原料としては、バインダー、可塑剤、分散剤、分散媒等を使用することが好ましい。
バインダーとしては、水系バインダー、非水系バインダーを用いることができる。水系バインダーとしては、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド等を好適に使用できる。非水系バインダーとしては、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等を好適に使用することができる。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等を挙げることができる。
バインダーの添加量は、誘電体原料100質量部に対して、3〜20質量部であることが好ましく、6〜17質量部であることが更に好ましい。このようなバインダー含有量とすることにより、スラリー状の成形原料を成形してグリーンシートを成形したときにクラック等の発生を防止することが可能となる。また、グリーンシートを乾燥及び焼成したときにも、クラック等の発生を防止することが可能となる。
可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル等を使用することができる。
可塑剤の添加量は、バインダー添加量100質量部に対して、30〜70質量部であることが好ましく、45〜55質量部であることが更に好ましい。可塑剤の添加量が、70質量部より多いと、グリーンシートが柔らかくなりすぎることがある。そのため、シートを加工する工程において、グリーンシートが変形しやすくなる。また、可塑剤の添加量が、30質量部より少ないと、グリーンシートが硬くなりすぎることがある。そのため、グリーンシートを曲げただけでクラックが入るなどハンドリング性が悪くなることがある。
分散剤としては、水系及び非水系の分散剤を挙げることができる。水系では、アニオン系界面活性剤、ワックスエマルジョン、ピリジン等を使用することができる。非水系では、脂肪酸、リン酸エステル、合成界面活性剤等を使用することができる。
分散剤は、誘電体原料100質量部に対して、0.5〜3質量部であることが好ましく、1〜2質量部であることが更に好ましい。0.5質量部より少ないと、誘電体原料の分散性が低下することがあり、グリーンシートにクラック等が生じることがある。3質量部より多いと、誘電体原料の分散性は変わらずに焼成時の不純物を増やすことになる。
分散媒としては、水等を使用することができる。分散媒は、誘電体原料100質量部に対して、50〜200質量部であることが好ましく、75〜150質量部であることが更に好ましい。
上記各原料をアルミナ製ポット及びアルミナ玉石を用いて十分に混合してグリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を作製する。また、これらの材料を、モノボールによりボールミル混合して作製してもよい。
次に、得られたグリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を、減圧下で撹拌して脱泡し、更に所定の粘度となるように調製する。成形原料の調製において得られるスラリー状の成形原料の粘度は、2.0〜6.0Pa・sであることが好ましく、3.0〜5.0Pa・sであることが更に好ましく、3.5〜4.5Pa・sであることが特に好ましい。粘度範囲をこのように調整すると、スラリーをシート状に成形し易くなるため好ましい。スラリー粘度は、高過ぎても低過ぎても成形し難くなることがある。なお、スラリーの粘度は、B型粘度計で測定した値である。
(3−2)成形加工:
次に、上記方法により得られたスラリー状の成形原料をテープ状に成形加工して、一方向に長いグリーンシートを複数作製する。成形加工方法は、成形原料をシート状に成形してグリーンシートを形成することができれば特に制限はない。例えば、ドクターブレード法、プレス成形法、圧延法、カレンダーロール法等の公知の方法を使用することができる。このとき、グリーンシートを積層したときに貫通孔が形成されるように、貫通孔形成用のグリーンシートを少なくとも一枚作製する。製造するグリーンシートの厚さは、50〜800μmであることが好ましい。
得られた各グリーンシートの表面に、粒子状物質検出装置を構成する各電極、加熱部、各配線、各取出端子等を適宜配設する。各電極とは、一対の計測電極、集塵電極、接地電極等を挙げることができる。例えば、図10に示すように、グリーンシート80aに、加熱部43、及び加熱配線43bを配設する。グリーンシート80bに、接地電極42を配設する。グリーンシート80cに、一対の計測電極12a,12b、及び計測配線16a,16bを配設する。図10においては、計測配線16a,16bの間にも、接地電極42を配置した例を示す。グリーンシート80dに、接地電極42を配設する。グリーンシート80eに、集塵電極41、及び集塵配線41bを配設する。グリーンシート80fに、加熱部43、及び加熱配線43bを配設する。グリーンシート80dは、上述した貫通孔形成用のグリーンシートであり、貫通孔が形成される部分が切り取られている。また、グリーンシート80gは、検出装置本体の片側の側面を構成するものであり、グリーンシート80fに積層される。
また、図10においては、グリーンシート80cとグリーンシート80dとの間に、各グリーンシートよりも厚さの薄い、誘電体層85を配置した例を示す。誘電体層は、ペースト状の成形原料を塗工することによって形成することができる。また、図10においては、グリーンシート80a〜80gの他方の端部が省略されているが、グリーンシート80a〜80gの他方の端部には、各取出端子が適宜配置される。ここで、図10は、粒子状物質検出装置の製造方法の一例を示す模式図である。
各電極、配線、加熱部、及び取出端子を形成(印刷)するための導体ペーストは、各電極、配線等のそれぞれの形成に必要なそれぞれの材質に合わせて適宜調製することができる。例えば、導体ペーストは、原料粉末に、バインダー及びテルピネオール等の溶剤を加え、トリロールミル等を用いて十分に混錬して調製することができる。原料粉末としては、金、銀、白金、ニッケル、モリブデン、及びタングステンからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものを挙げることができる。各電極、配線等の形成に必要な材質を含有するそれぞれの導体ペーストを、グリーンシートの表面にスクリーン印刷等を用いて印刷して、所定の形状の各電極、配線、加熱部、及び取出端子を形成する。
図10に示す各グリーンシート80a〜80gを順次積層し、グリーンシート積層体を作製する。このような粒子状物質検出装置の製造方法は、電極等を配設したグリーンシートを積層し、乾燥、焼成して検出装置本体を作製するため、効率的に本発明の粒子状物質検出装置を製造することができる。
また、本実施形態の粒子状物質検出装置においては、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、上記式(1)を満たすように構成される。貫通孔の間隙G(mm)は、グリーンシート80dの厚さによって決まるため、集塵電極に印加する電圧を考慮して、グリーンシート80dの厚さを決定する。
上記複数のグリーンシートの積層は、同時に行ってもよいし、例えば、集塵電極埋設グリーンシートをまず作製してから、他のグリーンシートと積層してもよい。積層は加圧しながら行うことが好ましい。
また、図11に示すような方法で、グリーンシートの積層体を作製してもよい。図11は、粒子状物質検出装置の製造方法の他の例を示す模式図である。図11においては、グリーンシート81d及び81eが、貫通孔形成用のグリーンシートであり、貫通孔が形成される部分が切り取られている。そして、グリーンシート81eの貫通孔が形成される部分を覆うように、誘電体層87を配置し、この誘電体層87に集塵電極41を配置する。集塵配線41bは、グリーンシート81eに配置する。その他の製造方法は、図10における製造方法と同様である。即ち、グリーンシート81aに、加熱部43、及び加熱配線43bを配設する。グリーンシート81bに、接地電極42を配設する。グリーンシート81cに、一対の計測電極12a,12b、及び計測配線16a,16bを配設する。グリーンシート81dに、接地電極42を配設する。グリーンシート81fに、加熱部43、及び加熱配線43bを配設する。グリーンシート81cとグリーンシート81dとの間に、各グリーンシートよりも厚さの薄い、誘電体層86を配置する。そして、各グリーンシート81a〜81gを順次積層し、グリーンシート積層体を作製する。
また、図11に示す製造方法において、グリーンシート81dを省略してもよい。即ち、図11においては、グリーンシート81dに接地電極42を配置しているが、グリーンシート81cの表面に配置した誘電体層86に対して、接地電極42を直接配置してもよい。このように構成することによって、貫通孔の間隙Gを調整することもできる。
(3−3)焼成:
次に、グリーンシート積層体を乾燥、焼成して、粒子状物質検出装置のセンサ部分を得る。具体的には、例えば、グリーンシート積層体を、60〜150℃で乾燥し、1200〜1600℃で焼成する。グリーンシートが有機バインダーを含有する場合には、焼成の前に、400〜800℃で脱脂することが好ましい。センサ部分とは、検出装置本体に一対の計測電極や集塵電極等の各構成要素が適宜配置されたものであって、本実施形態の粒子状物質検出装置において粒子状物質を実際に検出する部分のことをいう。
(3−4)粒子状物質検出装置の作製:
次に、得られた粒子状物質検出装置のセンサ部分と、集塵電極用電源及び粒子状物質量算出手段と電気的に接続して、本実施形態の粒子状物質検出装置を作製する。集塵電極用電源及び粒子状物質量算出手段は、これまでに説明した制御装置等に組み込まれたものであってもよい。本実施形態の粒子状物質検出装置においては、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、上記式(1)を満たすように構成される。このため、貫通孔の間隙G(mm)を考慮して、集塵電極用電源の印加電圧が決定される。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、検出装置本体を作製するための成形原料を調製した。誘電体原料としては、アルミナを使用した。この誘電体原料に、バインダー、可塑剤、分散剤、分散媒を添加した。バインダーとしては、ポリビニルブチラールを用いた。可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルを用いた。分散剤としては、ソルビタントリオレエートを用いた。分散媒としては、有機溶剤を用いた。有機溶剤は、キシレンとブタノールとの質量比が、6:4のものを用いた。これらの原料を、アルミナ製ポットに入れて混合し、グリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を作製した。各原料の使用量は、アルミナ100質量部に対して、バインダー7質量部、可塑剤3.5質量部、分散剤1.5質量部、有機溶剤100質量部とした。
次に、得られたグリーンシート製作用のスラリー状の成形原料を、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度が4Pa・sとなるように調製した。スラリーの粘度は、B型粘度計で測定した。
次に、上記方法により得られたスラリー状の成形原料を、ドクターブレード法によりシート状に成形加工した。この際、図10に示すように、グリーンシートを7枚作製した(グリーンシート80a〜80g)。貫通孔を形成するグリーンシート80dの厚さは、0.2mmとした。このグリーンシート80dの厚さが、貫通孔の間隙Gとなる。また、貫通孔の、検出装置本体の長手方向の長さは、7.2mmとした。
得られたグリーンシートの表面に、図10に示すように、一対の計測電極12a,12b、集塵電極41、接地電極42を配置した。以下、上記一対の計測電極等を総称して、「各電極」ということがある。また、グリーンシート80a,80fには、加熱部43を配置した。また、各電極及び加熱部には、それぞれ配線及び取出端子も配置した。
各電極、配線、及び取出端子を形成するための導体ペーストは、白金粉末に、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤、グリーンシートの共生地としてのアルミナ、焼結助剤を加えて調製した。溶剤としては、2−エチルヘキサノールを用いた。バインダーとしては、ポリビニルブチラールを用いた。可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルを用いた。分散剤としては、ソルビタントリオレエートを用いた。焼結助剤としては、ガラスフリットを用いた。これらの混合物を、らいかい機及びトリロールミルを用いて十分に混錬して、導体ペーストを調製した。なお、導体ペーストを調製する上記各成分は、質量比で、白金:アルミナ:ガラスフリット:2−エチルヘキサノール:ポリビニルブチラール:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル:ソルビタントリオレエート=80:15:5:50:7:3.5:1とした。
また、加熱部を形成するための導体ペーストは、タングステン粉末に、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤、グリーンシートの共生地としてのアルミナ、焼結助剤を加えて調製した。溶剤としては、2−エチルヘキサノールを用いた。バインダーとしては、ポリビニルブチラールを用いた。可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルを用いた。分散剤としては、ソルビタントリオレエートを用いた。焼結助剤としては、ガラスフリットを用いた。これらの混合物を、らいかい機及びトリロールミルを用いて十分に混錬して、加熱部用の導体ペーストを調製した。なお、加熱部用の導体ペーストを調製する上記各成分は、質量比で、タングステン:アルミナ:ガラスフリット:2−エチルヘキサノール:ポリビニルブチラール:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル:ソルビタントリオレエート=75.5:15:5:50:7:3.5:1とした。
上記各電極、配線、及び取付端子を形成するために調製された導体ペーストを、グリーンシートの表面にスクリーン印刷を用いて印刷した、所定の形状の各電極、配線、及び取付端子を形成した。計測電極は、櫛歯状の計測電極とした。この櫛歯状の部分が、検出装置本体の貫通孔の部分に位置するようにした。櫛歯状の一対の計測電極は、櫛歯部分の線間ピッチが0.35mmとなるように間隔を空けてかみ合うように対向配置した。櫛歯部分の線間ピッチ(0.35mm)の内訳は、櫛歯部分のクリアランスが0.15mm、各櫛歯部分の幅が0.20mmである。
図10に示すような、グリーンシート80a〜80gを積層して、グリーンシート積層体を作製した。グリーンシートの積層は、グリーンシートを加熱可能な一軸プレス機を用いて加圧積層した。
得られた、グリーンシート積層体を120℃で乾燥し、その後、1500℃で焼成した。グリーンシート積層体を焼成した焼成体が検出装置本体となる。検出装置本体に配置された取出端子に、集塵電極用電源、及び粒子状物質検出装置の制御装置を接続して、実施例1の粒子状物質検出装置を作製した。集塵電極用電源としては、フライバック方式による電源回路を用いた電源を用いた。制御装置により、粒子状物質量算出手段における電気的特性の測定及び粒子状物質の量の算出を行うことができる。制御装置の特性測定部としては、LCRメータを用いた。このLCRメータによって、一対の計測電極間の静電容量を、10m秒間隔で連続的に測定することができる。LCRメータとしては、アジレント・テクノロジー社製のLCRメータ4263B(商品名)を用いた。
実施例1の粒子状物質検出装置においては、検出装置本体に形成された貫通孔の間隙Gが、0.2mmであった。また、実施例1の粒子状物質検出装置においては、集塵電極に印加する電圧Vを、0.2kVとした。また、検出装置本体の厚さは、1.75mmであった。また、一対の計測電極が埋設された側の壁の厚さは、0.025mmであり、集塵電極が埋設された側の壁の厚さは、0.2mmであった。
図12に示すように、実施例1の粒子状物質検出装置100を、2.4Lのディーゼルエンジン90の排気系92の配管の一部に設置して粒子状物質の測定を行った。粒子状物質検出装置100の上流側には、破損した粒子状物質捕集フィルタ91(以下、単に「フィルタ」ともいう)を配置した。破損した粒子状物質捕集フィルタ91は、表面の11%が破損している。このフィルタの破損部分から、粒子状物質が下流側に流出し、その粒子状物質を、実施例1の粒子状物質検出装置によって検知する。図12は、実施例における粒子状物質の測定方法を模式的に示す説明図である。
粒子状物質検出装置が配置された排気系における通気条件は、以下の通りである。排気ガスの温度が、187℃、排気ガスの流量が、641L/min、排ガス中の粒子状物質の平均濃度が、2.3mg/mである。
実施例1の粒子状物質検出装置の構成、及び一対の計測電極間にて測定された静電容量(pF)を表1に示す。一対の計測電極間の静電容量を測定する検知信号は、電圧5Vで、周波数1kHzとする。表1においては、粒子状物質を集塵する前の静電容量A(pF)、集塵20分後の静電容量B(pF)、及び静電容量Bと静電容量Aの差の値を示す。静電容量Bと静電容量Aの差の値は、静電容量B−静電容量Aにより算出される値である。表1においては、静電容量Bと静電容量Aの差の値を、「△C(pF)」と示す。
Figure 2013145179
(実施例2〜6)
貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)を表1に示すように変更した以外は、実施例1の粒子状物質検出装置と同様に構成された粒子状物質検出装置を作製した。得られた粒子状物質検出装置を用いて、実施例1と同様の方法で、粒子状物質の検出を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜5)
貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)を表1に示すように変更した以外は、実施例1の粒子状物質検出装置と同様に構成された粒子状物質検出装置を作製した。得られた粒子状物質検出装置を用いて、実施例1と同様の方法で、粒子状物質の検出を行った。結果を表1に示す。
図13は、実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係を示すグラフである。図13のグラフにおいては、横軸が貫通孔の間隙G(mm)を示し、縦軸が集塵電圧V(kV)を示す。実施例1〜6の粒子状物質検出装置は、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)とが、上記式(1)の関係を満たす範囲に納まるように構成されている。一方、比較例1〜5の粒子状物質検出装置は、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)とが、上記式(1)の関係を満たす範囲に納まってはいなかった。
また、実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置の静電容量(pF)の測定結果について、図14〜図17に示す。図14は、比較例1及び2の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。図15は、実施例1、2及び比較例3の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。図16は、実施例3、4及び比較例4の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。図17は、実施例5、6及び比較例5の粒子状物質検出装置における、静電容量(pF)の測定結果を示すグラフである。
実施例1〜6の粒子状物質検出装置は、貫通孔を形成する壁に粒子状物質を集塵させることができ、集塵20分後の静電容量Bが、集塵する前の静電容量Aより増加していた。一方、実施例1〜5の粒子状物質検出装置は、集塵20分後の静電容量Bと、集塵する前の静電容量Aとの差(即ち、△C(pF))がゼロ(0)であり、粒子状物質の検出を行うことができなかった。特に、比較例1及び2の粒子状物質検出装置においては、貫通孔内に粒子状物質がほとんど侵入せず、仮に、集塵電極をこれ以上増加しても、粒子状物質の検出は困難である。また、比較例3〜5の粒子状物質検出装置においては、集塵電極によって発生する電界による捕集効果が十分に得られず、粒子状物質の検出が困難であった。
また、実施例及び比較例には記載していないが、貫通孔の間隙Gが、1.0mmを超えた場合には、粒子状物質検出装置自体が大型化し、ディーゼルエンジンの排気系の配管への設置ができなかった。また、貫通孔の間隙Gが大きくなることで、検出装置本体に歪みが生じ、粒子状物質検出装置の製造が困難であった。また、集塵電圧Vを、1.0kVを超えた場合には、検出装置本体の表面に沿面放電が生じ、静電容量の測定が困難であった。このため、集塵電圧Vが1.0kVを超える場合には、検出装置本体の設計変更や沿面放電対策等の対応が別途必要となり、簡便な構成を採用しつつ、高精度及び高感度の粒子状物質の検出は極めて困難ということが分かった。
また、実施例1〜6及び比較例1〜5の測定結果を基に、貫通孔の間隙G(mm)と、集塵電圧V(kV)との関係性について更に検討する。ここで、集塵電圧V(kV)の値を、貫通孔の間隙G(mm)の値で除した数値を、空間電界(kV/mm)と定義する。即ち、空間電界(kV/mm)は、集塵電圧V(kV)/貫通孔の間隙G(mm)により求められる。この空間電界は、誘電体における電圧を無視した値であり、空間電界のレベルを比較する指標となる。
実施例1〜6及び比較例1〜5において、空間電界を求めた場合、空間電界は、大きく3つの値に分類される。即ち、比較例1、3、4及び5は、空間電界が、約0.5kV/mmである。実施例1、3、及び4は、空間電界が、約1.0kV/mmである。実施例2、5及び比較例2は、空間電界が、約1.5kV/mmである。この結果を基に、図18に示すグラフにより、空間電界と、検出感度との関係について説明する。図18は、実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、空間電界(kV/mm)と、△C(pF)との関係を示すグラフである。図18中の「Gap」とは、貫通孔の間隙G(mm)のことである。図18に示すグラフから、貫通孔の間隙Gが、0.15mm以下では、電界強度(空間電界)を上げても、粒子状物質の検出が低いことが分かる。電界強度は、貫通孔の間隙Gを一定と考えれば、集塵電圧Vに比例する。従って、貫通孔の間隙Gが0.15mm以下では、集塵電圧Vを上げても、粒子状物質の検出感度が低いこととなる。そして、貫通孔の間隙Gが、0.15mmを超えると、電界強度に比例した検出感度を得ることができる。例えば、貫通孔の間隙Gが、0.2mmの場合には、検出感度が得られることが分かる。
また、図19に示すグラフにより、空間電界と、検出感度との関係について説明する。図19は、実施例1〜6及び比較例1〜5の粒子状物質検出装置における、貫通孔の間隙G(mm)と、△C(pF)との関係を示すグラフである。図19中の「Gap」とは、貫通孔の間隙Gのことである。図19に示すグラフから、空間電界が0.5kV/mm以下になると、粒子状物質の検出感度が低くなることが分かる。一方、空間電界が1.0kV/mm以上であると、粒子状物質の検出に必要な十分な感度が得られることが分かる。このため、貫通孔の間隙Gは、0.4mmの周辺で、集塵電圧V(kv)の値により、上記式(1)の範囲内にて調整することがより好ましいといえる。
本発明の粒子状物質検出装置は、測定対象ガス中の粒子状物質の検出に用いることができる。例えば、本発明の粒子状物質検出装置によれば、DPFの欠陥の発生を即座に検知し、装置の異常を認識することができる。これにより大気汚染の防止に貢献することができる。
12a,12b:計測電極、13:櫛歯部、14:櫛骨部、16a,16b:計測配線、17a,17b:計測電極取出端子、31:検出装置本体、31a:一方の端部、31b:他方の端部、31c:一方の先端部分、31d:他方の先端部分、32:貫通孔、33:一方の壁、34:他方の壁、41:集塵電極、41a:集塵電極取出端子、41b:集塵配線、42:接地電極、42a:接地電極取出端子、42b:接地配線、43:加熱部、43a:加熱部取出端子、43b:加熱配線、50:集塵電極用電源、60:粒子状物質量算出手段、61:特性測定部、62:粒子状物質量算出部、63:粒子状物質濃度算出部、80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g,81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g:グリーンシート、85,86,87:誘電体層、90:ディーゼルエンジン、91:粒子状物質捕集フィルタ、92:排気系、100:粒子状物質検出装置、G:貫通孔の間隙、V:集塵電圧。

Claims (4)

  1. 一方の端部に、貫通孔が形成された一方向に長い検出装置本体と、
    前記貫通孔を形成する一方の壁の内部に埋設され、誘電体で覆われた少なくとも一対の計測電極と、
    前記一方の壁と前記貫通孔を挟んで対向配置された他方の壁の内部に埋設された、集塵電極と、
    前記集塵電極に電圧を印加して、前記貫通孔内に、前記集塵電極から前記一対の計測電極側に向けて電界を発生させるための集塵電極用電源と、
    前記貫通孔を通過する測定対象ガスに含まれる粒子状物質を、前記電界によって前記貫通孔を形成する壁の表面に集塵させ、前記一対の計測電極の間の電気的特性の変化を測定して、集塵された前記粒子状物質の量を求める粒子状物質量算出手段と、を備え、
    前記貫通孔を形成する前記一方の壁から前記他方の壁までの間隙G(mm)と、前記集塵電極に印加する電圧V(kV)との関係が、下記式(1)を満たす粒子状物質検出装置。
    V>0.5G+0.025 ・・・ (1)
    (但し、上記式(1)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
  2. 前記間隙G(mm)と、前記電圧V(kV)との関係が、更に、下記式(2)を満たす請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
    V<1.1G+0.175 ・・・ (2)
    (但し、上記式(2)において、0.15<G≦1.0、且つ、V≦1.0である)
  3. 前記検出装置本体が、アルミナを含むセラミック材料からなるものである請求項1又は2に記載の粒子状物質検出装置。
  4. 前記貫通孔を形成する前記一方の壁の内部に、接地用の接地電極を更に備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子状物質検出装置。
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